JP6149342B2 - 糊付装置、製本装置 - Google Patents
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Description
しかし、このような糊付装置は、ドクタブレードの糊ローラの表面に対する位置が一定に設定されているため、特定の厚みの用紙束に対しては適量の糊を塗布することができたが、特定の厚みよりも厚い用紙束に糊を塗布する場合、用紙束の背部分に対して糊量が不足し、用紙束と表紙との接着不足を招く場合があった。
また、逆に、特定の厚みよりも薄い用紙束に糊を塗布する場合、用紙束の背部分に対して糊量が多すぎることとなり、糊が製本途中で用紙束から垂れたり、貼付する表紙を汚したりする場合があった。
第2の発明は、第1の発明の糊付装置において、前記用紙束(H)は、厚みの情報を記録した情報記録部(M)を備え、前記用紙束の前記情報記録部を検出する検出部(62)を備え、前記制御部(60)は、前記検出部が検出した前記情報記録部の厚みの情報に基づいて、前記ドクタ駆動部(25)を制御すること、を特徴とする糊付装置(20)である。
第3の発明は、第2の発明の糊付装置において、前記用紙束(H)の前記厚みの情報に対応した前記ドクタ刃(22c)の駆動量のデータテーブルを記憶する記憶部(61)を備え、前記制御部(60)は、前記記憶部に記憶する前記データテーブルに基づいて前記ドクタ駆動部(25)を制御すること、を特徴とする糊付装置(20)である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の製本装置1の全体構成を示す図である。
図2は、実施形態の背糊付装置20の概略を示す図である。
図2(a)は、背糊付装置20の斜視図である。
図2(b)は、背糊付装置20の動作を説明する図である。
図2(c)は、背糊付装置20のドクタブレード22の初期位置を説明する図である。
図3は、実施形態の製本装置1のブロック図である。
図1及び図3に示すように、製本装置1は、クランパ装置10、背糊付装置20、横糊付装置30、表紙貼付装置40、圧着装置50、制御部60、記憶部61、情報検出部62、用紙束搬入検出部63、用紙束搬出検出部64等を備える。
クランパ装置10は、厚みの異なる用紙束Hの両面側を挟み込んで保持し、保持した状態で用紙束Hを製本装置1内の各部に搬送する装置である。クランパ装置10は、不図示の搬送レールに複数設けられ、それぞれが搬送レール上を移動することにより、保持した用紙束Hを背糊付装置20、横糊付装置30、表紙貼付装置40、圧着装置50に順次搬送する。
固定クランプ部11は、用紙束Hの一方の面に面接触する板状の部材である。
可動クランプ部12は、用紙束Hの他方の面に面接触する板状の部材である。
クランパ駆動部13は、可動クランプ部12を固定クランプ部11に対して駆動するアクチュエータ等を備える。クランパ駆動部13は、制御部60に接続され、制御部60の出力信号に基づいて駆動する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、背糊付装置20は、背糊ローラ21、ドクタブレード22、背糊収容部23、ローラ駆動部24、ドクタ駆動部25、回転角度検出部26等を備える。
背糊ローラ21は、用紙束Hの背部分Bに糊Nを塗布する円柱状のローラであり、円柱の中心を軸として回転する。背糊ローラ21は、そのローラ面21a(円柱面)に糊Nを付着した状態で回転し、ローラ面21aがクランパ装置10に搬送される用紙束Hの背部分Bと接触することによって、背部分Bに糊Nを塗布する。背糊ローラ21は、ローラ駆動部24によって回転する。
ドクタ部22aは、本体部22bと結合する側とは反対側の端部に、円柱状の背糊ローラ21の高さとほぼ同等の幅寸法を有する刃先部22cが形成され、その刃先部22cがローラ面21a上の糊Nに接触することによって、ローラ面21a上から余分な糊Nを掻き出す。
本体部22bは、ドクタ部22aと結合する側とは反対側の端部に、軸体部22dが形成され、その軸体部22dにドクタ駆動部25が接続される。
ローラ駆動部24は、背糊ローラ21を回転させるサーボモータである。ローラ駆動部24は、その回転子が円柱状の背糊ローラ21の中心軸に接続される。ローラ駆動部24は、制御部60に接続され、制御部60から出力される駆動信号に基づいて回転する。
回転角度検出部26は、ドクタ駆動部25の回転角度を検出し、制御部60に検出信号を出力するフィードバック用のセンサである。回転角度検出部26は、例えばロータリーエンコーダである。
横糊ローラ31は、用紙束Hの横部分Cに糊Nを塗布する円柱状のローラであり、円柱の中心を軸として回転する。横糊ローラ31は、用紙束Hの表面及び裏面の横部分Cに対して糊Nを塗布するため、クランパ装置10によって搬送される用紙束Hを挟み込むようにして2台設置されている。横糊ローラ31は、用紙束Hを挟みこむようにして接触することで、用紙束Hの横部分Cに糊Nを塗布する。横糊ローラ31は、回転モータ34によって回転する。
横糊収容部33は、用紙束Hの横部分Cに塗布する糊Nを収容した容器であり、2台ある横糊ローラ31のそれぞれに対して設けられている。
回転モータ34は、横糊ローラ31を回転させるサーボモータである。回転モータ34は、その回転子が円柱状の横糊ローラ31の中心軸に接続される。回転モータ34は、制御部60に接続され、制御部60から出力される駆動信号に基づいて回転する。
ニッパ51は、クランパ装置10により搬送される用紙束Hの表面側及び裏面側にそれぞれ配置された部材である。ニッパ51は、用紙束Hの表面及び裏面を覆うようにして表紙Iを折り曲げる。また、ニッパ51は、不図示のヒータが設けられており、折り曲げた表紙Iの用紙束Hの横部分Cに重なる領域に対して、用紙束Hの表面側及び裏面側から圧力を加え、横部分Cに塗布された糊Nを溶融し、用紙束Hと表紙Iとを圧着する。
ニッパ駆動部53は、上述したように、表紙Iを折り曲げ、また、表紙Iを用紙束Hに圧着するようにニッパ51を駆動するアクチュエータ等を備える。ニッパ駆動部53は、制御部60に接続され、制御部60の出力信号に基づいて駆動する。
図3に示すように、制御部60は、クランパ装置10のクランパ駆動部13、背糊付装置20のローラ駆動部24、ドクタ駆動部25、回転角度検出部26、横糊付装置30の回転モータ34、表紙貼付装置40の表紙送り機構部41、圧着装置50のニッパ駆動部53、記憶部61、情報検出部62、用紙束搬入検出部63、用紙束搬出検出部64と接続される。
本実施形態では、記憶部61には、表1に示すように、紙の種類に応じた一枚当たりの厚みの情報のデータテーブルと、表2に示すように、用紙束Hの厚みに応じたドクタブレード22の回転角度θが段階的に規定されたデータテーブルとを記憶している。また、バーコードMには、厚みの情報として、用紙束Hに使用されている紙の種類とその枚数とが記録されている。
用紙束搬入検出部63は、製本装置1に供給された用紙束Hが、クランパ装置10の固定クランプ部11及び可動クランプ部12の間に配置されたか否かを検出するセンサである。用紙束搬入検出部63は、検出信号を制御部60に出力する。
用紙束搬出検出部64は、圧着装置50による表紙Iの圧着が完了した用紙束Hが、圧着装置50から搬出されたか否かを検出するセンサである。用紙束搬出検出部64は、検出信号を制御部60に出力する。
図1に示すように、製本装置1に厚みの異なる複数の用紙束Hが順次供給されると、制御部60は、情報検出部62によって、供給された用紙束HのバーコードMを検出する。そして、制御部60は、記憶部61からデータテーブルを参照し、用紙束Hの厚みの情報を演算して、それに応じた背糊付装置20のドクタブレード22の回転角度θを読み出す。例えば、読み出したバーコードMの情報が、A紙200枚、B紙50枚、C紙10枚、D紙5枚である場合、制御部60は、表1に示すデータテーブルに基づいて、用紙束Hの厚みが43mmであると計算する。そして、制御部60は、表2に示すデータテーブルに基づいて、ドクタブレード22の回転角度が32度であると読み出す。
背糊付装置20に用紙束Hが搬送されたら、制御部60は、糊Nが付着した背糊ローラ21を回転させて、ローラ面21a上に糊Nを付着させる。それから、制御部60は、記憶部61のデータテーブルから読み出した回転角度θに基づいて、ドクタブレード22を初期位置から回転させる。
具体的には、情報検出部62による用紙束HのバーコードMの検出から、背糊付装置20に搬送されるまでの搬送時間tが予め測定されており、制御部60は、情報検出部62によってバーコードMが検出された時から搬送時間tの経過後に背糊付装置20に搬送された用紙束Hを、情報検出部62で検出した用紙束Hであると認定し、ドクタブレード22を駆動する。
こうすることで、製本装置1は、他の用紙束Hの厚み情報に基づいて、背部分Bに糊Nが塗布されるような誤塗布を防ぐことができる。
なお、制御部60は、用紙束Hの背部分Bへの糊Nの塗布が終了した場合、ドクタブレード22を初期位置に戻してもよく、また、次に厚みの異なる用紙束Hが搬送されてくるまで移動した回転角度を維持していてもよい。
続いて、用紙束Hの横部分Cに糊Nが塗布されたら、制御部60は、用紙束Hを表紙貼付装置40に搬送し、用紙束Hの背部分Bに表紙Iを貼付する。そして、制御部60は、表紙Iを貼付した用紙束Hを圧着装置50に搬送し、用紙束Hの横部分Cに対しても表紙Iを貼付して、用紙束Hの背部分B及び横部分Cに対して表紙Iを圧着する。
最後に、制御部60は、用紙束搬出検出部64の出力に基づいて、表紙Iを圧着した用紙束Hが圧着装置50から搬出されたか否かを検出する。制御部60は、用紙束Hの圧着装置50からの搬出を確認したら、クランパ装置10を駆動して保持した用紙束Hを開放する。
以上により、用紙束Hに表紙Iを適正に貼り付けた冊子Tが完成する。
(1)製本装置1は、用紙束Hの厚みに基づいて、ドクタブレード22の移動量を制御しているので、背糊ローラ21に付着した糊Nから用紙束Hの厚みに応じた適切な量の糊以外の余分な糊Nを掻き出すことができ、用紙束Hの厚みに応じた適切な量の糊Nを背部分Bに塗布することができる。これにより、糊量が少なすぎることによる用紙束Hと表紙Iとの接着不足を回避したり、糊量が多すぎることによる冊子Tの汚れ等を回避したりすることができる。
(2)製本装置1は、バーコードMに記録された用紙束Hの厚みの情報に基づいて、ドクタブレード22の移動量を制御しているので、例えば、厚みの異なる用紙束Hに連続して糊Nを塗布する場合においても、用紙束Hのそれぞれの厚みに応じて適切な量の糊Nをその背部分Bに塗布することができる。
(3)製本装置1は、データテーブルに基づいてドクタブレード22の駆動量を制御するので、より具体的に本発明の効果を実現することができる。
(1)実施形態において、ドクタブレード22は、ドクタ部22aと本体部22bとを備える例で示したが、これに限定されない。例えば、ドクタブレードは、平板形状に形成され、その一端部に刃先部が、その他端部に軸体部が設けられるようにしてもよい。
(2)実施形態において、情報検出部62は、製本装置1の用紙束Hの供給部に設けられる例を示したが、これに限定されない。例えば、用紙束Hが、クランパ装置10によって保持されてから背糊付装置20に搬送されるまでの経路に、情報検出部62を設けてもよい。そうすることで、背糊付装置20に搬送された用紙束Hと、情報検出部62でバーコードMを検出した用紙束Hとが同一であるか否かの確認を容易にすることができる。
(3)実施形態において、ドクタブレード22は、軸体部22dを軸として回転することによってローラ面21aに対する刃先部22cの距離を調整する例を示したが、これに限定されない。例えば、ドクタブレードを直動(直線運動)させることにより、ローラ面に対する刃先部の距離を調整してもよい。
10 クランパ装置
20 背糊付装置
21 背糊ローラ
21a ローラ面
22 ドクタブレード
22a ドクタ部
22b 本体部
22c 刃先部
22d 軸体部
23 背糊収容部
24 ローラ駆動部
25 ドクタ駆動部
26 回転角度検出部
30 横糊付装置
40 表紙貼付装置
50 圧着装置
60 制御部
61 記憶部
62 情報検出部
Claims (2)
- 複数の用紙束の背部分に糊を塗布する糊ローラと、
前記糊ローラのローラ面に近接し、前記ローラ面に付着した糊を掻き出すドクタ刃と、
前記ドクタ刃を駆動し、前記ドクタ刃と前記ローラ面との距離を調整するドクタ駆動部と、
用紙束に使用されている紙の種類とその枚数とが記録されている用紙束の情報記録部を検出する情報検出部と、
紙の種類に応じた一枚当たりの厚みの情報の第1データテーブル、及び、用紙束の厚みに応じたドクタブレードの回転角度が段階的に規定された第2データテーブルを記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記第1データテーブルを参照し、前記情報検出部が検出した情報を用いて用紙束の厚みの情報を演算して、演算された用紙束の厚みの情報に応じたドクタブレードの回転角度を前記第2データテーブルから読み出し、読み出したドクタブレードの回転角度に基づいて、前記ドクタ駆動部によって駆動する前記ドクタ刃の駆動量を制御する制御部と、
を備える糊付装置。 - 複数の用紙束をそれぞれ保持して搬送するクランプ装置と、
前記クランプ装置により保持された前記用紙束の背部分に糊を塗布する請求項1に記載の糊付装置と、
前記糊付装置によって前記背部分に糊が塗布された前記用紙束に表紙を貼付する表紙貼付装置と、
前記表紙を前記用紙束に対して圧着する圧着装置と、
を備える製本装置。
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