JP2005254616A - 液体噴射ヘッドおよびこれを備えた液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体噴射ヘッドの積層構造を配線や実装の関係を考慮して改良したものであり、全体として作業性など応用性を高めることができる液体噴射ヘッドおよびこれを備えた液体噴射装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 複数のノズル孔33に対して共通に連通するリザーバ部51が形成されたリザーバ形成基板23と、リザーバ形成基板23の一方の面に接合された配線基板24と、を備え、リザーバ部51は少なくとも配線基板24側を開口して形成され、配線基板24はリザーバ部51の開口を閉塞する閉塞部73を有する液体噴射ヘッド2である。配線基板24はCOF(Chip On Film)により構成される。
【選択図】 図3
【解決手段】 複数のノズル孔33に対して共通に連通するリザーバ部51が形成されたリザーバ形成基板23と、リザーバ形成基板23の一方の面に接合された配線基板24と、を備え、リザーバ部51は少なくとも配線基板24側を開口して形成され、配線基板24はリザーバ部51の開口を閉塞する閉塞部73を有する液体噴射ヘッド2である。配線基板24はCOF(Chip On Film)により構成される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、インクジェットヘッドに代表される液体噴射ヘッドおよびこれを備えた液体噴射装置に関するものである。
従来、液体吐出素子を駆動源として複数のノズル孔から液体を噴射するこの種の液体噴射ヘッドは、複数のノズル孔にそれぞれが連通する複数の液室を有する流路形成基板と、流路形成基板の上面側に積層され、複数の液室に共通に連通するリザーバを流路形成基板と協働して構成するリザーバ形成基板と、リザーバ形成基板の上面側に積層され、その上面側からリザーバの開口を閉塞するコンプライアンス基板と、を有している(例えば特許文献1参照。)。液体吐出素子を圧電素子で構成した場合には、圧電素子は液室に対応して流路形成基板の上面に設けられ、リザーバ形成基板の下面には、圧電素子の運動を許容するための凹部が形成されている。
リザーバ形成基板の上面には、IC(Integrated Circuit)を制御するための駆動配線が所定パターンで形成されており、さらに各液体吐出素子を駆動するためのICと、ICに配線接続されたFPC(Flexible Print Cable)と、がコンプライアンス基板から外れた位置に実装されている。そして、ICのボンディングパッドと各液体吐出素子のリード電極とが、ワイヤボンディングされている。
特開2003−246065号公報(第1図および第2図)
リザーバ形成基板の上面には、IC(Integrated Circuit)を制御するための駆動配線が所定パターンで形成されており、さらに各液体吐出素子を駆動するためのICと、ICに配線接続されたFPC(Flexible Print Cable)と、がコンプライアンス基板から外れた位置に実装されている。そして、ICのボンディングパッドと各液体吐出素子のリード電極とが、ワイヤボンディングされている。
このような従来の液体噴射ヘッドは、良好な液体噴射特性を維持しながら小型化に供することができる点では有用である。しかし、上記特許文献1には、例えば、リザーバ形成基板から配線基板としての機能を分離することや、コンプライアンス基板にリザーバの閉塞以外の機能をもたせることなどについては、言及されていない。
本発明は、このような従来の液体噴射ヘッドの積層構造を配線や実装の関係を考慮して改良することを課題とし、全体として作業性など応用性を高めることができる液体噴射ヘッドおよびこれを備えた液体噴射装置を提供することをその目的としている。
本発明の液体噴射ヘッドは、ノズル孔から液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、複数のノズル孔に対して共通に連通するリザーバ部が形成されたリザーバ形成基板と、リザーバ形成基板の一方の面に接合された配線基板と、を備え、リザーバ部は、少なくとも配線基板側を開口して形成され、配線基板は、リザーバ部の開口を閉塞する閉塞部を有するものである。
この構成によれば、リザーバ部が形成されたリザーバ形成基板に配線基板を接合するため、リザーバ形成基板に配線を形成する必要がなくなる。また、配線基板はリザーバ部の開口に対応する領域に閉塞部を有するため、両基板を接合することで、リザーバ形成基板のリザーバ部の開口を閉塞部で確実に閉塞することができる。また、副次的作用として、液体が閉塞部に直接接触するため、液体と閉塞部との間で熱交換が行われ、閉塞部を有する配線基板を好適に冷却し得る。
この場合、閉塞部は、可撓性を有する膜で形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、膜状の閉塞部によってリザーバ部にコンプライアンスを与えることが可能となる。すなわち、リザーバ部に圧力変動が生じても、これに追従して閉塞部がその可撓性により変形し得るため、ノズル孔からの液体噴射性を好適に維持することが可能となる。なお、閉塞部は、例えばポリフェニレンサルファイドやポリフェニレンテレフタルアミドなどの可撓性に有用な単一の樹脂で形成することがより好ましい。
これらの場合、閉塞部には、リザーバ部に連通しこれに液体を導入するための液体導入口が設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、配線基板を有効に利用して液体導入口を形成しているため、配線基板を介してリザーバ部に液体を導入することが可能となる。
これらの場合、リザーバ部の開口はリザーバ形成基板を貫通して形成され、且つリザーバ形成基板の他方の面には流路形成基板が接合されており、流路形成基板は、複数のノズル孔にそれぞれが連通する複数の液室と、複数の液室に共通に連通すると共に、リザーバ部と協働して複数の液室の共通液体室となるリザーバを構成する連通部と、を有することが、好ましい。
この構成によれば、配線基板および流路形成基板でリザーバ形成基板を挟むようにこれら各基板は互いに接合されるが、この接合状態で、リザーバ部および連通部によりリザーバが構成される。リザーバを介して、各ノズル孔は、対応する液室からの液体の伝播によって液体を噴射する。このように、リザーバの一部を構成する流路形成基板を別途設けることで、リザーバ部自体ひいてはリザーバ形成基板を大きくする必要がなくなると共に、後述するように流路形成基板に液体吐出素子を作り込むことができるなど、全体として応用性を好適に高めることができる。
この場合、複数の液室に対応して、各々が複数のノズル孔から液体を噴射するための駆動源となる複数の液体吐出素子が設けられており、配線基板には、各液体吐出素子を駆動する駆動回路が閉塞部から外れた位置に実装されていることが、好ましい。
この構成によれば、駆動回路が閉塞部から外れた位置に配線基板に実装されているため、駆動回路の形成によって例えば閉塞部のコンプライアンス機能が損なわれることがない。
この場合、複数の液体吐出素子は、流路形成基板のリザーバ形成基板側に設けられ、リザーバ形成基板および配線基板には、これらを接合方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、駆動回路のIC上のボンディングパッドと、各液体吐出素子のリード電極とが、各貫通孔を介してワイヤボンディングされていることが、好ましい。
この構成によれば、ボンディングパッドがIC上にあるため、例えば流路形成基板上の液体吐出素子を複数列で構成し、これに対応してICを複数列で構成しこの列間に上記の貫通孔を位置させるような場合に、各ICを貫通孔にできるだけ近づけることが可能となる。すなわち、液体噴射ヘッドの小型化に供することが可能となる。
同様に、複数の液体吐出素子は、流路形成基板のリザーバ形成基板側に設けられ、リザーバ形成基板および配線基板には、これらを接合方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、駆動回路のICのボンディングパッドが配線基板上に設けられ、ボンディングパッドと各液体吐出素子のリード電極とが、各貫通孔を介してワイヤボンディングされていることが、好ましい。
この構成によれば、通常、ワイヤボンディングではボンディングパッドからの導電線に盛り上がりが生じるが、ボンディングパッドが配線基板上にあるため、ICの上方にデッドスペースを生じさせなくすることができる。すなわち、液体噴射ヘッドの積層高さを小さくすることに供することができる。
これらの場合、配線基板は、COF(Chip On Film)で構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、例えばCOFに予め上記の駆動回路を実装しておくことで、リザーバ形成基板や配線基板を接合する液体噴射ヘッドの構成(組立)の際に、その作業性を向上することが可能となる。
本発明の液体噴射装置は、上記した本発明の液体噴射ヘッドを備えたものである。
この構成によれば、液体噴射ヘッドによって印刷を含む各種の描画処理を行うことができる。例えば液体噴射装置としては、液体噴射ヘッドを吐出媒体(印刷媒体)に対して相対的に走査させるインクジェットプリンタのほか、カラーフィルタや有機ELデバイス等の製造ラインに組み込まれ、吐出する液体としてフィルタエレメントや発行材料等の機能液を用いて基板に所望の成膜を施す装置などが挙げられる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る液体噴射ヘッドおよびこれを備えた液体噴射装置について説明する。この液体噴射ヘッドは、これを構成する基板の一つをCOFで構成して、ノズル孔から液体をドット状に吐出するものである。以下の説明では、先ず、液体噴射ヘッド(インクジェットヘッド)を複数個搭載した液体噴射装置について、インクジェットプリンタを例に簡単に説明する。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、例えば4つのインクジェットヘッド2(図2参照)を下部に搭載したキャリッジ3と、キャリッジ3を往復動させる駆動源のキャリッジモータ4と、キャリッジ3の往復動をガイドするガイド軸5と、キャリッジモータ4の動力をキャリッジ3に伝達するタイミングベルト等などの動力伝達機構6と、インクジェットヘッド2に所定の間隙を存した状態で印刷媒体Sを送るプラテンローラ7と、プラテンローラ7を駆動回転させる駆動モータ8と、これら各種モータ4,8やガイド軸5等を固定した装置フレーム9と、を備えている。
キャリッジ3には、各インクジェットヘッド2にインクを供給する例えば4つのインクカートリッジ11が着脱可能に装着されている。個々のインクカートリッジ11には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびブラック(Bk)の各色が貯留されている。インクジェットプリンタ1の印刷動作は、プラテンローラ7による印刷媒体Sの間欠送りに同期してキャリッジ3が往復動し、その際に、各インクジェットヘッド2から各色のインク滴が下方の印刷媒体Sに向けて吐出されることで行われる。
図2ないし図4に示すように、インクジェットヘッド2は、各図でいう下側から順に、ノズルプレート21、流路形成基板22、リザーバ形成基板23、COF24(配線基板)、およびヘッドケース25を積層して、これらを互いに接合することでユニット化されている。なお、ヘッドケース25については図2では省略されている。
インクジェットヘッド2の各構成部材(21〜25)は、外形形状がCOF24の長手方向の部位を除いて合致しており、接着剤等により互いに固着されてユニット化される。ユニット化されたインクジェットヘッド2は、その外形形状から延出されたCOF24の長手方向の端部が、装置フレーム9に設けた装置側の制御基板に接続されている。なお、ユニット化される際には、各構成部材(21〜25)の隅部の2箇所にそれぞれ形成した位置決め孔27に位置決めピンが挿入されて、各構成部材(21〜25)の相対的な位置決めがなされる。
ノズルプレート21は、ステンレス板等により長方形に形成され、相互に平行に列設された2本のノズル列31を有している。各ノズル列31は、等ピッチで並べた複数(例えば180個:図示では模式的に示している)のノズルで構成され、ノズルプレート21の下面となる平坦なノズル面32からノズル孔33が開口している。なお、ノズル列31の数や、ノズル孔33の数は任意である。
流路形成基板22は、シリコン単結晶基板からなる。流路形成基板22のリザーバ形成基板23側の上面は、熱酸化されて二酸化シリコンとなっており、当該酸化シリコン層は弾性膜として機能する。流路形成基板22は、左右2本のノズル列31に対応した構成となっている。
すなわち、右側のノズル列31に対応して流路形成基板22の右半部は、各ノズル孔33にそれぞれが連通する複数の圧力発生室41(液室)と、各圧力発生室41の並び方向の外側に設けられ、各圧力発生室41に共通に連通する単一の共通連通路42(連通部)と、各圧力発生室41および共通連通路42を連絡する複数の液体供給路43と、を備えている。また、各圧力発生室41の直上部には、圧力発生室41内の圧力を変動させる複数の圧電素子44(液体吐出素子)が設けられている。同様に、流路形成基板22の左半部は、複数の圧力発生室41、単一の共通連通路42、複数の液体供給路43、および複数の圧電素子44を有している。
圧力発生室41、共通連通路42および液体供給路43は、流路形成基板22をエッチングすることで形成されている。そして、圧力発生室41の厚さ方向の開口、液体供給路43の厚さ方向の開口および共通連通路42の厚さ方向の一方の開口、すなわち流路形成基板22のノズルプレート21側の開口が、ノズルプレート21によって閉塞されている。なお、共通連通路42の厚さ方向の他方の開口は、リザーバ形成基板23の後述するリザーバ部51に連通している。
圧電素子44は、ノズル孔33から液体をドット状に噴射させる駆動源となるものである。圧電素子44は、いずれも図示省略するが、共通電極となる下電極、圧電体、および個別電極となる上電極が、流路形成基板22の上面側から順に積層されて構成されている。圧電素子44は、上電極から引き出されたリード電極44aを有している。リード電極44aは、流路形成基板22の中央部の縦断領域46まで延設されており、COF24上の後述するIC71に電気的に接続されている。
リザーバ形成基板23は、流路形成基板22と同一材料のシリコン単結晶基板で構成されている。リザーバ形成基板23は、流路形成基板22の左右の各共通連通路42に連通する左右二つのリザーバ部51と、これら二つのリザーバ部51の間に形成され、流路形成基板22の縦断領域46に臨む第1貫通孔52と、各圧電素子44の対向する領域に凹状に設けられ、各圧電素子44を大きく囲繞する複数の圧電素子保持部53と、を有している。
リザーバ部51は、リザーバ形成基板23を厚さ方向に貫通することで形成されており、上側の開口がCOF24によって閉塞され、下側の開口が略同一外形の共通連通路42に連通している。すなわち、リザーバ部51および共通連通路42により、複数の圧力発生室41の共通液体室として機能するリザーバ55が構成され、リザーバ55の上下の開口がCOF24およびノズルプレート21によって閉塞されている。
圧電素子保持部53は、リザーバ形成基板23の下面側をハーフエッチングされることで形成されており、圧電素子44の変位を阻害しない程度の空間を有している。第1貫通孔52は、リザーバ部51と同様に、リザーバ形成基板23を厚さ方向に貫通するようにエッチングされることで形成されている。第1貫通孔52は、リザーバ部51と平行に形成され、リザーバ部51と同様に、インクジェットヘッド2の長手方向に亘って延在している。
COF24は、リザーバ形成基板23とヘッドケース25との間に積層され、インクジェットヘッド2の積層構造として機能するヘッド構成部61と、ヘッド構成部61に一体に連なってこの積層構造の外側に延設されたヘッド外構成部62と、で構成されている。
COF24のヘッド構成部61は、その上面に実装された左右ニ列のIC71と、これら二列のIC71の間に形成され、リザーバ形成基板23の第1貫通孔52に連通する第2貫通孔72と、各IC71の外側に設けられ、それぞれがリザーバ形成基板23のリザーバ部51の上側の開口を閉塞する左右二つの閉塞部73と、を有している。第2貫通孔72は、第1貫通孔52と略同一の外形からなり、第1貫通孔52を介して縦断領域46に臨んでいる。ヘッド外構成部62は、FPCとして機能する。
COF24の基材80は、図5に示すように、例えば、ベースフィルム81と、ベースフィルム81上にパターニングされ、IC71が接続される銅箔82と、銅箔82上のポリイミド83と、で構成されている。そして、COF24は、ベースフィルム81の下面に接着層87を介してPPS層86(ポリフェニレンサルファイド層)が設けられている。PPS層86は、可撓性を有し、上記の閉塞部73を構成している。
具体的には、COF24のヘッド構成部61は次のようにして製造されている。先ず、COF24の基材80に対し、各閉塞部73に対応する部位をプレス加工により穴あけした後、ヘッド構成部61の基材80の全面に接着層87を介してPPS層86を貼着する。次いで、第2貫通孔72をプレス加工により形成する。このプレス加工の際には、第2貫通孔72と共に、COF24におけるニ箇所の位置決め孔27や、各リザーバ55に連通する二つの液体導入口89が、基材80およびPPS層86を貫通するようにして形成される。そして最終的に、二列のIC71が所定位置に実装される。
このように、COF24の閉塞部73が膜状のPPS層86のみで形成されることになるため、閉塞部73によってリザーバ55内にコンプライアンスを好適に与えることができるようになる。各液体導入口89は、各閉塞部73の所定位置に設けられており、ヘッドケース25を介してインクカートリッジ11のインクをリザーバ55に導入する。
なお、本実施形態では、リザーバ部51に対応する領域となる閉塞部73をPPS層86で構成したが、PPS層86に代えてこれと同様に可撓性を有するポリフェニレンテレフタルアミド(PPTA)層としてもよい。なおまた、図3に示すCOF24は、多数作成された大判から最終的に使用サイズに切り出された状態のものを示している。また、ベースフィルム81と接着層87との間に図示しないプラスチック等の裏打ち材を追加することで、使用サイズに切り出し後の強度を好適に確保することができる。
IC71は、各圧電素子44を駆動するものであり、本実施形態では左右2列の圧電素子44の列に対応して、その上方に位置するように左右に二列設けられている。なおもちろん、IC71の数は任意である。IC71は、COF24の配線(銅箔82)に接続され、COF24を介して外部からの吐出信号等の各種信号を受け取るようになっていると共に、各圧電素子44に配線接続され、各種の信号に応じて各圧電素子44に電圧を印加する。
IC71と圧電素子44との配線接続は、IC71上のボンディングパッド71aと圧電素子44のリード電極44aとを、第1貫通孔52および第2貫通孔72を介して金線等の導電性ワイヤ91によって接続することでなされている。このようなワイヤボンディングは、左側のIC71には左列の各圧電素子44が、右側のIC71には右列の各圧電素子44が対応することでなされている。そして、第1貫通孔52および第2貫通孔72にポッティングされたモールド樹脂により、縦断領域46に位置する各リード電極44aは封入されている(図示省略)。
ヘッドケース25は、図3に示すように、二列のIC71が広く臨む開口部111を中央に有して、全体として枠状に形成されている。ヘッドケース25は、その下面がCOF24の閉塞部73に面して、これを除くCOF24の上面に接着されている。また、ヘッドケース25の上面は、インク供給針や取付け板フィルタを備えた流路形成部材(図示省略)を介してキャリッジ3の下部に固定される。ヘッドケース25には、COF24の二つの液体導入口89にそれぞれ連通する二つの液体導入通路112が貫通形成されており、これらがインクカートリッジ11に連通する流路形成部材の内部流路に接続されている。
したがって、インクジェットヘッド2では、インクカートリッジ11から液体導入通路112を介して導入されたインクが、液体導入口89、リザーバ部51、共通連通路42、液体供給路43、および圧力発生室41に亘って充填され、ノズル孔33にメニスカスを構成している。そして、インクジェットヘッド2は、インク滴吐出のための駆動信号がIC71から圧電素子44に印加されると、圧電素子44が変位してノズル孔33からインク滴を吐出する。
ここで、インクジェットヘッド2の一連の組立工程について簡単に説明する。各構成部材(21〜25)を組立て可能な図3のような状態から、先ず、ノズルプレート21、流路形成基板22およびリザーバ形成基板23の3つを接着剤等により固着し、サブユニットを構成する。次に、このサブユニットのリザーバ形成基板23にCOF24を接着したところで、IC71と各圧電素子44とをワイヤボンディングする。つづいて、COF24にヘッドケース25を接着し、モールド樹脂のポッティングを行う。これにより、インクジェットヘッド2は、キャリッジ3に取付け可能な状態となる。なお、各構成部材(21〜25)の固着の際には、各位置決め孔27を介して互いに位置決めがなされる。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド2によれば、その積層構造にCOF24を組み込んで構成しているため、従来に比べ(例えば特許文献1)、リザーバ形成基板23に配線を形成しなくて済み、組立工程を簡素化することができる。すなわち、インクジェットヘッド2の組立前に、IC71を実装したCOF24を用意しておくことで、組立工程においてIC71のダイアタッチやFPCの実装等が不要となると共に、組立工程で取り扱う部品点数を削減することが可能となり、その作業性を向上することができる。
また、リザーバ形成基板23に配線を形成しないで済むため、モールド樹脂をポッティングする領域がワイヤボンディングされている領域で足りることになる。これにより、ポッティング領域が小さくなるため、モールド樹脂がヘッドケース25の上面にまで拡がることを防止でき、COF24とヘッドケース25とを確実に接着することができる。
さらに、COF24に対するリザーバ形成基板23の上面には配線がないため、両者の各接着面はPPS層86およびシリコン単結晶基板となり、両者を確実に接着することができる。すなわち、COF24およびリザーバ形成基板23の接着性が高まるため、リザーバ部51のインクが、COF24とリザーバ形成基板23との界面にリークすることを有効に防止することができる。
また、本実施形態のインクジェットヘッド2によれば、COF24を有効に利用して、コンプライアンス機能を適切に確保しつつ、リザーバ部51(リザーバ55)の開口を閉塞することができる。さらに、COF24の閉塞部73がインクに直接接触するため、インクと閉塞部73との間で熱交換も行われ、COF24を直接的に冷却することが可能となる。このように、本実施形態のインクジェットヘッド2によれば、全体として応用性および信頼性を高めることができる。
次に、図6を参照して、他の実施形態に係るインクジェットヘッド2(液体噴射ヘッド)について、前記実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、圧電素子44のリード電極44aとワイヤボンディングされるIC71のボンディングパッド71aが、COF24の上面に設けられている。より詳細には、左側のIC71の各ボンディングパッド71aは、このIC71と第2貫通孔72との間のCOF24の上面に設けられ、右側のIC71の各ボンディングパッド71aは、このIC71と第2貫通孔72との間のCOF24の上面に設けられている。
本実施形態によれば、前記実施形態と異なり、導電性ワイヤ91の盛り上がりをIC71の高さ以下に抑えることが可能となる。これにより、ワイヤボンディングをより安定して行うことができると共に、ヘッドケース25の厚みを薄くすることができ、インクジェットヘッド2の高さを全体として小さくすることができる。
もっとも、本実施形態と異なり、前記実施形態では、IC71上にボンディングパッド71aを設けることで、二つのIC71間距離を短くすることができるため、インクジェットヘッド2の幅を全体として小さくできることはいうまでもない。
なお、上記各実施形態の説明では、その便宜上、インクジェットヘッド2の積層構造においてノズルプレート21を「下」とし、ヘッドケース25を「上」としたが、ここでいう「上面」および「下面」とは、「表面」および「裏面」と読み替えることができる。また、インクジェットヘッド2を構成する各部材の「厚さ方向」は、インクジェットヘッド2における「積層方向または接合方向」と等価である。
以上の説明では、液体噴射装置としてインクジェットプリンタ1を例に説明したが、液体噴射ヘッドの吐出する液体として各種の材料からなる機能液を用いることで、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることができる。すなわち、液体噴射装置には、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造ラインに組み込まれ、吐出する液体としてフィルタエレメントや発行材料等の機能液を用いて基板に所望の成膜を施す装置が含まれる。また、圧電素子44に代えて、液体吐出素子として発熱素子の発熱駆動でインク滴をノズル孔33から吐出させることも可能である。
1 インクジェットプリンタ(液体噴射装置)、2 インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)、21 ノズルプレート、22 流路形成基板(第2基板)、23 リザーバ形成基板、24 COF(配線基板)、25 ヘッドケース、33 ノズル孔、44 圧電素子、44a リード電極、51 リザーバ部、52 第1貫通孔、71 IC、71a ボンディングパッド、72 第2貫通孔、73 閉塞部、86 PPS層、89 液体導入口、91 導電性ワイヤ
Claims (9)
- ノズル孔から液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、
複数のノズル孔に対して共通に連通するリザーバ部が形成されたリザーバ形成基板と、
前記リザーバ形成基板の一方の面に接合された配線基板と、を備え、
前記リザーバ部は、少なくとも前記配線基板側を開口して形成され、
前記配線基板は、前記リザーバ部の開口を閉塞する閉塞部を有する液体噴射ヘッド。 - 前記閉塞部は、可撓性を有する膜で形成されている請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記閉塞部には、前記リザーバ部に連通しこれに液体を導入するための液体導入口が設けられている請求項1または2に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記リザーバ部の開口は前記リザーバ形成基板を貫通して形成され、且つ前記リザーバ形成基板の他方の面には流路形成基板が接合されており、
前記流路形成基板は、
前記複数のノズル孔にそれぞれが連通する複数の液室と、
前記複数の液室に共通に連通すると共に、前記リザーバ部と協働して当該複数の液室の共通液体室となるリザーバを構成する連通部と、
を有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記複数の液室に対応して、各々が複数のノズル孔から液体を噴射するための駆動源となる複数の液体吐出素子が設けられており、
前記配線基板には、前記各液体吐出素子を駆動する駆動回路が前記閉塞部から外れた位置に実装されている請求項4に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記複数の液体吐出素子は、前記流路形成基板の前記リザーバ形成基板側に設けられ、
前記リザーバ形成基板および前記配線基板には、これらを接合方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、
前記駆動回路のIC上のボンディングパッドと、前記各液体吐出素子のリード電極とが、前記各貫通孔を介してワイヤボンディングされている請求項5に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記複数の液体吐出素子は、前記流路形成基板の前記リザーバ形成基板側に設けられ、
前記リザーバ形成基板および前記配線基板には、これらを接合方向に貫通する貫通孔がそれぞれ形成され、
前記駆動回路のICのボンディングパッドが前記配線基板上に設けられ、
前記ボンディングパッドと前記各液体吐出素子のリード電極とが、前記各貫通孔を介してワイヤボンディングされている請求項5に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記配線基板は、COF(Chip On Film)で構成されている請求項1ないし7のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置。
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