JP7188185B2 - 溶接ワイヤ送給装置 - Google Patents

溶接ワイヤ送給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7188185B2
JP7188185B2 JP2019035472A JP2019035472A JP7188185B2 JP 7188185 B2 JP7188185 B2 JP 7188185B2 JP 2019035472 A JP2019035472 A JP 2019035472A JP 2019035472 A JP2019035472 A JP 2019035472A JP 7188185 B2 JP7188185 B2 JP 7188185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding wire
outlet
roller
sleeve
pressure roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019035472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020138216A (ja
Inventor
明 加藤
豊 溝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2019035472A priority Critical patent/JP7188185B2/ja
Publication of JP2020138216A publication Critical patent/JP2020138216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7188185B2 publication Critical patent/JP7188185B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Forwarding And Storing Of Filamentary Material (AREA)
  • Wire Processing (AREA)

Description

本開示は、溶接ワイヤ送給装置に関する。
アーク溶接では、溶接ワイヤは溶接に伴い短くなるので、順次送給する必要がある。自動溶接機では、溶接ワイヤの送給は機械的に自動に行われる。このため、自動溶接機は、溶接ワイヤ送給装置を備えている。下記特許文献1は、溶接ワイヤ送給装置を開示している。一般的な溶接ワイヤ送給装置では、インレットガイド、送給ローラ、加圧ローラ、及び、アウトレットガイドを主要構成部位として有している。
溶接ワイヤは、送給ローラと加圧ローラとに挟まれて、送給ローラ及び加圧ローラの回転によって送給される。インレットガイドは、ワイヤ送給方向に沿って送給ローラ及び加圧ローラよりも上流側に配置されており、溶接ワイヤを送給装置内部に案内し、さらに、溶接ワイヤを送給ローラと加圧ローラとの間に案内する筒状部材である。インレットガイドには、溶接ワイヤの線径に合わせた内径のガイドホールが形成されている。アウトレットガイドは、ワイヤ送給方向に沿って送給ローラ及び加圧ローラよりも下流側に配置されており、送給ローラ及び加圧ローラによって繰り出された溶接ワイヤを送給装置外部に案内する筒状部材である。アウトレットガイドにも、溶接ワイヤの線径に合わせた内径のガイドホールが形成されている。
上述したように、溶接ワイヤは、送給ローラと加圧ローラとに挟まれて、送給ローラ及び加圧ローラの回転によって繰り出される。送給ローラ及び加圧ローラの構成には様々な構成があるが、もっとも簡素な構成では、送給ローラはモータを駆動源とする駆動ローラであり、加圧ローラは送給ローラの回転によって回転される従動ローラである。送給ローラの外周面上には、溶接ワイヤを案内するガイド溝が形成されている。加圧ローラは揺動可能に構成されており、溶接ワイヤの送給時には、溶接ワイヤを送給ローラのガイド溝に押しつける。溶接ワイヤは、加圧ローラによってガイド溝に押しつけられ、送給ローラの回転によって繰り出される。なお、加圧ローラは、ギア機構などを介して、送給ローラと共に同一送給速度で同期駆動されることもある。また、溶接ワイヤの線径によっては、加圧ローラにも、ガイド溝が形成されることもある。対となる送給ローラ及び加圧ローラが送給方向に沿って二対並設されることもある。
特昭61-45979号公報
溶接ワイヤの更なる細線化に対する要望がある(例えば、線径φ0.3mmへの細線化)。従来の溶接ワイヤ送給装置を用いて更に細線化された溶接ワイヤを送給すると、送給装置の内部、特に、一対の送給ローラ及び加圧ローラとアウトレットガイドとの間で溶接ワイヤが座屈することがある。本開示の目的は、溶接ワイヤの座屈をより一層防止することのできる溶接ワイヤ送給装置を提供することにある。
本開示の溶接ワイヤ送給装置は、溶接ワイヤを前記溶接ワイヤ送給装置内部に案内する、インレットガイドホールが形成されたインレットガイドと、前記溶接ワイヤを前記溶接ワイヤ送給装置外部に案内する、アウトレットガイドホールが形成されたアウトレットガイドと、前記溶接ワイヤ送給装置内部に設けられ、回転されて前記溶接ワイヤを送給方向に送る送給ローラと、前記溶接ワイヤ送給装置内部に設けられ、前記溶接ワイヤを前記送給ローラに押しつける加圧ローラと、を備えており、前記アウトレットガイドが、前記アウトレットガイドホールが形成されたアウトレットスリーブと、前記アウトレットスリーブを前記溶接ワイヤの送給方向にスライド可能に保持するスリーブホルダと、前記アウトレットスリーブと前記スリーブホルダとの間に介装され、前記アウトレットスリーブを前記送給ローラ及び前記加圧ローラに向けて付勢して前記送給ローラ及び前記加圧ローラの双方に接触させる弾性部材と、を備えており、前記アウトレットスリーブの前記送給ローラとの接触面が、前記送給ローラの外周面に一致する第一凹曲面として形成され、前記アウトレットスリーブの前記加圧ローラとの接触面が、前記加圧ローラの外周面に一致する第二凹曲面として形成され、前記第一凹曲面と前記第二凹曲面との境界稜線上に前記アウトレットガイドホールが開口されている、ことを特徴としている。
本開示の溶接ワイヤ送給装置によれば、当該装置内での溶接ワイヤの座屈をより一層防止することができる。
図1は、実施形態に係る溶接ワイヤ送給装置の側面図である。 図2は、上記溶接ワイヤ送給装置におけるアウトレットガイドの拡大側面図である。 図3は、上記アウトレットガイドのアウトレットスリーブを示す、(a)側面図、(b)正面図及び(c)平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る溶接ワイヤ送給装置1を説明する。溶接ワイヤ送給装置1は、ガスシールドアーク溶接(MIG溶接、MAG溶接、CO溶接等)の溶接ワイヤWを送給するもので、工場等に設けられるアシストガスを用いる自動溶接機に適用されている。ただし、溶接ワイヤ送給装置1は、半自動溶接機にも適用することも可能である。また、溶接ワイヤ送給装置1は、アシストガスを用いないノンガス溶接機に適用することも可能である(ポータブル型アーク溶接機など)。
図1に示されるように、溶接ワイヤ送給装置1は、水平断面形状がC字状のチャンネル材であるブラケット3を有している。ブラケット3の一方のフランジ3aには、ブラケット3(装置1)の内部に、溶接時に溶かされて母材と一体となる溶接ワイヤW(図2参照)を案内するインレットガイド5が固定されている。ブラケット3の他方のフランジ3bには、ブラケット3(装置1)から外部に溶接ワイヤWを案内するアウトレットガイド7が取り付けられている。
ブラケット3の一対のフランジ3a及び3bの間のウェブ3cには、金属製の送給ローラ9が回転可能に取り付けられている。送給ローラ9は、モータ(図示せず)を駆動源としてギア(図示せず)を介して回転される駆動ローラである。送給ローラ9の駆動機構は、公知の駆動機構である。送給ローラ9の外周面は、送給ローラ9の回転軸に対して平行に形成されている。送給ローラ9の外周面上には、溶接ワイヤWを案内するガイド溝9aが形成されている。本実施形態では、ガイド溝は断面V字形状を有しているが、断面U字形状を有していてもよい。
溶接ワイヤWの送給経路を挟んで送給ローラ9の反対側には、金属製の加圧ローラ11が設けられている。本実施形態の加圧ローラ11は、揺動アーム11aを介してウェブ3cに取り付けられている。加圧ローラ11は、揺動アーム11aに回転可能に取り付けられている。揺動アーム11aは、揺動中心11bを中心に揺動可能である。従って、揺動アーム11aを揺動することで加圧ローラ11を送給ローラ9から離すことができる。溶接ワイヤWをセットする際には、加圧ローラ11は送給ローラ9から離される。加圧ローラ11の外周面は、加圧ローラ11の回転軸に平行に形成されている。なお、本実施形態では、加圧ローラ11の外周面上にガイド溝は形成されないが、形成されてもよい(例えば、溶接ワイヤWの線径が太い場合など)。
揺動アーム11aの揺動中心11bの反対側の端部は、ブラケット3に設けられた保持機構13によって保持される。保持機構13によって揺動アーム11aの端部が保持されると、加圧ローラ11は送給ローラ9に向けて押圧され、溶接ワイヤWを送給ローラ9のガイド溝9aに押しつける。本実施形態の加圧ローラ11は、送給ローラ9の回転によって回転される従動ローラである。ただし、加圧ローラ11は、送給ローラ9の駆動モータの出力によって、ギア(図示せず)を介して送給ローラ9と同期駆動されてもよい。また、本実施形態の加圧ローラ11は、送給ローラ9の外径よりも小さい外径を有しているが、送給ローラ9と同じ外径(又は、大きな外径)を有していてもよい。
保持機構13は、公知の機構であればどのような機構でもよい。本実施形態では、ブラケット3に揺動可能に取り付けられた保持ネジ13aと、保持ネジ13aに螺合されたノブ13bとからなる。図1に示される状態では、保持ネジ13aは揺動アーム11aの端部に形成されたスリット内に位置しており、ノブ13bを更に締めることで加圧ローラ11の位置を保持できる。なお、保持ネジ13aにコイルスプリング(図示せず)を挿通して、揺動アーム11aの端部とノブ13bとの間にコイルスプリングを介在させてもよい。この場合、コイルスプリングの弾性復元力が、テコの原理で加圧ローラ11を介して溶接ワイヤWを送給ローラ9に押しつける力として作用する。ノブ13bの締め込み量によってコイルスプリングの弾性復元力、即ち、溶接ワイヤWの押圧力を調節できる。
インレットガイド5には、その中心軸に沿ってインレットガイドホール5aが形成されている。インレットガイド5の基端にはネジが形成されており、この基端がフランジ3aに形成された貫通孔に挿入されてナット5bによってフランジ3aに固定されている。インレットガイド5の先端は、溶接ワイヤWをできるだけ送給ローラ9及び加圧ローラ11による保持位置Pに近づけるため、即ち、ガイド長を長くするために徐々に外径が小さくなる形状に形成されている。
図2に示されるように、アウトレットガイド7は、アウトレットスリーブ71、スリーブホルダ73、及び、弾性部材としてのコイルスプリング75を備えている。アウトレットガイド7は、図3(a)~図3(c)に示されるように、送給ローラ9及び加圧ローラ11の双方に接触される先端部71aと、スリーブホルダ73によってスライド可能に保持される基端部71bとからなる。先端部71aは、円柱から、送給ローラ9及び加圧ローラ11の形状の一部を削り取った形状を有している。基端部71bは、先端部71aの外径よりも小さな外径を有する円柱形状を有している。即ち、先端部71aと基端部71bとの間には環状の段面71cが形成されている。本実施形態の先端部71aは、上述した送給ローラ9を回転させるギア(図示せず)を避けるために、図3(c)に示されるようにさらに一部が切り欠かれているが、他の部品との干渉がなければ、図中一点鎖線で示されるように切り欠かれずに形成されてもよい。
先端部71aには、送給ローラ9の外周面に一致する第一凹曲面71dと、加圧ローラ11の外周面に一致する第二凹曲面71eとが形成されている。第一凹曲面71dはアウトレットスリーブ71の送給ローラ9との接触面であり、第二凹曲面71eは加圧ローラ11との接触面である。本実施形態では、送給ローラ9の外周面(ガイド溝9aを除く)は送給ローラ9の半径を曲率半径とする回転軸に平行な凸曲面であるので、第一凹曲面71dは同じ曲率半径を有する回転軸に平行な凹曲面である。同様に、加圧ローラ11の外周面は加圧ローラ11の半径を曲率半径とする回転軸に平行な凸曲面であるので、第二凹曲面71eは同じ曲率半径を有する回転軸に平行な凹曲面である。なお、送給ローラ9の回転軸と加圧ローラ11の回転軸とは、互いに平行であり、かつ、溶接ワイヤWの送給方向に対して直角である。言い換えれば、第一凹曲面71dは送給ローラ9の外周面に倣った凹曲面であり、第二凹曲面71eは加圧ローラ11の外周面に倣った凹曲面である。
基端部71bは、先端部71aと互いの中心軸を一致させて一体的に結合されており、この中心軸に沿って溶接ワイヤWの送給を案内するアウトレットガイドホール7aが形成されている。アウトレットガイドホール7aはドリル又は放電加工により形成される。アウトレットガイドホール7aの上流側の端部は、第一凹曲面71dと第二凹曲面71eとの境界稜線71f上に開口されている。アウトレットスリーブ71が送給ローラ9及び加圧ローラ11に接触されている状態では、この開口は上述した保持位置Pでガイド溝9aの位置と一致する。境界稜線71fは、アウトレットスリーブ71の中心軸(送給方向)に対して直角に延びている。本実施形態のアウトレットスリーブ71は、真鍮を切削加工することで一体物として形成されている。追って詳しく説明するが、アウトレットスリーブ71は、その第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eで回転する送給ローラ9及び加圧ローラ11とそれぞれ接触する。このため、滑り性に優れる真鍮によって形成されている。
図2に示されるように、スリーブホルダ73は、アウトレットスリーブ71の先端部71aの外径と同じ外径を有する円環状の頭部73aと、頭部73aの外径よりも小さな外径を有するネジ部73bとからなる。頭部73aは、ネジ部73bと互いの中心軸を一致させて一体的に結合されており、この中心軸に沿ってアウトレットスリーブ71の基端部71bをスライド可能に案内するスリーブガイドホール73cが形成されている。スリーブガイドホール73cの内径は、基端部71bの外径よりもわずかに大きい。ネジ部73bは、ブラケット3のフランジ3bに形成されたネジ孔3dに螺合されている。ネジ部73b、即ち、スリーブホルダ73を中心軸回りに回転することで、スリーブホルダ73の位置を送給方向に調整することができる。
コイルスプリング75は、アウトレットスリーブ71とスリーブホルダ73との間に介装されている。より具体的には、段面71c及び頭部73aがコイルスプリング75の座面として機能し、コイルスプリング75は、自然長より短縮された状態でアウトレットスリーブ71とスリーブホルダ73との間に介装される。コイルスプリング75の内径は、基端部71bの外径よりもわずかに大きい。即ち、コイルスプリング75は、基端部71bによって内方から案内されている。コイルスプリング75の弾性復元力は、先端部71aを送給ローラ9及び加圧ローラ11に接触させる押圧力として作用している。
また、先端部71aの送給方向の位置は送給ローラ9及び加圧ローラ11によって規制されるので、コイルスプリング75の弾性復元力は、ネジ部73bとネジ孔3dとの間の摩擦力を増加させてスリーブホルダ73とフランジ3bとの螺合を確実なものとする。なお、スリーブホルダ73とフランジ3bとをより確実に固定するために、フランジ3bの外側から固定ナット77が更に螺合されてもよい。短縮された状態のコイルスプリング75の長さ(セット長)は、スリーブホルダ73を中心軸回りに回転してネジ部73bの位置を送給方向に移動させることで調整することができる。即ち、コイルスプリング75の弾性復元力(アウトレットスリーブ71の送給ローラ9及び加圧ローラ11への押圧力)は、スリーブホルダ73を回転することで調整することができる。
本実施形態では、アウトレットガイド7(スリーブホルダ73)の下流側には、直接又は短いアダプタを介してトーチ(図示せず)が取り付けられる。なお、トーチは、コンジット(図示せず)を介してアウトレットガイド7(スリーブホルダ73)の下流側に取り付けられてもよい。送給される溶接ワイヤWは、リールに巻かれてインレットガイド5よりも上流側に配置されている。リールからの溶接ワイヤWはインレットガイド5のインレットガイドホール5aに挿通された後、アウトレットガイド7のアウトレットガイドホール7aに挿通される。この時、揺動アーム11aが揺動されて加圧ローラ11は送給ローラ9から離されている。溶接ワイヤWがガイド溝9aに確実に収納されるように、揺動アーム11aを揺動させて加圧ローラ11により溶接ワイヤWを送給ローラ9(ガイド溝9a)に押しつける。
この状態で送給ローラ9が駆動されると、ガイド溝9a内の溶接ワイヤWは、加圧ローラ11の押圧力により保持位置Pで生じる摩擦力によって送給方向前方に送給される。保持位置Pから前方に送給された溶接ワイヤWは、すぐにアウトレットガイドホール7a内に導入され、その送給が案内される。溶接ワイヤWの座屈は、送給のための力の作用点(=本実施形態での保持位置P)からアウトレットガイドホールの入口までの間で生じやすい。特に、現在、溶接ワイヤWの線径の更なる小径化が望まれており、線径が小さくなれば座屈は生じやすくなる。本実施形態によれば、保持位置Pからアウトレットガイドホール7aの入口までの距離を実質的にゼロとし、溶接ワイヤWの座屈を効果的に防止することができる。座屈を効果的に防止可能な本実施形態の構成は、溶接ワイヤWの線径が細い場合には非常に有効であり、溶接ワイヤWの線径が例えばφ0.3mmの場合などは必要とも言える構成である。ただし、本実施形態の構成は、現在既に実用されている線径(例えば、φ0.6~1.2mm)の溶接ワイヤWの座屈防止に対しても有効である。
なお、図において、インレットガイドホール5a及びアウトレットガイドホール7aの内径及び溶接ワイヤWの線径(外径)は、分かりやすく示されており、実際の正確な比率では示されていない。更に、本実施形態の溶接ワイヤ送給装置1は、溶接ワイヤWの様々な外径に対応可能である。溶接ワイヤWの線径が変われば、インレットガイドホール5a及びアウトレットガイドホール7aの内径及びガイド溝9aの深さ(溝幅)を変える必要がある。従って、インレットガイド5、アウトレットガイド7(少なくともアウトレットスリーブ71)及び送給ローラ9は、溶接ワイヤWの線径に応じて交換可能である。
また、上述したように、アウトレットスリーブ71はコイルスプリング75によって付勢されて送給ローラ9及び加圧ローラ11に接触されるが、送給ローラ9及び加圧ローラ11の回転はアウトレットスリーブ71を押し戻す方向に作用する。コイルスプリング75の弾性復元力(付勢力)は、この押し戻す力に対抗してアウトレットスリーブ71を送給ローラ9及び加圧ローラ11に接触させるように作用する。送給ローラ9及び加圧ローラ11の回転はアウトレットスリーブ71を押し戻す方向に作用するので、アウトレットスリーブ71が送給ローラ9と加圧ローラ11との間に噛み込まれるようなことはない。
アウトレットスリーブ71の製造方法、より詳しくは、第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eの形成方法の一例について説明する。上述したように、第一凹曲面71dは送給ローラ9の外周面に一致し、第二凹曲面71eは加圧ローラ11の外周面に一致する。このため、まず、切削加工により第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eを形成する。そののち、送給ローラ9及び加圧ローラ11の外周面に紙やすりを巻き、実際にアウトレットスリーブ71を溶接ワイヤ送給装置1に組み込んで、回転する送給ローラ9及び加圧ローラ11にアウトレットスリーブ71を接触させる。この工程により、第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eの表面が仕上られ、第一凹曲面71dは送給ローラ9の外周面に倣わされ、第二凹曲面71eは加圧ローラ11の外周面に倣わされる。近年の切削加工は高精度であるが、このように第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eを形成すると、第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eの表面を送給ローラ9及び加圧ローラ11の外周面により一層一致させることができる。
アウトレットスリーブ71の境界稜線71fは、ここでは稜「線」と呼んでいるが、微細な視点では、ワイヤ送給方向と送給ローラ9及び加圧ローラ11の回転軸方向との両方に垂直な方向に幅を有している。この境界稜線71fの幅が小さ過ぎると、回転する送給ローラ9及び加圧ローラ11にアウトレットスリーブ71が接触されている間に境界稜線71fが欠損するそれがある。従って、境界稜線71fは、溶接ワイヤWの線径(即ち、アウトレットガイドホール7aの内径)に応じて適正な幅に形成される。また、この幅を考慮すると境界稜線71fは微細端面であり、この微細端面は本実施形態ではワイヤ送給方向に垂直な平面である。しかし、この微細端面は、ワイヤ送給方向の上流に向けて突出された凸曲面形状又は切妻形状に形成されてもよい。
また、本実施形態の送給ローラ9及び加圧ローラ11の外周面(ガイド溝9aを除く)は、回転軸に平行に形成されている(即ち、中心軸を通る断面上では直線で示される)。しかし、これらの外周面の少なくとも一方が、中心軸を通る断面上でわずかに湾曲する曲線で示される面として形成されてもよい。例えば、加圧ローラ11の外周面が、中心軸を通る断面上でわずかに湾曲する凹周面として形成されてもよい。なお、このような場合、境界稜線71fは送給ローラ9及び加圧ローラ11の外周面に一致する第一凹曲面71d及び第二凹曲面71eに応じて形成されるが、アウトレットガイドホール7aは境界稜線71f上に開口される。
本実施形態の溶接ワイヤ送給装置1では、コイルスプリング(弾性部材)75によって送給ローラ9及び加圧ローラ11に接触されるアウトレットスリーブ71が、送給ローラ9の外周面に一致する第一凹曲面71dと加圧ローラ11の外周面に一致する第二凹曲面71eとを有している。また、アウトレットガイドホール7aが第一凹曲面71dと第二凹曲面71eとの境界稜線71f上に開口されている。このため、本実施形態の溶接ワイヤ送給装置1によれば、回転する送給ローラ9及び加圧ローラ11によって保持位置Pから繰り出された溶接ワイヤWは、すぐにアウトレットガイドホール7a内に導入されて案内される。この結果、(溶接ワイヤWの座屈が生じやすい)送給ローラ9及び加圧ローラ11のすぐ下流側での溶接ワイヤWの座屈を効果的に防止することができる。
上述したように、溶接ワイヤWの線径の更なる小径化が望まれており、線径が小さくなれば座屈は生じやすくなる。本実施形態の溶接ワイヤ送給装置1によれば、保持位置Pからアウトレットガイドホール7aの入口までの距離を非常に短く(実質的にゼロと)し、線径が更に小径化された溶接ワイヤWであっても、その座屈を効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、アウトレットスリーブ71が、真鍮により形成されている。上述したように真鍮は滑り性に優れるため、本実施形態の溶接ワイヤ送給装置1によれば、回転する送給ローラ9及び加圧ローラ11とアウトレットスリーブ71との接触状態を好適に維持することができる。具体的には、アウトレットスリーブ71の微振動及び送給方向への飛び跳ねを防止することができる。この結果、溶接ワイヤWの座屈をより安定的に防止することができる。
さらに、本実施形態では、スリーブホルダ73が送給方向に沿ってブラケット3に螺合されている。従って、本実施形態の溶接ワイヤ送給装置1によれば、ブラケット3に螺合されているスリーブホルダ73を回転させることでスリーブホルダ73の送給方向の位置を調整できる。言い換えれば、コイルスプリング75のセット長、即ち、アウトレットスリーブ71の送給ローラ9及び加圧ローラ11への押圧力を調整することができる。この結果、回転する送給ローラ9及び加圧ローラ11とアウトレットスリーブ71との接触状態を好適に維持することができ、溶接ワイヤWの座屈をより安定的に防止することができる。
1 溶接ワイヤ送給装置
3 ブラケット
7 アウトレットガイド
7a アウトレットガイドホール
71 アウトレットスリーブ
71d 第一凹曲面
71e 第二凹曲面
71f 境界稜線
73 スリーブホルダ
75 コイルスプリング(弾性部材)
9 送給ローラ
11 加圧ローラ
P 保持位置
W 溶接ワイヤ

Claims (3)

  1. 溶接ワイヤ送給装置であって、
    溶接ワイヤを前記溶接ワイヤ送給装置内部に案内する、インレットガイドホールが形成されたインレットガイドと、
    前記溶接ワイヤを前記溶接ワイヤ送給装置外部に案内する、アウトレットガイドホールが形成されたアウトレットガイドと、
    前記溶接ワイヤ送給装置内部に設けられ、回転されて前記溶接ワイヤを送給方向に送る送給ローラと、
    前記溶接ワイヤ送給装置内部に設けられ、前記溶接ワイヤを前記送給ローラに押しつける加圧ローラと、を備えており、
    前記アウトレットガイドが、前記アウトレットガイドホールが形成されたアウトレットスリーブと、前記アウトレットスリーブを前記溶接ワイヤの送給方向にスライド可能に保持するスリーブホルダと、前記アウトレットスリーブと前記スリーブホルダとの間に介装され、前記アウトレットスリーブを前記送給ローラ及び前記加圧ローラに向けて付勢して前記送給ローラ及び前記加圧ローラの双方に接触させる弾性部材と、を備えており、
    前記アウトレットスリーブの前記送給ローラとの接触面が、前記送給ローラの外周面に一致する第一凹曲面として形成され、
    前記アウトレットスリーブの前記加圧ローラとの接触面が、前記加圧ローラの外周面に一致する第二凹曲面として形成され、
    前記第一凹曲面と前記第二凹曲面との境界稜線上に前記アウトレットガイドホールが開口されている、ことを特徴とする溶接ワイヤ送給装置。
  2. 前記アウトレットスリーブが、真鍮により形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接ワイヤ送給装置。
  3. 前記スリーブホルダを保持するブラケットをさらに備えており、
    前記弾性部材が前記アウトレットスリーブと前記スリーブホルダとの間に介装されたコイルスプリングであり、
    前記スリーブホルダが、前記送給方向に沿って前記ブラケットに螺合されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接ワイヤ送給装置。
JP2019035472A 2019-02-28 2019-02-28 溶接ワイヤ送給装置 Active JP7188185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019035472A JP7188185B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 溶接ワイヤ送給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019035472A JP7188185B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 溶接ワイヤ送給装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020138216A JP2020138216A (ja) 2020-09-03
JP7188185B2 true JP7188185B2 (ja) 2022-12-13

Family

ID=72264159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019035472A Active JP7188185B2 (ja) 2019-02-28 2019-02-28 溶接ワイヤ送給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7188185B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5111769B2 (ja) 2006-02-10 2013-01-09 Toto株式会社 衛生洗浄便座装置及びトイレ装置
JP5185025B2 (ja) 2008-08-29 2013-04-17 太平洋セメント株式会社 セラミックス部材
JP5465919B2 (ja) 2009-05-14 2014-04-09 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体集積装置
JP6145979B2 (ja) 2012-09-13 2017-06-14 株式会社リコー 通信システム、情報処理装置、端末

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5185025U (ja) * 1974-12-27 1976-07-08
JPS5465919U (ja) * 1977-10-19 1979-05-10
JPS6145979Y2 (ja) * 1981-02-09 1986-12-24
JP2620440B2 (ja) * 1991-10-18 1997-06-11 新日本製鐵株式会社 ワイヤ送給装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5111769B2 (ja) 2006-02-10 2013-01-09 Toto株式会社 衛生洗浄便座装置及びトイレ装置
JP5185025B2 (ja) 2008-08-29 2013-04-17 太平洋セメント株式会社 セラミックス部材
JP5465919B2 (ja) 2009-05-14 2014-04-09 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体集積装置
JP6145979B2 (ja) 2012-09-13 2017-06-14 株式会社リコー 通信システム、情報処理装置、端末

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020138216A (ja) 2020-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9102000B2 (en) Pushbutton wire guide holder for a welding wire feeder
JP5352678B2 (ja) 溶接用ワイヤーとコンタクト・シェルとの接触装置及び方法
US7977604B2 (en) Wire drive roll
US20080041910A1 (en) Drive rollers for wire feeding mechanism
EP2478987B1 (en) Wire electrode drive pressure adjustment system and method
US9254984B2 (en) Welding wire feeder with improved wire guide
JPH09323223A (ja) 放電加工装置のワイヤ移送システム
JP7188185B2 (ja) 溶接ワイヤ送給装置
JP4988195B2 (ja) ワイヤ電極送り機構およびワイヤ放電加工機
JP2020502012A (ja) 偏向装置を有する接着テープディスペンサ
JP2008036747A (ja) 工作機械の主軸
JP3926130B2 (ja) 管用テーパーねじ転造用ヘッド
US20220234112A1 (en) Machine tool and machining method
JP5854780B2 (ja) 溶接ワイヤ送給装置
JP2008142769A (ja) 糸半田自動供給方法並びに糸半田自動供給装置
JP2010052111A (ja) ワイヤカッター
JP2015131333A (ja) ワイヤガイド、送給装置、アーク処理システム
US1798898A (en) Wire-stitcher feed
EP4385927A1 (en) Thread cutting tool
JP4195524B2 (ja) 棒材供給機
JPH05301120A (ja) ワイヤ放電加工機のワイヤ案内装置
JPH10244371A (ja) 溶接用コンタクトチップ
JP2003311413A (ja) 溶接ワイヤ送給ユニット
JP2658010B2 (ja) ばね製造機の線材切断装置
NL2003353C2 (nl) Lasdraadkleminrichting, lasrobotarm met een lasdraadkleminrichting.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221114

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7188185

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151