JP6148116B2 - 認知機能低下予防装置、及び、認知機能低下予防装置の制御方法 - Google Patents

認知機能低下予防装置、及び、認知機能低下予防装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、認知機能低下予防装置、及び、認知機能低下予防装置の制御方法に関する。
従来、認知症の疑いのある被験者に対して、認知症であるかどうかの診断、さらに、認知症である場合にその症状の程度の診断の支援を医師に対して行う認知症診断支援システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示される認知症診断支援システムは、管理している被験者の個人情報を用いて被験者の個人に応じた質問を提示し、それに対する被験者からの回答を取得することで、被験者の認知症の症状の程度を判定する。また、当該認知症診断支援システムは、上記のような質問と回答とのやりとりを被験者との間で行うことで、被験者の認知症の進行を遅らせることができることが知られている。
一方、認知機能低下予防の方法として、被験者にデュアルタスクを行わせる方法が知られている。タスクとは、運動すること、質問に回答すること、などのように、被験者が認知機能を発揮して行う作業又は行動のことである。また、デュアルタスクとは、同時に少なくとも2つのタスクを実行することをいう。例えば、歩きながら会話することは、「歩く」タスクと、「会話する」タスクとを同時に実行することであり、デュアルタスクである。
特開2007−282992号公報
特許文献1は、認知症診断支援システムが、認知症の進行を遅らせる効果があることを指摘しているが、そもそも認知症の診断支援を目的とするシステムであるので、その効果の大きさは不明である。
本発明は、もとより目的が異なり、より高い効果で被験者の認知機能の低下を予防する認知機能低下予防装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数を計測する心拍計測部と、複数の音楽と複数のテスト課題とを記憶している記憶部と、前記心拍計測部が計測した前記心拍数に応じて、(i)音楽のテンポに合わせて前記被験者が運動を行う第一のタスクに用いられる前記音楽を、前記記憶部が記憶している前記複数の音楽の中から選択し、かつ、(ii)前記被験者がテスト課題に回答する第二のタスクに用いられる前記テスト課題を、前記記憶部が記憶している前記複数のテスト課題の中から選択するタスク選択部と、前記第一のタスクに用いられる前記音楽を再生しながら、前記第二のタスクに用いられる前記テスト課題の提示を行う提示部とを備える。
これによれば、認知機能低下予防装置は、第一のタスク(運動タスク)によって中等度の(ややきついと感じられる)有酸素運動を被験者にさせながら、第二のタスク(テストタスク)により被験者に認知刺激を与えることができる。ここで、認知機能低下予防装置は、タスクを決定するときの被験者の心拍数に応じて、第一のタスクにおける運動タスクの音楽のテンポと、第二のタスクにおけるテスト課題とを適切に選択するので、被験者に適正な有酸素運動をさせながら認知刺激を与えることができる。よって、認知機能低下予防装置は、より高い効果で被験者の認知機能の低下を予防することができる。
また、前記複数の音楽は、互いにテンポが異なる複数の音楽を含み、前記複数のテスト課題は、回答時の前記被験者の身体的負荷が互いに異なる複数の回答方法のいずれかにより回答する複数のテスト課題を含み、前記タスク選択部は、前記心拍数に応じて、前記被験者の心拍数が目標心拍範囲に納まるように、前記第一のタスクに用いられる音楽のテンポを決定し、前記第二のタスクに用いられるテスト課題の身体的負荷の度合いを決定し、かつ、決定したテンポを有する音楽を前記音楽として選択し、決定した身体的負荷の度合いを有する回答方法で回答するテスト課題を前記テスト課題として選択するとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、タスクを決定するときの被験者の心拍数に応じて、心拍数が目標心拍範囲内に納まるように、音楽のテンポとテスト課題とを選択する。つまり、被験者の心拍数が目標心拍範囲の上限に比較的近い場合には、心拍数を低下させる効果がある音楽を選択したり、身体の動きがより小さい回答方法のテスト課題を選択したりする。反対に、被験者の心拍数が目標心拍範囲の下限に比較的近い場合には、心拍数を上昇させる効果がある音楽を選択したり、身体の動きがより大きい回答方法のテスト課題を選択したりする。このように、認知機能低下予防装置は、被験者に有酸素運動をさせながら認知刺激を与え続けることができる。よって、認知機能低下予防装置は、より高い効果で被験者の認知機能の低下を予防することができる。
また、前記タスク選択部は、前記心拍数が第一閾値以上である場合には、前記回答方法として前記被験者の音声により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択し、前記心拍数が前記第一閾値未満である場合には、前記回答方法として前記被験者の手の位置により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択するとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、声による回答をさせるか、又は、手の位置による回答をさせるかを被験者に指示する。認知機能低下予防装置は、この回答方法の違いによって、被験者の心拍数を変化させる。よって、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数をタスクへの回答方法によって変化させ、目標心拍範囲に納めることができる。
また、前記タスク選択部は、前記心拍数が、第一閾値より小さい第二閾値以上である場合には、前記回答方法として所定位置より低い位置における前記被験者の手の位置により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択し、前記心拍数が、前記第二閾値未満である場合には、前記回答方法として前記所定位置より高い位置における前記被験者の手の位置により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択するとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、被験者に手の位置による回答をさせる場合に、手の位置を低い位置とするか、又は、高い位置とするかを被験者に指示する。認知機能低下予防装置は、この回答方法に違いによって、被験者の心拍数を変化させる。よって、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数をタスクへの回答方法によって変化させ、目標心拍範囲に納めることができる。
また、前記タスク選択部は、前記心拍数が前記目標心拍範囲に含まれる場合には、所定のテンポを前記テンポとして決定し、前記心拍数が前記目標心拍範囲を超えている場合には、前記目標心拍範囲の上限値と前記心拍数との差が大きいほど、より遅いテンポを前記テンポとして決定し、前記心拍数が前記目標心拍範囲を下回る場合には、前記目標心拍範囲の下限値と前記心拍数との差が大きいほど、より速いテンポを前記テンポとして決定するとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数が目標心拍範囲の上限に比較的近い場合には、心拍数を低下させるためにより遅いテンポの音楽を選択する。反対に、被験者の心拍数が目標心拍範囲の下限に比較的近い場合には、心拍数を上昇させるためにより速いテンポの音楽を選択する。よって、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数を音楽のテンポによって変化させ、目標心拍範囲に納めることができる。
また、前記認知機能低下予防装置は、さらに、前記テスト課題の提示を行った後に前記被験者の回答を受け付け、受け付けた前記回答が前記テスト課題の正解であるか否かを判定する回答判定部と、前記回答判定部による判定結果を示す情報と、前記回答を受け付けたときの前記被験者の心拍数とを含む回答情報を生成し、生成した前記回答情報を前記記憶部に格納する回答情報生成部とを備えるとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、被験者によるテストタスクの回答などを含む回答情報を保存しておくことができる。認知機能低下予防装置のユーザは、時間の経過にともない心拍数や正解数(正解率)がどのように変化したかを後で確認することができる。また、認知機能低下予防装置のユーザは、被験者個々人の特性を把握することにより異常値の把握、又は初期設定の見直しなどをすることができる。
また、前記認知機能低下予防装置は、さらに、前記被験者の手の位置を取得する深度センサと、表示画面とを備え、前記提示部は、複数の回答候補であって、それぞれが被験者の手の位置に対応づけられた複数の回答候補を前記表示画面に表示することで前記提示を行い、前記回答判定部は、前記複数の回答候補のうち、前記深度センサが取得した前記被験者の手の位置に対応づけられた回答候補を前記回答として受け付けるとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、被験者の身体に特別な計器又はセンサを付加することなく、深度センサにより被験者の手の位置を取得することができる。
また、前記提示部は、さらに、前記提示を行う際に、前記音楽のテンポに合わせて運動しながら前記テスト課題に回答するように指示する旨を前記被験者に提示するとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、運動タスクを行いながら、テストタスクを行うように、明示的に被験者に指示する。被験者は、明示的な指示を受けることで、確実にタスクを行うことができる。
また、前記心拍計測部は、前記提示部が前記提示を行った後に、前記被験者の心拍数を計測し、前記心拍計測部が前記被験者の心拍数を計測するたびに、前記タスク選択部が前記音楽及び前記テスト課題を選択し、前記提示部が前記提示を行うとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、被験者が運動タスクを行いながら、テストタスクを行った後の心拍数に応じて、次のタスクを選択し、選択したタスクを被験者に提示する。これにより、認知機能低下予防装置は、被験者に継続してタスクを提示し続けることができる。
また、前記複数のテスト課題は、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのうちのいずれか1つを含むとしてもよい。
これによれば、認知機能低下予防装置は、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのうちのいずれか1つをテスト課題として被験者に提示する。
また、本発明の一態様に係る制御方法は、複数の音楽と複数のテスト課題とを記憶している記憶部を備える認知機能低下予防装置の制御方法であって、コンピュータが、被験者の心拍数を計測する心拍計測ステップと、コンピュータが、前記心拍計測ステップで計測した前記心拍数に応じて、(i)音楽のテンポに合わせて前記被験者が運動を行う第一のタスクに用いられる前記音楽を、前記記憶部が記憶している前記複数の音楽の中から選択し、かつ、(ii)前記被験者がテスト課題に回答する第二のタスクに用いられる前記テスト課題を前記記憶部が記憶している前記複数のテスト課題の中から選択するタスク選択ステップと、
コンピュータが、前記第一のタスクに用いられる前記音楽を再生しながら、前記第二のタスクに用いられる前記テスト課題の提示を行う提示ステップとを含む制御方法である。
これにより、上記認知機能低下予防装置と同様の効果を奏する。
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
本発明により、より高い効果で被験者の認知機能の低下を予防することができる。
図1は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図2は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の機能ブロック構成の一例を示す図である。 図3は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の機能ブロック構成の詳細な説明図である。 図4は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における心拍レベルと、回答方法及び再生音楽との関係を示すテーブルの説明図である。 図5は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置におけるテスト課題に関する情報の説明図である。 図6は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における処理のフローチャートである。 図7は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置におけるテスト実行処理のフローチャートである。 図8は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置におけるテスト実行処理の詳細なフローチャートである。 図9は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における回答処理のフローチャートである。 図10は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における時間経過に対する心拍数、タスク表示の有無、及び回答動作の有無の一例である。 図11は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における結果の一覧の説明図である。 図12は、実施の形態に係るストループテストでの表示画像の例である。 図13は、実施の形態に係るストループテストでの表示画像の第一の説明図である。 図14は、実施の形態に係るストループテストでの表示画像の第二の説明図である。 図15は、実施の形態に係る数字読上げテストでの表示画像の例である。 図16は、実施の形態に係る計算テストでの表示画像の例である。 図17は、実施の形態に係るかな拾いテストでの表示画像の例である。 図18は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の外観の第一例を示す図である。 図19は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の外観の第二例を示す図である。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
本実施の形態において、心拍数を所定範囲内に維持しながら被験者に対してデュアルタスクを行わせることで、認知機能の低下を予防する効果が高い認知機能低下予防装置の例について説明する。なお、「ユーザ」とは、認知機能低下予防装置を利用する者を意味する。つまり、ユーザとは、認知機能低下予防装置を用いて、被験者の認知機能の低下を予防しようとする機能訓練指導員などである。また、ユーザとは、認知機能低下予防装置の被験者自身である場合もある。
図1は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示されるように、認知機能低下予防装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、入力装置15と、心拍センサ16と、カメラ17と、深度センサ18と、マイク19と、表示装置20と、スピーカ21とを備える。
CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。
ROM12は、制御プログラム等を保持する読み出し専用記憶領域である。
RAM13は、CPU11が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域である。
記憶装置14は、制御プログラム、又は、制御プログラムにより読み込み、若しくは、書込みされるデータなどを保持する不揮発性の記憶領域である。
入力装置15は、ユーザ又は被験者(以降、「ユーザ等」とも記載する)からの入力を受け付ける装置である。具体的には、入力装置15は、文字の入力、若しくは所定の機能の入力をユーザ等から受け付けるキーボード、又は、マウスカーソルを動作させる指示、若しくはマウスカーソルの位置に対応した機能の実行の指示などをユーザ等から受け付けるマウスである。
心拍センサ16は、被験者の心拍数を取得するセンサである。
カメラ17は、被写体を撮影し、撮影された被写体の画像データを出力するカメラである。
深度センサ18は、被写体を撮影し、撮影された被写体の奥行き情報を示すデータ(以降、深度データともよぶ)を出力するセンサである。
マイク19は、音声の入力を受け付け、受け付けた音声の音声データを出力するマイクである。
表示装置20は、映像データに基づいて映像を出力する装置である。具体的には、表示装置20は、表示パネル、又は、プロジェクタとスクリーンとにより構成される。
スピーカ21は、音声データに基づいて音を出力するスピーカである。
図2は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の機能ブロック構成の一例を示す図である。図2に示されるように、認知機能低下予防装置1は、心拍計測部101と、タスク選択部102と、提示部103と、記憶部104とを備える。
心拍計測部101は、被験者の心拍数を計測する。心拍計測部101は、リアルタイムで被験者の心拍数を計測し、計測した心拍数を所定の時間間隔(例えば、0.1秒間隔、又は、1秒間隔)で出力する。心拍計測部101は、心拍センサ16などにより実現される。
記憶部104は、複数の音楽と複数のテスト課題とを記憶している。記憶部104が記憶している複数の音楽は、互いにテンポが異なる複数の音楽を含んでいてもよい。また、記憶部104が記憶している複数のテスト課題は、回答時の被験者の身体的負荷が互いに異なる複数の回答方法のいずれかにより回答する複数のテスト課題を含んでいてもよい。具体的には、テスト課題は、人間の認知機能に関するテスト、つまり、認知機能又は知的機能を用いて課題を認識し、課題に対して回答するテストのことである。より具体的には、複数のテスト課題は、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのうちのいずれか1つを含む。
なお、テスト課題は、課題に対する回答方法をも含んでもよい。つまり、テスト課題と回答方法とを被験者に提示し、提示した回答方法によって課題に対して回答する、というものとしてもよい。なお、「回答時の被験者の身体的負荷が異なる複数の回答方法を含んでいる」とは、複数の回答方法のそれぞれを行った場合の被験者の身体的負荷が異なるということであり、その結果、被験者の心拍数の変化の度合いが異なることを意味している。具体的には、例えば、回答時の被験者の身体的負荷が高い回答方法を用いて被験者が回答を行えば、被験者の心拍数が比較的大きく上昇する(上昇量が大きい)。一方、回答時の被験者の身体的負荷が小さい回答方法を用いて被験者が回答を行えば、被験者の心拍数が比較的小さく上昇する(上昇量が小さい)。
なお、記憶部104は、音楽、又はテスト課題を記憶している代わりに、音楽、又はテスト課題を特定可能な情報を記憶していてもよい。ここで、音楽を特定可能な情報とは、当該音楽が保存された記憶装置上の位置を示すアドレス値やパス、又は、当該音楽が保存されたインタネット上の記憶場所のURL(Uniform Resource Locator)などであってもよい。なお、後述するように、音楽再生部301が音楽を再生する代わりに音を鳴動させる場合には、記憶部104は、音楽を記憶している必要はなく、当該音を特定可能な情報を記憶していればよい。
なお、記憶部104は、記憶装置14などにより実現される。なお、記憶部104と他の機能ブロックとは、通信回線を介して接続されていてもよい。
タスク選択部102は、心拍計測部101が計測した心拍数に応じて、音楽のテンポに合わせて被験者が運動を行う運動タスク(第一のタスク)に用いられる音楽を、記憶部104が記憶している複数の音楽の中から選択する。また、タスク選択部102は、被験者がテスト課題に回答するテストタスク(第二のタスク)に用いられるテスト課題を、記憶部104が記憶している複数のテスト課題の中から選択する。このように選択された運動タスクとテストタスクとが、被験者に対して提示されるデュアルタスクとなる。なお、タスク選択部102は、心拍数に応じて、被験者の心拍数が目標心拍範囲に納まるように、運動タスクに用いられる音楽のテンポを決定し、第二のタスクに用いられるテスト課題の身体的負荷の度合いを決定してもよい。また、決定したテンポを有する音楽を運動タスクに用いられる音楽として選択し、決定した身体的負荷の度合いを有する回答方法で回答するテスト課題をテストタスクに用いられるテスト課題として選択するようにしてもよい。なお、タスク選択部102が、上記のように記憶部104が記憶している複数の音楽、又は、複数のテスト課題の選択を行うにあたり、ユーザにより予め行われる認知機能低下予防装置1の初期設定に従って、その選択の方針を定めてもよい。テストタスクとして選択されるテスト課題の例については、後で詳しく説明する。タスク選択部102は、CPU11、ROM12、及び、RAM13などにより実現される。
提示部103は、運動タスクに用いられる音楽を再生しながら、テストタスクに用いられるテスト課題の提示を行う。提示部103の詳細な構成は、後で詳しく説明する。提示部103は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶装置14、心拍センサ16、カメラ17、深度センサ18、マイク19、表示装置20、及び、スピーカ21などにより実現される。
なお、認知機能低下予防装置1は、物理的に1つの装置により実現されるとは限らない。つまり、上記の機能ブロックが複数の装置に分散して存在している場合であっても、それらの複数の装置が通信回線を介して接続されており、上記と同じような機能ブロック間の情報又は信号の送受信が可能であればよい。
図3は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の機能ブロック構成の詳細な説明図である。図3を参照しながら、認知機能低下予防装置1の機能ブロックについて詳細に説明する。図3に示されるように、提示部103は、音楽再生部301と、テスト提示部302と、回答判定部303と、回答情報生成部304とを備える。また、記憶部104は、テスト記憶部311と、回答情報記憶部312とを備える。
音楽再生部301は、運動タスクに用いられる音楽としてタスク選択部102が選択した音楽を再生する。また、音楽再生部301は、音楽を再生する際に、音楽のテンポに合わせて運動するように指示する旨を明示的に被験者に提示するようにしてもよい。音楽のテンポに合わせた運動とは、具体的には、当該テンポにあわせて被験者が足踏みを行うことである。また、足踏みだけに限らず、当該テンポに合わせて被験者が身体を動かす運動であればよい。なお、音楽再生部301は、音楽を再生する代わりに、被験者がリズムを知ることができるような音を鳴動させてもよい。この音とは、手拍子のような音であってもよいし、ビープ音、又は警告音のような音であってもよい。
テスト提示部302は、テストタスクに用いられるテスト課題としてタスク選択部102が選択したテスト課題をテスト記憶部311から読み出し、読み出したテスト課題を被験者に提示する。また、テスト提示部302は、テスト課題を提示する際に、音楽のテンポに合わせて運動しながらテスト課題に回答するように指示する旨を明示的に被験者に提示するようにしてもよい。
回答判定部303は、テスト提示部302が提示したテスト課題に対する被験者の回答を取得し、取得した回答がテスト課題の正解であるか否かを判定する。また、テスト提示部302がテスト課題を提示してから被験者の回答を取得するまでに要した時間である思考時間を測定する。
回答情報生成部304は、回答判定部303による判定の結果、回答判定部303により測定された思考時間、及び、回答したときの被験者の心拍数をまとめて回答情報を生成する。そして、回答情報生成部304は、生成した回答情報を回答情報記憶部312に格納する。
テスト記憶部311は、複数のテスト課題を記憶している。
回答情報記憶部312は、テスト課題に対する被験者による回答を記憶している。認知機能低下予防装置のユーザは、回答情報記憶部312に記憶された情報に基づいて、時間の経過にともない心拍数や正解数(正解率)がどのように変化したかを後で確認することができる。
図4は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における心拍レベルと、回答方法及び再生音楽との関係を示すテーブルの説明図である。
図4に示されるように、被験者の心拍レベルには、「上がり過ぎ」、「上がり気味」、「少し上がり気味」、「目標心拍範囲」、「少し下がり気味」、「下がり気味」、及び「下がりすぎ」の7段階がある。心拍計測部101は、取得した被験者の心拍レベルを、上記の7段階のいずれかに分類する。分類する際には、図4に示される各心拍レベルにおける判定論理が用いられる。つまり、取得した被験者の心拍レベルDが「L1≦D<U1」であるときに、心拍レベルが「目標心拍範囲」であると判定される。ここで、U1、U2、U3、L1、L2、及びL3は、心拍レベルを判定するための閾値であり、例えば、それぞれ、112、135、162、88、64、及び40とする。ただし、上記の数値はあくまで一例であり、被験者の個人差、性別、測定環境の差などにより調整されることがある。また、ここでは、段階の数が7である場合の説明を行っているが、少なくとも2つの段階があればよく、具体的には、3でも5でもよい。
なお、上記の心拍レベルを判定するための閾値は、例えば、以下のように定めることができる。まず、目標心拍数d[拍/分]を、運動強度I、及び被験者の年齢A[歳]から(式1)により定める。
d=(220−A)×I ・・・(式1)
例えば、被験者が80歳であり、運動強度を70%とすると、目標心拍数d=98拍/分と算出される。次に、目標心拍数を含む所定範囲を目標心拍範囲と定め、目標心拍範囲を超える心拍数の範囲を3つに区切る閾値(U2及びU3)を設定する。同様に、目標心拍範囲を下回る心拍数の範囲を3つに区切る閾値(L2及びL3)を設定する。
また、上記のように定められた各心拍レベルに、回答方法と再生音楽とが対応付けられている。
回答方法は、対応する心拍レベルにある被験者が、テスト課題に回答するときの回答方法を示している。回答方法には、回答時の被験者の身体的負荷が互いに異なる複数の回答方法のうちのいずれかが設定される。回答時に被験者の心拍数が比較的高い場合には、心拍数を下げる(上げない)ようにする回答方法が選択される。反対に、回答時に被験者の心拍数が比較的低い場合には、心拍数を上げる(下げない)ようにする回答方法が選択される。具体的には、例えば、声による回答、低い位置における手の動作による回答、及び、高い位置における手の動作による回答という3つの回答方法がありうる。回答時の被験者の身体的負荷は、上記の順に高くなる。図4において、これらの回答方法が各心拍レベルに対応させて示されている。図4に示されるように、心拍レベルが2(上がり気味)であるときには、被験者が声により回答するという回答方法が設定される。心拍レベルが1(少し上がり気味)であるときには、低い位置における手の動作で回答する回答方法が設定されている。心拍レベルが−2(下がり気味)から0(目標心拍範囲)までの範囲にあるときには、高い位置における手の動作で回答する回答方法が設定されている。
再生音楽は、対応する心拍レベルにある被験者にテスト課題を提示するときに再生する音楽を示している。互いにテンポが異なる複数の音楽のうちのいずれかが選択される。テスト課題を提示するときに被験者の心拍数が比較的高い場合には、心拍数を下げる(上げない)ようにする音楽が選択される。反対に、テスト課題を提示するときに被験者の心拍数が比較的低い場合には、心拍数を上げる(下げない)ようにする音楽が選択される。具体的には、テスト課題を提示するときの被験者の心拍数が高いほど、テンポがより遅い音楽を選択し、テスト課題を提示するときの被験者の心拍数が低いほど、テンポがより速い音楽を選択する。
図5は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置におけるテスト課題に関する情報の説明図である。図5には、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストの各テストについて、テスト内容、正解、表示間隔、回答受付時間が示されている。
「テスト内容」欄は、各テストにおいて被験者に提示される情報であり、各テストの主題を示している。「正解」欄は、各テストの正解を示している。被験者の回答が、「正解」欄の情報と一致する場合に、回答判定部303が、被験者がテスト課題に正解したと判定する。「表示間隔」欄は、テスト課題が表示される時間間隔[秒]を示している。「回答受付時間」は、テスト課題が表示されてから被験者が何も回答しない場合に、回答を受け付けるのを終了するまでの時間[秒]である。
図6は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における処理のフローチャートである。図6を用いて、認知機能低下予防装置1の全体処理について説明する。
まず、心拍計測部101は、被験者の心拍数を計測することで取得する(ステップS601)。
次に、心拍計測部101は、取得した被験者の心拍数が、適正心拍数より高いか否かを判定する(ステップS602)。そして、取得した被験者の心拍数が適正心拍数より高いと判定された場合(ステップS602でYes)には、もう一度、ステップS601の処理を実行する。つまり、取得した被験者の心拍数が適正心拍数以下となるまで、当該ステップの処理を行い続ける。ここで、適正心拍数とは、認知機能低下予防装置1により提示されるデュアルタスクを被験者が安全に行える心拍数の上限を示す値である。適正心拍数は、例えば、心拍レベル2と3との境界値U3を用いることができる。
ステップS602で、取得した被験者の心拍数が適正心拍数以下であると判定された(ステップS602でNo)ら、タスク選択部102は、被験者の心拍数に応じた音楽を決定する(ステップS603)。音楽を決定するには、上記で説明したとおり、図4で示したテーブルT401に従って、被験者の心拍数が目標心拍範囲に納まるように、音楽を決定する。ここで決定された音楽が、最初に運動タスクに用いられる音楽となる。
次に、タスク選択部102は、タスクスケジュールを決定する(ステップS604)。タスクスケジュールとは、デュアルタスクに含まれるタスクの内容や順番を定めたものである。具体的には、タスクスケジュールには、運動タスクに用いられる音楽が定められる。運動タスクに用いられる音楽は、1つの曲を繰り返し再生することにしてもよいし、複数の曲を所定の順番で繰り返し再生することにしてもよい。また、タスクスケジュールには、テストタスクに用いられるテスト課題が定められる。テストタスクに用いられるテスト課題は、1つ以上あり、その順番、各テスト課題の正解、表示間隔、回答受付時間などの付属情報を含んでもよい。なお、タスクスケジュールは、認知機能低下予防装置1の管理者が定めてもよいし、被験者自身が定めてもよいし、その他、認知機能低下予防装置1に関連する者が定めてもよい。また、タスクスケジュールは、複数定められてもよく、それら複数のタスクスケジュールが連続して行われるとしてもよい。
次に、提示部103は、テスクスケジュールに従い、運動タスクとテストタスクとを実行し、テスト結果と思考時間と回答時の被験者の心拍数とを記憶する(ステップS605)。ステップS605に含まれる処理については、後で詳しく説明する。
次に、提示部103は、全てのタスクスケジュールを完了したか否かを判定する(ステップS606)。提示部103が全てのタスクスケジュールを完了したと判定した場合(ステップS606でYes)には、音楽の再生を終了し、終了メッセージを表示した(ステップS611)後、処理を終了する。
一方、提示部103が全てのタスクスケジュールを完了していないと判定した場合(ステップS606でNo)には、心拍計測部101が被験者の心拍数を取得し(ステップS607)、ステップS603の処理を実行する。
以上が、認知機能低下予防装置1の全体処理である。なお、上記の説明では、ステップS601及びS602で、被験者の心拍数の取得と、適正心拍数との比較とを行うことを説明したが、これらの処理は、上記の全体処理と平行して常時行われてもよい。そして、何らかの処理の途中で、被験者の心拍数が適正心拍数を超えた場合に処理を中止するようにしてもよい。被験者の身体的な安全を確保するためである。
図7は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置におけるテスト実行処理のフローチャートである。図7に示されるフローチャートは、図6におけるステップS605の詳細な説明である。
まず、提示部103は、テストタスクのテスト種別を判定する(ステップS701)。具体的には、提示部103は、テストタスクのテスト種別が、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのいずれであるかを判定する。
次に、ステップS701における判定の結果、提示部103は、テスト課題に応じたテストを実行する(ステップS702、ステップS711、ステップS721、及びステップS731)。それぞれのテストを実行する処理についての詳細について図8を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置におけるテスト実行処理の詳細なフローチャートである。
まず、心拍計測部101は、被験者の心拍数を取得する(ステップS801)。なお、心拍計測部101がステップS601で被験者の心拍数を取得してから所定時間以内であるときには、被験者の心拍数を取得する代わりに、ステップS601で取得した心拍数を用いてよい。所定時間とは、被験者の心拍数が大きくは変化しないと考えられる時間幅であり、例えば、10秒、30秒、又は1分などを採用することができる。
次に、提示部103のテスト提示部302は、ステップS801で取得した心拍数に応じて、回答方法を決定する。そして、提示部103は、タスクテストのテスト課題を表示し、被験者からの回答を受け付ける処理を行う(ステップS802)。ステップS802に含まれる処理については、後で詳しく説明する。
次に、提示部103の回答判定部303は、回答受付時間内に被験者からの回答を受け付けたか否かを判定する(ステップS803)。回答判定部303は、回答受付時間内に回答を受け付けた場合(ステップS803でYes)に、回答内容が正解であるか否かを判定する(ステップS804)。回答内容が正解であると判定された場合(ステップS804でYes)、正解個数を加算する(ステップS805)。一方、回答内容が正解でない(不正解である)と判定された場合(ステップS804でNo)、不正解個数を加算する(ステップS811)。
次に、回答情報生成部304は、テスト課題を表示してから回答を受け付けるまでの時間(思考時間)を算出する(ステップS806)。思考時間は、被験者がテスト課題を見てから回答するまでの時間でもある。
一方、ステップS803において、回答判定部303が回答受付時間内に回答を受け付けなかった場合(ステップS803でNo)、無回答個数を加算する(ステップS821)。
次に、回答情報生成部304は、回答情報を回答情報記憶部312に格納する(ステップS807)。具体的には、回答情報生成部304は、ステップS805又はステップS811で算出した正解個数及び不正解個数と、ステップS806で算出した思考時間と、ステップS801で取得した心拍数とを、回答情報として回答情報記憶部312に格納する。
図9は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における回答処理のフローチャートである。図9に示されるフローチャートは、図8におけるステップS802の詳細な説明である。図9に示されるフローチャートには、被験者の心拍数が取得された後、被験者による回答を受け付ける、又は、回答を受け付けずに回答受付時間が経過するまでに認知機能低下予防装置1が行う処理が示されている。
まず、テスト提示部302は、ステップS801で取得した心拍数が第一閾値(TH1)以上であるか否かを判定する(ステップS901)。
ステップS901で、心拍数がTH1以上であると判定された場合(ステップS901でYes)に、テスト提示部302は、被験者に対して音声による回答を行う旨の指示を行う(ステップS902)。言い換えれば、ここで、テスト提示部302は、被験者の音声による回答を行う旨の指示を含むテスト課題を決定し、決定したテスト課題を被験者に提示する。
次に、回答判定部303は、被験者の音声による回答を受け付け、受け付けた音声に対して音声認識処理を行う(ステップS903)。音声認識処理は、一般的に行われている音声認識処理であり、受け付けた被験者の音声に含まれる文字を出力する。
次に、回答判定部303は、音声認識処理の結果として出力される文字列に基づいて、被験者の回答内容を決定する(ステップS904)。なお、ステップS902でテスト課題を被験者に提示してから、応答受付時間が経過するまでの間、被験者からの回答を受け付けなかった場合には、ステップS904で、回答内容を「無回答(回答を受け付けない)」として次の処理ステップ(ステップS803)に進む。
一方、ステップS901で心拍数がTH1より小さいと判定された場合(ステップS911でNo)に、テスト提示部302は、さらに、心拍数がTH1より小さい第二閾値(TH2)以上であるか否かを判定する(ステップS911)。
ステップS911で、心拍数がTH2以上であると判定された場合(ステップS911でYes)に、テスト提示部302は、手による低い位置での回答を行う旨の指示を被験者に対して行う(ステップS912)。言い換えれば、ここで、テスト提示部302は、所定位置より低い位置における被験者の手による回答を行う旨の指示を含むテスト課題を決定し、決定したテスト課題を被験者に提示する。
一方、ステップS911で、心拍数がTH2より小さいと判定された場合(ステップS911でNo)に、テスト提示部302は、手による高い位置での回答を行う旨の指示を被験者に対して行う(ステップS921)。言い換えれば、ここで、テスト提示部302は、所定位置より低い位置における被験者の手による回答を行う旨の指示を含むテスト課題を決定し、決定したテスト課題を被験者に提示する。
次に、回答判定部303は、深度センサ18により被験者の身体の部位ごとの奥行き情報を取得し、取得した奥行き情報に対して骨格認識処理を行う(ステップS913)。骨格認識処理では、深度センサ18により得られる被験者の身体の部位の3次元的な位置から、被験者が自身の手をどの位置に、どのような角度で配置しているかを認識する。
次に、回答判定部303は、骨格認識処理の結果として出力される手の位置に基づいて、被験者の回答内容を決定する(ステップS914)。具体的には、回答判定部303は、被験者の手の高さを、高、中央、又は低の3段階のいずれかに分類するとともに、手の左右の位置を、右、中央、左の3段階のいずれかに分類する。そして、分類された手の位置に対応する回答の選択肢を、回答内容として決定する。
一方、ステップS911で、心拍数がTH2より小さいと判定された場合(ステップS911でNo)に、テスト提示部302は、手による高い位置での回答を行う旨の指示を被験者に対して行う(ステップS921)。言い換えれば、ここで、テスト提示部302は、所定位置より高い位置における被験者の手による回答を行う旨の指示を含むテスト課題を決定し、決定したテスト課題を被験者に提示する。
次に、回答判定部303は、深度センサ18により被験者の身体の部位ごとの奥行き情報を取得し、取得した奥行き情報に対して骨格認識処理を行う(ステップS922)。詳細は、ステップS913と同様である。
次に、回答判定部303は、骨格認識処理の結果として出力される手の位置に基づいて、被験者の回答内容を決定する(ステップS923)。詳細は、ステップS914と同様である。
なお、テスト提示部302は、ステップS801で取得した心拍数に応じて音楽のテンポを変更してもよい。つまり、心拍数が目標心拍範囲を超えている場合には、目標心拍範囲の上限値と心拍数との差が大きいほど、より遅いテンポの音楽を用いる(又は、音楽のテンポをより遅くする)ようにしてもよい。また、反対に、心拍数が目標心拍範囲を下回る場合には、目標心拍範囲の下限値と心拍数との差が大きいほど、より速いテンポの音楽を用いる(又は、音楽のテンポをより遅くする)ようにしてもよい。これにより、被験者の心拍数を目標心拍範囲に維持することができ、中等度の有酸素運動を被験者にさせながら、被験者に認知刺激を与えることができる。
なお、ステップS913又はS922の骨格認識処理は、常時行われるようにしてもよい。そして、被験者が、転んだり、倒れたり、その他の要因で体勢を崩したりしたことを認識した場合には、タスクを中止するようにしてもよい。被験者の身体的な安全を確保するためである。
図10は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における時間経過に対する心拍数、タスク表示の有無、及び回答動作の有無の一例である。具体的には、図10の(a)は、時間経過に対する被験者の心拍数の変化を示している。図10の(b)は、時間経過に対する認知機能低下予防装置1のタスク表示の有無を示している。図10の(c)は、時間経過に対する被験者の回答の有無を示している。
図10の(a)から、ユーザは、デュアルタスク(運動タスクとテストタスク)を行っているときの被験者の心拍数が時間経過とともにどのように推移したかを確認することができる。
また、図10の(b)から、ユーザは、認知機能低下予防装置1によるタスク表示の有無を確認することができる。特に、図10の(a)に示される被験者の心拍数の時間結果と合わせて確認することにより、タスク表示の有無と心拍数との相関の有無、又は相関の大きさを知ることもできる。
また、図10の(c)から、ユーザは、被験者による回答動作の有無を確認することができる。特に、図10の(a)に示される被験者の心拍数の時間結果、又は、図10の(b)に示されるタスク表示の有無と合わせて確認することにより、回答動作の有無と心拍数又はタスク表示の有無との相関の有無、又は相関の大きさを知ることもできる。
図11は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置における結果の一覧の説明図である。図11は、認知機能低下予防装置1の表示装置20により表示される画像の一例であり、被験者情報、心拍レベルごとの回答方法と再生音楽の設定、タスクスケジュールと回答情報、心拍数とタスクの関係、深度データ、RGB画像などが示されている。
「被験者情報」は、被験者に関する情報のことであり、被験者を特定するための被験者ID、氏名、性別、生年月日、及び、当該被験者に実行させるタスクのタスクスケジュールなどの情報を含む。
「心拍レベルごとの回答方法と再生音楽の設定」は、テストタスクにおけるテスト課題への回答方法と、運動タスクに用いられる音楽とを心拍レベルごとに設定する設定情報である。これは、図4に示したテーブルT401と同様の内容を含む。
「タスクスケジュールと回答情報」は、被験者に実行させるタスクのタスクスケジュールの内容に関する情報である。タスクスケジュールは、テストタスクのテスト課題の種別(テスト種別)、テスト内容、正解、表示間隔、及び回答受付時間の情報を含む。これらの情報は、図5に示したテーブルT501と同様の情報である。「タスクスケジュールと回答情報」は、さらに、回答情報として、テスト課題の表示を開始した時刻である開始時刻、被験者が回答した時刻である回答時刻、及び、被験者による回答結果を含む。
「心拍数とタスクの関係」は、心拍数と、タスク表示の有無と、回答動作の有無との時間経過を示している。これらの情報は、図10の(a)、(b)及び(c)の内容をまとめて示す者である。
深度データは、深度センサ18による測定結果を示す画像である。
RGB画像は、カメラ17により撮影された画像である。
以下では、テスト課題である、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのそれぞれについて、具体的に説明する。
図12は、実施の形態に係るストループテストでの表示画像の例である。ストループテストとは、色を意味する文字列が、当該文字列が意味する色とは別の色(表示色)で表示された後に、表示色を回答するテストである。
図12の(a)は、ストループテストでの1つ目の表示画像である。図12の(a)の表示画像では、経過時間1201、メッセージ1202、回答ブロック1203、心拍数画像1204、タスク進行バー1205、及び、キャラクタ1206が表示されている。
経過時間1201は、当該テスト課題が表示されてからの経過時間である。
メッセージ1202は、テスト課題において被験者に回答させる内容を示すメッセージである。被験者は、メッセージ1202を視認することにより、このテスト課題で回答すべき課題を認識する。ここでは、表示される文字の色を被験者が回答することを指示している。
回答ブロック1203は、回答ブロック(回答の選択肢)が表示される場所である。
心拍数画像1203は、被験者の心拍数を示す画像であり、被験者の心拍数に応じて大きさが変化するハートマークの画像、又は被験者の心拍数を示す数値が含まれる。
タスク進行バー1205は、タスクスケジュールにおけるタスク進行度を示すバーである。
キャラクタ1206は、人間の顔を示す画像である。被験者は、キャラクタ1206を視認することにより、人間によりテスト課題を提示され、当該人間に対してテスト課題の回答を行っているような感覚を覚える。これにより、被験者は、より真面目に、親近感をもって認知機能低下予防装置1からの指示に対して応答することで、被験者の認知機能の低下の予防効果が高まる。なお、キャラクタ1206は、人間の顔を示す画像の代わりに、人間又は動物の顔又は全身を含む画像であってもよい。
図12の(b)は、ストループテストでの2つ目の表示画像である。図12の(b)の表示画像では、文字列1211、回答ブロック1212、及び、回答方法の指示1213が表示されている。
文字列1211は、ストループテストに用いられる文字列であり、色を意味する文字列が、当該文字列が意味する色とは別の色で表示される。ここでは、赤色を意味する文字列である「あか」が、赤色とは別の色(例えば、青色)で表示される例を示している。
回答ブロック1212は、回答の選択肢が示されている。なお、文字列1211の表示色である「あお」が正解である。
回答方法の指示1213は、被験者による回答の方法についての指示が示されている。ここでは、手の位置による回答を行うことが示されている。また、回答ブロック1212が、比較的高い位置に表示されていることから、被験者が高い位置における手による回答を行うことを指示された場合と考えられる。これは、心拍数が86であり、心拍レベル「−1:少し下がり気味」であるからである。
図13は、実施の形態に係るストループテストでの表示画像の第一の説明図である。図13を参照しながら、ストループテストを行うときの表示画像の変化について説明する。
認知機能低下予防装置1は、被験者が回答方法の指示1213に従って回答ブロックが表示されている位置に手を移動すると、回答ブロックの背景色を変更する(図13の(a))。また、認知機能低下予防装置1は、その状態で一定時間経過すると、回答ブロックの背景色をさらに変更する(図13の(b))。
この状態で手を回答ブロック外に移動させると、認知機能低下予防装置1は、被験者による回答を確定として扱う。確定時には、効果音を鳴らす。また、回答が正解又は不正解であることをキャラクタ1206が伝えるようにしてもよい。例えば、図13の(c)に示されるように、被験者による回答が正解のときには、「Good Job!」というように、正解を称えるメッセージを、キャラクタ1206とともに表示してもよい。一方、被験者による回答が不正解のときには、「Oh No.」というように、不正解を残念がるメッセージを、キャラクタ1206とともに表示してもよい。
図14は、実施の形態に係るストループテストでの表示画像の第二の説明図である。図14を参照しながら、ストループテストを行うときの表示画像の変化についてさらに説明する。
図14の(a)は、認知機能低下予防装置1が被験者に音声による回答を指示するときに、図12の回答方法の指示1213として示される画像(文字列)を示す。そして、被験者が音声による回答をする場合には、回答ブロックの背景色を変更する(図13の(b))。
そして、被験者が音声による回答をした場合には、回答ブロックの背景色を変更する(図13の(c))。
図15は、実施の形態に係る数字読上げテストでの表示画像の例である。数字読上げテストとは、複数の数字が順に画面に表示された後に、表示されたのと同じ順、又は、表示されたのと反対の順で、被験者が数字を回答するテストである。
図15の(a)は、数字読上げテストでの1つ目の表示画像である。図15の(a)の表示画像では、メッセージ1501、及び、数字領域1502などが表示されている。なお、図12と共通する表示内容については、説明を省略する。
メッセージ1501は、テスト課題において被験者に回答させる内容を示すメッセージである。被験者は、メッセージ1501を視認することにより、このテスト課題で回答すべき課題を認識する。メッセージ1501は、ここでは、表示される数字を指定された順序で被験者が回答することを指示している。
数字領域1502は、メッセージ1501がいうところの「表示される数字」を表示するための領域である。この領域に表示される数字は、時間経過とともに変化する(図15の(b))。
図15の(c)は、数字読上げテストでの2つ目の表示画像である。図15の(c)の表示画像では、文字列1511、及び、回答ブロック1512などが表示されている。なお、図12と共通する表示内容については、説明を省略する。
文字列1511は、どのような順序(表示されたのと同じ順、又は、表示されたのと反対の順)で数字を回答するのかを被験者に対して指示するとともに、回答を促している。
回答ブロック1512には、回答の選択肢が示されている。なお、図15の(b)のように数字領域1502の数字が3、2、1と変化した場合には、それと同じように、3、2、1と回答するのが正解である。
図16は、実施の形態に係る計算テストでの表示画像の例である。計算テストとは、複数の数字が順に画面に表示された後に、表示された複数の数字を足した値を被験者が回答するテストである。
図16の(a)は、計算テストでの1つ目の表示画像である。図16の(a)の表示画像では、メッセージ1601、及び、数字領域1602などが表示されている。なお、図12と共通する表示内容については、説明を省略する。
メッセージ1601は、テスト課題において被験者に回答させる内容を示すメッセージである。被験者は、メッセージ1601を視認することにより、このテスト課題で回答すべき課題を認識する。メッセージ1601は、ここでは、表示される数字を足し算することを指示している。
数字領域1602は、メッセージ1601がいうところの「表示される数字」を表示するための領域である。この領域に表示される数字は、時間経過とともに変化する(図16の(b))。
図16の(c)は、計算テストでの2つ目の表示画像である。図16の(c)の表示画像では、メッセージ1611、及び、回答ブロック1612などが表示されている。なお、図12と共通する表示内容については、説明を省略する。
メッセージ1611は、メッセージ1601で指示した足し算の答えを回答するように、被験者に対して指示するメッセージである。
回答ブロック1612には、回答の選択肢が示されている。なお、図15の(b)のように数字領域1602の数字が7、5と変化した場合には、それらの数字の和である12と回答するのが正解である。
また、回答ブロック1612が、比較的低い位置に表示されていることから、被験者が低い位置における手による回答を行うことを指示された場合と考えられる。これは、心拍数が110であり、心拍レベル「1:少し上がり気味」であるからである。
図17は、実施の形態に係るかな拾いテストでの表示画像の例である。かな拾いテストとは、画面に表示された文字のうち、所定の条件を満たす文字があるか否かを被験者が回答するテストである。
図17の(a)は、かな拾いテストでの1つ目の表示画像である。図17の(a)の表示画像では、メッセージ1701、及び、文字領域1702などが表示されている。なお、図12と共通する表示内容については、説明を省略する。
メッセージ1701は、テスト課題において被験者に回答させる内容を示すメッセージである。被験者は、メッセージ1701を視認することにより、このテスト課題で回答すべき課題を認識する。メッセージ1701は、ここでは、表示される文字に「あ行」が含まれているか否かを判断することを指示している。
文字領域1702は、メッセージ1701がいうところの「表示される文字」を表示するための領域である。
図17の(b)は、かな拾いテストでの2つ目の表示画像である。図17の(b)の表示画像では、メッセージ1711、及び、回答ブロック1712などが表示されている。なお、図12と共通する表示内容については、説明を省略する。
メッセージ1711は、文字領域1702に表示された文字に、「あ行」が含まれていたかを判断し回答するように、被験者に指示するメッセージである。
回答ブロック1712には、回答の選択肢(「はい」及び「いいえ」)が示されている。なお、図17の(a)のように文字領域1702に「めろすはげきどした。」と表示された場合には、この中に「あ行」の文字が含まれていないので、「いいえ」と回答するのが正解である。なお、かな拾いテストにおいて、文字領域1702に表示された文字に、「あ行」の文字がいくつ含まれていたかを判断し回答するようにしてもよい。
以降で、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の外観の例について説明する。ただし、本発明は、以降で示す外観の例に限定されない。
図18は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の外観の第一例を示す図である。図18は、スタンドタイプの認知機能低下予防装置1Aの外観を示している。カメラ17、深度センサ18、マイク19、表示装置20、及びスピーカ21などが、一体として薄型テレビ形状の本体部に組み込まれた構成である。心拍センサ16は、被験者の腕に装着されるリストバンド型のものであり、心拍センサ16が測定した被験者の心拍数は、無線通信を介して本体部に送信される。被験者は、認知機能低下予防装置1Aのスピーカ21から再生される運動タスクの音楽に合わせて、ステップ台の上に上がったり、ステップ台から降りたりする。また、被験者は、認知機能低下予防装置1Aの表示装置20が表示するテストタスクのテスト課題に、音声、又は手の位置による回答をする。なお、被験者の身体的能力に応じて運動の態様を変更してもよい。具体的には、ステップ台に上がったり降りたりする代わりに、ステップ台の上に足をのせるだけにしてもよいし、ステップ台を用いずに足踏みするだけでもよい。
図19は、実施の形態に係る認知機能低下予防装置の外観の第二例を示す図である。図19は、リカンベントバイクタイプの認知機能低下予防装置1Bの外観を示している。リカンベントバイクとは、背もたれがついた座席に寄りかかり足でペダルをこぐ自転車のことである。認知機能低下予防装置1Aと同じように、カメラ17、深度センサ18、マイク19、表示装置20、及びスピーカ21などが、一体として薄型テレビ形状の本体部に組み込まれた構成である。心拍センサ16は、リカンベントバイクのハンドルに組み込まれている。被験者は、認知機能低下予防装置1Bのスピーカ21から再生される運動タスクの音楽に合わせてペダルをこぐ。また、被験者は、認知機能低下予防装置1Aの表示装置20が表示するテストタスクのテスト課題に、音声、又は手の位置による回答をする。被験者は、座席に座りながら認知機能低下予防装置1Bを利用することができるので、転倒する危険が少なく、安全に使用することができる。
以上のように、本発明の認知機能低下予防装置は、第一のタスク(運動タスク)によって中等度の(ややきついと感じられる)有酸素運動を被験者にさせながら、第二のタスク(テストタスク)により被験者に認知刺激を与えることができる。ここで、認知機能低下予防装置は、タスクを決定するときの被験者の心拍数に応じて、第一のタスクにおける運動タスクの音楽のテンポと、第二のタスクにおけるテスト課題とを適切に選択するので、被験者に適正な有酸素運動をさせながら認知刺激を与え続けることができる。よって、認知機能低下予防装置は、認知機能の低下を効率よく予防することができる。
また、認知機能低下予防装置は、タスクを決定するときの被験者の心拍数に応じて、心拍数が目標心拍範囲内に納まるように、音楽のテンポとテスト課題とを選択する。つまり、被験者の心拍数が目標心拍範囲の上限に比較的近い場合には、心拍数を低下させる効果がある音楽を選択したり、身体の動きがより小さい回答方法のテスト課題を選択したりする。反対に、被験者の心拍数が目標心拍範囲の下限に比較的近い場合には、心拍数を上昇させる効果がある音楽を選択したり、身体の動きがより大きい回答方法のテスト課題を選択したりする。このように、認知機能低下予防装置は、被験者に有酸素運動をさせながら認知刺激を与え続けることができる。よって、認知機能低下予防装置は、より高い効果で被験者の認知機能の低下を予防することができる。
また、認知機能低下予防装置は、声による回答をさせるか、又は、手の位置による回答をさせるかを被験者に指示する。認知機能低下予防装置は、この回答方法の違いによって、被験者の心拍数を変化させる。よって、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数をタスクへの回答方法によって変化させ、目標心拍範囲に納めることができる。
また、認知機能低下予防装置は、被験者に手の位置による回答をさせる場合に、手の位置を低い位置とするか、又は、高い位置とするかを被験者に指示する。認知機能低下予防装置は、この回答方法に違いによって、被験者の心拍数を変化させる。よって、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数をタスクへの回答方法によって変化させ、目標心拍範囲に納めることができる。
また、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数が目標心拍範囲の上限に比較的近い場合には、心拍数を低下させるためにより遅いテンポの音楽を選択する。反対に、被験者の心拍数が目標心拍範囲の下限に比較的近い場合には、心拍数を上昇させるためにより速いテンポの音楽を選択する。よって、認知機能低下予防装置は、被験者の心拍数を音楽のテンポによって変化させ、目標心拍範囲に納めることができる。
また、認知機能低下予防装置は、被験者によるテストタスクの回答などを含む回答情報を保存しておくことができる。認知機能低下予防装置のユーザは、時間の経過にともない心拍数や正解数(正解率)がどのように変化したかを後で確認することができる。また、認知機能低下予防装置のユーザは、被験者個々人の特性を把握することにより異常値の把握、又は初期設定の見直しなどをすることができる。
また、認知機能低下予防装置は、被験者の身体に特別な計器又はセンサを付加することなく、深度センサにより被験者の手の位置を取得することができる。
また、認知機能低下予防装置は、運動タスクを行いながら、テストタスクを行うように、明示的に被験者に指示する。被験者は、明示的な指示を受けることで、確実にタスクを行うことができる。
また、認知機能低下予防装置は、被験者が運動タスクを行いながら、テストタスクを行った後の心拍数に応じて、次のタスクを選択し、選択したタスクを被験者に提示する。これにより、認知機能低下予防装置は、被験者に継続してタスクを提示し続けることができる。
また、認知機能低下予防装置は、ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのうちのいずれか1つをテスト課題として被験者に提示する。
以上、本発明の認知機能低下予防装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明に係る認知機能低下予防装置は、認知機能の低下を予防するのに有用である。
1、1A、1B 認知機能低下予防装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶装置
15 入力装置
16 心拍センサ
17 カメラ
18 深度センサ
19 マイク
20 表示装置
21 スピーカ
101 心拍計測部
102 タスク選択部
103 提示部
104 記憶部
301 音楽再生部
302 テスト提示部
303 回答判定部
304 回答情報生成部
311 テスト記憶部
312 回答情報記憶部

Claims (11)

  1. 被験者の心拍数を計測する心拍計測部と、
    複数の音楽と複数のテスト課題とを記憶している記憶部と、
    前記心拍計測部が計測した前記心拍数に応じて、(i)音楽のテンポに合わせて前記被験者が運動を行う第一のタスクに用いられる前記音楽を、前記記憶部が記憶している前記複数の音楽の中から選択し、かつ、(ii)前記被験者がテスト課題に回答する第二のタスクに用いられる前記テスト課題を、前記記憶部が記憶している前記複数のテスト課題の中から選択するタスク選択部と、
    前記第一のタスクに用いられる前記音楽を再生しながら、前記第二のタスクに用いられる前記テスト課題の提示を行う提示部とを備える
    認知機能低下予防装置。
  2. 前記複数の音楽は、互いにテンポが異なる複数の音楽を含み、
    前記複数のテスト課題は、回答時の前記被験者の身体的負荷が互いに異なる複数の回答方法のいずれかにより回答する複数のテスト課題を含み、
    前記タスク選択部は、
    前記心拍数に応じて、前記被験者の心拍数が目標心拍範囲に納まるように、前記第一のタスクに用いられる音楽のテンポを決定し、前記第二のタスクに用いられるテスト課題の身体的負荷の度合いを決定し、かつ、
    決定したテンポを有する音楽を前記音楽として選択し、決定した身体的負荷の度合いを有する回答方法で回答するテスト課題を前記テスト課題として選択する
    請求項1に記載の認知機能低下予防装置。
  3. 前記タスク選択部は、
    前記心拍数が第一閾値以上である場合には、前記回答方法として前記被験者の音声により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択し、
    前記心拍数が前記第一閾値未満である場合には、前記回答方法として前記被験者の手の位置により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択する
    請求項2に記載の認知機能低下予防装置。
  4. 前記タスク選択部は、
    前記心拍数が、第一閾値より小さい第二閾値以上である場合には、前記回答方法として所定位置より低い位置における前記被験者の手の位置により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択し、
    前記心拍数が、前記第二閾値未満である場合には、前記回答方法として前記所定位置より高い位置における前記被験者の手の位置により回答するテスト課題を前記テスト課題として選択する
    請求項3に記載の認知機能低下予防装置。
  5. 前記タスク選択部は、
    前記心拍数が前記目標心拍範囲に含まれる場合には、所定のテンポを前記テンポとして決定し、
    前記心拍数が前記目標心拍範囲を超えている場合には、前記目標心拍範囲の上限値と前記心拍数との差が大きいほど、より遅いテンポを前記テンポとして決定し、
    前記心拍数が前記目標心拍範囲を下回る場合には、前記目標心拍範囲の下限値と前記心拍数との差が大きいほど、より速いテンポを前記テンポとして決定する
    請求項2に記載の認知機能低下予防装置。
  6. 前記認知機能低下予防装置は、さらに、
    前記テスト課題の提示を行った後に前記被験者の回答を受け付け、受け付けた前記回答が前記テスト課題の正解であるか否かを判定する回答判定部と、
    前記回答判定部による判定結果を示す情報と、前記回答を受け付けたときの前記被験者の心拍数とを含む回答情報を生成し、生成した前記回答情報を前記記憶部に格納する回答情報生成部とを備える
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の認知機能低下予防装置。
  7. 前記認知機能低下予防装置は、さらに、
    前記被験者の手の位置を取得する深度センサと、
    表示画面とを備え、
    前記提示部は、
    複数の回答候補であって、それぞれが被験者の手の位置に対応づけられた複数の回答候補を前記表示画面に表示することで前記提示を行い、
    前記回答判定部は、
    前記複数の回答候補のうち、前記深度センサが取得した前記被験者の手の位置に対応づけられた回答候補を前記回答として受け付ける
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の認知機能低下予防装置。
  8. 前記提示部は、さらに、
    前記提示を行う際に、前記音楽のテンポに合わせて運動しながら前記テスト課題に回答するように指示する旨を前記被験者に提示する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の認知機能低下予防装置。
  9. 前記心拍計測部は、
    前記提示部が前記提示を行った後に、前記被験者の心拍数を計測し、
    前記心拍計測部が前記被験者の心拍数を計測するたびに、前記タスク選択部が前記音楽及び前記テスト課題を選択し、前記提示部が前記提示を行う
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の認知機能低下予防装置。
  10. 前記複数のテスト課題は、
    ストループテスト、数字読上げテスト、計算テスト、及びかな拾いテストのうちのいずれか1つを含む
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の認知機能低下予防装置。
  11. 複数の音楽と複数のテスト課題とを記憶している記憶部を備える認知機能低下予防装置の制御方法であって、
    コンピュータが、被験者の心拍数を計測する心拍計測ステップと、
    コンピュータが、前記心拍計測ステップで計測した前記心拍数に応じて、(i)音楽のテンポに合わせて前記被験者が運動を行う第一のタスクに用いられる前記音楽を、前記記憶部が記憶している前記複数の音楽の中から選択し、かつ、(ii)前記被験者がテスト課題に回答する第二のタスクに用いられる前記テスト課題を前記記憶部が記憶している前記複数のテスト課題の中から選択するタスク選択ステップと、
    コンピュータが、前記第一のタスクに用いられる前記音楽を再生しながら、前記第二のタスクに用いられる前記テスト課題の提示を行う提示ステップとを含む
    制御方法。
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