JP2007062360A - インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2007062360A
JP2007062360A JP2006160009A JP2006160009A JP2007062360A JP 2007062360 A JP2007062360 A JP 2007062360A JP 2006160009 A JP2006160009 A JP 2006160009A JP 2006160009 A JP2006160009 A JP 2006160009A JP 2007062360 A JP2007062360 A JP 2007062360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
channel
drive
head
head chip
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006160009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4984661B2 (ja
Inventor
Hideo Watanabe
英生 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2006160009A priority Critical patent/JP4984661B2/ja
Priority to US11/459,667 priority patent/US7789491B2/en
Publication of JP2007062360A publication Critical patent/JP2007062360A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4984661B2 publication Critical patent/JP4984661B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1607Production of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/1609Production of print heads with piezoelectric elements of finger type, chamber walls consisting integrally of piezoelectric material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1621Manufacturing processes
    • B41J2/1632Manufacturing processes machining
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14491Electrical connection
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/42Piezoelectric device making

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】共通の外形寸法で種々のチャネル特性を有するインクジェットヘッドを作成することができるインクジェットヘッドの製造方法を提供すること。
【解決手段】圧電素子からなる駆動壁13とチャネル14とが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネル14の出口と入口とが配置され、該チャネル14内部に前記駆動壁13を駆動させる電圧を印加するための駆動電極15が形成されてなるヘッドチップ1を有し、前記駆動電極15に電圧を印加することによって前記駆動壁13をせん断変形させ、前記チャネル14内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドの製造方法において、前記駆動電極形成後のヘッドチップ1に対し、該ヘッドチップ1の後面の一部であって、チャネル14の形成領域を含み且つチャネル列と平行な領域を該チャネル列に沿って、ざぐり加工する。
【選択図】 図6

Description

本発明はインクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッドに関し、詳しくは、共通の外形寸法で種々のチャネル特性を有するインクジェットヘッドとすることができるインクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッドに関する。
従来、圧電基板にチャネルを研削して、該チャネルを区画する駆動壁に電極を形成し、該電極に電圧を印加することにより該駆動壁をくの字状にせん断変形させてチャネル内のインクをノズルから吐出させるようにしたせん断モード型のインクジェットヘッドが知られている。その中でも、インクを吐出させるためのアクチュエータを、圧電素子からなる駆動壁とチャネルとが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネルの出口と入口とが配置される所謂ハーモニカ型のヘッドチップにより構成することで、1枚のウェハーからの取り数が多く、極めて生産性を向上させたインクジェットヘッドが例えば特許文献1において知られている。
ところで、一般に、駆動壁をくの字状にせん断変形させることによりチャネル内のインクに吐出のためのエネルギーを付与するタイプのインクジェットヘッドでは、駆動に最適なパルス幅がチャネル特性によって決まってくる。このチャネル特性は、チャネルのインク吐出方向に沿う長さ(駆動長又はL長という。以下、本明細書ではL長ということにする。)によって決まり、それに伴って駆動周波数も決まってくる。例えば、チャネル特性として高周波駆動することが要求されるインクジェットヘッドの場合、L長は短くなり、L長1.7mmという極めて短いヘッドチップを有するインクジェットヘッドも作成されている。
また、特許文献2には、ヘッドの前面及び後面に溝を形成し、電極取り出しに用いる方法が開示されている。
特開2005−96414号公報 特開平8−309977号公報
ハーモニカ型のヘッドチップを有するインクジェットヘッドの場合、L長はそのままヘッドチップの長さ(チャネルのインク吐出方向に沿う長さ)となり、駆動周波数が高くなるに従ってL長が短くなるため、インクジェットヘッドの組み立てに困難が伴うようになるばかりでなく、ヘッドチップ自体の強度が低下して取り扱いに細心の注意を要するようになり、また、外装に対して取り付けする際にも困難を生じる問題があった。
また、インクジェットヘッドは、そのノズル面を位置合わせ面として外装に取り付けるようにするため、L長が異なると外装自体の設計もそれに合わせて替えてやる必要がある。従って、L長毎に専用の外装を用意する必要が生じることから、コストアップとなる問題があった。
そこで、本発明は、共通の外形寸法で種々のチャネル特性を有するインクジェットヘッドを作成することができるインクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、要求されるチャネル特性に関わらずヘッドチップの強度及び外装に対する取り付け性を確保することのできるインクジェットヘッドを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、圧電素子からなる駆動壁とチャネルとが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネルの出口と入口とが配置され、該チャネル内部に前記駆動壁を駆動させる電圧を印加するための駆動電極が形成されてなるヘッドチップを有し、前記駆動電極に電圧を印加することによって前記駆動壁をせん断変形させ、前記チャネル内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドの製造方法において、前記駆動電極形成後のヘッドチップに対し、該ヘッドチップの後面の一部であって、チャネルの形成領域を含み且つチャネル列と略平行な領域を該チャネル列に沿って、ざぐり加工することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項2記載の発明は、前記ざぐり加工は、加工後の前記チャネルが所望の駆動長(L長)となるように行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項3記載の発明は、前記ざぐり加工は、前記チャネル列に沿ってダイシングソーによって研削加工することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項4記載の発明は、前記ざぐり加工は、前記チャネル内部に形成された前記駆動電極の一部を残すように加工することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項5記載の発明は、前記チャネル列は複数であり、各チャネル列にそれぞれ対応するように前記ざぐり加工することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項6記載の発明は、前記チャネル列は複数であり、複数のチャネル列に跨るように前記ざぐり加工することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項7記載の発明は、圧電素子からなる駆動壁とチャネルとが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネルの出口と入口とが配置され、該チャネル内部に前記駆動壁を駆動させる電圧を印加するための駆動電極が形成されてなるヘッドチップを有し、前記駆動電極に電圧を印加することによって前記駆動壁をせん断変形させ、前記チャネル内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記ヘッドチップの後面に、チャネル列と略平行に形成されると共に、各々のチャネルに連通する凹溝を有することを特徴とするインクジェットヘッドである。
請求項8記載の発明は、前記凹溝は、前記チャネル内部に形成された前記駆動電極の一部を残すように形成されていることを特徴とする請求項7記載のインクジェットヘッドである。
請求項9記載の発明は、前記チャネル列は複数であり、前記凹溝は各チャネル列にそれぞれ対応するように形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェットヘッドである。
請求項10記載の発明は、前記チャネル列は複数であり、前記凹溝は複数のチャネル列に跨るように形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェットヘッドである。
請求項11記載の発明は、前記ヘッドチップの後面に、前記駆動電極と電気的に接続する接続電極が形成されていると共に、該接続電極と対応する配線電極が形成された配線基板が、前記接続電極と前記配線電極の一端とが電気的に接続するように接合されており、前記配線基板は、チャネル列と直交する方向に前記ヘッドチップよりも張り出した張り出し部を有し、該張り出し部に前記配線電極の他端が引き出されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項12記載の発明は、前記配線基板は、前記ヘッドチップとの接合面側に前記チャネルの並び方向に沿って延びる凹部を有しており、該凹部が前記チャネルの入口を覆うように前記ヘッドチップの後面に接合されることで、前記凹部によって前記チャネル内に共通してインクを供給するためのインク供給室が形成されていることを特徴とする請求項11記載のインクジェットヘッドである。
請求項13記載の発明は、前記配線基板は、前記チャネルの入口において少なくとも開口している開口部を有し、該開口部によって前記チャネル内に共通してインクを供給するためのインク共通室が形成されていることを特徴とする請求項11記載のインクジェットヘッドである。
請求項14記載の発明は、前記チャネルの駆動長(L長)が0.5〜1.5mmであり、前記ヘッドチップの長さが1.5〜2.5mmであることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載のインクジェットヘッドである。
請求項1記載の発明によれば、共通の外形寸法で種々のチャネル特性を有するインクジェットヘッドを作成することができるので、ヘッドチップの強度及び取り扱い性を確保できると共に、チャネル特性に関わらず共通の外装を用いることができるため、コストダウンを図ることが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、更に、加工後のチャネルが所望の駆動長(L長)となるようにざぐり加工することで、所望のチャネル特性を有するインクジェットヘッドを簡単に作成することができる。
請求項3記載の発明によれば、更に、機械的に高精度な位置決めによる研削加工が可能であり、ざぐり加工時の幅、深さを高精度に設定できるので、所望のチャネル特性を精度良く確保することができる。
請求項4記載の発明によれば、更に、外部への電極の引き出しを確保したまま、L長の短いインクジェットヘッドを作成することができる。
請求項5記載の発明によれば、更に、ざぐり加工時に残存する基板の一部によって各チャネル列を分離することができ、チャネル列毎にインク供給することができるので、各チャネル列に異なる色のインクをそれぞれ供給するようにすることもできる。
請求項6記載の発明によれば、更に、駆動に不要な部分がざぐり加工によって大きく除去されるので、静電容量を下げることができ、駆動電圧を下げることができて駆動時の発熱を抑えることができる。
請求項7記載の発明によれば、要求されるチャネル特性に関わらずヘッドチップの強度及び外装に対する取り付け性を確保することのできるインクジェットヘッドを提供することができるので、ヘッドチップの強度及び取り扱い性が確保され、しかも、チャネル特性に関わらず共通の外装を用いることができ、安価なインクジェットヘッドとすることが可能となる。
請求項8記載の発明によれば、更に、外部への電極の引き出しが確保され、且つ、L長の短いインクジェットヘッドとすることができる。
請求項9記載の発明によれば、更に、基板の一部によって各チャネル列が分離され、チャネル列毎にインク供給することができるので、各チャネル列に異なる色のインクを吐出するようにすることもできる。
請求項10記載の発明によれば、更に、駆動に不要な部分が凹溝によって大きく除去されているので、静電容量を下げることができ、駆動電圧を下げることができて駆動時の発熱を抑えることができる。また、インク共通室の容積を大きくとることができるので、インクの供給に好適である。
請求項11記載の発明によれば、更に、チャネル内に設けた駆動電極と外部配線との接続が簡単に行えるインクジェットヘッドとすることができる。
請求項12記載の発明によれば、更に、インク共通室の容積を大きくとることができ、大量のインクを各チャネルに供給することができ、安定したインク射出特性を実現できる。
請求項13記載の発明によれば、更に、配線基板のヘッドチップと反対面に、開口部を覆うようにインクマニホールドを設けることにより、大量のインクを各チャネルに供給することができ、安定したインク射出特性を実現することができる。
請求項14記載の発明によれば、更に、ヘッドチップの強度及び取り扱い性が確保され、高速駆動可能な短L長のインクジェットヘッドとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1(a)〜(d)は本発明に係るインクジェットヘッドにおけるヘッドチップを作成する方法を示している。
まず、1枚の基板11上に、2枚の圧電素子基板13a、13bをそれぞれエポキシ系接着剤を用いて接合する(図1(a))。各圧電素子基板13a、13bに用いられる圧電材料としては、電圧を加えることにより変形を生じる公知の圧電材料を用いることができるが、特にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好ましい。2枚の圧電素子基板13a、13bは互いに分極方向(矢印で示す)を反対方向に向けて積層し、基板11に接着剤を用いて接着する。
次いで、その2枚の圧電素子基板13a、13bに亘って、ダイシングソー等を用いて複数の平行な溝を研削する。これにより、基板11上に高さ方向で分極方向が反対となる圧電素子からなる駆動壁13を並設する。各溝は圧電素子基板13a、13bの一方の端から他方の端に亘ってほぼ同じ一定の深さで研削することで、長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレート状のチャネル14となる(図1(b))。図示例では5つのチャネル14を形成しているが、その数は何ら限定されない。
また、図示しないが、基板11を用いる代わりに圧電素子基板13bを厚手のものとし、薄手の圧電素子基板13a側から厚手の圧電素子基板13bの中途部にまで至る複数の平行な溝を研削することにより、高さ方向で分極方向が反対となる駆動壁13の形成と同時に基板11の部分が圧電素子基板13bによって一体に形成されるようにしてもよい。
次いで、このようにして形成した各チャネル14の内面に駆動電極15を形成する。駆動電極15を形成する金属は、Ni、Co、Cu、Al等があり、電気抵抗の面からはAlやCuを用いることが好ましいが、腐食や強度、コストの面からNiが好ましく用いられる。また、Alの上に更にAuを積層した積層構造としてもよい。
駆動電極15の形成は、蒸着法、スパッタリング法、めっき法、CVD(化学気相反応法)等の真空装置を用いた方法等によって金属被膜を形成する方法が挙げられるが、めっき法によるものが好ましく、特に無電解めっきにより形成することが好ましい。無電解めっきによれば、均一且つピンホールフリーの金属被膜を形成することができる。めっき膜の厚みは0.5〜5μmの範囲が好ましい。
駆動電極15はチャネル14毎に独立させる必要があるため、駆動壁13の上端面には金属被膜が形成されないようにする。このため、例えば各駆動壁13の上端面に予めドライフィルムを貼着したり、レジストを形成しておき、金属被膜を形成した後に除去することで、各駆動壁13の側面及び各チャネル14の底面に選択的に駆動電極15を形成するとよい(図1(c))。
このようにして駆動電極15を形成した後、駆動壁13の上端面に基板12をエポキシ系接着剤を用いて接合し、ヘッド基板10を作成する(図1(d))。基板11及び12には、駆動壁13を構成する圧電材料と同一の基板材料を脱分極して用いると、基板接着時の加熱や駆動の熱の影響による、熱膨張係数の差に起因する速度分布や駆動特性のばらつきを少なくすることができる。
また、このようなヘッド基板は、図1に示すようにして作成されるものに限らず、図2に示すように、基板11を用いる代わりに圧電素子基板13bを厚手のものとして、平行な溝を研削して駆動壁13とチャネル14とを交互に並設し、各チャネル14の内面に駆動電極15を形成したものを2組(上側基板131と下側基板132)用意し、これを駆動壁13同士が相対するように接着することで、図1(d)と類似のヘッド基板10Aとすることもできる。この場合、薄い圧電素子基板13aを13bに接着する必要がないのでコスト上有利である。但し、以下では、図1(d)のヘッド基板10を用いて作成する場合について説明する。
次に、作成されたヘッド基板10を、チャネル14の長さ方向と直交する方向に沿う複数のカットラインC1、C2・・・に沿って切断することにより、ハーモニカ型の複数のヘッドチップ1、1・・・を製造する(図1(d))。
通常、このカットラインC1、C2・・・は、それによって作製されるヘッドチップ1、1・・・のインク吐出方向に沿う長さを決定するものであり、一般にはカットラインC1、C2・・・に沿って切断した後のヘッドチップ1、1・・・のチャネル方向の長さがL長となるが、本発明においては、このカットラインC1、C2・・・は必ずしも各ヘッドチップ1、1・・・に要求されるL長にそれぞれ合わせる必要はなく、ヘッドチップ1自体の強度、インクジェットヘッドの組み立て作業性、インクジェットヘッドを外装へ取り付けする際の取り付け作業性等を考慮して、ヘッドチップ1、1・・・が全て同じ最適な長さとなるように位置決めすればよい。これにより、チャネル14が全て共通の長さを有する複数のヘッドチップ1、1・・・が得られる。
本発明において好ましくは、このカットラインC1、C2・・・を少なくともインクジェットヘッドに要求される最大L長以上の長さとなるように位置決めすることであり、一例を挙げれば、カットラインC1、C2・・・を切り代として0.3mmを考え、2.8mm間隔とする。これにより、全て2.5mmの長さのヘッドチップ1、1・・・が得られる。ヘッドチップ1がこの程度の長さを有していれば、ヘッドチップ1自体の強度を十分に確保でき、また、インクジェットヘッドの組み立て作業性やインクジェットヘッドを外装へ取り付けする際の取り付け作業性にも困難を伴うようなことはない。
このようにして作成されるヘッドチップ1、1・・・は、2枚の基板11、12との間に、圧電素子からなる駆動壁13とチャネル14とが交互に並設される。チャネル14の形状は、両側壁が基板11、12に対してほぼ垂直方向に立ち上がっており、そして互いに平行である。ヘッドチップ1の前面及び後面には、それぞれ各チャネル14の出口142と入口141とが配置される。各チャネル14は、入口から出口に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプとなる。
なお、本明細書においては、ヘッドチップ1からインクが吐出される側の面を「前面」といい、その反対側の面を「後面」という。また、ヘッドチップ1を前面又は後面から見て、並設されるチャネル14を挟んで上下に位置する外面をそれぞれ「上面」及び「下面」という。
このようなハーモニカ型のヘッドチップ1では、各チャネル14内の駆動電極15に駆動回路からの駆動電圧を印加するためのFPC等の配線を外部から接続できるようにするため、各駆動電極15をヘッドチップ1の外面にまで引き出す必要がある。そこで、次に、ヘッドチップ1の後面に、駆動電極15のうちのチャネル14の底面(チャネル14内に臨む基板11の表面)に形成された部分から基板11の後端面にかけて接続電極16を引き出し形成する。
図3(a)(b)は、ヘッドチップ1の外面に、各駆動電極15と電気的に接続する接続電極16を引き出し形成する方法の一例を説明する説明図である。
接続電極16は、図3(a)に示すように、ヘッドチップ1の切断面の一面(後面)に、駆動電極15のうちのチャネル14の底面に形成された部分を少なくとも含み、基板11の後端面にかけて開設された開口部201を有する感光性ドライフィルム200を貼着し、Al等の電極形成用の金属を蒸着して、開口部201内に金属被膜を生成することによって形成することができる。
チャネル14内の駆動電極15と接続電極16をスムーズに接続するためには、蒸着方向に対してヘッドチップ1の後面を垂直にするのではなく、所定の角度傾けて蒸着することが望ましい。具体的には、蒸着方向(金属粒子が飛来する方向)が、図3(a)の紙面に垂直ではく、垂直から上側に30〜60度程度傾いていることが望ましい。
また、接続電極16は、Alの金属被膜の上に更にAuを蒸着する等の方法によって積層構造としてもよい。更に、接続電極16の形成は、蒸着に代えてスパッタリングによって行うようにしてもよい。
特にヘッドチップ1を図2に示すように作成したヘッド基板10Aから切断加工した場合、上側基板131の駆動電極15と下側基板132の駆動電極15は、間に接着剤が存在するので電気的に接続されていない。このため、感光性ドライフィルム200の開口部201内に金属被膜を形成する際に、この2つの駆動電極15、15が接続されるようにする必要がある。これは電極形成を蒸着で行う場合は、蒸着方向を所定の方向に複数回行うか、または蒸着中に基板の方向を変化させることにより実現できる。スパッタリングで電極形成する際は、金属粒子が種々の方向より飛来するので特に基板の向きを変えなくても2つの駆動電極15、15の接続をとることができる。
なお、開口部201は、感光性ドライフィルム200の現像工程・水洗工程での作業性を考え、チャネル14の全面において開口していることが望ましい。全面において開口していることにより、チャネル14内の現像液、洗浄水の除去が容易となる。
この後、感光性ドライフィルム200を除去すると、図3(b)に示すように、ヘッドチップ1の一面(後面)に、各チャネル14から駆動電極15と電気的に接続する接続電極16がチャネル14毎に独立して引き出される。
ここで、ヘッド基板10から切断された各ヘッドチップ1、1・・・は、チャネル14の長さが全て共通となるように形成されているため、各ヘッドチップ1、1・・・個々に要求されるチャネル特性、すなわち所望のL長を有するようにする必要がある。そこで、図4に示すように、各ヘッドチップ1、1・・・の後面に対して、ダイシングソー300等の加工手段を用いて、各ヘッドチップ1、1・・・の加工後のチャネル14が所望のL長となるような深さでチャネル14をざぐり加工する。図4はヘッドチップ1を基板11側から見た状態、図5はヘッドチップ1の後面から見た斜視図を示している。また、図中の符号17は、このざぐり加工によって形成されたざぐり溝である。図6は図4の(vi)−(vi)線に沿う断面図である。
ざぐり加工は、駆動電極15及び接続電極16を形成した後のヘッドチップ1の後面に対し、チャネル14の形成領域を含み且つチャネル列と略平行な領域を該チャネル列に沿ってざぐり加工する。このざぐり加工によって、ヘッドチップ1の後面における駆動壁13の一部がチャネル列に沿って除去され、チャネル列と略平行に、各々のチャネル14に連通する凹溝となるざぐり溝17が形成される。
特にダイシングソー300は機械的に高精度な位置決めによる研削加工が可能であり、加工されるざぐり溝17の幅、深さを高精度に設定できるので、所望のL長を精度良く確保することができる。従って、ざぐり加工時にはこのようなダイシングソー300を用いて研削加工することが好ましい。
タイシングの条件としては、幅0.3mmのダイシングソー300を用いた。ざぐり溝17の幅が0.3mmの場合は1回のざぐり加工でよいが、これより広いざぐり溝17を加工する場合は複数回加工を行うことで、所定の幅のざぐり溝17を得ることができる。
なお、本発明において、ざぐり加工はダイシングソー300に限定されるものではなく、同様な形状が得られる工法であればよい。一例として、フライス盤とエンドミルを用いた加工方法、砥流と超音波加工機とを用いた加工方法などが挙げられる。
この駆動壁13の一部を除去するざぐり加工は、ヘッドチップ1のチャネル14を所望のL長とするために不要な駆動壁13が、駆動電圧の印加によっても駆動しない程度に除去されればよく、チャネル14内の駆動壁13の少なくとも一部分がざぐり加工されていればよい。但し、駆動電極15と接続電極16との間の断線を防ぐため、ざぐり加工は、チャネル14内部に形成された駆動電極15の一部を残すように加工する。すなわち、図6に示すように、ざぐり加工時の加工方向と平行で駆動電極15が形成されているチャネル14の内面(底面)を残すように加工することで、ざぐり溝17が駆動電極15と接続電極16との接続部分にはかからないようにし、各チャネル14内の駆動電極15と接続電極16との電気的な接続状態が維持されるようにする。これにより、外部への電極の引き出しを確保したまま、L長の短いインクジェットヘッドを作成することができる。
また、得られるインクジェットヘッドの静電容量をできるだけ下げるためには、図6に示すように基板12の一部を含む程度にざぐり加工することが好ましい。
このようなざぐり加工をすることによって、図6(a)(b)に示すように、ヘッドチップ1、1・・・は外形寸法を長さAで共通にしながらも、個々に要求されるL長に応じてざぐり溝17の深さを適宜設定することで、それぞれ異なるL長のヘッドチップ1、1・・・とすることができる。
例えば、ヘッドチップ1の長さAが製造上適切な寸法である2.5mm、チャネル深さB(図6参照)が310μm、ダイシングソー300の幅が400μmで、チャネル14底面の駆動電極15側を20μm残すようにチャネル列に亘ってヘッドチップ1の後面側から駆動壁13をざぐり加工して800μm深さのざぐり溝17を形成すると、外形寸法は2.5mmのままでL長1.7mmの高周波駆動用のヘッドチップ1を作成することができた。しかも、このようにL長の短い高周波駆動用のヘッドチップ1としても、外形寸法は製造上適切な2.5mmのままであるので、ヘッドチップ1の強度を確保することができ、また、取り扱い性も問題はない。
本発明では、ざぐり溝17を有するヘッドチップ1において、チャネル14のL長が0.5〜1.5mmであり、ヘッドチップ1の長さが1.5〜2.5mmであることが、高周波駆動用の短L長のヘッドチップ1でありながら強度を確保することができ、また、取り扱い性の面でも好ましい。
なお、図5、図6は、駆動電極15を外部の駆動回路に接続するための接続電極16をヘッドチップ1の外面に引き出し形成した例である。一方、この駆動回路に接続するための電極を基板11の内部に貫通させて設ける方法もある。図7はこの方法によるヘッドチップ1の断面図である。基板11には、チャネル14の内部からヘッドチップ1の外部に貫通する貫通電極18が形成されている。貫通電極18のチャネル14の内部に臨む一端は駆動電極15と電気的に接続している。この場合には、図5、図6の場合のような駆動電極15と接続電極16との電気的接続を考慮する必要はないので、図示するように、ざぐり溝17の幅はチャネル14の入口側のすべてを含んでいても問題ない。
ところで、ざぐり加工は、チャネル特性に影響する部分に対して行えばよく、必ずしも図4に示すようにヘッドチップ1の端から端に亘って同一深さで形成する必要はない。従って、例えば図8に示すように、チャネル14の形成領域Cのみに対して同一深さとなるように形成するだけでもよい。この場合、ヘッドチップ1の両端にざぐり溝17の両端が開口しないため、ヘッドチップ1の両端からインク漏れが生じないように閉塞する必要がなくなる。
このようにしてヘッドチップ1に対してざぐり加工することによって、共通の長さAを有するヘッドチップ1、1・・・からそれぞれ異なる所望のL長を有するヘッドチップ1、1・・・を作成した後、図9、図10に示すように、ヘッドチップ1の前面に、各チャネル14に対応する位置にノズル21が開設されたノズルプレート2を接合し、ヘッドチップ1の後面に、配線接続部を形成するための配線基板3を接合することによってインクジェットヘッドH1を作成する。図9はインクジェットヘッドの分解斜視図、図10はインクジェットヘッドの断面図である。
配線基板3は、非分極のPZTやAlN−BN、AlN等のセラミックス材料からなる1枚の板状の基板によって形成されている。また、低熱膨張のプラスチックやガラス等を用いることもできる。更には、ヘッドチップ1に使用されている圧電素子の基板材料と同一の基板材料を脱分極して用いることも好ましい。また、熱膨張率の差に起因するヘッドチップ1の歪み等の発生を抑えるため、ヘッドチップ1との熱膨張係数の差が±1ppm以内となるように材料を選定することが更に好ましい。
本発明による構造では、配線基板3とヘッドチップ1の接着部分は、ざぐり溝17の深さを深くするほど駆動壁13から離れる。配線基板3として、ヘッドチップ1と熱膨張係数が異なる材料を用いる場合、加熱接着時から室温に戻ったときに熱膨張係数の差による応力が発生し、駆動に悪影響を与えるおそれがある。本発明では、駆動壁13を接着部分から離すことができるため、この影響を小さくすることができ、配線基板3としてヘッドチップ1と熱膨張係数が異なる材料を使用することを容易にする。
配線基板3を構成する材料は1枚板に限らず、薄板状の基板材料を複数枚積層して所望の厚みとなるように形成してもよい。
この配線基板3は、ヘッドチップ1の幅方向と同一の幅を有すると共に、ヘッドチップ1のチャネル14の並び方向(チャネル列方向)と直交する方向(図9、図10における上下方向)に延び、ヘッドチップ1の上面及び下面からそれぞれ大きく張り出した張り出し部31a、31bを有している。また、ヘッドチップ1の後面と接合される配線基板3の一面には、その幅方向に亘って延びる1本の凹部32が形成されている。
この凹部32は、ヘッドチップ1のチャネル列方向に沿って全てのチャネル14の入口141側を覆うことができる大きさに溝加工されている。すなわち、図10に示すように、凹部32の幅は、基板11及び12の間のチャネル14の高さよりも大きく、ヘッドチップ1のチャネル列方向と直交する方向(図10の上下方向)の厚さよりも小さい。これにより、配線基板3をヘッドチップ1の後面に接合すると、その表面はヘッドチップ1の後面における基板11及び12と接するが、チャネル14の入口141を塞ぐことはなく、凹部32内に各チャネル14の入口141が臨むような状態となる。
凹部32の形成方法としては、ダイシングソーで溝加工する方法、超音波加工機で研削加工する方法、焼結前のセラミックスを型成形し、焼成する方法等が採用できる。
配線基板3の一方の張り出し部31aは、FPC4の接合部位として機能しており、ヘッドチップ1との接合面側となる表面に、ヘッドチップ1の後面に形成された各接続電極16と同数及び同ピッチで、配線電極33が形成されている。この配線電極33は、FPC4が接合される際、FPC4の配線41と電気的に接続し、駆動回路からの駆動電圧を接続電極16を介して各駆動電極15に印加するための電極として機能する。このように配線電極33は、ヘッドチップ1から大きく張り出す張り出し部31aに引き出されているため、FPC4との電気的接続は容易である。
配線電極33の形成は、配線基板3の表面にスピンコート法によりポジレジストをコーティングし、その後、このポジレジストをストライプ状のマスクを用いて露光し、現像することにより、ストライプ状のポジレジストの間に接続電極16と同数及び同ピッチで配線基板3の表面を露出させ、その表面に、蒸着法やスパッタリング法等によって電極形成用の金属によって金属被膜を形成することにより行うことができる。電極形成用の金属としては、接続電極16と同一のものを使用することができる。
なお、チャネル列が1列のみからなるヘッドチップ1の場合、配線基板3の張り出し部は、必ずしも図9及び図10に示すようにヘッドチップ1の上面及び下面の両面から張り出すように形成する必要はなく、FPC4との接合を行う一方のみにあればよい。
配線基板3は、各配線電極33がヘッドチップ1の各接続電極16と電気的に接続すると共に、凹部32がヘッドチップ1のチャネル入口141側を覆うように位置合わせされ、異方導電性フィルム等によってヘッドチップ1の後面に接合される。電気的接続方法としては、この他に、導電性粒子を含む異方性導電ペースト、非導電性接着剤で接着する圧接接合、配線電極33と接続電極16の少なくとも一方に半田を使用し、加熱溶融させて接続する方法等、通常の実装技術で使用されている方法を用いることもできる。
このようにして配線基板3をヘッドチップ1の後面へ接合することにより、ヘッドチップ1の各チャネル14内の駆動電極15への駆動回路からの駆動電圧の印加を行うための配線接続部となる電極(接続電極16及び配線電極33)が形成されると共に、各チャネル14の入口141にインクを供給するためのインク共通室が各チャネル14に共通の1本の凹部32とざぐり溝17とによって形成される。
インク共通室へのインクの供給は、配線基板3をヘッドチップ1の後面に接合した際に凹部32の両端にそれぞれ開放する開放口32aに、図示しないインク供給用管等を接続することによって行うことができる。凹部32内へのインクの供給は、両端でもよいし、いずれか一方端のみでもよい。また、一方端から供給し、他方端から排出するようにして、インクがインク共通室を循環するようにしてもよい。このインク共通室は、配線基板3の凹部32とヘッドチップ1のざぐり溝17とによって形成されるため、凹部32のみによって形成されるものに比較して大きな容積を確保することができる。
更に大量のインク供給を可能にするために、図11に示すように、配線基板3の凹部32の位置に開口34を形成し、箱形状のインクマニホールド5を、開口34を覆うようにして接合するようにしてもよい。開口34の幅(図11の上下方向の長さ)は、凹部32の幅と同じでもよい。また、開口34のチャネル列方向の長さはチャネル列と同程度(図7のC)でもよい。更に、開口34は1個とは限らず、複数個設けてもよく、複数の開口34のうち、一部をインク供給に使用し、他の一部をインク排出に使用してインク共通室内をインクが循環するようにしてもよい。開口34よりインクを供給する場合は、凹部32は配線基板3の端まで形成されている必要はなく、図7のCに相当する領域で形成されていればよい。
更にまた、ヘッドチップ1はざぐり溝17を有しているので、このざぐり溝17を利用すれば、配線基板3の凹部32をなくすこともできる。この例を図12及び図13に示す。配線基板3に凹部をなくすことで、配線基板3の製造が容易になり、また、ヘッドチップ1と配線基板3との接着面積も増えるので接着強度の確保が容易になる。インクの供給が不足する場合は、図11に示される開口34を配線基板3に設け、インクマニホールド5を接合することが好ましい。
本発明の製造方法によれば、要求されるチャネル特性に応じてヘッドチップ1、1・・・のL長がそれぞれ異なっていても、そのヘッドチップ1、1・・・の外形寸法は製造上適切な同じ長さAで共通にできるので、インクジェットヘッドH1を外装に対して取り付けする際にも、異なるL長のヘッドチップ1、1・・・に対して全て共通の外装を使用することができ、コストダウンを図ることが可能となる。
また、このようにして得られるインクジェットヘッドH1は、要求されるチャネル特性に関わらずヘッドチップ1、1・・・の強度及び外装に対する取り付け性を確保することができる。
以上説明したインクジェットヘッドH1はチャネル列が1列の場合であるが、チャネル列は複数列であってもよい。
図14(a)(b)は2列のチャネル列からなるヘッドチップ100を有するインクジェットヘッドH2の断面図である。図1〜図13と同一符号の部位は同一構成の部位を示しているので、詳細な説明については省略する。
このヘッドチップ100は、図1(d)に示すヘッド基板10を2枚用意し、その基板12同士を接合した後、一体にカットラインに沿って切断することによって得ることができる。
このようなヘッドチップ100に対してざぐり加工するには、図14(a)に示すように、2列のチャネル列に跨ってざぐり加工することにより、各チャネル列に対して共通の幅広のざぐり溝17を1本だけ形成するようにしてもよいし、図14(b)に示すように、各チャネル列に対して個別にそれぞれざぐり加工することにより、チャネル列毎にざぐり溝17を形成してもよい。
前者の場合は、駆動に不要な部分がざぐり溝17によって大きく除去されるので、静電容量を下げることができ、駆動電圧を下げることができて駆動時の発熱を抑えることができる。また、インク共通室の容積を大きくとることができるため、インク供給が容易であり、また、凹部32の深さをあまり深く形成する必要がない。
また、後者の場合は、ざぐり加工によって2つのざぐり溝17、17の間に基板12、12の一部が残存する。このとき、図示するように配線基板3に各チャネル列に対応するように2つの凹部321、322を形成することによって、チャネル列毎に個別のインク共通室を形成すれば、インク共通室は基板12、12と凹部321、322の間とによってチャネル列毎に隔絶されるので、各チャネル列に異なる色のインクをそれぞれ供給するようにすることもできる。
なお、本発明において、ヘッドチップ1、100の各駆動電極15に駆動電圧を印加するための配線の接続方法は、配線基板3による方法に何ら限定されず、様々な方法を採用することができる。
(実施例)
本発明に基づき、ざぐり溝の深さ1.2mm、L長1.3mmのチャネルが256個で141μmピッチで配置されているヘッドチップを有するインクジェットヘッドを作成した。ヘッドチップの外形寸法は、長さ2.5mm、幅45mm、厚さ2mmとし、ヘッド構造は図11に示す構造とした。
完成したインクジェットヘッドの速度分布を測定すると、速度分布は±10%以下となり、製造途中での破損も生じなかった。このインクジェットヘッドは、駆動周波数40kHzで駆動可能であり、高速駆動可能なインクジェットヘッドが容易に作成可能であった。
(比較例)
本発明によらずに、すなわち、ざぐり加工を行わずに、L長1.3mmのチャネルが256個で141μmピッチで配置されているヘッドチップを有するインクジェットヘッドを作成した。ヘッドチップの外形寸法は、長さ(=L長)1.3mm、幅45mm、厚さ2mmとし、ヘッド構造は図11に示す構造(但し、ざぐり溝はない。)とした。
完成したインクジェットヘッドの速度分布を測定すると、平坦ではなく、±20%の速度分布が観測された。これは、インクジェットヘッドの製造過程において、ヘッドチップの機械的強度が弱いために、製造工程において歪みが生じているためと考えられる。また、駆動壁と配線基板が近いため、接着工程で発生した応力の影響を、駆動壁が受けていると考えられる。更に、洗浄工程において、洗浄水の水圧による破損が発生した。
このように、本発明によれば、高速駆動可能な短L長のインクジェットヘッドを容易に製造することが可能となった。
(a)〜(d)は本発明に係るインクジェットヘッドにおけるヘッドチップを作成する方法を説明する図 ヘッド基板の他の態様を示す斜視図 (a)(b)は接続電極の作成方法を説明する図 ざぐり加工の方法を説明する図 ざぐり加工後のヘッドチップを後面側から見た斜視図 (a)(b)はそれぞれ異なる深さでざぐり加工されたヘッドチップの断面図 電極を基板の内部に貫通させて設ける方法を示すヘッドチップの断面図 ざぐり加工の別の方法を説明する図 本発明に係るインクジェットヘッドの分解斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドの断面図 インクマニホールドを設けた本発明に係るインクジェットヘッドの断面図 他の態様に係る配線基板を設けたインクジェットヘッドの分解斜視図 他の態様に係る配線基板を設けたインクジェットヘッドの断面図 (a)(b)は本発明に係るインクジェットヘッドの他の態様を示す断面図
符号の説明
1、100:ヘッドチップ
10、10A:ヘッド基板
11、12:基板
13:駆動壁
13a、13b:圧電素子基板
131:上側基板
132:下側基板
14:チャネル
141:チャネルの入口
142:チャネルの出口
15:駆動電極
16:接続電極
17:ざぐり溝(凹溝)
18:貫通電極
2:ノズルプレート
21:ノズル
3:配線基板
31a、31b:張り出し部
32、321、322:凹部
33:配線電極
4:FPC
41:配線
200:感光性ドライフィルム
201:開口部
300:ダイシングソー
A:ヘッドチップの長さ
B:チャネルの深さ
C:チャネルの形成領域

Claims (14)

  1. 圧電素子からなる駆動壁とチャネルとが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネルの出口と入口とが配置され、該チャネル内部に前記駆動壁を駆動させる電圧を印加するための駆動電極が形成されてなるヘッドチップを有し、前記駆動電極に電圧を印加することによって前記駆動壁をせん断変形させ、前記チャネル内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドの製造方法において、
    前記駆動電極形成後のヘッドチップに対し、該ヘッドチップの後面の一部であって、チャネルの形成領域を含み且つチャネル列と略平行な領域を該チャネル列に沿って、ざぐり加工することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記ざぐり加工は、加工後の前記チャネルが所望の駆動長(L長)となるように行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記ざぐり加工は、前記チャネル列に沿ってダイシングソーによって研削加工することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記ざぐり加工は、前記チャネル内部に形成された前記駆動電極の一部を残すように加工することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記チャネル列は複数であり、各チャネル列にそれぞれ対応するように前記ざぐり加工することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記チャネル列は複数であり、複数のチャネル列に跨るように前記ざぐり加工することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 圧電素子からなる駆動壁とチャネルとが交互に並設されると共に前面及び後面にそれぞれチャネルの出口と入口とが配置され、該チャネル内部に前記駆動壁を駆動させる電圧を印加するための駆動電極が形成されてなるヘッドチップを有し、前記駆動電極に電圧を印加することによって前記駆動壁をせん断変形させ、前記チャネル内のインクをノズルから吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
    前記ヘッドチップの後面に、チャネル列と略平行に形成されると共に、各々のチャネルに連通する凹溝を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 前記凹溝は、前記チャネル内部に形成された前記駆動電極の一部を残すように形成されていることを特徴とする請求項7記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記チャネル列は複数であり、前記凹溝は各チャネル列にそれぞれ対応するように形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記チャネル列は複数であり、前記凹溝は複数のチャネル列に跨るように形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記ヘッドチップの後面に、前記駆動電極と電気的に接続する接続電極が形成されていると共に、該接続電極と対応する配線電極が形成された配線基板が、前記接続電極と前記配線電極の一端とが電気的に接続するように接合されており、
    前記配線基板は、チャネル列と直交する方向に前記ヘッドチップよりも張り出した張り出し部を有し、該張り出し部に前記配線電極の他端が引き出されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記配線基板は、前記ヘッドチップとの接合面側に前記チャネルの並び方向に沿って延びる凹部を有しており、該凹部が前記チャネルの入口を覆うように前記ヘッドチップの後面に接合されることで、前記凹部によって前記チャネル内に共通してインクを供給するためのインク供給室が形成されていることを特徴とする請求項11記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記配線基板は、前記チャネルの入口において少なくとも開口している開口部を有し、該開口部によって前記チャネル内に共通してインクを供給するためのインク共通室が形成されていることを特徴とする請求項11記載のインクジェットヘッド。
  14. 前記チャネルの駆動長(L長)が0.5〜1.5mmであり、前記ヘッドチップの長さが1.5〜2.5mmであることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載のインクジェットヘッド。

JP2006160009A 2005-08-02 2006-06-08 インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド Expired - Fee Related JP4984661B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006160009A JP4984661B2 (ja) 2005-08-02 2006-06-08 インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド
US11/459,667 US7789491B2 (en) 2005-08-02 2006-07-25 Inkjet head and method of manufacturing inkjet head

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005224481 2005-08-02
JP2005224481 2005-08-02
JP2006160009A JP4984661B2 (ja) 2005-08-02 2006-06-08 インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007062360A true JP2007062360A (ja) 2007-03-15
JP4984661B2 JP4984661B2 (ja) 2012-07-25

Family

ID=37717246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006160009A Expired - Fee Related JP4984661B2 (ja) 2005-08-02 2006-06-08 インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7789491B2 (ja)
JP (1) JP4984661B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107250A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Sii Printek Inc インクジェットヘッドとその製造方法、及びインクジェット記録装置

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008094036A (ja) 2006-10-13 2008-04-24 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド
KR20100047973A (ko) * 2008-10-30 2010-05-11 삼성전기주식회사 잉크젯 헤드 제조방법
KR101288257B1 (ko) * 2011-09-30 2013-07-26 삼성전기주식회사 미세토출장치의 구동부 제작방법
JP6281221B2 (ja) * 2013-09-27 2018-02-21 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法
JP6278656B2 (ja) * 2013-10-17 2018-02-14 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002264328A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Sharp Corp インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP2003266684A (ja) * 2002-03-14 2003-09-24 Sharp Corp 液滴吐出装置およびその製造方法
JP2003305850A (ja) * 2002-04-17 2003-10-28 Sharp Corp インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP2004098510A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Sharp Corp インクジェットヘッド構造

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001334673A (ja) * 2000-05-26 2001-12-04 Seiko Instruments Inc ヘッドチップの製造方法
US7232207B2 (en) * 2002-12-27 2007-06-19 Konica Minolta Holdings, Inc. Ink jet head

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002264328A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Sharp Corp インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP2003266684A (ja) * 2002-03-14 2003-09-24 Sharp Corp 液滴吐出装置およびその製造方法
JP2003305850A (ja) * 2002-04-17 2003-10-28 Sharp Corp インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP2004098510A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Sharp Corp インクジェットヘッド構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107250A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Sii Printek Inc インクジェットヘッドとその製造方法、及びインクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20070030316A1 (en) 2007-02-08
US7789491B2 (en) 2010-09-07
JP4984661B2 (ja) 2012-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4857934B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4357600B2 (ja) 流体噴射装置
JP4984661B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド
JP2006082396A (ja) インクジェットヘッド
JP2007069459A (ja) インクジェットヘッド
JP6103209B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP5062354B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2011167846A (ja) インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP2008162110A (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法プ実装用配線基板
JP5428291B2 (ja) マルチチップインクジェットヘッド
JP4363038B2 (ja) インクジェットヘッド
JP4876701B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP3217006B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
JP2004358751A (ja) インクジェットヘッド
JP4590934B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2002210989A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP4613704B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2013063366A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2001054946A (ja) インクジェットヘッド
JP5846050B2 (ja) ヘッドチップの製造方法及びインクジェットヘッドの製造方法
JP7346148B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP6784211B2 (ja) ヘッドチップの製造方法及びインクジェットヘッドの製造方法
JP4631343B2 (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP2002283560A (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2004148597A (ja) インクジェットヘッドおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4984661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees