JP2014124870A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動板が液体によって侵食されるのを抑制して、振動特性にばらつきが生じるのを抑制すると共に、ノズル開口の高密度化及びヘッドの薄型化を実現することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出するノズル開口21に連通する圧力発生室12が設けられた流路形成基板10と、該流路形成基板10の一方面側に設けられて前記圧力発生室12を封止する振動板50と、該振動板50上に設けられた圧力発生手段である圧電アクチュエーター300と、を具備し、前記振動板50は、前記流路形成基板10側に酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層51を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ノズル開口から液体を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドは、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に圧電素子である圧電アクチュエーターを備え、この圧電アクチュエーターの駆動によって振動板を変形させて圧力発生室に圧力変化を生じさせることで、ノズルからインク滴を噴射させる。
ここで、振動板としては、流路形成基板側に酸化シリコンや酸化ジルコニウム等を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
また、流路形成基板や振動板が流路内のインクによって侵食されるのを防ぐために、圧力発生室等の流路の内壁に酸化タンタル等の耐液体性を有する保護膜が設けたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−83140号公報 特開2011−88369号公報 特開2012−143981号公報
しかしながら、振動板の流路形成基板側に酸化シリコンや酸化ジルコニウムを設けた場合、保護膜にピンホール等が形成されていると、流路内のインク(液体)によって振動板が侵食(エッチング)されて、振動板の振動特性に影響を及ぼし、振動板を安定して変形させることができなくなってしまうという問題がある。
特に、ノズル開口の高密度化、インクジェット式記録ヘッドを薄型化する際に、保護膜は薄くする必要があり、保護膜にピンホール等の不良が発生し易い。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、振動板が液体によって侵食されるのを抑制して、振動特性にばらつきが生じるのを抑制すると共に、ノズル開口の高密度化及びヘッドの薄型化を実現することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられて前記圧力発生室を封止する振動板と、該振動板上に設けられた圧力発生手段と、を具備し、前記振動板は、前記流路形成基板側に酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、振動板の流路形成基板側に酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層を設けることで、圧力発生室内に充填された液体によって振動板が侵食されるのを抑制して、振動板の振動特性を安定させることができる。また、圧力発生室内に保護膜を設けたとしても、保護膜の厚さを薄くすることができ、圧電アクチュエーターの変位特性を向上することができると共に、圧電アクチュエーターを薄くすることができ、液体噴射ヘッドの薄型化を図ることができる。
ここで、前記振動板は、前記第1振動層の前記流路形成基板とは反対側に設けられた酸化シリコンを主成分とする第2振動層と、該第2振動層の前記第1振動層とは反対側に設けられた酸化ジルコニウムを主成分とする第3振動層と、を具備することが好ましい。これによれば、酸化シリコン層と、酸化ジルコニウム層とで構成された従来の振動板と同じ硬さの調整を容易に行うことができる。
また、前記第1振動層は、原子層堆積によって形成されていることが好ましい。これによれば、第1振動層の膜密度を高めて、さらに液体による侵食を抑制することができる。
また、前記圧力発生室の内壁には、耐液性を有する保護膜が設けられていることが好ましく、前記保護膜は、0.3Å以上、50nm以下の厚さで形成されていることが好ましい。これによれば、保護膜の厚さを比較的薄くすることができ、圧電アクチュエーターの変位特性を向上することができると共に、圧電アクチュエーターを薄くすることができ、液体噴射ヘッドの薄型化を図ることができる。
また、前記保護膜は、原子層堆積によって形成されていることが好ましい。これによれば、保護膜の膜密度を高めて、さらに液体による侵食を抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
液体の吐出特性を安定化して、小型化した液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドの断面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′線断面図であり、図3は、図2(b)のB−B′線断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIが備える流路形成基板10は、本実施形態では、例えば、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、この第1の方向Xと直交する方向を、以降、第2の方向Yと称する。
また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向の一端部側、すなわち第1の方向Xに直交する第2の方向Yの一端部側には、インク供給路13と連通路14とが複数の隔壁11によって区画されている。連通路14の外側(第2の方向Yにおいて圧力発生室12とは反対側)には、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるマニホールド100の一部を構成する連通部15が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路が設けられている。
ここで、流路形成基板10の圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路の内壁表面(内面)には、耐インク性(耐液体性)を有する材料、例えば、酸化タンタル(TaOx;アモルファス)からなる保護膜200が設けられている。なお、このような保護膜200の材料は、酸化タンタルに限定されず、使用するインクのpH値によっては、例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、酸化ハフニウム(HfO)等を用いてもよい。
また、保護膜200は、スパッタリング法、原子層堆積法(ALD)等の気相法によって形成することができるが、特に保護膜200は、原子層堆積によって形成されているのが好ましい。なお、原子層堆積によって形成されているとは、原子層堆積法(ALD)によって成膜されていることを言う。この原子層堆積法によれば、保護膜200を比較的薄い膜厚で、高い膜密度で形成することができる。つまり、保護膜200を高い膜密度で形成することで、保護膜200の耐インク性(耐液体性)を向上して、振動板50や流路形成基板10等がインク(液体)によって侵食されるのを抑制することができる。したがって、保護膜200の厚さを薄くすることができる。また、原子層堆積法によって保護膜200を形成することで、CVD法等に比べて薄く形成することができる。ただし、原子層堆積法は、スパッタリング法に比べて成膜に時間がかかるため、厚さのある膜の形成には向かない。
また、本実施形態では、詳しくは後述するが、振動板50の最下層(流路形成基板10側)にインク(液体)によって侵食され難い材料を用いることで、保護膜200を薄く形成しても、振動板50がインクによって侵食されるのを抑制することができる。すなわち、振動板50の最下層にインク(液体)によって侵食され易い材料を用いた場合には、保護膜200を薄く形成することができず、保護膜200を厚く形成する必要がある。本実施形態では、振動板50の最下層にインクに侵食され難い材料を用いることで、保護膜200をスパッタリング法で形成し、保護膜200にピンホール等が形成されたとしても、振動板50がインクによって侵食されるのを抑制することができる。
ちなみに、流路形成基板10としてインクに侵食される材料、例えば、単結晶シリコン基板等を用いて、保護膜200の厚さを薄くすることで当該保護膜200にピンホール等が形成された場合には、隔壁11がインクによって侵食される虞がある。しかしながら、隔壁11がインクに侵食されたとしても、隣り合う圧力発生室12を連通するまでには達せず、また、振動板50の変位特性を変更するものではないので、圧電アクチュエーター300の振動特性に影響を与えるものではなく、特に問題はない。
このような保護膜200は、例えば、酸化タンタルを原子層堆積法によって形成した場合には、その厚さは0.3Å以上、50nm以下の範囲とすればよく、10nm以上、30nm以下の範囲が好適である。すなわち、原子層堆積法では均一且つ緻密(高膜密度)に成膜されるからである。また、Ta(TaO)は、アルカリに可溶だが、膜密度が高ければ(7g/cm程度)アルカリに溶けにくくなり、耐酸性は、フッ化水素以外の溶液には溶けないという特徴をもつので、強アルカリ液や強酸液に対する保護膜として有効である。すなわち、原子層堆積法によれば、保護膜200を50nm以下という比較的薄い厚さで容易に高精度に形成することができる。また、原子層堆積法によって形成された保護膜200は、高い膜密度で形成されるため、0.3Å以上の厚さで十分な耐インク性を確保することができる。ちなみに、保護膜200をこれより厚く形成すると、成膜に時間がかかりコスト高になるため好ましくない。また、保護膜200をこれより薄く形成すると、全体に均一な膜が形成されない虞があるため好ましくない。
このように保護膜200の厚さを薄くすることで、保護膜200が振動板50の変位を阻害するのを低減して、詳しくは後述する圧電アクチュエーター300の変位を向上することができる。また、保護膜200の厚さを薄くすることができるため、流路形成基板10の厚さを薄くしても圧力発生室12の容積を確保することができると共に、圧電アクチュエーター300の厚さを薄くすることができる。したがって、インクジェット式記録ヘッドIの薄型化及びノズル開口21の高密度化を実現することができる。
流路形成基板10の一方面側、すなわち圧力発生室12等の液体流路が開口する面には、各圧力発生室12に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって接合されている。すなわち、ノズルプレート20には、第1の方向Xにノズル開口21が並設されている。
流路形成基板10の他方面側には、酸化ハフニウム(HfO)を含む材料で形成された第1振動層51と、第1振動層51上に形成された酸化シリコン(SiO)を含む材料で形成された第2振動層52と、第2振動層52上に形成された酸化ジルコニウム(ZrO)を含む材料で形成された第3振動層53と、が積層されている。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、第1振動層51で画成されている。
ここで、第1振動層51が酸化ハフニウム(HfO)を含む材料で形成されているとは、第1振動層51の主成分が酸化ハフニウム(HfO)であればよく、他の材料を含むものであってもよい。同様に、第2振動層52は、主成分が酸化シリコン(SiO)であればよく、第3振動層53は、主成分が酸化ジルコニウム(ZrO)であればよい。
このような第1振動層51は、流路形成基板用ウェハーにスパッタリング法や、原子層堆積法(ALD)等の気相法によって形成することができる。特に、第1振動層51は原子層堆積によって形成されているのが好ましい。なお、第1振動層51が原子層堆積によって形成されているとは、原子層堆積法(ALD)によって成膜された膜で形成されていることを言う。このように第1振動層51を原子層堆積法によって形成することで、高い膜密度で形成することができ、耐インク性(耐液体性)をさらに向上することができる。すなわち、第1振動層は、酸化ハフニウム(HfO)を主成分とすることで、アルカリ及び酸のインクによって侵食され難いものであるが、さらに第1振動層51を原子層堆積法によって形成することで、耐インク性にさらに優れたものとすることができる。
なお、第1振動層51は、振動板50の耐インク性(耐液体性)を向上するためのものであるため、その厚さは比較的薄くてもよい。
第2振動層52は、例えば、第1振動層51及び第2振動層52等と共に振動板50の全体の厚さを調整する調整層としても機能する。また、酸化シリコンを主成分とする第2振動層52を設けることで、振動板50の剛性、靭性を最適なものに調整することができる。
なお、第2振動層52は、例えば、原子層堆積法(ALD)や化学蒸着法(CVD)等の気相法などで形成することができる。
また、第3振動層53は、スパッタリング法、原子層堆積法などの気相法、液相法などによって形成することができる。
なお、第3振動層53は、圧電体層70の鉛やビスマス等の成分が、第2振動層52側に拡散するのを抑制する役割を有する。また、第3振動層53は、圧電体層70の結晶の格子定数を合わせる役割も有する。
なお、振動板50は、少なくとも最下層(流路形成基板10)側に第1振動層51を有するものであれば、第2振動層52及び第3振動層53が設けられていなくてもよく、また、その他の膜が設けられていてもよい。ただし、本実施形態のように振動板50として、第1振動層51、第2振動層52及び第3振動層53を設けることで、例えば、従来の酸化シリコン層及び酸化ジルコニウム層だけを有する振動板と同じ硬さとなるように容易に調整することができる。このため、従来の圧電アクチュエーター300と同じ変形を行わせることができる。
このような振動板50上には、本実施形態の圧力発生手段として、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを有する圧電アクチュエーター300が形成されている。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、Aは、鉛を含み、Bは、ジルコニウムおよびチタンのうちの少なくとも一方を含むことができる。前記Bは、例えば、さらに、ニオブを含むことができる。具体的には、圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、シリコンを含むニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTNS)などを用いることができる。
また、圧電体層70は、鉛を含まない非鉛系圧電材料、例えば、鉄酸ビスマスや鉄酸マンガン酸ビスマスと、チタン酸バリウムやチタン酸ビスマスカリウムとを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物などとしてもよい。
さらに、このような圧電アクチュエーター300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路13側の端部近傍から引き出され、振動板50上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電アクチュエーター300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、振動板50及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部15と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。また、流路形成基板10の連通部15を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する振動板50にマニホールドと各圧力発生室12とを連通するインク供給路13を設けるようにしてもよい。
保護基板30には、圧電アクチュエーター300に対向する領域に、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電アクチュエーター保持部32が設けられている。なお、圧電アクチュエーター保持部32は、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、信号処理部として機能する駆動回路120が固定されている。駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、貫通孔33を挿通させたボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムからなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料、例えば、ステンレス鋼(SUS)等で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、振動板50、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以上説明したように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、振動板50の流路形成基板10側に酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層51を設けることで、流路、特に圧力発生室12内の保護膜200にピンホールやクラック等が形成されたとしても、振動板50(第1振動層51)がインクによって侵食されるのを抑制することができる。すなわち、第1振動層51を形成する材料である酸化ハフニウムは、酸化シリコン等に比べて、アルカリ性や酸性のインクによって侵食され難く、保護膜200のピンホール等を介してインクが接触したとしても、振動板50の変位特性が変化するのを抑制することができる。
また、振動板50の流路形成基板10側に酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層51を設けることで、振動板50をインクの侵食から防ぐ保護膜200を形成しなくてもよい。本実施形態では、流路形成基板10の隔壁11を保護するために保護膜200を形成することで、振動板50にも保護膜200が形成されているが、この保護膜200は、流路形成基板10の隔壁11を保護する目的で設けたものであるため、厚さを薄く形成することができる。したがって、保護膜200が振動板50の変形を阻害するのを抑制して、圧電アクチュエーター300の変位特性を向上することができる。また、保護膜200を薄く形成して振動板50の変形を阻害するのを抑制することができることから、圧電アクチュエーター300の圧電体層70を薄くすることができると共に、流路形成基板10の厚さ(圧力発生室12の深さ)を薄くすることができ、インクジェット式記録ヘッドIの薄型化を図ることができると共に、ノズル開口21の高密度化を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、振動板50として、第1振動層51、第2振動層52及び第3振動層53を設けるようにしたが、振動板50は、第1振動層51に加えて、第2振動層52及び第3振動層53の何れか一方のみを設けるようにしてもよく、第2振動層52及び第3振動層53を設けないようにしてもよい。ここで、振動板の他の例を図4に示す。なお、図4は、本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドのB−B′線に準ずる断面図である。
図4(a)に示すように、振動板50Aとして、酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層51のみが設けられている。すなわち、第1振動層51上に第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を有する圧電アクチュエーター300が直接形成されている。
また、図4(b)に示すように、振動板50Bは、流路形成基板10側に設けられた酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層51と、第1振動層51上に酸化ジルコニウムを主成分とする第3振動層53と、を具備する。
このような振動板50A、50Bであったとしても、流路形成基板10側に第1振動層51が設けられていることになるため、振動板50のインクによる侵食を抑制することができる。
また、上述した実施形態1では、振動板50の流路形成基板10側に第1振動層51を設けるようにしたが、第1振動層51は、圧力発生室12等の流路の一方面を画成していればいいため、流路以外の領域、すなわち、第1振動層51と流路形成基板10との間に酸化ハフニウム以外の材料の他の層が設けられていてもよい。すなわち、第1振動層51が、少なくとも流路形成基板10の圧力発生室12等の流路を画成していれば、振動板50のインクによる侵食は抑制することができる。もちろん、流路形成基板10側が第1振動層51で形成されていれば、第1振動層51と第2振動層52との間や、第2振動層52と第3振動層53との間等に他の材料で形成された他の層が設けられていてもよい。
また、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターを用いてもよい。
また、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、上述した実施形態1では、流路形成基板10として、シリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図5に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(記録ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 インク供給路、 14 連通路、 15 連通部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 コンプライアンス基板、 50、50A、50B 振動板、 51 第1振動層、 52 第2振動層、 53 第3振動層、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 200 保護膜、 300 圧電アクチュエーター(圧力発生手段)

Claims (7)

  1. 液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、
    該流路形成基板の一方面側に設けられて前記圧力発生室を封止する振動板と、
    該振動板上に設けられた圧力発生手段と、を具備し、
    前記振動板は、前記流路形成基板側に酸化ハフニウムを主成分とする第1振動層を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記振動板は、前記第1振動層の前記流路形成基板とは反対側に設けられた酸化シリコンを主成分とする第2振動層と、
    該第2振動層の前記第1振動層とは反対側に設けられた酸化ジルコニウムを主成分とする第3振動層と、を具備することを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第1振動層は、原子層堆積によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記圧力発生室の内壁には、耐液性を有する保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記保護膜は、原子層堆積によって形成されていることを特徴とする請求項4記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記保護膜は、0.3Å以上、50nm以下の厚さで形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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