JP3215188B2 - 製パン装置 - Google Patents

製パン装置

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JP3215188B2
JP3215188B2 JP29388592A JP29388592A JP3215188B2 JP 3215188 B2 JP3215188 B2 JP 3215188B2 JP 29388592 A JP29388592 A JP 29388592A JP 29388592 A JP29388592 A JP 29388592A JP 3215188 B2 JP3215188 B2 JP 3215188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭においてパン
焼型内に投入された材料に対し混練,発酵及び焼成の各
工程を施し、パンを製造する製パン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭でパン作りをする場合
は、各工程に応じた装置を用いて行なっていたが、近
年、混練から焼成までの機能を装備し、材料を投入する
だけでパンが製造できるようにした製パン装置が開発さ
れている。この種の装置は、材料を練る混練工程,イー
スト菌を投入し発酵させる発酵工程,ヒータ通電により
パンを焼き上げる焼成工程と各工程から構成される基本
シーケンス上を移行しながらパンを製造するものであ
る。また、このような製パン装置には、朝焼きたてのパ
ンを楽しむための予約製パン機能が備えられており、製
パン装置の重要な付加機能として定着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば夜1
0時に材料をセットし、朝7時に焼き上がるような予約
製パンを行う場合、製パン時間がおよそ3〜4時間であ
ることから深夜3〜4時に混練が開始されるまで、水、
小麦粉等のパン材料は、セットされた状態のまま放置さ
れることになり、特に冬期においては材料が凍結してし
まう恐れがある。もし、材料が凍結してしまうと、材料
そのものが変質・固化し、材料同士が凍り付いて混練工
程で材料を混合しても上手く混ざらないという問題が発
生する。この点、混練工程が開始する前に温度を検出し
て凍結温度であった場合に加熱すると予熱工程を備えた
ものがあったが(特開平1−158916号等)、これ
では材料が凍結すること自体を防ぐことができなかっ
た。1度凍結してしまった材料は、加熱しても表面上の
解凍しか行われず、品質上も劣化してしまい、混練時の
グルテン生成も上手く行われないのである。
【0004】また、タイマーの時間は、5〜6時間と長
いので、ランニングコストを抑えるために、この間なる
べくヒータへの通電を少なくする必要があり、材料の凍
結という観点からすれば凍結しない最低限の温度(10
℃程度)に保持すればよいことになるが、冬期では材料
の凍結防止温度から混練工程を開始しても生地温度が上
昇せず、グルテン生成が上手くできないため、結果、弾
力がなく、膨らみの悪いパンになるという問題を有して
いた。この点、練り開始時の生地温を季節に関係なく理
想の温度にするため、タイマー時間中に保温するように
したものがあったが(実開昭60−111679号)、
タイマー時間中にあまり高い温度で保温することは、材
料にとって好ましいことではなく、省エネやランニング
コストの面からも望ましくない。すなわち、外気温が氷
点下に落ち込む冬季において、タイマー時間中例えば2
0℃程度に保温する場合、ヒータへの通電量は多くな
る。この時、温度センサで検出する温度とヒータの近傍
では温度差があり、ヒータ近傍では30〜40℃位の温
度となってしまう。従って、ヒータ近傍に位置するパン
焼型内の材料は20℃以上で保温されることになり、材
料中の油脂や乳製品は腐敗の危険にさらされることにな
る。そこで本発明は、タイマー時間中の材料の凍結を防
止し、練り工程での生地温が適正となるようにする事を
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために本発明は、予約タイマーで設定される混練開始
までのタイマー時間中は温度検出手段によりパン焼型内
の温度を検出し、タイマーの残り時間が所定時間に達す
るまでは、パン焼型内の温度を材料が凍結しない凍結防
止温度に保温して材料の凍結のみを防止し、所定時間に
達した後は、材料の凍結防止温度よりも高い生地温適正
温度に保温するようにし、しかも各温度に保温する温度
制御をパン焼型との温度差に応じて予め設定されたヒー
タのON/OFF時間データに基づいて行うことで、徐
々に保温温度に近づけて行くようにして材料の過加熱に
よる腐敗や劣化を防止するようにしたものである。
【0006】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例につい
て説明する。図1は本発明一実施例である製パン装置の
断面図である。1は製パン装置本体、2は該本体1内に
形成され蓋体3によって開閉される焼成ケース、4は該
焼成ケース3内に挿脱自在に取り付けられるパン焼型、
5は該焼型4底面に突出するシャフト6に取り付けられ
る混練翼、7は該混練翼5を回転駆動するモータ、8は
焼成ケース2内においてパン焼型4を囲むように配設さ
れるヒータ、9はパン焼型4と接するように設けられる
サーミスタ等の温度センサ、10は制御部、11は操作
パネルである。モータ7の回動は、プーリ12,13及
びベルト14を介してカップリング15に伝達され、こ
のカップリング17と対をなすパン焼型側のカップリン
グ16を介してシャフト6を回転させて、混練翼5を駆
動している。
【0007】図2は上記実施例の機能ブロック図であ
る。制御部10は、メモリ18を内蔵したCPU19
と、前記温度センサ9からの信号に基づき、パン焼型4
の温度を検出する温度検出手段20と、操作パネル11
の入出力インターフェイス21を備えている。22は制
御部10からの信号によってモータ7,ヒータ8の通電
・非通電を行なうリレーボードである。
【0008】前記操作パネル11には、7SEG.LEDから
なる表示部23と、各調理コースを選択するSELECTキー
24と、タイマー時間の設定を行なうTIMER.SETキー2
5と、動作を開始させるSTARTキー26と、動作の停止
及びエラー解除を行なうSTOPキー27を備えている。表
示部23では、電源が投入されると、まず“0:00”が点
灯し、STOPキー27を押すと消灯する。ここでSELECTキ
ー24を押すと“普通”コースが選択され、表示部23
には“普通”を示すセグメントが点灯する。その後SELE
CTキー24を1回押すごとに各コースを示すセグメント
が移行するので、実行するコースに合わせて選択する。
【0009】タイマーを使用する場合は、TIMER.SETキ
ー25を用いて時間設定を行なう。この時、最初にキー
25を押すと、まずSELECTキー24で選択したコースの
調理時間を表示部23で表示し、その後10分刻みで時
間設定ができる。選択した調理コース及びタイマー時間
は、再度SELECTキー24を押すと確認でき、STOPキー2
7を押すと全設定がクリアされる。設定が完了した後、
材料が入ったパン焼型4がセットされているのを確認す
ると、STARTキー26で動作が開始される。この時、表
示部23ではタイマー時間と調理時間の合計,すなわち
焼上がりまでの正味時間が表示される。また、タイマー
設定がなされていない場合には、調理時間のみが表示さ
れる。
【0010】図3は本実施例における基本シーケンスを
示すタイムチャートであり、表1は各調理コースにおけ
る基本シーケンスに沿った工程時間及び設定温度を示し
たものである。
【0011】
【表1】
【0012】以下、各工程毎に動作の説明をする。 タイマー工程 上記した方法でタイマー時間の設定がなされると、調理
時間に入るまではパン材料を投入されたパン焼型4はそ
のまま放置されることになる。この間、特に冬期におい
て材料が凍結する恐れがあるので、規定温度T1に保持
するように所定時間単位でヒータ制御している。また、
残タイマー時間が1時間以下になった時は、規定温度T
2(T2>T1)に保持するようヒータ制御している。
【0013】練り工程 パン焼型内の材料を混練する工程で、モータ7を駆動し
混練翼5を回転させて行なう。本工程が開始されてから
一定時間は、粉飛びを防止する目的で間欠練りが行なわ
れる。これは、モータ7を200ms回転,2s停止と間欠回
転させることでなされ、一定時間経過後は連続回転され
るものである。
【0014】 1次発酵工程,2次発酵工程,成形発酵工程 イースト菌を発酵させる工程で、この工程中は規定温度
T3及びT4になるように所定時間単位でヒータ制御して
いる。尚、1次発酵工程終了後所定温度以上を検出した
場合は、パンのでき上がり時に表示部23にてエラー表
示をするが、エラー表示については後述する。
【0015】ガス抜き工程 この工程は、発酵工程で生じる気泡を除去することを目
的とし、モータ7を5秒回転,10秒停止,5秒回転と間欠
回転させることで行なっている。
【0016】焼き工程 この工程では、早急にイースト菌の活動を停止させる必
要があるので、最初にヒータを連続通電し、一気にパン
焼型の温度を上昇させている。その後は、規定温度T5
となるように所定時間単位でヒータ制御する。
【0017】保温工程 焼き工程が終了すると、ブザー音が鳴りでき上がりを報
知する。表示部23では、"0:00"の表示のまま、":"の
部分が点滅する。ヒータは一定のタイミングで間欠通電
され、パン焼型を除冷し結露を防止する。保温中に所定
温度(ここでは100℃)を検出した場合かSTOPキー27が
押されると、保温工程が中止になる。
【0018】上記各工程中において、表2に示すような
内容のものが検出されるとエラーとなり、前記表示部2
3でエラー内容と対応したエラー表示を行なうとともに
検出があった時点で工程が中断されるよう動作する。
【0019】
【表2】
【0020】E:01は動作開始後つまり"STARTキー26"
を押したときに、温度センサ9が所定温度t1(38℃)以
上を検出すると発生し、E:02は温度センサ9が所定温度
t2(-20℃)以下を検出したとき発生する。E:03は温度セ
ンサ9の測定時間が所定以下の時発生し、E:04は温度セ
ンサ9が危険温度t3(196℃)を検出したときに発生す
る。E:05は1次発酵,2次発酵及び成形発酵の工程で、
工程残り時間10分以下より所定温度t4(20℃)以下を検
出したときに発生する。E:06及びE:07は温度検出手段2
0において異常が発生したときに発生し、E:08はタイマ
ー,練り,発酵工程中に温度センサ9が異常温度t5(60
℃)を検出したときに発生する。
【0021】尚、上記内容のほかに工程中に検出されて
も動作は中断されず、保温工程終了後にエラー内容を点
灯表示するワーニング動作を有している。これは上記し
たエラー内容に比べると軽微なエラーであり、1次発酵
工程終了時に温度センサ9で所定温度TH(44℃)以上を
検出したとき発生する生地温高温ワーニング(表示は
“H:00”)と、練り工程終了時に温度センサ9が所定温
度TL(10℃)以下を検出したとき発生する生地温低温ワ
ーニング(表示は“L:00”)を備えている。
【0022】図4は上記各工程のうちヒータ制御を伴う
工程、すなわちタイマー,1次発酵,2次発酵,成形発
酵及び焼き工程における制御動作を示すフローチャート
である。工程開始に伴い、まず加熱制御する規定温度T
aをメモリ18からロードし(1)、更に温度センサ9か
ら温度検出手段20を介して信号をモニターし、パン焼
型の温度Tを検出する(2)。この時、検出したパン焼型
温度Tがエラーとなる異常温度Tbにあるか否かを判断
し(3)、エラーが検出されると表示部23にて所定のエ
ラー表示をし(4)動作終了となる(5)。エラーでないと
判断した場合は、続いてワーニング動作になる温度Tc
にあるか否かを判断して(6)、ワーニングが検出される
とワーニングの内容を記憶する(7)。
【0023】次に、規定温度Taとパン焼型温度Tとを
比較し(8)、Ta<Tの関係にあるときはヒータ通電な
しでステップ(2)に戻る。続いて規定温度Taとパン焼
型温度Tとの温度差ΔTを算出し(9)、その温度差ΔT
の値に応じたヒータの通電データをメモリ18から抽出
する(10)。通電データは、ヒータに通電する時間Hon
と通電しない時間Hoffがかかれたデータで、これに基
づいてまずヒータをHonの間ONし(11)、Hoffの間
OFFする(12)。この後、実行中の工程の経過時間を
検知し(13)、所要時間が経過すればこの工程が終了
し、経過していなければステップ(2)より上記動作を繰
り返す。
【0024】尚、上記制御に係る各データは、次のよう
に対応している。つまり、Taは前記したT1〜T5、Tb
はt1〜t5、TcはTH及びTLにそれぞれ対応してい
る。また、温度差ΔTによるヒータ通電時間Hon及び非
通電時間Hoffのデータは予め試験的に理想値を設定し
て、メモリ18内に記録されているもので、図7にその
一例を示す。
【0025】
【表3】
【0026】これは1次発酵工程におけるデータで、非
通電時間Hoffは一定の60秒とし通電時間Honのみを可
変させている。これは、通電時間を一定として非通電時
間を可変させたり、両者の和を一定として時間比を可変
させるなどしても良い。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され、タイマ
ー中は常にパン焼型内の温度監視を行い、タイマーの経
過時間に応じて材料を保温する温度帯を切り替えるよう
にしたものであるから、タイマー時間中の材料の凍結を
防止することができ、凍結による材料の劣化や混合不良
を起こすことがない。また、残り時間が所定時間以内に
なってからは、混練工程での生地温度を保証するために
凍結防止温度よりも高い生地温適正温度に制御するよう
にしたので、冬期においても生地温度が適正に保たれ、
失敗のない製パンを行うことができる。更に最初から高
温による保温を行わないので、ヒータの局部的な過加熱
による材料の変色・変態が防がれるとともに、省エネ効
果が図られる。また、パン焼き型内を凍結防止温度もし
くは生地温適正温度にするための温度制御は、温度検出
手段で検出されるパン焼型の温度と設定温度との温度差
に応じて予め設定されたヒータの通電/非通電時間デー
タに基づきヒータを駆動することで行われるので、決め
られた時間でしかヒータへの通電が行われないことにな
り、設定温度へは徐々に近づいていき、ヒータ付近の過
剰な温度上昇がなく、ヒータ付近に位置するパン焼型内
の材料がタイマー時間中に過加熱状態になって腐敗した
り、劣化したりすることを防ぐことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例である製パン装置の断面図であ
る。
【図2】同装置の機能ブロック図である。
【図3】同装置における基本シーケンスを示すタイムチ
ャートである。
【図4】同装置におけるヒータ制御動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 製パン装置本体 2 焼成ケース 4 パン焼型 5 混練翼 7 モータ 9 温度センサ 10 制御手段たる制御部 11 操作手段たる操作パネル 20 温度検出手段
フロントページの続き (72)発明者 伊中 千穂 長野県更埴市大字雨宮1825番地 エムケ ー精工株式会社内 (72)発明者 池田 泰明 長野県更埴市大字雨宮1825番地 エムケ ー精工株式会社内 合議体 審判長 滝本 静雄 審判官 岡本 昌直 審判官 岡田 和加子 (56)参考文献 特開 平1−158916(JP,A) 特開 平2−88017(JP,A) 特開 平2−241415(JP,A) 特開 平1−195820(JP,A) 実開 昭60−111679(JP,U) 実開 昭63−150638(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内底部に混練翼を有するパン焼型と、該
    パン焼型が挿脱され内壁面に沿ってヒータが取着される
    焼成ケースと、前記パン焼型内の温度を検出する温度検
    出手段と、前記混練翼を回転駆動するモータとを備え、
    パン焼型内に投入されたパン材料に対して混練,発酵,
    焼成等からなる製パン工程を実行してパンを作る製パン
    装置において、 パンの焼き上がり時間をセットする予約タイマーを備
    え、該予約タイマーで設定される混練開始までのタイマ
    ー時間中は前記温度検出手段によりパン焼型内の温度を
    検出し、タイマーの残り時間が所定時間に達するまで
    は、前記パン焼型内の温度を材料が凍結しない凍結防止
    温度に保持し、所定時間に達した後は、凍結防止温度よ
    りも高い生地温適正温度に保持する温度制御手段を備
    え、該温度制御手段は、前記温度検出手段で検出される
    パン焼型の温度と設定温度との温度差に応じて予め設定
    されたヒータの通電/非通電時間データに基づきヒータ
    を制御することを特徴とする製パン装置。
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JP2568644B2 (ja) * 1988-09-21 1997-01-08 松下電器産業株式会社 製パン機

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