JP6146558B2 - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

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本発明は液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関する。
従来から、圧電アクチュエーター、あるいは発熱素子等の圧力発生手段によって液体に圧力を付与することで、ノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドが知られている。その代表例としては、例えば特許文献1に記載されているインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。
特開2011−201170号公報
しかしながら、記録様式が多様化する中で、対応するインクの種類も増加し、特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、ヘッドクリーニング動作において、インク吐出面の拭き取り性が悪い場合があるという課題があった。具体的には、例えば、従来と比較して粘度の高いインクを使用した場合には、ノズルプレートのインク吐出面に形成された僅かな凹部にもインク溜りが発生しやすくなり、インクの粘度が高いために、従来の方法でインクの拭き取りを行なっても容易にインク溜りを解消できない場合があった。その結果、このインク溜まりが放置され溜まり量が増加することで、拭き取り性のさらなる劣化を招き、インク吐出面あるいはノズルにてインクが固化し、吐出インクの飛行の劣化や吐出不能等(吐出劣化)が発生した。
なお、このような課題は、インクに限らず、インク吐出面に付着する他の付着物についても同様に存在し、インク以外の液体を吐出する場合でも同様である。
本発明はこのような事情に鑑み、インク吐出面の拭き取り性を向上させ、インク溜まりを抑制することができる液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を被吐出対象に向かって吐出するノズルが形成されたノズルプレートを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズルプレートの外周側に設けられたカバーと、前記ノズルプレート及び前記カバーの前記被吐出対象と対向する面に設けられた撥液膜とを備え、前記カバーと前記ノズルプレートとにより画成された凹部に充填剤が充填され、前記ノズルプレートと前記カバーとは離間して設けられ、前記カバーの前記撥液膜は、前記ノズルプレートの前記撥液膜よりも前記被吐出対象側に設けられ、前記凹部は、前記ノズルプレートの前記撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在する段差と、前記ノズルプレートの前記撥液膜よりも前記被吐出対象側の反対側に延在する段差と、を含み、前記充填剤は、前記凹部を埋設していることを特徴とする液体吐出ヘッドにある。
かかる態様では、前記凹部に充填剤が充填されていることで、液体吐出面の液体を拭きとる際に、凹部にて発生する液体溜まりを抑制することができる。従って、例えば液体吐出ヘッドが液体としてインクを使用するインクジェットプリンターに備えられるインクジェット式記録ヘッドである場合に、ノズルプレートのインク吐出面のインク拭き取り性を向上させたインクジェット式記録ヘッド及びインクジェットプリンターを提供することができる。
ここで、前記充填剤が絶縁性を有することが好ましい。これによれば、前記充填剤が絶縁性を有することで、さらに凹部から静電気が液体吐出ヘッド内に到達することを抑制することができる。
また、前記凹部には、前記撥液膜が形成されていないことが好ましい。これによれば、撥液膜が形成されていることで、充填剤が凹部のみに充填されることが可能である。
また、互いに対向する前記ノズルプレートの端面と前記カバーの端面とにより前記凹部が形成され、該凹部に前記充填剤が充填されていることが好ましい。
また、前記充填剤が前記カバーに設けられた前記撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在しないことが好ましい。これによれば、充填剤が前記カバーに設けられた撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在しないことで、拭き取り性を向上させることができる。
また、前記カバーには、少なくとも前記被吐出対象と対向する面に絶縁膜が形成されていることが好ましい。
前記充填剤が、液状エポキシ系接着剤が硬化したものであることが好ましい。充填剤が液状エポキシ系接着剤であることで、凹部にて充填剤が広がりやすく、滑らかに(スロープ状)に凹部の開口を埋めることができる。また、充填剤が液状エポキシ系接着剤であることで、液体による充填剤への浸食を抑制することができるため、スロープ形状を維持することができる。これにより、液体拭き取り性の劣化を防ぐことができる。
本発明の液体吐出装置は、上記したいずれかの液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする。液体吐出装置として上記したいずれかの液体吐出ヘッドを備えることで、液体吐出面の液体拭き取り性を向上させた液体吐出装置を提供することができる。
また、液体吐出ヘッドは、液体を被吐出対象に向かって吐出するノズルが形成されたノズルプレートを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズルプレートの外周側に設けられたカバーと、前記ノズルプレート及び前記カバーの前記被吐出対象と対向する面に設けられた撥液膜とを備え、前記カバーと前記ノズルプレートとにより画成された凹部に充填剤が充填されたことを特徴とする。
前記凹部に充填剤が充填されていることで、液体吐出面の液体を拭きとる際に、凹部にて発生する液体溜まりを抑制することができる。従って、例えば液体吐出ヘッドが液体としてインクを使用するインクジェットプリンターに備えられるインクジェット式記録ヘッドである場合に、ノズルプレートのインク吐出面のインク拭き取り性を向上させたインクジェット式記録ヘッド及びインクジェットプリンターを提供することができる。
前記充填剤が絶縁性を有することが好ましい。前記充填剤が絶縁性を有することで、さらに凹部から静電気が液体吐出ヘッド内に到達することを抑制することができる。
前記凹部には、前記撥液膜が形成されていないことが好ましい。撥液膜が形成されていることで、充填剤が凹部のみに充填されることが可能である。
本発明の好ましい実施形態としては、前記ノズルプレートと前記カバーとは離間して設けられ、互いに対向する前記ノズルプレートの端面と前記カバーの端面とにより前記凹部が形成され、該凹部に充填剤が充填されていることが挙げられる。
前記充填剤が前記カバーに設けられた撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在しないことが好ましい。充填剤が前記カバーに設けられた撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在しないことで、拭き取り性を向上させることができる。
前記カバーには、少なくとも前記被吐出対象と対向する面に絶縁膜が形成されていることが好ましい。
前記充填剤が、液状エポキシ系接着剤が硬化したものであることが好ましい。充填剤が液状エポキシ系接着剤であることで、凹部にて充填剤が広がりやすく、滑らかに(スロープ状)に凹部の開口を埋めることができる。また、充填剤が液状エポキシ系接着剤であることで、液体による充填剤への浸食を抑制することができるため、スロープ形状を維持することができる。これにより、液体拭き取り性の劣化を防ぐことができる。
本発明の液体吐出装置は、上記したいずれかの液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする。液体吐出装置として上記したいずれかの液体吐出ヘッドを備えることで、液体吐出面の液体拭き取り性を向上させた液体吐出装置を提供することができる。
実施形態1に係る液体吐出ヘッドを具備する液体吐出装置を示す概略図。 ヘッドユニットの動作を説明する断面概念図である。 (a)、(b)、(c)従来の液体吐出ヘッドを示す概略図である。 (a)、(b)実施形態1に係る液体吐出ヘッドを説明する断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの平面図である。 (a)、(b)実施形態2に係る記録ヘッドの断面図である。 (1)、(2)実施形態2に係る記録ヘッドの要部断面図である。 従来の液体吐出ヘッドを示す概略図である。 実施形態3に係る記録ヘッドの要部断面図である。 実施形態4に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態4に係る記録ヘッドの要部断面図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る液体吐出ヘッドIを具備する液体吐出装置IIを示す概略図である。
液体吐出装置IIは、インクジェットプリンターであり、CPU、制御用IC(図示省略)、ヘッドユニット1、キャリッジ3、装置本体4、キャリッジ軸5、駆動モーター6、タイミングベルト7などを備えている。
ヘッドユニット1は、複数の液体吐出ヘッドIを含み構成されている。ヘッドユニット1には、液体としてのインクを供給する手段を構成する複数のインクカートリッジ2が着脱可能に設けられている。ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット1は、インクカートリッジ2に収容された、例えば、ブラックインク組成物やカラーインク組成物を吐出する。
駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
また、上述した液体吐出装置IIでは、ヘッドユニット1がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、ヘッドユニット1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行なう、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
図2は、液体吐出ヘッドIの動作を説明するための断面概念図である。
液体吐出ヘッドIは、インク供給路113、リザーバー114、圧力発生室129、ノズル148、流路形成基板110、ノズルプレート111、圧電アクチュエーター140、ケース117などを含み構成されている。
インクカートリッジ2から供給されるインクは、ケース117の内部に形成されたインク供給路113、同じくケース117の内部に形成されたリザーバー114、流路形成基板110の内部に形成された圧力発生室129に移動する。一方、CPUから送られた印刷信号は、制御用ICに伝えられる。ここで、印刷信号は、圧力発生室129の制御信号に変換されて、圧電アクチュエーター140にインクを吐出する駆動信号が伝えられる。圧電アクチュエーター140の先端は、補強用の島部141を介し、振動板を形成する弾性板112を通じて、圧力発生室129に圧力を印加する。圧力発生室129に移動したインクは、圧力を受けて、ノズルプレート111に形成されたノズル148を経て、インク滴として記録シートS(図1)に吐出される。
なお、図2では、ノズルプレート111に1つのノズル148が設けられた例で説明したが、液体吐出ヘッドIは、複数の圧力発生室129、およびそれぞれに連通する複数のノズル148を備えており、ノズルプレート111には、複数のノズル148の列が形成されている。
図3(a),(b),(c)は、従来の液体吐出ヘッドを示す概略図である。
図3(a)は、ヘッドユニット1を図1に示す記録シートSの側から見た斜視図である。
ヘッドユニット1は、複数(図3では4つ)の液体吐出ヘッドIが固定板115によってまとめられ、固定、保持されるように構成されている。
図3(b)は、図3(a)におけるA部の拡大図である。液体吐出ヘッドIを構成するノズルプレート111のインクが吐出される吐出面(インク吐出面111s)に額縁状に当接してノズルプレート111を保持する固定板(カバー)115の様子を示している。このように本実施形態においては、固定板115はノズルプレート111の外周側に設けられている。
ノズル148から吐出するインクは、ノズル148の周囲に付着して残る場合がある。このインク残りを、インク吐出面111sを拭くことによりクリーニングした場合に、額縁状にインク吐出面111sに当接する固定板115の段差によって形作られた凹部にインク溜りが発生してしまう傾向がある。
図3(c)は、図3(b)におけるB−B線断面図であり、このインク溜りの様子を示している。インク吐出面111sと、固定板115の端部との間に形成される段差によって形作られた凹部にインク溜まりが発生し、放置され溜まり量が増加することで、インク吐出面111sの拭き取り性の劣化を招き、インク吐出面111sあるいはノズル148にてインクが固化し、吐出インクの飛行の劣化や吐出不能等(吐出劣化)が発生する。
図4(a),(b)は、実施形態1に係るヘッドユニット1を説明する断面図である。
ヘッドユニット1は、図4(b)に示すように、インク吐出面111sに当接する固定板115の端面とノズルプレート111の端部と撥水膜116とが形成する段差部(凹部)に、段差部をスロープ状に形成する充填剤118が付設されている。また、インク吐出面111sの充填剤118が付設されている領域及び固定板115でおおわれている領域以外のインク吐出面111s(充填剤118で囲まれる内側のインク吐出面111s)には、撥水膜116が形成されている。そして、ノズル148は、撥水膜116及びノズルプレート111を貫通して設けられている。
ヘッドユニット1は、インク吐出面111sに充填剤118、および撥水膜116が備わる以外は、ヘッドユニット1と同じ構成である。
図4(a)は、充填剤118の付設に先立ち、インク吐出面111s及び固定板115に撥水膜116を形成した様子を示している。
撥水膜116は、ノズルプレート111の製造段階において、スクリーン印刷、あるいはフォトリソグラフィーなどにより、固定板115が当接する領域および充填剤118が付設される領域を除くインク吐出面111sに選択的に、撥水素材を膜状に形成することにより行なう。固定板115についても、被吐出対象に対して対向する面に、即ち液体吐出ヘッドIの外面であってかつインク吐出面111sに対して平行な面に、撥水素材を膜状に形成している。この膜が撥水膜(撥液膜)116である。なお、液体吐出ヘッドIに組み立てたノズルプレート111を固定板115によって固定した後に撥水膜116を形成する方法であっても良い。
充填剤118には、好適例として、液状エポキシ系接着剤を使用している。即ち、充填剤はエポキシ系接着剤が硬化したものである。充填剤118は、撥水膜116を形成した後に、固定板115の端部とインク吐出面111sとが形成する段差部で撥水膜116が形成されていない領域にエポキシ系接着剤を塗布し、硬化させることによって付設する。
以上述べたように、本実施形態によるヘッドユニット1によれば、以下の効果を得ることができる。
ノズルプレート111と固定板115とでできる段差をスロープ状にするため、インク吐出面111sのインクを拭き取る際に、段差にて発生するインク溜まりを抑制することができる。
従って、インク吐出面のインク拭き取り性を向上させた液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することができる。
また、インク吐出面111sが撥水膜116によりインクを撥水する(はじく)ため、インク吐出面111sの拭き取り性が向上する。これにより、吐出劣化を抑制できる。
充填剤118が液状エポキシ系接着剤であることで、段差部にて充填剤118が広がりやすく、また、撥水膜116の段差にて充填剤118のインク吐出面111sへの広がりを防ぐことができる。そのため、スロープの形成を容易にすることができる。また、液状エポキシ系接着剤を固化することで、インクの侵食を抑制することができるため、スロープ形状を維持することができる。これにより、インク拭き取り性の劣化を防ぐことができる。
また、液体吐出装置として上記のヘッドユニット1を用いることにより、インク吐出面のインク拭き取り性を向上させた液体吐出装置を提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1とは液体吐出ヘッドの構造が異なるものである。以下、図5〜図9を用いてインクジェット式記録ヘッドの構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態2に係る液体吐出ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図6は本発明の実施形態2に係る液体吐出ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの平面図であり、図7は、図6のインクジェット式記録ヘッドのA−A’線の断面図及び要部を拡大した断面図である。図8は、説明のために要部を拡大した断面図である。図9は従来の液体吐出ヘッドにおける静電気の流れを説明するための図である。
図示するように、本実施形態の液体吐出ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIは、ヘッド本体11、ケース部材40等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接着剤等によって接合されている。本実施形態では、ヘッド本体11は、流路形成基板10と、連通板15と、ノズルプレート20と、保護基板30と、コンプライアンス基板45と、を具備する。本実施形態では、詳しくは後述するが、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30をシリコン基板(シリコン単結晶基板)で形成した。すなわち、本実施形態では、ノズル開口21を含む流路が形成されて、接着剤によって積層された基板とは、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30のことである。
ヘッド本体11を構成する流路形成基板10は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、複数の圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向(並設方向)第1の方向Xに沿って並設されている。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が並設方向に並設された列が第2の方向Yに向かって複数列、本実施形態では、2列設けられている。
また、図7に示すように、流路形成基板10の一方面側(後述する振動板50とは反対側)には、連通板15が接着剤211を介して接着されている。また、連通板15には、各圧力発生室12に連通する複数のノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤212を介して接着されている。連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを繋ぐノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート20の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口して、インク滴が吐出される面を液体吐出面20aと称する。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15の液体吐出面20a側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通するインク供給路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。このインク供給路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
このような連通板15としては、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。つまり、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10と連通板15との線膨張係数の違いにより反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りを抑制することができる。
また、ノズルプレート20は、シリコン単結晶基板で形成されている。これにより、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りの発生を抑制することができる。なお、ノズルプレートとしてはステンレス鋼(SUS)板であってもよい。
ノズルプレート20には、ノズル開口21が第1の方向Xに並設された列が、第2の方向Yに複数列、本実施形態では、2列形成されている。各ノズル開口21は、内径が一定な円筒部(ストレート部)と、液体吐出面20a側から圧力発生室12側に向けて内径が次第に拡大するテーパー部とから構成されている。
また、ヘッド本体11の液体吐出面20a側には、本実施形態の固定板であるカバーヘッド(カバー)130が設けられている。カバーヘッド130は、コンプライアンス基板45の連通板15とは反対面側に接着剤等により固定されており、コンプライアンス部49の流路(マニホールド100)とは反対側の空間を封止する。なお、カバーヘッド130には、ノズル開口21を露出する露出開口部131が設けられている。また、カバーヘッド130は、ヘッド本体11の側面を覆うように、端部が屈曲して設けられている。このように、カバーヘッド130はノズルプレート20の外周に、ノズルプレート20と離間して設けられている。
本実施形態では、かかるノズルプレート20の液体吐出面20aと、カバーヘッド130の外側の面であって液体吐出面20aと平行となる領域、即ちノズルプレート20及びカバーヘッド130の被吐出対象に対向する面には、撥液性を有する撥液膜24が設けられている(図8参照)。ここで、撥液性とはインクジェット式記録ヘッドIから吐出される液体をはじく性質を意味している。つまり、インクジェット式記録ヘッドから吐出される液体の溶液(主に溶媒)の主成分が油であるものに対しては撥油性を意味し、インクジェット式記録ヘッドから吐出される液体の溶液(主に溶媒)の主成分が水であるものに対しては撥水性を意味している。撥液膜24とは、この撥液性がノズルプレート20の基材よりも高いものをいう。
撥液膜24は、インクに対して撥液性を有するものであれば特に限定されず、例えば、フッ素系高分子を含む金属膜や、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜などを用いることができる。
なお、フッ素系高分子を含む金属膜からなる撥液膜は、例えば、ノズルプレート20の液体吐出面20aに直接、共析メッキを施すことにより形成することができる。
また、分子膜からなる撥液膜は、例えば、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜を成膜し、その後、乾燥処理、アニール処理等を行うことで、撥液膜(SCA(silane coupling agent)膜)とすることができる。なお、撥液膜として、金属アルコキシドの分子膜を用いた場合には、下地層を設けたとしても、共析メッキにより形成したフッ素系高分子を含む金属膜からなる撥液膜よりも薄く形成できると共に、液体吐出面をクリーニングする際にワイピングによって液体吐出面が拭かれることによっても撥液性が劣化しない「耐擦性」、及び撥液性を向上できるという利点を有する。勿論、「耐擦性」、「撥液性」は劣るが、フッ素系高分子を含む金属膜からなる撥液膜を用いることもできる。
一方、流路形成基板10の他方面側(連通板15とは反対面側)には、振動板50が形成されている。本実施形態に係る振動板50は、流路形成基板10上に形成された弾性膜51と、弾性膜51上に形成された絶縁体膜52とで構成されている(図7(b)参照)。なお、圧力発生室12は、流路形成基板10を一方面から異方性エッチングにより形成されており、圧力発生室12の他方面は、振動板(弾性膜51)で構成されている。
振動板50上には、本実施形態の圧力発生手段として、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とからなる圧電アクチュエーター300が設けられている。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板50が弾性膜51及び絶縁体膜52で構成されたものを例示したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方を設けたものであってもよく、また、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。ただし、流路形成基板10上に直接第1電極60を設ける場合には、第1電極60とインクとが導通しないように第1電極60を絶縁性の膜(保護膜等)で保護する必要がある。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、Aは、鉛を含み、Bは、ジルコニウムおよびチタンのうちの少なくとも一方を含むことができる。前記Bは、例えば、さらに、ニオブを含むことができる。具体的には、圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、シリコンを含むニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTNS)などを用いることができる。
また、圧電体層70は、鉛を含まない非鉛系圧電材料、例えば、鉄酸ビスマスや鉄酸マンガン酸ビスマスと、チタン酸バリウムやチタン酸ビスマスカリウムとを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物などとしてもよい。
また、第2電極80には、リード電極90の一端がそれぞれ接続されている。リード電極90の他端には、駆動回路120が設けられた配線基板121、例えば、COF等が接続されている。
流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が設けられている。保護基板30は、圧電アクチュエーター300を保護するための空間である保持部31を有する。
また、このような構成のヘッド本体11には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100をヘッド本体11と共に画成するケース部材40が設けられている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接着剤によって固定されると共に、上述した連通板15にも接着剤によって固定されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40とヘッド本体11とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40と流路形成基板10とによって画成された第3マニホールド部42とによって本実施形態のマニホールド100が構成されている。
なお、ケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。また、保護基板30の材料は、保護基板30が接着される流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましく、本実施形態では、シリコン単結晶基板を用いた。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する液体吐出面20a側の面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体吐出面20a側の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部となっている。
なお、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入路44が設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口43が設けられている。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIでは、インクを吐出する際に、カートリッジ等のインク貯留手段から導入路44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター300と共に弾性膜51及び絶縁体膜52をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が吐出される。
ところで、上述のように、かかるインクジェット式記録ヘッドIでは、ノズルプレート20及びカバーヘッド130の被吐出対象と対向する面には、ノズルプレート20及びカバーヘッド130の撥液膜24が設けられている。そして、この撥液膜24が設けられている面は、それぞれクリーニング時にワイパーが接触する面であり、ノズルプレート20及びノズルプレート20に設けられた撥液膜24の端面と、カバーヘッド130及びカバーヘッド130に設けられた撥液膜24の端面との間に凹部200(図8参照)が存在すると、この凹部200に露出するノズルプレート20の撥液膜24の最端部にワイパーが引っかかる等して拭き取り性が悪いのでこれを防止する必要がある。また、凹部200にインクが溜まってしまい、さらに拭き取り性が低下してしまうと、この凹部200に溜まったインクをノズル開口21へ刷り込んでしまう可能性があるのでこれを防止する必要がある。
そこで、本実施形態では、ノズルプレート20及びカバーヘッド130の撥液膜24間の凹部200(なお、後述のように撥液膜24の厚さは非常に薄いので凹部200は、ノズルプレート20及びカバーヘッド130間に構成されているものとも言える)には充填剤201が充填されて、ワイパーの引っかかりを抑制すると共に、インクが溜まることを抑制している。充填剤201としては、実施形態1に記載したものと同様のものを用いることができ、本実施形態では、液状エポキシ系接着剤を使用、即ち液状エポキシ系接着剤が硬化したものである。また、充填剤201は、撥液膜24によって弾かれるものが望ましい。本実施形態では、充填剤201は、撥液膜24によって弾かれるものを用いている。
この場合に、撥液膜24がノズルプレート20及びカバーヘッド130とに設けられているので、充填剤201は凹部200内に充填され、撥液膜24の表面には付着しない。即ち、充填剤201は、撥液膜24により弾かれて撥液膜24が形成されていない凹部200にのみ充填され、撥液膜24の表面には付着しない。従って、図8(1)に示すように、充填剤201は凹部200をスロープ状に埋設することができる。なお、図中では図示の都合上、撥液膜24の厚さを厚くしているが、実際は撥液膜24の厚さは凹部200等の図示している領域のサイズに比べて非常に薄く、撥液膜24の側面の撥液性は無視できる程度となる。
また、充填剤201の量が多い場合には、図8(2)に示すように充填剤201が凹部200からはみ出すが、このように設けたとしても、ワイパーの引っかかりを抑制すると共に、インクが溜まることを抑制することが可能である。従って、充填剤201は凹部200を埋設しつつ、カバーヘッド130の撥液膜24よりも外側(被吐出対象側)へ延在しない程度の量が設けられていればよい。もちろん、ワイパーの引っかかりを抑制するためには、図8(1)に示すように充填剤201が凹部200をスロープ状に埋設することが最も好ましい。
また、本実施形態における充填剤201及び撥液膜24は、絶縁性を有するものである。このように絶縁性を有する充填剤201によりノズルプレート20とカバーヘッド130との間の凹部200が埋設されていることで、圧電アクチュエーター300に静電気が到達することを防止することができる。即ち、図9に示すように、凹部200に充填剤が埋設されていない場合には凹部200を介して被吐出対象(記録シート)Sからの静電気(e)が導電体であるコンプライアンス基板45、連通板15、流路形成基板10を介して圧電アクチュエーター300に到達してしまうことも考えられる。
これに対し、図8に示す本実施形態では、導電体が露出する凹部200が絶縁体である充填剤201により埋設されていることから、静電気が圧電アクチュエーター300に到達することがない。なお、本実施形態ではカバーヘッド130の立設部に近い位置に撥液膜24の一部が形成されていない領域があり、該領域から静電気がカバーヘッド130の立設部を通ってアースに流れるように構成されている。
このように、本実施形態では、ノズルプレート20の撥液膜24とカバーヘッド130の撥液膜24との端部間の凹部200が充填剤201により埋設されていることで、ノズルプレート20の端部がワイパーに引っ掛かったり、また、凹部200にインクが溜まってしまったりすることを防止することができる。
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態2におけるカバーヘッド130Aには、外周に絶縁膜202が形成されている点が実施形態2とは異なる。この点について図10を用いて説明する。なお、実施形態3において実施形態2と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、説明は省略する。
具体的には、カバーヘッド130Aには、被吐出対象に対向する面及びノズルプレート20Aに対向する面に絶縁膜202が形成されている。このように絶縁膜が形成されていることで、カバーヘッド130Aの表面に絶縁性を付与することができる。このような絶縁膜としてはプラズマ重合膜(PPSi(Plasma Polymerization Silicone)膜)が挙げられる。また、絶縁膜202を設けることで、分子膜からなる撥液膜24Aとノズルプレート20Aとの密着性を向上することができる。プラズマ重合膜からなる下地膜は、例えば、シリコーンをアルゴンプラズマガスにより重合させて形成することができる。なお、絶縁膜202としては、絶縁性を付与することができれば限定されない。
そして、この絶縁膜202の被吐出対象に対向する面に、撥液膜24Aが形成されている。これによって、カバーヘッド130Aの表面に撥液膜24Aが存在し、撥液膜24Aの下層に絶縁膜202が存在し、絶縁膜202の下地がカバーヘッド130A本体になっている。ノズルプレート20A、カバーヘッド130A、及びこのカバーヘッド130Aの撥液膜24Aの端面と、ノズルプレート20Aの撥液膜24Aの端面とにより画成された凹部200Aに充填剤201Aが埋設されている。
本実施形態では、撥液膜24Aが絶縁性を有しない場合でも静電気が圧電アクチュエーター300に到達することがない。さらに、カバーヘッド130Aのノズルプレート20Aに対向する面に絶縁膜202が形成されているために、充填剤201Aの量が少なく、カバーヘッド130Aのノズルプレート20Aに対向する面の一部又は全部が露出していたとしても、静電気が圧電アクチュエーター300に到達することがない。
本実施形態においても、ノズルプレート20A、カバーヘッド130A、及びノズルプレート20Aの撥液膜24Aとカバーヘッド130のAの撥液膜24Aとで凹部200Aが画成され(なお、前述のように撥液膜24Aの厚さが薄いので凹部200Aはノズルプレート20A、カバーヘッド130Aとで画成されるとも言える)、この凹部200Aが充填剤201Aにより埋設されていることで、ノズルプレート20Aの端部がワイパーに引っ掛かったり、また、凹部200Aにインクが溜まってしまったりすることを防止することができる。
(実施形態4)
本実施形態では、インクジェット式記録ヘッドIBの構成が実施形態2に記載されたものとは異なるので図11、12を用いて説明する。なお、図11、12において実施形態2と同一の構成要素については同一の参照符号を付している。
図11に示すように、本実施形態では、第3マニホールド部42Bに連通するようにケース部材40Bの側面に貫通部203が設けられており、この貫通部203を塞ぐようにコンプライアンス基板45Bが設けられている。
そして、第1マニホールド部17Bと第2マニホールド部18Bのノズルプレート20B側の開口は、カバーヘッド130Bにより封止されている。カバーヘッド130Bは、ノズルプレート20Bの外周にカバーヘッド130Bと離間して設けられている。
このようなインクジェット式記録ヘッドIBにおいても、図12に示すように、ノズルプレート20Bの端面、カバーヘッド130Bの端面、及びカバーヘッド130Bの撥液膜24Bの端部とノズルプレート20Bの撥液膜24Bの端面とにより構成される凹部200Bが画成される。この凹部200Bには、充填剤201Bが埋設されている。
かかるインクジェット式記録ヘッドIBでも、凹部200Bが充填剤201Bにより埋設されていることから、ノズルプレート20Bの端部がワイパーに引っ掛かったり、また、凹部200Bにインクが溜まってしまったりすることを防止することができる。また、凹部200Bを充填剤201Bで埋設することで、圧電アクチュエーター300を被吐出対象からの静電気から保護することが可能である。
(他の実施形態)
本発明は、上述した各実施形態に限定されない。例えば、実施形態1におけるノズルプレート111と固定板とが離間して設けられてこれらの間に凹部が形成されていれば、この凹部を埋めるように充填剤を設けても良い。また、実施形態4におけるノズルプレート20Bに対して絶縁膜202を設ける等、各実施形態同士を組み合わせることも可能である。
上述した各実施形態では、固定板やカバーヘッドに撥液膜を設けたが、これに限定されない。固定板やカバーヘッドなどのカバーには撥液膜が形成されていなくてもよい。
上述した実施形態1では撥水膜を形成したが、これに限定されない。実施形態2に記載したような撥液膜でもよい。また、実施形態1におけるノズルプレート111に対して絶縁膜202を形成しても良い。
上述した各実施形態では、段差部、凹部200、200A、200Bについてそれぞれ充填剤により凹部200の開口部分をスロープ状となるように埋設したが、これに限定されない。凹部200に充填剤が充填されていれば少なくとも充填剤がない場合よりもノズルプレート20の端部がワイパーに引っ掛かったり、また、凹部200にインクが溜まってしまったりすることを抑制することができる。
上述したインクジェット式記録装置IIでは、記録ヘッドIがキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置IIは、液体貯留手段であるインクカートリッジ2がキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段とインクジェット式記録ヘッドIとをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置IIに搭載されていなくてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体吐出装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体吐出ヘッド及び液体吐出装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッドや液体吐出装置にも勿論適用することができる。その他の液体吐出ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料吐出ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物吐出ヘッド等が挙げられ、かかる液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置にも適用できる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体吐出ヘッド)、 3 キャリッジ、 4 装置本体、 5 キャリッジ軸、 6 駆動モーター、 7 タイミングベルト、 8 プラテン、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 20a 液体吐出面、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 ケース部材、 43 接続口、 44 導入路、 45 コンプライアンス基板、 49 コンプライアンス部、 100 マニホールド、 130 カバーヘッド、 300(140) 圧電アクチュエーター、 200 凹部、 201(118) 充填剤

Claims (8)

  1. 液体を被吐出対象に向かって吐出するノズルが形成されたノズルプレートを有する液体吐出ヘッドと、
    前記ノズルプレートの外周側に設けられたカバーと、
    前記ノズルプレート及び前記カバーの前記被吐出対象と対向する面に設けられた撥液膜とを備え、
    前記カバーと前記ノズルプレートとにより画成された凹部に充填剤が充填され
    前記ノズルプレートと前記カバーとは離間して設けられ、
    前記カバーの前記撥液膜は、前記ノズルプレートの前記撥液膜よりも前記被吐出対象側に設けられ、
    前記凹部は、前記ノズルプレートの前記撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在する段差と、前記ノズルプレートの前記撥液膜よりも前記被吐出対象側の反対側に延在する段差と、を含み、
    前記充填剤は、前記凹部を埋設していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記充填剤が絶縁性を有することを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記凹部には、前記撥液膜が形成されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. いに対向する前記ノズルプレートの端面と前記カバーの端面とにより前記凹部が形成され、該凹部に前記充填剤が充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記充填剤が前記カバーに設けられた前記撥液膜よりも前記被吐出対象側に延在しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記カバーには、少なくとも前記被吐出対象と対向する面に絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記充填剤が、液状エポキシ系接着剤が硬化したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体吐出装置。
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