JP6146483B2 - プレス成形装置、この成形装置を用いたプレス成形品の製造方法、及びプレス成形品 - Google Patents

プレス成形装置、この成形装置を用いたプレス成形品の製造方法、及びプレス成形品 Download PDF

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Description

本発明は、平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有するプレス成形品に関する。更に詳しくは、本発明は、断面形状がハット形のプレス成形品を製造するためのプレス成形装置、この成形装置を用いたプレス成形品の製造方法、及びプレス成形品に関する。
自動車の車体は、各種の構造部材(例:フロントピラーロアーアウターレインフォースメント、フロントピラーインナー、サイドシルアウターレインフォースメントリア、サイドシルインナー、リアサイドメンバー等)を含む。構造部材にはプレス成形品が多用される。多くの場合、構造部材に用いられるプレス成形品の断面形状はハット形又は溝形である。
図1(a)及び(b)は、ハット形断面のプレス成形品の一例を模式的に示す図である。これらの図のうち、図1(a)は側面図を示し、図1(b)は図1(a)のA−A断面図を示す。図1(b)に示すように、プレス成形品90は、天板部90aと、縦壁部90b、90cと、フランジ部90d、90eと、を備える。縦壁部90b、90cは、天板部90aの両側部にそれぞれ繋がる。フランジ部90d、90eは、縦壁部90b、90cにそれぞれ繋がる。図1(a)及び(b)に示すプレス成形品90は、平面視において長手方向に沿って直線状に延びる。
このようなハット形断面のプレス成形品は、パンチ及びダイを用いたプレス加工によって成形される。プレス成形の際、素材である金属板(例:鋼板)の縁部を押さえるために、ブランクホルダを用いる場合がある。ブランクホルダを用いたプレス成形は、絞り成形とも呼ばれる。また、プレス成形(絞り成形)では、ブランクホルダとともにパッドを用いる場合がある。
図2(a)〜図2(f)は、従来の一般的なプレス成形(絞り成形)の加工工程を模式的に示す断面図である。これらの図のうち、図2(a)は成形開始前の状態を示す。図2(b)はブランクホルダによって素材金属板を挟み込んだ状態を示す。図2(c)はパッドによって素材金属板を挟み込んだ状態を示す。図2(d)及び(e)は順にダイへのパンチの押し込み過程の状態を示す。図2(f)は成形完了時の状態を示す。図2(a)〜(f)に示す加工工程は、素材金属板70にプレス加工を施し、ハット形断面のプレス成形品を成形する場合を示している。このプレス成形品は、天板部、縦壁部及びフランジ部を有する。
プレス成形装置20は上型40と下型30とを備える。上型40はダイ50とパッド41とを含む。下型30は、パンチ31と、パンチ31の両側部にそれぞれ隣接するブランクホルダ32、33と、を含む。
パンチ31は、プレス成形品の形状が反映された型彫刻部を有する。すなわち、図2(a)に示すように、パンチ31は、プレス成形品の天板部に対応する形状の先端面31aを有する。更に、パンチ31は、プレス成形品の縦壁部に対応する形状の外側側面31b、31cを有する。
ダイ50は、プレス成形品の形状が反映された型彫刻部を有する。すなわち、ダイ50は、プレス成形品のフランジ部に対応する形状の案内面50c、50dを有する。更に、ダイ50は、プレス成形品の縦壁部に対応する形状の内側側面50a、50bを有する。パッド41は、ダイ50の一部を構成し、プレス成形品の天板部に対応する形状の先端面を有する。
また、パッド41は、パッド用加圧機構(例:ばね、ゴム、ガスシリンダ、油圧シリンダ等)42を介してダイ50に装着されている。これにより、パッド41はプレス方向にスライド可能となる。したがって、パッド41はダイ50に対して個別にスライド可能である。パッド41の先端面は、パンチ31の先端面31aに対向する。なお、パッド41は、プレス成形装置のラム(図示省略)と一体となって同じ動きをする金型、固定用治具等に装着される場合もある。
ブランクホルダ32、33は、それぞれブランクホルダ用加圧機構(例:ばね、ゴム、油圧シリンダ、ガスシリンダ等)36、37によって、プレス方向にスライド可能に支持されている。ここで、プレス方向とは、プレス成形の際にパンチ31とダイ50とが相対的に移動する方向のことである。図2(a)〜(f)に示すプレス成形装置20では、上下方向がプレス方向となる。
このような構成のプレス成形装置20を用い、図1に示すハット形断面のプレス成形品は以下の工程を経て製造される。図2(a)に示すように、上型40が上方に退避した状態で、素材金属板70が下型30の上に載置される。その状態で上型40が下降する。すると、図2(b)に示すように、ダイ50の案内面50c、50dが素材金属板70を介してブランクホルダ32、33に当接し、ブランクホルダ用加圧機構36、37が上向きに復元力を付与しながら下降する。このブランクホルダ用加圧機構36、37の復元力によってブランクホルダ32、33が素材金属板70に押し付けられる。これにより、素材金属板70がダイ50とブランクホルダ32、33とによって挟み込まれる。
上型40が更に下降すると、図2(c)に示すように、パッド41が素材金属板70を介してパンチ31に当接し、パッド用加圧機構42が縮む。このパッド用加圧機構42の復元力によってパッド41が素材金属板70に押し付けられる。これにより、素材金属板70がパンチ31とパッド41とによって挟み込まれる。
このように素材金属板70を挟み込んだ状態で、上型40が更に下降する。すると、図2(d)及び(e)に示すように、パンチ31とダイ50とが相対的に移動し、パンチ31がダイ50に押し込まれる。これにより、素材金属板70の幅方向の両側部がダイ50の案内面50c、50dに沿って中央に向けて移動し、これに伴って、素材金属板70の一部がダイ50の型彫刻部内に押し込まれる。
そして、図2(f)に示すように、上型40が下死点に到達する。これにより、天板部がパンチ31の先端面31aとパッド41により仕上げられ、縦壁部がパンチ31の外側側面31b、31cとダイ50の内側側面50a、50bによって仕上げられる。また、フランジ部は、ダイ50の案内面50c、50dとブランクホルダ32、33によって仕上げられる。このようなプレス成形により、ハット形断面のプレス成形品が製造される。
ハット形断面のプレス成形品を成形するための従来技術として、下記のものがある。
特開2009−255116号公報(特許文献1)は、パンチ及びダイによるプレス成形でパッドを用いる技術を開示する。特許文献1の技術では、プレス成形中にパンチ位置、ダイ位置及びパッド位置を測定する。これらの測定値に基づき、パッドの位置を制御し、成形開始からダイとパッドの相対変位が零になるまで、パッドとパンチの相対変位が10〜20mmの範囲内になるようにする。このようにパッドの位置を制御することにより、パンチとパッドの間の素材金属板に弛みを形成し、この形成した弛みをプレス成形の後期で押しつぶす。これにより、特許文献1では、曲げ領域が拡大し、その結果、スプリングバックを低減できる、としている。
国際公開WO2011/145679号公報(特許文献2)は、ダイ、曲げ型及びパッドを用いたプレス成形方法に関する技術を開示する。特許文献2の技術で製造されるプレス成形品は、平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有する。このプレス成形品は、天板部、天板部に繋がる縦壁部、及び縦壁部に繋がるフランジ部を備える。具体的には、天板部の両側部のうち、湾曲内側の側部には、全範囲にわたって縦壁部が形成される。天板部の湾曲外側の側部には、一方の端から湾曲するまでの範囲にのみ縦壁部が形成される。すなわち、特許文献2のプレス成形品は、天板部の湾曲外側の広い範囲で縦壁部が欠落した不完全なハット形断面である。
特許文献2の技術では、素材金属板をダイとパッド及び曲げ型との間に配置し、パッドを素材金属板に近接又は接触させた状態でプレス成形を行う。その際、素材金属板の少なくとも一部を、ダイの領域のうちの天板部に対応する領域の上でスライドさせながら、縦壁部及びフランジ部を成形する。これにより、特許文献2では、プレス成形品の湾曲した領域において、フランジ部で割れの発生を抑制できるとともに、天板部でしわの発生を抑制できる、としている。
特開2009−255116号公報 国際公開WO2011/145679号公報
車体構造部材(フロントピラー部、サイドシル部等)は、単独のプレス成形品から構成されたり、複数のプレス成形品がスポット溶接等によって接合されて構成される。フロントピラー部は、その下端をサイドシル部の先端と接合される。フロントピラー部のうちでサイドシル部と接合される部分は、フロントピラーロアーアウターレインフォースメント及びフロントピラーインナーで構成される。フロントピラーロアーアウターレインフォースメントには、ハット形断面のプレス成形品が用いられる。一例として、前記特許文献2に開示されたプレス成形品が挙げられる。
このようなフロントピラーロアーアウターレインフォースメントは、長手方向に沿ってL字状に湾曲した形状とされる。車体剛性等の性能及び衝突安全性能の向上のためである。
図3(a)及び(b)は、ハット形断面のプレス成形品の別例を模式的に示す図である。これらの図のうち、図3(a)は平面図を示し、図3(b)は図3(a)のB−B断面図を示す。図3(a)及び(b)に示すプレス成形品は、フロントピラーロアーアウターレインフォースメントに適用されるものであり、平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有し、長手方向の全範囲にわたってハット形断面を有する。以下、このような形状のプレス成形品を「特定プレス成形品」ともいう。なお、図3(a)及び(b)には、説明の便宜上、フロントピラーロアーアウターレインフォースメントとして用いられるプレス成形品を例示し、サイドシル部と接合される下端側を長手方向の「後」と呼び(図3(a)中の円で囲った符号「B」参照)、この「後」とは反対の上端側を長手方向の「前」と呼ぶ(図3(a)中の円で囲った符号「F」参照)。
図3(b)に示すように、プレス成形品10は、天板部10aと、第1縦壁部10bと、第2縦壁部10cと、第1フランジ部10dと、第2フランジ部10eと、を備える。天板部10aは、L字状の湾曲領域を含む。第1縦壁部10bは、天板部10aの両側部のうちの湾曲内側の側部の全範囲に繋がる。第2縦壁部10cは、天板部10aの両側部のうちの湾曲外側の側部の全範囲に繋がる。第1フランジ部10dは第1縦壁部10bに繋がる。第2フランジ部10eは第2縦壁部10cに繋がる。
図3(a)及び(b)に示すように、天板部10aと第1縦壁部10bとの境界部10fは、天板部10aの湾曲領域に沿って湾曲した略1/4円弧の弧部位10j(以下、「天板部第1弧状部位」ともいう)を有する(図3(a)中の太線参照)。また、天板部10aと第2縦壁部10cとの境界部10gも、天板部10aの湾曲領域に沿って湾曲した略1/4円弧の弧状部位10k(以下、「天板部第2弧状部位」ともいう)を有する(図3(a)中の太線参照)。
特定プレス成形品10は、パンチ、ダイ及びブランクホルダを用いたプレス成形により製造することができる。しかし、素材金属板として、高強度の金属板、例えば引張強度(TS)が590MPa以上の金属板を使用する場合、プレス成形品10に割れ又はしわが発生し易い。
一方、素材金属板として、引張強度(TS)が590MPa未満の金属板を使用する場合であっても、第1縦壁部10bの深さd1又は第2縦壁部10cの深さd2が深いと、プレス成形品10に割れ又はしわが発生し易い。また、天板部第1弧状部位10jの曲率半径が小さい場合、又は天板部第2弧状部位10kの曲率半径が小さい場合にも、プレス成形品10に割れ又はしわが発生し易い。
図4(a)〜(c)は、プレス成形によって特定プレス成形品を製造したときの板厚減少率の分布を示す図である。これらの図のうち、図4(a)は、パンチ、ダイ及びブランクホルダを用いた絞り成形により、前記図3に示す特定プレス成形品を製造した場合を示す。図4(b)は、図4(a)と同じ絞り成形により、長手方向の一端が閉じられた形状の特定プレス成形品を製造した場合を示す。図4(c)は、パンチ、ダイ及びブランクホルダに加えてパッドを用いた絞り成形により、前記図3に示す特定プレス成形品を製造した場合を示す。図4(a)〜(c)では、濃淡によって板厚減少率を示し、プレス成形前の素材金属板70の輪郭形状を実線で示す。板厚減少率は、素材金属板70の厚みを基準とした板厚の減少率(%)である。
板厚減少率は、FEM解析により求めた。その際、素材金属板は、板厚が1.6mmの980MPa級デュアルフェーズ高強度鋼板とした。プレス成形品の寸法及び形状は、後述する実施例のものと同様とした。また、板厚減少率rtb(%)は、下記(1)式により算出した。
rtb=(tb−t)/tb×100 ・・・(1)
上記(1)式中、tbは素材金属板の板厚(mm)であり、tはプレス成形品の板厚(mm)である。
図4(a)に示すように、パンチ、ダイ及びブランクホルダを用いた絞り成形により、特定プレス成形品を製造した場合、天板部第2弧状部位の湾曲内側のX領域で、著しく減肉が発生している。ここで、素材金属板に採用した材料の特性により、板厚減少率が18%程度を越えると、実際のプレス成形で得られる成形品に割れが発生する。このため、図4(a)に示す特定プレス成形品においては、X領域で割れが発生する。なお、X領域は、このX領域に隣接する天板部第2弧状部位、及びこの弧状部位の近傍を含む。
また、図4(a)に示す特定プレス成形品の場合、天板部第1弧状部位の湾曲外側のY領域で、板厚減少率が長手方向に沿って短いサイクルで増加と減少を繰り返している。これは、実際のプレス成形で得られる成形品にしわが発生することを意味する。このため、図4(a)に示す特定プレス成形品においては、Y領域でしわが発生する。なお、Y領域は、このY領域に隣接する天板部第1弧状部位、及びこの弧状部位の近傍を含む。
図4(b)に示すように、図4(a)と同じ絞り成形により、長手方向の一端が閉じられた形状の特定プレス成形品を製造した場合、図4(a)と同じくX領域で減肉が発生している。ただし、図4(a)と比較し、その減肉量が低減していることから、割れの発生が低減する。また、図4(b)に示す特定プレス成形品においては、図4(a)と同じくY領域でしわが発生している。なお、図4(b)に示す特定プレス成形品は、長手方向の後端で第1縦壁部及び第2縦壁部が繋がる形状であるため、この形状に合わせてパンチ、ダイ及び素材金属板の形状は変更された。
図4(c)に示すように、パンチ、ダイ及びブランクホルダに加えてパッドを用いた絞り成形により、特定プレス成形品を製造した場合、図4(a)と同じくX領域で著しく減肉が発生している。このことから、X領域で割れが発生する。また、図4(c)に示す特定プレス成形品においては、Y領域でしわが抑制されている。
図4(a)〜(c)に示す特定プレス成形品では、天板部の湾曲領域に対応する湾曲内側の第1フランジ部におけるZ領域(前記図3(a)参照)に、大きく余肉が設けられている。この余肉は、素材金属板の幅を拡大することにより得られる。この余肉が設けられない場合、前記図3(a)に示すように、Z領域で割れが発生し易い。また、Z領域は、第1フランジ部と第1縦壁部との境界部のうちでZ領域に隣接する弧状部位(以下、「フランジ部第1弧状部位」ともいう)、及びこの弧状部位の近傍を含む。
このような割れ又はしわの発生を抑制する方法として、特定プレス成形品の絞り成形に前記特許文献1の技術を適用することが考えられる。この場合、パンチ及びダイによるプレス成形でパッドを用いるので、Y領域のしわをある程度低減することは可能である。しかし、その反面、天板部の湾曲領域に対応する湾曲外側の第2フランジ部におけるW領域(前記図3(a)参照)に、しわが発生する。W領域は、第2フランジ部と第2縦壁部との境界部のうちでW領域に隣接する弧状部位(以下、「フランジ部第2弧状部位」ともいう)、及びこの弧状部位の近傍を含む。
また、前記特許文献2の技術で製造対象とするプレス成形品は、縦壁部が広範囲で欠落した不完全なハット形断面のプレス成形品である。このため、特許文献2の技術は、特定プレス成形品の絞り成形に適用することは困難である。仮に、特許文献2の技術を特定プレス成形品の絞り成形に適用する場合、第2フランジ部におけるW領域(前記図3(a)参照)に、しわが発生する。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有するとともに、長手方向の概ね全範囲にわたってハット形断面を有するプレス成形品に関し、下記の特性を有する、プレス成形装置、この成形装置を用いたプレス成形品の製造方法、及びプレス成形品を提供することである:
割れ及びしわが低減されたプレス成形品を得ること。
本発明の一実施形態によるプレス成形装置は、平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有するプレス成形品を製造するためのプレス成形装置である。
前記プレス成形品は、
L字状の湾曲領域を含む天板部と、
前記天板部の両側部のうちの湾曲内側の側部に繋がる第1縦壁部と、
前記天板部の両側部のうちの湾曲外側の側部に繋がる第2縦壁部と、
前記第1縦壁部に繋がる第1フランジ部と、
前記第2縦壁部に繋がる第2フランジ部と、を備える。
前記プレス成形装置は、パンチと、第1ブランクホルダと、第2ブランクホルダと、ダイと、パッドと、先行部と、拘束機構と、を備える。
パンチは、前記天板部、前記第1縦壁部及び前記第2縦壁部にそれぞれ対応する形状の先端面、第1外側側面及び第2外側側面を有する。
第1ブランクホルダは、前記パンチの湾曲内側に隣接し、プレス方向にスライド可能である。
第2ブランクホルダは、前記パンチの湾曲外側に隣接し、プレス方向にスライド可能である。
ダイは、前記パンチ、前記第1ブランクホルダ及び前記第2ブランクホルダと対を成し、前記第1縦壁部及び前記第2縦壁部にそれぞれ対応する形状の第1内側側面及び第2内側側面と、前記第1ブランクホルダ及び前記第2ブランクホルダにそれぞれ対向する第1案内面及び第2案内面と、を有する。
パッドは、前記ダイの一部を構成し、プレス方向にスライド可能であり、前記パンチの前記先端面の全領域のうち、少なくとも前記天板部の前記湾曲領域に対応する領域に対向する。
先行部は、前記ダイの一部を構成し、プレス方向にスライド可能であり、前記第1案内面及び前記第1内側側面の全領域のうち、少なくとも前記天板部の前記湾曲領域に対応する領域を含む。
前記プレス成形装置の動作は、以下のとおりである。
前記パンチと前記ダイとをプレス方向に相対的に移動させることにより、前記パンチを前記ダイに押し込んで金属板を前記プレス成形品に成形する際、前記先行部の前記第1案内面が前記ダイの前記第2案内面よりも先行し、前記第1縦壁部及び前記第1フランジ部が形成される。その後、前記拘束機構によって前記パンチに対する前記第1ブランクホルダ及び前記先行部のスライドが拘束され、この拘束状態で前記ダイへの前記パンチの押し込みが継続され、前記第2縦壁部及び第2フランジ部が形成される。
上記のプレス成形装置は、更に、クッションと、ストッパーと、を備える構成とすることができる。
クッションは、クッションピンを介して前記第1ブランクホルダをプレス方向にスライド可能に支持する。
ストッパーは、前記第1ブランクホルダのスライドを制限する。
この構成の場合、前記拘束機構は、前記第1ブランクホルダのスライドを前記ストッパーで制限しつつ前記クッションピンと前記第1ブランクホルダとを分離させることにより、前記第1ブランクホルダのスライドを拘束し、この第1ブランクホルダの拘束に伴って前記先行部のスライドを拘束する。
上記のプレス成形装置は、上記の構成に代えて、更に、加圧機構を備える構成とすることができる。
加圧機構は、前記第1ブランクホルダをプレス方向にスライド可能に支持する。
この構成の場合、前記拘束機構は、前記第1ブランクホルダのスライドを制限することによって前記第1ブランクホルダを拘束し、この第1ブランクホルダの拘束に伴って前記先行部のスライドを拘束する。
本発明の一実施形態によるプレス成形品の製造方法は、プレス成形により、金属板から上記のプレス成形品を製造する際、前記第1縦壁部及び前記第1フランジ部の成形を前記第2縦壁部及び前記第2フランジ部の成形よりも先行して実施する。
上記の製造方法は、下記の構成を採用することができる。
前記プレス成形品の製造方法は、上記のプレス成形装置を用い、保持工程と、成形工程と、を含む。
保持工程では、前記先行部の前記第1案内面が前記ダイの前記第2案内面よりも先行した状態で、前記第1ブランクホルダ、前記第2ブランクホルダ及び前記パッドによって前記金属板を挟み込む。
成形工程では、前記パンチと前記ダイとをプレス方向に相対的に移動させることにより、前記パンチを前記ダイに押し込んで前記金属板を前記プレス成形品に成形する。
前記成形工程は、第1ステップと、第2ステップと、を含む。
第1ステップでは、前記先行部の前記第1案内面が前記ダイの前記第2案内面よりも先行した状態で、前記ダイへの前記パンチの押し込みを行い、前記第1縦壁部及び前記第1フランジ部を成形する。
第2ステップでは、前記拘束機構によって前記パンチに対する前記第1ブランクホルダ及び前記先行部のスライドが拘束され、この拘束状態で前記ダイへの前記パンチの押し込みを継続し、前記第2縦壁部及び第2フランジ部を成形する。
本発明の一実施形態によるプレス成形品は、平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有する。
前記プレス成形品は、
L字状の湾曲領域を含む天板部と、
前記天板部の両側部のうちの湾曲内側の側部に繋がる第1縦壁部と、
前記天板部の両側部のうちの湾曲外側の側部に繋がる第2縦壁部と、
前記第1縦壁部に繋がる第1フランジ部と、
前記第2縦壁部に繋がる第2フランジ部と、を備え、
引張強度が590MPa以上である。
本発明のプレス成形装置、この成形装置を用いたプレス成形品の製造方法、及びプレス成形品は、下記の顕著な効果を有する:
割れ及びしわが低減されたプレス成形品を得ること。
図1(a)及び(b)は、ハット形断面のプレス成形品の一例を模式的に示す図である。 図2(a)〜図2(f)は、従来の一般的なプレス成形の加工工程を模式的に示す断面図である。 図3(a)及び(b)は、ハット形断面のプレス成形品の別例を模式的に示す図である。 図4(a)〜(c)は、プレス成形によって特定プレス成形品を製造したときの板厚減少率の分布を示す図である。 図5は、本発明の第1実施形態のプレス成形装置を模式的に示す断面図である。 図6(a)〜(e)は、本発明の第1実施形態のプレス成形装置によるプレス成形の加工工程を模式的に示す断面図である。 図7(a)〜(e)は、本発明の第2実施形態のプレス成形装置によるプレス成形の加工工程を模式的に示す断面図である。 図8は、本発明の第3実施形態のプレス成形装置における上型を模式的に示す断面図である。 図9は、先行部が下死点時に当接する領域の一例を模式的に示すプレス成形品の平面図である。 図10は、パッドが下死点時に当接する領域の一例を模式的に示すプレス成形品の平面図である。 図11(a)〜(g)は、本発明の第4実施形態のプレス成形による加工工程を模式的に示す断面図である。 図12は、実施例1のプレス成形によって製造されるプレス成形品を模式的に示す平面図である。 図13は、実施例1のプレス成形によって特定プレス成形品を製造したときの板厚減少率の分布を示す図である。 図14は、実施例2のプレス成形によって特定プレス成形品を製造したときの板厚減少率の分布の一例を示す図である。 図15(a)〜(c)は、実施例2の結果としてダイのストローク差と板厚減少率の関係を示す図である。
本発明者らは、上記目的を達成するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた。その結果、後述する図5に示すように、パッド41とともにブランクホルダ32、33を用いるプレス成形(絞り成形)の際、ダイの湾曲内側の案内面(第1案内面)50cが湾曲外側の案内面(第2案内面)50dよりも先行するのが有効であることを見出した。この場合、天板部の湾曲領域の湾曲内側、より具体的には、第1縦壁部及び第1フランジ部を先行して仕上げる。これにより、素材金属板が湾曲内側に偏る。このため、第1案内面50cが先行しない場合に比べて、天板部第2弧状部位10kの近傍で、素材金属板が余剰な状態となる。この状態で、天板部の湾曲領域の湾曲外側、より具体的には、第2縦壁部及び第2フランジ部を仕上げる。これにより、天板部第2弧状部位10kの湾曲内側のX領域で減肉を低減することができ、その結果として割れの発生を低減することが可能になる。
また、パッド41とともにブランクホルダ32、33を用いることにより、天板部第1弧状部位10jの湾曲外側のY領域でしわの発生を低減することができる。その結果、プレス成形品で板厚の変化を低減することが可能になる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図5は、本発明の第1実施形態のプレス成形装置を模式的に示す断面図である。第1実施形態のプレス成形装置20は、前記図3に示す特定プレス成形品10を製造するための絞り成形に用いられる。なお、図5に示す断面は、前記図3(a)のB−B断面に対応する。後述する第2及び第3実施形態でも同様とする。
プレス成形装置20は、ラム61と、上型40と、下型30と、ボルスター62と、クッション35と、を備える。ラム61はプレス方向(上下方向)にスライドする。ボルスター62の下には、クッション35が配置される。クッション35は、スプリング、流体圧等によって上方に向かって均一な圧力を発生させる。なお、図5には素材金属板70も示す。
下型30は、パンチ31と、第1ブランクホルダ32と、第2ブランクホルダ33と、を含む。パンチ31は、プレス成形品10の形状が反映された型彫刻部を有する。すなわち、パンチ31は、プレス成形品10の天板部10aに対応する形状の先端面31aを有する。更に、パンチ31は、第1縦壁部10bに対応する形状の第1外側側面31bを有するとともに、第2縦壁部10cに対応する形状の第2外側側面31cを有する。したがって、パンチ31の平面視での形状は、プレス成形品10と同様に、長手方向に沿ってL字状に湾曲した形状である。
第1ブランクホルダ32は、パンチ31の湾曲内側に配置され、パンチ31と隣接する。また、第2ブランクホルダ33は、パンチ31の湾曲外側に配置され、パンチ31と隣接する。
第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33は、それぞれクッションピン34の上端に装着されている。それらのクッションピン34は、ボルスター62を貫通し、個別にプレス方向(上下方向)に移動可能に支持されている。クッションピン34の下端は、クッション35に押し当てられる。このため、第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33は、クッションピン34を介してクッション35より上向きの復元力を付与されながら、プレス方向にスライド可能に支持される。
第1ブランクホルダ32を支持するクッションピン34には、第1ブランクホルダ32のスライド移動を制限するため、プレス成形装置に固定のストッパー56が設けられる。ストッパー56は、第1ブランクホルダ32のスライドを拘束するとともに、後述するダイの先行部54のスライドを拘束する拘束機構を構成する。また、第1ブランクホルダ32は、クッションピン34とは分離可能な状態でクッションピン34に装着される。
上型40は、ダイ50(51〜53)とパッド41とを含む。ダイ50は、ダイプレート51と、第1ダイ52と、第2ダイ53と、から構成され、これらの金型を一体とした状態のときにプレス成形品10の形状が反映された型彫刻部を持つ。型彫刻部で言えば、パッド41は、ダイ50の一部を構成し、プレス成形品10の天板部10aに対応する形状の先端面を有する。すなわち、パッド41は、パンチ31の先端面31aに対向して配置される。
第1ダイ52は、第1ブランクホルダ32に対向する。すなわち、第1ダイ52は、パンチ31(プレス成形品10)の湾曲内側に配置される。第1ダイ52は、プレス成形品10の第1フランジ部10dに対応する形状の第1案内面50cを有する。更に、第1ダイ52は、プレス成形品10の第1縦壁部10bに対応する形状の第1内側側面50aを有する。第1内側側面50aは、パンチ31の第1外側側面31bに対応する形状でもある。
第2ダイ53は、第2ブランクホルダ33に対向する。すなわち、第2ダイ53は、パンチ31(プレス成形品10)の湾曲外側に配置される。第2ダイ53は、プレス成形品10の第2フランジ部10eに対応する形状の第2案内面50dを有する。更に、第2ダイ53は、プレス成形品10の第2縦壁部10cに対応する形状の第2内側側面50bを有する。第2内側側面50bは、パンチ31の第2外側側面31cに対応する形状でもある。
ここで、パンチ31(プレス成形品10)の湾曲内側に配置される第1ダイ52には、先行部54が設けられる。先行部54は、第1案内面50c及び第1内側側面50aの全領域のうち、少なくとも、プレス成形品10の天板部10aの湾曲領域に対応する領域を含む。すなわち、先行部54は、第1ダイ52の第1案内面50c及び第1内側側面50aの一部を構成する。後述する図9を用いて説明するように、プレス成形品10の第1フランジ部10dと第1縦壁部10bとの境界部10hは、天板部10aの湾曲領域に沿って湾曲した略1/4円弧の弧状部位10l(フランジ部第1弧状部位)を含む。例えば、先行部54が有する第1案内面50cは、そのフランジ部第1弧状部位10lの湾曲内側の領域を含む領域10nに対応する。
先行部54は、第1ダイ52と一体であってもよいし、第1ダイ52から分離独立したものであってもよい。図5には、先行部54が第1ダイ52と一体である場合を示す。先行部54(第1ダイ52)は、先行部用加圧機構(例:ばね、ゴム、ガスシリンダ、油圧シリンダ等)55を介して支持されている。これにより、先行部54は、プレス方向にスライド可能となる。一方、第2ダイ53は、ダイプレート51に、例えばボルトによって固定される。したがって、先行部54の第1案内面50cは、第2ダイ53の第2案内面50dに対してスライド可能である。
パッド41は、パッド用加圧機構(例:ばね、ゴム、ガスシリンダ、油圧シリンダ等)42を介して支持されている。これにより、パッド41は、プレス方向にスライド可能となる。パッド41は、パンチ31の先端面31aの全領域のうち、少なくとも、プレス成形品10の天板部10aの湾曲領域に対応する領域に対向する。すなわち、パッド41は、ダイ50の一部を構成する。例えば、パッド41は、後述する図10を用いて説明するように、プレス成形品10の天板部第1弧状部位10jの湾曲外側の領域を含む領域10mに対応する。プレス成形品10の天板部10aにおいて、パッド41に対応する領域10m、その中でも天板部第1弧状部位10jに隣接する領域は、しわが発生し易い領域(以下、「しわ発生領域」ともいう)である。
このような構成のプレス成形装置20を用い、前記図3に示す特定プレス成形品10は以下の工程を経て製造される。
図6(a)〜(e)は、本発明の第1実施形態のプレス成形装置によるプレス成形(絞り成形)の加工工程を模式的に示す断面図である。これらの図のうちの図6(a)は成形開始前の状態を示す。6図(b)はブランクホルダによって素材金属板を挟み込んだ状態を示す。図6(c)はパッドによって素材金属板を挟み込んだ状態を示す。図6(d)は先行部が拘束された時点の状態を示す。図6(e)は成形完了時の状態を示す。
成形前の状態では、図6(a)に示すように、上型40が上死点にあり、下型30から上方に退避している。この状態のとき、上型40に関して、パッド41の先端面と第2ダイ53の第2案内面50dは、同じ高さ位置に配置される。ただし、パッド41の先端面は、第2ダイ53の第2案内面50dよりも高い位置に配置されても構わない。先行部54(第1ダイ52)の第1案内面50cは、第2ダイ53の第2案内面50dよりも低い位置に配置される。一方、下型30に関しては、第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33は、パンチよりも高い位置に配置される。更に、第1ブランクホルダ32は、第2ブランクホルダ33よりも高い位置に配置される。このような上型40の配置により、プレス成形の際、先行部54の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dよりも先行するようになる。そして、下型30の上に(厳密には第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33の上に)、素材金属板70が載置される。
この状態から、上型40が下降し、パンチ31とダイ50とがプレス方向に相対的に移動する。すると、図6(b)に示すように、先行部54及び第1ダイ52の第1案内面50cが素材金属板70を介して第1ブランクホルダ32に当接する。これと合わせ、第2ダイ53の第2案内面50dが素材金属板70を介して第2ブランクホルダ33に当接する。これにより素材金属板70が、先行部54(第1ダイ52)と第1ブランクホルダ32とによって挟み込まれ、更に第2ダイ53と第2ブランクホルダ33とによって挟み込まれる。その際、第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33には、クッションピン34を介してクッション35の復元力が付与される。また、先行部54には、先行部用加圧機構55の復元力が付与される。
続いて、上型40が更に下降する。すると、図6(c)に示すように、パッド41が素材金属板70を介してパンチ31に当接する。これにより、素材金属板70がパンチ31とパッド41とによって挟み込まれる。その際、パンチ31には、パッド用加圧機構42の復元力が付与される。
先行部54に付与される先行部用加圧機構55の復元力は、第1ブランクホルダ32に付与されるクッション35の復元力より大きい。このため、先行部54によって第1ブランクホルダ32が押し込まれ、図6(c)に示すように、先行部54の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dよりも先行する状態が維持される。
このように素材金属板70を挟み込んだ状態で、上型40が更に下降する。すると、先行部54の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dよりも先行した状態で、パンチ31がダイ50に押し込まれ、素材金属板70が加工される。やがて、図6(d)に示すように、素材金属板70がパンチ31の第1外側側面31bに押し当てられることにより、素材金属板70への第1縦壁部10bの成形がほぼ完了する。この第1縦壁部10bの成形は、第1ダイ52(先行部54)の第1内側側面50aが素材金属板70に押し当てられることによっても行われる。また、先行部54と第1ブランクホルダ32とにより、素材金属板70への第1フランジ部10dの成形がほぼ完了する。一方、先行部54の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dよりも先行した状態であるので、第2縦壁部10c及び第2フランジ部10eの成形は継続中となる。
このように素材金属板70から第1縦壁部10b及び第1フランジ部10dを先行して成形すると、素材金属板70が湾曲内側の先行部54側(第1ダイ52側)に引き込まれる。より具体的には、前記図3に実線矢印で示す方向に素材金属板70が引き込まれる。
図6(d)に示すように、第1縦壁部10b及び第1フランジ部10dの成形が完了した状態で、拘束機構(ストッパー)56によって第1ブランクホルダ32及び先行部54のスライドが拘束される。これにより、成形された第1縦壁部10b及び第1フランジ部10dの更なる変形が防止される。このような第1ブランクホルダ32のスライドの拘束に伴い、先行部54がパンチ31に対してスライドするのも拘束される。
上型40が更に下降する。すると、パンチ31に対する第1ブランクホルダ32及び先行部54のスライドが拘束されていることから、第1ブランクホルダ32とクッションピン34とが分離するとともに、先行部54がダイプレート51側に押し込まれる。一方、第2ダイ53は下降し、第2縦壁部10c及び第2フランジ部10eの加工は継続する。
そして、図6(e)に示すように、上型40が下死点に到達する。これにより、第2縦壁部10c及び第2フランジ部10eの成形が完了する。このようなプレス成形により、前記図3に示す特定プレス成形品10が製造される。
本実施形態のプレス成形によれば、第1縦壁部10b及び第1フランジ部10dの成形がほぼ完了した時、素材金属板70が湾曲内側の先行部54側(第1ダイ52側)に引き込まれる。これにより、素材金属板70は、天板部第2弧状部位10k及びその近傍で、余剰な状態となる。この状態から、パンチ31の先端面31a及び第2外側側面31cによって、第2縦壁部10cの成形が進行し、完了する。このため、素材金属板70として高強度の金属板、例えば引張強度(TS)が590MPa以上の金属板を使用する場合であっても、天板部第2弧状部位10kの湾曲内側のX領域(天板部10a、図4参照)で減肉を低減することができ、その結果として割れの発生を低減することができる。これに伴い、X領域の湾曲外側の第2縦壁部10cでも減肉を低減することができる。
また、本実施形態のプレス成形によれば、パッド41が、少なくとも、天板部第1弧状部位10jの湾曲外側で素材金属板70と当接する。このパッド41とパンチ31とによる素材金属板70の挟み込みにより、天板部第1弧状部位10jの湾曲外側のY領域(天板部10a、図4参照)でしわが形成されるのを低減することができる。加えて、第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33を用いて素材金属板70を挟み込んだ状態で絞り成形を行うので、素材金属板70の幅方向に発生する張力が増加する。これによっても、Y領域でしわが形成されるのを低減することができる。
特に、第2ブランクホルダ33を用いることにより、フランジ部第2弧状部位の湾曲外側のW領域(図3参照)でしわが形成されるのを低減することもできる。
フランジ部第1弧状部位の湾曲内側のZ領域(図3参照)における割れの発生は、素材金属板70の幅を拡大すれば低減される。プレス成形の際、素材金属板70のうちで長手方向の後側に位置する領域がZ領域及びその周辺に向かって流入し易くなり、その結果として第1フランジ部10dの湾曲内側に余肉部が形成されるからである。この余肉部をプレス成形後にトリミングにより除去すれば、所望の形状のプレス成形品を得ることができる。
以上のとおり、本実施形態のプレス成形によれば、プレス成形品10の減肉が低減されるため、割れの発生を低減することができる。しかも、しわを低減することができる。その結果、プレス成形品10の板厚の変化を低減できる。したがって、割れ及びしわが低減されたプレス成形品10を得ることが可能になる。このようなプレス成形品10は、本実施形態のプレス成形により、引張強度が590MPa以上の素材金属板70を用いて成形される。したがって、プレス成形品10の引張強度は、590MPa以上になり、好ましくは980MPa以上になり、更に好ましくは1180MPa以上になる。
本実施形態のプレス成形は、素材金属板70として低強度の金属板を使用する場合にも適用できる。この場合、天板部第1弧状部位10jの曲率半径が小さくても、板厚の変化、並びに割れ及びしわが低減されたプレス成形品10を得ることができる。もちろん、天板部第2弧状部位10kの曲率半径が小さくても、問題はない。また、第1縦壁部10bの深さd1又は第2縦壁部10cの深さd2が深くても、問題はない。したがって、本実施形態のプレス成形を用いれば、プレス成形品の形状設計の自由度が増す。
[第2実施形態]
図7(a)〜(e)は、本発明の第2実施形態のプレス成形装置によるプレス成形(絞り成形)の加工工程を模式的に示す断面図である。これらの各図は、前記図6(a)〜(e)の各図と同様の状況を示す。
第2実施形態のプレス成形装置20は、前記図6に示す第1実施形態のプレス成形装置20の構成を基本とする。後述する第3及び第4実施形態でも同様とする。第2実施形態のプレス成形装置20は、第1実施形態のプレス成形装置20と比較し、拘束機構を変形した点で相違する。第2実施形態では、第1ブランクホルダ32が、クッションピンに代えて、第1ブランクホルダ用加圧機構36によってプレス方向にスライド可能に支持されている。その第1ブランクホルダ用加圧機構36として、例えば、ばね、ゴム、ガスシリンダ、油圧シリンダ等を採用できる。
第2実施形態では、第1ブランクホルダ32のスライドが、第1ブランクホルダ用加圧機構36を介したストッパー56によって制限される。この制限によって第1ブランクホルダ32が拘束され、この第1ブランクホルダ32の拘束に伴って先行部54のスライドが拘束される。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態のプレス成形装置における上型を模式的に示す断面図である。第3実施形態のプレス成形装置20は、第1及び第2実施形態のプレス成形装置20と比較し、上型40を変形した点で相違する。第3実施形態では、第1ダイ52が第1ダイ本体52aと先行部54とから構成される。第3実施形態の先行部54は、第1案内面50cに関しては幅方向の全域を構成し、第1内側側面50aに関しては第1案内面50c近傍の一部を構成する。第1ダイ本体52aは、先行部54から除かれた第1内側側面50aの残部を構成する。第1ダイ本体52aは、ダイプレート51に固定される。先行部54は、第1ダイ本体52aに固定された先行部用加圧機構55を介して支持される。
第3実施形態の場合、先行部54と第1ダイ本体52aとの間に金型分割ラインが存在する。この金型分割ラインはプレス成形品10に転写されるおそれがある。このため、プレス成形品10の表面品質を確保する観点からは、上記第1及び第2実施形態のような先行部54を採用することが好ましい。
上記第1〜第3実施形態では、先行部54が第1案内面50cの幅方向の全域を構成する。ただし、素材金属板70にプレス成形(絞り成形)を行える限り、先行部54が第1案内面50cの幅方向の一部を構成する態様であっても構わない。
また、先行部54は、第1ダイ52の長手方向の全範囲にわたって設けられてもよいが、部分的に設けてられてもよい。先行部54が部分的に設けられる場合、金型分割ラインが存在することになる。この金型分割ラインは、例えば、プレス成形品10の表面品質の制約に応じ、更に金型及びプレス機にかかる偏荷重に応じ、適宜設定すればよい。もっとも、プレス成形品10の表面品質を確保する観点から、先行部54は、第1ダイ52の長手方向の全範囲にわたって設けられるのが好ましい。
図9は、先行部が下死点時に当接する領域の一例を模式的に示すプレス成形品の平面図である。先行部54は、少なくとも、フランジ部第1弧状部位10l(図9中の太線参照)の湾曲内側の領域10n(図9中の網掛け部参照)で当接する。天板部第2弧状部位10kの湾曲内側のX領域(図4参照)で減肉を低減するためである。これと合わせ、第1フランジ部10dのZ領域(図3参照)で割れの発生を低減するためである。
図10は、パッドが下死点時に当接する領域の一例を模式的に示すプレス成形品の平面図である。パッド41は、少なくとも、天板部第1弧状部位10j(図10中の太線参照)の湾曲外側の領域10m(図10中の網掛け部参照)で当接する。天板部10aのY領域(図4参照)でしわを低減するためである。パッド41が当接する領域10mは、図10に示すように、天板部10aの領域のうちで湾曲領域の長手方向前方の領域を含んでもよい。また、パッド41が当接する領域10mは、天板部10aの全領域であってもよい。この場合、パッド41は、必要に応じて長手方向で分割して配置してもよい。
要するに、パッド41は、少なくとも、天板部10aのしわ発生領域に当接するように配置される。多くの場合、しわ発生領域は、天板部第1弧状部位10j(図10中の太線参照)の湾曲外側のY領域(図4参照)に存在する。しわ発生領域は、FEM解析によって把握することができる。また、しわ発生領域は、従来の一般的なプレス成形方法によってプレス成形品を製造し、そのプレス成形品の表面性状を調査することによっても把握することができる。
ここで、フランジ部第1弧状部位の湾曲内側のZ領域(図3参照)における割れの発生は、上記のとおり、素材金属板70の幅を拡大し、第1フランジ部10dの湾曲内側に余肉部を形成することによって低減できる。この場合、プレス成形の際に、素材金属板70のうちで長手方向の後側に位置する領域がZ領域及びその周辺に向かって流入する。この流入が阻害されるのを防止するため、素材金属板70のうちで長手方向の後側に位置する領域にパッド41を当接させる場合、その押し付け圧力を適宜設定するのが好ましい。
本実施形態のプレス成形では、先行部54の第1案内面50cを第2ダイ53の第2案内面50dよりも先行するように配置する。この先行部54の先行量m(単位:mm、図5参照)は、第2縦壁部10cの深さd2(単位:mm、図3(b)参照)に占める先行量mの比率(以下、「先行量比率」ともいう)Rを指標にして設定される。先行部54の先行量mは、プレス成形品10の形状や素材金属板70の材質に応じて適宜設定され、例えば、先行量比率Rが3〜100%となるように設定される。X領域(図4参照)の割れの発生をより低減する観点、金型及びプレス機に負荷される偏荷重の観点、並びに生産効率を向上しつつ、しわの発生を低減する観点から、先行部54の先行量mは、先行量比率Rが10〜70%となるように設定するのが好ましい。先行量mは、押し込み過程での先行部54と第2ダイ53とのストローク差(すなわち、各々の下死点までの残りストロークの差)とも言える。
押し込み過程の序盤における先行部54の配置は、先行部54の第1案内面50cと第2ダイ53の第2案内面50dとの高低差n(単位:mm、前記図5参照)よって評価することができる。その高低差nは、前記図5に示すように、先行部54の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dより突き出た状態を正の値とし、第2案内面50dが先行部54の第1案内面50cより突き出た状態を負の値とする。
本実施形態のプレス成形では、第1案内面50cと第2案内面50dとの高低差nが、正の値、0(零)及び負の値のいずれであっても、X領域での割れの発生を低減できる。X領域での割れの発生をより低減する観点から、第1案内面50cと第2案内面50dとの高低差nは、正の値とし、押し込み過程の序盤に先行部54の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dより突き出た状態とするのが好ましい。一方、金型及びプレス機に負荷される偏荷重の観点、並びに生産効率を向上しつつ、しわの発生を低減する観点から、第1案内面50cと第2案内面50dとの高低差nは、第1縦壁部10bの深さd1より小さい値とするのが好ましい。
プレス成形品10の第2縦壁部10cと第2フランジ部10eとの境界部10iは、天板部10aの湾曲領域に沿って湾曲した略1/4円弧の弧状部位10q(フランジ部第2弧状部位)を含む(後述する図12参照)。本実施形態のプレス成形では、第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔は、少なくとも、そのフランジ部第2弧状部位10qの湾曲外側の領域で、素材金属板70の板厚より大きい状態に維持することが好ましい。これにより、素材金属板70のうちの第2ブランクホルダ33と当接する部位がダイ50の型彫刻部内に流入するのを促進することが可能になる。その結果、プレス成形品10のX領域(図4参照)で減肉を低減することができる。また、X領域の湾曲外側の第2縦壁部10cでも減肉を低減することができる。
第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔を素材金属板70の板厚より大きい状態に維持する構成は、例えば、第2ブランクホルダ33及び第2ダイ53の互いに対向する面に段差を設けることにより実現できる。また、例えば、第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間に、互いの金型の面当て部となるディスタンスブロックを設けることにより実現できる。両者の組み合わせによっても実現できる。
第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔を素材金属板70の板厚より大きい状態に維持する構成を採用する場合、第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔が過大であると、W領域(図3参照)にしわが発生するおそれがある。このため、第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔は、W領域にしわが発生しない程度に適宜設定すればよい。第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔d(mm)は、例えば、下記(2)式を満足するように設定することができる。
tb×1.01≦d≦tb×1.50 ・・・(2)
上記(2)式中、tbは素材金属板の板厚(mm)である。
上記のとおり、第1フランジ部10dの湾曲内側に余肉部を形成することによってZ領域(図3参照)の割れを低減する場合、第2ブランクホルダ33と第2ダイ53との間隔を、第2フランジ部10eの領域のうち、フランジ部第2弧状部位10qから長手方向後方の領域(後述する図12中の符号「10p」で示す網掛け部参照)で、素材金属板70の板厚より大きい状態に維持することがより好ましい。加えて、第1ブランクホルダ32と第1ダイ52(先行部54)との間隔を、第1フランジ部10dの領域のうち、フランジ部第1弧状部位10lから長手方向後方の領域(後述する図12中の符号「10o」で示す網掛け部参照)で、素材金属板70の板厚より大きい状態に維持することがより好ましい。
これにより、プレス成形品10のX領域(図4参照)で減肉を低減することができ、また、X領域の湾曲外側の第2縦壁部10cでも減肉を低減することができる。加えて、Z領域(図3参照)での割れを低減する効果が向上する。
本実施形態のプレス成形は、素材金属板70を挟み込む順序に限定はない。前記図6及び図7に示す加工工程のように、第1ブランクホルダ32及び第2ブランクホルダ33による挟み込みの後でパッド41による挟み込みが実行されてもよいし、その逆の順序で挟み込みが実行されてもよい。
前記図5〜図8に示すプレス成形装置では、上型として、ダイとパッドを配置し、下型として、パンチとブランクホルダを配置した構成であるが、上下の金型の配置が上下で反転した構成であっても構わない。
なお、本実施形態のプレス成形の後にリストライク工程が追加されてもよい。リストライク工程では、不完全な形状の部位(例:微小なR部等)が最終形状に仕上げられる。
本実施形態のプレス成形によって製造された特定プレス成形品10は、フロントピラーロアーアウターレインフォースメントのみならず、サイドシルインナー、サイドシルアウターレインフォースメントリア、フロントサイドメンバー、リアサイドメンバー等の構造部材に適用される。
これらの構造部材に適用される特定プレス成形品の場合、天板部第1弧状部位10j及び天板部第2弧状部位10kの中心角は、例えば、15〜120°に設計される。また、天板部第1弧状部位10jの曲率半径は、例えば、30〜600mmに設計される。天板部第2弧状部位10kの曲率半径は、例えば、10〜600mm、又は∞(直線)に設計される。第1縦壁部10bの深さd1は、例えば、20〜300mmに設計され、第2縦壁部10cの深さd2は、例えば、20〜300mmに設計される。
より具体的には、特定プレス成形品をリアサイドメンバーとして用いる場合、弧状部位10j及び10kの中心角は、例えば、15〜85°に設定される。また、天板部第1弧状部位10jの曲率半径は、例えば、30〜600mmに設定される。天板部第2弧状部位10kの曲率半径は、例えば、30〜600mmに設定される。第1縦壁部の深さd1は、例えば、30〜300mmに設定され、第2縦壁部の深さd2は、例えば、30〜300mmに設定される。
特定プレス成形品をフロントピラーロアーアウターレインフォースメントとして用いる場合、弧状部位10j及び10kの中心角は、例えば、60〜120°に設定される。また、天板部第1弧状部位10jの曲率半径は、例えば、30〜200mmに設定される。天板部第2弧状部位10kの曲率半径は、例えば、10〜200mmに設定される。第1縦壁部の深さd1及び第2縦壁部の深さd2は、例えば、20〜200mmに設定される。
特定プレス成形品をフロントピラーインナーとして用いる場合、弧状部位10j及び10kの中心角は、例えば、60〜120°に設定される。また、天板部第1弧状部位10jの曲率半径は、例えば、30〜200mmに設定される。天板部第2弧状部位10kの曲率半径は、例えば、10〜200mmに設定される。第1縦壁部の深さd1及び第2縦壁部の深さd2は、例えば、20〜200mmに設定される。
特定プレス成形品をサイドシルアウターレインフォースメントリアとして用いる場合、弧状部位10j及び10kの中心角は、例えば、15〜85°に設定される。また、天板部第1弧状部位10jの曲率半径は、例えば、30〜400mmに設定される。天板部第2弧状部位10kの曲率半径は、例えば、70〜∞(直線)mmに設定される。第1縦壁部の深さd1及び第2縦壁部の深さd2は、例えば、20〜200mmに設定される。
[第4実施形態]
図11(a)〜(g)は、本発明の第4実施形態のプレス成形による加工工程を模式的に示す断面図である。第4実施形態では、プレス成形による加工工程が2つのステージに分かれる。第4実施形態のプレス成形によって最終的に得られるプレス成形品は、第1〜第3実施形態のプレス成形によって得られるプレス成形品と同じであるが、第1ステージ及び第2ステージを順に経て完成品に成形される。すなわち、ステージごとに別個のプレス成形装置が用いられ、第1ステージでは素材金属板から中間品が成形され、第2ステージではその中間品が完成品に仕上げられる。中間品は、天板部、この天板部の湾曲内側の第1縦壁部、及びこの第1縦壁部に繋がる第1フランジ部が完全に成形されたものであるが、天板部の湾曲外側の第2縦壁部、及びこの第2縦壁部に繋がる第2フランジ部が途中まで成形されたものである。
図11(a)〜(d)は第1ステージの加工工程を示す。これらの図のうち図11(a)は第1ステージの成形開始前の状態を示す。図11(b)はブランクホルダによって素材金属板を挟み込んだ状態を示す。図11(c)はパッドによって素材金属板を挟み込んだ状態を示す。図11(d)は第1ステージの成形完了時の状態を示す。図11(e)〜(g)は第2ステージの加工工程を示す。これらの図のうち図11(e)は第2ステージの成形開始前の状態を示す。図11(f)成形開始時の状態を示す。図11(g)は第2ステージの成形完了時の状態を示す。
第1ステージで用いられるプレス成形装置20Aは、図11(a)〜(d)に示すように、第1及び第2実施形態のプレス成形装置20と比較し、下記の点が相違する。上型40のダイ50に関し、パンチ31の湾曲内側に配置される第1ダイ52と先行部54は一体であり、ダイプレート51に固定される。すなわち、第1〜第3実施形態のような先行部用加圧機構55は設置されていない。第1ダイ52及び先行部54の型彫刻部は、第1〜第3実施形態と同様に、完成品の形状を反映したものである。
また、第1ステージにおいて、パンチ31の湾曲外側に配置される第2ダイ53は、第1〜第3実施形態と同様に、ダイプレート51に固定される。ただし、第2ダイ53の型彫刻部は、完成品の形状の途中までが反映されたものである。すなわち、第2ダイ53の内側側面50bのプレス方向の深さは、完成品の第2縦壁部の深さよりも浅い。
第1ステージで用いられる下型30に関しては、第1〜第3実施形態のような第1ブランクホルダ32のスライド移動を制限するストッパー56は設置されていない。
第2ステージで用いられるプレス成形装置20Bは、図11(e)〜(g)に示すように、第1及び第2実施形態のプレス成形装置20と比較し、下記の点が相違する。上型40のダイ50に関し、パンチ31の湾曲内側に配置される第1ダイ52と先行部54は、パッド41を含めて一体である。これら一体の第1ダイ52、先行部54及びパッド41は、パッド用加圧機構42を介して支持されている。第1〜第3実施形態のような先行部用加圧機構55は設置されていない。第1ダイ52、先行部54及びパッド41の型彫刻部は、第1〜第3実施形態と同様に、完成品の形状を反映したものである。
また、第2ステージにおいて、パンチ31の湾曲外側に配置される第2ダイ53は、第1〜第3実施形態と同様に、ダイプレート51に固定される。また、第2ダイ53の型彫刻部は、第1〜第3実施形態と同様に、完成品の形状を反映したものである。
第2ステージで用いられる下型30に関しては、パンチ31の湾曲内側に隣接する第1ブランクホルダ32は、パンチ31と一体である。すなわち、第1〜第3実施形態のような第1ブランクホルダ32を支持するクッションピン34は設置されていない。
図11(a)〜(d)に示すように、第1ステージのプレス成形装置20Aによるプレス成形では、上型40が下降し、パンチ31とダイ50とがプレス方向に相対的に移動する。これに伴い、第1〜第3実施形態と同様に、先行部54(第1ダイ52)の第1案内面50cが第2ダイ53の第2案内面50dよりも先行する。そして、素材金属板70に、第1縦壁部10b及び第1フランジ部10dの形状が成形される。更に、素材金属板70には、第2縦壁部10c及び第2フランジ部10eの途中までの形状が成形される。このような第1ステージのプレス成形により、中間品71が成形される。
図11(e)〜(g)に示すように、第2ステージのプレス成形装置20Bによるプレス成形では、上型40が下降し、パンチ31とダイ50とがプレス方向に相対的に移動する。これに伴い、第1〜第3実施形態と同様に、第1ブランクホルダ32及び先行部54のスライドが拘束される。更に、第2ダイ53の下降に伴って、第2縦壁部10c及び第2フランジ部10eの形状が成形される。このような第1ステージ及び第2ステージを順に経たプレス成形により、前記図3に示す特定プレス成形品10が製造される。
第4実施形態においても、第1縦壁部10b及び第1フランジ部10dの成形が第2縦壁部10c及び第2フランジ部10eの成形よりも先行するため、第1〜第3実施形態と同様の効果を奏する。
本発明の効果を確認するため、下記実施例1及び2のFEM解析を実施した。
[実施例1]
実施例1のFEM解析では、上記第1実施形態のプレス成形装置を用い、素材金属板を特定プレス成形品に成形した。得られたプレス成形品について、各部の板厚減少率、割れ及びしわを評価した。
素材金属板は、板厚が1.6mmで、引張強さが980MPa級のデュアルフェーズ高強度鋼板とした。素材金属板の形状は、得られるプレス成形品において、幅が約15mmの第1フランジ部の湾曲内側に、幅が最大で97mm程度の余肉部が形成されるように、設定した。
プレス成形品の天板部第1弧状部位の曲率半径は、80mmとした。また、プレス成形品の天板部第2弧状部位の曲率半径は、36mmとした。第1縦壁部の深さd1は44mmとし、第2縦壁部の深さd2は51mmとした。
先行部は、先行量mが25mmとなるように配置し、第1案内面と第2案内面との高低差nは18mmとした。パッドの押圧力は約100kNとし、第1ブランクホルダ及び第2ブランクホルダの押圧力は、第1フランジ部及び第2フランジ部それぞれの長手方向の実長さに応じて設定し、第1ブランクホルダで約160kNとし、第2ブランクホルダで約260kNとした。また、先行部の押圧力は、約600kNとした。
先行部は、第1ダイの長手方向の全範囲にわたって設けた。一方、パッドは、前記図10に示す領域10mに設けた。第1ブランクホルダの上面の一部に0.1mmの段差を設け、第1ブランクホルダと先行部(第1ダイ)との間隔を素材金属板の板厚より大きい状態に維持した。第2ブランクホルダの上面の一部に0.1mmの段差を設け、第2ブランクホルダと第2ダイとの間隔を素材金属板の板厚より大きい状態に維持した。
図12は、実施例1のプレス成形によって製造されるプレス成形品を模式的に示す平面図である。第1フランジ部10dの領域のうちの網掛け部で示される領域10oは、第1ブランクホルダの上面に設けられた段差により、第1ブランクホルダと先行部(第1ダイ)との間隔が素材金属板の板厚より大きい状態に維持される領域である。第2フランジ部10eの領域のうちの網掛け部で示される領域10pは、第2ブランクホルダの上面に設けられた段差により、第2ブランクホルダと第2ダイとの間隔が素材金属板の板厚より大きい状態に維持される領域である。
第1フランジ部10dの領域10oは、フランジ部第1弧状部位10lの湾曲内側の領域と、その弧状部位10lから長手方向後方の全領域と、その弧状部位10lの長手方向前方の近傍領域とした。第2フランジ部10eの領域10pは、フランジ部第2弧状部位10qの湾曲外側の領域と、その弧状部位10qから長手方向後方の全領域と、その弧状部位10qの長手方向前方の近傍領域とした。
図13は、実施例1のプレス成形によって特定プレス成形品を製造したときの板厚減少率の分布を示す図である。図13では、濃淡によって板厚減少率を示し、プレス成形前の素材金属板70の形状を実線で示す。板厚減少率rtb(%)は、前記(1)式により算出した。板厚減少率は、素材金属板70の厚みを基準とした板厚の減少率(%)である。
図13の結果から以下のことが示される。天板部のX領域において、減肉が低減され、割れの発生が抑制された。天板部のY領域において、しわが抑制された。第1フランジ部のZ領域において、割れの発生が抑制された。第2フランジ部のW領域において、しわが抑制された。プレス成形品全体の板厚減少率が−10〜11%となり、板厚の変化が低減された。
[実施例2]
実施例2のFEM解析では、実施例1と同様のプレス成形装置及び素材金属板を用い、先行部の先行量m、すなわち先行部と第2ダイとのストローク差を種々変更して、特定プレス成形品に成形した。得られたプレス成形品について、各部の板厚減少率、割れ及びしわを評価した。なお、実施例2のプレス成形品における第1縦壁部の深さd1及び第2縦壁部の深さd2は、実施例1のプレス成形品のそれらよりも深くした。すなわち、実施例2のプレス成形品では、第1縦壁部の深さd1は55mmとし、第2縦壁部の深さd2は60mmとした。
図14は、実施例2のプレス成形によって特定プレス成形品を製造したときの板厚減少率の分布の一例を示す図である。図15(a)〜(c)は、実施例2の結果としてダイのストローク差と板厚減少率の関係を示す図である。これらの図のうち、図15(a)は第1フランジ部のZ領域の結果を示す。図15(b)は天板部のX領域の結果を示す。図15(c)は天板部のY領域の結果を示す。
図14及び図15(a)〜(c)の結果から以下のことが示される。先行部と第2ダイとのストローク差が10〜40mmの範囲であれば、Z領域及びX領域で割れが発生することなく、Y領域でしわも発生しなかった。ストローク差、すなわち先行量mが10〜40mmであることは、先行量比率R(第2縦壁部の深さd2に占める先行量mの比率)が10〜70%であることに相当する。このことから、先行量比率Rが10〜70%となる条件であれば、プレス成形品の各部で割れ及びしわが低減されることがわかった。
本発明は、自動車車体の構造部材の製造に有効に利用できる。
10:プレス成形品、
10a:天板部、 10b:第1縦壁部、 10c:第2縦壁部、
10d:第1フランジ部、 10e:第2フランジ部、
20、20A、20B:プレス成形装置、 30:下型、
31:パンチ、 31a:パンチの先端面、
31b:パンチの第1外側側面、 31c:パンチの第2外側側面、
32:第1ブランクホルダ、 33:第2ブランクホルダ、
34:クッションピン、 35:クッション、
36:第1ブランクホルダ用加圧機構、
37:第2ブランクホルダ用加圧機構、
40:上型、 41:パッド、 42:パッド用加圧機構、
50:ダイ、 50a:ダイの第1内側側面、
50b:ダイの第2内側側面、
50c:ダイの第1案内面、 50d:ダイの第2案内面、
51:ダイプレート、 52:第1ダイ、
52a:第1ダイ本体、
53:第2ダイ、 54:先行部、 55:先行部用加圧機構、
56:ストッパー、
70:素材金属板

Claims (5)

  1. 平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有するプレス成形品を製造するためのプレス成形装置であって、
    前記プレス成形品は、
    L字状の湾曲領域を含む天板部と、
    前記天板部の両側部のうちの湾曲内側の側部に繋がる第1縦壁部と、
    前記天板部の両側部のうちの湾曲外側の側部に繋がる第2縦壁部と、
    前記第1縦壁部に繋がる第1フランジ部と、
    前記第2縦壁部に繋がる第2フランジ部と、を備え、
    前記プレス成形装置は、
    前記天板部、前記第1縦壁部及び前記第2縦壁部にそれぞれ対応する形状の先端面、第1外側側面及び第2外側側面を有するパンチと、
    前記パンチの湾曲内側に隣接し、プレス方向にスライド可能な第1ブランクホルダと、
    前記パンチの湾曲外側に隣接し、プレス方向にスライド可能な第2ブランクホルダと、
    前記パンチ、前記第1ブランクホルダ及び前記第2ブランクホルダと対を成すダイであって、前記第1縦壁部及び前記第2縦壁部にそれぞれ対応する形状の第1内側側面及び第2内側側面と、前記第1ブランクホルダ及び前記第2ブランクホルダにそれぞれ対向する第1案内面及び第2案内面と、を有するダイと、
    前記ダイの一部を構成し、プレス方向にスライド可能なパッドであって、前記パンチの前記先端面の全領域のうち、少なくとも前記天板部の前記湾曲領域に対応する領域に対向するパッドと、
    前記ダイの一部を構成し、プレス方向にスライド可能な先行部であって、前記第1案内面及び前記第1内側側面の全領域のうち、少なくとも前記天板部の前記湾曲領域に対応する領域を含む先行部と、
    拘束機構と、を備え、
    前記パンチと前記ダイとをプレス方向に相対的に移動させることにより、前記パンチを前記ダイに押し込んで金属板を前記プレス成形品に成形する際、前記先行部の前記第1案内面が前記ダイの前記第2案内面よりも先行し、前記第1縦壁部及び前記第1フランジ部が形成された後、前記拘束機構によって前記パンチに対する前記第1ブランクホルダ及び前記先行部のスライドが拘束され、この拘束状態で前記ダイへの前記パンチの押し込みが継続され、前記第2縦壁部及び第2フランジ部が形成される、プレス成形装置。
  2. 請求項1に記載のプレス成形装置であって、
    前記プレス成形装置は、
    更に、クッションピンを介して前記第1ブランクホルダをプレス方向にスライド可能に支持するクッションと、
    前記第1ブランクホルダのスライドを制限するストッパーと、を備え、
    前記拘束機構は、前記第1ブランクホルダのスライドを前記ストッパーで制限しつつ前記クッションピンと前記第1ブランクホルダとを分離させることにより、前記第1ブランクホルダのスライドを拘束し、この第1ブランクホルダの拘束に伴って前記先行部のスライドを拘束する、プレス成形装置。
  3. 請求項1に記載のプレス成形装置であって、
    前記プレス成形装置は、
    更に、前記第1ブランクホルダをプレス方向にスライド可能に支持する加圧機構を備え、
    前記拘束機構は、前記第1ブランクホルダのスライドを制限することによって前記第1ブランクホルダを拘束し、この第1ブランクホルダの拘束に伴って前記先行部のスライドを拘束する、プレス成形装置。
  4. 平面視において長手方向に沿ってL字状に湾曲した外形形状を有するプレス成形品の製造方法であって、
    前記プレス成形品は、
    L字状の湾曲領域を含む天板部と、
    前記天板部の両側部のうちの湾曲内側の側部に繋がる第1縦壁部と、
    前記天板部の両側部のうちの湾曲外側の側部に繋がる第2縦壁部と、
    前記第1縦壁部に繋がる第1フランジ部と、
    前記第2縦壁部に繋がる第2フランジ部と、を備え、
    前記プレス成形品の製造方法は、
    プレス成形により、金属板から前記プレス成形品を製造する際、
    前記第1縦壁部及び前記第1フランジ部の成形を前記第2縦壁部及び前記第2フランジ部の成形完了よりも先に完了させる、プレス成形品の製造方法。
  5. 請求項4に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス成形装置を用い、
    前記先行部の前記第1案内面が前記ダイの前記第2案内面よりも先行した状態で、前記第1ブランクホルダ、前記第2ブランクホルダ及び前記パッドによって前記金属板を挟み込む保持工程と、
    前記パンチと前記ダイとをプレス方向に相対的に移動させることにより、前記パンチを前記ダイに押し込んで前記金属板を前記プレス成形品に成形する成形工程と、を含み、
    前記成形工程は、
    前記先行部の前記第1案内面が前記ダイの前記第2案内面よりも先行した状態で、前記ダイへの前記パンチの押し込みを行い、前記第1縦壁部及び前記第1フランジ部を成形する第1ステップと、
    前記拘束機構によって前記パンチに対する前記第1ブランクホルダ及び前記先行部のスライドが拘束され、この拘束状態で前記ダイへの前記パンチの押し込みを継続し、前記第2縦壁部及び第2フランジ部を成形する第2ステップと、を含む、プレス成形品の製造方法。
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