以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の通常の画像形成用トナーに加えて、出力画像に光沢感を出すために塗布される透明色トナー、及び、地紋画像等の背景画像を描画するための背景画像描画機能、カラー画像の描画とは別に文字やスタンプ等の印字だけを行うための印字機能が備えられている画像形成装置を例として説明する。
このような画像形成装置が、透明色トナーや背景画像描画機能、印字機能を利用してカラー画像を形成する場合、通常画像を描画するための通常画像データ及び透明色トナーを塗布するための透明色画像データや、背景画像を描画するための背景画像データ、印字だけを行うための印字画像データ(以下、まとめて「サブ画像データ」とする)は、第二の画像データとして、システムコントローラからエンジンコントローラに転送される。そして、エンジンコントローラに転送されたサブ画像データは、エンジンコントローラにおいて、第一の画像データとしての通常画像データと同じ解像度に変換され、また、通常画像データと同じサイズに変倍されて、通常画像データに合成される。
そして、画像形成装置は、サブ画像を描画するためのトナーと通常画像を描画するためのトナーとの重なりを低減させることを目的に、作像時に塗布される各色のトナー総量を各画素毎に規制するように合成後の画像データ(以下、「合成画像データ」とする)を補正するように構成されている。
その上で、本実施形態に係る画像形成装置は、エンジンコントローラにエンジンメモリを備え、補正された合成画像データ(以下、「補正画像データ」とする)を、システムコントローラに書き戻すことなく、プロッタに転送されるタイミングに達するまで上記エンジンメモリに一時的に格納することを要旨の一つとしている。従って、本実施形態に係る画像形成装置によれば、補正画像データがシステムコントローラに書き戻されることによる不具合を回避することが可能となる。以下、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、システムコントローラ100、エンジンコントローラ200、プロッタ300を含む。
システムコントローラ100は、さらに、システムCPU(Central Processing Unit)110、システムメモリ120、外部I/F制御部130、HDD(Hard Disc Drive)140、システム画像処理部150を含む。
システム画像処理部150は、さらに、シリアル通信制御部151、回転器152、編集器153、圧縮器154、伸長器155、HDDコントローラ156、システム内部バス制御部157、入出力制御部158、シリアル通信制御部159を含む。
システムコントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する。システムCPU110は、システムコントローラ100全体の制御、プリントデータの翻訳、プリント画像の描画、スタンプ画像の描画、地紋画像の描画、透明色画像の描画、JPEG(Joint Photographic Experts Group)データへの圧縮処理、JPEGデータから画像への伸長処理を行う。即ち、本実施形態においては、システムコントローラ100が、上位の制御装置として機能する。
システムメモリ120は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU110が情報を処理する際の作業領域として用いられる。即ち、CPU110がシステムメモリ120にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。また、システムメモリ120は、受信したプリントデータの一時保存として使用され、プリント画像、スタンプ画像、地紋画像、透明色画像、通常画像、読取画像に対する画像処理の際のワークメモリとして使用される。
外部I/F130は、ネットワークを介して外部の通信機器と接続されるI/F制御部である。また、外部I/F130は、外部への画像転送、外部からのプリントデータ入力のためのI/F制御部である。HDD140は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム、画像データ等が格納される。
システム画像処理部150は、画像処理に関する処理や制御を行う。シリアル通信制御部151は、システムCPU110とシステム内部バス制御部157とを接続する。回転器152、編集器153は、プリンタ画像や読取画像の画像加工を行う。圧縮器154は、プリンタ画像や読取画像を保存する際にデータ圧縮を行う。伸長器155は、圧縮された保存データを元の画像データに復元する。HDDコントローラ156は、HDD140の制御を行う。
システム内部バス制御部157は、各機能ブロック間のバス切り替え及びバス調停を行う。入出力制御部158は、エンジンコントローラ200からの画像データを受け取り、また、エンジンコントローラ200へ画像データを送る。シリアル通信制御部159は、エンジンコントローラ200とシステムコントローラ100とを接続し、PCI−Express(Peripheral Component Interconnect−Express)等の高速シリアルインタフェース等により実現される。
エンジンコントローラ200は、さらに、エンジンCPU210、スキャナI/F220、エンジンメモリ230、プロッタI/F240、エンジン画像処理部250を含む。
エンジン画像処理部250は、さらに、レジスタI/F251、読取制御部252、書込制御部253、読取画像処理部254、回転器255、編集器256、書込画像処理部257、エンジン内部バス制御部258、シリアル通信制御部259を含む。
エンジンコントローラ200は、プロッタ300、スキャナ400を制御し、また、画像処理を行う。エンジンCPU210は、エンジンコントローラ200全体を制御する。即ち、本実施形態においては、エンジンコントローラ200が、画像形成制御装置として機能する。スキャナI/F220は、エンジンコントローラ200とスキャナ400とを接続するインタフェースであり、スキャナ400により原稿の表面及び裏面の少なくとも一面が読み取られて生成された読取画像データを読取制御部252に入力する。
エンジンメモリ230は、読取制御部252からの読取画像データや、書込画像処理部257からの総量規制処理後の補正画像データ(出力画像データ)を一時的に格納する。即ち、本実施形態においては、エンジンメモリ230が、補正画像データ一時格納部として機能する。このエンジンメモリ230が提供する機能が本実施形態帯に係る要旨の一つである。
プロッタI/F240は、エンジンコントローラ200とプロッタ300とを接続するインタフェースであり、書込制御部253から転送されてきた画像データをプロッタ300に出力する。
エンジン画像処理部250は、画像処理に関する処理や制御を行う。レジスタI/F251は、エンジン画像処理部250とエンジンCPUとを接続するインタフェースである。読取制御部252は、スキャナI/F220を介してスキャナ400を制御する。書込制御部253は、プロッタ300における各作像ユニット310の作像タイミングに応じて、エンジンメモリ230から画像データを読み出し、プロッタI/F240を介してプロッタ300に出力して、画像形成出力を実行させる。即ち、本実施形態においては、書込制御部253が、画像形成制御部として機能する。
読取画像処理部254は、読取画像のMTF(Modulation Transfer Function)補正、平滑フィルタ補正、RGB(Red Green Blue)画像からCMYK(Cyan Magenta Yellow Black)画像への色補正、読取画像の変倍、読取画像データの符号化(圧縮処理)を行う。回転器255、編集器256は、プリンタ画像や読取画像の画像加工を行う。書込画像処理部257は、通常画像データの複合化(伸長処理)、通常画像データの階調処理、スタンプ画像データ、地紋画像データ、透明色画像データの解像度変換や変倍、版ごとの画像シフト処理、各画像データの合成処理、使用トナー量の総量規制処理を行う。即ち、本実施形態においては、書込画像処理部257が、画像データ取得部として機能する。
エンジン内部バス制御部258は、読取制御部252、書込制御部253、読取画像処理部254、書込画像処理部257、エンジンメモリ230間のバス切り替え及びバス調停を行う。シリアル通信制御部259は、システムコントローラ100とエンジンコントローラ200とを接続し、PCI−Express等の高速シリアルインタフェース等により実現される。
プロッタ300は、用紙に対して画像形成出力を実行する画像形成装置である。プロッタ300は、入力された画像形成出力用の画像データに基づいて画像形成出力を実行するエンジンであり、電子写真方式の画像形成機構や、インクジェット方式の画像形成機構が用いられる。即ち、本実施形態においては、プロッタ300が、画像形成部として機能する。
スキャナ400は、複数のフォトダイオードを一列に並べ、これに並列にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサが主走査方向に沿って配置されたリニアイメージセンサが備えられており、これにより原稿を読み取る画像読取装置である。本実施形態に係るスキャナ400は、原稿の表面と裏面とを同時に読み取ることが可能な機構として、図示しない表面スキャナ及び裏面スキャナを含む。即ち、本実施形態においては、スキャナ400が、画像読取部として機能する。
次に、本実施形態に係るプロッタ300の全体構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るプロッタ300の全体構成を簡略化して示す図である。図2に示すように、本実施形態に係るプロッタ300は、無端状移動手段である搬送ベルト350に沿って各色の各作像ユニット310が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。即ち、転写紙格納ユニット360から給紙ローラ380と分離ローラ390とにより分離給紙される転写紙370に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト350に沿って、この搬送ベルト350の搬送方向の上流側から順に、複数の作像ユニット、即ち、C版作像ユニット310C、M版作像ユニット310M、Y版作像ユニット310Y、K版作像ユニット310K、T版作像ユニット310Tが配列されている。
これら複数の作像ユニット310C、310M、310Y、310K、310Tは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。C版作像ユニット310Cはシアンの画像を、M版作像ユニット310Mはマゼンタの画像を、Y版作像ユニット310Yはイエローの画像を、K版作像ユニット310Kはブラックの画像を、T版作像ユニット310Tは透明色画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、C版作像ユニット310Cについて具体的に説明するが、他の作像ユニット310M、310Y、310K、T版作像ユニット310Tは、C版作像ユニット310Cと同様であるので、その他の作像ユニット310M、310C、310Y、310Tの各構成要素については、C版作像ユニット310Cの各構成要素に付したCに替えて、M、Y、K、Tによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
搬送ベルト350は、回転駆動される駆動ローラ330と従動ローラ340とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ330は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ330と、従動ローラ340とが、無端状移動手段である搬送ベルト350を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト350に対して、最初のC版作像ユニット310Cが、シアンのトナー画像を転写する。C版作像ユニット310Cは、感光体としての感光体ドラム311C、この感光体ドラム311Cの周囲に配置された帯電器312C、光書込装置316、現像器313C、感光体クリーナ(図示せず)、除電器314C等から構成されている。光書込装置316は、夫々の感光体ドラム311C、311M、311Y、311K(以下、総じて「感光体ドラム311」とする)に対して光を照射するように構成されており、LD(Laser Diode)、LDアレイ、LED(Light Emitting Diode)アレイ等が用いられる。
画像形成に際し、感光体ドラム311Cの外周面は、暗中にて帯電器312Cにより一様に帯電された後、光書込装置316からのシアン画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器313Cは、この静電潜像をシアントナーにより可視像化し、このことにより感光体ドラム311C上にシアンのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム311Cと搬送ベルト350とが当接若しくは最も接近する位置(以下、「転写位置」とする)で、転写器315Cの働きにより搬送ベルト350上に転写される。この転写により、搬送ベルト350上にシアンのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム311Cは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナにより払拭された後、除電器314Cにより除電され、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、C版作像ユニット310Cにより搬送ベルト350上に転写されたシアンのトナー画像は、搬送ベルト350のローラ駆動により次のM版作像ユニット310Mに搬送される。M版作像ユニット310Mでは、C版作像ユニット310Cでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム311M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたシアンの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト350上に転写されたシアン、マゼンタのトナー画像は、さらに次の作像ユニット310Y、310K、310Tに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム311Y上に形成されたイエローのトナー画像と、感光体ドラム311K上に形成されたブラックのトナー画像と、感光体ドラム311T上に形成された透明色のトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト350上に透明色を含むフルカラーの中間転写画像が形成される。
このようにして搬送ベルト350上に透明色を含むフルカラーの中間転写画像が形成されると、転写紙格納ユニット360に収納された転写紙370が最も上のものから順に送り出され、搬送経路上でその転写紙と搬送ベルト350とが接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト350上に形成された中間転写画像がその転写紙面上に転写される。これにより、転写紙370の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された転写紙370は更に搬送され、定着ユニット320にて画像形成面に垂直な方向から挟み込まれて加圧されながら加熱されることにより画像を定着された後に外部に排出される。
このように、本実施形態においては、中間転写画像が搬送ベルト350上に形成されてその中間転写画像が転写紙に転写される方式、即ち、間接転写方式の画像形成装置を例にして説明するが、図10に示すように、転写紙に画像が直接形成される方式、即ち、直接転写方式の画像形成装置であっても適用可能である。
尚、上述したように、本実施形態に係る定着ユニット320は、画像形成面に垂直な方向から転写紙を挟み込みながら回転することにより転写紙を搬送しつつ加圧するための定着ローラ320a及び320bを備える。
次に、本実施形態に係る書込画像処理部257の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る書込画像処理部257の機能構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る書込画像処理部257は、画像合成部260及び総量規制部270を含む。
画像合成部260は、さらに、通常画像データ用の伸長部として、伸長部261C、伸長部261M、伸長部261Y、伸長部261Kを含み、背景画像データ用の伸長部として、伸長部261Sを含む。
伸長部261C、伸長部261M、伸長部261Y、伸長部261Kはそれぞれ、システムコントローラ100からシリアル通信制御部259を介して入力された、C版通常色画像データ、M版通常色画像データ、Y版通常色画像データ、K版通常色画像データを圧縮されて符号化された状態から復号化する。また、伸長部261Sは、システムコントローラ100からシリアル通信制御部259を介して入力された背景画像データを圧縮されて符号化された状態から復号化する。以下では、C版通常色画像データ、M版通常色画像データ、Y版通常色画像データ、K版通常色画像データをそれぞれ、Cn画像データ、Mn画像データ、Yn画像データ、Kn画像データとし、背景画像データをS画像データとして略記する。
尚、ここで各画像データが復号化されるのは、システムコントローラ100とエンジンコントローラ200との間の高速シリアル通信の使用帯域を小さくするさめ、C版通常色画像データ、M版通常色画像データ、Y版通常色画像データ、K版通常色画像データ、及び、背景画像データは符号化されて符号データとして通信されるためである。
また、画像合成部260は、さらに、通常画像データ用の階調処理部として、階調処理部262C、階調処理部262M、階調処理部262Y、階調処理部262Kを含む。
階調処理部262C、階調処理部262M、階調処理部262Y、階調処理部262Kはそれぞれ、伸長部261C、伸長部261M、伸長部261Y、伸長部261Kから入力された復号化後のCn画像データ、Mn画像データ、Yn画像データ、Kn画像データを、プロッタ300での書き込み階調数に応じて、面積階調による濃淡表現を得るための階調処理を行う。この際に行われる階調処理としては、ディザ処理や誤差拡散処理等がある。
また、画像合成部260は、さらに、印字画像データ用の解像度変換部として、解像度変換部263Cw、解像度変換部263Mw、解像度変換部263Yw、解像度変換部263Kwを含み、透明色画像データ用の解像度変換部として、解像度変換部263Tを含む。
解像度変換部263Cw、解像度変換部263Mw、解像度変換部263Yw、解像度変換部263Kw、解像度変換部263Tはそれぞれ、システムコントローラ100からシリアル通信制御部259を介して入力された、C版印字画像データ、M版印字画像データ、Y版印字画像データ、K版印字画像データ、透明色画像データの解像度、ピクセル深度、サイズを、通常画像データに合わせるための解像度変換を行う。以下では、C版印字画像データ、M版印字画像データ、Y版印字画像データ、K版印字画像データをそれぞれ、Cw画像データ、Mw画像データ、Yw画像データ、Kw画像データとし、透明色画像データをT画像データとして略記する。
尚、ここで各画像データが通常画像データに合わせて解像度変換されるのは、印字画像データや背景画像データ、透明色画像データは、システムメモリ120の描画領域や高速シリアル通信の使用帯域を小さくするため、通常画像データとは異なる解像度、ピクセル深度、サイズで用意されるため、エンジンコントローラ200で通常画像データの解像度、ピクセル深度、サイズに合わせる必要があるためである。
また、画像合成部260は、さらに、通常画像データ用の画像シフト部として、画像シフト部264Cn、画像シフト部264Mn、画像シフト部264Yn、画像シフト部264Knを含み、印字画像データ用の画像シフト部として、画像シフト部264Cw、画像シフト部264Mw、画像シフト部264Yw、画像シフト部264Kwを含み、背景画像データ用の画像シフト部として、画像シフト部264Sを含み、透明色画像データ用の画像シフト部として、画像シフト部264Tを含む。
画像シフト部264Cn、画像シフト部264Mn、画像シフト部264Yn、画像シフト部264Knはそれぞれ、階調処理部262C、階調処理部262M、階調処理部262Y、階調処理部262Kから入力された階調処理後のCn画像データ、Mn画像データ、Yn画像データ、Kn画像データのセンタリングや位置調整、余白追加等の画像シフト処理を行う。
画像シフト部264Cw、画像シフト部264Mw、画像シフト部264Yw、画像シフト部264Kwはそれぞれ、解像度変換部263Cw、解像度変換部263Mw、解像度変換部263Yw、解像度変換部263Kwから入力された解像度変換後のCw画像データ、Mw画像データ、Yw画像データ、Kw画像データのセンタリングや位置調整、余白追加等の画像シフト処理を行う。
画像シフト部264Sは、伸長部261Sから入力された符号化後のS画像データのセンタリングや位置調整、余白追加等の画像シフト処理を行う。画像シフト部264Tは、解像度変換部263Tから入力された解像度変換後のT画像データのセンタリングや位置調整、余白追加等の画像シフト処理を行う。以下では、画像シフト処理後のT画像データをTc画像データと略記する。
また、画像合成部260は、さらに、各色の印字画像データ合成部として、印字画像データ合成部265C、印字画像データ合成部265M、印字画像データ合成部265Y、印字画像データ合成部265Kを含む。
印字画像データ合成部265C、印字画像データ合成部265M、印字画像データ合成部265Y、印字画像データ合成部265Kはそれぞれ、画像シフト部264Cn及び画像シフト部264Cwから入力された画像シフト処理後のCn画像データとCw画像データとを合成し、画像シフト部264Mn及び画像シフト部264Mwから入力された画像シフト処理後のMn画像データとMw画像データとを合成し、画像シフト部264Yn及び画像シフト部264Ynから入力された画像シフト処理後のYn画像データとYw画像データとを合成し、画像シフト部264Kn及び画像シフト部264Knから入力された画像シフト処理後のKn画像データとKw画像データとを合成する印字画像データ合成処理を行う。
また、画像合成部260は、さらに、背景画像データ合成部266を含む。背景画像データ合成部266は、画像形成出力される背景画像の色を決定するために、画像シフト部264Sから入力された画像シフト処理後のS画像データに、CMYKのいずれかを合成する背景画像データ合成処理を行う。通常、背景画像データ合成部266は、画像形成出力される背景画像の色として、S画像データにKを合成する。
総量規制部270は、サブ画像を描画するためのトナーと通常画像を描画するためのトナーとの重なりを低減させることを目的に、作像時に各版の作像ユニットが塗布する各色のトナー総量を各画素毎に規制するために、背景画像データ合成部266から入力された合成後のC版合成画像データ、M版合成画像データ、Y版合成画像データ、K版合成画像データ及び画像シフト部264Tから入力されたTc画像データそれぞれ補正して、C版補正画像データ、M版補正画像データ、Y版補正画像データ、K版補正画像データ、透明色補正画像データを最終的な出力画像データとして生成する。即ち、本実施形態においては、総量規制部270が、画素値補正部として機能する。
以下では、C版合成画像データ、M版合成画像データ、Y版合成画像データ、K版合成画像データをそれぞれ、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データとし、C版補正画像データ、M版補正画像データ、Y版補正画像データ、K版補正画像データ、をそれぞれ、Cr画像データ、Mr画像データ、Yr画像データ、Kr画像データとし、透明色補正画像データをTr画像データと略記する。
尚、ここで、作像時に各版の作像ユニットが塗布する各色のトナー総量を各画素毎に規制するのは、使用されるトナー総量が多く、大きな画像領域があると、定着不良や転写不良が発生しやすいためである。例えば、CMYK+透明色の全てが最大限塗布されると、その画素には500%のトナーが重なる。そこで、各画素に塗布されるトナー総量が200%〜300%程度となるように総量制限値を設定し、各版の合成画像データ及び透明色画像データに対して補正処理を行う。
そして、総量規制部270は、生成したC版補正画像データ、M版補正画像データ、Y版補正画像データ、K版補正画像データを、エンジン内部バス制御部258を介してエンジンメモリ230に一時的に格納する。このように、生成された補正画像データをエンジンメモリ230に一時的に格納することを本実施形態における要旨の一つとしている。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、エンジンコントローラ200は、生成された補正画像データをシステムコントローラ100に書き戻す必要がなくなる。これにより、本実施形態に係る画像形成装置1は、補正画像データがシステムコントローラに書き戻されることによる不具合を回避することが可能となる。
次に、本実施形態に係る総量規制部270の機能構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る総量規制部270の機能構成を模式的に示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る総量規制部270は、順引き換算部271、総量規制演算部272、逆引き換算部273を含む。
順引き換算部271は、背景画像データ合成部266から入力されたCc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ及び画像シフト部264Tから入力されたTc画像データにおけるピクセル深度を、総量規制演算部272が扱えるピクセル深度に合わせるために、各合成画像データ及びT画像データにおける各画素の画素値を換算して、C版順引換算画像データ、M版順引換算画像データ、Y版順引換算画像データ、K版順引換算画像データ、透明色順引換算画像データを生成する。
例えば、順引き換算部271に入力されたCc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、Tc画像データにおけるピクセル深度が2ビットであり、総量規制演算部272が扱えるピクセル深度が8ビットである場合、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、Tc画像データのピクセル深度が8ビットなるように、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、Tc画像データにおける各画素の画素値を換算する。この際、順引き換算部271は、上記換算を行うために、換算前の画素値と換算後の画素値とが対応付けられている順引き換算LUT(Look Up Table)を参照する。
以下では、C版順引画像データ、M版順引画像データ、Y版順引画像データ、K版順引画像データ、透明色順引画像データをそれぞれ、Ct画像データ、Mt画像データ、Yt画像データ、Kt画像データ、Tt画像データとする。
総量規制演算部272は、総量規制部270の主な機能を提供する。即ち、総量規制演算部272は、上述したように、サブ画像を描画するためのトナーと通常画像を描画するためのトナーとの重なりを低減させることを目的に、作像時に各版の作像ユニットが塗布する各色のトナー総量を各画素毎に規制するために、順引き換算部271から入力されたCt画像データ、Mt画像データ、Yt画像データ、Kt画像データ、Tt画像データをそれぞれ補正して、C版総量規制画像データ、C版総量規制画像データ、M版総量規制画像データ、Y版総量規制画像データ、K版総量規制画像データ、透明色総量規制画像データを生成する。
以下では、総量規制演算後のC版総量規制画像データ、M版総量規制画像データ、Y版総量規制画像データ、K版総量規制画像データ、透明色総量規制画像データをそれぞれ、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データとする。
また、上述したように、使用されるトナー総量が多く、大きな画像領域があると、定着不良や転写不良が発生しやすいため、総量規制演算部272は、各画素に塗布されるトナー総量が200%〜300%程度となるように総量制限値を設定し、各版の合成画像データ及び透明色画像データに対して補正処理を行う。
この際、例えば、総量規制演算部272が扱えるピクセル深度が8ビットである場合、順引き換算部271から入力されたCt画像データ、Mt画像データ、Yt画像データ、Kt画像データ、Tt画像データのピクセル深度は8ビットとなっているため、この時点(補正前)での各画素の画素値の重なりは最大で1275(5×255)となる。そこで、トナー総量の総量制限値として、例えば、最大値1275の60%に相当する765に設定する。
以下では、Ct画像データ、Mt画像データ、Yt画像データ、Kt画像データ、Tt画像データ、即ち、総量規制演算前の各順引換算画像データにおける各画素の画素値をそれぞれ、Ct、Mt、Yt、Kt、Ttとし、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データ、即ち、各総量規制画像データにおける各画素の画素値をそれぞれ、Ck、Mk、Yk、Kk、Tkとする。
例えば、総量規制演算部272は、「総量制限値≧Ct+Mt+Yt+Kt+Tt」であるとき、「Ck=Ct」、「Mk=Mt」、「Yk=Yt」、「Kk=Kt」、「Tk=Tt」となるように、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、T画像データをそれぞれ補正して、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データを生成する。
また、例えば、総量規制演算部272は、「総量規制値<Ct+Mt+Yt+Kt+Tt」かつ「総量規制値≧KtかつCt+Mt+Yt+Tt≠0」であるとき、「Ck={Ct×(MAX−Kt)}/(Ct+Mt+Yt+Tt)」、「Mk={Mt×(MAX−Kt)}/(Ct+Mt+Yt+Tt)」、「Yk={Yt×(MAX−Kt)}/(Ct+Mt+Yt+Tt)」、「Tk={Tt×(MAX−Kt)}/(Ct+Mt+Yt+Tt)」、「Kk=Kt」となるように、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、T画像データをそれぞれ補正して、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データを生成する。
また、例えば、総量規制演算部272は、「総量規制値<Ct+Mt+Yt+Kt+Tt」かつ「総量規制値<Kt+Tt」であるとき、「Ck=0」、「Mk=0」、「Yk=0」、「Tk=(Tt×総量規制値)/(Kt+Tt)」、「Kk=(Kt×総量規制値)/(Kt+Tt)」となるように、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、T画像データをそれぞれ補正して、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データを生成する。
このように構成された画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨の一つは、エンジンコントローラ200にエンジンメモリ230を備え、補正画像データを、システムコントローラ100に書き戻すことなく、プロッタに転送されるタイミングに達するまでエンジンメモリ230に一時的に格納することにある。従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、補正画像データがシステムコントローラ100に書き戻されることによる不具合を回避することが可能となる。
逆引き換算部273は、総量規制演算部272において各画素のトナー総量が総量制限値以下となるように補正されて生成されたCk画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データのピクセル深度が、総量規制部270に入力さる時点でのピクセル深度、即ち、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、Tc画像データのピクセル深度となるように、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データにおける各画素の画素値を換算して、Cr画像データ、Mr画像データ、Yr画像データ、Kr画像データ、Tr画像データを最終的な出力画像データとして出力する。
例えば、逆引き換算部273に入力されたCk画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データにおけるピクセル深度が8ビットであり、総量規制部270に入力さる時点でのピクセル深度、即ち、Cc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、Tc画像データのピクセル深度が2ビットである場合、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データのピクセル深度が2ビットになるように、Ck画像データ、Mk画像データ、Yk画像データ、Kk画像データ、Tk画像データにおける各画素の画素値を換算する。この際、逆引き換算部271は、上記換算を行うために、換算前の画素値と換算後の画素値とが対応付けられている逆引き換算LUTを参照する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際の処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際にはまず、システムCPU110は、HDD140に保存されている通常画像データ及びサブ画像データ、若しくは、外部I/F制御部130を介して外部から入力された通常画像データ及びサブ画像データを、システムメモリ120に一旦書き込む(S501)。
そして、システムCPU110は、システムメモリ120から通常画像データ及びサブ画像データを読み出して、入出力制御部158及びシリアル通信制御部159を介してエンジンコントローラ200に出力する(S502)。
エンジンコントローラ200に通常画像データ及びサブ画像データが入力されると、画像合成部260は、入力された通常画像データ及びサブ画像データに対して、復号化処理、解像度変換処理、階調処理、画像シフト処理、印字画像データ合成処理、背景画像データ合成処理を行う(S503)。即ち、本実施形態においては、画像合成部260が、画像データ合成部として機能する。
そして、総量規制部270は、画像合成部260から入力されたCc画像データ、Mc画像データ、Yc画像データ、Kc画像データ、Tc画像データにトナー総量の規制を行うための補正を行って、Cr画像データ、Mr画像データ、Yr画像データ、Kr画像データ、Tr画像データを最終的な出力画像データとして生成する(S504)。
総量規制部270は、エンジン内部バス制御部258を介して、生成した出力画像データをエンジンメモリ230に一時的に格納する(S505)。そして、書込制御部253は、各版の作像ユニットにおける作像のタイミングに合わせてエンジンメモリ230から出力画像データを読み出してプロッタI/240を介してプロッタ300に出力して、出力画像データに従ってプロッタ300に画像形成出力を実行させる(S506)。
このように、本実施形態に係る画像形成装置1は、生成した出力画像データを、システムコントローラ100に書き戻すことなく、プロッタ300に転送するタイミングに達するまでエンジンメモリ230に一時的に格納するため、出力画像データがシステムコントローラ100に書き戻されることによる不具合を回避することが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際の画像形成期間について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際のタイミングチャートである。
上述したように、本実施形態に係る画像形成装置1は、エンジンメモリ230を備えるため、システムメモリ120に書き戻すことなく総量規制ができる。そのため、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際、図6に示すように、総量規制後の補正画像データをエンジンメモリ230に一時的に格納してから、各作像ユニットにおける版毎の画像形成出力のタイミングに合せてプロッタ300に出力する。
各作像ユニットへの補正画像データの出力タイミングは、各作像ユニットの配置位置に応じて順番にずれる。従って、従来の画像形成装置においては、画像合成も版毎でしか行われず、総量規制処理も行うことができない。そこで、本実施形態に係る画像形成装置1は、エンジンメモリ230を仲介することで、総量規制後の画像を版毎のタイミングでプロッタ300に出力することができるようになる。
尚、図6においては、各作像ユニットの配置位置より、2ページ分同時に版が重なる場合を図示している。この場合、エンジンメモリ230には必ず2ページ分の画像領域を確保する必要があり、画像領域が2ページ分しかない場合、3ページ目の画像は1ページ目の画像が印刷された後、システムコントローラ100からエンジンコントローラ200に転送されることになる。但し、画像領域をより多く確保できる場合には、1ページ目や2ページ目の印刷終了を待つことなくシステムコントローラ100から次の画像データを受け付けることが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際に、システムコントローラ100からエンジンコントローラ200への画像データの転送にエラーが生じた場合の画像形成期間について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際に、システムコントローラ100からエンジンコントローラ200への画像データの転送にエラーが生じた場合のタイミングチャートである。
システムコントローラ100とエンジンコントローラ200との間における高速シリアル通信では、ノイズの影響等で画像データの転送エラーが発生する場合がある。従来の画像形成装置においては、システムコントローラ100からプロッタ300に、各作像ユニットの作像タイミングで画像データが転送されている。そのため、仮に、高束シリアル通信で転送エラーが発生した場合、作像ユニットにはエラーが発生した画像データが直接出力されることになり、異常画像が印刷されるといった問題がある。
そこで、本実施形態に係る画像形成装置1は、エンジンメモリ230を備え、画像データを一時的に格納するため、システムコントローラ100からエンジンコントローラ200への画像データの転送中にエラーが発生しても、書込制御部253がエンジンメモリ230に格納されている画像データを確認することによりそのエラーの発生を検知することができるようになる。即ち、本実施形態においては、書込制御部253が、エラー発生検知部として機能する。
そして、本実施形態に係る画像形成装置1は、図7に示すように、そのエラー発生の際に転送されていた画像データを再送することが可能となる。このように、本実施形態に係る画像形成装置1は、エンジンメモリ230に一時的に格納される画像データを確認するように構成されているため、異常画像の出力を防ぐことが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際に、同一ページについて複数枚印刷する場合の画像形成期間について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る画像形成装置1がプリンタとして動作する際に、同一ページについて複数枚印刷する場合のタイミングチャートである。
従来の画像形成装置においては、同一ページを複数枚印刷する場合、システムコントローラ100から印刷枚数と同じ回数だけ同一の画像データが、その都度、エンジンコントローラ200に転送される必要がある。そのため、従来の画像形成装置においては、画像形成出力に際して、システムCPU110の処理負荷が増加し、また、システムメモリ120のメモリバス帯域や作業領域の多くが画像形成出力のために使用され、他の機構部の処理の妨げとなるという問題がある。また、従来の画像形成装置においては、同一の画像データが印刷枚数と同じ回数だけシステムコントローラ100からその都度転送されるため、高速シリアル通信の転送帯域による制限で印刷の生産性が低下してしまうという問題がある。
そこで、本実施形態に係る画像形成装置1は、同一ページを複数枚印刷する場合、エンジンメモリ230に一時的に格納された画像データをエンジンメモリ230から読み出すことで画像形成出力を実行するため、システムコントローラ100は介在しないようにすることができる。従って、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成出力に際して、システムCPU110の処理負荷を低減し、また、システムメモリ120のメモリバス帯域や作業領域を画像形成出力のために使用しないため、他の機能部の処理を妨げることがない。また、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成出力に際して、システムコントローラ100とエンジンコントローラ200とを接続する高速シリアル通信を使用しないので、図8に示すように、印刷の生産性を向上させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1が複写機として動作する際の処理について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置1が複写機として動作する際の処理を説明するためのシーケンス図である。
図9に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1が複写機として動作する際にはまず、読取制御部252は、スキャナ400に原稿を読み取らせて読取画像データを生成させ(S901)、生成された読取画像データを、エンジン内部バス制御部258を介してエンジンメモリ230に一時的に格納する(S902)。
そして、読取画像処理部254は、エンジンメモリ230に格納されている読取画像データを読み出して、RGB画像からCMYK画像に色補正を行い(S903)、色補正後の読取画像データを、エンジン内部バス制御部258を介して書込画像処理部257に入力する。尚、回転器255による回転処理や、編集器256による編集処理はエンジンメモリ230に格納されているRGB画像やCMYK画像に対して行われる。
書込画像処理部257に読取画像データが入力されると、画像合成部260は、入力された読取画像データに対して、解像度変換処理、階調処理、画像シフト処理、印字画像データ合成処理、背景画像データ合成処理を行う(S904)。尚、この際、読取画像データは符号化されていないため復号化処理は行われない。
そして、総量規制部270は、画像合成部260から入力された読取画像データにトナー総量の規制を行うための補正を行って、最終的な出力画像データを生成する(S905)。総量規制部270は、エンジン内部バス制御部258を介して、生成した出力画像データをエンジンメモリ230に一時的に格納する(S906)。そして、書込制御部253は、各版の作像ユニットにおける作像のタイミングに合わせてエンジンメモリ230から出力画像データを読み出してプロッタI/240を介してプロッタ300に出力して、出力画像データに従ってプロッタ300に画像形成出力を実行させる(S907)。
このように、本実施形態に係る画像形成装置1は、複写機として動作する際、システムコントローラ100を介在することがない。従って、本実施形態に係る画像形成装置1は、複写機として動作する際、システムCPU110の処理負荷を低減し、また、システムメモリ120のメモリバス帯域や作業領域を画像形成出力のために使用しないため、他の機能部の処理を妨げることがない。また、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成出力に際して、システムコントローラ100とエンジンコントローラ200とを接続する高速シリアル通信を使用しないので、複写機としての性能を向上させることが可能となる。