JP6154483B2 - 押し出し可能な食品を調製するための装置及び方法 - Google Patents

Description

本発明は一般的に、パスタ、ペイストリー、麺及びその他の押し出し可能な食品をつくるための家庭用電気機器に関する。

自動の家庭用食品混合及び押し出し機器は、ここ何年もの間一般に用いられている。生地を混ぜ自動的に金型を通して押し出す自動麺作成器は、１９７０年代から開示され使用されている。一般に、斯かる機器は、小麦粉と水とが混合される動作室を含み、該混合された材料（例えば生地の形をとる）が次いで押し出し螺旋に送られ、該押し出し螺旋が該混合された材料を押し出し金型を通して押し出して麺／パスタを得る。

米国特許US6,743,007B2は、パスタ、ペイストリー、クッキー及びオードブル作成器を開示している。当該装置においては、回転シャフトが駆動系に接続され、該駆動系は例えばモータを含み、材料（例えば小麦粉及び水）の混合、生地の捏ね及び撹拌並びに麺／パスタの押し出しのため歯車が用いられる。該装置の動作工程は、図１に示される。該装置をスイッチオンする前に、ユーザは通常、小麦粉、水及び／又はその他の材料（例えば卵、野菜ジュース）を、これら材料が生地へと混合される動作室に加える／注ぐ必要がある。

しかしながら、押し出しの間、くっつく生地が動作室の内壁や隅に接着し、それ故麺又はパスタとして金型を通して押し出されなくなる傾向がある。

それ故、食品の浪費を最小化するため、押し出し金型を通して動作室における混合された材料を可能な限り押し出すことが可能な、押し出し可能な食品を調製するための装置を提供することが有利となり得る。

本発明の一実施例によれば、押し出し可能な食品を調製するための装置は、前記装置の動作中、原料を収容することが可能な動作室と、押し出し金型と、前記原料を攪拌し前記押し出し金型を通して押し出すように構成された回転シャフトと、前記回転シャフトを駆動する駆動系と、を有し、前記駆動系は、少なくとも前記回転シャフトが前記原料を押し出す代わりに攪拌する時間の間、押し出しを分離するよう構成される。

単一の工程で用いられるべき押し出しステップを分離することにより、押し出し金型における、又は回転シャフトの螺旋上の、動作室に残った原料を、攪拌棒により駆動されるツールとして用いて、当たること及び／又はくっつくことにより動作室の内壁や隅にくっついた原料を取り除くことが可能となる。それ故、これら取り除かれた原料は、更に動作室における原料に接着され、次いで次の押し出しにおいて該螺旋によって押し出し金型に押し付けられる。それ故、食品の無駄が低減され最小化される。

本発明の一実施例によれば、回転シャフトが該回転シャフトから離れる方向に延在する少なくとも１本の攪拌棒を持つ第１の部分と、螺旋を持つ第２の部分と、を備え、該少なくとも１本の攪拌棒は、該シャフトが第１の方向に回転しているときに原料を攪拌し、該第２の部分は、該シャフトが第２の方向に回転しているときに該螺旋によって押し出し金型を通して原料を押し出す。

本発明の一実施例によれば、前記少なくとも１つの期間の各々は１５秒である。

本発明の一実施例によれば、該少なくとも１つの期間において、少なくとも１つの原料片が前記少なくとも１本の攪拌棒に当たり、動作室における集積物を取り除く。

本発明の一実施例によれば、該少なくとも１つの期間において、押し出し金型における原料及び該螺旋上の原料は、動作室へと戻され、前記少なくとも１つの原料片はこれら戻された原料を含む。

本発明の一実施例によれば、押し出し金型は複数の貫通穴を備え、該貫通穴の少なくとも幾つかはそれぞれ、押し出しの方向に、入口部、成型部及び出口部をこの順に有し、該成型部の直径は、押し出しの方向に均一とされ、入口部及び／又は入口部と成型部との接合部に形成された原料の表面におけるバリ（burr）を粉砕する。

本発明の一実施例によれば、該装置は更に、該駆動系に結合された負荷検出器と、検出された負荷が第１の予め設定された負荷値を下回る場合に該駆動系をシャットダウンするよう構成されたコントローラと、を有する。

本発明の一実施例によれば、該装置は更に、該装置の動作が終了したことをユーザに示すよう構成されたインジケータを有する。

本発明の一実施例によれば、該駆動系は、コネクタにより回転シャフトの端に結合され、該コネクタの強度は、該駆動系の負荷が第２の予め設定された負荷値よりも高いときに該コネクタが壊れて、該駆動系及び／又は該回転シャフトを保護するような強度とされる。

本発明の一実施例によれば、動作室の底部の前端は後端よりも低く、該装置の前端に向けた、例えば押し出し金型に向けた生地の動きを容易にする。

本発明の一実施例によれば、該装置は更に、使用されていない金型を受容するよう構成された、動作室の下の容器を有する。

本発明の一実施例によれば、該装置は更に、少なくとも１つのコネクタにより該装置に着脱可能に装着された前パネルを有し、該少なくとも１つのコネクタは、該前パネルから取り外されることなく該装置から前パネルを取り外すよう構成される。

本発明の一実施例によれば、電気装置により押し出し可能な食品を押し出す方法が提供される。該装置は、回転シャフト及び押し出し金型を持つ。該方法は、前記回転シャフトにより前記押し出し金型を通して押し出し可能な食品を押し出すステップと、前記回転シャフトが前記食品を押し出すよう回転する第２の方向とは反対の第１の方向に前記回転シャフトが回転する少なくとも１つの期間によって前記押し出しを分離するステップと、を有する。

本発明の詳細な説明及び他の態様は、以下に与えられる。

本発明の特定の態様が、以下に記載され添付図面と関連して考慮される実施例を参照しながら説明されるが、ここで同一の部分又はサブステップは同じ態様で示される。

本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 本発明の実施例による麺作成器１を示す。 従来の方法による麺作成器が麺をつくる工程を示す。 本発明による麺作成器が麺をつくる工程を示す。 本発明による麺作成器が麺をつくる工程を示す。 麺作成器における典型的な押し出し金型を示す。 麺作成器における典型的な押し出し金型を示す。 本発明による麺作成器における押し出し金型を示す。 本発明による麺作成器における押し出し金型を示す。 本発明の一実施例による麺作成器における駆動系を示す。 本発明の一実施例による麺作成器における駆動系を示す。 前パネルと本発明の一実施例による装置に前パネルを接続するよう構成されたコネクタとを示す。 前パネルと本発明の一実施例による装置に前パネルを接続するよう構成されたコネクタとを示す。

図１乃至８は、本発明の一実施例による麺作成器１を示す。図１を参照すると、麺作成器１は、筐体１４にヒンジ接続される蓋１１を有する。蓋１１を開けることにより、ユーザは動作室（図示されておらず図３を参照しながら以下に説明される）に小麦粉を追加することができ、該動作室において小麦粉が水と混合され、水は幾つかの穴を底部に持つ水供給部１３に水を注ぐことによって徐々に追加されることができる。一実施例においては、麺作成器１は、これら穴を通して水が動作室に追加されると同時に動作を開始する。更なる実施例においては、水供給部１３は目盛り（図示されていない）を備えられ、これによりユーザは追加される水の量を知ることができる。一実施例においては、該蓋は少なくとも部分的に透明であり、ユーザが動作室内の動作状態を監視することができ、ユーザが見たとおりのものが得ることができるようにする。

前パネル１５２は、２つのコネクタ１５１により筐体１４に着脱可能に装着される。前パネル１５２は主に、麺作成器１の動作中に回転シャフト（図示されていない）により押し付けられる原料から大きな圧力を受ける押し出し金型１２０を、麺作成器１に固定するよう構成される。押し出し金型１２０の洗浄及び交換を容易にするため、筐体から前パネル１５２を取り外すようコネクタ１５１が緩められることができ、これによりユーザが押し出し金型１２０を取り外して他の押し出し金型（例えば他のタイプの押し出し可能な食品をつくるために用いられるもの）と交換すること、又は押し出し金型１２０を洗浄することを可能とする。以下に説明されるように、コネクタ１５１は、筐体１４から既に取り外された前パネル１５２に残ったままであっても良い。

以下の説明を読むことにより明らかとなるように、麺作成器１は、攪拌の間及び／又は原料の押し出しの間に動作する要素によっても、駆動系によっても占有されない、自由な空間を持つ。図１乃至８に示された実施例においては、該自由な空間はそれ故、使用されていない金型を受容するよう構成された、動作室の下の容器１２によりとられる。例えば、パスタをつくるための押し出し金型が前パネル１５２によって筐体１４に装着されている場合には、使用されていない、別のサイズの／別の形状の貫通穴を持つ他の押し出し金型は容器１２に保持され、台所がより片付いて見えるようにできる。容器１２は、一実施例においては、方向ｘに容易に手で引き出され、反対方向に押し戻されることができる。

図２は、図１における麺作成器１の前面図を示す。また図３は、図2に基づく断面図を示す。図３に示されるように、また図１乃至２を参照すると、麺作成器１は更に、原料を収容することが可能な動作室３１と、駆動系（図示されていない）が保持される駆動室３６と、を有する。回転シャフト３２は、動作室３１において、押し出し金型１２０まで延在する。一実施例においては、回転シャフト３２は、回転シャフト３２から離れる方向に延在する少なくとも１本の攪拌棒３２１を持つ第１の部分（図３の左側）と、シャフト３２が第２の方向に回転する場合に押し出し金型１２０を通して螺旋３２２によって原料を押し出す第２の部分と、を備え、ここで該少なくとも１本の攪拌棒３２１は、シャフト３２が第１の方向に回転するときに原料（図示されていない）を攪拌する。一実施例においては、該第１の方向と該第２の方向とは相互に反対である。例えば、該第１の方向は、麺作成器１の前方（図２参照）から麺作成器１を見たときに半時計回りであり、該第２の方向は、時計回りである。通常、シャフト３２を第１の方向に回転させることにより、動作室３１のなかの原料は、少なくとも部分的に螺旋の後方部３２３の構造のために、押し出し金型１２０に向かって押されない傾向がある。螺旋の前方部３２２は、例えば筐体１４の一部によって、押し出しチャネル３５へと更に延在する。押し出しチャネル３５の壁３５１は、一実施例においては、動作室３１へと延在する。これにより、押し出し工程において、例えばシャフト３２が第２の方向に回転し、原料が延在する壁に投げ出され／持ち上げられ、回転する螺旋３２２によって押し出しチャネル３５へと押し付けられる。

一実施例においては、該少なくとも１本の攪拌棒の向き及び位置は特に、例えば、図６に更に示されるように、シャフト３２の長さに沿って互いから離隔され、回転の際に動作室３１のなかの原料に力をかけるよう更にオフセットして設計される。一実施例においては、図示されるように、回転シャフトに４本の攪拌棒がある。駆動系に最も近く配置されたものを除く全ての攪拌棒（即ち３本）は、同じ断面を持ち、回転シャフトに対して同じ角度を持つ。該３本の攪拌棒は、原料／生地片を前方に押すように、即ち押し出しチャネル／押し出し金型に向けて押すように、構成される。駆動系に最も近く配置された残りの１本の攪拌棒は、三角形の形状とされ、回転シャフトが第１の方向に回転しているか第２の方向に回転しているかにかかわらず、原料／生地片を前方に押す。該残りの攪拌棒は、原料／生地片が該棒にくっつくのを幾分かの程度回避するよう設計される。

該シャフトは、駆動系及び押し出し工程において押し出される原料によりかけられるトルク力にさらされる。それ故、シャフト３２の強度が考慮され、一実施例においてはシャフト３２はアルミニウム合金からつくられる。許容可能な強度を持つ他の材料もここで利用可能であることは、当業者は理解するであろう。図４及び７は、図１における麺作成器１の上面図である。図示されるように、ユーザインタフェース（ＵＩ）４が麺作成器１の上面にあっても良く、該ユーザインタフェースは、１つ以上のボタン及び／又はその他のユーザ操作部を含んでも良く、これによりユーザが麺作成器１の動作状態／モードを始動、停止、又は変更することができる。印刷回路基板（図示されていない）がＵＩ４の下又は近くに装着され、更に下にある駆動系（図示されていない）に結合されていても良い。

図５を参照すると、図１における麺作成器１の斜視図が示されている。これにより示されるように、動作室３１の底部３１１は湾曲させられ、水や小麦粉の攪拌及び混合並びに混合された材料を捏ねることを容易化する。更に図３及び５を参照すると、底部３１１の前端は底部３１１の後端よりも垂直方向において低く、ここで該後端は駆動室３６に近く方であり、該前端は前パネル１５２に近い方である。

図６は、コネクタ６２によって互いに結合された、駆動系６４及び回転シャフト３２の分解図である。一実施例においては、コネクタ６２の外側面は、駆動系６４における第１の装着穴６４１に嵌合するホイール状の形をとる。コネクタ６２は、第１の装着穴６４１に挿入されると、摩擦によって該装着穴に固定される。当業者には理解されるように、固定の更なる／代替の方法が用いられても良い。コネクタ６２の内側は、第２の装着穴６２１として形成される。穴６２１は、シャフト３２の後端を該穴のなかに保持し、シャフト３２がコネクタ６２に対して回転することを防ぐような、形状及びサイズのものとされる。

誤用又は事故の場合には、幾分かの原料が、回転シャフト３２の回転を妨害するか又は該シャフトに非常に大きな力をかけ得る。例えば、非常に少ない水しか小麦粉と混ぜられていない場合には、混合された材料は非常に固くなり、押し出しが非常に困難となって、不可能とさえなり得る。そのような場合には、回転シャフト３２及び駆動系６４は遮断又は略遮断され、該遮断された状態における高いトルク力（反作用力）に歯車及びモータが耐えられないため、駆動系６４に対しては非常に危険となる。過熱又はモータの損傷も生じ得る。駆動系は非常に高価であるため、この種の事故は非常にコストがかかるものとなり得る。一実施例においては、コネクタ６２の強度は特に、（ａ）通常の動作状態の間はコネクタ６２の破断が起こらず、（ｂ）遮断が生じた場合には駆動系６２が故障等する前にコネクタ６２が破断するよう設計される。このことは、駆動系６４の負荷が第２の予め設定された負荷値よりも高くなったときにコネクタ６２が破断されるようにコネクタ６２の強度を設定することにより、実現される。一実施例においては、コネクタ６２の強度は、回転シャフト３２も保護するよう、回転シャフト３２よりも弱くされる。コネクタ６２が破断した場合、コネクタ２６は単なる小型のプラスチック部品とできるため、非常に限られたコストで、ユーザは破断したものを新しいものに交換できる。

本発明の一実施例によれば、コネクタ６２は単独で用いられても良いが、他の保護手段が同時に用いられても良い。例えば、モータのための電源に対する過電流保護が、コネクタ６２が破断する前に切断されても良い。

図９は、麺作成器が通常、麺、パスタ又はその他の押し出し可能な食品をつくる工程のフロー図を示す。一実施例においては、図１における麺作成器１は、工程９が麺作成器１によっても辿られることができるよう互換性を備える。図９に示されるように、工程９は、以下のステップを含む。

ステップ９１：動作を開始する。通常、ユーザが小麦粉及び水を追加した後、駆動系６４が電源を入れられ、回転シャフト３２を駆動し始める。

ステップ９２：攪拌ステップ。水及び小麦粉又はもしあればその他の原料を攪拌し混合して、例えば生地のような混合された材料（同様に原料とも呼ばれる）を得るため、駆動系６４が、例えば反時計回り（第１の方向の実施例）に、回転シャフト３２を駆動する。当該ステップは、通常３乃至５分を要する。

ステップ９３：押し出し。押し出し金型１２０を通して生地を押し出して、麺又はパスタ、即ち最終的な押し出された食品を得るため、駆動系６４が、時計回り（第２の方向の実施例）に回転シャフト３２を駆動する。通常、当該ステップは５乃至１５分を要する。

ステップ９４：動作を停止する。麺作成器が時間を計測するためのタイマを用い、予め設定された時間が経過すると、麺作成器の回転が停止される。

当該動作工程９は、麺／パスタをつくることができるが、以下の欠点を持つ。

（１）押し出しステップ９３の間に、シャフトが一方向のみに回転させられ、回転シャフト、前パネル及び／又は動作室内の壁／隅に幾分かの生地の貼り付きを引き起こし得る。それ故、生地が完全には押し出されることができず、麺／パスタ製造工程の後に残される残渣を増大させる。

（２）通常の動作工程はタイマにより制御され、押し出しが既に完了している（即ち動作室のなかにもはや生地が残っていない）か否かにかかわらず、特定の時間の間だけ動作するようにされ、エネルギー及び装置寿命の浪費となる。またユーザは、実際にユーザが待たなければいけない時間よりも長く待つ必要がある。

これらの欠点を克服するため、図１０に示されるような新たな動作工程１０が開発された。本発明の一実施例においては、駆動系６４が回転シャフト１０を駆動する動作工程１０において、該駆動系は、該回転シャフトが混合された生地を押し出すよう回転する第２の方向とは反対の、第１の方向に回転シャフト３２が回転する少なくとも１つの期間により、押し出しを分離するよう構成される。一実施例においては、該第１の方向は、原料を攪拌及び混合するため回転シャフト３２が回転する方向である。更に、工程１０の代替例においては、押し出しステップを更に分離するため、更なる斯かる期間が追加される。このことは、１５分の元の押し出しステップが、等しくても良いし又は異なっていても良い例えば３又は５個のサブ段階期間に分割され得ることを意味する。これにより、残渣が低減され、より好適な性能が実現される。

具体的には、図１０ａを参照すると、ステップ１０１において、麺作成器１の動作が開始する。ステップ１０２において、駆動系６４が、回転シャフトを例えば第１の方向に回転させて、動作室３１内の原料を攪拌及び混合し、続く押し出しのための生地を形成する。ユーザが麺作成器１を生地をつくるために使用するのではなく、動作室３１に直接に追加される生地を購入する／手でつくる場合であっても、本発明の範囲内となるのであり、従ってステップ１０２は任意であることは、当業者には理解されるであろう。

この後、ステップ１０３において、回転シャフト３２を第２の方向に回転させることにより、押し出しが開始される。図３を参照すると、螺旋の第１の部分３２３が、動作室３１における生地を集めることを支援し、該生地は次いで該螺旋の第２の部分３２２により前方に押される。該螺旋の第２の部分３２２の圧力の下、麺／パスタが押し出し金型１２０を通して押し出される。

しかしながら、既に言及したように、先行する攪拌／混合工程（ステップ１０２又は９２）において、また押し出しにおいても、生地の一部は、動作室３１の内壁、又は該動作室内の幾つかの隅に、くっついてしまう。生地の当該一部（集積物とも呼ばれる）は、押し出しステップが更に１０時間継続したとしても、麺／パスタとして押し出されることができない。

それ故、ステップ１０４において、例えば５分間といったしばらくの間、動作室における生地を押し出した後、シャフト３２の回転が反転させられ、例えば動作室３１の内壁や蓋１１の下側面にくっついた生地片が、有用な生地へと戻される可能性をもたらす。試験によれば、工程１０はそれ故、工程９よりも多くの麺／パスタを製造するのに、同等の又は短い時間しか必要としない。

具体的には、これらの生地片／小麦粉は、動作室の内壁、隅又は蓋１１の下側面から、以下により取り除かされる。即ち、回転シャフト３２の回転を反転させることにより、螺旋の第２の部分３２２のまわりの、押し出しチャネル３５における穴１２１における生地が、該螺旋の構造によって、動作室３１に押し戻される。このことは、攪拌棒３２１が、押し戻された生地に当たり、例えばくっつき易い生地がくっつき得る第１の部分のような、回転シャフト３２の面を含む、動作室３１のなかの種々の点へと持ち上げる。当該回転シャフト３２の反対方向の回転は、純然たる欠点であった生地のくっつき易さ（生地片が動作室３１のなかにくっついてしまう理由であった）を利用し、残渣を最小化する。一実施例においては、ステップ１０３において攪拌棒３２１に当たる／持ち上げられる生地は、押し出しチャネルへと未だ押し出されておらず、動作室３１に残っていた生地を含んでも良い。即ち１０３における反対方向の回転は、例えば１５秒間継続しても良い。

次いで、ステップ１０５において、押し出しが継続され、隅や壁から取り除かれたものを含む生地片が、押し出しのため押し出しチャネルへと送られる。当該ステップは、更に５分間、又はそれより長い若しくは短い時間だけ、継続しても良い。

ステップ１０５が終了すると、ステップ１０７において、駆動系６４が回転シャフト３２の駆動を停止し、麺作成器１は工程が完了したこと又は麺／パスタの準備が出来たことを（ＵＩ４における）インジケータによってユーザに示しても良い。

図１０ｂは、図１０ａにおける実施例の代替例を示す。図１０ｂによれば、押し出しが完了すると、付加的な回転の反転が後続する。ここでは、押し出しチャネルにおける（該チャネルにおける生地の殆どは既に押し出されている）及び穴１２１における該螺旋に残った生地は、動作室３１へと押し戻される。これら生地片は容易に手では取り除かれ得ないため、このことは麺作成器１を洗浄する目的のものである。

本発明の精神から逸脱することなく、当業者は、以上の説明を読むことにより、更に斯かる継続時間を持つ押し出しを更に分離することによって、麺作成器１に異なるプログラムを適用することが、容易に可能である。一例においては、全体の動作は、以下を含んでも良い。（１）例えばＰＣＢのようなコントローラ（図示されていない）の制御の下、シャフト３２が最初に攪拌のため３分間回転し、生地片を形成する。（２）６分間押し出しする。（３）１５秒間逆に回転する。（４）３．５分間押し出しする。（５）１５秒間逆に回転する。（６）１．５分間押し出しする。（７）１０秒間逆に回転する。

本発明の一実施例においては、麺作成器１は、ユーザによって再ブログラム可能とされる。例えば、麺作成器１は、ＵＩ４において入力手段を備えても良い。該入力手段を介して、ユーザは、どれだけ頻繁に押し出しがこれら逆の回転により分離され、とれだけの長さだけ各逆の回転が継続するべきかを、設定又は変更することができる。各逆の回転は、個別に設定されても良く、必ずしも同じ長さでなくても良い。ハイエンドの麺作成器は、プログラミングを実行するため、ＵＳＢコネクタ等のような、より高度なＵＩを備えても良い。

一実施例においては、麺作成器１は、スマートシャットダウンと呼ばれる機能を備えても良い。一般に、麺作成器は、過熱や過負荷等のような安全性の保護がもしあればそれに加えて、完全にタイマに基づいて制御される。小麦粉のタイプ、水／小麦粉比、水の特性、及び環境ノイズ（温度／湿度など）の変動によって、麺／パスタを製造するために、即ちこれ以上の麺／パスタがつくられなくなるまでに、麺作成器１が実際にどれだけの長さだけ時間を要するかを予測することが、非常に困難である場合が多い。従って一般に、押し出しの継続時間は、最悪のケースのために設計されており非常に長く、殆どの場合、不必要に長い。一実施例においては、麺作成器１は、負荷検出器（図示されていない）及びコントローラ（例えばＰＣＢ）を持つことにより、当該機能を実行する。該負荷検出器は、駆動系の負荷を検出するよう構成され、該コントローラは、該検出された負荷が予め設定された条件を満たされた場合に、該駆動系の動作の停止を早めに実行するよう構成される。一実施例においては、該駆動系の動作の停止の斯かる前倒しは、元のプログラムよりも早く、該駆動系をスイッチオフすることにより実現され、例えば、元のプログラムによれば、時点Ｔ０においては押し出しのため５分間が残っているが、該駆動系の動作は、これよりも早く、例えばＴ０から１分後即ちＴ１＝Ｔ０＋１分において、停止されても良い。代替としては、該駆動系は、該予め設定された条件を満たされるとすぐに停止されても良い。一実施例においては、該予め設定された条件は、以下のいずれかひとつであっても良い：（ａ）該駆動系の負荷の急激な低下（例えば２秒間で６０％、７０％、８０％）、（ｂ）該駆動系の瞬間的な負荷が予め設定された閾値を下回る。当業者は、本発明の精神又は添付される請求項の範囲から逸脱することなく、同じ目的のために他の条件を適用することもできる。

本発明の一実施例によれば、該コントローラは、押し出しの間に駆動系６４のための入力電流／電力を監視し、何らかの押し出しサブ段階（逆回転ではないサブ段階）において、駆動系６４のための入力電力が継続的に低くアイドル負荷状態に近い場合には、このことは押し出しが略完了しており、麺作成器１が早めに押し出し段階を停止しても良いことを示唆している。

押し出しステップにおいて、駆動系６４により消費／出力される電力は通常高く、略空負荷レベルまで低下したときには、押し出されることが必要な生地は殆ど残っていないことを意味するため、制御ユニットが、幾分かの特定の時間（例えば２０秒）の間に、駆動系のための入力電力が継続的に低い（例えば空負荷状態の電力消費の１２０％未満）ことを検出した場合には、該機器は、押し出し段階を停止し、最終的な反転段階（洗浄の目的のためのものであり、通常は５乃至１０秒）に入り、次いで麺／パスタ製造の全工程を終了しても良い。当該スマートシャットダウン条件が工程の間に検出されない場合には、工程図は通常どおり遂行されても良く、そうでなければ早めに終了されることができる。このスマートシャットダウンを用いると、麺／パスタ製造のための動作サイクルが殆どの場合において短縮されることができ、従ってエネルギーを節約し、機器の寿命を延長する（各動作サイクルについて平均して短い時間しか動作しなくなるため）。勿論、ユーザの時間も節約できる。該スマートシャットダウンは、通常の押し出し工程（反転していないサブ段階）にも適用できるし、ここで提案された新規な押し出し工程（幾つかのサブ段階及び反転を伴う）にも適用できる。

上述したとおり、図１乃至８のいずれかにおける種類の麺作成器においては、押し出し金型を通して生地を押すことにより、麺が押し出される。典型的な押し出し金型が、図１１ａ及び１１ｂに示されている。しかしながら、麺の表面には幾分かのバリがあり、このバリは調理の後では通常は消失するが、調理の前ではあまり好ましいものではない。

斯かるバリは、特に、図１１ｂに断面図が示された穴１１１を離れるときに、押し出し金型１１０において主に形成される。図１１ｂを参照すると、これら穴の内側構造は、円形の円錐台状であり、断面が台形状である。

この種の押し出し金型については、製造の間に、出力側の角（図１１ｂから見ると右側）を完全に平滑にすることは困難である。出力部が押し出し穴全体のうちの最も狭い部分であり、麺／パスタは最も大きな反対力をここで受けるため、これら角におけるバリはいずれも、対応して麺／パスタにおけるバリを引き起こす。

生地内の反対力は、押し出しの間に生地を圧縮するための圧力によるものであり、該圧力が解放されると伸びるのが生地の性質であり、従って角における幾分かのバリが麺／パスタの面を「傷つける」こととなり、伸びる間、この「傷」も伸びて、麺／パスタにおけるバリとなる。

本発明の一実施例によれば、砂時計型の押し出し金型の穴の設計が、麺／パスタの面におけるバリを大きく低減させることができ、このことは図１２ａ及び１２ｂに示される。請求項１による装置においては、押し出し金型が複数の貫通穴を備えるが、貫通穴１２１の幾つかにおいて、それぞれが、押し出しの方向に、入口部１２１０、成形部１２１１、及び出口部１２１２をこの順に有し、成形部１２１１の直径は、押し出しの方向に一定であり、入口部１２１０及び／又は入口部１２１０と成形部１２１１との接合部において形成された麺／パスタの面におけるバリを粉砕する。

砂時計型の押し出し金型の穴１２１については、生地が通過するとき、該生地は最初に入口部１２１０の大きな開口に入り、最も狭い部分即ち入口部１２１０と成形部１２１１との接合部に到達するまで、徐々に凝縮される。当該接合部において及び成形部１２１１において、麺が既に所望のサイズで形成される。当該接合部において又は成形部において形成されたバリは、これにより効果的に粉砕される。

次いで、麺は出口部１２１２に押し入れられるが、該出口部１２１２の直径は、押し出しの方向に徐々に大きくなり、これにより麺に少し伸びる余地を与え、麺／パスタ内の「反対力」も徐々に解放され、麺が最終的に押し出し金型１２１を出るときに、麺／パスタはもはやサイズ（例えばいずれの径方向においても）を拡大される必要はなくなり、従って麺／パスタの面においてバリを形成する可能性を大きく低減させる。

殆どの麺／パスタ作成器において、駆動系はモータ及び幾つかの歯車によって形成される。しかしながら、麺／パスタ作成器は通常、非常に高いトルクを、一般に１０乃至３０ｒｐｍの比較的低速で必要とする。通常、モータは、例えば３０００乃至１００００ｒｐｍといった非常に高いｒｐｍ値を提供するため、ｒｐｍ値を低減しトルクを増大させるために歯車が用いられる。

麺作成器のための駆動系において上述の組み合わせを用いることは、以下の欠点を持つ。（１）騒音が大きい。（２）ギアボックスが非常に高価となる（ギアボックスがないと、騒音が更に大きくなる）。（３）組み立ての精度要件が高い。（４）信頼性が低い。（５）サイズが大きい。（６）コストが高い。

以上に鑑み、本発明の一実施例によれば、図１３乃至１４に示されるように、ウォームホイール６４３及びウォーム６４２に基づく駆動系６４が提供される。駆動系６４は、点６４４において、麺作成器１の筐体１４に固定されても良い。

一実施例においては、典型的なウォームホイールの代わりにベベル（bevel）ホイールが用いられ、コスト節約に有用である。こうすることにより、ホイールを成型するためにプラスチックを用いることが可能となる。通常の複数歯車の方法に比べ、ウォームホイールに基づく駆動系６４は、以下の利点を持つ。（１）騒音がかなり小さい。（２）ギアボックスがかなり小さくなり、従って安価となる。（３）組み立ての精度要件が低い（組み立てが単純になる）。（４）信頼性が高い。（５）サイズが小さい。（６）コストが低い。

幾つかの麺作成器においては、図１に示されるような前パネルは、装飾のためのみならず、機能的なニーズのためにも必要とされる。前述したように、前パネル１５２は、部品（押し出し金型１２０を含む）同士を固定し、押し出しの間の大きな圧力に耐えるためのものである。効率的な方法として、前パネル１５２は、例えば２本のねじのようなコネクタにより筐体１４に固定される。

次いで、ユーザが麺作成器１を組み立てる必要があるときには、該ユーザは、２本のねじと前パネル１５２（あわせて３個の部品）を組み立てる必要がある。このことは、特にねじが非常に小さい場合には、いずれの部品をも失くすことなく全ての部品を保持することに、大きな困難を引き起こし得る。

また、ユーザがパネルを支持するために一方の手を使うこととなり、もう一方の手のみしかねじを回すために使えないこととなるため、１本以上のねじを失くし易くなり、簡単に組み立て／分解ができなくなるため、このことは組み立て／分解において問題となる。

図１５ａ及び１５ｂに示された実施例によれば、前パネル１５２は内蔵されたねじを備え、従ってユーザによって大きな簡便性を提供する。ねじ１５１は、ばね１５４及びクリップ１５３に接続される。クリップ１５３は、ねじ１５１が、前パネル１５２から更に外されることを防止する。ばね１５４の力により、ねじ１５１は、長さ方向に沿って動かされることができ、ねじ１５１が緩められる又は締められることを可能とするが、ねじ１５１は、クリップ１５３のため、パネル１５２から離れることはできない。それ故、ユーザがねじを失くすことがなくなり、組み立て／分解の間に、片手による動作がかなり便利となる。

本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するもの又は例示的であって限定するものではないとみなされるべきであり、本発明は開示された実施例に限定されるものではない。図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。請求項において、「有する（comprising）」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「１つの（a又はan）」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。単一のユニットが、請求項に列記された幾つかのアイテムの機能を実行しても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (14)

1. 押し出し可能な食品を調製するための装置であって、
   前記装置の動作中、原料を収容することが可能な動作室と、
   押し出し金型と、
   前記原料を攪拌し前記押し出し金型を通して押し出すように構成された回転シャフトと、
   前記回転シャフトを駆動する駆動系と、
   を有し、前記駆動系は、前記回転シャフトが前記食品を押し出すときの第２の方向とは反対の第１の方向に回転する、少なくとも１つの期間により、押し出しを分離するよう構成された装置。
2. 前記回転シャフトは、前記回転シャフトから離れる方向に延在する少なくとも１本の攪拌棒を持つ第１の部分と、螺旋を持つ第２の部分と、を備え、前記少なくとも１本の攪拌棒は、前記シャフトが第１の方向に回転するときに前記原料を攪拌し、前記第２の部分は、前記シャフトが第２の方向に回転するときに、前記螺旋により前記押し出し金型を通して前記食品を押し出す、請求項１に記載の装置。
3. 前記少なくとも１つの期間のそれぞれは、約１５秒である、請求項１に記載の装置。
4. 前記少なくとも１つの期間において、少なくとも１つの原料片が前記少なくとも１本の攪拌棒に当たり、前記動作室における集積物を除去する、請求項２に記載の装置。
5. 前記少なくとも１つの期間において、前記押し出し金型における原料、及び前記螺旋における原料が、前記動作室に戻され、前記少なくとも１つの原料片は、これら戻された原料を含む、請求項４に記載の装置。
6. 前記押し出し金型は、複数の貫通穴を備え、前記貫通穴の少なくとも幾つかはそれぞれ、押し出しの方向に、入口部、成形部及び出口部をこの順に有し、前記成形部の直径は、押し出しの方向に一定であり、それにより、前記入口部において及び／又は前記入口部と前記成形部との接合部において形成された前記原料の面におけるバリを粉砕する、請求項１に記載の装置。
7. 前記駆動系に結合された負荷検出器と、検出された負荷が予め設定された条件を満たす場合に、前記駆動系の動作の停止を早めるよう構成されたコントローラと、を更に有する、請求項１に記載の装置。
8. 前記装置の動作が終了したことをユーザに示すよう構成されたインジケータを更に有する、請求項７に記載の装置。
9. 前記駆動系は、前記回転シャフトの端部にコネクタによって結合され、前記コネクタの強度は、前記駆動系及び／又は前記回転シャフトを保護するため、前記駆動系の負荷が第２の予め設定された値よりも高い場合に前記コネクタが壊されるように構成された、請求項１に記載の装置。
10. 前記動作室の底部の前端は後端よりも低い、請求項１に記載の装置。
11. 使用されていない金型を受容するよう構成された、前記動作室の下の容器を更に有する、請求項１に記載の装置。
12. 少なくとも１つのコネクタにより前記装置に着脱可能に装着された前パネルを更に有し、前記少なくとも１つのコネクタは、前記前パネルから取り外されることなく前記装置から前記前パネルを取り外すよう構成された、請求項１に記載の装置。
13. ユーザが前記装置を再プログラムすることを可能とするインタフェースを更に有する、請求項１に記載の装置。
14. 回転シャフト及び押し出し金型を持つ電気装置により押し出し可能な食品を押し出す方法であって、
    前記回転シャフトにより前記押し出し金型を通して前記押し出し可能な食品を押し出すステップと、
    前記回転シャフトが前記食品を押し出すときの第２の方向とは反対の第１の方向に回転する、少なくとも１つの期間により、押し出しを分離するステップと、
    を有する方法。

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