JP6020154B2 - 液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノズル開口から液体を吐出する液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置の製造方法に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法及びインクジェット式記録装置の製造方法に関する。
液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドは、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に圧電素子である圧電アクチュエーターを備え、この圧電アクチュエーターの駆動によって振動板を変形させて圧力発生室に圧力変化を生じさせることで、ノズルからインク滴を噴射させる。
ここで、振動板としては、流路形成基板側に酸化シリコンや酸化ジルコニウム等を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
また、流路形成基板や振動板が流路内のインクによって侵食されるのを防ぐために、圧力発生室等の流路の内壁に酸化タンタル等の耐液体性を有する保護膜が設けたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−83140号公報 特開2011−88369号公報 特開2012−143981号公報
しかしながら、振動板の流路形成基板側に酸化シリコンの保護膜を設けた場合、保護膜にピンホール等が形成されていると、流路内のインク(液体)によって振動板が侵食(エッチング)されて、振動板の振動特性に影響を及ぼし、振動板を安定して変形させることができなくなってしまうという問題がある。
特に、ノズル開口の高密度化、インクジェット式記録ヘッドを薄型化する際に、保護膜は薄くする必要があり、保護膜にピンホール等の不良が発生し易い。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、振動板が液体によって侵食されるのを抑制して、振動特性にばらつきが生じるのを抑制すると共にヘッドの薄型化を実現することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられ、前記ノズル開口を有するノズルプレートと、前記流路形成基板の他方面側に設けられた振動板と、該振動板に設けられて当該振動板を変形させる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、少なくとも前記圧力発生室の内壁には、原子層堆積によって形成された酸化タンタル膜が設けられ、前記酸化タンタル膜は、10nm以上、30nm以下の厚さで形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、少なくとも圧力発生室の内壁に原子層堆積によって形成された酸化タンタル膜を設けることで、酸化タンタル膜の膜密度を高めて緻密な膜とすることができるため、酸化タンタル膜によって圧力発生室の内壁が液体によって侵食されるのを抑制することができる。したがって、酸化タンタル膜によって圧力発生室を画成する振動板が液体によって侵食されるのを抑制して、振動板の振動特性を安定させることができる。また、耐液体性の高い酸化タンタル膜を形成することができることから、酸化タンタル膜を比較的薄く形成することができるため、酸化タンタル膜が振動板の変位を阻害するのを抑制して、圧電アクチュエーターの変位特性を向上することができると共に、圧電アクチュエーターを薄くすることができ、液体噴射ヘッドの薄型化を図ることができる。
また、原子層堆積によって30nm以下の厚さの薄い酸化タンタル膜を容易に形成することができると共に、10nm以上の厚さの酸化タンタル膜によって液体による侵食を確実に抑制することができる。
ここで、前記酸化タンタル膜は、膜密度が7g/cm 以上で形成されていることが好ましい
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドの製造方法により製造された液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置の製造方法にある。
液体の吐出特性を安定化して、小型化した液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′線断面図であり、図3は、図2(b)のB−B′線断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIが備える流路形成基板10は、本実施形態では、例えば、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、この第1の方向Xと直交する方向を、以降、第2の方向Yと称する。
また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向の一端部側、すなわち第1の方向Xに直交する第2の方向Yの一端部側には、インク供給路13と連通路14とが複数の隔壁11によって区画されている。連通路14の外側(第2の方向Yにおいて圧力発生室12とは反対側)には、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるマニホールド100の一部を構成する連通部15が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路が設けられている。
ここで、流路形成基板10の圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路の内壁表面(内面)には、原子層堆積によって形成された酸化タンタル(TaOx;アモルファス)を主成分とする酸化タンタル膜である保護膜200が設けられている。本実施形態では、保護膜200として、五酸化タンタル(Ta)を用いた。なお、原子層堆積によって形成されているとは、原子層堆積法(ALD)によって成膜されていることを言う。
このように、保護膜200を酸化タンタル膜で形成することで、耐インク性を有する保護膜200とすることができる。ここで言う耐インク性(耐液体性)とは、アルカリ性や酸性のインク(液体)に対する耐エッチング性のことである。
また、保護膜200を原子層堆積法によって形成することで、当該保護膜200を高い膜密度で緻密な膜とすることができる。そして、このように、保護膜200を高い膜密度で形成することで、保護膜200の耐インク性(耐液体性)を向上することができる。すなわち、保護膜200は、酸化タンタルで形成することで、耐インク性を有するものであるが、原子層堆積法によって形成することで、保護膜200の耐インク性をさらに向上することができる。したがって、保護膜200の耐インク性を向上して、振動板(弾性膜50)や流路形成基板10等がインク(液体)によって侵食(エッチング)されるのを抑制することができる。また、耐インク性の高い緻密な保護膜200を形成することができるため、保護膜200をCVD法等によって形成する場合に比べて薄い膜厚で形成しても、十分な耐インク性を確保することができる。したがって、保護膜200を比較的薄い膜厚で形成して、保護膜200が詳しくは後述する振動板の変位を阻害するのを抑制して、振動板の変位量が低下するのを抑制することができる。また、振動板がインクによって侵食されるのを抑制することができるため、振動板の変位特性にばらつきが生じるのを抑制して、振動板を安定した変位特性で変形させることができる。
また、保護膜200を原子層堆積法によって形成することによって、圧力発生室12等の凹凸のある流路形成基板10の流路の内面、すなわち、弾性膜50上や隔壁11上等に略均一な膜厚で保護膜200を形成することができる。すなわち、保護膜200は、流路形成基板10の一方面に振動板である弾性膜50や後述する圧電アクチュエーター300等を形成した後、流路形成基板10に圧力発生室12等の流路を形成し、その後、圧力発生室12等の流路内に原子層堆積法によって形成されるものである。このため、原子層堆積法以外の方法、例えば、スパッタリング法やCVD法等によって保護膜を形成した場合には、保護膜200は、方向の異なる面に均一な厚さで形成するのが困難である。本実施形態では、保護膜200を原子層堆積法によって形成することで、方向の異なる面上に均一な膜厚で形成することができ、振動板の変位特性にばらつきが生じるのを抑制することができると共に、保護膜200のカバレッジ不良による振動板(弾性膜50)や流路形成基板10のインクによる侵食を抑制することができる。
なお、このような原子層堆積法によって形成された酸化タンタルを主成分とする保護膜200の厚さは、原子層堆積法では均一且つ緻密(高膜密度)に成膜されるので、0.3Å以上、50nm以下の範囲とすればよく、10nm以上、30nm以下の範囲が好適である。また、Ta(TaO)は、アルカリに可溶だが、膜密度が高ければ(7g/cm程度)アルカリに溶けにくくなり、耐酸性は、フッ化水素以外の溶液には溶けないという特徴をもつので、強アルカリ液や強酸液に対する保護膜として有効である。すなわち、原子層堆積法によれば、保護膜200を50nm以下という比較的薄い厚さで容易に高精度に形成することができる。また、原子層堆積法によって形成された保護膜200は、高い膜密度で形成されるため、0.3Å以上の厚さで十分な耐インク性を確保することができる。ちなみに、保護膜200をこれより厚く形成すると、成膜に時間がかかりコスト高になるため好ましくない。また、保護膜200をこれより薄く形成すると、全体に均一な膜が形成されない虞があるため好ましくない。
このように保護膜200の厚さを薄くすることで、保護膜200が振動板の変位を阻害するのを低減して、詳しくは後述する圧電アクチュエーター300の変位を向上することができる。また、保護膜200の厚さを薄くすることができるため、流路形成基板10の厚さを薄くしても圧力発生室12の容積を確保することができると共に、圧電アクチュエーター300の厚さを薄くすることができる。したがって、インクジェット式記録ヘッドIの薄型化及びノズル開口21の高密度化を実現することができる。
流路形成基板10の一方面側、すなわち圧力発生室12等の液体流路が開口する面には、各圧力発生室12に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって接合されている。すなわち、ノズルプレート20には、第1の方向Xにノズル開口21が並設されている。
流路形成基板10の他方面側には、酸化シリコン(SiO)を含む材料で形成された弾性膜50と、弾性膜50上に酸化ジルコニウム(ZrO)を含む材料で形成された絶縁体膜55とが形成されている。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜50によって画成されており、弾性膜50の圧力発生室12側には、上述のように保護膜200が形成されている。
また、絶縁体膜55上には、本実施形態の圧力発生手段である第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを有する圧電アクチュエーター300が形成されている。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。ちなみに、流路形成基板10上に直接第1電極60を設けたとしても、本実施形態では、第1電極60の圧力発生室12側の面に酸化タンタルの保護膜が形成されるため、第1電極60とインクとが導通することなく、絶縁することができる。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物からなることができ、Aは、鉛を含み、Bは、ジルコニウムおよびチタンのうちの少なくとも一方を含むことができる。前記Bは、例えば、さらに、ニオブを含むことができる。具体的には、圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、シリコンを含むニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTNS)などを用いることができる。
また、圧電体層70は、鉛を含まない非鉛系圧電材料、例えば、鉄酸ビスマスや鉄酸マンガン酸ビスマスと、チタン酸バリウムやチタン酸ビスマスカリウムとを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物などとしてもよい。
さらに、このような圧電アクチュエーター300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路13側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電アクチュエーター300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、弾性膜50、絶縁体膜55及びリード電極90上には、マニホールド100の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部15と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。また、流路形成基板10の連通部15を圧力発生室12毎に複数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する弾性膜50及び絶縁体膜55にマニホールドと各圧力発生室12とを連通するインク供給路13を設けるようにしてもよい。
保護基板30には、圧電アクチュエーター300に対向する領域に、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電アクチュエーター保持部32が設けられている。なお、圧電アクチュエーター保持部32は、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、信号処理部として機能する駆動回路120が固定されている。駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、貫通孔33を挿通させたボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムからなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料、例えば、ステンレス鋼(SUS)等で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以上説明したように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、流路形成基板10内に原子層堆積法によって形成された酸化タンタルを主成分とする保護膜200を設けることで、振動板(弾性膜50)や流路形成基板10の隔壁11等がインクによって侵食されるのを抑制することができる。このため、振動板の変位特性が変化するのを抑制して、振動板の変位特性を安定させて、インク滴の吐出特性を安定させることができる。
また、保護膜200を原子層堆積法によって形成することで、膜密度の高い緻密な保護膜200を形成することができる。したがって、保護膜200の厚さを比較的薄くすることができ、保護膜200が振動板(弾性膜50)の変形を阻害するのを抑制して、圧電アクチュエーター300の変位量を向上することができる。また、保護膜200を薄く設けることで、振動板の変形を阻害するのを抑制することができることから、圧電アクチュエーター300の圧電体層70を薄くすることができると共に、流路形成基板10の厚さ(圧力発生室12の深さ)を薄くすることができ、インクジェット式記録ヘッドIの薄型化を図ることができると共に、ノズル開口21の高密度化を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、酸化シリコンからなる弾性膜50と、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55とを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、弾性膜50として、窒化シリコン膜、ポリシリコン膜、有機膜(ポリイミド、パリレンなど)等の材料を用いるようにしてもよい。また、絶縁体膜55としては、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミン酸ランタン(LaAlO)等の材料を用いるようにしてもよい。弾性膜50に何れの材料を用いたとしても、保護膜200を設けることで、インクによる侵食を抑制することができる。
また、上述した実施形態1では、流路形成基板10の圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15の内壁表面(内面)に保護膜200を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、少なくとも圧力発生室12の内壁表面に原子層堆積法によって形成された酸化タンタルを主成分とする保護膜200を設ければよい。すなわち、保護膜200は、主に振動板(弾性膜50)がインクによって侵食されるのを抑制するためのものであり、流路形成基板10の圧力発生室12以外の領域は、保護膜200を形成する原子層堆積法とは異なる方法、例えば、スパッタリング法やCVD法等によって形成された他の保護膜で保護されていてもよい。また、流路形成基板10の圧力発生室12以外の領域は、酸化タンタル以外の材料で保護されていてもよい。すなわち、本実施形態では、原子層堆積法によって形成された酸化タンタルを主成分とする保護膜200によって振動板(弾性膜50)を保護することで、振動板が侵食されるのを抑制して、振動板の変位特性のばらつきを抑制するものであり、流路形成基板10の隔壁11等が保護膜に形成されたピンホール等によって侵食されたとしても、隣り合う流路同士を連通するまでには至らず、支障はない。
また、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターを用いてもよい。
また、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図4は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図4に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(記録ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 インク供給路、 14 連通路、 15 連通部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 200 保護膜(酸化タンタル膜)、 300 圧電アクチュエーター

Claims (3)

  1. 液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板と、
    該流路形成基板の一方面側に設けられ、前記ノズル開口を有するノズルプレートと、
    前記流路形成基板の他方面側に設けられた振動板と、
    該振動板に設けられて当該振動板を変形させる圧力発生手段と、を具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    少なくとも前記圧力発生室の内壁には、原子層堆積によって形成された酸化タンタル膜が設けられ
    前記酸化タンタル膜は、10nm以上、30nm以下の厚さで形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法
  2. 前記酸化タンタル膜は、膜密度が7g/cm 以上で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の液体噴射ヘッドの製造方法により製造された液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置の製造方法
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