JP6150649B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明は半導体装置に関し、特に、スイッチング動作におけるノイズの発生を抑制した半導体装置に関する。
炭化珪素(SiC)等のワイドバンドギャップ半導体を使用した半導体装置は、低損失で耐圧特性に優れていることが知られている。
すなわち、耐電圧が600V〜数千Vの範囲の半導体装置においては、従来のSiを用いた半導体装置ではバイポーラデバイスでないと充分にデバイス抵抗が低いものが得られなかった。それに対して、SiCを用いた半導体装置ではMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を始めとするユニポーラデバイスでも低いデバイス抵抗を実現できる。また、Siを用いたバイポーラデバイスでは伝導度変調による多量のキャリアが存在するが、SiCを用いたユニポーラデバイスでは多量のキャリアは存在しないため、スイッチング損失の大幅な低減が可能である。
ここで、電力変換においては、例えば特許文献1に開示されるように、MOSFETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチングデバイスとダイオードデバイスとを組み合わせた回路構成が用いられ、ダイオードデバイスとしてSiCを半導体材料として用いたダイオードが採用されている。
すなわち、スイッチングデバイスが従来のSiを用いたデバイスであっても、ダイオードデバイスについてはSiCを用いたショットキバリアダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)を採用することで高速スイッチングが可能となるが、浮遊インダクタンスを低減して高速スイッチングに適した構成となっていない場合には、浮遊インダクタンスとダイオードの容量に起因する電気的振動がスイッチングの際に生じることになる。
特表平11−510000号公報
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、スイッチングデバイスと組み合わせて使用するダイオードデバイスに、SiCのようなワイドバンドギャップ半導体を使用したSBDを採用した場合に、浮遊インダクタンスが比較的大きな場合であっても、スイッチング波形に振動波形が出現することを抑制した半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、スイッチングデバイスと、該スイッチングデバイスに対して逆並列に接続されたダイオードとを備える半導体装置であって、前記ダイオードは、第1導電型の半導体基板の第1の主面上に配設されたワイドバンドギャップ半導体によって構成される第1導電型の半導体層と、前記半導体層の上層部に選択的に配設された第2導電型の半導体領域と、前記半導体領域上を含む前記半導体層上に配設された第1の主電極と、前記第1の主電極とは反対側の前記半導体基板の第2の主面上に配設された第2の主電極とを備え、前記半導体領域と前記半導体層とが平面視で交互に配置され、前記第1の主電極は、前記半導体層とはショットキ接触し、前記半導体領域とは非線形な電流・電圧特性となるようにオーミック接触し、前記第1の主電極が前記半導体領域と接触している部分での電流・電圧特性が、動作電流範囲において飽和傾向であって、dI/dVが電圧とともに減少する傾向を示す
本発明に係る半導体装置によれば、スイッチング波形に振動波形が出現することを抑制し、ノイズの発生を低減できる。
本発明に係る半導体装置のうち、ダイオードの構成を説明する断面図である。 本発明に係る半導体装置のうち、スイッチングデバイスの構成を説明する断面図である。 本発明に係る半導体装置を含んだ回路構成を示す図である。 本発明に係る半導体装置を含んだ回路構成に対するデバイスシミュレーションから得られた結果を示す図である。 本発明に係る半導体装置を含んだ回路構成に対するデバイスシミュレーションから得られた結果を示す部分拡大図である。 本発明に係る半導体装置を含んだ回路構成に対するデバイスシミュレーションから得られた結果を示す図である。 本発明に係る半導体装置を含んだ回路構成に対するデバイスシミュレーションから得られた結果を示す部分拡大図である。 本発明に係る半導体装置を含んだ回路構成に対するデバイスシミュレーションから得られた、接触抵抗の違いによるコンタクト領域の電流・電圧特性の変化を示す図である。
<実施の形態>
<装置構成>
図1は本発明に係る半導体装置のうち、ダイオード100の構成を説明する断面図であり、SBDとpinダイオードと組み合わせたMPS(Merged Pin and Schottky)ダイオードを示している。
図1に示すダイオード100は、pinダイオード領域7とショットキ障壁ダイオード領域8とが交互に配置された構成であるが、図1においては1つのユニットのみを示しており、当該ユニットの構成を維持するのであればダイオード100の平面視形状は特に限定されない。例えば、当該ユニットが図1の紙面に対面する方向に延在する櫛形の平面視形状であっても良いし、当該ユニットが互いに直交する4方向に面するような4角形や、さらに多くの方向に面するような多角形の平面視形状であっても良い。
ダイオード100は、基板面方位を基本結晶面(basal plane)である(0001)面より数度傾けたオフ角(オフアングル)を有し、低抵抗のn型不純物、例えばN(窒素)やP(リン)などを含むn型の半導体基板1上に、耐圧を保持するための耐圧層としてn型のSiCのドリフト層2がエピタキシャル成長層として配設されている。
ドリフト層2は、厚さ4〜150μm、ドーピング濃度0.5×1015〜30×1015/cmとなるように形成される。
例えば、耐電圧600Vの場合は、ドリフト層2の厚さを4〜7μmとし、ドーピング濃度を1×1016〜3×1016/cmとし、耐電圧1200Vの場合は、ドリフト層2の厚さを8〜15μmとし、ドーピング濃度を5×1015〜15×1015/cmとする。
また、耐電圧1700Vの場合は、ドリフト層2の厚さを10〜20μmとし、ドーピング濃度を5×1015〜15×1015/cmとし、耐電圧3300Vの場合は、ドリフト層2の厚さを20〜35μmとし、ドーピング濃度を2×1015〜4.5×1015/cmとする。
また、耐電圧6500Vの場合は、ドリフト層2の厚さを50〜80μmとし、ドーピング濃度を0.8×1015〜2×1015/cmとし、耐電圧10000Vの場合は、ドリフト層2の厚さを100〜150μmとし、ドーピング濃度を0.5×1015〜1×1015/cmとする。
ドリフト層2の上層部には、p型不純物、例えばB(ホウ素)やAl(アルミニウム)などをドーピングして形成されたp型領域3が選択的に配設されている。p型領域3は、ドリフト層2の上方からイオン注入によりp型不純物を注入した後、活性化のための熱処理工程を行って形成される。
p型領域3は、厚さ0.5〜2μm、ドーピング濃度1×1017/cm〜1×1019/cmとなるように形成される。
そして、p型領域3が設けられたドリフト層2の主面上にはアノード電極5が配設され、その反対側となる半導体基板1の主面上にはカソード電極6が配設されている。
アノード電極5は、p型領域3に対してはオーミック電極として機能する材料で構成されている。なお、p型領域3の最表面についてはドーピング濃度が5×1018/cm〜500×1018/cmに高められた構成としても良い。
p型領域3が形成されない領域はSBDとして機能する。この領域はドリフト層2と同じドーピング濃度のままでも良いし、最表面を含む領域においてはドーピング濃度を高めた構成としても良い。ドーピング濃度を高める場合、ドリフト層2のエピタキシャル成長時に連続的に行っても良いし、エピタキシャル成長後にイオン注入によって形成しても良い。また、注入イオン種の活性化熱処理は一括して行っても良いし、それぞれの注入工程ごとに活性化熱処理を行っても良い。
なお、p型領域3への接触抵抗値、およびコンタクトとしての電流・電圧特性については、振動波形の抑制に関連するので詳細は後に説明するが、完全な線形の電流・電圧特性となるオーミック電極ではなく、非線形な電流・電圧特性となるような電流成分を含むオーミック電極における値となる。
アノード電極5は、例えばTi、Mo、Ni等で構成された場合は、ドリフト層2に対してはショットキ電極となるので、アノード電極5は1種類の金属層構造の電極に限らず、ドリフト層2との接触部とp型領域3との接触部とで異なった材料であっても良い。
アノード電極5がp型領域3と接触している領域がpinダイオード領域に相当し、その長さをpinダイオード領域幅Wpとする。なお、図1ではその半分のWp/2のみが示されている。アノード電極5がドリフト層2と接触している領域がショットキ障壁ダイオード領域に相当し、その長さをショットキ障壁ダイオード領域幅Wsとする。なお、図1ではその半分のWs/2のみが示されている。
pinダイオード領域幅Wpやショットキ障壁ダイオード領域幅Wsの値は、ドリフト層2のドーピング濃度や厚さによって異なるが、概略的に1〜150μmの範囲となる。
なお、図1はMPSダイオードの構成を示しているが、SBDの場合は図中の2つの一点鎖線の間のp型領域3が設けられていない構成が活性領域となる。
図2は、図1に示したダイオード100と組み合わせて用いるスイッチングデバイスであるMOSFET(ないしはIGBT)200の構成を説明する断面図である。
に示すようにMOSFET(ないしはIGBT)200は、破線で挟まれた領域で1つのユニットUTをなしている。ここで、MOSFET(ないしはIGBT)200は、ユニットUTの領域の長辺側の破線での折り返しを繰り返した断面形状をなし、ユニットUTの繰り返しピッチLHPは4〜10μm程度である。
なお、ユニットUTの形状を維持するのであればMOSFET(ないしはIGBT)200の平面視形状は特に限定されない。例えば、ユニットUTの断面形状が図2の紙面に対面する方向に延在する櫛形の平面視形状であっても良いし、ユニットUTの断面形状が互いに直交する4方向に面するような4角形や、さらに多くの方向に面するような多角形の平面視形状であっても良い。
図2に示す構成において、MOSFETではn型、IGBTではp型の低抵抗の半導体基板11上に、耐圧を保持するためのn型ドリフト層12が形成されている。
ドリフト層12にSiCを用いる場合、想定する耐電圧に応じた厚さおよびドーピング濃度は、組み合わせて用いるダイオード100と同様の値となる。
ドリフト層12の上層部には、イオン注入および活性化熱処理工程によって選択的に形成されたp型ウェル領域13が設けられている。また、p型ウェル領域13の上層部には、イオン注入および活性化熱処理工程によって選択的に形成されたn型ソース領域14が設けられている。n型ソース領域4は、深さ0.3〜0.7μm、ドーピング濃度5×1018〜50×1018/cmに設定される。
p型ウェル領域13のうち、n型ソース領域14の底面と対向する領域を底面ウェル領域13aと呼称し、図においては便宜的に他の領域と区別して示しているが、底面ウェル領域13aにおいては、想定する耐電圧と同じ電圧がソース−ドレイン間に印加された場合でも空乏化しないように、厚さ0.8〜1.5μm、ドーピング濃度7×1017〜20×1017/cmに設定される。
なお、想定する耐電圧によって底面ウェル領域13aの空乏化の状態は多少異なるが、デバイスの耐電圧を大きくするには、ドリフト層12のドーピング濃度をより小さい値とすれば良く、底面ウェル領域13aの厚さやドーピング濃度は耐電圧を考慮することなく、上記の範囲の厚さおよびドーピング濃度を用いることができる。
p型ウェル領域13のうち、ソース領域14が形成されず、p型ウェル領域13の下端部となる領域であってドリフト層12との接合に近い領域を下端部ウェル領域13bと呼称し、図2においては便宜的に他の領域と区別して示しているが、下端部ウェル領域13bは底面ウェル領域13aと同じドーピング濃度および厚さを有している。このような構成は、耐電圧の確保と、耐電圧印加時におけるゲート絶縁膜中の電界値の低減に有効である。
p型ウェル領域13のうち、チャネルとなる最表面を含むp型ウェル領域13の上端部となる領域を上端部ウェル領域13cと呼称し、図においては便宜的に他の領域と区別して示しているが、上端部ウェル領域13cにおいてはドーピング濃度を他の領域よりも低くした構成となっている。すなわち、上端部ウェル領域13cにおける実効アクセプタ濃度が、ゲート絶縁膜16と接する最表面で1×1016〜10×1016/cmとなるようなドーピングプロファイルになるように、p型ウェル領域13がイオン注入および活性化熱処理工程によって形成される。
また、ゲート絶縁膜16と接する最表面のドーピング濃度を下げることで、不純物による散乱が低減されて、チャネルにおけるキャリアの移動度が増加してデバイス抵抗を下げることができる。
なお、上端部ウェル領域13cのうち、チャネルが形成される最表面の長さがチャネル長(Lch)に相当し、その長さは0.3〜1μmである。
また、p型ウェル領域13のうち、ソース領域4が形成されず、下端部ウェル領域13bとは反対側にはコンタクトウェル領域13dが形成されている。コンタクトウェル領域13dの形成方法は、例えば、ドリフト層12の上層部にp型ウェル領域13を形成した後、p型ウェル領域13上から選択的にn型の不純物(窒素、リン等)をイオン注入してソース領域14を形成し、その後、選択的にp型の不純物(ボロン、アルミニウム等)をイオン注入する方法を採ることができる。この場合、コンタクトウェル領域31dのソース電極19と接する最表面のドーピング濃度が5×1018〜50×1018/cmとなるようにイオン注入を行うことが望ましい。なお、各半導体領域の形成順序は、この順に限定されるものではない。
例えば、p型ウェル領域13を上層部になればなるほどドーピング濃度が低くなるようにイオン注入を行って形成した後、ソース領域14を形成する部分のみが開口部となった注入マスクを用いてソース領域14をイオン注入により形成しても良い。
ドリフト層12中のp型ウェル領域13が形成されない領域であって、隣り合うp型ウェル領域間の領域はn型JFET(ジャンクションFET)領域15と呼称されドリフト層2の上層部に位置する。
n型JFET領域15の形成方法はドリフト層12のエピタキシャル成長時に、連続して形成しても良いし、ドリフト層12のエピタキシャル成長後に、ドリフト層12の上層部にn型不純物をイオン注入して形成しても良い。また、注入イオン種の活性化熱処理は一括して行っても良いし、それぞれの注入工程ごとに活性化熱処理を行っても良い。
上述した層構造の上にゲート絶縁膜16、ゲート電極17を形成してゲート部を作製する。
ゲート絶縁膜17はシリコン酸化膜もしくはシリコン酸化窒化膜等を、炭化珪素半導体を熱酸化や窒化することで形成しても良いし、CVD(化学気相成長)法等により堆積形成しても良いし、これらを併用しても良い。なお、ゲート絶縁膜17の厚さは、p型ウェル領域13のうち、チャネルが形成される上端部ウェル領域13c上において10〜100nmとなる厚さに形成する。
ゲート電極17は、多結晶シリコン膜や金属膜をCVD法やスパッタリング法により堆積形成することで得られる。なお、ゲート部以外の領域に形成されたゲート絶縁膜16およびゲート電極17は除去する。
そして、基板全面に渡るようにシリコン酸化膜等の層間絶縁膜18を形成した後、コンタクトウェル領域13dとその周囲のソース領域14のうちソース電極19の接触部となる領域の層間絶縁膜18を除去し、ソース電極19を形成する。
さらに、半導体基板1のドリフト層12が形成される側とは反対側の主面(裏面)上に、例えばスパッタリング法によりドレイン電極20を形成し、また、ソース電極19および層間絶縁膜18上にソース配線21を形成することで、スイッチングデバイス200を得ることができる。なお、ゲート電極17は、素子の外周部の層間絶縁膜18上に形成されるゲート電極パッド(図示せず)に電気的に接続されるが、ゲート電極パッドが形成される領域ではソース配線21は除去された構成となる。
なお、以上はスイッチングデバイス200としてSiC−MOSFETの場合を説明したが、Siを用いたIGBTでは基板の導電型が異なる他、プロセスにおいてゲート部の形成の後にウェル領域13やソース領域14を形成する点で異なる。
図3は、本発明に係る半導体装置、すなわち、図1に示したダイオード100と図2に示したスイッチングデバイス200との組み合わせを含んだ回路構成の一例を示した図である。
図3に示すように、電源24から電源電圧が与えられる電源線Pと、接地電位GNDに接続される電源線N間にスイッチングデバイス51および61が直列に接続されている。このスイッチングデバイス51および61が、図2に示したスイッチングデバイス200に相当する。スイッチングデバイス51および61の接続ノードは出力ノードとなり、当該出力ノードと電源線Pとの間には負荷インダクタンス55が接続されている。
そして、スイッチングデバイス51および61のそれぞれに、逆並列にダイオード52および62が接続されている。ダイオード52および62は、SBDまたはMPSダイオードであり、いわゆるフリーホイールダイオードとして機能する。
スイッチングデバイス51および61のそれぞれのゲートには、ゲート駆動系53および63が接続され、スイッチングデバイス51および61のオン、オフ制御を行う制御信号が与えられる構成となっている。ゲート駆動系53および63の内部構成は本発明との関係が薄いので簡略化して示しており、ゲート駆動系53では、ゲート抵抗531と制御信号源となる電源532を示し、ゲート駆動系63では、ゲート抵抗631と制御信号源となる電源632を示している。なお、電源532はスイッチングデバイス51および61の接続ノードの電位を基準とし、電源632は接地電位GNDを基準とする。
図3に示す回路において、電流がダイオード52と負荷インダクタンス55とを還流する状態から、ゲート駆動系63によりMOSFET61をターンオンさせた時の電流・電圧波形において振動波形が生じるか否かでノイズが発生するか否かが決まる。
<浮遊インダクタンスがスイッチング時に与える影響>
図4および図5は、図3に示す回路構成において、浮遊インダクタンスがスイッチング時の振動波形にどのように影響するかの検討における、デバイスシミュレーションの結果を示す図であり、スイッチングデバイス61をターンオンさせた時のダイオード52(SBDの場合)の電流波形を示した図である。
図4および図5においては、横軸を時間軸t(sec)とし、縦軸を電流密度I(A/cm)とし、図4における領域“A”を拡大したものが図5である。
ここでは、デバイス面積は0.1cmとし、電流値としては300A/cmの電流密度とし、浮遊インダクタンスが20nHの場合と50nHの場合について計算を行った。
図5に示されるように、浮遊インダクタンスが充分低減されている場合(20nHの場合)には、振動波形はそれほど顕著ではなく、時間経過により減衰するが、浮遊インダクタンスが大きい場合(50nHの場合)には振動波形が顕著であり、減衰しないことが判る。
次に、ダイオード52として、SBDを用いた場合とMPSを用いた場合とで、浮遊インダクタンスが大きい場合(50nHの場合)におけるダイオード52の電流波形を比較した結果を図6および図7に示す。
図6および図7においては、横軸を時間軸t(sec)とし、縦軸を電流密度I(A/cm)とし、図6における領域“B”を拡大したものが図7である。
図6および図7においては、SBDを用いた場合の電流波形と、MPSを用いた場合であって、接触抵抗ρが0Ωcmの場合、1.0×10−3Ωcmの場合および2.4×10−3Ωcmの場合の電流波形を示している。ここで、接触抵抗ρは、MPSダイオードにおけるアノード電極5のpin部のp型領域3への接触抵抗である。
図7より、MPSダイオードを用いた場合には、振動波形における振幅がSBDを用いた場合に比べて小さくなっていることが判る。
また、MPSダイオードにおける接触抵抗による振動波形への影響に注目すると、接触抵抗(ρ=0)が小さく理想的なオーミック接触をしている場合と比べて、接触抵抗が比較的大きい方が振動波形の振幅が小さいことが判る。
また、図7より、接触抵抗が大きくなればなるほど振幅が小さくなっているのではなく、接触抵抗が2.4×10−3Ωcmの場合よりも、1.0×10−3Ωcmの場合の方が、振幅が小さくなっていることが判る。
ここで、接触抵抗の違いによる電流・電圧特性の変化の様子を図8に示す。図8においては、横軸を電圧V(V)とし、縦軸を電流密度I(A/cm)とし、接触抵抗値は100A/cmの電流密度における値とする。そして、図に対して左側から順に、接触抵抗ρが0Ωcmの場合、2.6×10−5Ωcmの場合、8.2×10−5Ωcmの場合、3.5×10−4Ωcmの場合、1.0×10−3Ωcmの場合、2.4×10−3Ωcmの場合、6.6×10−3Ωcmの場合および1.5×10−2Ωcmの場合の電流・電圧特性を示している。
図8において、2.4×10−3Ωcmの場合と、1.0×10−3Ωcmの場合とを比較すると、1.0×10−3Ωcmの場合では動作電流の範囲(数10A/cmの密度)で飽和傾向となっているのに対して、2.4×10−3Ωcmの場合では飽和傾向を示した後、微分抵抗が電圧と共に低下する傾向となっていることが判る。
このような、電流・電圧特性が飽和傾向となるような接触抵抗としては、動作電流や、p型領域3の最表面のドーピング濃度によって多少異なるが、おおよそ3.0×10−4Ωcmから2.0×10−3Ωcmの範囲の接触抵抗である。
以上より、MPSダイオードを用いて、p型領域3のコンタクト部の電流・電圧特性が動作電流の範囲において飽和傾向となるように接触抵抗を調整することで、スイッチング時の振動波形の振幅を低減できるという知見を得た。
なお、飽和傾向とは、p型領域3のコンタクト部の電流・電圧特性の、想定する動作電流の範囲において、dI/dVが電圧とともに減少傾向(上に凸)であるということである。
また、図8において、1.0×10−4Ωcm未満(図中では8.2×10−5Ωcmを例示)においては電流・電圧特性が線形となり、1.0×10−4Ωcm以上(図中では3.5×10−4Ωcmを例示)においては電流・電圧特性が非線形となっていることが判る。
これらの知見と、図7より得られた接触抵抗が2.4×10−3Ωcmの場合よりも、1.0×10−3Ωcmの場合の方が、振幅が小さくなっているという知見とを考え合わせることで、コンタクト領域の電流・電圧特性に非線形成分を有し、かつ飽和傾向となるように接触抵抗を調整することで振動波形における振幅を小さくできるという結論を得ることができた。上記を総合すると、望ましい接触抵抗としては、1.0×10−4Ωcm以上、より望ましくは3.0×10−4Ωcm以上、1.0×10−3Ωcm以下の範囲である。
なお、所望の接触抵抗を実現するには、電極金属の種類や電極の下層のp型領域の製造方法によって異なるが、電極形成領域の表面のドーピング濃度と電極金属のSiCへの障壁高さとを適切に選択することによって実現することができる。
以上の説明においては、スイッチングデバイスと組み合わせて使用するダイオードとしてSiCを用いたダイオードを示したが、絶縁破壊強度の高い他のワイドバンドギャップ半導体であるGaNやZnOなどの酸化物半導体を用いたダイオードを使用する場合も本発明は適用可能である。
このようなワイドバンドギャップ半導体によって構成されるデバイスは、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、シリコン半導体に比べて小型化が可能であり、モジュール化した場合にも小型化が可能となる。
また、耐熱性も高いため、ヒートシンクの放熱フィンの小型化や、水冷ではなく空冷による冷却も可能となり、半導体装置モジュール全体の小型化が可能となる。
1,11 半導体基板、2,12 n型ドリフト層、3 p型領域、5 アノード電極、6 カソード電極、13 p型ウェル領域、13d コンタクトウェル領域、14 ソース領域、15 JFET領域、16 ゲート絶縁膜、17 ゲート電極、18 層間絶縁膜、19 ソース電極。

Claims (5)

  1. スイッチングデバイスと、該スイッチングデバイスに対して逆並列に接続されたダイオードとを備える半導体装置であって、
    前記ダイオードは、
    第1導電型の半導体基板の第1の主面上に配設されたワイドバンドギャップ半導体によって構成される第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の上層部に選択的に配設された第2導電型の半導体領域と、
    前記半導体領域上を含む前記半導体層上に配設された第1の主電極と、
    前記第1の主電極とは反対側の前記半導体基板の第2の主面上に配設された第2の主電極と、を備え、
    前記半導体領域と前記半導体層とが平面視で交互に配置され、
    前記第1の主電極は、
    前記半導体層とはショットキ接触し、前記半導体領域とは非線形な電流・電圧特性となるようにオーミック接触し、
    前記第1の主電極が前記半導体領域と接触している部分での電流・電圧特性が、動作電流範囲において飽和傾向であって、dI/dVが電圧とともに減少する傾向を示す、
    半導体装置。
  2. 前記第1の主電極と前記半導体領域との接触抵抗値は、1×10−4Ωcm以上である、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第1の主電極と前記半導体領域との接触抵抗値は、
    3.0×10−4Ωcm以上、2.0×10−3Ωcm以下の範囲である、請求項記載の半導体装置。
  4. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素である、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記スイッチングデバイスのゲートには、ゲート抵抗を介して制御信号が与えられる、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の半導体装置。
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