JP6150575B2 - 車両のスリップ量制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のスリップ量制御装置に関し、特に、車両の駆動輪のスリップ量を目標スリップ量にフィードバック制御する車両のスリップ量制御装置に関する。
近年、自動二輪車や自動四輪車等の車両の安定性をより高めるべく、車両の加速時に駆動輪のスリップ量を目標スリップ量にフィードバック制御する構成が、車両に採用されるようになってきている。
また、駆動輪のスリップ量は、駆動輪の回転速度と従動輪の回転速度との差や、駆動輪の回転速度と従動輪の回転速度との比等によって算出されることが一般的であり、車両の加速時に駆動輪のスリップ量を目標スリップ量にフィードバック制御する際には所定のフィードバックゲインを設定することが一般的である。
かかる状況下で、特許文献1は、スリップ制御装置に関し、駆動輪のスリップ量が目標スリップ量に近づくように車両の駆動力をフィードバック制御する構成を開示している。また、かかる構成では、駆動輪のスリップ量と目標スリップ量との差が増加中であるか又は減少中であるか等の事象に関係した駆動輪のスリップ量に影響するパラメータに基づいて、車両の駆動力を決定するためのフィードバックゲインが設定されている。
特許第2898161号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示するスリップ制御装置においては、フィードバック制御の開始後に検出されたスリップ量に影響するパラメータのみに基づいてフィードバックゲインが設定されている。
このため、かかる構成によれば、スリップ量に影響するパラメータに基づいて設定されたフィードバックゲインが、車両の駆動力に反映される時期がフィードバック制御の開始時点から大きく遅れる傾向にあり、スリップ量が目標スリップ量に収束するまでに多くの時間を要する傾向にあると考えられる。
つまり、現状では、フィードバック制御の開始後に駆動輪のスリップ量を速やかに目標スリップ量に収束させることが可能な車両のスリップ量制御装置が待望された状況にあると考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、フィードバック制御の開始後に駆動輪のスリップ量を速やかに目標スリップ量に収束させることが可能な車両のスリップ量制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成すべく、本発明は、車両の駆動輪及び従動輪の回転速度に基づいて前記車両のスリップ量を算出するスリップ量算出部と、前記スリップ量算出部によって算出された前記スリップ量が増加しながら所定の閾値に到達したとき、前記スリップ量が前記所定の閾値未満の目標スリップ量に収束するように前記車両の駆動力又は制動力をフィードバック制御する制御部と、を備える車両のスリップ量制御装置であって、前記制御部は、前記スリップ量が増加を開始してから前記所定の閾値に到達するまで又は到達した際の所定のタイミングで前記スリップ量に影響するパラメータを検出するパラメータ検出部と、前記パラメータ検出部によって検出された前記パラメータに基づいて前記フィードバック制御のフィードバックゲインを設定するゲイン設定変更部と、を備え、前記パラメータ検出部は、前記フィードバック制御が開始されるよりも前である前記所定のタイミングで前記パラメータを検出することを第1の局面とする。
また、本発明は、かかる第1の局面に加えて、前記パラメータは駆動力であることを第2の局面とする。
また、本発明は、かかる第2の局面に加えて、前記ゲイン設定変更部は、前記駆動力が大きいほど、前記フィードバックゲインを大きな値に設定することを第3の局面とする。
また、本発明は、かかる第1から第3の局面のいずれかの局面に加えて、前記所定のタイミングは、前記スリップ量が前記目標スリップ量に到達する目標スリップ量到達時刻を含むそれ以降の時刻と、前記スリップ量が前記閾値に到達する閾値到達時刻を含むそれ以前の時刻と、の間の期間内に設定されることを第4の局面とする。
また、本発明は、かかる第1から第4の局面のいずれかの局面に加えて、前記パラメータ検出部は、更に、前記フィードバック制御中に前記スリップ量が増加しながら前記目標スリップ量に到達したタイミングで前記パラメータを検出し、前記ゲイン設定変更部は、前記フィードバック制御中に前記スリップ量が増加しながら前記目標スリップ量に到達したタイミングで検出された前記パラメータに基づいて前記フィードバックゲインを変更して設定することを第5の局面とする。
本発明の第1の局面における車両のスリップ量制御装置によれば、パラメータ検出部が検出した駆動力等のパラメータが異なれば、スリップ量を目標スリップ量に速やかに収束させるフィードバックゲイン、すなわち収束性の良好なフィードバックゲインも異なることに着目し、ゲイン設定変更部が、パラメータ検出部の検出したパラメータに基づき、フィードバック制御のフィードバックゲインを設定することで、フィードバックゲインを収束性の良好な値に簡便かつ確実に設定することができる。更に、パラメータ検出部が、フィードバック制御が開始されるよりも前に、スリップ量が増加を開始してから所定の閾値に到達するまで又は到達した際の所定のタイミングで、スリップ量に影響するパラメータを検出するため、制御部が、フィードバック制御の開始前に検出されたパラメータをフィードバックゲインに反映させることができる。従って、制御部が、フィードバック制御を開始時から、収束性の良好なフィードバックゲインを適用することができるため、一層収束性を良好なものにすることができる。
また、本発明の第2の局面における車両のスリップ量制御装置によれば、パラメータ検出部にて駆動力をパラメータに設定することにより、制御部のフィードバック制御の開始前に検出されたよりスリップ量に関連する駆動力をフィードバックゲインに反映させることができる。
また、本発明の第3の局面における車両のスリップ量制御装置によれば、パラメータ検出部が検出した駆動力が大きいほど、スリップ量を目標スリップ量に速やかに収束させるフィードバックゲイン、すなわち収束性の良好なフィードバックゲインも大きなものとする必要があることに着目し、パラメータ検出部の検出した駆動力が大きいほど、フィードバックゲインを大きな値に設定することで、フィードバックゲインを収束性の良好な値に簡便かつ確実に設定することができる。
また、本発明の第4の局面における車両のスリップ量制御装置によれば、所定のタイミングが、前記スリップ量が前記目標スリップ量に到達する目標スリップ量到達時刻を含むそれ以降の時刻と、前記スリップ量が前記閾値に到達する閾値到達時刻を含むそれ以前の時刻と、の間の期間内に設定されることにより、スリップ量が目標スリップ量に到達してから所定の閾値に到達するまでの期間内のタイミングにおけるより正確なパラメータを、フィードバックゲインに反映させることができる
また、本発明の第5の局面における車両のスリップ量制御装置によれば、パラメータ検出部が制御部のフィードバック制御中に検出したパラメータが異なれば、収束性の良好なフィードバックゲインも異なることに着目し、パラメータ検出部が制御部のフィードバック制御中に検出したパラメータに基づき、フィードバックゲインを変更することで、フィードバックゲインを収束性のより良好な値へと簡便かつ確実に変更することができる。併せて、フィードバック制御を開始した後であっても、フィードバックゲインを収束性の良好な値に簡便かつ確実に変更することができることにもなる。
図1は、本発明の第1の実施形態における車両のスリップ量制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施形態における車両のスリップ量制御装置のスリップ量制御処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、本発明の第2の実施形態における車両のスリップ量制御装置のスリップ量制御処理の流れを示すフローチャートである。 図4は、本発明の第1の実施形態及び本発明の第2の実施形態における車両のスリップ量制御装置のスリップ量制御処理の具体例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の各実施形態における車両のスリップ量制御装置につき、詳細に説明する。
(第1の実施形態))
最初に、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態における車両のスリップ量制御装置につき、詳細に説明する。
図1は、本実施形態における車両のスリップ量制御装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態におけるスリップ量制御処理の流れを示すフローチャートである。
〔スリップ量制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施形態における車両のスリップ量制御装置の構成につき、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態における車両のスリップ量制御装置1は、図示を省略する自動二輪車等の車両に搭載され、ギアポジションセンサ2、クランク角センサ3、スロットル開度センサ4、駆動輪(後輪)回転速度センサ5、及び従動輪(前輪)回転速度センサ6が電気的に接続するECU(Electronic Control Unit)7を備えている。かかるECU7は、図示を各々省略する演算処理装置及びメモリを備え、詳細は後述するが、スロットルモータ駆動回路8及びスロットルモータ9の動作をフィードバック制御する。また、ギアポジションセンサ2、クランク角センサ3、スロットル開度センサ4、駆動輪(後輪)回転速度センサ5、従動輪(前輪)回転速度センサ6、ス
ロットルモータ駆動回路8及びスロットルモータ9は、いずれも車両の構成要素である。なお、本実施形態では、 駆動輪を後輪とし、かつ、従動輪を前輪として説明するが、車両の駆動態様としては、駆動輪を前輪とし、かつ、従動輪を後輪とするものであってもかまわない。
詳しくは、ギアポジションセンサ2は、車両の図示を省略する変速機のギアポジションを検出し、検出されたギアポジションを示す電気信号をECU7の駆動力(パラメータ)検出部74aに入力するものである。
クランク角センサ3は、車両の図示を省略する駆動源としての内燃機関であるエンジンのクランク角を検出し、検出されたクランク角を示す電気信号をECU7の回転速度算出部71に入力するものである。
スロットル開度センサ4は、車両を駆動するエンジンの図示を省略するスロットルバルブのスロットル開度THを検出し、検出されたスロットル開度THを示す電気信号をECU7の駆動力(パラメータ)検出部74aに入力するものである。但し、スロットル開度センサ4の代わりに、アクセル開度センサやグリップ開度センサ等のスロットルバルブの操作量を検出するセンサを用いてもよい。
駆動輪(後輪)回転速度センサ5は、車両の駆動輪(後輪)の回転速度Vrを検出し、検出された回転速度Vrを示す電気信号をスリップ量算出部73に入力するものである。
従動輪(前輪)回転速度センサ6は、車両の従動輪(前輪)の回転速度Vfを検出し、検出された回転速度Vfを示す電気信号をスリップ量算出部73に入力するものである。
ECU7は、回転速度算出部71、フィードバック制御開始判定部72、スリップ量算出部73、及びフィードバック制御部74を備える。フィードバック制御部74は、駆動力(パラメータ)検出部74a及びゲイン設定変更部74bを備えている。これら各部は、機能ブロックとして図示するが、その各々の機能については後述する。
スロットルモータ駆動回路8は、スロットルバルブのスロットル開度THがECU7のフィードバック制御部7から入力された目標スロットル開度THtになるように、スロットルバルブを駆動するスロットルモータ9を制御する。
スロットルモータ9は、スロットルモータ駆動回路8から入力された駆動信号に従って、スロットルバルブの開度を制御する。
以上の構成を有する車両のスリップ量制御装置1は、以下に示すスリップ量制御処理を実行することによって、フィードバック制御の開始後に駆動輪(後輪)のスリップ量を速やかに目標スリップ量に収束させる。
以下、図2に示すフローチャートをも参照して、本実施形態におけるスリップ量制御処理を実行する際の車両のスリップ量制御装置1の動作につき、詳細に説明する。
〔スリップ量制御処理〕
図2に示す本実施形態におけるスリップ量制御処理を実行するフローチャートは、ECU7が起動されたタイミングでメモリから読み出されて開始となり、スリップ量制御処理は、ステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、回転速度算出部71が、エンジンのクランク角を示す電気信
号をクランク角センサ3から読み込み、クランク角の変化速度からエンジンの回転速度NEを算出する。そして、回転速度算出部71は、算出されたエンジンの回転速度NEを示す電気信号を駆動力(パラメータ)検出部74aに入力する。これにより、ステップS1の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、スロットルバルブのスロットル開度THを示す電気信号をスロットル開度センサ4から読み込む。これにより、ステップS2の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、変速機のギアポジションを示す電気信号をギアポジションセンサ2から読み込む。これにより、ステップS3の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS1の処理において入力されたエンジンの回転速度NEを示す電気信号と、ステップS2の処理において読み込まれたスロットル開度THを示す電気信号と、ステップS3の処理において読み込まれた変速機のギアポジションを示す電気信号と、を用いて、車両の駆動力を算出する。これにより、ステップS4の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、スリップ量算出部73が、駆動輪(後輪)回転速度センサ5及び従動輪(前輪)回転速度センサ6から、各々、駆動輪の回転速度(後輪速)Vr及び従動輪の回転速度(前輪速)Vfを示す電気信号を読み込む。これにより、ステップS5の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS6の処理に進む。
ステップS6の処理では、スリップ量算出部73が、ステップS5の処理において読み込まれた駆動輪の回転速度(後輪速)Vr及び従動輪の回転速度(前輪速)Vfを示す電気信号を用いて、駆動輪の回転速度Vrと従動輪の回転速度Vfとの差を車両のスリップ量Sとして算出する。かかるスリップ量Sは、典型的には、駆動輪の回転速度Vrと従動輪の回転速度Vfとの差(Vr−Vf)の絶対値である。そして、スリップ量算出部73は、算出されたスリップ量Sを示す電気信号をフィードバック制御開始判定部72及びフィードバック制御部74に各々入力する。これにより、ステップS6の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS7の処理に進む。
ステップS7の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、ステップS6の処理において入力されたスリップ量Sが所定のフィードバック制御開始閾値(F/B開始閾値)以上であるか否かを判別する。かかるF/B開始閾値は、フィードバック制御開始判定部72がメモリに記憶されたものを読み出して用いる。判別の結果、スリップ量SがF/B開始閾値以上である場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS8の処理に進める。一方で、スリップ量SがF/B開始閾値未満である場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS11の処理に進める。かかる判別の結果のデータは、フィードバック制御開始判定部72によりメモリに記憶される。
ステップS8の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、フィードバック制御開始指示信号が前回のスリップ量制御処理から引き続きフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、を判別することによってスリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されているか否かを判別する。判別の結果、フィードバック制御開始信号が入力されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されていないと判断し、スリップ量制御処理をステップ
S9の処理に進める。一方で、フィードバック制御開始信号が入力されている場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量Sのフィードバック制御の実施が既に許可されていると判断し、スリップ量制御処理をステップS10の処理に進める。
ステップS9の処理では、駆動力(パラメータ検出部)74aが、ステップS4の処理において算出された車両の駆動力を最新の駆動力としてメモリに記憶する。これにより、ステップS9の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS10の処理に進む。
ステップS10の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、駆動輪のスリップ量Sが目標スリップ量に近づくように車両の駆動力をフィードバック制御することを許可するフィードバック制御開始指示信号を駆動力(パラメータ)検出部74aに入力する。これにより、ステップS10の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS17の処理に進む。かかる車両の駆動力をフィードバック制御することを許可するフィードバック制御開始指示信号は、それがフィードバック制御開始判定部72により停止されるまで、駆動力(パラメータ)検出部74aに入力され続ける。
一方で、ステップS7の処理で分岐したステップS11の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、車両の駆動力をフィードバック制御することを許可するフィードバック制御開始指示信号が前回のスリップ量制御処理から引き続きフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、つまり車両の駆動力をフィードバック制御することが許可されているか否かを判別する。判別の結果、前回のスリップ量制御処理において車両の駆動力をフィードバック制御することが許可されていた場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS12の処理に進める。一方で、前回のスリップ量制御処理において車両の駆動力をフィードバック制御することが許可されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS17の処理に進める。
ステップS12の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS6の処理においてスリップ量算出部73から入力されたスリップ量Sが目標スリップ量以上であるか否かを判別する。かかる目標スリップ量は、駆動力(パラメータ)検出部74aがメモリに記憶されたものを読み出して用いる。判別の結果、スリップ量Sが目標スリップ量以上である場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS13の処理に進める。一方で、スリップ量Sが目標スリップ量未満である場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS15の処理に進める。かかる判別の結果のデータは、駆動力(パラメータ)検出部74aによりメモリに記憶される。
ステップS13の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、前回のスリップ量制御処理におけるステップS12の処理においてスリップ量Sが目標スリップ量未満と判定されたか否かを、メモリに記憶されていた前回の判別結果のデータを読み出して判別する。判別の結果、前回の処理においてスリップ量Sが目標スリップ量未満と判定された場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS14の処理に進める。一方で、前回の処理においてスリップ量Sが目標スリップ量未満と判定されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS15の処理に進める。
ステップS14の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS4の処理において算出された車両の駆動力を最新の駆動力としてメモリに記憶する。これにより、ステップS14の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS15の処理に進む。
ステップS15の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、ステップS6の処理において入力されたスリップ量Sが所定のフィードバック制御終了閾値(F/B終了閾値)以下であるか否かを判別する。かかるF/B終了閾値は、フィードバック制御開始判定部72がメモリに記憶されたものを読み出して用いる。判別の結果、スリップ量SがF/B終了閾値以下である場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS16の処理に進める。一方で、スリップ量SがF/B終了閾値より大きい場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS17の処理に進める。
ステップS16の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、駆動力(パラメータ)検出部74aへのフィードバック制御開始指示信号の入力を行わないか、又は、フィードバック制御開始判定部72が、駆動力(パラメータ)検出部74aへのフィードバック制御開始指示信号の入力を継続している場合には、これを停止する。これにより、ステップS16の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS17の処理に進む。なお、本処理では、車両の駆動力をフィードバック制御することを許可しない旨のデータは、メモリに記憶されることはないが、必要に応じて記憶してもかまわない。
ステップS17の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS10の処理におけるフィードバック制御開始指示信号がフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、又はフィードバック制御開始指示信号が前回のスリップ量制御処理から引き続きフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、を判別することによってスリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されているか否かを判別する。判別の結果、フィードバック制御開始信号が入力されている場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されていると判断し、スリップ量制御処理をステップS18の処理に進める。一方で、フィードバック制御開始信号が入力されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されていないと判断し、スリップ量制御処理をステップS1の処理に戻す。
ステップS18の処理では、ゲイン設定変更部74bが、ステップS4、ステップS9及びステップS14の処理において駆動力(パラメータ)検出部74aが算出しメモリに記憶している最新の駆動力を読み出し、それに基づいてフィードバック制御のフィードバックゲイン(スリップ量Sが目標スリップ量に到達する速さを決めるゲイン)を算出する。ここで、ゲイン設定変更部74bは、駆動力の大きさに応じてフィードバックゲインの大きさを調整することによって、フィードバックゲインを収束性が良好な値に設定することができ、具体的には、駆動力が大きい程、フィードバックゲインを大きな値に設定することが、スリップ量Sを目標スリップ量に迅速に到達させることができるため好ましい。これにより、ステップS18の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS19の処理に進む。
ステップS19の処理では、フィードバック制御部74が、ステップS18の処理においてゲイン設定変更部74bが算出したフィードバックゲインを用いて、ステップS6の処理において入力された駆動輪のスリップ量Sが目標スリップ量に近づくように目標スロットル開度THtを算出する。かかる目標スリップ量は、フィードバック制御部74がメモリに記憶されていた値を呼び出して用いるものである。そして、スロットルモータ駆動回路8は、スロットルバルブのスロットル開度THが目標スロットル開度THtになるようにスロットルバルブを駆動するスロットルモータ9をフィードバック制御する。これにより、ステップS19の処理は完了し、今回のスリップ量制御処理は、ステップS1の処理に戻る。
なお、本実施形態では、典型的には、スロットルモータ9をフィードバック制御するための制御式における制御項である比例項、微分項、及び積分項の各々に対して共通のフィードバックゲインを用いるものであるが、これらの制御項に別々のフィードバックゲインを適用してもよいし、制御式が別の形式である場合には、それに応じた態様でフィードバックゲインを適用してもよい。
(第2の実施形態))
次に、更に図3をも参照して、本発明の第2の実施形態における車両のスリップ量制御装置につき、詳細に説明する。
図3は、本実施形態における車両のスリップ量制御装置のスリップ量制御処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態における車両のスリップ量制御装置の構成は、第1の実施形態における車両のスリップ量制御装置1の構成と同一である。また、本実施形態における車両のスリップ量制御装置のスリップ量制御処理におけるフローチャートの一部は、第1の実施形態におけるものと同一である。よって、本実施形態の説明では、第1の実施形態における車両のスリップ量制御装置1及びそのスリップ量制御処理から相違する点に着目し、同一な構成及びフローチャートについては、その説明を簡略化又は省略することとし、同一の構成要素には、同一の符号を用いながら、以下、図3に示すフローチャートをも参照して、本実施形態におけるスリップ量制御処理を実行する際の車両のスリップ量制御装置の動作につき、詳細に説明する。
〔スリップ量制御処理〕
図3に示すフローチャートは、ECU7が起動されたタイミングでメモリから読み出されて開始となり、スリップ制御処理は、ステップS21の処理に進む。ここで、ステップS21からステップS26の処理の内容は、図2に示すステップS1からステップS6の処理と同じ内容であるので、以下ではその説明を省略し、ステップS27の処理から説明を始める。
ステップS27の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS26の処理においてスリップ量算出部73から入力されたスリップ量Sが目標スリップ量以上であるか否かを判別する。かかる目標スリップ量は、駆動力(パラメータ)検出部74aがメモリに記憶されたものを読み出して用いる。判別の結果、スリップ量Sが目標スリップ量以上である場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS28の処理に進める。一方で、スリップ量Sが目標スリップ量未満である場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS30の処理に進める。かかる判別の結果のデータは、駆動力(パラメータ)検出部74aによりメモリに記憶される。
ステップS28の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、前回のスリップ量制御処理におけるステップS27の処理においてスリップ量Sが目標スリップ量未満と判定されたか否かを、メモリに記憶されていた前回の判別結果のデータを読み出して判別する。判別の結果、前回の処理においてスリップ量Sが目標スリップ量未満と判定された場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS29の処理に進める。一方で、前回の処理においてスリップ量Sが目標スリップ量未満と判定されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS30の処理に進める。
ステップS29の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS24の処理において算出された車両の駆動力を最新の駆動力としてメモリに記憶する。これにより、ステップS29の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS30の処理に進む。
ステップS30の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、ステップS26の処理において入力されたスリップ量Sが所定のフィードバック制御開始閾値(F/B開始閾値)以上であるか否かを判別する。かかるF/B開始閾値は、フィードバック制御開始判定部72がメモリに記憶されたものを読み出して用いる。判別の結果、スリップ量SがF/B開始閾値以上である場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS31の処理に進める。一方で、スリップ量SがF/B開始閾値未満である場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS32の処理に進める。かかる判別の結果のデータは、フィードバック制御開始判定部72によりメモリに記憶される。
ステップS31の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、駆動輪のスリップ量Sが目標スリップ量に近づくように車両の駆動力をフィードバック制御することを許可するフィードバック制御開始指示信号を駆動力(パラメータ)検出部74aに入力する。これにより、ステップS31の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS35の処理に進む。かかる車両の駆動力をフィードバック制御することを許可するフィードバック制御開始指示信号は、それがフィードバック制御開始判定部72により停止されるまで、駆動力(パラメータ)検出部74aに入力され続ける。
一方で、ステップS30の処理で分岐したステップS32の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、車両の駆動力をフィードバック制御することを許可するフィードバック制御開始指示信号が前回のスリップ量制御処理から引き続きフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、つまり車両の駆動力をフィードバック制御することが許可されているか否かを判別する。判別の結果、前回のスリップ量制御処理において車両の駆動力をフィードバック制御することが許可されていた場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS33の処理に進める。一方で、前回のスリップ量制御処理において車両の駆動力をフィードバック制御することが許可されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量制御処理をステップS35の処理に進める。
ステップS33の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、ステップS26の処理において入力されたスリップ量Sが所定のフィードバック制御終了閾値(F/B終了閾値)以下であるか否かを判別する。かかるF/B終了閾値は、フィードバック制御開始判定部72がメモリに記憶されたものを読み出して用いる。判別の結果、スリップ量SがF/B終了閾値以下である場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS34の処理に進める。一方で、スリップ量SがF/B終了閾値より大きい場合には、フィードバック制御開始判定部72は、スリップ量制御処理をステップS35の処理に進める。
ステップS34の処理では、フィードバック制御開始判定部72が、駆動力(パラメータ)検出部74aへのフィードバック制御開始指示信号の入力を行わないか、又は、フィードバック制御開始判定部72が、駆動力(パラメータ)検出部74aへのフィードバック制御開始指示信号の入力を継続している場合には、これを停止する。これにより、ステップS34の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS35の処理に進む。なお、本処理では、車両の駆動力をフィードバック制御することを許可しない旨のデータは、
メモリに記憶されることはないが、必要に応じて記憶してもかまわない。
ステップS35の処理では、駆動力(パラメータ)検出部74aが、ステップS31の処理におけるフィードバック制御開始指示信号がフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、又はフィードバック制御開始指示信号が前回のスリップ量制御処理から引き続きフィードバック制御開始判定部72により入力されているか否か、を判別することによってスリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されているか否かを判別する。判別の結果、フィードバック制御開始信号が入力されている場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されていると判断し、スリップ量制御処理をステップS36の処理に進める。一方で、フィードバック制御開始信号が入力されていない場合には、駆動力(パラメータ)検出部74aは、スリップ量Sのフィードバック制御の実施が許可されていないと判断し、スリップ量制御処理をステップS21の処理に戻す。
ステップS36の処理では、ゲイン設定変更部74bが、ステップS24及びステップS29の処理において駆動力(パラメータ)検出部74aが算出しメモリに記憶している最新の駆動力を読み出し、それに基づいてフィードバック制御のフィードバックゲイン(スリップ量Sが目標スリップ量に到達する速さを決めるゲイン)を算出する。ここで、ゲイン設定変更部74bは、駆動力の大きさに応じてフィードバックゲインの大きさを調整することによって、フィードバックゲインを収束性が良好な値に設定することができ、具体的には、駆動力が大きい程、フィードバックゲインを大きな値に設定することが、スリップ量Sを目標スリップ量に迅速に到達させることができるため好ましい。これにより、ステップS36の処理は完了し、スリップ量制御処理は、ステップS37の処理に進む。
ステップS37の処理では、フィードバック制御部74が、ステップS36の処理においてゲイン設定変更部74bが算出したフィードバックゲインを用いて、ステップS26の処理において入力された駆動輪のスリップ量Sが目標スリップ量に近づくように目標スロットル開度THtを算出する。かかる目標スリップ量は、フィードバック制御部74がメモリに記憶されていた値を呼び出して用いるものである。そして、スロットルモータ駆動回路8は、スロットルバルブのスロットル開度THが目標スロットル開度THtになるようにスロットルバルブを駆動するスロットルモータ9をフィードバック制御する。これにより、ステップS37の処理は完了し、今回のスリップ量制御処理は、ステップS21の処理に戻る。
なお、本発明の各実施形態におけるスリップ量制御処理においては、駆動力算出値を算出するタイミングは、スロットルバルブのスロットル開度THが目標スロットル開度THtになるようにスロットルバルブを駆動するスロットルモータ9をフィードバック制御する制御処理の開始前であればよく、具体的には、駆動力算出値を算出するタイミングは、スリップ量Sが目標スリップ量Stに到達する目標スリップ量到達時刻を含むその時刻以降とスリップ量Sが開始閾値Sthsに到達する閾値到達時刻を含むその時刻以前の間の期間内に設定されてもよい。
また、本発明の各実施形態におけるスリップ量制御処理においては、スリップ量に直接影響するパラメータとして駆動力を用いたが、それと組み合わせ又は単独に路面の摩擦係数、単位時間当たりのスリップ量の変化量、駆動力の変化量、車速や駆動輪速度の変化量、吸入空気量、燃料噴射量、エンジン回転数等の駆動力以外のスリップ量に影響するパラメータを用いてもよい。
また、本発明の各実施形態におけるスリップ量制御処理においては、より直接的なスロットル開度(駆動力)を制御することによってスリップ量をフィードバック制御したが、
それと組み合わせ又は単独にブレーキ操作量(制動力)を制御することによってスリップ量をフィードバック制御してもよいし、更に、スロットル開度やブレーキ操作量と組み合わせ又は単独にエンジンの点火時期制御、燃料噴射量制御等のその他の制御をすることによって加速力や減速力を制御してスリップ量をフィードバック制御してもよい。
また、本発明の各実施形態におけるスリップ量制御処理においては、スリップ量Sを、駆動輪の回転速度Vrと従動輪の回転速度Vfとの差(Vr−Vf)の絶対値として算出したが、駆動輪の回転速度Vrと従動輪の回転速度Vfとに基づけば、スリップ量Sは算出可能であり、例えば、スリップ量Sを、駆動輪の回転速度Vrと従動輪の回転速度Vfとの比として算出してもよい。
〔具体例〕
最後に、更に図4をも参照して、本発明の第1の実施形態において説明したスリップ量制御処理及び本発明の第2の実施形態において説明したスリップ量制御処理の具体例につき、詳細に説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態及び本発明の第2の実施形態における車両のスリップ量制御装置のスリップ量制御処理の具体例を示すタイミングチャートである。なお、時間軸t上の時刻t1からt6は、便宜上図4(a)に示すが、図4(b)及び図4(c)においてもかかる時刻は対応する。
本発明の第1の実施形態及び本発明の第2の実施形態におけるスリップ量制御処理では、図4(a)に示すように、時刻t=0にて、ECU7が起動されてスリップ量制御処理が開始された後、時刻t=t1にて、スリップ量Sが増加を開始した時刻t1からフィードバック制御の開始閾値Sthsに到達する時刻t3までの期間ΔT内の所定のタイミングで、図4(b)に示すように、駆動力算出値Tが求められ、図4(c)に示すように、算出された駆動力算出値Tに基づいて、スリップ量Sが開始閾値Sths未満である目標スリップ量Stに近づくような駆動力のフィードバック制御のフィードバックゲインGが設定される。
詳しくは、本発明の第1の実施形態におけるスリップ量制御処理では、時刻t=t3にて、スリップ量Sがフィードバック制御の開始閾値Sthsに到達したタイミングで算出された駆動力算出値T1(図4(b)参照)に基づいて、フィードバックゲインG1(図4(c)参照)が設定される。
一方で、本発明の第2の実施形態におけるスリップ量制御処理では、時刻t=t2にて、スリップ量Sが目標スリップ量Stに到達したタイミングで算出された駆動力算出値T1’(図4(b)参照)に基づいて、フィードバックゲインG1(図4(c)参照)が設定される。
但し、本発明の第1の実施形態及び本発明の第2の実施形態におけるスリップ量制御処理では、駆動力算出値を算出するタイミングは、スリップ量Sが目標スリップ量Stに到達する目標スリップ量到達時刻(時刻t=t2)とスリップ量Sが開始閾値Sthsに到達する閾値到達時刻(時刻t=t3)との間の期間内に設定されてもよい。
そして、本発明の第1の実施形態及び本発明の第2の実施形態におけるスリップ量制御処理では、スリップ量Sがフィードバック制御の開始閾値Sthsに到達したタイミング(時刻t=t3)で、設定されたフィードバックゲインに従ってスリップ量Sのフィードバック制御が実行される。これにより、図4(a)に示すように、スリップ量Sは目標スリップ量Stに向けて減少するように制御される。
以後、フィードバック制御を実行している間は、スリップ量Sが増加しながら目標スリップ量Stに到達したタイミング(時刻t=t4、及び時刻t=t5)において算出された駆動力算出値T2、T3(図4(b)参照)に基づいて、フィードバックゲインG2、G3(図4(c)参照)が変更、設定される。
ここで、フィードバックゲインG2の値は、フィードバックゲインG1の値よりも小さく設定され、フィードバックゲインG3の値は、フィードバックゲインG2の値よりも小さく設定されている。つまり、フィードバック制御を実行している間は、フィードバックゲインが、大きな値であるG1から小さな値であるG3へと段階的に更新される。このため、最初に大きなフィードバックゲインG1によって、スリップ量の目標スリップ量への到達を加速しつつ、小さなフィードバックゲインG3によって、スリップ量の目標スリップ量へのオーバーシュートの発生を抑制することができる。これにより、目標スリップ量へ収束するまでの時間を短縮することができる。
そして、スリップ量Sが終了閾値Sthe以下になったタイミング(時刻t=t6)でこのようなフィードバック制御は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の各実施形態における車両のスリップ量制御装置によれば、ゲイン設定変更部74bが、スリップ量Sが増加を開始してから閾値に到達するまで又は到達した際の所定のタイミングで検出された駆動力に基づいてフィードバック制御のフィードバックゲインを設定するので、フィードバック制御の開始時からフィードバックゲインを収束性の良好な値に設定し、フィードバック制御の開始後に駆動輪のスリップ量Sを速やかに目標スリップ量に収束させることができる。
また、本発明の各実施形態における車両のスリップ量制御装置によれば、ゲイン設定変更部74bが、フィードバック制御中にスリップ量Sが増加しながら目標スリップ量に到達したタイミングで検出されたパラメータに基づいてフィードバックゲインを変更して設定するので、フィードバック制御開始後もフィードバックゲインを収束性の良好な値に設定することができる。
なお、本発明は、構成要素の形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、かかる構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、フィードバック制御の開始後に駆動輪のスリップ量を速やかに目標スリップ量に収束させることが可能な車両のスリップ量制御装置を提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に自動二輪車や自動四輪車等の車両のスリップ量制御装置等の分野に適用され得るものと期待される。
1…車両のスリップ量制御装置
2…ギアポジションセンサ
3…クランク角センサ
4…スロットル開度センサ
5…駆動輪(後輪)回転速度センサ
6…従動輪(前輪)回転速度センサ
7…ECU
8…スロットルモータ駆動回路
9…スロットルモータ
71…回転速度算出部
72…フィードバック制御開始判定部
73…スリップ量算出部
74…フィードバック制御部
74a…駆動力(パラメータ)検出部
74b…ゲイン設定変更部

Claims (5)

  1. 車両の駆動輪及び従動輪の回転速度に基づいて前記車両のスリップ量を算出するスリップ量算出部と、前記スリップ量算出部によって算出された前記スリップ量が増加しながら所定の閾値に到達したとき、前記スリップ量が前記所定の閾値未満の目標スリップ量に収束するように前記車両の駆動力又は制動力をフィードバック制御する制御部と、を備える車両のスリップ量制御装置であって、
    前記制御部は、前記スリップ量が増加を開始してから前記所定の閾値に到達するまで又は到達した際の所定のタイミングで前記スリップ量に影響するパラメータを検出するパラメータ検出部と、前記パラメータ検出部によって検出された前記パラメータに基づいて前記フィードバック制御のフィードバックゲインを設定するゲイン設定変更部と、を備え
    前記パラメータ検出部は、前記フィードバック制御が開始されるよりも前である前記所定のタイミングで前記パラメータを検出することを特徴とする車両のスリップ量制御装置。
  2. 前記パラメータは駆動力であることを特徴とする請求項1に記載の車両のスリップ量制御装置。
  3. 前記ゲイン設定変更部は、前記駆動力が大きいほど、前記フィードバックゲインを大きな値に設定することを特徴とする請求項2に記載の車両のスリップ量制御装置。
  4. 前記所定のタイミングは、前記スリップ量が前記目標スリップ量に到達する目標スリップ量到達時刻を含むそれ以降の時刻と、前記スリップ量が前記閾値に到達する閾値到達時刻を含むそれ以前の時刻と、の間の期間内に設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両のスリップ量制御装置。
  5. 前記パラメータ検出部は、更に、前記フィードバック制御中に前記スリップ量が増加しながら前記目標スリップ量に到達したタイミングで前記パラメータを検出し、前記ゲイン設定変更部は、前記フィードバック制御中に前記スリップ量が増加しながら前記目標スリップ量に到達したタイミングで検出された前記パラメータに基づいて前記フィードバックゲインを変更して設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両のスリップ量制御装置。
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