JP2014124887A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコン基板が液体により侵食されるのを抑制して、液体の漏出、液滴の吐出不良、積層された基板の剥離を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出するノズル開口21を含む流路が設けられて、接着剤210〜212を介して積層された基板10、15、20、30を具備し、前記流路の内壁表面には、当該内壁表面から前記接着剤210〜212上に亘って、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料が連続して設けられている。
【選択図】 図3
【解決手段】液体を吐出するノズル開口21を含む流路が設けられて、接着剤210〜212を介して積層された基板10、15、20、30を具備し、前記流路の内壁表面には、当該内壁表面から前記接着剤210〜212上に亘って、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料が連続して設けられている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ノズル開口から液体を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドは、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に圧電素子である圧電アクチュエーターを備え、この圧電アクチュエーターの駆動によって振動板を変形させて圧力発生室に圧力変化を生じさせることで、ノズルからインク滴を噴射させる。
ここで、振動板としては、流路形成基板側に酸化シリコンや酸化ジルコニウム等を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
また、流路形成基板や振動板が流路内のインクによって侵食されるのを防ぐために、圧力発生室等の流路の内壁に酸化タンタル等の耐液体性を有する保護膜が設けたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、流路の内壁に耐液体性を有する保護膜を設けたとしても、シリコン基板で形成された基板が積層された構成では、積層された基板の接着界面にインクが侵入・侵食し、接着界面の減少により接合強度が低下し、インクの漏出や吐出不良、積層された基板の剥離などの不具合が生じる虞があるという問題がある。
また、流路の内壁に耐液体性を有する保護膜を設けたとしても、保護膜にピンホール等が形成されていると、流路内のインク(液体)がピンホールを介してシリコン基板を侵食してしまう。
さらに、流路の内壁に設けた保護膜にピンホールが形成されていると、振動板が侵食されて、振動板の振動特性に影響を及ぼし、振動板を安定して変形させることができなくなってしまうという問題がある。
特に、ノズル開口の高密度化、インクジェット式記録ヘッドの薄型化を行うために、保護膜は薄くする必要があり、保護膜にピンホール等の不良が発生し易い。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、シリコン基板が液体により侵食されるのを抑制して、液体の漏出、液滴の吐出不良、積層された基板の剥離を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口を含む流路が設けられて、接着剤を介して積層された基板を具備し、前記流路の内壁表面には、当該内壁表面から前記接着剤上に亘って、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料が連続して設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料によって基板が液体に侵食されるのを抑制することができると共に、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料によって接着剤が液体に侵されるのを抑制して、接着強度が低下するのを抑制して、液体の漏出、吐出不良及び積層された基板の剥離を抑制することができる。
かかる態様では、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料によって基板が液体に侵食されるのを抑制することができると共に、原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料によって接着剤が液体に侵されるのを抑制して、接着強度が低下するのを抑制して、液体の漏出、吐出不良及び積層された基板の剥離を抑制することができる。
ここで、前記基板がシリコン基板で形成されていることが好ましい。これによれば、流路を高精度に形成することができる。また、原子層堆積法によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料によってシリコン基板が液体に侵食されるのを抑制することができる。
また、前記基板が、流路の一部を構成する圧力発生室が形成された流路形成基板と、前記ノズル開口が形成されたノズルプレートであることが好ましい。これによれば、原子層堆積法によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料を複雑な流路や微細なノズル開口内に精度よく形成することができる。
また、前記基板が、前記流路形成基板と前記ノズルプレートとの間に設けられて、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを連通するノズル連通路が設けられた連通板であることが好ましい。これによれば、流路形成基板と連通板との接着、連通板とノズルプレートとの接着における接着強度の低下を抑制することができる。
また、前記原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料は、0.3Å以上、50nm以下の厚さで形成されていることが好ましい。これによれば、耐液性が十分に確保され、流路内及びノズル開口内の開口状態に影響を与えることがない。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の漏出、吐出不良及び基板の剥離などの破壊を抑制した液体噴射装置を実現できる。
かかる態様では、液体の漏出、吐出不良及び基板の剥離などの破壊を抑制した液体噴射装置を実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2はインクジェット式記録ヘッドの第1の方向の断面図であり、図3は、図2の要部を拡大した断面図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2はインクジェット式記録ヘッドの第1の方向の断面図であり、図3は、図2の要部を拡大した断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIは、ヘッド本体11、ケース部材40等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接着剤等によって接合されている。本実施形態では、ヘッド本体11は、流路形成基板10と、連通板15と、ノズルプレート20と、保護基板30と、コンプライアンス基板45と、を具備する。本実施形態では、詳しくは後述するが、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30をシリコン基板(シリコン単結晶基板)で形成した。すなわち、本実施形態では、ノズル開口21を含む流路が形成されて、接着剤によって積層された基板とは、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30のことである。
ヘッド本体11を構成する流路形成基板10は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、複数の圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。
また、流路形成基板10の一方面側(後述する振動板50とは反対側)には、連通板15が接着剤210を介して接着されている。また、連通板15には、各圧力発生室12に連通する複数のノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤211を介して接着されている。連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを繋ぐノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート20の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口して、インク滴が吐出される面を液体噴射面20aと称する。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15の液体噴射面20a側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通するインク供給路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。このインク供給路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
このような連通板15としては、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。つまり、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10と連通板15との線膨張係数の違いにより反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りを抑制することができる。
また、ノズルプレート20は、シリコン単結晶基板で形成されている。これにより、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りの発生を抑制することができる。
ノズルプレート20には、ノズル開口21が第1の方向Xに並設された列が、第2の方向Yに複数列、本実施形態では、2列形成されている。各ノズル開口21は、ドライエッチングによって形成され、内径が異なる連続する2つの円筒状の空部から構成されている。即ち、ノズルプレート20の板厚方向におけるインクが吐出される側(液体噴射面20a)に形成された内径の小さい第1円筒部22と、液体噴射面20aとは反対側(インク流路側)に形成された内径の大きい第2円筒部23と、からノズル開口21が構成されている。ノズル開口21の形状については、例示したものには限られず、例えば、内径が一定な円筒部(ストレート部)と、液体噴射面20a側から圧力発生室12側に向けて内径が次第に拡大するテーパー部と、からノズル開口21が構成されていてもよい。
また、ノズルプレート20の液体噴射面20aには、撥液性を有する撥液膜24が設けられている。
撥液膜24は、インクに対して撥水性を有するものであれば特に限定されず、例えば、フッ素系高分子を含む金属膜や、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜などを用いることができる。
なお、フッ素系高分子を含む金属膜からなる撥液膜は、例えば、ノズルプレート20の液体噴射面20aに直接、共析メッキを施すことにより形成することができる。
また、撥液膜として金属アルコキシドの分子膜を用いる場合には、例えば、ノズルプレート20側にプラズマ重合膜(PPSi(Plasma Polymerization Silicone)膜)からなる下地膜を設けることで、分子膜からなる撥液膜とノズルプレート20との密着性を向上することができる。プラズマ重合膜からなる下地膜は、例えば、シリコーンをアルゴンプラズマガスにより重合させて形成することができる。また、分子膜からなる撥液膜は、例えば、撥液性を有する金属アルコキシドの分子膜を成膜し、その後、乾燥処理、アニール処理等を行うことで、撥液膜(SCA(silane coupling agent)膜)とすることができる。ちなみに、撥液膜として、金属アルコキシドの分子膜を用いた場合には、下地層を設けたとしても、共析メッキにより形成したフッ素系高分子を含む金属膜からなる撥液膜よりも薄く形成できると共に、液体噴射面20aをクリーニングする際にワイピングによって液体噴射面20aが拭かれることによっても撥液性が劣化しない「耐擦性」、及び撥液性を向上できるという利点を有する。勿論、「耐擦性」、「撥液性」は劣るが、フッ素系高分子を含む金属膜からなる撥液膜を用いることもできる。
一方、流路形成基板10の他方面側(連通板15とは反対面側)には、振動板50が形成されている。本実施形態に係る振動板50は、流路形成基板10上に形成された弾性膜51と、弾性膜51上に形成された絶縁体膜52とで構成されている。なお、圧力発生室12は、流路形成基板10を一方面から異方性エッチングにより形成されており、圧力発生室12の他方面は、振動板(弾性膜51)50で構成されている。
振動板50上には、本実施形態の圧力発生手段として、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とからなる圧電アクチュエーター300が設けられている。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板50が弾性膜51及び絶縁体膜52で構成されたものを例示したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方を設けたものであってもよく、また、振動板50として弾性膜51及び絶縁体膜52を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。ただし、流路形成基板10上に直接第1電極60を設ける場合には、第1電極60とインクとが導通しないように第1電極60を絶縁性の膜(保護膜200等)で保護する必要がある。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、Aは、鉛を含み、Bは、ジルコニウムおよびチタンのうちの少なくとも一方を含むことができる。前記Bは、例えば、さらに、ニオブを含むことができる。具体的には、圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3:PZT)、シリコンを含むニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3:PZTNS)などを用いることができる。
また、圧電体層70は、鉛を含まない非鉛系圧電材料、例えば、鉄酸ビスマスや鉄酸マンガン酸ビスマスと、チタン酸バリウムやチタン酸ビスマスカリウムとを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物などとしてもよい。
また、第2電極80には、リード電極90の一端がそれぞれ接続されている。リード電極90の他端には、駆動回路120が設けられた配線基板121、例えば、COF等が接続されている。
流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接着剤212を介して接着されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター300を保護するための空間である保持部31を有する。また、保護基板30には貫通孔32が設けられている。リード電極90の他端側は、この貫通孔32内に露出するように延設され、リード電極90と配線基板121とが貫通孔32内で電気的に接続されている。
また、このような構成のヘッド本体11には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100をヘッド本体11と共に画成するケース部材40が接着剤213を介して接着されている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接着剤によって固定されると共に、上述した連通板15にも接着剤によって固定されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40とヘッド本体11とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40と流路形成基板10とによって画成された第3マニホールド部42とによって本実施形態のマニホールド100が構成されている。
なお、ケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。また、保護基板30の材料は、保護基板30が接着される流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましく、本実施形態では、シリコン単結晶基板を用いた。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する液体噴射面20a側の面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体噴射面20a側の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部となっている。
なお、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入路44が設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口43が設けられている。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIでは、インクを噴射する際に、カートリッジ等のインク貯留手段から導入路44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター300と共に弾性膜51及び絶縁体膜52をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIを構成するシリコン基板(シリコン単結晶基板)で形成されて積層された基板、すなわち、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30には、原子層堆積によって形成された酸化タンタル(TaOX)、酸化ハフニウム(HfOX)及び酸化ジルコニウム(ZrOX)からなる群から選択される少なくとも一種の材料を主成分とする保護膜200が設けられている。保護膜200は、単一材料又は複合材料を単一の層に形成したものでもよく、複数の材料を積層した積層膜であってもよい。なお、原子層堆積によって形成されているとは、原子層堆積法(ALD)によって成膜されていることを言う。
具体的には、保護膜200は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30を接着剤210〜212で接着して一体化した後、原子層堆積法によって保護膜200を形成することで、流路の内壁表面(内面)と、基板同士を接着する接着剤210〜212の表面とに亘って連続して形成されている。
すなわち、保護膜200は、マニホールド100の内面(流路形成基板10、保護基板30及び連通板15によって画成された領域)からノズル開口21に至るまでの流路の内面に設けられており、流路に露出された接着剤210〜212の端面上に亘って連続して設けられている。
保護膜200は、酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料を用いることで、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30などの基板や、振動板50、接着剤210〜212がインクにより侵食されるのを抑制することができる。なお、ここで言う耐インク性(耐液体性)とは、アルカリ性や酸性のインク(液体)に対する耐エッチング性のことである。
また、保護膜200を原子層堆積法(ALD)によって形成することで、当該保護膜200を高い膜密度で緻密な状態で形成することができる。そして、このように、保護膜200を高い膜密度で形成することで、保護膜200の耐インク性(耐液体性)を向上することができる。すなわち、保護膜200は、酸化タンタル(TaOX)、酸化ハフニウム(HfOX)及び酸化ジルコニウム(ZrOX)の少なくとも一方で形成することで、耐インク性を有するものであるが、原子層堆積法(ALD)によって形成することで、保護膜200の耐インク性をさらに向上することができる。したがって、保護膜200の耐インク性を向上して、振動板50(弾性膜51)、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30、並びに接着剤210〜212がインク(液体)によって侵食(エッチング)されるのを抑制することができる。また、原子層堆積法によって耐インク性が高い膜密度の高い緻密な保護膜200を形成することができるため、保護膜200をCVD法等によって形成する場合に比べて薄い膜厚で形成しても、十分な耐インク性を確保することができる。したがって、保護膜200を比較的薄い膜厚で形成して、保護膜200が振動板50の変位を阻害するのを抑制して、振動板50の変位量が低下するのを抑制することができる。また、振動板50がインクによって侵食されるのを抑制することができるため、振動板50の変位特性にばらつきが生じるのを抑制して、振動板50を安定した変位特性で変形させることができる。
また、保護膜200を原子層堆積法によって形成することによって、圧力発生室12やノズル連通路16及びインク供給路19等の複雑な形状を有する流路の内面に略均一な膜厚でカバレッジ良く保護膜200を形成することができる。特に、ノズル開口21、ノズル連通路16及びインク供給路19は、開口面積が小さく、内面に保護膜200を形成するのが困難であるが、保護膜200を原子層堆積法によって形成することで、開口面積が小さなノズル開口21、ノズル連通路16及びインク供給路19等の内面に略均一な膜厚で保護膜200を形成することができる。また、ノズル開口21、ノズル連通路16及びインク供給路19等の角部などのカバレッジ不良が発生し易い領域にも確実に膜密度の高い保護膜200を形成することができ、各基板の耐インク性が著しく向上する。なお、このような保護膜200は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20及び保護基板30を接着剤210〜212で接着した後に形成することができる。これに比べて、原子層堆積法以外の方法、例えば、スパッタリング法やCVD法などによって保護膜を形成する場合には、複雑な形状、つまり方向の異なる面に均一な厚さで保護膜を形成するのは困難である。また、原子層堆積法以外の方法で保護膜を形成するには、開口面積の狭い流路の内面などの複雑な形状の面に形成するのが困難なことから、各基板を互いに接着する前に形成する必要がある。各基板を接着する前に保護膜200を形成したとしても、原子層堆積法以外の方法では、複雑な形状の面に均一な厚さで保護膜を形成するのは困難である。また、各基板を接着する前に保護膜200を形成すると、保護膜200は、流路の内面から接着剤210〜212の表面上に亘って連続して形成することができる。このことから、接着剤210〜212がインクに侵されて、接着強度の低下によるインクの漏出や吐出不良、接着強度の低下による剥離を抑制することができる。すなわち、流路内のみに保護膜200を設けたとしても、接着剤210〜212がインクによって侵されると共に、接着剤との界面がインクに侵食されて接着強度が低下してしまう。本実施形態では、流路の内面だけでなく、接着剤210〜212の流路内に露出された面上にも保護膜200を連続して設けることで、インクが接着剤210〜212や接着界面に接触するのを抑制して、接着強度が低下するのを抑制することができる。特に、本実施形態では、流路の内面と接着剤210〜212上とに亘って連続して保護膜200を設けるようにしたため、保護膜200に継ぎ目が無いことから、継ぎ目等からインクが侵入して侵食するのを抑制して、各基板及び接着剤210〜212を確実に保護することができる。
また、本実施形態では、保護膜200を原子層堆積法によって形成することで、方向の異なる面上に均一な膜厚で形成することができ、特に、振動板50上に均一な膜厚で保護膜200を形成することができる。したがって、保護膜200の厚さのばらつきによる振動板50の変位特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
なお、このような原子層堆積法によって形成された保護膜200の厚さは、0.3Å以上、50nm以下の厚さで形成すればよく、10nm以上、30nm以下の範囲が好適である。すなわち、原子層堆積法によれば、保護膜200を50nm以下という比較的薄い厚さで容易に高精度に形成することができる。また、原子層堆積法によって形成された保護膜200は、高い膜密度で形成されるため、0.3Å以上の厚さで十分な耐インク性を確保することができる。また、Ta2O5(TaOX)は、アルカリに可溶だが、膜密度が高ければ(7g/cm2程度)アルカリに溶けにくくなり、耐酸性は、フッ化水素以外の溶液には溶けないという特徴をもつので、強アルカリ液や強酸液に対する保護膜として有効である。さらに、ZrO2は、アルカリには不溶で、耐酸性は、硫酸とフッ化水素酸以外の溶液には溶けないという特徴をもつので、強アルカリ液や強酸液に対する保護膜として有効である。また、HfO2は、アルカリにも酸にも不溶という特徴をもつので、強アルカリ液や強酸液に対する保護膜として万能である。ちなみに、保護膜200をこれより厚く形成すると、成膜に時間がかかりコスト高になるため好ましくない。また、保護膜200をこれより薄く形成すると、全体に均一な膜が形成されない虞があるため好ましくない。
このように保護膜200の厚さを薄くすることで、保護膜200が振動板50の変位を阻害するのを低減して、圧電アクチュエーター300の変位を向上することができる。また、保護膜200の厚さを薄くすることができるため、流路形成基板10の厚さを薄くしても圧力発生室12の容積を確保することができる。また、圧電アクチュエーター300の変位を向上することができることから圧電アクチュエーター300の厚さを薄くすることができる。したがって、インクジェット式記録ヘッドIの薄型化及びノズル開口21の高密度化を実現することができる。
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIの製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。なお、図4〜図6は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す要部を拡大した断面図である。
図4(a)に示すように、シリコンウェハーであり複数の流路形成基板10となる流路形成基板用ウェハー110の一方面に振動板50を形成する。本実施形態では、流路形成基板用ウェハー110を熱酸化することによって形成した二酸化シリコン(弾性膜51)と、スパッタリング法で成膜後、熱酸化することによって形成した酸化ジルコニウム(絶縁体膜52)との積層からなる振動板50を形成した。
もちろん、振動板50の材料は、二酸化シリコン、酸化ジルコニウムに限定されず、窒化シリコン(Si3N4)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミン酸ランタン(LaAlO3)等を用いるようにしてもよい。また、弾性膜51の形成方法は熱酸化に限定されず、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、スピンコート法等又はこれらの組み合わせによって形成してもよい。
次に、図4(b)に示すように、振動板50上に、圧電アクチュエーター300とリード電極90とを形成する。これら圧電アクチュエーター300の各層及びリード電極90は成膜及びリソグラフィー法により圧力発生室12毎に形成することができる。また、圧電体層70は、例えば、ゾル−ゲル法、MOD法、スパッタリング法又はレーザーアブレーション法等のPVD法等を用いて形成することができる。
次に、図4(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の圧電アクチュエーター300側に、シリコンウェハーであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハー130を接着剤212を介して接合する。この流路形成基板用ウェハー110に接合する保護基板用ウェハー130には、予め保持部31及び貫通孔32等が形成されたものであり、この保護基板用ウェハー130と流路形成基板用ウェハー110とを接着剤212を介して接着する。なお、保護基板用ウェハー130に保持部31及び貫通孔32を形成する方法は特に限定されず、例えば、KOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチングによって高精度に形成することができる。
次に、図5(a)に示すように、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚みに薄くした後、流路形成基板用ウェハー110を保護基板用ウェハー130とは反対面側から図示しないマスクを介して異方性エッチングすることにより、圧電アクチュエーター300に対応する圧力発生室12を形成する。
次に、図5(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110と保護基板用ウェハー130との不要部分を除去すると共に、流路形成基板用ウェハー110と保護基板用ウェハー130とを図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10及び保護基板30に分割する。
次に、図5(c)に示すように、分割した流路形成基板10に連通板15を接合する。この連通板15には、予めノズル連通路16、第1マニホールド部17、第2マニホールド部18、インク供給路19が形成されたものであり、連通板15と流路形成基板10とを接着剤210を介して接着する。
次に、図6(a)に示すように、連通板15にノズルプレート20を接着剤211を介して接着する。このノズルプレート20には、予めノズル開口21が形成されており、液体噴射面20aには、撥液膜24が形成されている。そして、このノズルプレート20と連通板15とは接着剤211を介して接着する。
次に、図6(b)に示すように、流路形成基板10、保護基板30、連通板15及びノズルプレート20が接着された接合体に原子層堆積法によって酸化タンタル(TaOX)、酸化ハフニウム(HfOX)及び酸化ジルコニウム(ZrOX)からなる群から選択される少なくとも一種の材料を主成分とする保護膜200を形成する。
このように、接合体に保護膜200を原子層堆積法によって形成することで、流路の内面、すなわち、マニホールド100からインク供給路19、圧力発生室12、ノズル連通路16を介してノズル開口21に至るまでの内面に亘って連続した保護膜200を形成することができる。特に、ノズル開口21、ノズル連通路16及びインク供給路19等の狭い領域の内面にも均一な膜厚で保護膜200を形成することができる。また、保護膜200を接着剤210〜212の流路内に露出した表面上にも連続して形成することができるため、接着剤210〜212がインクに侵されるのを抑制することができる。
その後は、連通板15にコンプライアンス基板45を接合すると共に、ケース部材40を接合することで、図2に示す本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIとすることができる。もちろん、連通板15のコンプライアンス基板45が接合される接着界面にも保護膜200が形成されているため、連通板15の接着界面がインクによって侵食されるのを抑制することができる。もちろん、コンプライアンス基板45やケース部材40を接合した後に、保護膜200を原子層堆積法によって形成するようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の基本的な構成について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
以上、本発明の基本的な構成について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、流路形成基板10とノズルプレート20とを連通板15を介して接合するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、流路形成基板10とノズルプレート20とを直接接合するようにしてもよい。また、ノズルプレート20と流路形成基板10との間には連通板15以外の他の基板を介在させてもよい。
また、上述した実施形態1では、ケース部材40を樹脂又は金属で形成するようにしたが、ケース部材40がインクによって侵食される材料で形成されている場合には、ケース部材40の流路の内面及び接合面に原子層堆積法によって形成された保護膜200を設けるようにすればよい。
また、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、カートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図7は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図7に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッドIを有するインクジェット式記録ヘッドユニット1A、1B(以下、記録ヘッドユニット1A、1Bとも言う)は、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
なお、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(記録ヘッドユニット1)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置IIは、液体貯留手段であるカートリッジ2A、2Bがキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段とインクジェット式記録ヘッドIとをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置IIに搭載されていなくてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1A、1B ヘッドユニット、 2A、2B カートリッジ、 3 キャリッジ、 4 装置本体、 5 キャリッジ軸、 6 駆動モーター、 7 タイミングベルト、 8 プラテン、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 20a 液体噴射面、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 ケース部材、 45 コンプライアンス基板、 100 マニホールド、 200 保護膜、 210−213 接着剤、 300 圧電アクチュエーター(圧力発生手段)
Claims (6)
- 液体を吐出するノズル開口を含む流路が設けられて、接着剤を介して積層された基板を具備し、
前記流路の内壁表面には、当該内壁表面から前記接着剤上に亘って、
原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料が連続して設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記基板がシリコン基板で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
- 前記基板が、流路の一部を構成する圧力発生室が形成された流路形成基板と、前記ノズル開口が形成されたノズルプレートであることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
- 前記基板が、前記流路形成基板と前記ノズルプレートとの間に設けられて、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを連通するノズル連通路が設けられた連通板であることを特徴とする請求項3記載の液体噴射ヘッド。
- 前記原子層堆積によって形成された酸化タンタル、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種の材料は、0.3Å以上、50nm以下の厚さで形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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