JP6179833B2 - 液滴吐出装置及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴を吐出する液滴吐出装置及び装置に関する。
特許文献1に記載のインクジェットヘッド(液滴吐出装置)は、記録用紙に文字や画像等を記録するインクジェットプリンタに用いられている。このインクジェットヘッドは、複数のノズルを含むインク流路(液体流路)が形成された流路ユニット(流路構造体)と、複数のノズルから液滴を吐出するための吐出エネルギーをインク流路内のインク(液体)に付与する圧電アクチュエータ(エネルギー付与装置)と、圧電アクチュエータに接続される配線基板と、を備えている。流路ユニット上に圧電アクチュエータが接合され、圧電アクチュエータの上面に対向して配線基板が接合されることにより、インクジェットヘッドが組み立てられる。このような、いわゆるピエゾ方式のインクジェットヘッドにおいては、圧電アクチュエータの変形により、インクに吐出エネルギーが付与される。
特開2011−121186号公報
ところで、エネルギー付与装置と配線基板との接合部分には、インクが浸入しないようにするため、ポッティング(封止材)が注入されることが望ましい場合がある。しかし、この場合に、注入されたポッティングがエネルギー付与装置と配線基板との接合部分に入り込むと、エネルギー付与装置の動作に悪影響を及ぼすことがある。エネルギー付与装置が特許文献1に記載のように圧電アクチュエータである場合、例えば、圧電アクチュエータの圧電層の電極の変位を阻害し、インクの吐出速度が低下する可能性等がある。
本発明の目的は、エネルギー付与装置と配線基板との間に注入された封止材が両者の接合部分に入り込むことを防止することである。
第1の発明の液滴吐出装置は、複数のノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記複数のノズルから液滴を吐出するための吐出エネルギーを前記液体流路内の液体に付与するエネルギー付与装置と、前記エネルギー付与装置に接続される配線基板と、を備える液滴吐出装置であって、前記エネルギー付与装置は、その一表面に複数の第1接点を有し、前記配線基板は、前記エネルギー付与装置の前記複数の第1接点にそれぞれ対応する複数の第2接点と、前記複数の第2接点とそれぞれ接続された複数の信号配線と、を有し、前記配線基板が前記エネルギー付与装置の前記一表面に対向して配置された状態で、前記複数の第1接点と前記複数の第2接点とが電気的に接続され、前記配線基板と前記エネルギー付与装置の間には、前記複数の第1接点及び前記複数の第2接点の配置部分を囲む領域に封止材が注入され、前記配線基板には、前記複数の第2接点の配置部分を除く部分に、前記複数の第2接点とは電気的に接続されないダミー配線が形成されていることを特徴とする。
本発明では、配線基板に、複数の第2接点の配置部分を除く部分に、複数の第2接点とは電気的に接続されないダミー配線が形成されている。従って、注入された封止材よりも複数の第2接点の配置部分側に位置するダミー配線により、配線基板とエネルギー付与装置との接合部分における隙間が小さくなるため、配線基板とエネルギー付与装置との間に注入された封止材が両者の接合部分へ入り込むことを防止することができる。
第2の発明の液滴吐出装置は、第1の発明の液滴吐出装置において、前記ダミー配線は、前記複数の第2接点の配置部分に沿って延びることを特徴とする。
本発明では、ダミー配線は、複数の第2接点の配置部分に沿って延びる。従って、複数の第2接点の配置部分に沿って延びるダミー配線により、注入された封止材が複数の第1接点及び複数の第2接点の方へ入り込むことを防止することができる。
第3の発明の液滴吐出装置は、第2の発明の液滴吐出装置において、前記複数の第2接点は、所定方向に並んだ接点列を構成し、前記ダミー配線は、前記所定方向と交差する方向に沿って延びる第1ダミー配線と、前記所定方向に沿って延びる第2ダミー配線と、を含むことを特徴とする。
本発明では、ダミー配線は、複数の第2接点が並ぶ所定方向と交差する方向に沿って延びる第1ダミー配線と、所定方向に沿って延びる第2ダミー配線と、を含む。従って、複数の第2接点が並ぶ所定方向と交差する方向に延びる第1ダミー配線により、注入された封止材が複数の第1接点及び複数の第2接点の方へ入り込むことをより確実に防止することができる。また、複数の第2接点が並ぶ所定方向に延びる第2ダミー配線により、注入された封止材が複数の第1接点及び複数の第2接点の方へ入り込むことをより確実に防止することができる。
第4の発明の液滴吐出装置は、第1の発明の液滴吐出装置において、前記複数の第2接点は、所定方向に並んだ接点列を構成し、前記ダミー配線は、前記接点列の前記所定方向におけるいずれか一方側において、前記所定方向と交差する方向に沿って延びる第1部分と、前記第1部分から前記接点列を挟んで前記所定方向に沿って延びる一対の第2部分と、を有することを特徴とする。
本発明では、ダミー配線は、接点列の所定方向におけるいずれか一方側において、所定方向と交差する方向に沿って延びる第1部分と、第1部分から接点列を挟んで所定方向に沿って延びる一対の第2部分と、を有する。従って、複数の第2接点が並ぶ所定方向と交差する方向に延びる第1部分により、注入された封止材が複数の第1接点及び複数の第2接点の方へ入り込むことをより確実に防止することができる。また、ダミー配線が分断されている場合は、その間から封止材が入り込む可能性があるが、第1部分と第2部分と連続しているので、封止材が入り込むことをさらに防止することができる。
第5の発明の液滴吐出装置は、第4の発明の液滴吐出装置において、前記ダミー配線は、複数であり、複数の前記ダミー配線において、複数の前記第1部分間の前記ダミー配線が形成されていない領域の幅が、複数の前記第2部分間の前記ダミー配線が形成されていない領域の幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明では、複数のダミー配線において、複数の第1部分間のダミー配線が形成されていない領域の幅が、複数の第2部分間のダミー配線が形成されていない領域の幅よりも大きい。従って、複数の第1部分間に大きな凹部が形成されるため、封止材が一部のダミー配線を越えてきた場合でも、途中の凹部に封止材が収容される。このため、配線基板とエネルギー付与装置との接合部分へ封止材が入り込むことがより確実に防止される。また、ダミー配線が形成されていない領域の幅が狭い、複数の第2部分が抵抗となり、注入された封止材が配線基板とエネルギー付与装置との接合部分へ入り込むことを防止しようとする。
第6の発明の液滴吐出装置は、第5の発明の液滴吐出装置において、前記複数の信号配線は、前記所定方向に沿って延び、複数の前記第2部分間の前記ダミー配線が形成されていない領域の幅は、前記複数の信号配線間の前記信号配線が形成されていない領域の幅と等しいことを特徴とする。
本発明では、複数の信号配線は、所定方向に沿って延び、複数の第2部分間のダミー配線が形成されていない領域の幅は、複数の信号配線間の信号配線が形成されていない領域の幅と等しい。従って、所定方向に沿って延びる信号配線と第2部分とは、同様の構成となっているため、配線基板の配線形成時に信号配線とダミー配線の第2部分を形成しやすい。
第7の発明の液滴吐出装置は、第5又は第6の発明の液滴吐出装置において、前記複数のダミー配線において、前記第1部分の幅が、前記第2部分の幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明では、複数のダミー配線において、複数の第1部分間のダミー配線が形成されていない領域の幅が、複数の第2部分間のダミー配線が形成されていない領域の幅よりも大きい。また、第1部分の幅が、第2部分の幅よりも大きい。従って、幅の大きい第1部分により、封止材が配線基板とエネルギー付与装置との接合部分へ入り込むことがより確実に防止される。また、第1部分間に凹部が形成されるため、封止材が一部のダミー配線を越えてきた場合でも、途中の凹部に封止材が収容される。このため、配線基板とエネルギー付与装置との接合部分へ封止材が入り込むことがより確実に防止される。
本発明では、配線基板に、複数の第2接点の配置部分を除く部分に、複数の第2接点とは電気的に接続されないダミー配線が形成されている。従って、注入された複数の第2接点の配置部分側に位置するダミー配線により、配線基板とエネルギー付与装置との接合部分における隙間が小さくなるため、配線基板とエネルギー付与装置との間に注入された封止材が両者の接合部分へ入り込むことを防止することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 FPCの概略下面図である。 図5のB部拡大図である。 変形例に係るFPCの概略下面図である。 図7のC部拡大図である。 他の変形例に係るFPCの概略下面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、文字や画像等の記録を行うインクジェットプリンタが備えるインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した例である。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。インクジェットプリンタ1は、水平方向に沿って設置された場合、紙面手前側が上方となり、紙面奥側が下方となる。以下、水平方向に沿って設置された状態におけるインクジェットプリンタ1について説明する。左右方向、前後方向を図示の方向として説明し、左右方向、前後方向は、水平方向とそれぞれ平行である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、所定の走査方向、ここでは、左右方向に往復移動可能なキャリッジ2、キャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液滴吐出装置)、記録用紙Pを水平方向に沿って所定の走査方向に直交する搬送方向、すなわち、前方に搬送する搬送機構4等を備える。
プリンタ筐体5内には、記録用紙Pを支持するプラテン6が水平方向に沿って設置されている。このプラテン6の上方には、走査方向に平行に延びる2つのガイドレール7、8が設けられている。キャリッジ4は、図示しないキャリッジ駆動モータによって駆動されることによって、プラテン6上の記録用紙Pと対向する領域において、2本のガイドレール7、8に沿って走査方向に移動する。
インクジェットヘッド3は、プラテン6との間に隙間を有する状態でキャリッジ2の下部に水平方向に沿って取り付けられている。インクジェットヘッド3の下面は図2にも示す複数のノズル31が開口した液滴噴射面となっている。また、キャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3は、インクカートリッジホルダ9と図示しないチューブによって接続されている。インクカートリッジホルダ9に装着された4つのインクカートリッジ10a、10b、10c、10dにそれぞれ貯留されたマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のインクが、チューブを介してインクジェットヘッド3にそれぞれ供給される。
インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに、プラテン6上を搬送される記録用紙Pと対向する範囲だけでなく、この範囲から左右外側に外れた位置まで移動可能である。記録用紙Pと対向する範囲よりも右側の位置は、インクジェットヘッド3を使用しないときにキャリッジ2が待機する待機位置である。インクジェットヘッド3は、待機位置に到達したときに、下側に配置されている図示しないメンテナンスユニットと対向し、メンテナンスユニットにより、インクジェットヘッド3のメンテナンスが行われる。インクジェットヘッド3の詳細については、後述する。
搬送機構4は、プラテン6及びキャリッジ2を挟むように前後に配置された2つの搬送ローラ11、12を有する。これらの搬送ローラ11、12は、図示しない搬送モータによってそれぞれ駆動され、インクジェットヘッド3とプラテン6の間において、記録用紙Pを搬送方向へ搬送する。
以上のとおり説明したインクジェットプリンタ1は、プラテン6上の記録用紙Pに対して、キャリッジ2を走査方向に移動させつつインクジェットヘッド3からインクを吐出させる一方で、2つの搬送ローラ11、12によって記録用紙Pを搬送方向に搬送することにより、記録用紙Pに所望の画像や文字などを記録するように構成されている。
以下、インクジェットヘッド3について説明する。図2は、インクジェットヘッド3の平面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である
。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド3は、複数のノズル31を含むインク流路(液体流路)が形成された流路ユニット21(流路構造体)と、複数のノズル31から液滴を吐出するための吐出エネルギーを流路ユニット21内のインク(液体)に付与する圧電アクチュエータ22(エネルギー付与装置)と、圧電アクチュエータ22に接続されるフレキシブルプリント配線基板(配線基板)23と、を備えている。以下、フレキシブルプリント配線基板(Flexible Printed Circuit)をFPCと言う。なお、図2及び図3においては、FPC23は仮想線(一点鎖線)で示されている。
図4に示すように、流路ユニット21は、それぞれ、インク流路の一部を構成する孔が形成された、キャビティプレート24、ベースプレート25、マニホールドプレート26、及びノズルプレート27の4枚のプレートが上下に積層された構造を有する。これら4枚のプレート24〜27は、接着剤によって互いに接合されている。最下層のノズルプレート27を除く3枚のプレート24〜26は、それぞれ、ステンレス板やニッケル合金鋼板等の金属材料で形成されている。最下層のノズルプレート27は、ポリイミド等の合成樹脂材料で形成されている。
図2〜図4に示すように、4枚のプレート24〜27の積層体である流路ユニット21は、それぞれ、インクカードリッジ10a〜10dとチューブで接続されるインク供給口28と、インク供給口28にそれぞれ連通し、所定の搬送方向、ここでは、前後方向に延びるマニホールド29と、マニホールド29から圧力室30を介してノズル31に至る多数の個別インク流路32と、を有する。インク供給口28を介して、左側から、マニホールド29に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクが供給される。
流路ユニット21の最下層のノズルプレート27には、複数のノズル31が搬送方向に所定ピッチで形成され、搬送方向と直交する走査方向に並んで4列のノズル列を構成している。最上層に位置するキャビティプレート24には、ノズル31と同様に所定ピッチで配列された複数の圧力室30が形成され、4列の圧力室列を構成している。図4に示すように、キャビティプレート24とノズルプレート27の間の2枚のプレート25、26には、圧力室30とノズル31とを連通させる連通流路33が形成されている。図2に示すように、キャビティプレート24の搬送方向における一端部、ここでは、後端部には、インクカートリッジ10a〜10dとチューブを介してそれぞれ接続される、インク供給口28が形成されている。
図4に示すように、マニホールドプレート26には、マニホールドプレート26を厚み方向に貫通し、且つ、搬送方向に延びる長孔34が形成されている。長孔34が上側のベースプレート25と下側のノズルプレート27によって、プレート24〜27の積層方向、すなわち、上下方向から塞がれることにより、マニホールド29が構成される。
図2に示すように、マニホールド29は、ノズル列に沿って搬送方向に延在しており、1列の圧力室列にそれぞれ属する圧力室30と連通している。つまり、マニホールド29は、1列の圧力室列、すなわち、1列のノズル列に対してインクを供給する。
図4に示すように、キャビティプレート24とマニホールドプレート26との間に位置するベースプレート25には、マニホールド29と、これに対応する1列の圧力室列に属する圧力室30と、を連通させる連通流路35が形成されている。
以上説明した4枚のプレート24〜27が積層した状態で接合されることにより、図4に示すように、流路ユニット21内に、マニホールド29から連通流路35、圧力室30、及び、連通流路33を経由してノズル31に至る、多数の個別インク流路32が形成される。
次に、圧電アクチュエータ22について説明する。図2〜図4に示すように、圧電アクチュエータ22は、流路ユニット21を構成するキャビティプレート24の上面に接合された振動板41と、振動板41の上面に接合された圧電層42と、振動板41と圧電層42との間に配置された共通電極43と、圧電層42の上面に複数の圧力室30と対向するように配置された複数の個別電極44と、複数の個別電極44の一端部にそれぞれ設けられた複数のバンプ45(第1接点)と、を備えている。
振動板41は、平面視で略矩形状の金属板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。振動板41は、流路ユニット21の上面に複数の圧力室30を覆うように接合されている。
振動板41の上面、すなわち、圧力室30と反対側の面には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする、圧電材料からなる圧電層42が接着剤により接合されている。圧電層42は、複数の圧力室30に跨って平面的に形成されている。共通電極43は、振動板41と圧電層42との間に配置され、常にグランド電位に保たれている。
圧電層42の上面には、圧力室30よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有する複数の個別電極44が形成されている。複数の個別電極44は、対応する圧力室30の中央部と対向する位置にそれぞれ配置されている。個別電極44は、金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタンなどの導電性材料からなる。
圧電層42の上面に位置する複数の個別電極44の一端部、すなわち、平面視でノズル31と反対側の端部は、圧力室42と対向しない領域までそれぞれ引き出されており、この一端部に複数のバンプ45が設けられている。従って、圧電アクチュエータ22は、一表面、ここでは、上面に複数のバンプ45を有している。バンプ45は、導電性接着剤からなり、上方に突出している。これら複数のバンプ45に、FPC23が接続される。そして、FPC23に実装されたドライバIC49から、複数のバンプ45を介して複数の個別電極44にそれぞれ駆動電圧が印加される。
ノズル31からインクを吐出させる際の圧電アクチュエータ22の作用について説明する。ある個別電極44に対してドライバIC49から駆動電圧が印加されると、圧電層42上側の個別電極44とグランド電位に保持されている圧電層42下側の共通電極43の間に電位差が生じ、個別電極44と共通電極43の間に挟まれた部分に厚み方向の電界が生じる。そして、圧電層42の分極方向と電界の方向とが同じ場合には、圧電層42はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮し、圧電層42の収縮変形に伴って、振動板41の圧力室30と対向する部分が圧力室30側に凸となるように撓む。いわゆる、ユニモルフ変形である。このとき、圧力室30の容積が減少することからその内部のインクに圧力、すなわち、吐出エネルギーが付与され、圧力室30に連通するノズル31からインクの液滴が吐出される。
次に、FPC23について説明する。図5は、FPC23の概略下面図である。すなわち、圧電アクチュエータ22との接続面側から見たFPC23の概略平面図である。図2〜図5に示すように、FPC23は、基板本体46、複数のランド47(第2接点)、複数の信号配線48、ドライバIC49、等を備えている。
基板本体46は、ポリイミド等の可撓性材料で形成されている。複数のランド47は、基板本体46の圧電アクチュエータ22との接続面、すなわち、下面に設けられている。複数のランド47は、圧電アクチュエータ22の複数のバンプ45と対応している。複数のランド47は、所定方向、ここでは、搬送方向に並んだ4列のランド列53(接点列)を構成している。FPC23が圧電アクチュエータ22の一表面、すなわち、上面に対向して配置されると、複数のバンプ45と複数のランド47とが電気的に接続される。複数の信号配線48は、基板本体46の圧電アクチュエータ22との接続面、すなわち、下面に設けられている。複数の信号配線48は、搬送方向(前後方向)に沿って延び、一端が複数のランド47とそれぞれ接続されている。また、複数の信号配線48は、他端がドライバIC49に接続されている。なお、図5において、複数の信号配線48は、複数のランド47とドライバIC49との間の途中部分が省略されている。
ドライバIC49は、複数の信号配線48に接続されている。また、ドライバIC49は、複数の信号配線51を介して、接続端子52に接続されている。接続端子52は、ドライバIC49を制御するための図示しない制御基板に接続されている。ドライバIC49は、信号配線48、ランド47、バンプ45を介して、個別電極44に駆動電圧を印加する。
FPC23には、基板本体46の接続面、すなわち、下面には、複数のランド47を除く複数の信号配線48等を被覆する絶縁層50(例えば、ソルダーレジスト)が設けられている。FPC23は、圧電アクチュエータ22の一表面、すなわち、上面に対向して配置された状態で、複数のバンプ45と複数のランド47とが電気的に接続される。これにより、ドライバIC49と個別電極44とが、信号配線48、ランド47、バンプ45を介して、接続される。また、圧電アクチュエータ22には、ランド列53の搬送方向(前後方向)における一端部、すなわち、後端部の近傍に、図5において仮想線(破線)で示す補強バンプ70が設けられている。この補強バンプ70は、FPC23が圧電アクチュエータ22から剥がれることを防止するために設けられており、ランド47とは電気的に接続されない。なお、FPC23は、インクジェットヘッド3がキャリッジ2に取り付けられた状態では、ドライバIC49が配置された一端側(前方)が他端側(後方)へ向かって上方に折り返されている。
上述したように、圧電アクチュエータ22は、流路ユニット21の上面に接合されている。また、FPC23は、圧電アクチュエータ22の上面に接合されている。流路ユニット21の複数のノズル31からはインクが吐出される。複数のノズル31から吐出されたインクが圧電アクチュエータ22とFPC23との間に浸入しないようにするため、圧電アクチュエータ22とFPC23との接合部分にポッティング54が注入されている。具体的には、FPC23と圧電アクチュエータ22の接続面の間に、圧電アクチュエータ22の縁に沿って全周にポッティング54が注入されている。ここで、ポッティング54は、圧電アクチュエータ22の縁に沿って全周に注入されるが、内側へ流れ、複数のバンプ45及び対応する複数のランド47の配置部分を囲む領域に位置する。図5においては、ポッティング54の位置を仮想線(一点鎖線)で示している。
圧電アクチュエータ22とFPC23との接合部分、すなわち、ポッティング54の内側には、圧電アクチュエータ22を構成する圧電層42や個別電極44が位置する。従って、圧電アクチュエータ22とFPC23との間に注入されたポッティング54が、圧電アクチュエータ22とFPC23との接合部分に入り込むと、例えば、圧電アクチュエータ22の圧電層42の電極の変位を阻害し、インクの吐出速度が低下する可能性等がある。このように、圧電アクチュエータ22とFPC23との間に注入されたポッティング54が、圧電アクチュエータ22とFPC23との接合部分に入り込むと、圧電アクチュエータ22の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、図5及び図6に示すように、FPC23には、複数のランド47の配置部分を除く部分に、複数のランド47とは電気的に接続されないダミー配線55、56が形成されている。従って、注入されたポッティング54よりも複数のバンプ45及び複数のランド47側(内側)に位置するダミー配線55、56により、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分における隙間が小さくなるため(図4参照)、注入されたポッティング54がFPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へ入り込むことを防止することができる。上述のとおり、複数の信号配線48は、複数のランド47とそれぞれ接続さているが、ダミー配線55、56は、複数のランド47と電気的に接続されていないダミーの配線である。また、複数のランド47の配置部分とは、複数のランド47が配置されている部分であり、複数のダミー配線55、56は、複数のランド47を除く部分に形成されている。また、ポッティング54が位置する領域は、搬送方向(前後方向)に交差する走査方向(左右方向)に沿う第1領域M1と、搬送方向(前後方向)に沿う第2領域M2と、を有する。第1領域M1のポッティング54は、交差する搬送方向(前後方向)に流れて図示の領域に位置し、第2領域M2のポッティング54は、交差する走査方向(左右方向)に流れて図示の領域に位置する。
ランド列53の周囲に位置する複数(ここでは、8本)のダミー配線55は、所定方向(搬送方向)に並ぶ複数のランド47の搬送方向(前後方向)におけるいずれか一方側(ここでは、後方)において搬送方向(前後方向)と交差する走査方向(左右方向)に沿って延びる第1部分55aを有する。また、ダミー配線55は、第1部分55aの両端からランド列53を挟んで搬送方向(前後方向)に沿って延びる一対の第2部分55bを有する。すなわち、ダミー配線55は、略コ字状の部分を有する。従って、複数のランド47が並ぶ搬送方向(前後方向)と交差する方向に延びる第1部分55aにより、注入されたポッティング54が複数のバンプ45及び複数のランド47の方へ入り込むことを防止することができる。また、ランド列53を挟んで搬送方向(前後方向)に延びる第2部分55bにより、注入されたポッティング54が複数のバンプ45及び複数のランド47の方へ入り込むことを防止することができる。また、ダミー配線が分断されている場合は、その間からポッティング54が入り込む可能性があるが、第1部分55aと第2部分55bとが連続しているので、ポッティング54が入り込むことをより確実に防止することができる。なお、ランド列53の周囲に位置する8本のダミー配線55以外の複数のダミー配線56は、略コ字状の部分を有さず、搬送方向(前後方向)に沿ってのみ延びている。また、図5において、複数のダミー配線55の第2部分55b、及び、複数のダミー配線56は、搬送方向(前後方向)に沿ってドライバIC49側(前方)へ延びているが、途中部分から図示が省略されている。
また、複数のダミー配線55において、複数の第1部分55a間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t1が、複数の第2部分55b間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t2よりも大きい。従って、第1部分55a間にダミー配線55による大きな凹部が形成されるため、ポッティング54が一部のダミー配線55を越えてきた場合でも、途中の凹部にポッティング54が収容される。このため、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へポッティング54が入り込むことがより確実に防止される。また、ダミー配線55が形成されていない領域の幅t2が狭い複数の第2部分55bが抵抗となり、注入されたポッティング54がFPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へ入り込むことを防止しようとする。
また、複数のダミー配線55において、複数の第2部分55b間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t2は、複数の信号配線48間の信号配線48が形成されていない領域の幅と等しい。ここで、複数の信号配線48、複数のダミー配線55、56の形成について簡単に説明する。基板本体46の表面(下面)には、複数の信号配線48、複数のダミー配線55、56となる金属層が形成される。この金属層上には、パターニングされた硬化レジスト膜が形成される。そして、金属層及び硬化レジスト膜が形成された基板本体46をエッチング液に浸すことで、硬化レジスト膜が形成されていない部分の金属層が除去され、複数の信号配線48、複数のダミー配線55、56が形成される。複数の信号配線48は、省スペース化のため、走査方向におけるランド列53間において、搬送方向に沿って形成される。従って、上述のとおり、搬送方向に沿って延びる信号配線48と第2部分55bとが同様の構成となっているため、配線形成時に、レジスト膜のパターニングやエッチング液のコントロール等が行いやすい。よって、配線形成時に信号配線48とダミー配線55の第2部分55bを形成しやすい。
また、複数のダミー配線55において、第1部分55aの幅w1が、第2部分55bの幅よりw2も大きい。従って、幅w1の大きい第1部分55aにより、ポッティング54がFPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へ入り込むことがより確実に防止される。また、第1部分55a間にダミー配線55による凹部が形成されるため、ポッティング54が一部のダミー配線55を越えてきた場合でも、途中の凹部にポッティング54が収容される。このため、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へポッティング54が入り込むことがより確実に防止される。
図4に示すように、ダミー配線56が存在することにより、絶縁層50は、ダミー配線56が存在しない領域の絶縁層50に比べて、厚みが大きくなる。これにより、ダミー配線56が存在する領域の絶縁層50と圧電層42上面との隙間が小さくなり、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へポッティング54が入り込むことがより確実に防止される。
ここで、ポッティング54が注入される順序について説明する。まず、ポッティング54は、後方(ドライバIC49から遠い方)において、ダミー配線55と対向する領域で走査方向に沿って注入される。次に、ポッティング54は、左方において、搬送方向に沿って注入される。次に、ポッティング54は、右方において、搬送方向に沿って注入される。最後に、ポッティング54は、前方(ドライバIC49に近い方)において、走査方向に沿って注入される。ダミー配線55と対向する領域に注入されたポッティング54は、ダミー配線55間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t1によっては、毛管力によりダミー配線55の延在方向、すなわち、走査方向に流れる場合がある。ダミー配線55とダミー配線56とは連続しているので、ダミー配線55と対向する領域に注入されたポッティング54が流れてダミー配線56に到達すると、更に、ダミー配線56の毛管力によりダミー配線56に沿って、搬送方向に流れる場合がある。ダミー配線56に入り込んだポッティング54は、絶縁層50と圧電層42の隙間を埋め、後から注入されたポッティング54が、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分に入り込むことを防止する。なお、最初に、左方又は右方においてポッティング54を注入した場合、ダミー配線55に対向する領域に注入されたポッティング54が、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分に入り込むことを防止する。また、ポッティング54は、圧電アクチュエータ22の縁に沿ってディスペンサを動かしながら、ポッティング54を吐出することで、注入される。
なお、上述のとおり、複数の信号配線48は、搬送方向(前後方向)に沿って形成されており、複数の信号配線48と同様に、搬送方向(前後方向)に沿う方向にダミー配線を形成しやすい。これは、信号配線48が搬送方向(前後方向)に沿って形成されるため、エッチング液が搬送方向(前後方向)に流れやすくなるため等である。従って、本実施形態では、ダミー配線55以外のダミー配線56は、形成しやすい搬送方向(前後方向)に沿って延びるように形成されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
図7は、一変形例に係るFPC23の概略下面図である。図8は、図7のC部拡大図である。この変形例では、ドライバIC49は、基板本体46における圧電アクチュエータ22との接続面と反対側の面、すなわち、上面に設けられている。このため、配線基板46下面の複数の信号配線48は、途中から、基板本体46を貫通するスルーホール62を介して、基板本体46の上面に引き出され、基板本体46の上面でドライバIC49に接続されている。
図7及び図8に示すように、第1ダミー配線57、第2ダミー配線58は、ポッティング54の注入領域に沿って延びている。すなわち、第1ダミー配線57、第2ダミー配線58は、複数のランド47を囲うように、複数のランド47に沿って延びている。具体的には、第1ダミー配線57は、基板本体46の前方及び後方において、搬送方向(前後方向)と交差する走査方向(左右方向)に沿って延びている。また、第2ダミー配線58は、基板本体46の左方及び右方において、搬送方向(前後方向)に沿って延びている。従って、複数のランド47が並ぶ搬送方向(前後方向)と交差する走査方向(左右方向)に延びる第1ダミー配線57により、注入されたポッティング54が複数のバンプ45及び複数のランド47の方へ入り込むことを防止することができる。また、複数のランド47が並ぶ搬送方向(前後方向)に延びる第2ダミー配線58により、注入されたポッティング54が複数のバンプ45及び複数のランド47の方へ入り込むことを防止することができる。また、ランド列53の間には、搬送方向(前後方向)に沿って延びる複数の第3ダミー配線59が複数設けられている。
また、複数の第1ダミー配線57間の第1ダミー配線57が形成されていない領域の幅t3は、複数の第2ダミー配線58間の第1ダミー配線58が形成されていない領域の幅t4よりも大きい。従って、第1ダミー配線57間に第1ダミー配線57による大きな凹部が形成されるため、ポッティング54が一部の第1ダミー配線57を越えてきた場合でも、途中の凹部にポッティング54が収容される。このため、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へポッティング54が入り込むことがより確実に防止される。
また、複数の第2ダミー配線58間のダミー配線58が形成されていない領域の幅t4は、複数の信号配線48間の信号配線48が形成されていない領域の幅と等しい。従って、搬送方向に沿って延びる信号配線48と第2ダミー配線58とが同様の構成となっているため、レジスト膜のパターニングやエッチング液のコントロール等が行いやすい。よって、配線形成時に信号配線48と第2ダミー配線58を形成しやすい。
また、第1ダミー配線57の幅w3は、第2ダミー配線58の幅よりw4も大きい。従って、幅w3の大きい第1ダミー配線57により、ポッティング54がFPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へ入り込むことがより確実に防止される。また、第1ダミー配線57間に第1ダミー配線57による凹部が形成されるため、ポッティング54が一部の第1ダミー配線57を越えてきた場合でも、凹部にポッティング54が収容される。このため、FPC23と圧電アクチュエータ22との接合部分へポッティング54が入り込むことがより確実に防止される。
インクジェットヘッドにおいて、ノズル列の使用頻度が異なる場合がある。一例として、ブラックインク用のノズル列が2列となっており、その他の3色のカラーインク(マゼンタ、シアン、イエロー)用のノズル列がそれぞれ1列となっているような場合である。この場合、高解像度のモノクロのテキスト印字において、ブラックインク用の2列のノズル列が全て使用される。一方、カラー印字においては、カラーの解像度に合わせる必要があるため、2列のブラックインク用のノズル列のうち、1列のノズル列のみが使用される。このように、2列のブラックインク用のノズル列において、使用頻度が異なる場合がある。図9は、このようなインクジェットヘッドに用いられる、他の変形例に係るFPC23の概略下面図である。上述のとおり、ブラックインク用のノズル列が2列であるため、ブラックインク用の圧力室列も2列となる。そして、ブラックインク用の圧力室30に対応する個別電極44も2列となる。このため、図9に示すように、ブラックインクの吐出に関係する複数のバンプ45に対応する複数のランド47によるランド列53も2列となっている。上述の実施形態に加えられたランド列53(ブラックインクの吐出に関係する2列のランド列53のうち、外側のランド列)は、テキスト印字によるブラックインクの吐出にのみ関係するため、他方のランド列53よりも使用頻度は少ない。なお、使用頻度が多いランド列53(ノズル列)を中央に寄せることで、低解像度印字におけるキャリッジ2の往復走査の際の移動距離をランド列53(ノズル列)一列分、減らすことができる。
ランド列53の周囲に位置する複数(ここでは、8本)のダミー配線60は、ランド列53のいずれか一方側(ここでは、後方)において、搬送方向(前後方向)と交差する方向(左右方向)に沿って延びる第1部分を有する。また、ダミー配線60は、第1部分55aからランド列53を挟んで搬送方向(前後方向)に沿って延びる一対の第2部分を有する。その他のダミー配線61は、搬送方向(前後方向)に沿ってのみ延びている。以上の点は、上述の実施形態と同じである。ダミー配線61は、ドライバIC49側の端部が共通化された共通領域61aを有する。この共通領域61aにより、複数のランド47の周囲の熱が放熱され、複数のランド47の周囲の温度が低下されるようになっている。
インクジェットプリンタがユーザーに使用される場合、ブラックインクによる記録が他のカラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)による記録に比べて多い。従って、ブラックインクの吐出に関係する複数のランド47の使用頻度も、カラーインクの吐出に関係する複数のランド47の使用頻度に比べて多い。このため、最も使用頻度が多い、低解像度印字及び高解像度印字の両方の、ブラックインクの吐出に関係するランド列53の周囲は、最も温度が高くなる。そこで、放熱により温度を低下させるため、低解像度印字及び高解像度印字の両方の、ブラックインクの吐出に関係するランド列53の周囲のダミー配線61の共通領域61aの長さL1は、他の共通領域61aの長さL2、L3よりも長くなっている。また、ドライバIC49からランド47までの信号配線48が短いとランド47の温度が高くなり、ドライバIC49からランド47までの信号配線48が長いとランド47の温度が低い。このため、中央側に比べて信号配線48が長い、両端のランド列53の周囲の共通領域61aの長さL3は、他の共通領域61aの長さL1、L2よりも短くなっている。中央側に位置するランド列53の周囲の共通領域61aの長さは、L2である。長さL1〜L3の関係は、L1>L2>L3となっている。なお、ランド47の温度が高くなるのは、ドライバIC49からの熱が信号配線48を介してランド47に伝わるためである。よって、信号配線48の長さが短いほど、ランド47に伝わる熱量が多くなるため、ランド47の温度が高くなる。
以上、図面に基づいて、上述の実施形態の変形例について説明した。以下、図面を用いずに他の変形例について説明する。上述の実施形態では、ダミー配線55は、ランド列53のいずれか一方側(ここでは、後方)において、搬送方向(前後方向)と交差する方向(左右方向)に沿って延びる第1部分55aを有する。また、ダミー配線55は、第1部分55aの両端からランド列53を挟んで搬送方向(前後方向)に沿って延びる一対の第2部分55bを有する。これに限らず、ダミー配線は、全て、搬送方向(前後方向)と交差する方向(左右方向)に延びていてもよい。また、ダミー配線は、全て、搬送方向(前後方向)に延びていてもよい。
上述の実施形態では、ダミー配線55において、第2部分55bは、第1部分55aの両端からランド列53を挟んで搬送方向(前後方向)に延びている。これに限らず、第1部分55aの途中から搬送方向(前後方向)に延びていてもよい。また、第2部分55bは、一対ではなく、何れか一方のみであってもよい。
上述の実施形態では、複数のダミー配線55において、複数の第1部分55a間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t1が、複数の第2部分55b間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t2よりも大きい。これに限らず、幅t2が幅t1より大きくてもよい。また、幅t1と幅t2とが等しくてもよい。
上述の実施形態では、複数の第2部分55b間のダミー配線55が形成されていない領域の幅t2は、複数の信号配線48間の信号配線48が形成されていない領域の幅と等しい。これに限らず、幅t2は、複数の信号配線48間の信号配線48が形成されていない領域の幅と等しくなくてもよい。
上述の実施形態では、複数のダミー配線55において、第1部分55aの幅w1が、第2部分55bの幅w2よりも大きい。これに限らず、幅w2が、幅w1よりも大きくてもより。また、幅w1と幅w2とが等しくてもよい。
上述の実施形態では、ダミー配線55、56は、複数であったが、複数でなくてもよい。例えば、略ロ字状の1本のダミー配線が、4本のランド列53の周囲を囲うように形成されていてもよい。
上述の実施形態では、インクジェットヘッド3は、インクに吐出エネルギーを付与するエネルギー付与装置としての圧電アクチュエータ22によりインクに吐出エネルギーが付与されるピエゾ方式のインクジェットヘッドであるが、この方式に限られない。例えば、エネルギー付与装置として、加熱装置による加熱によりインクに吐出エネルギーが付与されるサーマル式のインクジェットヘッドであってもよい。なお、サーマル式のインクジェットヘッドである場合、加熱装置の加熱によりポッティングが溶け、加熱装置と配線基板との間を封止する能力が低下する可能性がある。
上述の実施形態では、FPC23が、圧電アクチュエータ22の一表面、すなわち、上面の全体を覆うように対向して配置されている。これに限らず、FPC23が、圧電アクチュエータ22の一表面の一部を覆うように対向して配置されていてもよい。
上述の実施形態では、ポッティング54がダミー配線56の一部に重なっている。これに限らず、ダミー配線55、56が、複数のランド47の配置部分とポッティング54が位置する領域M1、M2との間に形成されており、ポッティング54がダミー配線55、56と重なっていなくてもよい。また、ダミー配線55、56がポッティング54と全て重なっていてもよい。なお、ポッティング54は、複数のダミー配線54、55と重ならないよう、複数のダミー配線54、55を囲うように、圧電アクチュエータ22の縁に沿って注入されるが、内側へ流れると、ダミー配線55、56の一部、又は全部と重なることとなる。
上述の実施形態では、ポッティング54は、複数のバンプ45及び複数のランド47の配置部分を囲む領域、具体的には、圧電アクチュエータ22の縁に沿って全周に注入されている。これに限らず、圧電アクチュエータ22の縁に沿って一部に注入されていてもよい。また、複数のバンプ45及び複数のランド47の配置部分を囲む領域であれば、圧電アクチュエータ22の縁に沿っていなくてもよい(例えば、縁よりも内側)。
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド(液滴吐出装置)
21 流路ユニット(流路構造体)
22 圧電アクチュエータ(エネルギー付与装置)
23 FPC(配線基板)
31 ノズル
44 個別電極
45 バンプ(第1接点)
46 基板本体
47 ランド(第2接点)
48 信号配線
53 ランド列(接点列)
54 ポッティング(封止材)
55、56 ダミー配線
55a 第1部分
55b 第2部分
57 第1ダミー配線
58 第2ダミー配線

Claims (8)

  1. 液体流路が形成された流路構造体と、
    液滴を吐出するための吐出エネルギーを前記液体流路内の液体に付与するエネルギー付与装置と、
    前記エネルギー付与装置に接続される配線基板と、を備える液滴吐出装置であって、
    前記エネルギー付与装置は、その一表面に複数の第1接点を有し、
    前記配線基板は、前記エネルギー付与装置の前記複数の第1接点にそれぞれ対応する複数の第2接点と、前記複数の第2接点とそれぞれ接続された複数の信号配線と、を有し、
    前記複数の第1接点と前記複数の第2接点とが電気的に接続され、
    前記配線基板と前記エネルギー付与装置の間には、前記複数の第1接点及び前記複数の第2接点の配置部分を囲む領域の少なくとも一部に封止材が注入され、
    前記配線基板には、前記複数の第2接点の配置部分を除く部分に、前記複数の第2接点とは電気的に接続されないダミー配線が形成されており、
    前記複数の第1接点は、接着剤からなり、
    前記複数の第2接点は、所定方向に並んだ接点列を構成し、
    前記ダミー配線は、前記所定方向と交差する第1方向に沿って延びる第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第2部分と、を含み、
    前記第1部分の幅は、前記第2部分の幅より大きいことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記第2部分は、前記第1部分から延びることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記エネルギー付与装置は、前記一表面に形成される圧電アクチュエータを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記ダミー配線は、複数であり、
    複数の前記ダミー配線において、複数の前記第1部分間の前記ダミー配線が形成されていない領域の幅が、複数の前記第2部分間の前記ダミー配線が形成されていない領域の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  5. 前記複数の信号配線は、前記所定方向に沿って延び、
    複数の前記第2部分間の前記ダミー配線が形成されていない領域の幅は、前記複数の信号配線間の前記信号配線が形成されていない領域の幅と等しいことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記ダミー配線は、
    前記領域の内側における前記複数の第2接点の配置部分と前記封止材との間の部分に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに液滴吐出装置。
  7. 前記液体流路は、液体供給口を含み、
    前記液体供給口は、前記領域に対して前記封止材よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  8. その一表面に複数の第1接点を有するエネルギー付与装置と、
    前記エネルギー付与装置に接続される配線基板と、を備え、
    前記配線基板は、前記エネルギー付与装置の前記複数の第1接点にそれぞれ対応する複数の第2接点と、前記複数の第2接点とそれぞれ接続された複数の信号配線と、を有し、
    前記複数の第1接点と前記複数の第2接点とが電気的に接続され、
    前記配線基板と前記エネルギー付与装置の間には、前記複数の第1接点及び前記複数の第2接点の配置部分を囲む領域の少なくとも一部に封止材が注入され、
    前記配線基板には、前記複数の第2接点の配置部分を除く部分に、前記複数の第2接点とは電気的に接続されないダミー配線が形成されており、
    前記複数の第1接点は、接着剤からなり、
    前記複数の第2接点は、所定方向に並んだ接点列を構成し、
    前記ダミー配線は、前記所定方向と交差する第1方向に沿って延びる第1部分と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第2部分と、を含み、
    前記第1部分の幅は、前記第2部分の幅より大きいことを特徴とする装置。
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