JP6151963B2 - 三次元構造体用配線シート及び三次元構造体 - Google Patents

三次元構造体用配線シート及び三次元構造体 Download PDF

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Description

本発明は、三次元構造体用配線シート及び三次元構造体に関する。
近年、携帯通信端末等の通信機器等において、配線パターンであるアンテナパターンを樹脂基体表面に配設したアンテナ部品が幅広く用いられている。このようなアンテナ部品にあっては、通信機器の小型化等に伴って小型化が求められ、このためアンテナ部品が曲面等の非平面の表面を有する三次元構造体となり、この三次元構造体の上記非平面の表面に上記アンテナパターンを配設することを要する場合がある。
(1)上述のようなアンテナパターンの形成方法としては、金属メッキを用いる方法がある。この金属メッキの方法としては、まず樹脂基体表面の所望箇所(パターン形成予定箇所)をレーザ光照射により所定以上の表面粗さにして、その後、無電解メッキにより金属膜を上記所望箇所に積層することでアンテナパターンを形成する方法が提案されている(特開2012−136769号)。
(2)また、上述のような三次元構造体であるアンテナ部品を製造するにあたっては、樹脂フィルムに予めアンテナパターンを形成したアンテナシート(三次元構造体用配線シート)を用いる方法も提案されている。このアンテナパターンを用いる方法としては、アンテナシートを成形型内に配設した状態で、この成形型に誘電体層形成材料を射出成型する方法が提案されている(特開平11−307904号)。
特開2012−136769号公報 特開平11−307904号公報
しかし、(1)上述のようにレーザ光照射及び無電解めっきによる方法によれば、レーザ光照射において焦点が合うように樹脂基体を走査する必要があり、工程が複雑化する。また、無電解めっきによる金属膜の形成は、時間がかかるとともに、無電解めっき用液が高額であるので、アンテナ部品の製造コストの抑制を図ることが困難である。
また、(2)上述のようにアンテナシートを用いて射出成型により一体的に形成する方法によれば、射出成型の際にアンテナシートの樹脂フィルムが溶融するので、この射出成型時にアンテナパターンを支持する部分が存在せず、アンテナパターンが捩じれ、断線等が生ずるおそれがあり、所望のアンテナパターンを得ることができないおそれがある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、所望の配線パターンを有する三次元構造体を容易かつ確実に製造できる三次元構造体用配線シート、及びこの三次元構造体用シートを用いた三次元構造体を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明に係る三次元構造体用配線シートは、
三次元構造体用配線シートであって、
可撓性フィルム、及び
この可撓性フィルムの裏面側に積層される配線パターン
を備え、
上記配線パターンが導電性ペーストにより形成され、
上記配線パターンの存在領域おいて上記可撓性フィルムを貫通する貫通孔を有する。
また、本発明に係る三次元構造体は、
表面に非平面を有する構造体と、
この構造体の非平面に積層される上記構成からなる当該三次元構造体用配線シートと
を備える。
さらに、本発明に係る三次元構造体は、
表面に非平面を有する構造体と、
この構造体の非平面に積層される上記構成からなる当該三次元構造体用配線シートと、
上記配線シートの配線パターンと上記構造体との間に配設される接着剤層と
を備える。
本発明の三次元構造体用配線シートは、所望の配線パターンを有する三次元構造体を容易かつ確実に製造できる。また、本発明に係る三次元構造体は、容易かつ確実に製造でき、所望の配線パターンを有する。
図1は、本発明の一実施形態の三次元構造体用配線シートの模式的要部拡大端面図である。 図2は、図1の三次元構造体用配線の模式的要部拡大端面図である(図1と切断面が垂直である)。 図3は、図1の三次元構造体用配線の製造方法における工程を説明するための模式的要部拡大端面図である。 図4は、図1の三次元構造体用配線シートを用いて三次元構造体を製造する方法における工程を説明するための模式的要部拡大端面図である。 図5は、図1の三次元構造体用配線シートを用いた三次元構造体の模式的要部拡大端面図である。 図6は、図5の三次元構造体の模式的要部拡大端面図である(図5と切断面が垂直である)。 図7は、図5の三次元構造体の配線パターンの模式的要部拡大端面図である。 図8は、図5の三次元構造体の配線パターンの模式的要部拡大端面図である。 図9は、図5と異なる他の実施形態の三次元構造体の模式的要部拡大端面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明に係る三次元構造体用配線シートは、
三次元構造体用配線シートであって、
可撓性フィルム、及び
この可撓性フィルムの裏面側に積層される配線パターン
を備え、
上記配線パターンが導電性ペーストにより形成され、
上記配線パターンの存在領域おいて上記可撓性フィルムを貫通する貫通孔を有する。
当該三次元構造体用配線シートにあっては、例えば貼着により三次元構造体表面に配設し、上記配線パターンの存在領域における貫通孔を介して配線パターンと他の部材との電気的接続を図ることができる。さらに、当該三次元構造体用配線シートは貼着により三次元構造体表面に配設することができるので、従来のように射出成型により三次元構造体を製造するものに比べて、配線パターンの捩じれや断線等が生じ難く、所望の配線パターンを有する三次元構造体を容易かつ確実に製造することができる。また、上記配線パターンは導電性ペーストにより形成され、従来のようなレーザ光照射及び無電解メッキ処理が必要ではないので、当該三次元構造体用配線シートを容易かつ確実に製造することができ、これにより当該三次元構造体用配線シートを用いることで所望の配線パターンを有する三次元構造体を容易かつ確実に製造することができる。
当該三次元構造体用配線シートは、上記可撓性フィルムと配線パターンとの間に配設される接着剤層をさらに備え、上記貫通孔が接着剤層をも貫通するとよい。これにより、上記接着剤層によって可撓性フィルムと配線パターンとの接着状態が得られるとともに、上記貫通孔が接着剤層をも貫通しているので、この貫通孔を介して配線パターンと他の部材との電気的接続を図ることができる。
上記配線パターンの平均厚みとしては、10μm以上40μm以下がよい。これにより、配線パターンにおける導通性が容易に確保できるとともに、配線パターンによって当該三次元構造体用配線シートの可撓性を阻害しにくい。
上記配線パターンが導電フィラー及びそのバインダーを含むとよい。これにより、導電フィラー及びそのバインダーを含む上記導電ペーストによって所望の配線パターンを容易かつ確実に形成することができる。
上記導電フィラーが、銀、銅、金、鉄、錫、ニッケルの少なくとも一種を含む金属、又は合金、或いはカーボンであるとよい。これにより、十分な電気特性を有する配線パターンを容易かつ確実に形成することができる。
上記バインダーの主成分が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はフェノール系樹脂であるとよい。これにより、当該三次元構造体用配線シートの可撓性が十分に担保され得る。
上記配線パターンが、上記貫通孔形成箇所において、第一層と、この第一層の表面に積層される第二層とを有し、上記第一層と第二層とが異なる種類の導電性ペーストにより形成されているとよい。これにより、第一層及び第二層それぞれに所望の導電性ペーストにより形成することで、可撓性を担保しつつ、容易かつ確実に他の部材との電気的接続を図ることができる。つまり、例えば貫通孔へ半田を充填する場合この充填を円滑に行い得る材料からなるバインダーを第二層に用い、柔軟性に優れる材料からなるバインダーを第一層に用いることで、他の部材との電気的接続が容易かつ確実で、しかも可撓性に優れる三次元構造体用配線シートを得ることができる。
さらには、第二層が第一層よりも半田の濡れ性が高いことが好ましい。これにより、他の部材との電気的接続が半田によって容易かつ確実に行うことができる。
当該三次元構造体用配線シートは、配線パターンの裏面側又は可撓性フィルムの表面側に配設される剥離シートをさらに備えるとよい。これにより、使用前において当該三次元構造体用配線シートの表面又は裏面に異物が付着することを防止できる。
当該三次元構造体は、
表面に非平面を有する構造体と、
この構造体の非平面に積層される上記構成からなる当該三次元構造体用配線シートと
を備える。
当該三次元構造体は、構造体に当該三次元構造体用配線シートを積層することで、容易かつ確実に製造でき、所望の配線パターンを有する。
当該三次元構造体は、
表面に非平面を有する構造体と、
この構造体の非平面に積層される上記構成からなる当該三次元構造体用配線シートと
この上記配線シートの配線パターンと上記構造体の間に接着剤層と
を備える。
当該三次元構造体は、構造体に接着剤層を介して当該三次元構造体用配線シートを積層することで、容易かつ確実に製造でき、所望の配線パターンを有する。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
<三次元構造体用配線シート>
図1に示す三次元構造体用配線シート1(以下、単に配線シートということがある)は、配線パターン3を有する三次元構造体10を製造するために用いられる可撓性を有するシートであり、可撓性フィルム2、この可撓性フィルム2の裏面側に積層される配線パターン3、及び可撓性フィルム2と配線パターン3との間に配設される接着剤層4を備える。さらに、当該配線シート1は、上記配線パターン3の裏面側及び可撓性フィルム2の表面側に配設される一対の剥離シート5を備える。なお、以下の説明において、「裏面側」とは、当該配線シート1に対して貼着する対象物(構造体11)側を意味し、「表面側」とは、上記裏面側の反対側を意味する。当該配線シート1は、表面が非平面の誘電体層を有する構造体11に貼着されるアンテナシートとして用いられる。
(可撓性フィルム)
可撓性フィルム2は、絶縁性を有するシート状部材で構成されている。この可撓性フィルム2としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの材料としては、特に限定されるものではなく、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンラバー樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂等の各種樹脂を適宜採用でき、そのなかでも製造時の耐熱性及び可撓性等の観点からポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)又はポリイミド樹脂が好適に用いられる。
可撓性フィルム2の厚みは特に限定されるものではないが、可撓性フィルム2の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。可撓性フィルム2の平均厚さが上記下限未満の場合、可撓性フィルム2の強度が不十分となるおそれがある。一方、可撓性フィルム2の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましい。可撓性フィルム2の平均厚さが上記上限を超える場合、可撓性フィルム2の可撓性に欠けるおそれがある。
可撓性フィルム2の曲げこわさは、特に限定されるものではないが、この曲げこわさの上限としては、1×10−6N・mが好ましく、0.7×10−6N・mがより好ましい。上記曲げこわさが上記上限を超えると、当該配線シート1の可撓性に欠け、例えば曲面等に貼着することが困難となるおそれがある。なお、上記曲げこわさの下限は特に限定されず、例えば1×10−8N・mである。
なお、上記曲げこわさは、長さL[cm]、幅b[cm]、坪量w[g/m]の可撓性フィルム2を机の角から垂らし、そのたわみ程度y[cm]として際に、以下の式から計算可能である。
曲げこわさ=(w・b・(L^4)/8y)×9.81×10^−11
当該配線シート1は、配線パターン3の存在領域おいて上記可撓性フィルム2を貫通する貫通孔6を有している。この貫通孔6は、接着剤層4をも貫通している。これにより、配線パターン3が可撓性シート2の表面側に部分的に露出している。ここで、この貫通孔6の大きさや形状等は特に限定されるものではないが、例えば平面視円形で50μm以上5mm以下の内径とすることができる。
(配線パターン)
上記配線パターン3は、平面視所定形状(所定パターン)に形成されている。この配線パターン3は、導電性ペーストから形成されている。具体的には、配線パターン3は、導電性ペーストを所定のパターンに印刷した後にこの導電性ペーストを硬化させることで形成されている。なお、上記導電性ペーストの印刷は、上記剥離シート5に行うことができる。なお、当該配線シート1がアンテナシートを構成する場合には、上記配線パターン3はアンテナパターンとして形成される。
上記配線パターン3は、上記貫通孔6の形成箇所において、第一層3aと、この第一層3aの表面に積層される第二層3bとを有している。上記第二層3bは、平面視の大きさが上記貫通孔6よりも大きく設けられている。このため、上述のように配線パターン3は可撓性シート2の表面側から部分的に露出しているが、この配線パターン3の露出部分が、第二層3bから構成されている。ここで、第一層3aと第二層3bとが異なる種類の導電性ペーストにより形成されていることが好ましい。
上記配線パターン3(及び導電性ペースト)は、導電フィラー7及びそのバインダー8を含んでいる。
上記導電フィラー7は、特に限定されるものではないが、銀、銅、金、鉄、錫、ニッケルの少なくとも一種を含む金属、又は合金、或いはカーボンであるとよい。これにより、配線パターン3が十分な導電性を有することができる。また、導電フィラー7としては、電気特性等に優れる観点から、銀粒子、又は銀によって被覆される粒子(例えば銀コート銅粒子)が好適に用いられる。なお、第一層3a及び第二層3bの導電フィラー7は同一のものを用いることが可能である。
上記導電フィラー7の平均粒径は特に限定されるものではないが、上記平均粒径の上限としては40μmが好ましい。導電フィラー7の平均粒径が上記上限を超える場合、導電フィラー7とバインダー8との密着性が低下して配線パターン3の抵抗が上昇するおそれがある。一方、上記導電フィラー7の平均粒径の下限としては10nmが好ましい。導電フィラー7の平均粒径が上記下限未満の場合、導電フィラー7同士の接触面積が小さくなって配線パターン3の抵抗が上昇するおそれがある。
なお、導電フィラー7としては、複数種類のものを混合して用いることも可能である。例えば、平均粒径の大きい導電フィラー(例えば平粒粒径1μm以上40μmの導電フィラー(以下、大径フィラーということがある))と、この大径フィラーより平均粒径の小さい導電フィラー(例えば平粒粒径1nm以上100nmの導電フィラー(以下、小径フィラーということがある))とを混合して用いることも可能である。このように大径フィラーと小径フィラーとを混合したものを導電フィラー7として用いることで、アンテナパターン層3のシート抵抗値の低減を図ることも可能である。
上記バインダー8は、特に限定されるものではないが、主成分が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はフェノール系樹脂であるとよい。これにより、配線パターン3の可撓性が優れ、当該配線シート1を湾曲等させても配線パターン3が断線することを的確に抑制することができる。なお、上記主成分である樹脂は、変性されていてもよい。
上記バインダー8は、第一層3aと第二層3bとで異なるものを用いることが好ましい。つまり、第二層3bが第一層3aよりも半田の濡れ性が高いことが好ましい。これにより、他の部材との電気的接続を半田によって容易かつ確実に行うことができる。また、第一層3aが第二層3bよりも柔軟性が高いことが好ましい。これにより、配線パターン3の可撓性が優れる。具体的には、例えば第一層3aのバインダーとしてウレタン樹脂系バインダーを用い、第二層3bのバインダーとしてエポキシ樹脂系バインダー又はフェノール樹脂系バインダーを用いるとよい。
上記配線パターン3(の第一層3a)の厚みは特に限定されるものではないが、配線パターン3(の第一層3a)の平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記平均厚みが上記下限未満であると、配線パターン3の電気抵抗が大きくなるおそれがある。一方、上記配線パターン3(の第一層3a)の平均厚みの上限としては、40μmが好ましく、30μmがより好ましい。配線パターン3の平均厚みが上記上限を超えると、当該配線シート1が厚くなり過ぎるおそれがある。
上記配線パターン3の第二層3bの厚みは特に限定されるものではないが、上記第二層の平均厚みの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。上記平均厚みが上記下限未満であると、第二層3bの形成が困難となるおそれがある。一方、上第二層3bの平均厚みの上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。第二層3bの平均厚みが上記上限を超えると、当該配線シート1が厚くなり過ぎるおそれがある。
上記配線パターン3(の第一層3a)の表面(可撓性フィルム2側の面)の算術平均粗さ(Ra)は特に限定されるものではないが、この表面の算術平均粗さ(Ra)の上限は5μmが好ましく、3μmがより好ましい。配線パターン3の表面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超えると、表皮効果によって伝送距離が見かけの回路距離よりも長くなり、電気抵抗が大きくなるおそれがある。なお、上記表面の算術平均粗さ(Ra)の下限は特に限定されず、例えば0.5μmである。また、「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS−B0601(2001)に準拠し、評価長さを12.5mmとし、カットオフ値を評価長さの0.2倍(又は2.5mm)として算出される。
上記配線パターン3(の第一層3a)の裏面(剥離シート5側の面)の算術平均粗さ(Ra)は特に限定されるものではないが、裏面の算術平均粗さ(Ra)が上記表面の算術平均粗さ(Ra)よりも小さいとよい。上記裏面の算術平均粗さの上限は、4μmが好ましく、2μmがより好ましい。上記裏面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超えると、表皮効果によって伝送距離が見かけの回路距離よりも長くなり、電気抵抗が大きくなるおそれがある。なお、上記裏面の算術平均粗さ(Ra)の下限は特に限定されず、例えば0.1μmである。
上記配線パターン3(の第一層3a)のシート抵抗の上限としては、300mΩ/□が好ましく、200mΩ/□がより好ましく、100mΩ/□がさらに好ましい。上記シート抵抗が上記上限を超えると、所望の電気的特性を有さないおそれがある。なお、配線パターンのシート抵抗の下限としては、特に限定されず、例えば1mΩ/□である。また、「シート抵抗」は、四探針方式の抵抗測定器で測定することができ、この抵抗測定器としては、例えば株式会社三菱化学アナリテック性「ロレスタGP MCP−T610型」を用いることができる。
(接着剤層)
上記接着剤層4は、上述のように上記配線パターン3と可撓性フィルム2との間に配設され、配線パターン3と可撓性フィルム2とを接着している。また、この接着剤層4は、配線パターン3のうちパターンが存在しない領域において裏面側に表出し、この裏面側に表出する部分によって上記剥離シート5が剥離可能に接着されている。つまり、当該配線シート1にあっては、上記接着剤層4の裏面と、上記配線パターン3の裏面とが、図2に示すように略面一に設けられている。なお、「略面一」とは、接着剤層4の裏面と配線パターン3の裏面とが段差なく設けられているものばかりか、接着剤層4の裏面と配線パターン3の裏面との段差が配線パターン3の平均厚みの1/10以下であるものを含む。また、上記接着剤層4の表面は上記可撓性フィルム2裏面に接している。
上記接着剤層4を構成する接着剤としては、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤又はフェノール系接着剤であるとよい。これにより、当該配線シート1の可撓性を阻害しない。なお、上記接着剤は、変性された樹脂を含んでもよい。
上記接着剤層4の厚み(可撓性フィルム2の裏面と剥離シート5の表面との間隔)は特に限定されるものではないが、上記配線パターン3の厚みより大きいことが好ましく、上記接着剤層4の平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。接着剤層4の平均厚みが上記下限未満であると、当該配線シート1の接着力が低下し、配線シート1の貼着状態において配線パターン3が貼着対象物から浮き上がるおそれがある。一方、上記接着剤層4の平均厚みの上限としては、300μmが好ましく、100μmがより好ましい。接着剤層4の平均厚みが上記上限を超えると、当該配線シート1が厚くなり過ぎるおそれがある。
(剥離シート)
一対の上記剥離シート5のうち裏面側の剥離シート5は、上記配線パターン3の裏面、及び配線パターン3のうちパターンが存在しない領域において裏面側に表出する接着剤層4の裏面に表面が接触した状態で剥離可能に積層される。また、表面側の剥離シート5は、上記貫通孔6を閉塞するよう可撓性フィルム2の表面に剥離可能に積層されている。
この剥離シート5は、可撓性を有するシート状部材で構成されている。この剥離シート5としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂が好適に用いられる。
上記剥離シート5は、離型処理が施されている。具体的には、裏面側の剥離シート5の表面に離型処理が施されている。なお、表面側の剥離シート5の裏面に離型処理を施してもよい。この離型処理としては、例えば剥離剤を樹脂フィルムに塗布するなどによって行われる。この剥離剤としては、低エネルギー表面を有するシリコーン、長鎖アルキル基、フッ素樹脂等を使用することができる。
上記裏面側の剥離シート5の表面(配線パターン3の積層される面)の算術平均粗さ(Ra)の上限は、4μmが好ましく、2μmがより好ましい。剥離シート5の表面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限を超えると、配線パターン3の裏面の算術平均粗さ(Ra)が大きくなり、配線パターン3が表皮効果によって伝送距離が見かけの回路距離よりも長くなり、電気抵抗が大きくなるおそれがある。なお、上記剥離シート5の表面の算術平均粗さ(Ra)の下限は特に限定されず、例えば0.1μmである。
<配線シートの製造方法>
次に、当該配線シート1の製造方法について説明する。
当該配線シート1の製造方法は、
剥離シート5の表面に導電性ペーストを印刷し、硬化することで、配線パターン3を形成する工程(図3)、及び
上述のように形成された配線パターン3と剥離シート5との第一の積層体に、可撓性フィルム2の裏面に接着剤層4が積層された第二の積層体を、上記接着剤層4によって接着する工程
を有している。
上記配線パターン形成工程においては、まず第一層3aが積層され、この第一層3aの所望箇所(貫通孔6との対応箇所)に第二層3bが積層される。この配線パターン3の形成(第一層3a及び第二層3bの積層)の手法は、特に限定されるものではないが、一例としては以下のような手法がとられる。つまり、離型フィルム5(裏面側の離型フィルム5)の表面側に導電性ペーストを配線パターンの印刷版を用いて印刷することで、平面視所定形状のパターンの導電パターンが印刷される。そして、この導電パターンを加熱することで、上記配線パターン3が形成される。
また、上記接着工程においては、第二の積層体と配線パターンとの接着状態を維持した状態で剥離シート5が接着剤層4及び配線パターン3から剥離できるよう、第一の積層体と第二の積層体とを接着している(図1、図2及び図4参照)。また、この接着工程の具体的手法は特に限定されるものではないが、一例として以下のような手法がとられる。つまり、配線パターン3と接着剤層4とが接するよう第一の積層体と第二の積層体とが重ね合され、ロールラミネータやプレス機によって加熱及び加圧することで当該配線シート1が製造される。
<三次元構造体の製造方法>
次に、上記配線シート1を用いた当該三次元構造体10(図5参照)の製造方法について説明する。なお、三次元構造体10の例としてアンテナ部品が挙げられる。
当該三次元構造体10の製造方法は、
表面に非平面(たとえば曲面)を有する構造体11を用意する工程、
当該配線シート1の剥離シート5を剥離する工程、及び
剥離シート5が剥離された当該配線シート1を上記構造体11の非平面に貼着する工程
を有している。
上記構造体11を用意する工程において、特に限定されるものではないが、一例として以下の手法がとられる。つまり、例えば当該三次元構造体10がアンテナ部品である場合には、高誘電材粒子を含有した樹脂を射出成型することで構造体11を成形する。なお、上記構造体11は、湾曲した非平面を表面に有している。
上記剥離工程は、表裏一対の剥離シート5を剥離する工程である。上記裏面側の剥離シート5を剥離するにあたっては、第二の積層体と配線パターン3との接着状態を維持した状態で、上記裏面側の剥離シート5を接着剤層4及び配線パターン3から剥離する(図4参照)。
上記貼着工程は、裏面側の剥離シート5を剥離することで裏面側から表出する配線パターン3及び接着剤層4と、上記構造体11とが接するよう、配線シート1を上記構造体11に貼着する工程である(図5参照)。この貼着工程は、特に限定されるものではないが、配線シート1の貼着された構造体11に加熱処理を行うことも可能である。なお、当該配線シート1は、上記誘電体層の非平面の箇所にも積層接着される。
<三次元構造体>
次に、当該配線シート1を用いて上述の製造方法によって製造された当該三次元構造体10について説明する。
当該三次元構造体10は、
表面に非平面を有する構造体11と、
この構造体11の非平面に積層される上記構成からなる配線シート1と
を備える。
この三次元構造体10にあっては、上記構造体11と配線シート1とが配線パターン3の不存在部分において接着剤層4によって接着され、また配線パターン3の裏面が構造体11の表面に接している(図6参照)。
<利点>
当該配線シート1を用いて上述のように三次元構造体10を製造することできる。そして、この三次元構造体10は、携帯通信端末等の電子機器に搭載して用いることができる。特に、配線パターン3の存在領域における貫通孔6を介して配線パターン3と他の電気部品との電気的接続を図ることが可能である。
また、当該配線シート1を用いた三次元構造体10は、従来のように射出成型によりアンテナ部品を製造するものに比べて、配線パターン3の捩じれや断線等が生じ難く、このため所望の配線パターンを有する三次元構造体10を容易かつ確実に製造することができる。また、従来のようなレーザ光照射及び無電解メッキ処理が必要ではないので、当該配線シート1及び三次元構造体10を容易かつ確実に製造することができる。
また、当該配線シート1は、可撓性を有するので、上述のように構造体11の非平面である表面に容易かつ確実に接着することができる。さらに、配線パターン3は、導電フィラー7とそのバインダー8とを有するので、当該配線シート1が湾曲した際に、この湾曲部分においても導電フィラー7同士の接続状態が維持されやすく、所望の電気的特性を維持できる(図7及び図8参照)。つまり、上記湾曲部分には引張又は圧縮の力が作用するものの、引張力が作用する場合、配線パターン3が伸長する際に配線パターン3が細くなり(断面積が小さくなり)、このため導電フィラー7の密度が高くなるため、配線パターン3の電気抵抗が増加し過ぎない。一方、圧縮力が作用する場合、配線パターン3自体が押し縮められるが、その押し縮められた方向の導電フィラー7の密度が高くなるため、配線パターン3の電気抵抗が増加し過ぎない。
さらに、当該配線シート1は、貼着されるまでの間、表裏一対の剥離シート5を備えるので、当該配線シート1の表面及び裏面に異物が付着することを防止できる。さらに、剥離シート5は可撓性を有するので、上記剥離作業に際して、剥離シート5を湾曲させつつ容易かつ確実に剥離することができる。
また、当該配線シート1は、接着剤層4の裏面と配線パターン3の裏面とが略面一に設けられているので、配線パターン3裏面と構造体11表面とが接した状態で、接着剤層4によって構造体11に当該配線シート1を接着することかできる。当該三次元構造体10がアンテナ部品である場合には、上述のように配線パターン3裏面と誘電体である構造体11表面とが接しているので、共振周波数のズレが生じ難く、アンテナ特性に優れる。つまり、例えば配線パターン3と誘電体である三次元構造体11の表面との間に他の部材(例えば可撓性フィルム2、接着剤等)が介在する場合、この他の部材の誘電率や厚みによって共振周波数のズレが生じるおそれがある。これに対し、当該配線シート1を用いた当該三次元構造体10は、上述のように配線パターン3裏面と構造体11表面とが接しているので、共振周波数のズレが少なく、アンテナ特性に優れる。また、当該配線シート1は、上述のように電気抵抗が小さく、また所望形状に容易かつ確実に形成される配線パターン3を有するので、この配線パターン3をアンテナパターンとして用いた場合には、アンテナ特性に優れる。
さらに、当該配線シート1の製造方法は、配線パターン3を剥離シート5の表面に形成した後に、この配線パターン3を接着剤層4及び可撓性フィルム2を有する積層体に転写することで、当該配線シート1を製造することができるので、接着剤層4の裏面と配線パターン3の裏面とを略面一に容易かつ確実に設けることができる。しかも、上記のように配線パターン3の裏面は、上記離型フィルムの表面によって形づくられるため、この配線パターン3の裏面の算術平均粗さ(Ra)を容易かつ確実に小さくすることができる。
<その他の実施形態>
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
つまり、上記実施形態においては、非平面の一例として曲面を有する構造体を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば段差を有するような非平面の部分についても、この非平面部分に沿って当該配線シートを貼着して用いることができる。
また、上記実施形態においては、上述した配線シートの製造方法により当該配線シートを製造するものであったが、その他の方法によって当該配線シートを製造することも可能である。また、上記実施形態のような製造方法による場合にあっても、上記剥離シートの表面に配線パターンを形成するものに限られず、例えば剥離シート以外の工程紙に上記配線パターンを剥離可能に形成し、製造工程中において工程紙から配線パターンを剥離することも可能である。ただし、上記実施形態のように配線パターンが剥離シートの表面に導電性ペーストを印刷し硬化することで形成されることが好ましく、これにより剥離シートを備える当該配線シートを容易かつ確実に製造することができる。
また、上記実施形態においては、配線シートが剥離シートを備えるものについて説明したが、この剥離シートは本発明の必須の構成要件ではない。さらには、構造体に貼着される前の配線シートのみならず、構造体に貼着された後の配線シートも、本発明の範囲内である。
さらに、上記実施形態では、配線シートの接着剤層によって構造体に配線シートが貼着されるものについて説明したが、構造体の表面又は配線シート(の配線パターン)の裏面に接着剤を塗工し、この接着剤によって配線シートと構造体とを接着することも可能である。つまり、当該三次元構造体は、図9に示すように、配線シート21の配線パターン23と構造体31との間に配設される接着剤層33をさらに備えることも可能である。また、この接着剤層33は、上述のように構造体31の表面又は配線シート21の裏面への接着剤の塗工により形成できるほか、離型フィルムの表面に接着剤を塗工及び乾燥して上記他の接着剤層33を形成し、この接着剤層33の表面に配線パターン23を形成し、上記接着工程において上記接着剤層33と離型フィルムと剥離するよう設けることも可能である。なお、図9において上記実施形態と同一の構成を有する部材については同一符号を用い、説明を省略する。
さらに、可撓性フィルムと配線パターンとの間に配設される接着剤層は本発明の必須の構成要件ではなく、例えば可撓性フィルムの裏面に導電ペーストを印刷し硬化させることで配線パターンを形成したものも本発明の意図する範囲内である。しかし、可撓性フィルムの裏面に配線パターンを直接積層した場合には、上記貫通孔の形成が困難となるため、可撓性フィルムと配線パターンとの間に接着剤層が配設されることが好ましい。つまり、可撓性フィルムの裏面に配線パターンを直接積層した場合、この配線パターン積層後に可撓性フィルムを貫通する貫通孔をエッチング等によって形成する必要があり、この貫通孔形成作業のため工程数が増えてしまい、製造コストが高くなるおそれがある。
また、上記実施形態では、三次元構造体の一例として、配線パターンをアンテナパターンとして用いるアンテナ部品及びアンテナ部品用配線シートを例にとり説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該三次元構造体用配線シートは、例えば電池セルユニットの電極を接続するための配線シートとしても用いることができる。
さらに、上記実施形態では、配線パターンが第一層及び第二層を有するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、配線パターンが一層構造のものも本発明の意図する範囲内である。また、配線パターンが多層構造である場合でも、各層の形成材料が同一材料とすることも可能である。
<実施例1>
離型処理がなされたPET樹脂製の剥離シート、銀ペースト、配線パターンの印刷版を用意する。剥離シートの離型処理面に対し、印刷版を用いて銀ペーストでパターンを印刷し、150℃で硬化して、剥離シート上に平均厚み20μmの配線パターンを形成する。
次に、平均厚み25μmのPET樹脂製の可撓性フィルム、及びポリオレフィン系接着剤である接着剤を用意する。上記可撓性フィルムにコーターで上記接着剤を塗工して乾燥させ、平均厚み40μmの接着剤層を形成する。そして、配線パターンの存在領域である所望の給電位置において上記可撓性フィルム及び接着剤層にトムソン刃型を用いて貫通孔を形成する。
上記配線パターンと上記接着剤層とを対向させた状態で、給電位置が合うように位置合わせを行い、配線パターンを有する積層体と上記接着剤層を有する積層体とを重ね合せる。そして、この重ね合せた積層体を温度70℃、圧力0.1MPaのロールラミネータによって、上記配線パターンを有する積層体と、上記接着剤層を有する積層体とを貼り合せて、実施例1の配線シートを得る。
樹脂を射出成型で成形したスマートフォンの筐体裏蓋を用意する。実施例1の配線シートから剥離シートを剥離し、この配線シートの剥離シートを剥離した面と上記筐体裏蓋とが接着する配線シートと筐体裏蓋とを接着することで、実施例1の三次元構造体を得る。
<実施例2>
離型処理がなされたPET樹脂製の剥離シート、銀コート銅粒子ペースト、配線パターンの印刷版を用意する。剥離シートの離型処理面に対し、印刷版を用いて銀コート粒子ペーストでパターンを印刷し、140℃で硬化して、剥離シート上に平均厚み30μmの配線パターンを形成する。
次に、平均厚み12.5μmのポリイミド樹脂製の可撓性フィルム、及びエポキシ系接着剤である接着剤を用意する。上記可撓性フィルムにコーターで上記接着剤を塗工して乾燥させ、平均厚み50μmの接着剤層を形成する。そして、配線パターンの存在領域である所望の給電位置において上記可撓性フィルム及び接着剤層にトムソン刃型を用いて貫通孔を形成する。
上記配線パターンと上記接着剤層とを対向させた状態で、給電位置が合うように位置合わせを行い、配線パターンを有する積層体と上記接着剤層を有する積層体とを重ね合せる。そして、この重ね合せた積層体を温度70℃、圧力0.2MPaのプレス機によって、上記配線パターンを有する積層体と、上記接着剤層を有する積層体とを貼り合せて、実施例2の配線シートを得る。
樹脂を射出成型で成形した電池セルケースカバーを用意する。実施例2の配線シートから剥離シートを剥離する。上記電池セルケースカバーを120℃に加熱し、この電池セルカバーに上記配線シートの剥離シートを剥離した面が当接するよう電池セルカバーと配線シートとを接着する。このように接着された電池セルカバーと配線シートとをオートクレーブ装置により温度180℃圧力0.5MPaの環境下に1時間加熱処理することで、実施例2の三次元構造体を得る。
<実施例3>
離型処理がなされたPET樹脂製の剥離シート、銀ペースト、配線パターンの印刷版を用意する。剥離シートの離型処理面全面に接着剤を塗布し、乾燥する。次に印刷版を用いて銀ペーストでパターンを印刷し、180℃で硬化して、平均厚み25μmの配線パターンを形成する。
次に、平均厚み18μmのPET樹脂製の可撓性フィルム及びポリウレタン系接着剤である接着剤を用意する。上記可撓性フィルムにコーターで上記接着剤を塗工して乾燥させ、平均厚み50μmの接着剤層を形成する。そして、配線パターンの存在領域である所望の給電位置において上記可撓性フィルム及び接着剤層にトムソン刃型を用いて貫通孔を形成する。
上記配線パターンと、上記可撓性フィルムに積層された接着剤層とを対向させ、給電位置が合うように位置合わせを行い、配線パターンを有する積層体と上記可撓性フィルムを有する積層体とを重ね合せる。そして、この重ね合せた積層体を温度70℃、圧力0.1MPaのプレス機によって貼り合せて、実施例3の配線シートを得る。
Mg合金製ノートPCの裏蓋筐体を用意する。実施例3の配線シートから剥離シートを剥離する。上記裏蓋筐体を70℃に加熱し、この裏蓋筐体に上記配線シートの剥離シートを剥離した面が当接するよう裏蓋筐体と配線シートとを接着する。このように接着された裏蓋筐体と配線シートとをオートクレーブ装置により温度90℃圧力0.5MPaの環境下に1時間加熱処理することで、実施例3の三次元構造体を得る。この実施例3の三次元構造体は、上記配線シートに温度センサーや角度センサー等の電子部品を取り付けた後に、上記裏蓋筐体に液晶ディスプレイをはめ込み、上記貫通孔を介して配線パターンと制御基板等とを半田接続する。
<評価>
上記のように製造された実施例1〜3の配線シートは、いずれも配線パターンの電気的特性が良好であり、また十分な可撓性を有し、三次元構造体に容易かつ確実に貼着することができる。
以上のように、本発明の三次元構造体用配線シート及び三次元構造体は、所望の配線パターンを有するため、例えば携帯通信端末等のように小型化された通信機器に特に好適に用いることができる。
1、21 配線シート
2 可撓性フィルム
3、23 配線パターン
4 接着剤層
5 剥離シート
6 貫通孔
7 導電フィラー
8 バインダー
10 三次元構造体
11、31 構造体
33 接着剤層

Claims (10)

  1. 三次元構造体用配線シートであって、
    可撓性フィルム、及び
    この可撓性フィルムの裏面側に積層される配線パターン
    を備え、
    上記配線パターンが導電性ペーストにより形成され、
    上記配線パターンの存在領域おいて上記可撓性フィルムを貫通する貫通孔を有し、
    上記可撓性フィルムと配線パターンとの間に配設される接着剤層をさらに備え、
    上記貫通孔が接着剤層をも貫通する三次元構造体用配線シート。
  2. 上記配線パターンの平均厚みが10μm以上40μm以下である請求項1に記載の三次元構造体用配線シート。
  3. 上記配線パターンが導電フィラー及びそのバインダーを含む請求項1又は請求項2に記載の三次元構造体用配線シート。
  4. 上記導電フィラーが、銀、銅、金、鉄、錫、ニッケルの少なくとも一種を含む金属、又は合金、或いはカーボンである請求項3に記載の三次元構造体用配線シート。
  5. 上記バインダーの主成分が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はフェノール系樹脂である請求項3又は請求項4に記載の三次元構造体用配線シート。
  6. 上記配線パターンが、上記貫通孔形成箇所において、第一層と、この第一層の表面に積層される第二層とを有し、
    上記第一層と第二層とが異なる種類の導電性ペーストにより形成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の三次元構造体用配線シート。
  7. 上記第二層が、上記第一層よりも半田の濡れ性が高い請求項6に記載の三次元構造体用配線シート。
  8. 上記配線パターンの裏面側又は可撓性フィルムの表面側に配設される剥離シートをさらに備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の三次元構造体用配線シート。
  9. 表面に非平面を有する構造体と、
    この構造体の非平面に積層される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の三次元構造体用配線シートと
    を備える三次元構造体。
  10. 表面に非平面を有する構造体と、
    この構造体の非平面に積層される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の三次元構造体用配線シートと、
    上記配線シートの配線パターンと上記構造体との間に配設される接着剤層と
    を備える三次元構造体。
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