JPH1156642A - 製パン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】パン生地を加湿して焼き上げることで張りのあ
るパンを焼ける製パン機を提供する。 【解決手段】 パンの焼成ケース内に、蒸気発生器から
の蒸気噴射管を臨ませて蒸気の発生を、予め設定された
基本製パン行程の指定されたタイミングで自動、或いは
手動により行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭においてパン
焼型内に投入された材料に対し混練，発酵及び焼成の各
工程を施し、パンを製造する製パン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般家庭でパン作りをする場合
は、各工程に応じた装置を用いて行なっていたが、近
年、混練から焼成までの機能を装備し、材料を投入する
だけでパンが製造できるようにした製パン装置が開発さ
れている。この種の装置は、材料を練る混練工程，イー
スト菌を投入し発酵させる発酵工程，ヒータ通電により
パンを焼き上げる焼成工程と各工程から構成される基本
シーケンスを組み合わせることで様々な種類のパンを製
造するようにしていた。ものである。また、夏期冬期に
かかわらず良質なパンを提供するために温度検出手段を
設けてパン焼型内の温度を監視し、該検出手段からの温
度によりヒータのON-OFF制御を行ない、それぞれの工程
において常に予め設定された温度になるようにするとと
もに製パン動作に適さない温度が検出された時には、動
作を中止するようにしていたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、製パン動作
において混練時間、温度の管理だけでパンを焼く場合、
パンの種類すなわちフランスパンとクロワッサンの場合
では、材料の配合の相違や温度・混練時間の変化のほか
に水分などの外的要因が関与し、この種の簡易的な製パ
ン装置では本来のパンを焼き上げるに限界があった。特
にパンの表面の性状は焼成温度に影響され、単に温度を
コントロールするだけでは表面がパリッとした適度な色
調のパンが得られなかった。そこで本発明は、混練時間
と焼成時間に加えて湿度をコントロールする事により消
費者が本来好ましいパンとしているところの表面がパリ
ッとして適度な色調を有すると同時に、パン生地が本来
のパンの種類に近いパンを得ることを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために本発明は、内底部に混練翼を有するパン焼型
と、該焼型が挿脱され内壁面に沿ってヒータが取着され
る焼成ケースと、前記焼型内の温度を検出する温度検出
手段と、前記混練翼を回転駆動するモータとを備え、パ
ン焼型内に投入されたパン材料に対し基本シーケンスに
沿って各工程を施しパンを作る製パン装置において、焼
成ケース内に蒸気発生器に連結された蒸気噴射管を、パ
ン焼型の内方を臨む位置に設けると共に、この蒸気発生
器からの蒸気の発生を、予め設定された基本シーケンス
に沿って動作する各行程の中の指定された行程で行うよ
うにしたものである。

【０００５】

【作用】本発明によれば、パン作りに際してフランスパ
ン、クロワッサンなどの種々の性状の異なるパンを焼く
場合、予め指定されているレシピに従って材料を調合
し、パンコースを選択すれば、標準的なパンづくりのた
めの基本シーケンスが、実行されてパンを焼き上げる事
が出来、更に基本シーケンスに対して加湿の行程を組み
込んで製パン動作を行わせたり、基本シーケンス実行中
に任意に加湿作業を行わせる事により好みのパンを焼く
ことが出来る。

【０００６】

【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例につい
て説明する。図１は本発明の一実施例である製パン装置
の断面図である。１は製パン装置本体、２は該本体１内
に形成され蓋体３によって開閉される焼成ケース、４は
該焼成ケース３内に挿脱自在に取り付けられるパン焼
型、５は該焼型４底面に突出するシャフト６に取り付け
られる混練翼、７は該混練翼５を回転駆動するモータ、
８は焼成ケース２内においてパン焼型４を囲むように配
設されるヒータ、２０はパン焼型４と接するように設け
られるサーミスタ等の温度センサ、１０は制御部、１１
は操作パネルである。モータ７の回動はプーリ１２，１
３及びベルト１４を介してカップリング１５に伝達さ
れ、このカップリング１５と対をなすパン焼型側のカッ
プリング１６を介してシャフト６を回転させて混練翼５
を駆動している。５０はヒーター８に卷装された蒸気発
生器で中心にヒーター８を挿通した中空室５１として形
成され、その一方側には電磁弁５２を介して水タンク５
３が連結され、他方側にはパン焼型４内に臨ませて蒸気
噴射管５４を連結してある。５５はこれらの各々を互い
に連結する連結管である。

【０００７】図２は上記実施例の機能ブロック図であ
る。制御部１０は、メモリ１８を内蔵したＣＰＵ１９
と、トランス６０及びブザー６１とモータ７、温度セン
サー２０、ヒータ８、電磁弁５２が接続されたパワーユ
ニット６２と、操作パネル１１の入出力インターフェイ
ス２１と加湿を行う蒸気発生器５０の操作スイッチ５６
とを備えている。２２は制御部１０からの信号によって
モータ７，ヒータ８の通電・非通電、電磁弁５２の開閉
動作を行わせるリレーボードである。

【０００８】前記操作パネル１１には、７SEG.LEDから
なる表示部２３と、各調理コースを選択するSELECTキー
２４と、タイマー時間の設定を行なうTIMER.SETキー２
５と、動作を開始させるSTARTキー２６と、動作の停止
及びエラー解除を行なうSTOPキー２７及び操作スイッチ
５６を備えている。表示部２３では電源が投入される
と、まず“0:00”が点灯し、STOPキー２７を押すと消灯
する。ここでSELECTキー２４を押すと“普通”コースが
選択され、表示部２３には“普通”を示すセグメントが
点灯する。その後SELECTキー２４を１回押すごとに製パ
ンの種類の各コースを示すセグメントが移行するので実
行するコースに合わせて、例えば蒸気を焼成行程中に加
えるフランスパンコースを選択する。

【０００９】また生地或いは行程中に任意に加湿したい
場合は、操作スイッチ５６を手動で操作することにより
リレースイッチ５７が閉じ強制的に加湿が行われる。タ
イマーを使用する場合は、TIMER.SETキー２５を用いて
時間設定を行なう。この時、最初にキー２５を押すと、
まずSELECTキー２４で選択したコースの調理時間を表示
部２３で表示し、その後１０分刻みで時間設定ができ
る。選択した調理コース及びタイマー時間は、再度SELE
CTキー２４を押すと確認でき、STOPキー２７を押すと全
設定がクリアされる。設定が完了した後、材料が入った
パン焼型４がセットされているのを確認すると、START
キー２６で動作が開始される。この時、表示部２３では
タイマー時間と調理時間の合計，すなわち焼上がりまで
の正味時間が表示される。また、タイマー設定がなされ
ていない場合には、調理時間のみが表示される。

【００１０】図３は本実施例における基本シーケンスを
示すタイムチャートであり、以下、各工程毎に動作の説
明をする。 タイマー工程 上記した方法でタイマー時間の設定がなされると、調理
時間に入るまではパン材料を投入されたパン焼型４はそ
のまま放置されることになる。この間、特に冬期におい
て材料が凍結する恐れがあるので、規定温度Ｔ1に保持
するように所定時間単位でヒータ制御している。また、
残タイマー時間が１時間以下になった時は、規定温度Ｔ
2（Ｔ2＞Ｔ1）に保持するようヒータ制御している。

【００１１】練り工程 パン焼型内の材料を混練する工程で、モータ７を駆動し
混練翼５を回転させて行なう。本工程が開始されてから
一定時間は、粉飛びを防止する目的で間欠練りが行なわ
れる。これは、例えばモータ７を200＝回転，2ｓ停止と
間欠回転させることでなされ、一定時間経過後は連続回
転されるものである。

【００１２】１次発酵工程，２次発酵工程，成形発酵工
程 イースト菌を発酵させる工程で、この工程中は規定温度
Ｔ3になるように所定時間単位でヒータ制御しており、
この行程中において基本シーケンスに組み込まれた製パ
ンコースを選択すると自動的に所要量の加湿が行われ、
またスイッチ５６を投入すると手動によって任意の加湿
が行われる。

【００１３】ガス抜き工程 この工程は、発酵工程で生じる気泡を除去することを目
的とし、例えばモータ７を5秒回転，10秒停止，5秒回転
と間欠回転させることで行なっている。

【００１４】焼き工程 この工程では、早急にイースト菌の活動を停止させる必
要があるので、最初にヒータを連続通電し、一気にパン
焼型の温度を上昇させている。その後は、規定温度Ｔ２
となるように所定時間単位でヒータ制御する。またフラ
ンスパン風のパンを焼き上げる場合は焼き行程中に蒸気
発生器５０から蒸気を供給してパンの表面及び生地に蒸
気を作用させ、表面が硬いパリットした風味のパンを焼
き上げるようにコントロールされる。尚、この加湿は好
みにより任意に調整出来るように基本シーケンスに予め
組み込まれた行程をセレクトし、パンを焼く事のほかに
スイッチ５６により好みに応じて焼き加減をコントロー
ルするため、任意に使用できるようにされている。

【００１５】保温工程 焼き工程が終了すると、ブザー音が鳴りでき上がりを報
知する。表示部２３では、"0:00"の表示のまま、":"の
部分が点滅する。ヒータは一定のタイミングで間欠通電
され、パン焼型を除冷し結露を防止する。保温中に所定
温度(ここでは100℃)を検出した場合かSTOPキー２７が
押されると、保温工程が中止になる。

【００１６】上記各工程中で、予め定められた製パン条
件をはずれる温度が検出されると、前記表示部２３でエ
ラー内容と対応したエラー表示を行なうとともに検出が
あった時点で工程が中止されるよう動作する。

【００１７】

【発明の効果】この発明は以上のように構成されている
ので、次のような効果を奏する。

【００１８】ヒーターに蒸気発生器を卷装させ、必要に
応じて加熱された発生器内に水を供給して、蒸気を発生
させるので、常時高温の蒸気を用意しておき必要に応じ
て発生させるものにおいて必要となっていた、温度対策
が不要となり、特殊な部品を用いないので、安価にかつ
簡単な構成と出来る。また焼成用のヒーターに蒸気発生
器を取り付けたことにより部品の共用化が図れ、ヒータ
ーに対して直接水を作用させないため、放熱と冷却の繰
り返しによるヒーターの劣化を防止できる。加湿のため
の水を供給するタンクはヒーターと離れた位置に設置で
きるため、扱いやすく熱の影響を受けないため、取り扱
いが安全で容易なものであり、予め焼成の基本シーケン
スとして、加湿コースを設けておけば、コースを選択す
るだけで好みのパンを得ることが出来、また手動により
好みに応じて加湿を調整すれば、、生地を蒸してから焼
き上げるベーグルパンなどの様々な種類のパンを自由に
焼くことが出来好都合なものである。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例である製パン装置の断面図であ
る。

【図２】同装置の要部説明図である。

【図３】同装置における基本シーケンスを示すタイムチ
ャートである。

【図４】同装置における制御構成の説明図である。

【符号の説明】

１ 製パン装置本体 ２ 焼成ケース ４ パン焼型 ５ 混練翼 ７ モータ ５０蒸気発生器 ５２電磁弁 ５３水タンク ５４蒸気噴射管 ５６操作スイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内底部に混練翼を有するパン焼型と、該
   焼型が挿脱され内壁面に沿ってヒータが取着される焼成
   ケースと、前記焼型内の温度を検出する温度検出手段
   と、前記混練翼を回転駆動するモータとを備え、パン焼
   型内に投入されたパン材料に対し基本シーケンスに沿っ
   て各工程を施しパンを作る製パン装置において焼成ケー
   ス内に蒸気発生器に連結された蒸気噴射管を、パン焼型
   の内方を臨む位置に設けると共に、この蒸気発生器から
   の蒸気の発生を、予め設定された基本シーケンスに沿っ
   て動作する各行程の中の指定された行程で行うようにし
   てなる製パン装置。
2. 【請求項２】 蒸気発生器はヒータに卷装させると共
   に、一方に弁を介して水タンクを連結し、他方にパン焼
   型の内方に臨む蒸気噴射管を連結して、加熱された蒸気
   発生器内に水を供給して、蒸気を発生させるようにして
   なる請求項１に記載の製パン装置。