JP2014220899A - フラットケーブルの分岐構造、分岐フラットケーブル及び分岐フラットケーブルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、容易かつ確実にフラットケーブルを任意の長さの導体を有する分岐体に分岐することができるフラットケーブルの分岐構造の提供を目的とする。【解決手段】ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される複数の第2導体を有する複数のフラットケーブル分岐体とを第1導体及び第2導体の端部で突き合わせ、複数の第1導体と複数の第2導体とを導通させるフラットケーブルの分岐構造であって、一方の面側が露出した第1導体の端部及び第2導体の端部の一方の面側に積層される接続シートを備え、この接続シートが、基材層と、この基材層の他方の面側に積層され、複数の第1導体及び複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプとを有する。【選択図】図2
Description
本発明は、フラットケーブルの分岐構造、分岐フラットケーブル及び分岐フラットケーブルの製造方法に関する。
電子機器内に収容される電子部品の電気的接続にフラットケーブルが従来から用いられている。このフラットケーブルは、平板状の複数の導体を2枚の絶縁フィルム間に挟んで絶縁被覆した柔軟なケーブルであるが、電子機器の設計によっては導体毎に必要長さが異なる場合がある。このような場合、特開平8−8508に示されるように導体間に長手方向の切断線を入れて分離した後、各導体の必要長さに合わせて不要な導体を絶縁フィルムごと切断除去して各導体の長さを調整することが一般に行われる。
しかし、従来のようにフラットケーブルの切断及び除去を行うと、除去した部分が廃棄ロスとなるため、フラットケーブルの製造コストが高止まりする原因となる。
本発明は、上記のような不都合に鑑みてなされたものであり、容易かつ確実にフラットケーブルを任意の長さの導体を有する分岐体に分岐することができるフラットケーブルの分岐構造、この分岐構造を有する分岐フラットケーブル及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有する複数のフラットケーブル分岐体とを第1導体及び第2導体の端部で突き合わせ、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とを導通させるフラットケーブルの分岐構造であって、
少なくとも一方の面側が露出した第1導体の端部及び第2導体の端部の一方の面側に積層される接続シートを備え、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプと
を有することを特徴とする。
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有する複数のフラットケーブル分岐体とを第1導体及び第2導体の端部で突き合わせ、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とを導通させるフラットケーブルの分岐構造であって、
少なくとも一方の面側が露出した第1導体の端部及び第2導体の端部の一方の面側に積層される接続シートを備え、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプと
を有することを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルであって、
上記フラットケーブル本体とフラットケーブル分岐体との突き合わせ部分に当該フラットケーブルの分岐構造を有することを特徴とする。
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルであって、
上記フラットケーブル本体とフラットケーブル分岐体との突き合わせ部分に当該フラットケーブルの分岐構造を有することを特徴とする。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルの製造方法であって、
互いに突き合わされかつ少なくとも一方の面側が露出した第1導体及び第2導体の一方の面側に接続シートを重畳する工程と、
上記第1導体、第2導体及び接続シートを熱圧着する工程とを有し、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプとを有することを特徴とする。
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルの製造方法であって、
互いに突き合わされかつ少なくとも一方の面側が露出した第1導体及び第2導体の一方の面側に接続シートを重畳する工程と、
上記第1導体、第2導体及び接続シートを熱圧着する工程とを有し、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプとを有することを特徴とする。
本発明のフラットケーブルの分岐構造は、容易かつ確実にフラットケーブルを任意の長さの導体を有する分岐体に分岐することができ、かつ接着強度及び電気的接続の信頼性に優れる。また、本発明の分岐フラットケーブルは、製造性及び接続信頼性に優れる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有する複数のフラットケーブル分岐体とを第1導体及び第2導体の端部で突き合わせ、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とを導通させるフラットケーブルの分岐構造であって、
少なくとも一方の面側が露出した第1導体の端部及び第2導体の端部の一方の面側に積層される接続シートを備え、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプと
を有することを特徴とする。
本発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有する複数のフラットケーブル分岐体とを第1導体及び第2導体の端部で突き合わせ、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とを導通させるフラットケーブルの分岐構造であって、
少なくとも一方の面側が露出した第1導体の端部及び第2導体の端部の一方の面側に積層される接続シートを備え、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプと
を有することを特徴とする。
当該フラットケーブルの分岐構造は、フラットケーブル本体の第1導体とフラットケーブル分岐体の第2導体とを端部で突き合わせて接続することで、フラットケーブルの導体の長さを任意に調整することができるため、廃棄ロスを抑えることができる。また、当該フラットケーブルの分岐構造は、この接続に第3導体及び導電性バンプを有する接続シートを用い、この第3導体及び導電性バンプによって第1導体及び第2導体を架け渡すように接続するため、容易かつ確実に第1導体と第2導体とを電気的に接続することができる。つまり、当該フラットケーブルの分岐構造は、フラットケーブル本体の第1導体とフラットケーブル分岐体の第2導体とを容易かつ確実に接続してフラットケーブルを分岐させることができる。
上記基材層が、絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層及び第3導体間に積層される接着剤層とを有するとよい。このように基材層が絶縁樹脂層及び第3導体間に積層される接着剤層を有することで、第3導体を容易かつ確実に基材層に積層し固定することができるため、当該フラットケーブルの分岐構造の接着強度及び電気的接続の信頼性を向上させることができる。
上記導電性バンプが導電性ペーストの印刷により形成されているとよい。このように導電性バンプを導電性ペーストの印刷により形成することで、容易かつ確実に、第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に導電性バンプを配設することができる。
上記フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体が突き合わせ端部で両面露出し、この第1導体及び第2導体の他方の面側に接着剤層を介して保護フィルムが被覆されているとよい。このように第1導体及び第2導体の他方の面側に保護フィルムを被覆することで、第1導体及び第2導体の絶縁被覆が容易に行えるため、当該フラットケーブルの分岐構造の形成が容易となると共に、保護フィルムに積層された接着剤層によって分岐構造の接着強度をより高めることができる。
上記接続シートの一方の面側に接着剤層を介して補強フィルムが被覆されているとよい。このように接続シートの一方の面側に補強フィルムを被覆することで、この補強フィルムにフラットケーブル本体、フラットケーブル分岐体及び接続シートを固定した状態で分岐構造の積層及び接着ができるため、当該フラットケーブルの分岐構造の形成が容易となると共に、補強フィルムに積層された接着剤層によって分岐構造の接着強度をより高めることができる。
上記第1導体及び第3導体の対向面間に配設される複数の導電性バンプ間と、上記第2導体及び第3導体の対向面間に配設される複数の導電性バンプ間とに接着剤が充填されているとよい。このように導電性バンプ間に接着剤を充填することで、当該フラットケーブルの分岐構造の接着強度をより高めることができるほか、導電性バンプの脱落を防止して導体間の電気的接続に対する信頼性を高めることができる。
また、別の本発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルであって、
上記フラットケーブル本体とフラットケーブル分岐体との突き合わせ部分に当該フラットケーブルの分岐構造を有することを特徴とする。
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルであって、
上記フラットケーブル本体とフラットケーブル分岐体との突き合わせ部分に当該フラットケーブルの分岐構造を有することを特徴とする。
当該分岐フラットケーブルは、当該フラットケーブルの分岐構造を有するため、上記接続シートを介してフラットケーブル本体の第1導体とフラットケーブル分岐体の第2導体とが容易かつ確実に接続される。そのため、当該分岐フラットケーブルは、廃棄ロスを抑えつつ、導体を任意の長さに調整できると共に、製造性及び信頼性に優れる。
また、さらに別の本発明は、
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルの製造方法であって、
互いに突き合わされかつ少なくとも一方の面側が露出した第1導体及び第2導体の一方の面側に接続シートを重畳する工程と、
上記第1導体、第2導体及び接続シートを熱圧着する工程とを有し、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプとを有することを特徴とする。
ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルの製造方法であって、
互いに突き合わされかつ少なくとも一方の面側が露出した第1導体及び第2導体の一方の面側に接続シートを重畳する工程と、
上記第1導体、第2導体及び接続シートを熱圧着する工程とを有し、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプとを有することを特徴とする。
当該分岐フラットケーブルの製造方法は、フラットケーブル本体の第1導体とフラットケーブル分岐体の第2導体とが電気的に接続された分岐フラットケーブルを容易かつ確実に得ることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るフラットケーブルの分岐構造の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
以下、本発明に係るフラットケーブルの分岐構造の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
図1〜4のフラットケーブル分岐構造1は、図5に示すストライプ状に配設される複数の第1導体2aを有するフラットケーブル本体2と、図6に示すストライプ状に配設される複数の第2導体3aを有する複数のフラットケーブル分岐体3とを第1導体2a及び第2導体3aの端部で突き合わせ、フラットケーブル本体2の複数の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の複数の第2導体3aとを導通させたものである。当該フラットケーブル分岐構造1は、図7に示す第1導体2aの端部及び第2導体3aの端部の裏面側に積層される接続シート4を備えている。また、第1導体2a及び第2導体3aの表面側に保護フィルム接着剤層5aを介して保護フィルム5が被覆され、接続シート4の裏面側に補強フィルム接着剤層6aを介して補強フィルム6が被覆されている。
<フラットケーブル本体>
フラットケーブル本体2はストライプ状に配設される複数の第1導体2aと、この第1導体2aの表面及び裏面側にフラットケーブル接着剤層2cを介して積層される絶縁フィルム2bとを有する。
フラットケーブル本体2はストライプ状に配設される複数の第1導体2aと、この第1導体2aの表面及び裏面側にフラットケーブル接着剤層2cを介して積層される絶縁フィルム2bとを有する。
第1導体2aは、ストライプ状に配設される平板状の導体であり、絶縁フィルム2bにフラットケーブル接着剤層2cを介して積層されている。この第1導体2aは、導電性を有する材料で形成可能であるが、一般的には例えば銅によって形成されている。
第1導体2aは、表面にメッキ処理が施され、表面にメッキ層(図示せず)が積層されている。このメッキ処理としては、錫メッキ又は銀メッキが好ましい。メッキ処理によって分岐作業時に露出した第1導体2aが破損すること等を防止することができる。
上記第1導体2aの平均厚さ(メッキ層を含む)の下限としては、10μmが好ましく、35μmがより好ましい。第1導体2aの平均厚さが上記下限未満の場合、導通性が不十分となるおそれがある。一方、第1導体2aの平均厚さ(メッキを除く)の上限としては、100μmが好ましく、60μmがより好ましい。第1導体2aの平均厚さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。
上記第1導体2aの平均幅(メッキ層を含む)の下限としては、0.1mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。第1導体2aの平均幅が上記下限未満の場合、導通性が不十分となるおそれがある。一方、第1導体2aの平均幅の上限としては、1mmが好ましく、0.8mmがより好ましい。第1導体2aの平均幅が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の幅が不要に大きくなるおそれがある。
上記第1導体2aの平均間隔(ピッチ)の下限としては、0.2mmが好ましく、0.3mmがより好ましい。第1導体2aの平均間隔が上記下限未満の場合、隣接する第1導体2a同士が接触するおそれがある。一方、第1導体2aの平均間隔の上限としては、6mmが好ましく、2mmがより好ましい。第1導体2aの平均間隔が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の幅が不要に大きくなるおそれがある。
絶縁フィルム2bは、可撓性及び電気絶縁性を有するシート状部材で構成されている。この絶縁フィルム2bとしては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの材料としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が好適に用いられる。
絶縁フィルム2bの軟化温度の下限としては、100℃が好ましく、110℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。絶縁フィルム2bの軟化温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の熱圧着時に絶縁フィルム2bが軟化して変形するおそれがある。一方、絶縁フィルム2bの軟化温度の上限としては、特に限定されないが、例えば200℃とすることができる。なお、軟化温度とは、JIS K7196(1991)に準拠して測定される軟化温度を意味する。
絶縁フィルム2bのガラス転移温度の下限としては、50℃が好ましく、60℃がより好ましく、65℃がさらに好ましい。絶縁フィルム2bのガラス転移温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の熱圧着後の絶縁フィルム2bの強度が不十分となるおそれがある。一方、絶縁フィルム2bのガラス転移温度の上限としては、特に限定されないが、例えば200℃とすることができる。なお、ガラス転移温度とは、JIS K7121(1987)に準拠して測定される中間点ガラス転移温度を意味する。
絶縁フィルム2bの平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。絶縁フィルム2bの平均厚さが上記下限未満の場合、絶縁フィルム2bの強度が不十分となるおそれがある。一方、絶縁フィルム2bの平均厚さの上限としては、40μmが好ましく、20μmがより好ましい。絶縁フィルム2bの平均厚さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。
上記フラットケーブル接着剤層2cを構成する接着剤としては、特に限定されるものではないが、柔軟性や耐熱性に優れたものが好ましく、かかる接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等などの各種の樹脂系の接着剤が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性で、かつ軟化温度及びガラス転移温度が絶縁フィルム2b及び後述する接続シート4の絶縁樹脂層4dよりも低いものが好ましい。
フラットケーブル接着剤層2cの軟化温度の下限としては、80℃が好ましく、90℃がより好ましく、100℃がさらに好ましい。フラットケーブル接着剤層2cの軟化温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の熱圧着時にフラットケーブル本体2が軟化して変形するおそれがある。一方、フラットケーブル接着剤層2cの軟化温度の上限としては、特に限定されないが、例えば200℃とすることができる。
フラットケーブル接着剤層2cのガラス転移温度の下限としては、50℃が好ましく、60℃がより好ましく、70℃がさらに好ましい。フラットケーブル接着剤層2cのガラス転移温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の熱圧着後の強度が不十分となるおそれがある。一方、フラットケーブル接着剤層2cのガラス転移温度の上限としては、特に限定されないが、例えば200℃とすることができる。
フラットケーブル接着剤層2cの平均厚さ(絶縁フィルム2b及び第1導体2a間の平均距離)の下限としては、5μmが好ましく、15μmがより好ましい。フラットケーブル接着剤層2cの平均厚さが上記下限未満の場合、絶縁フィルム2bと第1導体2aとの接着強度が不十分となるおそれがある。一方、フラットケーブル接着剤層2cの平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。フラットケーブル接着剤層2cの平均厚さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。
上記フラットケーブル本体2は、後述する接続シート4の第3導体4bと重ね合わさる領域(以下、重ね合わせ領域と呼称することがある)において、第1導体2aの第3導体4bとの対向面側が露出している。この第1導体2aが露出した重ね合わせ領域の裏面側に接続シート4が積層される。また、この重ね合わせ領域の第1導体2aは、接続シート4との重ね合わせにより、図2に示すように導体端部に向かって一度表面側に折れ曲がったあと、第3導体4bと略平行となるように再度折れ曲がって後述する導電性バンプ4cを介して第3導体4bに接続されている。
第1導体2aの露出部分の平均長さの上限としては、5mmが好ましく、2mmがより好ましい。第1導体2aの露出部分の平均長さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に長くなり、機械的強度が低下するおそれがある。一方、第1導体2aの露出部分の平均長さ下限としては、0.2mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。第1導体2aの露出部分の平均長さが上記下限未満の場合、第1導体2aと第3導体4bとの電気的接続が十分なされないおそれがある。
<フラットケーブル分岐体>
複数のフラットケーブル分岐体3は、それぞれストライプ状に配設される複数の第2導体3aと、この第2導体3aの表面及び裏面側にフラットケーブル接着剤層3cを介して積層される絶縁フィルム3bとを有する。第2導体3a、絶縁フィルム3b、及びフラットケーブル接着剤層3cは、それぞれ上記フラットケーブル本体2の第1導体2a、絶縁フィルム2b、及びフラットケーブル接着剤層2cと同様とすることができる。なお、各フラットケーブル分岐体3の第2導体3aの数は、第1導体2aの数よりも少なく、各フラットケーブル分岐体3の幅はフラットケーブル本体2の幅よりも小さい。
複数のフラットケーブル分岐体3は、それぞれストライプ状に配設される複数の第2導体3aと、この第2導体3aの表面及び裏面側にフラットケーブル接着剤層3cを介して積層される絶縁フィルム3bとを有する。第2導体3a、絶縁フィルム3b、及びフラットケーブル接着剤層3cは、それぞれ上記フラットケーブル本体2の第1導体2a、絶縁フィルム2b、及びフラットケーブル接着剤層2cと同様とすることができる。なお、各フラットケーブル分岐体3の第2導体3aの数は、第1導体2aの数よりも少なく、各フラットケーブル分岐体3の幅はフラットケーブル本体2の幅よりも小さい。
フラットケーブル分岐体3は、上記フラットケーブル本体2と同様、接続シート4の第3導体4bとの重ね合わせ領域において、両面側に絶縁フィルム及び接着剤層が積層されておらず、第2導体3aの第3導体4bとの対向面側が露出している。この第2導体3aが露出した重ね合わせ領域の裏面側に接続シート4が積層される。この重ね合わせ領域の第2導体3aは、長手方向に上記第1導体2aと対称の形状をしている。つまり、重ね合わせ領域の第2導体3aは第1導体2aと同様、接続シート4との重ね合わせにより、図2に示すように導体端部に向かって一度表面側に折れ曲がったあと、第3導体4bと略平行となるように再度折れ曲がって後述する導電性バンプ4cを介して第3導体4bの長手方向の第1導体2aが接続する側と反対側に接続されている。また、第2導体3aの露出部分の平均長さは、第1導体2aと同様とすることができる。
上述のように第1導体2a及び第2導体3aが折れ曲がって変形することで、第3導体4bによって架け渡すように第1導体2aと第2導体3aとが電気的に接続され、分岐構造が膨らむことを抑えて、当該フラットケーブル分岐構造1の薄型化及び平坦化に寄与する。
<接続シート>
接続シート4は、基材層4aと、この基材層4aの表面側に積層され、フラットケーブル本体2の複数の第1導体2a及び複数のフラットケーブル分岐体3の複数の第2導体3aのうち導通を図る複数対の端部間の裏面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体4bと、上記第1導体2a及び第2導体3aと第3導体4bとの対向面間に配設される複数の導電性バンプ4cとを有する。つまり、接続シート4は、基材層4aの表面にストライプ状に配設される複数の第3導体4bと、この第3導体4bの表面の両端部近傍に配設される複数の導電性バンプ4cとを有する。また、基材層4aは、絶縁樹脂層4dと、この絶縁樹脂層4d及び第3導体4b間に積層される接続シート接着剤層4eを有する。さらに、接続シート4は、第1導体2a及び第3導体4bの対向面間に配設される上記複数の導電性バンプ4c間と、第2導体3a及び第3導体4bの対向面間に配設される上記複数の導電性バンプ4c間とにバンプ間接着剤4fが充填されている。
接続シート4は、基材層4aと、この基材層4aの表面側に積層され、フラットケーブル本体2の複数の第1導体2a及び複数のフラットケーブル分岐体3の複数の第2導体3aのうち導通を図る複数対の端部間の裏面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体4bと、上記第1導体2a及び第2導体3aと第3導体4bとの対向面間に配設される複数の導電性バンプ4cとを有する。つまり、接続シート4は、基材層4aの表面にストライプ状に配設される複数の第3導体4bと、この第3導体4bの表面の両端部近傍に配設される複数の導電性バンプ4cとを有する。また、基材層4aは、絶縁樹脂層4dと、この絶縁樹脂層4d及び第3導体4b間に積層される接続シート接着剤層4eを有する。さらに、接続シート4は、第1導体2a及び第3導体4bの対向面間に配設される上記複数の導電性バンプ4c間と、第2導体3a及び第3導体4bの対向面間に配設される上記複数の導電性バンプ4c間とにバンプ間接着剤4fが充填されている。
上記基材層4aの絶縁樹脂層4dは、上記フラットケーブル本体2の絶縁フィルム2bと同様のものを用いることができる。また、絶縁樹脂層4dの平均厚さも上記フラットケーブル本体2の絶縁フィルム2bと同様とすることができる。
上記基材層4aの接続シート接着剤層4eは、上記フラットケーブル本体2のフラットケーブル接着剤層2cと同様とすることができる。なお、基材層4aの表面のうち、第3導体4bが配設されない領域にはこの接続シート接着剤層4eが表出している。
上記第3導体4bは、上記フラットケーブル本体2の第1導体2aと同様のものを用いることができる。また、第3導体4bの平均厚さ、平均幅及び平均ピッチも上記フラットケーブル本体2の第1導体2aと同様とすることができる。
上記第3導体4bの平均長さの上限としては、10mmが好ましく、5mmがより好ましい。第3導体4bの平均長さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に長くなり、機械的強度が低下するおそれがある。一方、上記第3導体4bの平均長さの下限としては、0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。第3導体4bの平均長さが上記下限未満の場合、第1導体2a及び第2導体3aと第3導体4bとの電気的接続が十分なされないおそれがある。
上記複数の導電性バンプ4cは、上記第1導体2a及び第2導体3aと第3導体4bとの対向面間、つまり上記重ね合わせ領域に配設されている。導電性バンプ4cの平面形状は特に限定されず、円形、矩形等の任意の形状にすることが可能である。また、導電性バンプ4cの表面側(第1導体2a及び第2導体3aとの対向面側)は凸形状となっていることが好ましい。このように導電性バンプ4cを凸形状とすることで、第1導体2a及び第2導体3aへの当接圧を高めてより確実に第1導体2a及び第2導体3aと導電性バンプ4cとを導通させることができる。
上記導電性バンプ4cの材質としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、導電性ペーストを好適に用いることができる。導電性ペーストを用いることで、導電性バンプ4cを容易かつ確実に接続シート4の第3導体4bの表面に形成することができ、また上記凸形状の導電性バンプ4cを形成することができる。
上記導電性ペーストとしては、金属粒子等の導電性粒子をバインダーに分散したものが使用できる。
上記金属粒子としては、例えば銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等を挙げることができ、これらを単体で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも優れた導電性を示す銀粉末、銀コート銅粉末、ハンダ粉末等が好ましい。銀粉末を用いた導電性ペーストとしては、例えば特開2007−66824号公報に開示される導電性ペーストを好適に用いることができる。
導電性バンプ4cを形成する導電性ペーストの導電性粒子の含有率の下限としては、40体積%が好ましく、45体積%がより好ましい。導電性粒子の含有率が上記下限未満の場合、導体間の電気的接続性が低下するおそれがある。一方、導電性バンプ4cを形成する導電性ペーストの導電性粒子の含有率の上限としては、95体積%が好ましく、85体積%がより好ましい。導電性ペーストの導電性粒子の含有率が上記上限を超える場合、導電性ペーストの流動性が低下し、導電性バンプ4cの形成が困難になるおそれがある。
上記バインダーとしては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも導電性ペーストの耐熱性を向上できる熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
導電性ペーストに用いるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型、F型、S型、AD型、ビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型、ナフタレン型、ノボラック型、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン型等のエポキシ樹脂や、高分子エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を挙げることができる。
また、上記バインダーは溶剤に溶解して使用することができる。この溶剤としては、例えばエステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。なお、導電性バンプ4cを導電性ペーストの印刷によって形成する場合、印刷性に優れた高沸点溶剤を用いることが好ましく、具体的にはカルビトールアセテートやブチルカルビトールアセテート等を用いることが好ましい。
さらに、上記バインダーには硬化剤を添加することができる。この硬化剤としては、例えばアミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、酸及び酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、第三アミノ類、イミダゾール類等を挙げることができる。
導電性ペーストには、上述した成分に加えて、増粘剤、レベリング剤等の助剤を添加することができる。また、導電性ペーストは、上記各成分を例えば三本ロールや回転攪拌脱泡機等により混合することで得ることができる。
上記導電性バンプ4cの導体長手方向の平均幅の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。導電性バンプ4cの導体長手方向の平均幅が上記下限未満の場合、第1導体2a又は第2導体3aとの導通性が不十分となるおそれがある。一方、導電性バンプ4cの導体長手方向の平均幅の上限としては、1.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。導電性バンプ4cの導体長手方向の平均幅が上記上限を超える場合、導通すべきでない第1導体2a又は第2導体3aと導電性バンプ4cとが導通してしまうおそれや、各導体の周囲に充填される接着剤の減少によって当該フラットケーブル分岐構造1の接着強度が不十分となるおそれがある。また、導電性バンプ4cの材料費が不要に高くなる。
導電性バンプ4cの導体短手方向(幅方向)の幅は、第3導体4bの平均幅と略同じとすることが好ましい。つまり、導電性バンプ4cの導体短手方向の平均幅は、第3導体4bの平均幅の80%以上100%以下とすることが好ましい。導電性バンプ4cの導体短手方向の平均幅が上記下限未満の場合、第1導体2a又は第2導体3aとの導通性が不十分となるおそれがある。一方、導電性バンプ4cの導体短手方向の平均幅が上記上限を超える場合、導通すべきでない第1導体2a又は第2導体3aと導電性バンプ4cとが導通してしまうおそれがある。
上記導電性バンプ4cの平均高さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。導電性バンプ4cの平均高さが上記下限未満の場合、第1導体2a又は第2導体3aとの導通性が不十分となるおそれがある。一方、導電性バンプ4cの平均高さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。導電性バンプ4cの平均高さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。なお、導電性バンプ4cの平均高さとは、導電性バンプ4cの最大高さの平均を意味する。
バンプ間接着剤4fは、基材層4a表面(絶縁樹脂層4d表面)の上記導電性バンプ4c間及び導電性バンプ4cと基材層4aの幅方向端面との間に充填されている。このバンプ接着剤4fとしては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。またバンプ間接着剤4fに用いる接着剤は、上記絶縁樹脂層4dよりも軟化温度及びガラス転移温度が低いものが好ましい。
なお、バンプ間接着剤4fには、印刷時の視認性を高め、例えばカメラによるアライメントを容易にできるように顔料等の着色剤を添加してもよい。
バンプ間接着剤4fの軟化温度の上限としては、150℃が好ましく、140℃がより好ましく、130℃がさらに好ましい。バンプ間接着剤4fの軟化温度が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の熱圧着時の温度を高くするする必要があるため生産性が低下するおそれがある。一方、バンプ間接着剤4fの軟化温度の下限としては、50℃が好ましく、60℃がより好ましい。バンプ間接着剤4fの軟化温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の耐熱性(高温での強度維持性)が不十分となるおそれがある。
バンプ間接着剤4fのガラス転移温度の上限としては、130℃が好ましく、120℃がより好ましく、110℃がさらに好ましい。バンプ間接着剤4fのガラス転移温度が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の接着強度が不十分となるおそれがある。一方、バンプ間接着剤4fのガラス転移温度の下限としては、−20℃が好ましく、−10℃がより好ましい。バンプ間接着剤4fのガラス転移温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の耐熱性(高温での強度維持性)が不十分となるおそれがある。
バンプ間接着剤4fの充填方法は特に限定されないが、例えば上記樹脂を溶剤に溶かして上記導電性バンプ4c間及び導電性バンプ4cと基材層4aの幅方向端面との間に印刷する方法を用いることができる。この溶剤としては印刷時に目詰まりを起こさないように沸点の高いものが好ましく、例えばイソホロン、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセテート、シクロヘキサン等を用いることができる。
バンプ間接着剤4fの平均厚さの上限としては、40μmが好ましく、30μmがより好ましい。接続シート接着剤層4eの平均厚さが上記上限を超える場合、導電性バンプ4cによる導体間の電気的接続性が低下するおそれや、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。一方、バンプ間接着剤4fの平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。バンプ間接着剤4fの平均厚さが上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の接着強度が不十分となるおそれがある。
バンプ間接着剤4fの表面は、導電性バンプ4cの表面よりも裏面側(低い位置)にあることが好ましい。バンプ間接着剤4f表面から導電性バンプ4c表面までの平均距離の下限としては、1μmが好ましく、8μmがより好ましい。バンプ間接着剤4f表面から導電性バンプ4c表面までの平均距離が上記下限未満の場合、導電性バンプ4cと第1導体2a又は第2導体3aとの間に接着剤が入り込んで第1導体2a及び第2導体3aとの導通性が不十分となるおそれがある。一方、バンプ間接着剤4f表面から導電性バンプ4c表面までの平均距離の上限としては、15μmが好ましく、12μmがより好ましい。バンプ間接着剤4f表面から導電性バンプ4c表面までの平均距離が上記上限を超える場合、導電性バンプ4cの周囲に接着剤が十分に充填されず、当該フラットケーブル分岐構造1の接着強度が不十分となるおそれがある。なお、バンプ間接着剤4f表面から導電性バンプ4c表面までの平均距離とは、バンプ間接着剤4fの最も表面側の点から隣接する導電性バンプ4cの最も表面側の点までの垂直距離の平均値である。
バンプ間接着剤4fの導体長手方向の平均幅は、上記導電性バンプ4cと同様とすることができる。また、バンプ間接着剤4fは、導電性バンプ4cの導体幅方向に隣接するように第3導体4bの表面にも積層されていることが好ましい。このように第3導体4bの表面にもバンプ間接着剤4fを積層することで、導電性バンプ4cの脱落をより確実に防止することができる。
<接続シートの製造方法>
接続シート4は、例えば以下の方法で製造することができる。
接続シート4は、例えば以下の方法で製造することができる。
まず、基材層4a(絶縁樹脂層4dの表面に接続シート接着剤層4eを積層したもの)の表面に複数の第3導体4bをストライプ状に積層した積層体を得る。この積層体は、フラットケーブルの製造工程から一方の面の絶縁フィルムを積層する工程を省いて得られるものであり、フラットケーブルの製造設備を用いて得ることが可能である。
次に、この積層体の複数の第3導体4bの長手方向両端付近に導電性ペーストを印刷して各第3導体4bに導電性バンプ4cを2つずつ形成する。この導電性ペーストの印刷方法としては特に限定されず、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷等を用いることができる。また、導電性ペーストを印刷後、例えば70〜90℃の温度で10〜60分程度乾燥させることが好ましい。なお、導電性バンプ4cを第3導体4bの端部に近づけすぎると上述した第1導体2a及び第2導体3aの折れ曲がり構造の途中で接続することとなり、導通性が低下するおそれがあるため、導電性バンプ4cは第3導体4bの端部より離間して形成することが好ましい。
導電性バンプ4cの形成後、バンプ間接着剤4fを基材層4a表面における導電性バンプ4c間及び導電性バンプ4cと基材層4aの幅方向端面との間に印刷する。このバンプ間接着剤4fの印刷方法は、上記導電性ペーストの印刷方法と同様とすることができる。また、バンプ間接着剤4fを印刷後、例えば70〜90℃の温度で10〜60分程度乾燥させることが好ましい。
<保護フィルム>
保護フィルム5は、保護フィルム接着剤層5aを介して、第1導体2a及び第2導体3aの表面側に積層される絶縁性のフィルムである。
保護フィルム5は、保護フィルム接着剤層5aを介して、第1導体2a及び第2導体3aの表面側に積層される絶縁性のフィルムである。
保護フィルム5の材質としては、上記フラットケーブル本体2の絶縁フィルム2bと同様のものを用いることができる。また、保護フィルム5の平均厚さも上記フラットケーブル本体2の絶縁フィルム2bと同様とすることができる。
保護フィルム接着剤層5aの材質及び平均厚さは、上記フラットケーブル本体2のフラットケーブル接着剤層2cと同様とすることができる。なお、保護フィルム接着剤層5aは、軟化温度及びガラス転移温度が上記接続シート4の絶縁樹脂層4dよりも低いことが好ましい。
保護フィルム接着剤層5aの軟化温度の上限としては、150℃が好ましく、140℃がより好ましく、130℃がさらに好ましい。保護フィルム接着剤層5aの軟化温度が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の熱圧着時の温度を高くするする必要があるため生産性が低下するおそれがある。一方、保護フィルム接着剤層5aの軟化温度の下限としては、50℃が好ましく、60℃がより好ましい。保護フィルム接着剤層5aの軟化温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の耐熱性(高温での強度維持性)が不十分となるおそれがある。
保護フィルム接着剤層5aのガラス転移温度の上限としては、130℃が好ましく、120℃がより好ましく、110℃がさらに好ましい。保護フィルム接着剤層5aのガラス転移温度が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の接着強度が不十分となるおそれがある。一方、保護フィルム接着剤層5aのガラス転移温度の下限としては、−20℃が好ましく、−10℃がより好ましい。保護フィルム接着剤層5aのガラス転移温度が上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の耐熱性(高温での強度維持性)が不十分となるおそれがある。
第1導体2aの表面から保護フィルム5の裏面までの最小距離の上限としては、50μmが好ましく、35μmが好ましい。第1導体2aの表面から保護フィルム5の裏面までの最小距離が上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。一方、第1導体2aの表面から保護フィルム5の裏面までの最小距離の下限としては、3μmが好ましく、5μmが好ましい。第1導体2aの表面から保護フィルム5の裏面までの最小距離が上記下限未満の場合、接着剤の充填量が小さくなるため、当該フラットケーブル分岐構造1の接着強度が不十分となるおそれがある。
<補強フィルム>
補強フィルム6は、補強フィルム接着剤層6aを介して、接続シート4の裏面側に積層される絶縁性のフィルムである。
補強フィルム6は、補強フィルム接着剤層6aを介して、接続シート4の裏面側に積層される絶縁性のフィルムである。
補強フィルム6の材質としては、上記フラットケーブル本体2の絶縁フィルム2bと同様のものを用いることができる。
補強フィルム6の平均厚さの下限としては、100μmが好ましく、200μmがより好ましい。補強フィルム6の平均厚さが上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の圧着前における接続シート4等の仮止めがし難くなるおそれや、当該フラットケーブル分岐構造1の補強効果が十分に得られないおそれがある。一方、補強フィルム6の平均厚さの上限としては、400μmが好ましく、300μmがより好ましい。補強フィルム6の平均厚さが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1が不要に厚くなるおそれがある。
補強フィルム6の導体長手方向長さは、上記接続シート4の導体長手方向長さよりも大きい。これにより、補強フィルム6の表面(補強フィルム接着剤層6aの表面)に接続シート4、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3を固定して、熱圧着前にこれらの位置決めを容易かつ確実に行うことができる。
補強フィルム6とフラットケーブル本体2又はフラットケーブル分岐体3との積層領域の導体長手方向長さDの下限としては、1mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。上記積層領域の導体長手方向長さDが上記下限未満の場合、当該フラットケーブル分岐構造1の圧着前におけるフラットケーブル本体2又はフラットケーブル分岐体3の仮止めがし難くなるおそれや、当該フラットケーブル分岐構造1の補強効果が十分に得られないおそれがある。一方、補強フィルム6とフラットケーブル本体2又はフラットケーブル分岐体3との積層領域の導体長手方向長さDの上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。上記積層領域の導体長手方向長さDが上記上限を超える場合、当該フラットケーブル分岐構造1の厚肉部分(補強部分)が必要以上に増加するおそれがある。
補強フィルム接着剤層6aの材質及び平均厚さは、上記フラットケーブル本体2のフラットケーブル接着剤層2cと同様とすることができる。
<利点>
当該フラットケーブル分岐構造1は、フラットケーブル本体2の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の第2導体3aとを端部で突き合わせて接続することで、フラットケーブルの導体の長さを任意に調整することができるため、廃棄ロスを抑えることができる。また、当該フラットケーブル分岐構造1は、この接続に第3導体4b及び導電性バンプ4cを有する接続シート4を用い、この第3導体4b及び導電性バンプ4cによって第1導体2a及び第2導体3aを架け渡すように接続するため、容易かつ確実に第1導体2aと第2導体3aとを電気的に接続することができる。つまり、当該フラットケーブル分岐構造1は、フラットケーブル本体2の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の第2導体3aとを容易かつ確実に接続してフラットケーブルを分岐させることができる。
当該フラットケーブル分岐構造1は、フラットケーブル本体2の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の第2導体3aとを端部で突き合わせて接続することで、フラットケーブルの導体の長さを任意に調整することができるため、廃棄ロスを抑えることができる。また、当該フラットケーブル分岐構造1は、この接続に第3導体4b及び導電性バンプ4cを有する接続シート4を用い、この第3導体4b及び導電性バンプ4cによって第1導体2a及び第2導体3aを架け渡すように接続するため、容易かつ確実に第1導体2aと第2導体3aとを電気的に接続することができる。つまり、当該フラットケーブル分岐構造1は、フラットケーブル本体2の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の第2導体3aとを容易かつ確実に接続してフラットケーブルを分岐させることができる。
また、当該フラットケーブル分岐構造1は、接続シート4の基材層4aが、絶縁樹脂層4dとこの絶縁樹脂層4d及び第3導体4b間に積層される接続シート接着剤層4eとを有するため、第2導体3aの表面側に積層され、各導体を被覆する保護フィルム5を確実に接着できるため、接着強度がより向上する。
さらに、当該フラットケーブル分岐構造1は、フラットケーブル本体2の複数の第1導体2a及び複数のフラットケーブル分岐体3の複数の第2導体3aが突き合わせ端部で両面露出し、第1導体2a及び第2導体3aの表面側に保護フィルム接着剤層5aを介して保護フィルム5が被覆されているため、第1導体2a及び第2導体3aの絶縁被覆が容易に行える。
また、当該フラットケーブル分岐構造1は、接続シート4の裏面側に補強フィルム接着剤層6aを介して補強フィルム6が被覆されているため、この補強フィルム6にフラットケーブル本体2、フラットケーブル分岐体3及び接続シート4を固定した状態で分岐構造の安定した積層及び接着ができる。
さらに、当該フラットケーブルの分岐構造1は、導電性バンプ4c間にバンプ間接着剤4fが充填されているため、より高い接着強度を有するほか、導電性バンプ4cの脱落が防止され、導体間の電気的接続に対する信頼性が高い。
なお、当該フラットケーブル分岐構造1は、第1導体2a及び第2導体3aの本数やフラットケーブル分岐体3の数が変化しても、上記接続シート4の第3導体4bの数及び配置を適宜変更することで容易に対応することができる。
<分岐フラットケーブル>
当該フラットケーブル分岐構造1を有する分岐フラットケーブルは、フラットケーブル本体2の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の第2導体3aとが、接続シート4を介して接続されている。つまり、当該分岐フラットケーブルは、複数の第1導体2aを有するフラットケーブル本体2と、複数の第2導体3aを有する複数のフラットケーブル分岐体3と、第1導体2aの端部及び第2導体3aの端部の裏面側に積層される接続シート4と、第1導体2a及び第2導体3aの表面側を被覆する保護フィルム5と、接続シート4の裏面側を被覆する補強フィルム6とを備える。そのため、当該分岐フラットケーブルは、廃棄ロスを低減できると共に、製造性及び信頼性に優れる。
当該フラットケーブル分岐構造1を有する分岐フラットケーブルは、フラットケーブル本体2の第1導体2aと複数のフラットケーブル分岐体3の第2導体3aとが、接続シート4を介して接続されている。つまり、当該分岐フラットケーブルは、複数の第1導体2aを有するフラットケーブル本体2と、複数の第2導体3aを有する複数のフラットケーブル分岐体3と、第1導体2aの端部及び第2導体3aの端部の裏面側に積層される接続シート4と、第1導体2a及び第2導体3aの表面側を被覆する保護フィルム5と、接続シート4の裏面側を被覆する補強フィルム6とを備える。そのため、当該分岐フラットケーブルは、廃棄ロスを低減できると共に、製造性及び信頼性に優れる。
<分岐フラットケーブルの製造方法>
当該分岐フラットケーブルは、以下の工程を有する製造方法によって容易かつ確実に製造することができる。
(1)フラットケーブル本体2の第1導体2a及びフラットケーブル分岐体3の第2導体3aの端部の両面側を露出させる工程
(2)補強フィルム6の表面に接続シート4を積層する工程
(3)接続シート4に第1導体2a及び第2導体3aを積層する工程
(4)第1導体2a及び第2導体3aの第3導体4bとの対向面と反対側に保護フィルム5を積層する工程
(5)第1導体2a、第2導体3a、接続シート4、保護フィルム5及び補強フィルム6を熱圧着する工程
当該分岐フラットケーブルは、以下の工程を有する製造方法によって容易かつ確実に製造することができる。
(1)フラットケーブル本体2の第1導体2a及びフラットケーブル分岐体3の第2導体3aの端部の両面側を露出させる工程
(2)補強フィルム6の表面に接続シート4を積層する工程
(3)接続シート4に第1導体2a及び第2導体3aを積層する工程
(4)第1導体2a及び第2導体3aの第3導体4bとの対向面と反対側に保護フィルム5を積層する工程
(5)第1導体2a、第2導体3a、接続シート4、保護フィルム5及び補強フィルム6を熱圧着する工程
<(1)第1導体及び第2導体露出工程>
第1導体及び第2導体露出工程において、フラットケーブル本体2の端部の絶縁フィルム2bを剥離し、さらに第1導体2aの両面側の接着剤を除去する。これにより、第1導体2aの両面側を露出させる。同様の操作をフラットケーブル分岐体3に対しても行い、第2導体3aの両面側を露出させる。なお、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3の製造時に予め端部の導体が露出するよう絶縁フィルムを被覆させてもよい。また、第1導体及び第2導体露出工程は下記接続シート積層工程の後に行ってもよい。
第1導体及び第2導体露出工程において、フラットケーブル本体2の端部の絶縁フィルム2bを剥離し、さらに第1導体2aの両面側の接着剤を除去する。これにより、第1導体2aの両面側を露出させる。同様の操作をフラットケーブル分岐体3に対しても行い、第2導体3aの両面側を露出させる。なお、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3の製造時に予め端部の導体が露出するよう絶縁フィルムを被覆させてもよい。また、第1導体及び第2導体露出工程は下記接続シート積層工程の後に行ってもよい。
<(2)接続シート積層工程>
接続シート積層工程において、図8Aに示すように補強フィルム6の表面(補強フィルム接着剤層6aの表面)の長手方向中央部分に接続シート4を基材層4aが裏面側となるように積層し、仮止めする。
接続シート積層工程において、図8Aに示すように補強フィルム6の表面(補強フィルム接着剤層6aの表面)の長手方向中央部分に接続シート4を基材層4aが裏面側となるように積層し、仮止めする。
<(3)第1導体及び第2導体積層工程>
第1導体及び第2導体積層工程において、図8Bに示すように接続シート4の第3導体4bの両端部分表面に、導通させる第1導体2a及び第2導体3aを導電性バンプ4cを介して積層する。このとき、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3の絶縁フィルムの一部を補強フィルム6の表面(補強フィルム接着剤層6aの表面)に積層することで、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3を仮止めする。このとき、第1導体2a及び第2導体3aは上述したように2段階に折り曲げられ、第3導体4bがこれらの導体を架け渡すように第3導体4bと接続される。
第1導体及び第2導体積層工程において、図8Bに示すように接続シート4の第3導体4bの両端部分表面に、導通させる第1導体2a及び第2導体3aを導電性バンプ4cを介して積層する。このとき、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3の絶縁フィルムの一部を補強フィルム6の表面(補強フィルム接着剤層6aの表面)に積層することで、フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3を仮止めする。このとき、第1導体2a及び第2導体3aは上述したように2段階に折り曲げられ、第3導体4bがこれらの導体を架け渡すように第3導体4bと接続される。
<(4)保護フィルム積層工程>
保護フィルム積層工程において、第1導体2a及び第2導体3aの表面側に保護フィルム接着剤層5aを裏面に積層した保護フィルム5を積層する。
保護フィルム積層工程において、第1導体2a及び第2導体3aの表面側に保護フィルム接着剤層5aを裏面に積層した保護フィルム5を積層する。
熱圧着前の保護フィルム接着剤層5aの平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。熱圧着前の保護フィルム接着剤層5aの平均厚さが上記上限を超える場合、第1導体2a及び第2導体3aと導電性バンプ4cとの間に接着剤が入り込んでこれらの接続性が低下するおそれや、分岐フラットケーブルの分岐構造部分が不要に厚くなるおそれがある。一方、熱圧着前の保護フィルム接着剤層5aの平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。熱圧着前の保護フィルム接着剤層5aの平均厚さが上記下限未満の場合、熱圧着時の押し込み残量が不足し、つまり熱圧着時の押し込みによって導電性バンプ4cの周囲に接着剤が充填されず、分岐フラットケーブルの分岐構造部分の接着強度が不十分となるおそれがある。
<(5)熱圧着工程>
熱圧着工程において、第1導体2a、第2導体3a、接続シート4、保護フィルム5及び補強フィルム6の積層体を熱圧着する。具体的には、積層した保護フィルム5の表面に緩衝材を載置し、その上からヒートツールで熱圧着する。この緩衝材としては、熱圧着時に上記積層体の端部から漏出する接着剤が付着しない材質のものが好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン製のシートを用いることができる。
熱圧着工程において、第1導体2a、第2導体3a、接続シート4、保護フィルム5及び補強フィルム6の積層体を熱圧着する。具体的には、積層した保護フィルム5の表面に緩衝材を載置し、その上からヒートツールで熱圧着する。この緩衝材としては、熱圧着時に上記積層体の端部から漏出する接着剤が付着しない材質のものが好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン製のシートを用いることができる。
上記熱圧着工程における加熱温度としては、上記フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3の絶縁フィルム、接続シート4の絶縁樹脂層4d、並びに保護フィルム5の軟化温度以下、かつ接続シート4の接続シート接着剤層4e及びバンプ間接着剤4f、並びに保護フィルム接着剤層5aのガラス転移温度以上とすることが好ましく、上記フラットケーブル本体2及びフラットケーブル分岐体3の絶縁フィルム、接続シート4の絶縁樹脂層4d、並びに保護フィルム5のガラス転移温度以下、かつ接続シート4の接続シート接着剤層4e及びバンプ間接着剤4f、並びに保護フィルム接着剤層5aの軟化温度以上とすることがより好ましい。このように加熱温度を設定することで、各絶縁フィルムを抑えつつ、各接着剤を軟化させて各部材を確実に接着することができる。熱圧着工程における具体的な加熱温度としては、例えば50℃以上200℃以下とすることができる。
上記熱圧着工程における加圧荷重としては、例えば0.5MPa以上5MPa以下とすることができる。また、加圧時間としては、例えば1秒以上30秒以下とすることができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、フラットケーブル分岐体の数を2としたが、フラットケーブル本体に接続するフラットケーブル分岐体の数は1であってもよく、3以上であってもよい。また、1のフラットケーブル分岐体が有する第2導体の数は1であってもよく、3以上であってもよい。つまり、フラットケーブル本体の第1導体の数が4のとき、第2導体の数が1のフラットケーブル分岐体を4つ接続することもできるし、第2導体の数が2のフラットケーブルを1つと第2導体の数が1のフラットケーブル分岐体を2つ接続することもできるし、さらには第2導体の数が1のフラットケーブル分岐体を1つだけ接続し、残りの3つの第1導体には第2導体を接続せずに延長しないようにすることも可能である。なお、フラットケーブル本体に接続される全てのフラットケーブル分岐体の第2導体の総数は、フラットケーブル本体の第1導体の本数以下である。
また、接続シートにおいて、第3導体は接着剤を介さずに蒸着等の手段で基材層の絶縁樹脂層に直接積層されていてもよい。基材層の第3導体が積層されていない領域に接着剤層を積層することで、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、接続シートのバンプ間接着剤は必須の構成要件ではなく、バンプ間接着剤の充填は省略することも可能である。ただし、上述のように接着強度を高める観点及び導電性バンプの脱落を防止する観点から、バンプ間接着剤を充填することが好ましい。
また、フラットケーブル本体及びフラットケーブル分岐体の表面側(接続シートとの対向面と反対側)の絶縁フィルムを残しておいて保護フィルムの積層を省略することも可能である。
さらに、補強フィルムも必須の構成要件ではなく、補強フィルムがなくとも本発明の効果を奏するフラットケーブル分岐体を得ることが可能である。
なお、第1導体、第2導体及び第3導体へのメッキは必須のものではなく、メッキ層を有さない導体を用いてもよい。
本発明のフラットケーブルの分岐構造は、容易かつ確実にフラットケーブルを任意の長さの導体を有する分岐体に分岐することができ、かつ接着強度及び電気的接続の信頼性に優れる。また、本発明の分岐フラットケーブルは、製造性及び接続信頼性に優れる。
1 フラットケーブル分岐構造
2 フラットケーブル本体
2a 第1導体
2b 絶縁フィルム
2c フラットケーブル接着剤層
3 フラットケーブル分岐体
3a 第2導体
3b 絶縁フィルム
3c フラットケーブル接着剤層
4 接続シート
4a 基材層
4b 第3導体
4c 導電性バンプ
4d 絶縁樹脂層
4e 接続シート接着剤層
4f バンプ間接着剤
5 保護フィルム
5a 保護フィルム接着剤層
6 補強フィルム
6a 補強フィルム接着剤層
2 フラットケーブル本体
2a 第1導体
2b 絶縁フィルム
2c フラットケーブル接着剤層
3 フラットケーブル分岐体
3a 第2導体
3b 絶縁フィルム
3c フラットケーブル接着剤層
4 接続シート
4a 基材層
4b 第3導体
4c 導電性バンプ
4d 絶縁樹脂層
4e 接続シート接着剤層
4f バンプ間接着剤
5 保護フィルム
5a 保護フィルム接着剤層
6 補強フィルム
6a 補強フィルム接着剤層
Claims (8)
- ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有する複数のフラットケーブル分岐体とを第1導体及び第2導体の端部で突き合わせ、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とを導通させるフラットケーブルの分岐構造であって、
少なくとも一方の面側が露出した第1導体の端部及び第2導体の端部の一方の面側に積層される接続シートを備え、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプと
を有することを特徴とするフラットケーブルの分岐構造。 - 上記基材層が、絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層及び第3導体間に積層される接着剤層とを有する請求項1に記載のフラットケーブルの分岐構造。
- 上記導電性バンプが導電性ペーストの印刷により形成されている請求項1又は請求項2に記載のフラットケーブルの分岐構造。
- 上記フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体が突き合わせ端部で両面露出し、
この第1導体及び第2導体の他方の面側に接着剤層を介して保護フィルムが被覆されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載のフラットケーブルの分岐構造。 - 上記接続シートの一方の面側に接着剤層を介して補強フィルムが被覆されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフラットケーブルの分岐構造。
- 上記第1導体及び第3導体の対向面間に配設される複数の導電性バンプ間と、上記第2導体及び第3導体の対向面間に配設される複数の導電性バンプ間とに接着剤が充填されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のフラットケーブルの分岐構造。
- ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルであって、
上記フラットケーブル本体とフラットケーブル分岐体との突き合わせ部分に請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のフラットケーブルの分岐構造を有することを特徴とする分岐フラットケーブル。 - ストライプ状に配設される複数の第1導体を有するフラットケーブル本体と、ストライプ状に配設される1又は複数の第2導体を有し、この第2導体の端部が上記フラットケーブル本体の第1導体の端部に突き合わすよう配設される複数のフラットケーブル分岐体とを備え、フラットケーブル本体の複数の第1導体と複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体とが導通する分岐フラットケーブルの製造方法であって、
互いに突き合わされかつ少なくとも一方の面側が露出した第1導体及び第2導体の一方の面側に接続シートを重畳する工程と、
上記第1導体、第2導体及び接続シートを熱圧着する工程とを有し、
この接続シートが、
基材層と、
この基材層の他方の面側に積層され、フラットケーブル本体の複数の第1導体及び複数のフラットケーブル分岐体の1又は複数の第2導体のうち導通を図る複数対の端部間の一方の面側に架け渡されるように配設される複数の第3導体と、
上記第1導体及び第2導体と第3導体との対向面間に配設される複数の導電性バンプとを有することを特徴とする分岐フラットケーブルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013098018A JP2014220899A (ja) | 2013-05-07 | 2013-05-07 | フラットケーブルの分岐構造、分岐フラットケーブル及び分岐フラットケーブルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013098018A JP2014220899A (ja) | 2013-05-07 | 2013-05-07 | フラットケーブルの分岐構造、分岐フラットケーブル及び分岐フラットケーブルの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2014220899A true JP2014220899A (ja) | 2014-11-20 |
Family
ID=51938887
Family Applications (1)
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JP2013098018A Pending JP2014220899A (ja) | 2013-05-07 | 2013-05-07 | フラットケーブルの分岐構造、分岐フラットケーブル及び分岐フラットケーブルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014220899A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107039112A (zh) * | 2015-10-19 | 2017-08-11 | 住友电气工业株式会社 | 复合扁平电缆及复合扁平电缆的制造方法 |
KR20220048175A (ko) * | 2020-10-12 | 2022-04-19 | 장성기 | 플렉시블 플랫 케이블의 도체 도금 준비를 위한 연결구조 및 연결방법 |
-
2013
- 2013-05-07 JP JP2013098018A patent/JP2014220899A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102567788B1 (ko) * | 2020-10-12 | 2023-08-17 | 장성기 | 플렉시블 플랫 케이블의 도체 도금 준비를 위한 연결구조체 및 연결방법 |
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