JP6155498B2 - 圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子に関する。
従来、基体上に、下部電極、圧電体、上部電極が順次積層された圧電素子が知られている。圧電体を形成するための材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が知られている(例えば特開2010−34206号公報参照)。PZTについては、圧電特性の改良がなされているが、有毒な鉛を含むため環境問題等の観点から非鉛の圧電材料の開発が望まれている。
非鉛の圧電材料としては、Ba−Ti−Zr系酸化物(BZT)とBa−Ca−Ti系酸化物(BCT)との擬二元系固溶体(BZT−BCT)が提案されている(例えば特開2009−215111号公報参照)。このBZT−BCTは、三重臨界点よりもBCTの割合が大きい組成であると、菱面体(R相)と正方晶(T相)との結晶相境界が存在する。BZT−BCTは、結晶相境界が存在する組成において高い圧電特性を発揮する。
しかし、BZT−BCTは、100℃を超えると結晶構造が立方晶となって常誘電性を示す。そのため、BZT−BCTは、キュリー温度が低く、その結果高い圧電性を示す温度範囲が狭いという不都合があった。
特開2010−34206号公報 特開2009−215111号公報
本発明は、前述の事情に基づいてなされたものであり、キュリー温度を高くすることで圧電性を示す温度範囲を拡げることができる圧電素子を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためになされた本発明は、
基板と、この基板の一方の面側に積層された圧電体とを備え、
前記圧電体が、Ba、Ca、Ti及びZrを含む粉体を有する圧電ペーストを用いてスクリーン印刷及び焼成することで形成されている圧電素子である。
当該圧電素子は、スクリーン印刷による圧電ペーストの塗布及び焼成により基板上に圧電体が形成される。焼成後の温度低下過程ではこれらの基板及び圧電体が収縮する。このとき、基板と圧電体との熱膨張率の差によって圧電体に応力が作用する。その結果、当該圧電素子は、圧電体のキュリー温度が高く圧電性を示す温度範囲が広いものとなる。
また、スクリーン印刷によれば、バルク成形等に比べて簡易にかつ効率良く圧電体を形成できる。そればかりでなく、スクリーン印刷によれば、5μm程度から数百μmの範囲の厚みに圧電体を形成することができる。そのため、バルク成形では困難な厚みの圧電体を形成することができると共に、他の印刷方法よりも厚膜に圧電体を形成することができる。従って、当該圧電素子は、バルク成形及び他の印刷方法では形成困難な厚みの圧電体を有するものとなる。
ここで、スクリーン印刷は、スクリーンメッシュと呼ばれる製版を用いて行われる。スクリーンメッシュは、略同一形状の開口部が規則的に配列されたものである。そのため、スクリーン印刷により圧電ペーストを塗工すれば、スクリーンメッシュの開口部の配列に応じて圧電ペースト中の粉体が揃えられた状態とすることができる。そのため、スクリーン印刷によれば、圧電体における粉体の分布が均質化され、焼結密度の均一化を図れると共に焼結密度を向上させることが可能となる。その結果、当該圧電素子は、圧電体の各所で圧電性能にバラツキが生じることが抑制されたものとなる。
前記粉体の平均粒径としては0.05μm以上10μm以下が好ましく、前記スクリーン印刷に用いるスクリーンメッシュのオープニングとしては、30μm以上100μm以下が好ましい。このように粉体の平均粒径を上記範囲とすると共にスクリーンメッシュのオープニングを上記範囲とすることで、圧電ペースト中の粉体が適切に揃えられる。その結果、圧電体の各所で圧電性能にバラツキが生じることをより適切に抑制することができる。
前記基板が、セラミクスを主成分とし、その平均厚みが100μm以上300μm以下の可撓性基板であるとよい。このように基板が、平均厚みが上記範囲であるセラミクスを主成分とする可撓性基板であることで、焼成後の温度低下時における基板と圧電体との熱膨張率の差によって、圧電素子が反った状態となる。そのため、圧電素子では、基板は平らな状態に弾性回復しようとする。例えば、基板側が凸となるように反った場合、基板は、圧電体を平らにしようとする方向に圧電体に負荷(引っ張り応力)を作用させる。このように、当該圧電素子は、基板が反っていることで、基板が反っていない圧電素子に比べて、より大きな負荷を圧電体に作用させることができる。その結果、当該圧電素子は、圧電体のキュリー温度がより適切に高くされ、圧電性を示す温度範囲をより適切に拡げることができる。
前記圧電体が下記式(1)で表される組成の圧電材料を主成分とするとよい。
Ba1−xCaTiZr (1)
(前記式(1)中のxが0.04以上0.10以下であり、yが0.95以上0.98以下であり、zが0.02以上0.05以下である。)
前記式(1)を満たす組成の圧電材料を主成分とすることで、圧電体のキュリー温度を適切に高めることができる。そのため、当該圧電素子が圧電性を示す温度範囲を適切に拡げることができる。
前記圧電材料の結晶構造が、前記式(1)中のxが0.06以上のときに0℃において正方晶であり、前記式(1)中のxが0.10以上のときに−20℃において正方晶であることが好ましい。このように前記圧電材料の結晶構造が低温域である特定温度で正方晶であることで、圧電体が低温で実用的な圧電性を示すこととなる。その結果、圧電性を示す温度範囲を広く確保できると共に低温下で使用可能な圧電素子を提供できる。
ここで、「平均粒径」とは、累積分布における50%径(メジアン径)である。「平均厚み」とは、複数点(例えば5点)で測定した厚みの平均値をいう。「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上のものをいう。
本発明によれば、圧電体のキュリー温度が高められ、圧電性を示す温度範囲の広い圧電素子が提供される。
本発明の一実施形態に係る圧電素子の模式的断面図である。 図1の圧電素子の端部を拡大して示す模式的断面図である。 図1の圧電素子の製造方法を説明するための模式的断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧電素子の図2に相当する模式的断面図である。 圧電体のキュリー温度のカルシウム濃度依存性の評価結果を示すグラフである。 圧電体の相転移温度のカルシウム濃度依存性の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る圧電素子について図1〜図3を参照しつつ詳説する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
[圧電素子]
図1及び図2の圧電素子1は、基板2、一対の電極3及び圧電体4を積層したものである。このような積層タイプの圧電素子1は、曲げ振動の検出センサやアクチュエータとして利用できるものである。具体的には、圧電素子1は、医療用センサ、超音波発振源、楽器用センサ、スピーカ等のアクチュエータなどとして好適に使用することができる。
<基板>
基板2は、可撓性及び絶縁性を有する板状体である。この基板2の平面視形状は、例えば矩形、円形等である。基板2は、下面20が凸となるように湾曲している。基板2の湾曲の程度は、基板2の寸法や達成すべき圧電性等に応じて決定すればよい。基板2の湾曲の程度は、一例において、基板2の端縁の反り上がり寸法として表され、また湾曲前の基板2の長さ寸法に対する反り上がり寸法の比(以下「寸法比」という)として表すこともできる。
ここで、反り上がり寸法は、基板2の下面20の最も突出した部分の接線Tと下面20の端縁との厚み方向(図の上下方向)の距離Hである。
基板2の長さ寸法は、基板2の平面視形状に応じて規定され、例えば平面視形状が正方形の場合は一辺、長方形の場合は長辺、真円の場合は直径、楕円の場合は長径、長円の場合は長軸径の寸法が長さ寸法に対応する。この長さ寸法は、圧電素子1では、図1における基板2の下面20の円弧長に実質的に対応する。
前記寸法比の下限としては、0.01倍が好ましく、0.015倍がより好ましい。前記寸法が上記下限未満であると、基板2が圧電体4に作用させる応力が小さくなって、キュリー温度を十分に高めることができないおそれがある。一方、前記寸法比の上限としては、0.05倍が好ましく、0.03倍がより好ましい。前記寸法が上記上限を超えると、圧電素子1の使用環境の制約が大きくなるか、基板2を平坦にする方向に負荷を作用させたときに圧電体4が破壊するおそれがある。
基板2の平均厚みの下限としては、100μmが好ましく、150μmがより好ましい。前記平均厚みが前記下限未満であると基板2の強度を十分に確保できないおそれがある。一方、基板2の平均厚みの上限としては、300μmが好ましく、250μmがより好ましい。前記平均厚みが前記上限を超えると、十分な可撓性を有する基板2を得ることができず、圧電体4に十分な応力を作用させることができないおそれがある。
基板2の平均厚みが前記範囲である場合、距離Hの上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。距離Hが上記上限を超えると、圧電体4が基板2から剥離するおそれがあり、また圧電素子1を使用できる環境(実装面等)に制限が生じるおそれがある。一方、上記距離Hの下限としては、0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。距離Hが上記下限未満であると、圧電体4のキュリー温度を十分に高めることができないおそれがある。
基板2は、少なくとも圧電体4及び後述する下部電極5と接触する上面21が絶縁性を有していればよいが、全体が絶縁性を有していることが好ましい。基板2は、耐熱性の観点からセラミクスを主成分しているとよい。セラミクスとしては、例えばジルコニア、アルミナ、窒化アルミ、マグネシア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイアロン、タングステンカーバイド等が挙げられる。中でも、耐熱性に特に優れると共に安価に入手可能であり、可撓性を有する基板2を容易に作製できるジルコニアが好ましく、部分安定化ジルコニアがさらに好ましい。
<一対の電極>
一対の電極3は、圧電体4に電圧(電気エネルギ)を印加するため、あるいは圧電体から電気エネルギを取り出すためのものである。一対の電極3は、下部電極5及び上部電極6を含む。下部電極5は、基板2の上面21に積層されている。上部電極6は、圧電体4の上面40に形成されている。
下部電極5及び上部電極6の厚みとしては、特に限定されないが、それぞれ、例えば0.1μm以上10μm以下とすることができる。下部電極5及び上部電極6の厚みが大きすぎると、圧電素子1としての可撓性が低下しエネルギの変換効率が悪化するおそれがある。一方、下部電極5及び上部電極6の厚みが小さ過ぎると、下部電極5及び上部電極6の電気抵抗が大きくなりエネルギの変換効率が悪化するおそれがある。
下部電極5の材料としては、圧電体4の焼成後にあっても導電性を有し、かつ常温で固体であれば特に限定されない。下部電極5の材料としては、例えば金属単体、合金、導電性酸化物等が挙げられる。金属単体及び合金の金属元素としては、例えば白金、金、パラジウム、銀、ニッケル、銅等が挙げられる。合金としては、銀−パラジウムが好ましい。合金導電性酸化物としては、酸化錫、酸化インジウム等の金属化合物などが挙げられる。
上部電極6の材料としては、導電性を有し、かつ常温で固体であれば特に限定されない。上部電極6の材料としては、例えば金属単体、合金、導電性樹脂等が挙げられる。金属単体及び合金の金属元素としては、例えば白金、金、パラジウム、銀、ニッケル、銅等が挙げられる。合金としては、銀−パラジウムが好ましい。導電性樹脂としては、例えば導電性付与剤を添加した樹脂が挙げられる。導電性付与剤としては、銀、銅等の金属、酸化錫、酸化インジウム等の金属化合物などが挙げられる。導電性付与剤の形態としては、例えば粉末状、フレーク状、繊維状等が挙げられる。
下部電極5及び上部電極6の形成方法としては、特に限定されないが、例えば導電性ペースト又は導電性スラリーにより塗膜を形成した後に焼成する方法等が挙げられる。下部電極5及び上部電極6は、蒸着法、スパッタ法等により形成してもよい。
<圧電体>
圧電体4は、付与された機械的エネルギを電気エネルギに変換し、付与された電気エネルギを機械的エネルギに変換するものである。この圧電体4は、基板2の上面21側において下部電極5を覆う厚膜に形成されている。
圧電体4は、基板2の上面21に倣った形状、すなわち下面20側が凸となるように湾曲した形状を有している。圧電体4は、基板2の下面20側の周縁部42が、下面41において基板2の上面21と密着している。圧電体4は、互いに対向する一対の端面43を有している。これらの端面43は、圧電体4の下面41における端面43の下端での接線の垂直方向に対して傾斜している。端面43の間の距離は、基板2に向かうほど(下方に向かうほど)大きくなる。
圧電体4が基板2に向かうほど距離が大きくなる一対の端面43を有することで、端面が下面に対し垂直状とされた従来の圧電体に比べて、基板2により圧電体4の周縁部42に作用させられる引っ張り応力を適度に分散できる。そのため、圧電体4の基板2等に対する密着性が向上する。また、圧電体4の端面43が基板2の上面21に対して傾斜をしているので、スクリーン印刷によって形成される上部電極6を、端面43に沿わせて基板2の上面21まで延長することが可能になる。このことに加えて、圧電体4の周縁部42が基板2と密着していることで、圧電体4の周縁部42が下部電極5と密着している場合に比べて、圧電体4と基板2との間の密着性を向上させることができる。これは、下部電極5が白金等の金属などにより形成されているのに対して、基板2がセラミクス等のように圧電体4と同じく酸化物系セラミックスにより形成されているため、圧電体4と基板2との密着性が圧電体4と下部電極5との密着性よりも高くなるためである。
圧電体4の平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、30μmがさらに好ましい。圧電体4の平均厚みが前記下限未満であると、圧電体4の強度を十分に確保できず、また十分な圧電性を得られないおそれがある。圧電体4の平均厚みの上限としては、200μmが好ましく、150μmがさらに好ましい。圧電体4の厚み平均が前記上限を超えると、圧電体4の変形性が低下し、十分な圧電性を得られないおそれがある。
圧電体4は、Ba、Ca、Ti及びZrを含むセラミクスとして形成されている。この圧電体4は、下記式(1)で表される圧電材料を主成分としていることが好ましい。
Ba1−xCaTiZr (1)
前記式(1)中のx、y及びzは、それぞれ、単位構造中のCaの原子割合(濃度)、Tiの原子割合、及びZrの原子割合を示す。xとしては、0.04以上0.10以下が好ましい。yとしては、0.95以上0.98以下が好ましい。zとしては、0.02以上0.05以下が好ましい。x、y及びzが上記範囲であることで、キュリー温度を適切に向上させ、圧電性を示す温度範囲を適切に拡げることができると共に、圧電体4の耐熱性を適切に維持することができる。具体的には、後述の図5に示すように、スクリーン印刷によってセラミック基板上に圧電体を形成する圧電材料において、Ca濃度であるxが0.04以上0.1以下であるときに高いキュリー温度を得ることができる。また、前記圧電材料におけるy(Ti濃度)が0.95以上0.98以下、z(Zr濃度)が0.02以上0.05以下の範囲において、後述の表1〜表3に示すように、圧電定数(d31)、比誘電率及び残留分極に関して良好な結果が得られた。以上のように、圧電体4を形成する圧電材料は、前記式(1)におけるxとして0.04以上0.10以下が好ましく、yとして0.95以上0.98以下が好ましく、zとして0.02以上0.05以下が好ましい。
圧電材料の結晶構造は、前記式(1)中のxが0.06以上のときに0℃において正方晶であることが好ましい。また、前記式(1)中のxが0.10以上のときに−20℃において正方晶であることが好ましい。このような圧電材料によれば、低温でも結晶構造が正方晶であることで低温で実用的な圧電性を示すこととなる。その結果、圧電性を示す温度範囲を拡げることができると共に比較的低温下で使用可能な圧電素子1を提供することができる。
圧電材料は、Ba、Ca、Ti及びZr以外の不可避的成分、痕跡量程度の不純物を含んでいてもよい。また、圧電材料は、Ba、Ca、Ti及びZrの一部がこれら以外の元素、例えば、K、Na、Li、Ag、Sr、Hf、Sn、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、La、Bi、Y、Ce、Rh、Nb、Ta等で置換されていてもよい。
ただし、圧電粒子は、鉛を含んでいないことが好ましい。圧電粒子(圧電体4)が鉛を含まないことで基板2への鉛の拡散がないため、鉛に起因する基板2の膨張を抑制できる。また、鉛を含まないことで、教育用楽器のセンサ等として圧電素子1を適用したときの安全性を確保することができる。
<圧電素子の製造方法>
次に、圧電素子1の製造方法の一例について、図3(A)〜図3(F)を参照しつつ説明する。
まず、図3(A)に示すように、基板2を準備する。この基板2は、例えばジルコニア等のセラミクス粒子を圧縮成形後に焼結したもので、可撓性を付与するために板厚を100μm以上300μm以下に形成したものを用いる。
次いで、図3(B)に示すように、基板2の上面21に下部電極5を形成する。下部電極5は、公知の方法により形成することができ、例えばスクリーン印刷により基板2上に導電ペースト膜を形成した後にこの導電ペースト膜の焼成を行うことで形成することができる。
導電ペーストとしては、例えば導電粒子、バインダ樹脂及び溶剤の含むものが挙げられる。導電粒子としては、例えば金属単体、合金等を材料とする粒子が挙げられる。中でも、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属単体を材料とする導電性粒子が好ましい。バインダ樹脂としては、特に限定はなく、例えばエチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等の公知のバインダ樹脂を使用することができる。溶剤としては、バインダ樹脂を溶解できるものであればよく、例えばターピネオールやジヒドロターピネオール等のテルペン系溶剤、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル系溶剤等の公知の溶剤が挙げられる。溶剤は、単独で使用しても、複数種を混合して使用してもよい。
導電ペースト膜の焼成は、常法に従い、例えば電気炉にて基板2と共に導電ペースト膜を加熱することで行うことができる。加熱温度、加熱時間等の加熱条件は、導電ペーストの組成、導電ペースト膜の厚み等に応じて適宜決定すればよいが、例えば白金を用いる場合には、1300℃〜1400℃、1時間〜2時間とされる。
次いで、図3(C)から図3(E)に示すように、下部電極5を覆うように圧電体4を形成する。圧電体4は、圧電ペーストを用いたスクリーン印刷により下部電極5を覆うように圧電膜7を形成し、その後に焼成することで形成される。
図3(C)に示すように、圧電膜7は周縁部70の下面71が基板2の上面21と接触するように形成される。圧電膜7は、例えば30μm〜50μmの厚膜に形成される。
圧電ペーストとしては、例えば圧電粒子、バインダ樹脂及び溶剤の含むものが挙げられる。この圧電ペーストは、圧電粒子を分散させるための分散剤等の他の成分を含んでいてもよい。
圧電粒子としては、例えば、BaZrO、CaCO、BaCO及びTiOからあらかじめ作製されたBa、Ca、Ti及びZrを含む粒子が使用される。
圧電粒子の平均粒径の下限としては、0.05μmが好ましく、0.075μmがより好ましい。圧電粒子の粒径が前記下限未満であると、圧電粒子の取り扱いが困難となるおそれがある。一方、圧電粒子の平均粒径の上限としては、1μmが好ましく、500nm以下がより好ましい。圧電粒子の粒径が前記上限を超えると、焼成密度が小さくなって圧電性及び強度が低下するおそれがある。ここで、平均粒径とは、累積分布における50%径(メジアン径)である。
バインダ樹脂としては、特に限定はなく、例えばエチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等の公知のバインダ樹脂を使用することができる。
溶剤としては、バインダ樹脂を溶解できるものであればよく、例えばターピネオールやジヒドロターピネオール等のテルペン系溶剤、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル系溶剤等の公知の溶剤を、単独で又は複数種を混合して使用できる。
圧電ペーストにおける各成分の含有量は、スクリーン印刷性、圧電ペーストの取り扱い性、圧電体4の焼結密度等の観点から決定すればよい。圧電ペーストにおける圧電粒子の含有量は、例えば70質量%〜90質量%とされる。圧電ペースト中のバインダ樹脂の含有量は、例えば5質量%〜15質量%とされる。圧電ペーストの溶剤の含有量は、例えば5質量%〜15質量%とされる。
圧電ペーストの粘度としては、5Pa.s以上100Pa・s以下が好ましく、10Pa.s以上50Pa・s以下がより好ましい。圧電ペーストの粘度が小さすぎると、ペーストのダレやにじみが生じ、膜厚が不均一化するおそれがある。一方、圧電ペーストの粘度が大きすぎると、メッシュへの充填性、版抜け性が低下し、膜厚が不均一化するおそれがある。
スクリーン印刷は、スクリーンメッシュと呼ばれる製版を用いて行われる。スクリーンメッシュは、略同一形状の開口部が規則的に配列されたものである。スクリーンメッシュとしては、例えば金属製、樹脂製の紗を平織り又は綾織りしたものを使用することができる。金属製の紗としては、例えばステンレス線材が挙げられる。樹脂製の紗としては、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、液晶ポリマー繊維が挙げられる。中でも、ステンレス線材が好ましく、ステンレス線材をブラスト処理したものがより好ましい。
スクリーンメッシュのオープニングとしては、30μm以上100μm以下が好ましい。オープニングが上記上限を超えると、圧電ペースト中の混合粉体の径との差が大きくなって、混合粉体粒を適切に揃えることができないおそれがある。オープニングが上記下限未満であると、メッシュの開口率が小さくなると共に目詰まりが生じやすく、版抜け性が悪化しやすいことから、焼結密度の低下や不均一化を生じ、また膜厚が不均一化するおそれがある。
スクリーン印刷により圧電膜7を形成した場合、圧電膜7の端面72は略垂直となる。ところが、スクリーン印刷用の圧電ペーストが前述した範囲の粘度を有する高粘性体であるため、経時的に又は焼成時に端面72近傍が流動し、図3(D)に示すように端面72が傾斜した状態となる。
一方、圧電膜7の焼成は、常法に従い、例えば電気炉にて圧電膜7を加熱することで行うことができる。加熱温度、加熱時間等の加熱条件は、圧電膜7の組成、圧電膜7の厚み等に応じて適宜決定すればよく、加熱温度は、例えば1300℃〜1400℃、加熱時間は、例えば1時間〜2時間とされる。
圧電膜7の焼成は、複数回に分けて行ってもよく、仮焼成と本焼成とを組み合わせて行ってもよい。圧電膜7の焼成を複数回に分けて行う場合、焼成温度を段階的に変化させるようにしてもよい。また、圧電膜7の形成及び焼成を複数回繰り返し行うことで圧電体4の膜厚を大きくするようにしてもよい。
圧電膜7を焼成した場合、その後の冷却によって圧電膜7が図1に示す圧電素子1と同様な圧電体4とされるが、図3(E)に示すように、基板2及び圧電体4は、圧電体4と基板2との熱膨張率との差によって、下面20,41側が凸となるように湾曲した状態となる。
次いで、図3(F)に示すように、圧電体4の上面40に上部電極6を形成する。上部電極6は、下部電極5と同様に公知の方法、例えばスクリーン印刷により圧電体4上に導電ペースト膜を形成した後にこの導電ペースト膜の焼成を行うことで形成することができる。上部電極6を形成するための導電ペーストとしては、下部電極5を形成するための導電ペーストと同様なものが挙げられる。また、導電ペーストの焼成条件も下部電極5を形成するための導電ペーストと同様とされる。導電ペーストの材料によっては、焼成温度が異なる場合がある。例えば金を用いた場合には、焼成温度が850℃、焼成時間が20分とすることが好ましい。
さらに、上部電極6の形成後に分極処理を行うことで圧電素子1を得ることができる。この分極処理は、例えば室温〜キュリー温度よりも高い温度(例えば120℃〜150℃)で、1kV/mm〜5kV/mmの電界を1分〜10分間与えることで行うことができる。
<利点>
当該圧電素子1は、スクリーン印刷による圧電ペーストの塗布及び焼成により基板上に圧電体4が形成される。焼成後の温度低下過程では基板2及び圧電体4が収縮する。このとき、基板2と圧電体3との熱膨張率の差によって圧電体4に応力が作用する。その結果、圧電体4のキュリー温度が高くなり、当該圧電素子1の圧電性を示す温度範囲が拡げられる。
また、スクリーン印刷によれば、バルク成形等に比べて簡易にかつ効率良く圧電体4を形成できる。そればかりでなく、スクリーン印刷によれば、10μm程度から数百μmの範囲の厚みに圧電体4を形成することができる。そのため、バルク成形では困難な厚みの圧電体4を形成することができると共に、他の印刷方法よりも厚膜に圧電体4を形成することができる。従って、当該圧電素子1は、バルク成形及び他の印刷方法では形成困難な厚みの圧電体を有するものとなる。
さらに、スクリーン印刷に用いるスクリーンメッシュは、略同一形状の開口部が規則的に配列されたものであるため、スクリーン印刷により圧電ペーストを塗工すれば、スクリーンメッシュの開口部の配列に応じて圧電ペースト中の粉体が揃えられた状態とすることができる。そのため、スクリーン印刷によれば、圧電体4における粉体の分布が均質化され、焼結密度の均一化を図れると共に焼結密度を向上させることが可能となる。その結果、当該圧電素子1は、圧電体4の各所で圧電性能にバラツキが生じることを抑制することができる。
また、当該圧電素子1は、基板2が反った状態のまま使用してもよいし、基板2を平坦な状態にして使用してもよい。基板2が反った状態であれば、前述のように圧電体4に基板2から引っ張り応力等の負荷が作用し、また基板2を平坦な状態としても、圧電体4が反った状態に戻ろうとして圧電体4に負荷が作用する。そのため、基板2が反った状態でも平坦な状態でも、圧電体4に応力が作用するため、圧電体4のキュリー温度を高くして当該圧電素子1の圧電性を示す温度範囲を拡げることができる。
[他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、本発明の圧電素子は、図4(A)〜図4(D)に示した形態とすることもできる。これらの図においては、図1及び図2の圧電素子1と同一の要素については同一の符号を付してあり、以下における説明は省略する。
図4(A)の圧電素子1Aは、圧電体4Aの端面43Aの上縁部44AがR面とされたものである。
図4(B)の圧電素子1Bは、圧電体4Bの端面43Bが垂直面として形成されたものである。
図4(C)の圧電素子1Cは、圧電体4Cの周縁部42Cの下面41Cが、基板2の上面21とは接触せずに下部電極5の上面50と接触したものである。
図4(D)の圧電素子1Dは、下部電極5D、圧電体4D及び上部電極6Dの端面43D,50D,60Dが面一とされたものである。
また、当該圧電素子は、圧電体及び基板の下面側が凸となるように湾曲していたが、圧電体をスクリーン印刷により形成する限りは、圧電体及び基板が平坦なものであってもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。ただし、本実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
[試料の作製]
<試料1>
試料1は、厚みが0.2mmである長矩形状(46mm×76mm)のジルコニア基板上に、短冊状(1.5mm×65mm)の下部電極、圧電体及び上部電極を順次積層することで作製した。なお、試料1は、ジルコニア基板及び圧電体が、基板側が凸となるように反っており、その反りの程度(図1の距離H)は、約2mmであった。
(ジルコニア基板)
ジルコニア基板としては、日本ファインセラミック社の「セラフレックスA」を使用した。
(下部電極)
下部電極は、導電ペーストの塗布及び焼成により厚みが2〜3μmとなるように形成した。導電ペーストの塗布は、スクリーン印刷により行った。導電ペーストとしては、白金ペースト(田中貴金属工業社の「TR−7091」)を使用した。導電ペーストの焼成は、850℃で20分行った。
(上部電極)
上部電極は、導電ペーストの塗布及び焼成により厚みが2〜3μmとなるように形成した。導電ペーストの塗布は、スクリーン印刷により行った。導電ペーストとしては、金ペースト(田中貴金属工業社の「TR−1531」)を使用した。導電ペーストの焼成は、850℃で20分行った。
(圧電体粒子)
下記式(2)を満たすように、BaZrO、CaCO、BaCO及びTiOを秤量し、混合した。ただし、下記式(2)におけるx(Ca濃度)は、0(mol)、0.04(mol)、0.06(mol)、0.08(mol)、又は0.10(mol)とした。
Ba1−xCaTi0975Zr0.025 (2)
混合粉体は、20gずつ直径20mmのプレス面を有する成形用金型に充填し、成形圧力30MPaで成形した。成形体は、1200℃で2時間仮焼きした。仮焼きした成形体は、乳鉢で粉砕したのち、ボールミルで1時間粉砕することで、下記式(2)を満たす圧電体粉末を得た。得られた粉体を、日機装社の「MT3000II」にて粒度分布を測定したところ、平均粒径が1.5μmであった。また、リガク社の「Smart Lab」にてX線回折測定を行ったところ、ペロブスカイト相、単一相であり、未反応の原料粉体や異相がないことを確認した。
(圧電体)
圧電体は、圧電体ペーストの塗布及び焼成により厚みが30〜40μmとなるように形成した。圧電体ペーストの塗布は、スクリーン印刷により行った。圧電体ペーストとしては、圧電体粒子100質量部に対して、バインダ樹脂としてのエチルセルロース11質量部、及び溶剤としてのターピネオール11質量部を混合したペーストを使用した。圧電体ペーストの焼成は、1350℃で1時間行った。
<試料2>
試料1と同様にして調製した圧電体粒子100質量部に対して、エチルセルロース0.5質量部、及び溶剤としてのターピネオール4質量部を混合したバインダ樹脂を混合し、造粒を行った。造粒した粉体は、0.5gずつ直径1.2mmのプレス面を有する成形用金型に充填し、成形圧力60MPaで成形した。バルク成形体は、600℃1時間で脱バインダーしたのち、1370℃、2時間で焼成した。
なお、圧電体におけるCa濃度(x)は、0mol、0.04mol、又は0.08molとした。
[実施例1]
本実施例では、試料1及び試料2を用いて、圧電素子における圧電体のキュリー温度のCa濃度依存性を評価した。ここで、キュリー温度は、140℃から降温した際に、結晶構造が立方晶(Cubic)から正方晶(Tetragonal)に相転移する温度とした。
(キュリー温度の測定)
圧電素子を恒温槽中に設置した後、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー社の「HP4192A」)を用いて140℃から−40℃まで降温し、圧電素子の静電容量を測定した。降温過程で、静電容量が最初に極大値を示す温度をキュリー温度とした。キュリー温度の測定結果については、横軸をCa濃度として図5に示した。
(評価)
図5に示すように、圧電体のCa濃度が大きくなるとキュリー温度が大きくなる傾向があった。また、圧電体をバルク成形した試料2に比べて、圧電体をスクリーン印刷により厚膜に形成した試料1のほうがキュリー温度が高くなった。この結果から、圧電体をスクリーン印刷により形成することでキュリー温度を高め、圧電性を示す温度範囲を拡げられる可能性が確認された。特に、スクリーン印刷によって形成された試料1においては、Ca濃度が0.04以上0.1以下であるときに高いキュリー温度を得ることができる。
[実施例2]
本実施例では、試料1及び試料2を用いて、圧電素子における圧電体のT−O相転移温度のCa濃度依存性を評価した。ここで、T−O相転移温度は、結晶構造が正方晶(Tetragonal)から斜方晶(Orthorhombic)に相転移する温度である。
(T−O相転移温度の測定)
圧電素子を恒温槽中に設置した後、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー社の「HP4192A」)を用いて140℃から−40℃まで降温し、圧電素子の静電容量を測定した。降温過程で、静電容量が最初に極大値を示す温度をキュリー温度、次に極大値を示す温度をT−Oの結晶相転移温度とした。T−O相転移温度の測定結果については、横軸をCa濃度として図6に示した。
(評価)
図6に示すように、圧電体をスクリーン印刷により厚膜に形成した試料1とバルク成形した試料2の双方ともに、圧電体のCa濃度が大きくなるとT−O相転移温度が直線的に小さくなる傾向があった。また、試料1(スクリーン印刷)と試料2(バルク成形)とは、T−O相転移温度が同程度であった。この結果から、圧電体をスクリーン印刷により形成することによってもT−O相転移温度が高くならないことが確認された。そのため、T−R相転移温度とキュリー温度との温度差は、キュリー温度を高めることでその分だけ大きくできる。従って、実施例1の結果も踏まえると、スクリーン印刷を適用して圧電体を形成した圧電素子は、圧電体をバルク体として形成する場合に比べて、圧電性を示す温度範囲を拡げられることが確認された。
次に、圧電体の圧電特性を評価した結果を示す。圧電特性は、下記方法により調製した試料3を用いて、圧電定数d31、比誘電率及び残留分極量として評価した。
<試料3>
試料3は、上記試料1と同様な手法により作製した。但し、試料3については分極処理を行った。分極処理は室温で2kV/mmの電界を圧電体に1分間与えることで行った。
試料3のサイズは、26mm×16mm×2mm(基板の厚み0.2mm、下部電極の厚み2〜3μm、圧電体の厚み30〜40μm、上部電極の厚み2〜3μm)とした。また、試料3におけるCa濃度、Ba濃度、Ti濃度及びZr濃度は、下記表1〜3に示す通りとした。
<圧電定数d31の測定>
圧電定数d31は、レーザードップラー振動計(グラフテック社の「センサユニット:AT0023、復調ユニット:AT3600」)を用いてd31モードで測定した変位値に基づいて、「Sensors and Actuators A 107 (2003) P.68−74」に記載の内容を参考にして算出した。圧電定数d31の算出結果については、下記表1に示した。
Figure 0006155498
<比誘電率の測定>
比誘電率は、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー社の「HP4192A」)を用い、周波数を1kHz、真空の誘電率を8.854×10−12F/mとして測定した。比誘電率の測定結果については下記表2に示した。
Figure 0006155498
<残留分極量の測定>
残留分極量は、ヒステリシス測定装置(東陽テクニカ社の「FCE−2」)を用いて1kHzでの残留分極値と印加電界とのP−Eヒステリシスの測定を行い、このヒステリシス測定における印加電界が「0」のときの値(絶対値)として測定した。残留分極量の測定結果については下記表3に示した。
Figure 0006155498
本発明によれば、圧電体のキュリー温度が高められ、圧電性を示す温度範囲の広い圧電素子が提供される。従って、当該圧電素子は、医療用センサ、超音波発振源、楽器用センサ、スピーカ等のアクチュエータなどとして好適に使用することができる。
1,1A,1B,1C,1D 圧電素子
2 基板
20 下面
21 上面
3 一対の電極
4,4A,4B,4C,4D 圧電体
40 上面
41,41C 下面
42,42C 周縁部
43,43A,43B,43C,43D 端面
44A 上縁部
5,5D 下部電極
50D 端面
6,6D 上部電極
60D 端面
7 圧電膜
70 周縁部
71 下面
72 端面
H 距離
T 接線

Claims (4)

  1. 基板と、この基板の一方の面側に積層された圧電体とを備え、
    前記圧電体が、下記式(1)で表される組成の圧電材料を主成分とし、前記圧電材料の結晶構造が、下記式(1)中のxが0.06以上のときに0℃において正方晶であり、
    前記圧電体が、Ba、Ca、Ti及びZrを含む粉体を有する圧電ペーストを用いてスクリーン印刷及び焼成することで形成されている圧電素子。
    Ba 1−x Ca Ti Zr (1)
    (前記式(1)中のxが0.04以上0.1以下であり、yが0.95以上0.98以下であり、zが0.02以上0.05以下である。)
  2. 前記粉体の平均粒径が0.05μm以上10μm以下であり、
    前記スクリーン印刷に用いるスクリーンメッシュのオープニングが、30μm以上100μm以下である請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記基板が、セラミクスを主成分とし、その平均厚みが100μm以上300μm以下の可撓性基板である請求項2に記載の圧電素子。
  4. 前記圧電材料の結晶構造が、前記式(1)中のxが0.1以上のときに−20℃において正方晶である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の圧電素子。
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