以下、本発明を実施するための構成について図面を参照しながら説明する。
<<実施形態の全体構成>>
以下、本発明の一実施形態について説明する。まずは図1−1,図1−2を用いて、本実施形態の概略を説明する。図1−1,図1−2は、それぞれ本発明の一実施形態に係る伝送システム1の概略図である。
伝送システムには、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又は伝送システムにも適用される。
図1−1に示す伝送システム1aは、複数の伝送端末(10aa,10ab,…)、各伝送端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、複数の中継装置(30a,30ab,30cd,30d,30abcd)、伝送管理システム50、プログラム提供システム90、ファイル一保存装置40、及び、メンテナンスシステム100によって構築されている。
なお、以下では、「伝送端末」を単に「端末」として表し、「伝送管理システム」を単に「管理システム」として表す。また、本実施形態では、端末(10aa,10ab,…)のうち任意の端末を示す場合には「端末10」を用い、ディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ120」を用い、中継装置(30a,30ab,30cd,30d,30abcd)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置30」を用いる。
端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの送受信による伝送を行う。即ち、本実施形態における通話には、音声データの送受信だけでなく、画像データの送受信も含まれる。即ち、本実施形態における端末10は、画像データ及び音声データの送受信を行う。但し、端末10は画像データの送受信を行わず、音声データの送受信を行うようにしてもよい。
本実施形態では、画像データの画像が動画の場合について説明するが、動画だけでなく静止画であってもよい。また、画像データの画像には、動画と静止画の両方が含まれてもよい。中継装置30は、複数の端末10の間で、画像データ及び音声データの中継を行う。管理システム50は、端末10、中継装置30、及び、ファイル一時保存装置40を一元的に管理する。
また、図1−1,図1−2に示されている複数のルータ(70a,70b,70c,70d)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、本実施形態では、ルータ(70a,70b,70c,70d)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ70」を用いる。
プログラム提供システム90は、端末10に各種機能又は各種手段を実現させるための端末用プログラムが記憶された、後述の図5に示されているHD(Hard Disk)を備えており、端末10に、端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHDには、中継装置30に各種機能又は各種手段を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHDには、管理システム50に各種機能又は各種手段を実現させるための伝送管理用プログラムも記憶されており、管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、端末10、中継装置30、管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
また、端末(10aa,10ab,10a…)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されており、所定のイントラネットA内で構築されている。端末(10ba,10bb,10b…)、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されており、所定のイントラネットB内で構築されている。例えば、イントラネットAはA社によって管理されており、LAN2aは東京の事業所内で構築されている。また、イントラネットBはB社によって管理されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。また、LAN2a及びLAN2bは、セグメントAB内で構築されている。ここで、セグメントとは、通信ネットワーク2上又は地理的な位置に応じて分割された区分(地域)を意味する。セグメントABは、例えば日本である。
一方、端末(10ca,10cb,10c…)、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されており、所定のイントラネットC内で構築されている。端末(10da,10db,10d…)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されており、所定のイントラネットD内で構築されている。例えば、イントラネットCはC社によって管理されており、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されている。また、イントラネットDはD社によって管理されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。また、LAN2c及びLAN2dは、セグメントCD内で構築されている。本実施形態において、セグメントCDは、例えばアメリカである。イントラネットA、イントラネットB、イントラネットC、及びイントラネットDは、それぞれルータ(70a,70b,70c,70d)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。ここで、各イントラネット(A,B,C,D)とインターネット2iとの間にはファイアウォールが設けられている。
また、端末10は可動性があり、普段設置されている地域とは異なる地域からインターネット2iに接続し、中継装置30を介して他の端末とコンテンツデータを通信することができる。例えば、端末10acは、普段設置されている地域(東京)とは異なる地域からインターネット2iを介してイントラネットAに接続し、中継装置30を介して他の端末とコンテンツデータを通信することができる。
また、図1−2に示す伝送システム1bのように、中継装置(30a,30d)はVPN(Virtual Private Network)接続(2va,2vb)によって、それぞれLAN(2a,2d)と接続されていても良い。これにより、中継装置30aをLAN2aが構築されている地域(A社の東京事業所)とは異なる地域(例えば、伝送システム1bを提供する会社のデータセンター)に設置することができる。尚、図1−2の伝送システム1bは、中継装置(30a,30d)が、VPN接続によって、それぞれLAN(2a,2d)と接続されている他は、図1−1の伝送システム1aと同様の構成である。なお、本実施形態では、伝送システム(1a,1b)のうち任意の伝送システムを示す場合には「伝送システム1」を用いる。
本実施形態の伝送システム1において、中継装置30aは、通信ネットワーク2を介して端末(10aa,10ab,10a…)及び管理システム50と通信可能に接続されている。中継装置30aは、通信経路を効率化するためにLAN2a又はVPN2vaに設置されている。中継装置30aは、端末(10aa,10ab,10a…)がLAN2aに設置された他の端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するために用いられる。
本実施形態の伝送システム1において、中継装置30dは、通信ネットワーク2を介して端末(10da,10db,10d…)及び管理システム50と通信可能に接続されている。中継装置30dは、通信経路を効率化するためにLAN2d又はVPN2vdに設置されている。中継装置30dは、端末(10da,10db,10d…)がLAN2dに設置された他の端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するために用いられる。
本実施形態の伝送システム1において、中継装置30abは、通信ネットワーク2を介して端末(10aa,10ab,10a…,10ba,10bb,10b…)及び管理システム50と通信可能に接続されている。中継装置30abは、地域A、又は地域Bのローカルエリア内の通信量の影響を受けにくくするために、これら以外の地域に設置されている。中継装置30abは、端末(10aa,10ab,10a…,10ba,10bb,10b…)がLAN(2a,2b)(以後、「セグメントAB」とも言う。)に設置された他の端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するために用いられる。
本実施形態の伝送システム1において、中継装置30cdは、通信ネットワーク2を介して端末(10ca,10cb,10c…,10da,10db,10d…)及び管理システム50と通信可能に接続されている。中継装置30cdは、地域C、又は地域Dのローカルエリア内の通信量の影響を受けにくくするために、これら以外の地域に設置されている。中継装置30cdは、端末(10ca,10cb,10c…,10da,10db,10d…)がLAN(2c,2d)(以後、「セグメントCD」とも言う。)に設置された他の端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するために用いられる。
本実施形態の伝送システム1において、中継装置30abcdは、通信ネットワーク2を介して端末(10aa,10ab,10a…,10ba,10bb,10b…,10ca,10cb,10c…,10da,10db,10d…)及び管理システム50と通信可能に接続されている。中継装置30abcdは、地域A、地域B、地域C、又は地域Dのローカルエリア内の通信量の影響を受けにくくするために、これら以外の地域に設置されている。中継装置30abcdは、端末(10aa,10ab,10a…,10ba,10bb,10b…,10ca,10cb,10c…,10da,10db,10d…)がLAN(2a,2b,2c,2d)に設置された他の端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するために用いられる。
本実施形態の伝送システム1において、管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A、地域B、地域C、又は地域Dに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、インターネット2i、LAN2c、LAN2d、及びLAN2eによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1−1,図1−2において、各端末10、各中継装置30、管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが。説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る端末10の外観図である。以下、端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図2に示されているように、端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図2は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、後述の内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図2で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
なお、図2に示した外観図はあくまで一例であって、端末10は例えばPC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話であってもよい。
なお、中継装置30、管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置の外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
図3は、本発明の一実施形態に係る端末10のハードウェア構成図である。図3に示されているように、本実施形態の端末10は、端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、端末用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、画像データや音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107を備えている。
また、端末10は、端末本体の認証情報が記憶されているSIM(Subscriber Identity Module)カード130へアクセスするためのSIMスロット131を備えるものとすることができる。SIMカード130は、大容量の記憶領域を持たせることができ、ユーザが個々に管理するものであることから、セキュアな記憶領域として利用することができる。SIMカード130にはPIN(Personal Identification Number)の入力によるアクセス(読み込み/書き込み)の制御機能があるため、よりセキュリティを高めることができる。更に、SIMカード130は内部にICチップを備えており、単に認証情報を保持するだけではなく、管理システム50側からの要求に応じ、内部の秘密情報に基づいて演算を行ない、正規のSIMカードでなければ得られない情報を生成し、これに基づいて認証を行うことができる。
端末10がSIMカード130に対応するものである場合、フラッシュメモリ104等に認証情報を保持せず、認証情報はSIMカード130のみに依存するものとすることもできる。また、フラッシュメモリ104等に端末本体の認証情報を併せて保持する場合、SIMカード130が装着された場合には、SIMカード130の認証情報を優先して用いるか、ユーザによりいずれの認証情報を用いるかを選択させることができる。
また、端末10は、端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119、及び上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、図2に示されている筐体1100の接続口1132に差し込まれたUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ電気的に接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
更に、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルによって、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(記録メディア106等)に記録されて流通されるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
図3はあくまで一例であって、例えばマイク、カメラ、スピーカは必ずしも内蔵している必要はなく、外付けにしてもよい。
図4は端末10をPC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等を含むコミュニケーション端末により構成する場合の例を示す図である。
既に説明した図3は、いわゆる専用端末の構成について示したが、端末10は一般的なコミュニケーション端末にSIMカード130を装着することで構成することができる。このようにして端末10を構成した状態を図4に示している。このようなSIMカードタイプの端末10では、会社のコミュニケーション端末や家のコミュニケーション端末等、好きなコミュニケーション端末からビデオ会議に参加するような使われ方をすることができる。内部機能としては、図3に示した端末10と同様となる。
また、映像・音声を用いる場合には、コミュニケーション端末にカメラやマイクが装備されていることが必要であるが、映像・音声の一方もしくは両方が不要である場合にはカメラやマイクは必要ない。映像・音声の両方を用いない場合でも、後述する共有フォルダの機能を利用することができる。また、通信機能を有したプロジェクタ等の他のコミュニケーション端末を用いることもできる。
図5は、本発明の一実施形態に係る管理システム50のハードウェア構成図である。管理システム50は、管理システム50全体の動作を制御するCPU201、伝送管理用プログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、各種データを記憶するHD(Hard Disk)204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、外部機器を接続するための外部機器I/F215、及び、上記各構成要素を図5に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
更に、プログラム提供システム90は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、メンテナンスシステム100は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、メンテナンスシステム100を制御するためのメンテナンス用プログラムが記録されている。この場合も、メンテナンス用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、ファイル一時保存装置40は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202又はHD204には、ファイル一時保存装置40を制御するためのファイル一時保存装置用プログラムが記録されている。この場合も、ファイル一時保存装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図6は、本実施形態の伝送システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図6では、端末10、中継装置30、及び管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1−1、図1−2に示されているプログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図6では省略されている。
<端末の機能構成>
端末10は、通信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、遅延検出部18、記憶・読出処理部19、宛先リスト作成部20、PC通信部21、マウントドライブ22、フォルダマウント部23、及び、ファイル同期部24、SIMカード記憶・読出処理部25を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM102に記憶されているプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、端末10は、図3に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1000、図3に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部1002を有している。
<端末の各機能部>
次に、端末の各部を詳細に説明する。端末10の通信部11は、図3に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。この通信部11は、所望の宛先としての端末10(宛先端末)と通話を開始する前から、管理システム50より、宛先候補としての各端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各端末10の稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)だけでなく、ONラインであっても更に通話中であるか等の詳細な状態を示す。また、この状態情報は、各端末10の稼動状態だけでなく、端末10でケーブル(120c,130c,140c,150c)が端末10から外れていたり、音声を出力するが画像は出力させなかったり、音声を出力さないようにする(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態を示す場合について説明する。
操作入力受付部12は、図3に示されている操作ボタン108、及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図3に示されている電源スイッチ109をONにすると、図6に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。ログイン要求部13は、図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元としての端末10(要求元端末)の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、通信部11は、管理システム50へ、電源をOFFする旨の状態情報を送信してから、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、管理システム50側では、端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部14は、図3に示されているCPU101からの命令、並びに図3に示されているカメラ112、及び撮像素子I/F113によって実現され、カメラ112によって被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。音声入力部15aは、図3に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、図3に示されているCPU101からの命令、並びに音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
表示制御部16は、図3に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。更に、表示制御部16は、要求元端末が所望の宛先端末とテレビ会議の通話を開始する前に、通信部11によって受信された状態情報に基づき各宛先名が含まれた宛先リストをディスプレイ120に表示させる。
例えば、ディスプレイ120上には、表示制御部16によって、宛先リスト枠311−1(図22を参照)が表示される。この宛先リスト枠311−1には、宛先名「A社 東京事業所 AB端末」311−2等の各宛先名が表示されており、宛先名毎に状態情報に係る状態を示したアイコン(311−3a,311−3b,311−3c)が表示される。このうち、アイコン311−3aは、宛先候補の一つの端末がONライン状態で待受け中であるため、この端末と通話可能であることを示す。アイコン311−3bは、宛先候補の一つの端末がOFFライン状態で、この端末と通話不可能であることを示す。アイコン311−3cは、宛先候補の一つの端末が他の端末と通話中の状態で、この通話に参加できることを示す。また、宛先リスト枠311−1には、右側にスクロールバー311−4が表示され、三角形の上向き又は下向きアイコンが選択されることで、宛先候補の宛先名および状態を示したアイコン(図22では表示なし)が表示されることになる。
遅延検出部18は、図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。
また、記憶・読出処理部19は、図3に示されているCPU101からの命令、並びに一例として図3に示すSSD105によって実行され、不揮発性記憶部1000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。この不揮発性記憶部1000には、端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。更に、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部1002に各種データを記憶したり、揮発性記憶部1002に記憶された各種データを読み出す処理も行う。この揮発性記憶部1002には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データ及び音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ115から音声が出力される。
宛先リスト作成部20は、管理システム50から受信した、後述の宛先リスト情報及び各宛先候補としての端末10の状態情報に基づいて、宛先候補の状態がアイコンで示された宛先リスト(図22を参照)の作成及び更新を行う。
なお、本実施形態の端末ID、及び後述の中継装置IDは、それぞれ端末10、及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID、及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
PC通信部21は、例えば、図3に示されている外部機器接続I/F118によって実現され、PC120とファイル等のデータを含む送受信を行う。PC通信部21は、具体的には、USBホスト、Bluetooth(登録商標)ホスト、無線LANインタフェースなどである。本実施形態の端末10はUSB Mass Storage Classに対応しており、PC120からストレージとして認識される。
マウントドライブ22は、端末10が共有フォルダ47をマウントすることで作成される。端末10が管理システム50から共有フォルダURIの通知を取得すると、フォルダマウント部23は共有フォルダ47を端末10にマウントする。マウントによりマウントドライブ22が作成される。マウントにより、マウント元の共有フォルダ47とマウントドライブ22のファイルが同期される。
マウントドライブ22には、PC通信部21がPC120から受信したファイルが書き込まれる。マウントドライブ22は例えば図3に示したRAM103又はフラッシュメモリ104によって実現される。
ファイル同期部24は、PC通信部21からマウントドライブ22にファイルを書き込んだことの通知を受けて(受信割込み)、又は、マウントドライブ22を定期的に監視して、マウントドライブ22にファイルが書き込まれたことを検出する。
また、ファイル同期部24は、マウントドライブ22にファイルが書き込まれたことを検出すると、通信部11を利用してマウントドライブ22のファイルをファイル一時保存装置40に送信する。
ファイル同期部24は、ファイル一時保存装置40のファイル同期部44から共有フォルダ47に記憶されたファイルのファイル名を受信すると、マウントドライブ22にファイル名を登録する。したがって、PC120からマウントドライブ22にはファイルが存在するように見える。
SIMカード記憶・読出処理部25は、端末10がSIMカード130に対応している場合に、SIMカード130への情報の記憶及び読み出しを行う。
(中継装置の機能構成)
次に、中継装置30の機能又は手段について説明する。中継装置30は、通信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、中継装置30は、図5に示されているHD204により構築され、中継装置30の電源をOFFにしても各種データや情報の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有している。
(変更品質管理テーブル)
不揮発性記憶部3000には、図8に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB(Data Base)3001が構築される。なお、図8は、変更品質管理テーブルを示す概念図である。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての端末10のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
ここで、図9を用いて本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図9は、画像データの画質を説明する概念図である。図9(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図9(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図9(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。例えば、図8に示されている変更品質管理テーブルにおいて、中継装置30が、IPアドレス「1.3.2.4」の宛先端末(端末10db)に対して画像データを中継する場合には、この中継される画像データの画質(画像の品質)は「高品質」である。
<中継装置の各機能部>
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各部を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図6に示されている中継装置30の通信部31は、図5に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。状態検知部32は、図5に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「ONライン」、「OFFライン」、「故障中」の状態がある。
データ品質確認部33は、図5に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブル(図8参照)を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。変更品質管理部34は、図5に示されているCPU201からの命令によって実現され、管理システム50から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理テーブルの内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である要求元端末(端末10aa)と、端末IDが「01db」である宛先端末(端末10db)との間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う要求元端末(端末10bb)と宛先端末(端末10ca)が通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末(端末10db)で画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる必要がある。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理テーブルの内容が変更される。
データ品質変更部35は、図5に示されているCPU201からの命令によって実現され、送信元の端末10から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブルの内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、図5に示されているHDD205によって実現され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<管理システムの機能構成>
次に、管理システム50の機能又は手段について説明する。管理システム50は、通信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55、中継装置選択部56、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、遅延時間管理部60、及び、共有フォルダ管理部61を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、管理システム50は、図5に示されているHD204により構築され、管理システム50の電源をOFFにしても各種データや情報の記憶が維持される不揮発性記憶部5000を有している。この不揮発性記憶部5000には、宛先リスト枠311−1(図22参照)が記憶されている。
(中継装置管理テーブル)
不揮発性記憶部5000には、図10に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。なお、図10は、中継装置管理テーブルを示す概念図である。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、利用ポート数、利用可能ポート数、稼動状態が示される状態情報が管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「ONライン」で、利用ポート数が「10」で、利用可能ポート数が「100」で、管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図11に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。なお、図11は、端末認証管理テーブルを示す概念図である。この端末認証管理テーブルでは、管理システム50によって管理される全ての端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図11に示されている端末認証管理テーブルにおいて、端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。なお、図11ではパスワードによる認証の場合の例を示しているが、より複雑な認証方式を用いる場合には、それに対応した情報を保持することとなる。
(端末管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図12に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。なお、図12は、端末管理テーブルを示す概念図である。この端末管理テーブルでは、各端末10の端末ID毎に、各端末10を宛先とした場合の宛先名、各端末10の稼動状態、後述のログイン要求情報が管理システム50で受信された受信日時、及び端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図12に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の端末10aaは、端末名が「A社 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「ONライン」で、管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図13に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。なお、図13は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議における通話の開始を要求する要求元端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図13に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末(端末10aa)からテレビ会議における通話の開始を要求することができる宛先端末の候補は、端末IDが「01ab」の端末10ab、端末IDが「01ba」の端末10ba、及び端末IDが「01bb」の端末10bb等であることが示されている。この宛先端末の候補は、要求元端末から管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この不揮発性記憶部5000には、図14に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。なお、図14は、セッション管理テーブルを示す概念図である。このセッション管理テーブルでは、端末間でコンテンツデータが通信されるセッションを識別するためのセッションID毎に、画像データ及び音声データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末10の端末ID、宛先端末の端末ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図14に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の要求元端末(端末10aa)と、端末IDが「01bb」の宛先端末(端末10bb)、端末IDが「01cb」の宛先端末(端末10cb)、及び端末IDが「01db」の宛先端末(端末10db)との間で、画像データ及び音声データを中継しており、「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末ではなく要求元端末から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の端末10の間でテレビ会議を行う場合には、画像データ及び音声データの受信側の端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(品質管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図15に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。なお、図15は、品質管理テーブルを示す概念図である。この品質管理テーブルでは、要求元端末又は宛先端末における画像データの遅延時間(ms)に応じて、中継装置30で中継させる画像データの画質(画像の品質)が関連付けられて管理される。
(属性管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図16に示されているような属性管理テーブルによって構成されている属性管理DB5008が構築されている。なお、図16は、属性管理テーブルを示す概念図である。この属性管理テーブルでは、管理システム50によって管理される全ての端末10の各端末IDに対して、この端末10の第1の属性を示す第1属性情報と、第2の属性を示す第2属性情報と、が関連付けられて管理される。ここで、第1属性情報は、例えば、この端末10が接続する所定の通信ネットワーク(イントラネット)に関する属性であり、より具体的には、この所定の通信ネットワーク2に接続に接続する中継装置30を識別するための中継装置ID(以後、「イントラネット中継装置ID」と言う。)である。第2属性情報は、例えば、この端末10が通信ネットワーク2に接続する地域に関する属性であり、より具体的には、この所定の地域で通信ネットワーク2に接続する中継装置30を識別するための中継装置ID(以後、「セグメント中継装置ID」と言う。)である。即ち、図16に示されている属性管理テーブルでは、端末10毎に、画像データ及び音声データの中継用に優先的に割り当てられる中継装置30の中継装置IDが関連付けられて管理される。
(管理システムの各機能部)
次に、管理システム50の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、管理システム50の各部を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、管理システム50の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
通信部51は、図5に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。端末認証部52は、通信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、不揮発性記憶部5000の端末認証管理テーブル(図11参照)を検索し、端末認証管理テーブルに同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
状態管理部53は、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく、端末管理DB5003の端末管理テーブル(図12参照)に、この要求元端末の端末ID、要求元端末の稼動状態、管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、及び要求元端末のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。また、状態管理部53は、利用者が端末10の電源スイッチ109をONの状態からOFFにすることで、端末10から送られてきた、電源をOFFする旨の状態情報に基づいて、端末管理テーブル(図12参照)のONラインを示す稼動状態をOFFラインに変更する。
端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004の宛先リスト管理テーブル(図13参照)を検索し、要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また、端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004の宛先リスト管理テーブル(図13参照)を検索し、上記要求元端末の端末IDを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDも抽出する。
端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003の端末管理テーブル(図12参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003の端末管理テーブルを検索し、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態も取得する。
中継装置選択部56は、端末間でコンテンツデータが通信されるセッション毎に画像データ及び音声データの中継に用いられる中継装置30を選択する。そのため、中継装置選択部56は、図5に示されているCPU201からの命令によって、図7に示されているセッションID生成部56a、宛先判断部56b、属性抽出部56c、属性判断部56d、及び選択部56eを実現する。なお、図7は、図6の中継装置選択部56が詳細に示された機能ブロック図である。
このうち、セッションID生成部56aは、端末間でコンテンツデータが通信されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。宛先判断部56bは、テレビ会議の要求元端末の端末IDと、要求先である宛先端末の端末IDが同一であるか否かを判断する。属性抽出部56cは、要求元端末及び宛先端末の端末IDに基づいて、属性管理DB5008の属性管理テーブル(図16参照)を検索することにより、対応する属性を抽出する。属性判断部56dは、属性抽出部56cによって抽出された各端末の属性が同一であるか判断する。選択部56eは、属性抽出部56cによって抽出された属性に基づき中継装置を選択する。
セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理DB5005のセッション管理テーブル(図14参照)に、セッションID生成部56aで生成されたセッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理DB5005(図14参照)に対して、セッションID毎に、選択部56eによって選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部58は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理DB5007の品質管理テーブル(図15参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。記憶・読出処理部59は、図5に示されているHDD205によって実行され、不揮発性記憶部5000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。遅延時間管理部60は、上記宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、端末管理テーブル(図12参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理DB5005のセッション管理テーブル(図14参照)において、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
共有フォルダ管理部61は、管理システム50がセッションを確立すると、主に、以下の処理を行う。
・セッションに参加する端末10が共有する共有フォルダ47をファイル一時保存装置40に作成させる
・共有フォルダテーブル48を作成する(図17参照)
共有フォルダテーブル48については後述するが、共有フォルダテーブル48には共有フォルダ47の場所を指し示す共有フォルダURI、アカウント名、及び、パスワードが登録される。アカウント名、及び、パスワードがアカウント情報である。また、共有フォルダテーブル48には、アクセス制御情報が登録されるが、これについても後述する。
共有フォルダ管理部61は、共有フォルダテーブル48の1レコードを作成する毎にレコードをファイル一時保存装置40に送信する。共有フォルダ管理部61は、共有フォルダURI、アカウント名、及び、パスワードを端末10及びファイル一時保存装置40に送信する。
<ファイル一時保存装置>
次に、ファイル一時保存装置40の各機能部について詳細に説明する。ファイル一時保存装置40は、フォルダ記憶部41、共有フォルダ作成部42、アクセス制御部43、ファイル同期部44、通信部45、及び、ファイル管理DB46を有する。
(共有フォルダテーブル)
図17(a)は、管理システム50が作成する共有フォルダテーブル48の一例を示す。共有フォルダテーブル48はファイル一時保存装置40に送信され、ファイル管理DB46に記憶される。管理システム側でもバックアップ用に同じものを保管している。共有フォルダテーブル48は、「セッションID」に「共有フォルダURI」「アカウント名」及び「パスワード」が対応づけられた構成となっている。「セッションID」はセッション管理テーブルから取得される。「共有フォルダURI」は共有フォルダ管理部61が作成したものである。
共有フォルダURIはURI記述方式にて、共有フォルダ47の存在場所を指し示す。図の例では、セッションID=0001のセッション(会議)では、"http://kaigi.com/share/0001"に共有フォルダ47が作成される。なお、このURIはファイル一時保存装置40のURLを一部又は全体に含む場合が多い。
「アカウント名」はファイル一時保存装置40が端末10を識別するための識別情報である。「パスワード」は端末10が共有フォルダ47をマウントするための認証情報である。ファイル一時保存装置40は、端末10から送信される「アカウント名」と「パスワード」の組が、共有フォルダテーブル48に登録されている「アカウント名」と「パスワード」の組と一致すると、共有フォルダ47のマウントを許可する。
端末10には共有フォルダ47にファイルをRead及びWriteするアクセス権が与えられる。すなわち、全端末はRead及びWriteするアクセス権を有している。アクセス権は、Read又はWrite毎に制限することもできる。
図17(b)(c)も共有フォルダテーブル48の一例であるが、これらについては後述する。
フォルダ記憶部41は、図5に示されているHD204によって実現される、共有フォルダ47を記憶するためのリソースである。すなわち、上記のURIはフォルダ記憶部41を指し示す。
共有フォルダ作成部42は、共有フォルダ管理部61から、共有フォルダの作成要求を取得すると、セッション毎に独立した共有フォルダ47を作成する。フォルダはディレクトリと呼ばれる場合があるが、この場合、共有ディレクリとなる。また、共有フォルダ作成部42は会議が終了すると共有フォルダ47を削除する。多くの場合、1つのセッションに1つの共有フォルダ47が作成されるが、1つのセッションに複数の共有フォルダ47が作成される場合もある。
アクセス制御部43は、共有フォルダテーブル48を参照して、端末10にWriteするアクセス権があるか否かを判定する。また、共有フォルダテーブル48を参照して、端末10がファイルをReadするアクセス権を有するか否かを判定する。
ファイル同期部44は、端末10のファイル同期部24と通信して、端末1がマウントした共有フォルダ47のファイルが端末2からアクセス可能となるようにファイルの共有を管理する。すなわち、共有フォルダ47に記憶されたファイルは、端末2と接続されたPC120でも表示したり開いたりすることが可能になる。なお、ファイルの実体は、ファイル一時保存装置40に存在し、常態では、各端末10はそのファイル名(ファイルのアイコンを含め)のみを保持している。
すなわち、PC120が端末10に書き込んだファイルは、端末10のフォルダ同期部26が、ファイル一時保存装置40のフォルダ同期部44と通信して、共有フォルダ47にアップロードする。端末10にはファイルは残らない。また、ファイル一時保存装置40のフォルダ同期部44はセッションが確立している他の端末10にファイル名を送信する。したがって、全ての端末(PC)からファイル名を参照でき、ファイルをReadすることができる(Read権があれば)。
なお、端末のファイル同期部24とファイル一時保存装置40のファイル同期部44は例えばSMB(Server Message Block)やCIFS(Common Internet File System)のプロトコルを使用してファイルを共有する。ファイル共有は、ネットワークを介して接続された装置が他方の装置のファイルシステムに要求を出しその処理結果を取得することで実現される。例えば、一方の装置が他方の装置にファイルを要求すると、他方の装置がファイルを読み出し、一方の装置に送信する。または、一方の装置が他方の装置にファイルを送信すると、他方の装置がファイルを書き込み、書き込みしたことを一方の装置に送信する。
ファイル同期部24、44がSMBでファイルを共有する場合、SMBサービスを呼び出す。SMBの場合、ファイル共有はクライアント・サーバ型(クライアントがサービスを要求してサーバが提供する)のサービスで提供される。本実施形態では、ファイル一時保存装置40がサーバとなることもクライアントになることもあり、端末10がサーバとなることもクライアントになることもある。このため、端末10とファイル一時保存装置40はクライアントとサーバ両方のSMBサービスを有している。なお、ファイル共有のプロトコルとしては、WebDAV、NFS(Network File System)などを使用してもよい。
<PC>
次に、PC120の各機能部について詳細に説明する。PC120は、管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。PC120は、パソコンであることが多いが、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、などディスプレイを備えた情報処理装置であればよい。
PC1,2は、操作受け付け部71、ファイル操作部72、ファイルDB73、及び、通信部74を有する。通信部74は、図5に示されている外部機器I/F215によって実現され、端末10とファイルを送受信する。通信部74は、例えば、USBインタフェース、Bluetoothホスト、無線LANなどである。
また、ファイルDB73は、図5に示されているHD204によって実現され、各種のファイルを記憶している。ファイルには、ドキュメントファイル、プレゼンテーション用のファイル、表計算用のファイルなど各種のアプリケーションが作成したファイルがある。また、このようなデータファイルだけでなく、アプリケーションの実行ファイル(*.exe *.dll等)も記憶されている。
操作受け付け部71は、図5に示されているキーボード211やマウス212によって実現され、参加者によるPC120の操作を受け付ける。PC120から端末(又はマウントドライブ22)10は、ストレージデバイスとして認識されるため、操作受け付け部71は参加者の操作により以下のような操作を受け付けることができる。
・ファイルDB73のファイルを端末10にコピーする操作
・ファイルDB73のファイルを端末10に移動する操作(貼り付け)
・端末10のファイルを削除する操作
ファイル操作部72は、操作受け付け部71がこれらのファイル操作を受け付けると、ファイルを操作する。例えば、参加者がファイルDB73のファイルを端末10にコピーする操作を行った場合、ファイル操作部72は、通信部74を介してファイルDB73のファイルを端末10に送信する。端末10のPC通信部21は、受信したファイルをマウントドライブ22に記憶する。PC120のディスプレイ208には、端末10のマウントドライブ22にコピーされたファイルのファイル名が表示される。
<<実施形態の処理・動作>>
以上が、本実施形態に係る伝送システム1の構成及び機能(又は手段)の説明であり、続いて、図18乃至図22を用いて、本実施形態に係る伝送システム1における処理方法を説明する。なお、図18は、各中継装置30から管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を示したシーケンス図である。図18は、伝送システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図19は、複数の端末10の間で通話を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図20は、中継装置を選択する処理を示したシーケンス図である。図21は、中継装置を選択する処理を示したフロー図である。図22は、本実施形態の宛先リストを示す概念図である。
まず、図18を用いて、各中継装置30から管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を説明する。まず、各中継装置30では、図6に示されている状態検知部32が、自装置である中継装置30の稼動状態を定期的に検知している(ステップS1−1〜S1−4)。また、状態検知部32は、自装置である中継装置30のポートであって端末10との通信に利用可能なポート数(利用可能ポート数)、及び、これらの利用可能なポートのうち端末10との通信に利用しているポート数(利用ポート数)を検知している。そして、管理システム50側で各中継装置30の稼動状態をリアルタイムで管理させるべく、各中継装置30の通信部31は、定期的に通信ネットワーク2を介して管理システム50へ各状態情報を送信する(ステップS2−1〜S2−4)。これら各状態情報には、中継装置30毎の中継装置IDと、これら各中継装置IDに係る中継装置30の状態検知部32で検知された稼動状態とが含まれている。また、状態情報には、上記の利用可能ポート数と利用ポート数を含むポート情報が含まれている。
上記の状態情報を送信するステップ(ステップS2−1〜S2−4)において、中継装置30はファイアウォールを経由して状態情報を送信する場合に、セキュリティを確保するために、セキュア通信を行うことが好ましい。ここで、セキュア通信とは、第三者が、通信内容が理解できないよう手段によって通信することを意味し、TLS(Transport Layer Security、SSL(Secure Sockets Layer)とも言う。)や、トンネリングサービスを用いた通信等が挙げられる。例えば、図1−1の伝送システムにおいては、イントラネット内にある中継装置(30a,30d)の通信部31は、SSLを用いて、状態情報を管理システム50に送信することができる。また、中継装置(30a,30d)の通信部31は、SSLで通信できない場合に、この通信をセキュアポートにマッピングすることができる。このマッピングは、例えば、Stunnel(multiplatform SSL tunneling proxy)等の公知のトンネリングサービスによって実現される。具体的には、通信部31は、SSLポートをメールサーバのポートにマッピングすることによって、管理システム50との間でセキュアな接続を確立することができる。
次に、管理システム50の通信部51は、各中継装置30から送られて来た各状態情報を受信する。ここで、通信部51は、通信がマッピングされていた場合には、管理システム50のトンネリングサービスを介して状態情報を受信することができる。管理システム50は、受信した各状態情報を、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000の中継装置管理テーブル(図10参照)に、中継装置ID毎に状態情報を記憶して管理する(ステップS3−1〜S3−4)。これにより、図10に示されるような中継装置管理テーブルに対して、中継装置ID毎に「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」のいずれかの稼動状態が記憶されて管理される。また、中継装置ID毎に利用可能ポート数、利用ポート数を含むポート情報が記憶されて管理される。更にこの際に、中継装置ID毎に、管理システム50で状態情報が受信された受信日時も記憶されて管理される。なお、中継装置30から状態情報が送られない場合には、図10に示されている中継装置管理テーブルの各レコードにおける稼動状態のフィールド部分及び受信日時のフィールド部分が空白になるか、又は、前回の受信時の稼動状態及び受信日時をそれぞれ示す。
次に、図19を用いて、伝送システム1における画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念を説明する。図19に示されているように、伝送システム1では、端末10Aと端末10Bと端末10Cとの間では、管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、端末10Aと端末10Bと端末10Cとの間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、画像・音声データ用セッションsedとして示している。
次に、図20を用いて、端末10aaと端末10dbとの間で、通話を開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理について説明する。なお、図20では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、端末10aaの利用者が、図3に示されている電源スイッチ109をONにすると、図6に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。
端末10aaがSIMカード130に対応している場合、SIMカード130にPINを入力してアクセス可能とし(ステップS21−2)、SIMカード130からログイン情報を取得する(ステップS21−3)。PINは端末10aaが持っていてもよいし、PIN入力画面を用意してユーザに入力させてもよい。SIMカード130にログイン情報として端末IDとパスワードを保持し、それを取得してもよいが、通常、SIMカードを用いた認証では、SIMカード内の鍵を用いてその鍵を外に出すことなく、サーバから与えられた特定の値に対してSIMカード内で鍵を使った演算を行い、そのSIMカードだけが計算できる値をサーバに返すことで、サーバに対しクライアントを認証させることが多い。
なお、PINの入力の可否やPINの入力によりどのようなアクセスが可能になるかは、実装により変えることができる。例えば、PINを入力しない場合は読み込み及び書き込みとも不可とし、正しいPINを入力した場合は読み込み及び書き込みを可能とすることができる。間違ったPINを複数回入力するとロックアウトしてしまう機能を設けることもできる。
次いで、ログイン要求部13は、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自端末である端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して不揮発性記憶部1000から読み出されて、通信部11に送られたデータである。なお、端末10aaから管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である管理システム50は、送信側である端末10aaのIPアドレスを把握することができる。
続いて、管理システム50の端末認証部52は、通信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、不揮発性記憶部5000の端末認証管理テーブル(図11参照)を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。
この端末認証部52によって、同一の端末ID及びパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理DB5003の端末管理テーブル(図12参照)に、端末10aaの端末ID及び宛先名で示されるレコード毎に、稼動状態、上記ログイン要求情報が受信された受信日時、及び端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、図12に示されている端末管理テーブルには、端末ID「01aa」に、稼動状態「ONライン」、受信日時「2009.11.10.13:40」及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
そして、管理システム50の通信部51は、上記端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS25)。
続いて、端末認証部52によって認証が成功した場合について、その後の処理を説明する。端末10aaでは、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、通信部11が通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS26)。これにより、管理システム50の通信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004の宛先リスト管理テーブル(図13参照)を検索し、要求元端末(端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補の端末IDを読み出すことによって抽出する(ステップS27)。また、端末抽出部54は、抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理DBの端末管理テーブル(図12参照)を検索し、この端末IDに対応する宛先名を読み出すことによって抽出する。ここでは、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に対応する宛先端末(10ab,10ba,10bb,…)のそれぞれの端末ID(「01ab」、「01ba」、「01bb」、…)と、これらに対応する端末名(「A社 東京事業所 AB端末」、「B社 大阪事業所 BA端末」、…)が抽出される。
次に、管理システム50の通信部51は、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000から宛先リスト枠のデータ(図22で示されている宛先リスト枠311−1部分のデータ)を読み出す(ステップS28)と共に、この宛先リスト枠並びに上記端末抽出部54によって抽出された端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、端末ID、宛先名)」を、要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS29)。これにより、要求元端末(端末10aa)では、通信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が揮発性記憶部1002へ宛先リスト情報を記憶する(ステップS30)。
このように、本実施形態では、各端末10で宛先リスト情報を管理するのではなく、管理システム50が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、伝送システム1に新たな端末10が含まれるようになったり、既に含まれている端末10に替えて新機種の端末10を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、管理システム50側で一括して対応するため、各端末10側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、管理システム50の端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01bb」、…)を検索キーとして、端末管理テーブル(図12参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことにより、宛先候補としての端末(10ab,10ba,10bb,…)の各稼動状態を取得する(ステップS31)。
次に、通信部51は、上記ステップS27で使用された検索キーとしての端末ID「01ab」と、対応する宛先端末(端末10ab)の稼動状態「ONライン(通話可能)」とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク2を介して要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS32)。また、同じくステップS32の一環として、通信部51は、端末ID「01ba」と、対応する宛先端末(端末10ba)の稼動状態「ONライン(一時中断)」とが含まれた「端末の状態情報」等、残りの「端末の状態情報」も個別に要求元端末(端末10aa)へ送信する。
次に、要求元端末(端末10aa)の記憶・読出処理部19は、順次、管理システム50から受信した端末の状態情報を揮発性記憶部1002に記憶する(ステップS33)。よって、要求元端末(端末10aa)は、上記各端末の状態情報を受信することで、要求元端末(端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補である端末10の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
次に、要求元端末(端末10aa)の宛先リスト作成部20は、揮発性記憶部1002に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末10の状態を反映させた宛先リストを作成すると共に、表示制御部16が、図3に示されているディスプレイ120に対して、宛先リストを表示するタイミングを制御する(ステップS34)。
以上より、図22に示されているように、宛先リスト枠311−1に各宛先名311−2等及び各状態情報を反映させたアイコン311−3a等が表示された状態の宛先リストをディスプレイ120aaに表示させることになる。
一方、図20に戻って、管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004の宛先リスト管理テーブル(図13参照)を検索し、上記要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDを抽出する(ステップS35)。図13に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末の端末IDは、「01ab」、「01ba」、及び「01db」である。
次に、管理システム50の端末状態取得部55は、上記ログイン要求して来た要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理DB5003の端末管理テーブル(図12参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)の稼動状態を取得する(ステップS36)。
そして、通信部51は、上記ステップS35で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、及び「01db」)に係る端末(10ab,10ba,10db)のうち、端末管理DB5003の端末管理テーブル(図12参照)で稼動状態が「ONライン」となっている端末(10ba,10db)に、上記ステップS36で取得された要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と稼動状態「ONライン」が含まれる「端末の状態情報」を送信する(ステップS37−1,S37−2)。なお、通信部51が端末(10ba,10db)に端末の状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図12に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末(端末10aa)を宛先として通話することができる他の宛先端末(10db,10ba)のそれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び稼動状態「ONライン」を伝えることができる。
一方、他の端末10でも、上記ステップS21と同様に、利用者が図3に示されている電源スイッチ109をONにすると、図6に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付け、上記ステップS22〜S38−1,2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図21を用いて、端末が他の端末との通信の開始を要求する場合の処理を説明する。なお、図21では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。また、本実施形態においては、要求元端末(端末10aa)は、宛先の候補としての端末10のうち、上記ステップS32によって受信した端末の状態情報により、稼動状態がONラインである宛先端末の少なくとも一つ、或は、自端末(端末10aa)を選択して通信の開始を要求することができる。なお、自端末(端末10aa)を選択するとは、要求元端末(端末10aa)が自端末のみを中継装置30に接続することを要求することを意味する。以下、通信の開始を要求する処理について説明する。
まず、要求元端末(端末10aa)の利用者が図3に示されている操作ボタン108を押下して宛先端末(ここでは端末10dbとする)を選択すると、図6に示されている操作入力受付部12は、通話を開始する要求を受け付ける(ステップS41)。端末10aaの通信部11は、端末10aaの端末ID、及び選択された宛先端末の端末IDが含まれ、通話の開始を要求する旨を示す開始要求情報を、管理システム50へ送信する(ステップS42)。これにより、管理システム50の通信部51は、上記開始要求情報を受信すると共に、送信元である端末10aaのIPアドレスを把握することになる。
そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる要求元端末(端末10aa)の端末ID及び宛先端末(端末10db)の端末IDに基づき、端末管理DB5003(図12参照)の端末管理テーブルにおいて、上記端末IDがそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS43)。なお、この状態では、端末(10aa,10db)は、通話を開始していないが、通話中状態となり、他の端末10が端末(10aa,10db)と通話しようとすると、いわゆる通話中状態を示す旨の音声又は表示が出力される。
次に、管理システム50は、中継装置30を選択するための処理を実行する。この場合、先ず、セッションID生成部56aは、要求元端末(端末10aa)によって要求された各宛先端末との間の通信を実行するためのセッション(画像・音声データ用セッションsed)を識別するためのセッションID「se1」を生成する(ステップS44)。
続いて、管理システム50の中継装置選択部56は、中継装置管理DB5001、選択管理DBに基づいて、要求元端末(端末10aa)と、宛先端末との通話を中継するための中継装置30の選択を行う(ステップS45)。中継装置30を選択する処理について、具体的に説明する。
先ず、宛先判断部56bは、要求元端末(端末10aa)から送られてきた開始要求情報に含まれている宛先端末(端末10db)の端末IDと要求元端末の端末IDとが同一であるか(宛先として自端末が選択されたか)否かを判断する(ステップS45−1)。宛先端末の端末IDが要求元端末の端末IDと同一である場合には、選択部56eは、中継装置30abcd(共通の中継装置)を選択する(ステップS45−4)。これは、中継装置30を選択する際に、後からこのセッションに参加する端末が接続する通信ネットワーク2や、後から参加する端末が通信ネットワーク2に接続する地域が不明であり、すべての端末が接続可能な中継装置を選択することが好ましいためである。
宛先端末の端末IDが要求元端末の端末IDと同一でない場合(ステップS45−1のNO)、属性抽出部56cは、要求元端末(端末10aa)及び宛先端末(端末10db)の端末IDに基づいて、属性管理DBの属性管理テーブル(図16参照)を検索することにより、対応するイントラネット中継装置IDを抽出する。そして、属性判断部56dは、抽出された各イントラネット中継装置IDが同一であるか(要求元端末と宛先端末が同じイントラネットの中継装置を利用可能か)否かを判断する(ステップS45−2)。抽出されたイントラネット中継装置IDが同一である場合には(ステップS45−2のYES)、選択部56eは、抽出されたイントラネット中継装置IDによって識別される中継装置(イントラネットの中継装置)を選択する(ステップS45−6)。これにより、選択された中継装置と、セッションに参加するすべての端末が同一のイントラネットに接続することになるため、通信経路が短縮されて通信速度が向上するとともに、通信されるコンテンツデータがファイアウォールを越えることがなく安全性が確保される。
尚、属性抽出部56cによって抽出された各イントラネット中継装置IDが同一である場合でも、このイントラネット中継装置IDによって識別されるイントラネット中継装置の状態によっては、ステップS45−2のNO以降の処理を進める。この場合、管理システム50は、このイントラネット中継装置の中継装置IDに基づいて、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000の中継装置管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応する稼動状態を抽出する。ここで、抽出された稼動状態が「OFFライン」の場合には、管理システム50は、ステップS45−2のNO以降の処理を進める。また、別の例では、管理システム50は、このイントラネット中継装置の中継装置IDに基づいて、記憶・読出処理部59を介して中継装置管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応する利用ポート数、及び利用可能ポート数を抽出する。ここで、抽出された利用ポート数、及び利用可能ポート数によって算出される稼動率が所定の値より大きい場合には、管理システム50は、ステップS45−2のNO以降の処理を進める。
属性抽出部56cによって、抽出されたイントラネット中継装置IDが同一でない場合(ステップS45−2のNO)、属性抽出部56cは、要求元端末(端末10aa)及び宛先端末(端末10db)の端末IDに基づいて、属性管理DBの属性管理テーブル(図16参照)を検索することにより、対応するセグメント中継装置IDを抽出する。そして、属性判断部56dは、抽出された各セグメント中継装置IDが同一であるか(要求元端末と宛先端末が同じセグメントの中継装置を利用可能か)否かを判断する(ステップS45−3)。抽出されたセグメント中継装置IDが同一である場合には(ステップS45−3のYES)、選択部56eは、抽出されたセグメント中継装置IDによって識別される中継装置(セグメントの中継装置)を選択する(ステップS45−5)。これにより、選択された中継装置と、セッションに参加するすべての端末が同一のセグメントで通信ネットワーク2に接続することになるため、通信経路が短縮されて通信速度が向上する。
尚、属性抽出部56cによって抽出された各セグメント中継装置IDが同一である場合でも、このセグメント中継装置IDによって識別されるセグメント中継装置の状態によっては、ステップS45−3のNO以降の処理を進める。この場合、管理システム50は、このセグメント中継装置の中継装置IDに基づいて、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000の中継装置管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応する稼動状態を抽出する。ここで、抽出された稼動状態が「OFFライン」の場合には、管理システム50は、ステップS45−3のNO以降の処理を進める。また、別の例では、管理システム50は、このセグメント中継装置の中継装置IDに基づいて、記憶・読出処理部59を介して中継装置管理テーブル(図10参照)を検索することにより、対応する利用ポート数、及び利用可能ポート数を抽出する。ここで、抽出された利用ポート数、及び利用可能ポート数によって算出される稼動率が所定の値より大きい場合には、管理システム50は、ステップS45−3のNO以降の処理を進める。
抽出されたセグメント中継装置IDが同一でない場合には(ステップS45−3のNO)、選択部56eは、中継装置30abcd(共通の中継装置)を選択する(ステップS45−4)。これは、セッションに参加する各端末が同じ通信ネットワークの中継装置30、又は、同じセグメントの中継装置30を利用することができないためである。
中継装置30を選択する処理が完了すると、セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理DB5005のセッション管理テーブル(図14参照)に、上記ステップS44で生成されたセッションID「se1」、要求元端末(端末10aa)の端末ID、及び宛先端末(端末10db)の端末ID、選択された中継装置の中継装置IDを記憶して管理する(ステップS46)。
次に、図6に示されている通信部51は、通信ネットワーク2を介して、要求元端末(端末10aa)へ、セッションID生成部56aで生成されたセッションIDと、選択部56eで選択された中継装置に接続するために用いられる中継装置接続情報を送信する(ステップS48)。この中継装置接続情報には、中継装置30のIPアドレス、認証情報、ポート番号等を含めることができる。これにより、要求元端末(端末10aa)は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、画像、及び音声データの中継に用いられる中継装置30に接続するために用いられる中継装置接続情報を把握することができる。
次に、通信部51は、要求元端末(端末10aa)の端末ID、セッションID「se1」が含まれる開始要求情報と、中継装置30に接続するために用いられる上記の中継装置接続情報、及び管理システム50のIPアドレスを宛先端末(端末10db)へ送信する(ステップS48)。これにより、端末10dbの通信部51は、上記開始要求情報を受信すると共に、コンテンツデータの中継に用いられる中継装置30に接続するために用いられる中継装置接続情報、及び送信元である管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することになる。
続いて、管理システム50の通信部51は、通信ネットワーク2を介して選択された中継装置30へ、中継を開始する旨の要求が示された中継開始要求情報を送信する(ステップS49)。この中継開始要求情報には、コンテンツデータが中継される要求元端末(端末10aa)及び宛先端末(端末10db)の各IPアドレスが含まれている。これにより、中継装置30は、端末10の間で、低解像度、中解像度、及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音声データを通話するためのセッション(画像・音声データ用セッションsed)を確立する(ステップS50)。これにより、端末10は、テレビ会議を開始することができる。
<ファイル共有についての動作概要>
図23は、電子会議システム300の概略的な特徴を説明する図の一例である。電子会議システム300は、ビデオ会議サーバ200、及び、2以上の拠点を有する。ここでは、図の左側の端末1はPC(PC1)にSIMカード130を装着して端末10を構成するものとし、右側の端末2は専用の端末10にPC(PC2)を接続している。
ビデオ会議サーバ200は、伝送管理システム(管理システム)50、中継装置30、及び、ファイル一時保存装置40、を有している。管理システム50は、会議に参加している端末間の通信を管理するサービスを提供する。このため、例えば、端末間で映像・音声等のコンテンツデータが通信されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。このセッションIDにより電子会議システム300においてファイルを共有する端末を識別できる。
中継装置30は、コンテンツデータを中継するサービスを提供する。このため、例えば遅延時間などを監視してコンテンツデータの中継経路、解像度等を最適化する。
一方、ファイル一時保存装置40は、会議に参加している端末間でファイルを共有するサービスを提供する。図のPC1のファイルを端末1と端末2が共有する場合を例に説明する。
(1)会議が始まると、管理システム50がファイル一時保存装置40に共有フォルダを作成させる。ファイル一時保存装置40は会議に参加する端末が共有するための共有フォルダを作成し、端末1,2に共有フォルダURI(Uniform Resource Identifier)とアカウント情報を通知する。
(2)端末1,2は、アカウント情報を使用して、共有フォルダURIにフォルダをマウントする。マウントとは、ファイル一時保存装置40の共有フォルダを、端末1,2が自機にあるフォルダと同様に使用できるようにすることを言う。ここで、専用の端末2では、端末10内の記憶領域の任意の位置に共有フォルダをマウントするが、PCとSIMカード130により構成される端末1では、SIMカード130内のセキュアな記憶領域内に共有フォルダをマウントする。図24はその状態を示している。ただし、共有フォルダのアンマウントに先立って共有フォルダの内容をSIMカード130内にコピー等により保存する場合には、PC内の任意の記憶領域に共有フォルダをマウントすることもできる。
(3)共有フォルダのマウント後に、例えば、端末1のPC1で共有フォルダにファイルを書き込むと、端末1はファイルの書き込みを検出してファイル一時保存装置40にファイルを送信する。
(4)ファイル一時保存装置40は、共有フォルダにファイルを記憶する。
(5)ファイル一時保存装置40は、共有フォルダをマウントしている端末2に、共有フォルダに記憶したファイル名を送信する。明示の要求があるまで、ファイルの実体は端末2に送信されない。PC2のユーザはファイル名を目視して必要な場合に、ファイル一時保存装置40にファイルを要求できる。PC2はユーザ操作などがあると、端末2を介して共有フォルダからファイルの実体を取得しディスプレイなどに表示することができる。
(6)会議を終了すると、ファイル一時保存装置40、端末1及び端末2の共有フォルダはアンマウントされ、その内容は削除される。ただし、PCとSIMカード130により構成される端末1では、アンマウントに先立って、共有フォルダを同じSIMカード130内の他の部分にコピーし、共有フォルダの内容を実質的に保持する。共有フォルダのデータを残したままアンマウントできる場合(アンマウントにより通常のフォルダに変え、内容を削除しないで済む場合)には、他の部分にコピーする必要はない。
これは、不特定のユーザが使用する専用の端末2では共有フォルダの内容を残しておくことによりセキュリティの問題が生じるが、各ユーザが管理し、かつPINによりアクセス制御を行うことのできるSIMカード130ではそのような問題がないとともに、共有したファイルをそのまま持ち運んで利用できるという利点がある。なお、専用の端末2では、共有フォルダに記録されたファイルを会議終了後にも使用したい場合、共有フォルダがアンマウントされる前にPC等にコピーすることで対応する。
このように、端末1のPC1でファイルを共有フォルダに書き込むだけで、端末1と端末2が同じファイルを共有することができ、セキュリティ上も使い勝手上も問題のないものとすることができる。
本実施形態の電子会議システム300は、コンテンツデータを送信する中継装置30とは別のサービスがファイルを共有するので、コンテンツデータの送受信に影響することなく端末同士がファイルを共有できる。また、ファイル一時保存装置40はセッションIDに対応づけてファイルを管理するので、管理システム50とは別のサービスであるファイル一時保存装置40がファイルの共有を管理することができる。また、ファイルは会議のセッションIDが同じ端末間でのみ共有されるので、その点でもセキュリティを確保できる。
<実施例1>
図25は、本実施例の電子会議システム300の概略構成図の一例を示す。電子会議システム300はビデオ会議サーバ200、2以上の拠点を有する。また、ビデオ会議サーバ200は、管理システム50、中継装置30、及び、ファイル一時保存装置40を有している。管理システム50及び中継装置30についてはすでに説明した。管理システム50、中継装置30、及び、ファイル一時保存装置40は、必ずしも物理的に別々の情報処理装置に実装される必要はなく、1つの情報処理装置内に実装可能である。本実施形態ではこの情報処理装置をビデオ会議サーバ200と称している。
これまで説明したように、管理システム50は端末間でセッションを確立するなどの通信制御を行う。また、中継装置30は最適な経路を映像・音声が通過するように選択した経路で映像・音声を中継する。ファイル一時保存装置40は端末間でファイルを共有することを可能にする。
図26は、電子会議システム300の各端末がファイルを送受信する手順を示すシーケンス図の一例である。
S1. セッション確立
上述した手順により端末1と端末2の間でセッションが確立する。
S2.管理システム50の共有フォルダ管理部61は、例えば、上記のステップS47,48の後、ファイル一時保存装置40に共有フォルダ47を作成させ、共有フォルダテーブル48を作成する。管理システム50では共有フォルダ47のURIが不明なので、ファイル一時保存装置40からURIの通知を受ける。このため、ファイル一時保存装置40の共有フォルダ作成部42は、共有フォルダ47を作成し、共有フォルダ作成部42は共有フォルダ47の共有フォルダURIを管理システム50に送信する。
管理システム50の共有フォルダ管理部61はこの共有フォルダURIが含まれる共有フォルダテーブル48をファイル一時保存装置40に送信する。
または、先に管理システム50が共有フォルダURIを作成してもよい。すなわち、共有フォルダ管理部61は、ファイル一時保存装置40のURLにセッションIDを加えるなどして共有フォルダURIを作成する。この共有フォルダURIを共有フォルダテーブル48としてファイル一時保存装置40に通知することで、共有フォルダ作成部42は共有フォルダURIに共有フォルダ47を作成する。
なお、ファイル一時保存装置40はファイル管理DB46の共有フォルダテーブル48にレコードを追加することで共有フォルダテーブル48を更新する。
上記のように、管理システム50は共有フォルダテーブル48を作成する際、アカウント情報(アカウント名とパスワード)を作成する。また、管理システム50が特に制限しない限り各端末10はRead及びWriteのアクセス権を有する。
なお、この図では、セッション確立後、管理システム50が自動的に共有フォルダ47を作成しているが、端末1(又は端末2でもよい)からリクエストがあった場合のみ共有フォルダ47を作成するようにしてもよい(点線の「リクエスト」)。これにより、共有フォルダ47を利用しない会議では共有フォルダ47を用意するためのリソースや負荷を浪費せずに済む。
また、各端末はマウントドライブ22のマウント時に、上述した共有フォルダテーブル48の設定を要求してもよい。
S3−1/3−2. 共有フォルダURI、アカウント情報の通知
ファイル一時保存装置40に共有フォルダ47が作成されると、共有フォルダ管理部61は会議に参加している各端末に、共有フォルダURI及びアカウント情報を通知する。
S4−1/4−2. 共有フォルダのマウント
端末1,2のフォルダマウント部23は、共有フォルダ47を端末1,2にマウントする。例えば、SMBを利用した場合のマウントのコマンドは以下のようになる。
mount 共有フォルダURI アカウント名 パスワード マウント先のPath
SMBとはネットワークを通じてファイル共有やプリンタ共有を実現するプロトコルであり、そのプロトコルを実装したSambaというサーバ・クライアントソフトウェアを使用することで、Linux(登録商標)やWindows(登録商標)等の機器からファイルを共有することができる。また、アカウントを作成し、ファイルやフォルダにアカウントごとにアクセス権を設定することもできる。
SMB以外のプロトコルではコマンド名や書式が変わるがマウントできる点では変わりはない。ネットワーク上にフォルダのようなものを作ってネットワークを通じてファイルの共有を行う他のプロトコルとしては、WebDAV、CIFS、NFS等がある。
これにより、ファイル同期部24とファイル同期部44が通信し、共有フォルダ47が端末1,2の「マウント先のPath」で指定したPathにマウントされる。ファイル同期部44は、共有フォルダ47をマウントした端末1,2のアカウント名等を共有フォルダURIに対応づけて管理している。なお、共有フォルダ47はアカウント名で管理されるので、複数の端末が同じアカウント名になる場合がある。
図27は共有フォルダ47のマウントを模式的に説明する図の一例である。ファイル一時保存装置40の共有フォルダURIが「http://kaigi.com/share/0001」であるとする。端末1,2はこのURIを指定して共有フォルダ47をマウントしたので、この共有フォルダ47が端末1,2にマウントされる。例えば、端末1、2がDドライブをマウント先として指定すると、共有フォルダ47がDドライブとしてマウントされる。
ファイル一時保存装置40の共有フォルダ47にファイル「file.txt」が記憶された場合、ファイル同期部24,44が通信して、端末1,2のDドライブに「file.txt」というファイル名が表示される(ファイルの本体は共有フォルダ47にある)。
また、会議開始時にSIMカード130のセキュアな記憶領域に以前の共有フォルダが保存されていた場合は、新しい共有フォルダをマウントした後に、そこにコピーすることで前回の共有フォルダを再度共有することができる。
更に、いつも同じ相手と会議をするとは限らないので、前回の共有フォルダを再度共有するかどうかをユーザに選択させてもよい。また、複数の共有フォルダを保存しておいて、会議相手によって共有するフォルダをユーザに選択させてもよいし、会議相手に紐付いた共有フォルダを自動で共有してもよい。
S5−1/5−2. 書き込み/読み込み
例えば、ファイルをDドライブに書き込む。ここでは端末1が書き込んだとする。
S6 同期
ファイル同期部24はDドライブへのファイルの書き込みを検出して、ファイル一時保存装置40の共有フォルダ47を指定してファイルを送信する。そして、ファイル同期部44は共有フォルダ47にファイルを記憶すると共に、端末1と共に共有フォルダ47をマウントしている端末2にファイル名を送信する。端末1、2のDドライブには同じファイル名が表示される。
また、端末1がファイルと端末IDを送信し、ファイル一時保存装置40が端末IDからセッションIDを特定してもよい。セッションIDが分かれば、同じ会議に参加している他の端末が分かるし、共有フォルダテーブル48から共有フォルダURIも分かる。
〔アクセス制御〕
アクセス制御について説明する。ファイル一時保存装置40は、Read/Writeのアクセス権に応じて共有フォルダ47へのアクセスを制御できる。
図17(b)はアクセス制御する場合の共有フォルダテーブル48の一例を示す図である。図17(a)と比較するとアカウント名に、アクセス権が登録されている。すなわち、端末IDがaaaの端末のアカウント名はacc0001_rwであり、アクセス権はRead/Writeであるが、端末IDがbbb,dddの端末のアカウント名はacc0001_rであり、アクセス権はReadのみである。
共有フォルダ管理部61は、以下のような予め定められた規則に従って端末にアクセス権を与える。
・会議開始時からセッションが確立している端末にはRead/Writeのアクセス権を与え、後から参加した端末にはReadのみのアクセス権を付与する。
・会議開始端末が会議開始時に管理システム50に任意にアクセス権を要求する。
なお、共有フォルダ管理部61がアカウント情報を端末に送信しないことで、その端末のアクセス権を一切なしとすることもできる。図17(b)では端末IDがaaa,bbb,ddd以外の端末(例えば端末IDがcccの端末)はアカウント情報が通知されない。
図17(c)は共有フォルダテーブル48の別の一例を説明する図の一例である。図17(c)では1つのセッションIDに複数の共有フォルダ47が登録されている。この場合、共有フォルダ毎に、各端末のアクセス権を設定できる。例えば、共有フォルダ「http://kaigi.com/share/0001/1」に対し、端末IDがbbb、dddの端末はReadのみのアクセス権を有する。これに対し、「http://kaigi.com/share/0001/2」に対し、端末IDがbbb、dddの端末はRead/Writeのアクセス権を有する。共有フォルダ47が2つある場合、各端末はそれぞれの共有フォルダ47をマウントする。
複数の共有フォルダ47は以下のようにして使用される。
・端末が会議開始時に複数の共有フォルダ47を使用することを要求する
・図17(b)のようなアクセス権の共有フォルダ47に加え、常に、追加の共有フォルダ47を用意しRead/Writeのアクセス権を全端末に通知する。
アクセス制御が実行されるのは、端末側又はファイル一時保存装置側のどちらでもよいし、また、両方で行われてもよい。すなわち、ファイル一時保存装置40の共有フォルダ47、又は、端末1,2のDドライブ、のどちらでアクセス制御してもよい。
・Write時
ファイル一時保存装置40の共有フォルダ47でアクセス制御する場合、アクセス制御部43がアクセス権に基づき端末1,2からのファイルの書き込みを禁止する。端末1,2のDドライブでアクセス制御する場合、ファイル同期部24がアクセス権に基づき端末1,2からのファイルの書き込みを禁止する。
・Read時
ファイル一時保存装置40の共有フォルダ47でアクセス制御する場合、アクセス制御部43はRead権のない端末にファイル名を送信しない。端末1,2のDドライブでアクセス制御する場合、ファイル一時保存装置40からファイル名が送信されてもそれを破棄し、ファイル同期部24がDドライブにファイル名を表示しない。
〔ファイル共有の例〕
図28は、ファイル共有の一例を模式的に説明する図の一例である。図17(a)のファイル共有テーブルが採用されているものとする。すなわち、端末1,2はRead/Writeが可能である。
図28(a)では「http://kaigi.com/share/0001」が共有フォルダ47である。この共有フォルダ47に「共有ファイル.doc」というファイルが記憶されている。端末1には例えば「C:/Share」というドライブがマウントされる。PC1から端末1、及び、PC2から端末2はUSBメモリのように見えるので、PC1,2のファイル管理システム50は「E:/共有ファイル.doc」と表示する。このEドライブはUSBメモリのドライブである。
図28(b)では会議に共通のアカウントが設定されている。端末1,2はどちらもRead/Writeが可能であるので、PC1,2は「http://kaigi.com/share/0001」に記憶されるファイルを共有することができる。
図29は、ファイル共有の一例を模式的に説明する図の一例である。図17(b)のファイル共有テーブルのように端末毎に異なるアカウントが登録されている。すなわち、端末1のアクセス権としてRead/Writeを別々に登録でき、端末2のアクセス権としてRead/Writeを別々に登録できる。図29(a)では、例えば、端末1,2の両方がRead/Write可能になっている。
一方、図29(b)では、例えば、会議を開始した端末1のみがRead/Write可能であり、それ以外の端末はRead権のみ許可されている。このようなアクセス制御は、共有フォルダ管理部が、例えば、最初に共有フォルダ47をマウントした端末又は共有フォルダ47の作成をリクエストした端末にのみRead/Write権を与えることで実現できる。
図30は、ファイル共有の一例を模式的に説明する図の一例である。図17(c)のファイル共有テーブルのように端末毎に異なるアカウントが登録されている。すなわち、1つの会議に2つの共有フォルダ「http://kaigi.com/share/0001」「http://kaigi.com/share/0002」が作成されている。
図30(a)では、端末1は共有フォルダ"0001"に対しRead/Write可であるが、共有フォルダ"0002"に対しReadのみ可である。端末2は共有フォルダ"0001"に対しRead/Write可であるが、共有フォルダ"0002"に対してはRead/Writeが不可である。
図30(b)では4つの端末1〜4がある。端末1、2には共通のアクセス権が設定されている。端末1,2は共有フォルダ"0001"に対しRead/Write可である。端末3は共有フォルダ"0001"に対しReadのみ可である。端末4は共有フォルダ"0001"に対しアクセスが認められていない。共有フォルダ"0002"に対しても、端末毎又は複数の端末に共通にアクセス権を設定できる。
このようにアクセス権を多様に制御することで、例えば、多拠点会議(端末1、2、3、4)だった場合、管理システム50又は各端末が「端末1と端末2のみがRead/Write可、端末3はReadのみ可、端末4はRead/Write不可」のようなアクセス制御が容易に実現できる。
例えば、本社と複数の支社で会議を行う場合、管理システム50は、本社端末のみがRead/Writeが可、支社端末はReadのみ可と設定する。したがって、本社からの資料データを支社に配ることができるが、支社端末から資料データをアップロードできない(資料の改竄を防止できる)といった制御が可能になる。
以上のように本実施例の電子会議システム300は、PC1がファイルを端末1に書き込むだけで、端末1と端末2が同じファイルを共有することができる。
<実施例2>
本実施例では会議に途中から参加する端末3が端末1,2とファイル共有することが可能な電子会議システム300について説明する。途中から参加する端末を端末3とする。この場合も管理システム50が共有フォルダURI及びアカウント情報を端末3に通知することでファイルの同期が可能になる。
図31は、電子会議システム300の各端末がファイルを送受信する手順を示すシーケンス図の一例である。
S1. 会議中
すでに、端末1と端末2の間で会議が始まっている。当然ながらセッションも確立している。
S2.会議途中参加
端末3の電源がONになると、ログイン要求部13が管理システム50にログインを要求する。端末3と接続されたPC3のユーザは、例えば宛先の端末(会議を行っている)の1つを指定して会議に途中参加する。
S3.セッション確立
管理システム50は端末1,2と端末3との間にセッションを確立する。管理システム50は、宛先の端末に基づきセッション管理テーブルを参照して、端末3が参加する会議のセッションIDやその他の端末を特定している。
S4.共有フォルダテーブル確認
共有フォルダ管理部61は、セッションIDをファイル一時保存装置40に送信して、この会議の共有フォルダ47のURIと共有フォルダテーブル48を取得する。
この時、アクセス制御情報を作成されるが、管理システム50は途中参加の端末3にReadのみ可のアクセス権を与えたり、端末3からの要求に応じてアクセス権を与える。
S5. 共有フォルダURI、共有フォルダテーブルの通知
共有フォルダ管理部61は、共有フォルダURIとアカウント情報を途中参加した端末3に通知する。
S6.共有フォルダのマウント
端末3のフォルダマウント部23は、共有フォルダ47をマウントする。
マウントにより、ファイル一時保存装置40の共有フォルダ47と端末にマウントされたドライブの同期が開始される。ファイル同期部44は、共有フォルダ47に記憶されているファイルのファイル名を端末3に送信する。こうすることで、PC3は、端末3にマウントされたドライブのファイル名をUSBメモリのようにディスプレイ208に表示することができる。
本実施例によれば、後から会議に参加した端末も、参加以前に共有されていたファイルを会議参加と同時に共有することができるようになる。
<実施例3>
本実施例では、会議終了後の共有フォルダ47について説明する。実施例1,2のように共有フォルダ47にファイルが記憶された場合、そのままではセキュリティ的に好ましくなく、削除することが好ましい。
図32は、電子会議システム300の会議終了時の手順を示すシーケンス図の一例である。
S1−1、S1−2 会議終了
会議の終了の契機には、端末10の1つ以上が会議の終了を管理システム50に通知すること、管理システム50による問い合わせに対しセッション管理テーブルの全ての端末10が応答しなくなったこと、などがある。ここでは、管理システム50の管理下で会議は終了したものとする。管理システム50は、会議が終了すると端末1,2にそれぞれ通知する。
S1−1−2 共有フォルダの保持
SIMカードタイプの端末10では、アンマウントに先立って共有フォルダの内容をSIMカード130の他の領域にコピーすることで保存する。なお、共有フォルダのデータを残したままアンマウントできる場合(アンマウントにより通常のフォルダに変え、内容を削除しないで済む場合)には、他の部分にコピーする必要はない。また、SIMカード130に自動で保存してもよいし、保存するか否かを会議終了時にユーザに確認してユーザ判断で保存するしないを選択してもよい。なお、端末起動時にPINは入力済みのため、SIMカード130への書き込みは可能な状態となっている。実装によっては、アクセスの度にPIN入力を求めるようにすることも可能である。
S2−1、2−2 共有フォルダのアンマウント
会議終了を検知した端末1,2のフォルダマウント部23は、ファイル一時保存装置40に対し共有フォルダ47をアンマウントする。SMBのアンマウントのコマンドは例えば以下のようになる。
unmount マウント先のPath
また、アンマウントにより、ファイル同期部24は端末1,2にマウントしたDドライブを削除する。これにより、PC1,2もDドライブのファイル名を表示することができなくなる。
S3 共有フォルダ削除
また、共有フォルダ作成部42は、会議が終了すると、終了した会議のセッションIDに基づき、ファイル一時保存装置40に対し共有フォルダ47をフォルダ記憶部41から削除するよう要求する。共有フォルダ作成部42は、共有フォルダ47を削除することで、端末から送信されたファイルを全て削除する。
また、アクセス制御部43は、ファイル管理DB46のフォルダ共有テーブルから、終了した会議のレコードを削除することで、フォルダ共有テーブルを更新する。
本実施例によれば、会議終了と連動してファイル一時保存装置40からファイルを削除できるので、セキュリティの低下を抑制できる。
<実施例4>
本実施例では、よりセキュリティが確保された電子会議システム300について説明する。
図33は、本実施例の電子会議システム300の概略構成図の一例を示す。図33において図25と同一構成部には同一の符号を付しその説明は省略する。
図33の端末1と端末2は社内LANにより接続されている。そして、社内に社内サーバ80が配置されており、中継装置30とファイル一時保存装置40とが社内に配置されている。なお、社内サーバ80は、物理的に社内に配置されている必要はなく、VPN(Virtual Private Network)等のセキュアな回線でつながれた外部のサーバであってもよい。
セッションを確立した管理システム50は、セッション管理テーブルに中継装置IDを設定するので、映像・音声を中継する中継装置30を特定している。したがって中継装置30と端末10のIPアドレスのうちネットワークアドレスを比較すれば、端末1,2が社内LANに接続された中継装置80を利用していることがわかる。ネットワークアドレスが直接得られない場合は、IPアドレスをDNSに問い合わせ、ホスト名などが同じであれば端末1,2と中継装置が同じLANに接続されていることが分かる。
図のような構成では、端末1と端末2は中継装置として、プライベートネットワーク(社内LAN等)内の映像・音声ルータを使用できるため、映像・音声が外部を一切通らずに会議を行うことができる。したがって、この場合、ファイル一時保存装置40も社内LANに配置することで、ファイル共有時のセキュリティを向上できる。
図34は、電子会議システム300の各端末がファイルを送受信する手順を示すシーケンス図の一例である。図34は、実施例1の図26とほぼ同じであるが、管理システム50が会議開始後にルーティング経路を確認している部分(ステップS1.5)で異なっている。
S1.5 ルーティング経路確認
図35は、ルーティング経路確認時の管理システムの処理手順を示すフローチャートの一例である。
管理システム50は、会議開始直後にその会議のルーティング経路を確認する(S150)。
インターネットを使用しているのであれば、実施例1と同様に外部に(インターネット上に)共有フォルダ47を作成する(S152)。
一方、プライベートネットワークを使用しているのであれば、そのプライベートネットワーク内のサーバ(例えば、社内サーバ80の一部や中継装置30)に共有フォルダ47を作成する(S151)。
以降は、実施例1と同様である。すなわち、管理システム50は共有フォルダURIとアカウント情報を作成し、ファイル一時保存装置40に送信する(S153)。
また、管理システム50は、共有フォルダURIとアカウント情報を端末1,2に通知する(S154)。
これにより、端末1、2はファイルの保管場所を意識することなく指定されたURIにマウントドライブ22をマウントする。
本実施例によれば、会議に参加している端末によって共有フォルダURIを変えることができ、プライベートネットワークを利用すればファイルが一時的にでも外部に出ることがなくなり、セキュリティリスクを大きく低減できる。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。