JP2022130825A - 練り羽根及び自動製パン機 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動製パン機における練り工程の効率を向上させる技術を提供する。【解決手段】自動製パン機は、内部に加熱室1aが設けられた有底筒状の樹脂製の機器本体1を備え、機器本体1の下部には、シャーシ2が取り付けられている。シャーシ2には、駆動部の一例であるモータ3と、練り容器7内の調理材料を加熱するためのヒータ11と、容器支持台4とが取り付けられている。練り羽根9は、練り容器7の底壁から上方に向けて突出するコネクタ上8の先端部に取り付けられており、略長方形の板の一部が欠けた形状を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、練り羽根及び自動製パン機に関する。
特許文献1に記載された自動製パン機では、攪拌羽根の反回転方向に曲げられた低壁部によってパン生地がパン焼成容器の側面にたたきつけられるように押し出され、パン焼成容器の側面と、攪拌羽根の低壁部とその先端部との面の間にパン生地が入り込み、パン生地を壁面に押し付けるように練り込まれる。
特開2015-202173号公報
本発明者らは、より短い時間で膨らみの良好なパンを製造する技術を検討し、本開示の技術に想到した。
本開示は、自動製パン機における練り工程の効率を向上させる技術を提供する。
本開示における練り羽根は、容器内の調理材料を混練するための練り羽根であって、長方形又は台形の一部を欠いた板状の形状を有し、長方形又は台形のうち75%以上の面積を有する。
本開示における自動製パン機は、上記の練り羽根と、調理材料を収容する容器と、練り羽根を容器内で回転させるためのモータと、容器内の調理材料を加熱するためのヒータと、を備える。
本開示の技術によれば、自動製パン機における練り工程の効率を向上させることができる。
実施の形態1に係る自動製パン機の縦断面図 実施の形態1に係る自動製パン機の斜視図 練り羽根の構造を示す図 従来製品に備えられた練り羽根を示す図 実施例2~9に係る練り羽根を示す図 実施例1~9に係る練り羽根の寸法及び面積と、それらの練り羽根を使用して製造したパンの膨らみ高さを示す図 実施例6に係る練り羽根の変形例を示す図 実施例6-1~6-3に係る練り羽根の特性を示す図 酸化剤の添加量とパンの膨らみ高さの関係を示す図 実施の形態3に係るパンの製造方法における温度制御の手順を示すフローチャート 実施の形態3に係るパンの製造方法における温度制御の手順を示すフローチャート 実施の形態3に係るパンの製造方法における練り羽根とヒータの制御のタイムチャート イーストを溶く水の温度と、室温と、60分で製造したパンの膨らみ高さとの関係を示す図 イーストを溶く水の温度を調整した場合の、水温と、室温と、60分で製造したパンの膨らみ高さとの関係を示す図 イーストを混ぜ込むパン生地の温度を調整した場合の、水温と、室温と、60分で製造したパンの膨らみ高さとの関係を示す図
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図8を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
実施の形態1に係る自動製パン機の全体構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る自動製パン機の縦断面図である。図2は、実施の形態1に係る自動製パン機の斜視図である。
図1及び図2において、実施の形態1に係る自動製パン機は、内部に加熱室1aが設けられた有底筒状の樹脂製の機器本体1を備えている。機器本体1の下部には、シャーシ2が取り付けられている。シャーシ2には、駆動部の一例であるモータ3と、容器支持台4とが取り付けられている。
モータ3は、プーリやベルトなどを含む伝達機構5を介して、容器支持台4に回転可能に支持されたコネクタ下6に回転力を与える。コネクタ下6は、練り容器7の下部に回転可能に支持されたコネクタ上8と係合可能に構成されている。練り容器7は、加熱室1a内に収納され、パン、ケーキ、餅などの調理材料を収容する着脱可能な容器である。また、練り容器7は、コネクタ下6とコネクタ上8とが係合することで容器支持台4上に取り付けられる一方、コネクタ下6とコネクタ上8との係合が外されることで加熱室1aから取り外し可能である。
コネクタ上8は、練り容器7の底壁から上方に向けて突出するように取り付けられている。コネクタ上8の先端部には、練り容器7内に収容された調理材料を混練するための練り羽根9が着脱可能に取り付けられている。練り羽根9は、モータ3の回転力が伝達機構5に伝達され、コネクタ下6及びコネクタ上8が回転することで回転駆動する。
練り容器7の上端部には、図1に示すように、練り容器7の上部開口部よりも上方に突出する把手取付部7aが少なくとも2箇所設けられている。これらの把手取付部7aには、貫通孔が設けられており、当該貫通孔に略半円弧状の把手7bが回動可能に取り付けられている。これにより、練り容器7の着脱及び持ち運びが容易になっている。
加熱室1aには、練り容器7を加熱する加熱部の一例であるヒータ11と、加熱室1a内の温度を検知する温度検知部の一例である温度センサ12とが設けられている。ヒータ11は、容器支持台4上に取り付けられた練り容器7の下部を、隙間を空けて包囲するように配置されている。ヒータ11としては、例えば、シーズヒータを用いることができる。温度センサ12は、加熱室1a内の平均的な温度を検知することができるように、ヒータ11から少し離れた位置に配置されている。温度センサ12は、練り容器7の底ではなく、練り容器7の外部に設けられている。これにより、温度センサ12が粉で汚れたり、固着して正しく温度を測ることができなくなるのを防ぐことができる。
機器本体1の上部には、機器本体1の上部開口部を開閉可能な蓋13が回動可能に取り付けられている。蓋13は、蓋本体14と、外蓋15とを備えている。蓋本体14には、レーズン、ナッツなどの副材料を収納する副材料容器16と、イーストを収納するイースト容器17とが取り付けられている。副材料容器16とイースト容器17とは、練り容器7の上方に配置されている。
副材料容器16は、着脱可能に構成され、着脱を容易にするため凹状の摘み部16aを備えている。副材料容器16の底壁は、副材料容器16に収容された副材料を練り容器7内に投入することができるように、蓋本体14の底壁14aに対して回動可能に取り付けられた開閉板16bで構成されている。開閉板16bは、ソレノイド18に接続され、ソレノイド18が駆動することにより開放される。なお、実施の形態1においては、副材料容器16とソレノイド18とにより、副材料を練り容器7内に投入する副材料投入部の一例が構成されている。
また、イースト容器17の底壁は、イースト容器17に収容されたイーストを練り容器7内に投入することができるように、蓋本体14の底壁14aに対して回動可能に取り付けられた開閉弁17aで構成されている。開閉弁17aは、ソレノイド(図示せず)に接続され、当該ソレノイドが駆動することにより開放される。
外蓋15は、副材料容器16及びイースト容器17の上部開口部を開閉可能に取り付けられている。外蓋15の副材料容器16と対応する位置には、樹脂などの断熱部材で構成された副材料容器蓋15aが取り付けられている。副材料容器蓋15aの外周部には、パッキン15bが取り付けられている。
機器本体1の上部には、図2に示すように、調理メニューや、副材料の自動投入の有無などを選択可能な選択部19と、選択部19で選択された情報などの各種情報を表示する表示部20と、調理情報などの各種情報を報知する報知部(図示せず)とが設けられている。また、図1に示すように、表示部20の近傍には、室温を検知する室温検知部の一例である室温センサ21が設けられている。
また、機器本体1には、図2に示すように、自動製パン機の持ち運びを容易にするためのハンドル22と、先端に差込プラグ23を備えた電源コード24とが設けられている。
また、機器本体1には、図1に示すように、各部の駆動を制御する制御部25が設けられている。制御部25は、内部に記憶部(図示せず)を有し、当該記憶部に前回の調理時の情報や複数の調理メニューに対応する調理プロセスが記憶される。調理プロセスとは、練り、ねかし、混ぜ、発酵、焼成などの各調理工程を順に行うにあたって、各調理工程においてヒータ11の通電率、制御温度、練り羽根9の回転速度、ソレノイドの駆動タイミングなどが予め決められている調理の手順のプログラムをいう。制御部25は、選択部19にて選択された特定の調理メニューに対応する調理プロセスと温度センサ12の検知温度とに基づいて、モータ3、ヒータ11、開閉板16bを開放するソレノイド18、及び開閉弁17aを開放するソレノイド(図示せず)の駆動を制御する。
図3は、練り羽根9の構造を示す。図3(a)は、練り羽根9の上面図であり、図3(b)は、練り羽根9の正面図であり、図3(c)は、練り羽根9の側面図である。練り羽根9は、練り容器7の底壁から上方に向けて突出するコネクタ上8の先端部30に取り付けられる。練り羽根9は、略長方形の板の一部が欠けた形状を有する。これにより、レーズンやナッツなどの副材料を含む場合であっても、副材料が練り容器7の側面と練り羽根9との間に挟み込まれるなどして練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。
本発明者らは、より短い時間で膨らみの良好なパンを製造するために好適な練り羽根9の形状を検討した。図4は、従来製品に備えられた練り羽根9を示す。従来製品に備えられた実施例1の練り羽根9の寸法は、A=13mm、B=23mm、C=45.53mm、D=26.04mm、E=27.04mmである。練り羽根9の内側の辺は、上方に向けて外側に傾くテーパー形状を有する。練り羽根9の外側の辺は、上方に向けて内側に傾くテーパー形状を有する。これにより、練り羽根9を樹脂の射出成形などによって形成する際に金型から抜きやすくすることができるので、練り羽根9の製造コストを低減させることができる。
図5は、実施例2~9に係る練り羽根9を示す。本図は、実施例2~9の練り羽根9の形状を模式的に示すものであり、実施例2~9の練り羽根9の寸法が精確に表現されていない場合もありうる。実施例3の練り羽根9は、上辺が下辺よりも短い台形の形状を有する。実施例3以外の実施例の練り羽根9は、実施例3の練り羽根9の一部が欠けた形状を有する。実施例2、4~7、及び9の練り羽根9は、実施例3の練り羽根9のうち、先端部30に対向する外側上方が欠けた形状を有する。実施例8の練り羽根9は、実施例1の練り羽根9を内側と外側が逆になるように先端部30に取り付けたものである。
図6は、実施例1~9に係る練り羽根9の寸法及び面積と、それらの練り羽根9を使用して製造したパンの膨らみ高さを示す。実施例1の練り羽根9よりも面積が小さい実施例5及び7の練り羽根9を使用して製造したパンは、実施例1の練り羽根9を使用して製造したパンよりも膨らみ高さが低かった。実施例1の練り羽根9よりも面積が大きい実施例2、3、6、8、及び9の練り羽根9を使用して製造したパンは、実施例1の練り羽根9を使用して製造したパンよりも膨らみ高さが高かった。とくに、実施例6の練り羽根9を使用した場合にパンの膨らみ高さが最も高くなった。練り羽根9の面積を大きくすることにより、練り工程の効率を向上させることができるので、短い練り時間でも膨らみ高さの良好なパンを製造することができる。
実施例1の練り羽根9の面積は、全高が同じで欠けのない台形の形状を有する実施例3の練り羽根9の面積の75%である。すなわち、実施例1の練り羽根9は、全高が同じで欠けのない台形から面積比で25%が欠けた形状を有する。実施例6の練り羽根9は、全高が同じで欠けのない台形の形状から面積比で12%が欠けた形状を有する。したがって、練り羽根9は、全高が同じで欠けのない長方形又は台形の75%以上の面積を有してもよい。練り羽根9の面積は、全高が同じで欠けのない長方形又は台形の75%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上であってもよい。
実施例1~9の練り羽根9の外側の辺の高さDは、26.04~36.04mmである。すなわち、実施例1~9の練り羽根9の外側の端部の高さの全高に対する比は、57%~79%である。したがって、練り羽根9の外側の端部の高さは、全高の57%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、79%以上、80%以上、85%以上、90%以上であってもよい。
練り容器7の底壁から練り羽根9の下端までの隙間の寸法は、0.5~2.0mmであってもよい。これにより、練りの効率を向上させつつ、副材料が練り容器7の底壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。練り容器7の底壁から練り羽根9の下端までの隙間の寸法の下限値は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5mmであってもよい。練り容器7の底壁から練り羽根9の下端までの隙間の寸法の上限値は、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0mmであってもよい。
また、練り容器7の側壁から練り羽根9の外側の端部までの隙間の寸法は、0.5~2.0mmであってもよい。これにより、練りの効率を向上させつつ、副材料が練り容器7の側壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。練り容器7の側壁から練り羽根9の外側の端部までの隙間の寸法の下限値は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5mmであってもよい。練り容器7の側壁から練り羽根9の外側の端部までの隙間の寸法の上限値は、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0mmであってもよい。
図7は、実施例6に係る練り羽根9の変形例を示す。図7に示すように、練り羽根9のうち、先端部30に対向する外側上方が切り欠かれている。練り羽根9の上端である最も外側の曲部を第一曲部9a、第一曲部9aの次に外側に位置する曲部を第二曲部9bとする。本実施例において、第一曲部9aは、外側の端部の上端の角が丸みを帯びるように切り欠かれている。また第二曲部9bは、外側寄りの上端中央部がえぐられて丸みを帯びるように切り欠かれている。
実施例6-1、6-2、6-3それぞれの第二曲部9bの曲率半径rbは3つとも等しく、約10mmである。ここで、実施例6-1の練り羽根9は、実施例6の練り羽根9と同じものであり、第一曲部9aの曲率半径raを5mmとしたものである。つまり、第一曲部9aの曲率半径raは、第二曲部9bの曲率半径rbと比べて小さい。実施例6-2の練り羽根9は、第一曲部9aの曲率半径raを10mmとしたものである。つまり、第一曲部9aの曲率半径raは、第二曲部9bの曲率半径rbと同等である。実施例6-3の練り羽根9は、第一曲部9aの曲率半径raを15mmとしたものである。つまり、第一曲部9aの曲率半径raは、第二曲部9bの曲率半径rbと比べて大きい。
図8は、実施例6-1~6-3に係る練り羽根9の特性を示す。実施例6-1~6-3の練り羽根9を使用してパンを製造したときのグルテン形成の程度は、いずれも良好であった。粉の残り具合は、実施例6-1ではやや良好であり、実施例6-2及び6-3では良好であった。具材の詰まり具合は、実施例6-1では若干の詰まりがあったが、実施例6-2ではやや良好であり、実施例6-3では良好であった。第一曲部9aの曲率半径raが大きい方が、練り容器7の側壁と練り羽根9の外端との間の隙間が大きくなるので、練りの効率を向上させて時間短縮しつつ、副材料が練り容器7の側壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。したがって、練り羽根9の第一曲部9aの曲率半径raは、5mm以上であってもよい。練り羽根9の第一曲部9aの曲率半径raは、5mm以上、6mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上、11mm以上、12mm以上、13mm以上、14mm以上、15mm以上であってもよい。
[1-2.動作]
以上のように構成された自動製パン機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、使用者は、練り羽根9をコネクタ上8に取り付けると共に、強力粉、バター、砂糖、塩、スキムミルク、水など、イーストを除く全ての調理材料を練り容器7内に入れる。その後、当該練り容器7を容器支持台4上にセットし、蓋13を閉じる。
次いで、使用者は、外蓋15を開いて、イーストをイースト容器17に入れると共に、使用者の好みに応じてレーズン、ナッツなどの副材料を入れた副材料容器16を蓋本体14に取り付ける。その後、外蓋15を閉じる。
次いで、使用者は、選択部19にて各種調理条件を設定する。より具体的には、使用者は、調理メニュー、副材料の自動投入の有無、パンの焼き色やタイマー設定などの調理条件を設定する。
次いで、使用者は、選択部19に設けられたスタートボタンを押圧して、調理の開始を指示する。調理が始まると、練り羽根9の回転により練り容器7内の調理材料を混練する練り工程が開始する。
選択部19にて副材料の自動投入「あり」が選択されていた場合、練り工程の終了後、開閉板16bを開放するソレノイド18が駆動して、練り容器7内に副材料容器16内の副材料が自動投入される。その後、混ぜ工程が開始される。混ぜ工程は、副材料をパン生地に混ぜ込むことを目的とする工程である。選択部19にて副材料の自動投入「あり」が選択されていなかった場合には、開閉板16bを開放するソレノイド18の駆動と混ぜ工程は省略される。
混ぜ工程の終了後は、発酵工程に移行する。この発酵工程により、パン生地が発酵される。発酵工程では、発酵の際にパン生地内で発生したガスを排出するために練り羽根9を回転させるガス抜きが数回行われる。ガス抜きの時間は、1分程度である。発酵工程では、ガス抜きを行うとき以外は、モータ3は駆動されず、練り羽根9は回転しない。
発酵工程(最後のガス抜き)が終了すると、成形発酵工程に移行する。成形発酵工程は、ガス抜きされたパン生地を再びスポンジ状に膨張させる工程である。また、成形発酵工程は、パン生地の温度を上げ、イーストの活性を高め、最も活性が高い状態で焼成工程が始められるようにする工程でもある。この成形発酵工程により、発酵作用によるパン生地の伸展性が増加し、芳香が生成される。
成形発酵工程の終了後は、焼成工程に移行する。焼成工程においては、ヒータ11による加熱により、温度センサ12の検知温度が食パンコースに対応して予め決められた温度である175℃になるまで加熱室1a内の温度を昇温させる。温度センサ12の検知温度が175℃に達すると、温度センサ12の検知温度が170℃を維持するようにヒータ11による加熱を調整する。焼成工程の開始から所定時間経過すると、食パンの調理工程を終了する。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、練り容器7内の調理材料を混練するための練り羽根9は、長方形又は台形の一部を欠いた板状の形状を有し、長方形又は台形のうち75%以上の面積を有する。このように練り羽根9の面積を大きくすることにより、練り工程の効率を向上させることができるので、短い練り時間でも膨らみ高さの良好なパンを製造することができる。
また、本実施の形態において、練り羽根9は、外側の端部の高さが全高の57%以上である。このように練り羽根9の面積を大きくすることにより、練り工程の効率を向上させることができるので、短い練り時間でも膨らみ高さの良好なパンを製造することができる。
また、本実施の形態において、練り羽根9の外側上方が切り欠かれているとき、練り羽根9の上端である最も外側の曲部を第一曲部9aとすると、第一曲部9aの曲率半径raが5mm以上である。これにより、粉残りを抑えて練りの効率を向上させ、時間短縮しつつ、副材料が練り容器7の底壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。
また、本実施の形態において、練り羽根9の外側上方が切り欠かれているとき、練り羽根9の上端である最も外側の曲部を第一曲部9a、第一曲部9aの直近かつ内側の位置で練り羽根9の上端に位置する曲部を第二曲部9bとすると、第一曲部9aの曲率半径raと第二曲部9bの曲率半径rbが同等か、又は第一曲部9aの曲率半径raは第二曲部9bの曲率半径bと比べて大きい。これにより、粉残りを抑えて練りの効率を向上させ、時間短縮しつつ、副材料が練り容器7の底壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。したがって、副材料を含むパンであっても、短い練り時間で膨らみ高さの良好なパンを製造することができる。
また、本実施の形態において、自動製パン機は、上記の練り羽根9と、調理材料を収容する練り容器7と、練り羽根9を練り容器7内で回転させるためのモータ3と、練り容器7内の調理材料を加熱するためのヒータ11と、を備える。これにより、練り工程の効率を向上させることができるので、短い練り時間でも膨らみ高さの良好なパンを製造することができる。
また、本実施の形態において、練り容器7の底壁から練り羽根9の下端までの隙間の寸法は、0.5~2.0mmである。これにより、練りの効率を向上させつつ、副材料が練り容器7の底壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。
また、本実施の形態において、練り容器7の側壁から練り羽根9の外側の端部までの隙間の寸法は、0.5~2.0mmである。これにより、練りの効率を向上させつつ、副材料が練り容器7の側壁と練り羽根9との間に挟み込まれて練り羽根9の回転が妨げられるのを抑えることができる。
(実施の形態2)
以下、図9を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
実施の形態2に係る自動製パン機の全体構成は、実施の形態1と同様である。本発明者らは、より短い時間で膨らみ高さや風味の良好なパンを製造することを可能とするために、パン生地の改良を検討した。
従来のパン生地を使用して、1時間で製造したパンAと、4時間かけて製造したパンBの成分を分析した。パンBは、パンAよりも膨らみ高さが良好であり、風味も良好であった。パンAには、パンの風味を損なう3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ブタノールなどが多く含まれていた。パンBには、香料としても使用される3-メチルブタナール、2-メチルブタナール、2-フェニルエタノールなどが多く含まれていたが、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ブタノールなどの含有量はパンAよりも少なかった。発酵時間や寝かし時間を長くすると、パン生地に含まれる3-メチル-1-ブタノールや2-メチル-1-ブタノールが、3-メチルブタナールや2-メチルブタナールに酸化され、風味が向上すると考えられる。
したがって、より短い時間で風味の良好なパンを製造するためには、パン生地に含まれる3-メチル-1-ブタノールや2-メチル-1-ブタノールを、短時間で3-メチルブタナールや2-メチルブタナールに酸化すればよいと考えられる。例えば、パン生地に酸化剤を含有してもよいし、酸化反応が促進されるような温度、湿度、雰囲気、練り羽根9の駆動時間、駆動速度、駆動パターンなどの条件下で練り工程、混ぜ工程、発酵工程、成型発酵工程などを実行してもよい。これにより、短時間で3-メチル-1-ブタノールや2-メチル-1-ブタノールの含有量を減らし、3-メチルブタナールや2-メチルブタナールの含有量を増やすことができるので、風味の良好なパンを短時間で製造することができる。なお、3-メチルブタナールや2-メチルブタナールが、更に酸化されて3-メチルブタン酸や2-メチルブタン酸になると、パンの風味が損なわれるので、3-メチルブタナールや2-メチルブタナールが酸化されにくいように、酸化剤の種類及び量や、各工程の条件などが調整されることが好ましい。
このとき酸化剤の添加量は、図9に示すように、生地全量のうち1%とすると、0.5%としたときに比べて生地の膨らみ高さが大きく、良好である。添加量を2%とすると、生地の膨らみ高さはさらに良好であるが、酸化剤の臭いが目立ち、パンの風味を損ねてしまうおそれがある。よって酸化剤は、パン生地の全体量のうち0.5~1.0%含まれていると、より生地の膨らみ高さと風味の良好なパンを短時間で製造することができる。
より短い時間で膨らみ高さの良好なパンを製造するために、パン生地に乳化剤を添加してもよい。乳化剤をパン生地に添加することにより、小麦粉などの粉の表面を水に濡れやすくし、ダマの形成を抑えることができるので、パンの膨らみ高さを向上させることができる。乳化剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステルであってもよい。グリセリン脂肪酸エステルは、小麦粉に含まれるデンプンと複合体を形成するので、パンが硬くなるのを防ぐことができる。また、グリセリン脂肪酸エステルは、気泡剤としても機能するので、パンの膨らみ高さを向上させることができる。パン生地に添加するグリセリン脂肪酸エステルは、天然成分由来のものであってもよい。グリセリン脂肪酸エステルを含む食品添加剤として、例えば、大豆や卵黄があるが、特にゴールドマルツが好適である。ゴールドマルツは、例えば、グリセリン脂肪酸エステル8.3%、グァーガム8.1%、リン酸三カルシウム4.6%、炭酸カルシウム4.4%、硫酸カルシウム2.6%、α-アミラーゼ1.0%、ビタミンC0.2%、食品素材70.8%を含む。また、グリセリン脂肪酸エステルの代わりに、レモン汁などのビタミンCを含む食品添加剤を加えてもよい。
[2-2.動作]
実施の形態2に係るパンの製造方法は、上記の酸化剤又はグリセリン脂肪酸エステルを含む生地改良剤、小麦粉、酵母、及び水を混練してパン生地を生成するステップと、パン生地を発酵させるステップと、発酵したパン生地を焼成するステップと、を備える。各ステップの詳細は、実施の形態1と同様である。
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、パン生地の生地改良剤は、パン生地に含まれる3-メチル-1-ブタノール又は2-メチル-1-ブタノールを3-メチルブタナール又は2-メチルブタナールに酸化することによりパン生地に含まれる3-メチルブタナール又は2-メチルブタナールの量を増加させるための酸化剤を含む。これにより、風味の良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、生地改良剤は、グリセリン脂肪酸エステルを含む。これにより、風味と膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、ミックス粉は、上記の生地改良剤及び小麦粉を含む。これにより、風味と膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、パン生地は、上記の生地改良剤、小麦粉、酵母、及び水を含む。これにより、風味と膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、パンの製造方法は、上記の生地改良剤、小麦粉、酵母、及び水を混練してパン生地を生成するステップと、パン生地を発酵させるステップと、発酵したパン生地を焼成するステップと、を備える。これにより、風味と膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、パンの製造方法は、酸化剤を含む生地改良剤、小麦粉、酵母、及び水を混練してパン生地を生成するステップと、パン生地を発酵させるステップと、発酵した前記パン生地を焼成するステップと、を備える。これにより、風味と膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
(実施の形態3)
以下、図10~図15を用いて、実施の形態3を説明する。
[3-1.構成]
実施の形態3に係る自動製パン機の全体構成は、実施の形態1と同様である。本発明者らは、より短い時間で膨らみ高さや風味の良好なパンを製造することを可能とするために、パンの製造工程における温度制御の改良を検討した。
膨らみ高さの良好なパンを製造するためには、パン生地の発酵温度を25~40℃とするのがよいことが本発明者らの実験により分かっている。したがって、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造するためには、室温や水温によらず、上記の最適温度に速やかに到達させる温度制御技術が必要とされる。
このような課題を解決するために、本実施の形態の自動製パン機は、温度センサ12により検知された温度から練り容器7内の水やパン生地の温度を精確に推定するために、庫内の熱の流れを熱容量と熱抵抗で模式的に表した熱回路における各節の温度を連立方程式で求める熱収支シミュレーションを用いる。また、水やパン生地の温度を、オーバーシュートを抑えつつ所定時間以内に25~40℃に到達させるように、ヒータ11及びモータ3を制御する。所定時間は、例えば、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、又は1分であってもよい。
[3-1-1.温度検出]
庫内の熱の流れを熱容量と熱抵抗で模式的に表した熱回路の例において、Q(W)はヒータ11の容量、Cp(J/K)はパン生地の熱容量(水換算)、Ck(J/K)は練り容器7の熱容量、Cc(J/K)は庫内空気の熱容量、CB(J/K)は機器本体1の熱容量(内壁面)、Ch(J/K)はヒータ11の熱容量、CT(J/K)は温度センサ12(サーミスタ)の熱容量、Rkp(K・s/J)は水と練り容器7との熱抵抗、Rcp(K・s/J)は水と庫内空気との熱抵抗、Rck(K・s/J)は練り容器7と庫内空気との熱抵抗、Rbc(K・s/J)は機器本体1の内壁と庫内空気との熱抵抗、Rhc(K・s/J)はヒータ11と庫内空気との熱抵抗、Rtc(K・s/J)は温度センサ12(サーミスタ)の熱容量と庫内空気との熱抵抗、Rab(K・s/J)は機器本体1と雰囲気との熱抵抗、Rtb(K・s/J)は機器本体1と温度センサ12(サーミスタ)との熱抵抗、Rtk(K・s/J)は練り容器7と温度センサ12(サーミスタ)間の輻射伝熱抵抗を表す。
ヒータ11で発生した熱は、練り容器7を介して練り容器7内の水に流れるとともに、庫内を輻射加熱し、同時に機器本体1の内壁を昇温させる。また、十分に昇温した内壁から水への熱の流れや、機器本体1から雰囲気に放熱する流れも生じる。
このとき、各節の温度を表す前進差分方程式は、下記のようになる。
水温:Tpd=Tp+1/Cp*((Tk-Tp)/Rkp+(Tc-Tp)/Rcp)*dt
釜温:Tkd=Tk+1/Ck*((Tp-Tk)/Rkp+(Tc-Tk)/Rck+(Tt-Tk)/Rtk)*dt
庫内温:Tcd=Tc+1/Cc*((Tk-Tc)/Rck+(Tb-Tc)/Rbc+(Th-Tc)/Rhc+(Tt-Tc)/Rtc)*dt
内壁温:Tbd=Tb+1/Cb*((Tc-Tb)/Rbc+(Ta-Tb)/Rab+(Tt-Tb)/Rtb)*dt
ヒータ温:Thd=Th+1/Ch*((Tc-Th)/Rhc+Q)*dt
サーミスタ温:Ttd=Tt+1/Ct*((Tc-Tt)/Rtc+(Tb-Tt)/Rtb+(Tk-Tt)/Rtk)* dt
温度推定部としても機能する制御部25は、これらの連立方程式を用いて、練り容器7内の材料やパン生地の温度を求める。
[3-2.動作]
[3-2-1.温度制御]
図10及び図11は、実施の形態3に係るパンの製造方法における温度制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、練り容器7内の材料やパン生地の温度は、上記の前進差分方程式を用いて検出される。自動製パン機における温度制御は、予備昇温制御、昇温制御、定温制御を含む。予備昇温制御において、制御部25は、室温や水温などによって異なりうる材料の昇温挙動を確認するために、毎回同じ態様でヒータ11を通電する。予備昇温制御において確認された昇温挙動に基づいて、昇温制御におけるヒータ11の通電態様が決定される。昇温制御において、制御部25は、昇温挙動に応じて調整された通電態様でヒータ11を通電し、材料を速やかに最適温度に昇温する。定温制御において、制御部25は、材料の温度を最適温度に維持するために、ヒータ11の通電をフィードバック制御する。
まず、予備昇温制御において、制御部25は、練り容器7内の材料の初期温度を検出する(S10)。制御部25は、デューティー制御によりヒータ11を通電する(S12)。制御部25は、材料の温度を検出し(S14)、材料の温度が所定温度以上になった場合は(S16のY)、予備昇温制御を中断し、昇温制御における昇温時間に0を設定する(S26)。すなわち、材料の温度が予備昇温制御において所定温度以上になった場合は、昇温制御はスキップされる。材料の温度が所定温度未満である場合は(S16のN)、予備昇温時間が経過するまで(S18のN)、S12に戻ってヒータ11の通電を継続する。予備昇温時間が経過すると(S18のY)、予備昇温制御を終了してS20に進む。
制御部25は、材料の温度を検出し(S20)、S20において検出した温度とS10において検出した初期温度との差である昇温値を算出する(S22)。制御部25は、算出した昇温値と初期温度に応じて昇温制御における昇温時間を設定する(S24)。制御部25は、初期温度Ttiと、係数Kf(<0)と、初期温度及び昇温値に応じて決定される定数Kgから、次式により昇温時間Timを算出する。
Tim=Kf*Tti+Kg
ここで、Kgには、例えば4段階の値が設定される。Kgの値を決定するための昇温値の閾値D1、D2、D3が初期温度の範囲ごとに定められる。昇温値の閾値D1、D2、D3は、初期温度が低いほど大きな値とされる。
昇温制御において、制御部25は、ヒータ11をデューティー制御ではなく全期間にわたって継続的に通電し(S28)、材料の温度を速やかに昇温させる。S24において設定された昇温時間が経過するまで(S30のN)、S28に戻ってヒータ11の通電を継続する。昇温時間が経過すると(S30のY)、制御部25は、ヒータ11の通電を停止する(S32)。
定温制御において、制御部25は、パン生地の温度を検出する(S40)。パン生地の温度が設定温度未満である場合は(S42のY)、制御部25は、初期温度に応じたデューティー設定でヒータ11を通電する(S44)。パン生地の温度が設定温度以上である場合は(S42のN)、S44をスキップし、ヒータ11の通電は行わない。パン生地の温度が設定温度より所定温度以上高い場合は(S46のY)、制御部25は、ヒータ11の通電を停止する(S48)。パン生地の温度が設定温度より所定温度以上高くない場合は(S46のN)、S48をスキップし、ヒータ11の通電を停止しない。終了時間が到来するまで(S50のN)、S40に戻って定温制御を継続する。終了時間が到来すると(S50のY)、温度制御を終了する。
図12は、実施の形態3に係るパンの製造方法における練り羽根9とヒータ11の制御のタイムチャートを示す。上段は、練り羽根9のタイムチャートを示す。練り工程が開始されると、材料がまとまるまでは10rpmで練り羽根9が回転され、その後、300rpm以上の回転数で練り羽根9が回転されて材料が練られる。実施の形態1に係る練り羽根9を使用することにより、10分以下の練り時間で膨らみ高さの良好なパンを製造することができる。
中段は、ヒータ11のタイムチャートを示す。練り工程が開始されると、図10に示した予備昇温制御及び昇温制御が実行される。発酵工程及び成形発酵工程においては、図11に示した定温制御が実行される。焼成工程においては、ヒータ11は継続的に通電される。
下段は、自動製パン機の各部位における温度の時間変化を示す。パン生地の温度は、練り工程の開始直後に約37℃に昇温され、その後、発酵工程及び成型発酵工程に至るまで約37℃に維持される。
[3-2-2.イースト温度制御]
図13は、イーストを溶く水の温度と、室温と、60分で製造したパンの膨らみ高さとの関係を示す。パンの膨らみ高さは、イーストを溶く水の温度に強く依存しており、低温の水にイーストを溶かして製造したパンは膨らみ難い。本実験により、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造するためには、イーストを溶く水の温度を20~40℃、より好ましくは25~35℃とするのがよいことが分かった。
イースト容器17に収容されたイーストを練り容器7内に投入する方法として、例えば、以下の2つがある。第1の方法では、まず、使用者が練り容器7内に所定量の水を入れる。つづいて、制御部25がイースト容器17からイーストを練り容器7内に投入してイーストを溶く。つづいて、使用者が、強力粉、バター、砂糖、塩、スキムミルクなどの材料を練り容器7内に入れる。この場合、制御部25は、イーストを投入する前に、ヒータ11に通電して練り容器7内の水を加温する。制御部25は、気温が低いほど高いデューティー比でヒータ11に通電して水を加温し、水の温度に応じてヒータ11の通電をフィードバック制御する。制御部25は、加温開始から所定時間経過すると、イースト容器17からイーストを練り容器7内に投入してイーストを溶く。
図14は、イーストを溶く水の温度を調整した場合の、水温と、室温と、60分で製造したパンの膨らみ高さとの関係を示す。水温や室温によらず、膨らみ高さのばらつきが抑えられ、膨らみ高さの良好なパンを製造することができた。
第2の方法では、まず、使用者が、水、強力粉、バター、砂糖、塩、スキムミルクなどの材料を練り容器7内に入れる。つづいて、制御部25がイースト容器17からイーストを練り容器7内に投入してイーストを溶く。この場合、制御部25は、イーストを投入する前に、ヒータ11に通電して練り容器7内の材料を加温する。制御部25は、材料の温度が低いほど高いデューティー比又は長い加熱時間でヒータ11に通電して材料を加温する。制御部25は、材料の加温が終了すると、イースト容器17からイーストを練り容器7内に投入してパン生地に混ぜ込む。
図15は、イーストを混ぜ込むパン生地の温度を調整した場合の、水温と、室温と、60分で製造したパンの膨らみ高さとの関係を示す。水温や室温によらず、膨らみ高さのばらつきが抑えられ、膨らみ高さの良好なパンを製造することができた。
[3-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、自動製パン機は、調理材料を収容する練り容器7と、調理材料を混練するために練り容器7内に設けられた練り羽根9と、練り羽根9を練り容器7内で回転させるためのモータ3と、練り容器7の外部に設けられた温度センサ12と、練り容器7内の調理材料を加熱するためのヒータ11と、温度センサ12により検知された温度から、練り容器7内の調理材料の温度を推定する温度推定部と、温度推定部により推定された調理材料の温度に基づいて、調理材料の温度が所定時間以内に所定の温度範囲になるようにヒータ11及びモータ3を制御する制御部25と、を備える。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、所定の温度範囲は、25℃~40℃である。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、制御部25は、調理材料を混練する工程において、練り羽根9を300rpm以上の回転数で回転させ、調理材料を混練する工程を10分以内に終了させる。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、制御部25は、イーストを溶く水、又はイーストを混ぜ込む調理材料の温度が20℃~40℃になるようにヒータ11を制御する。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、温度推定部は、自動製パン機の筐体内の熱の流れを熱容量と熱抵抗で模式的に表した熱回路における熱収支シミュレーションにより練り容器7内の調理材料の温度を推定する。これにより、調理材料の温度をより精確に推定することができる。
また、本実施の形態において、練り羽根9は、遠心方向に向かって全高が低下する形状を有する。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、調理材料は、乳化剤を含む。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
また、本実施の形態において、パンの製造方法は、調理材料を混練してパン生地を生成するステップと、パン生地を発酵させるステップと、発酵したパン生地を焼成するステップと、を備え、調理材料の混練を開始してから所定時間以内に調理材料の温度が25℃~40℃になるように調理材料を加熱し、パン生地の発酵中にパン生地の温度が25℃~40℃になるようにパン生地を加熱する。これにより、膨らみ高さの良好なパンを短時間で製造することができる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
本開示は、パンの製造方法に利用可能である。
1 機器本体
1a 加熱室
2 シャーシ
3 モータ
4 容器支持台
5 伝達機構
6 コネクタ下
7 練り容器
7a 把手取付部
7b 把手
8 コネクタ上
9 練り羽根
9a 第一曲部
9b 第二曲部
11 ヒータ
12 温度センサ
13 蓋
14 蓋本体
14a 底壁
15 外蓋
15a 副材料容器蓋
15b パッキン
16 副材料容器
16a 摘み部
16b 開閉板
17 イースト容器
17a 開閉弁
18 ソレノイド
19 選択部
20 表示部
21 室温センサ
22 ハンドル
23 差込プラグ
24 電源コード
25 制御部
30 先端部
ra 曲率半径
rb 曲率半径

Claims (7)

  1. 容器内の調理材料を混練するための練り羽根であって、
    長方形又は台形の一部を欠いた板状の形状を有し、
    前記長方形又は台形のうち75%以上の面積を有する
    練り羽根。
  2. 外側の端部の高さが全高の57%以上である
    請求項1に記載の練り羽根。
  3. 前記練り羽根の外側上方が切り欠かれているとき、前記練り羽根の上端である最も外側の曲部を第一曲部とすると、前記第一曲部の曲率半径が5mm以上である
    請求項1又は2に記載の練り羽根。
  4. 前記練り羽根の外側上方が切り欠かれているとき、前記練り羽根の上端である最も外側の曲部を第一曲部、前記第一曲部の直近かつ内側の位置で前記練り羽根の上端に位置する曲部を第二曲部とすると、
    前記第一曲部の曲率半径と前記第二曲部の曲率半径が同等か、又は前記第一曲部の曲率半径は前記第二曲部の曲率半径と比べて大きい
    請求項1から3のいずれかに記載の練り羽根。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の練り羽根と、
    前記調理材料を収容する容器と、
    前記練り羽根を前記容器内で回転させるためのモータと、
    前記容器内の前記調理材料を加熱するためのヒータと、
    を備える自動製パン機。
  6. 前記容器の底壁から前記練り羽根の下端までの隙間の寸法は、0.5~2.0mmである
    請求項5に記載の自動製パン機。
  7. 前記容器の側壁から前記練り羽根の外側の端部までの隙間の寸法は、0.5~2.0mmである
    請求項5又は6に記載の自動製パン機。
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