JP6145342B2 - 膜厚測定装置、膜厚測定方法、および膜厚測定装置を備えた研磨装置 - Google Patents

膜厚測定装置、膜厚測定方法、および膜厚測定装置を備えた研磨装置 Download PDF

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Description

本発明は、ウェハなどの基板の膜厚を測定する膜厚測定装置および膜厚測定方法、並びに膜厚測定装置を備えた研磨装置に関する。
半導体デバイスは、将来ますます微細化が進むと予想される。そのような微細構造を実現するために、CMP装置に代表される研磨装置には、より精密なプロセスコントロールおよびより高度な研磨性能が求められている。具体的には、より正確な残膜コントロール(すなわち研磨終点検出精度)およびより改善された研磨結果(少ないディフェクトや平坦な被研磨面)が求められる。これに加え、より高い生産性(スループット)も要求される。
現在の研磨装置では、研磨精度を向上するために「リワーク」と呼ばれる再研磨が行われている。この再研磨は、研磨装置で研磨されたウェハを外部の膜厚測定装置に搬入し、研磨されたウェハの膜厚を膜厚測定装置で測定し、測定された膜厚と目標膜厚との差分をなくすために、再度ウェハを研磨する工程である。
従来のウェハの研磨方法の流れについて図1を参照して説明する。研磨装置は、一般に、研磨部と洗浄部とに区分けされている。ウェハは、まず、研磨部に搬送される。研磨部では、研磨テーブル上の研磨パッドに研磨液(スラリー)を供給しながら、ウェハと研磨パッドとを摺接させることによりウェハが研磨される(ステップ1)。研磨されたウェハは、次に洗浄部に搬送され、ここでウェハが洗浄され(ステップ2)、さらに、洗浄されたウェハが乾燥される(ステップ3)。
このようにして処理されたウェハは、次に、研磨装置の外部に設けられた膜厚測定装置に搬送され(ステップ4)、ここで、研磨されたウェハの膜厚が測定される(ステップ5)。ウェハの膜厚が所定の目標膜厚と比較され(ステップ6)、ウェハの膜厚が目標膜厚に達していない場合は、ウェハは、再度研磨装置に搬入され、再び研磨され、洗浄され、そして、乾燥される。しかしながら、このようなリワークと呼ばれる再研磨は正確な膜厚を実現するためには有効であるが、ウェハの最初の研磨から再研磨まである程度の時間がかかり、生産性(スループット)を低下させてしまう。
上述した研磨方法によれば、外部の膜厚測定装置での膜厚測定結果に基づいて、後続のウェハの研磨条件(研磨時間、研磨圧力など)を調整することが可能である。しかしながら、調整された研磨条件がウェハの研磨に適用されるまで既に数枚のウェハの研磨が終了しているため、それらウェハの研磨には調整された研磨条件が反映されない。調整された研磨条件を次のウェハの研磨に適用するためには、先のウェハの膜厚測定が終了し、研磨条件の調整が完了するまで、次のウェハの研磨を待たせる必要がある。しかしながら、このような操作は、生産性(スループット)を低下させてしまう。
上述した膜厚測定装置として、ウェハが濡れた状態でその膜厚を測定することができる、いわゆるウエット型膜厚測定装置が使用されることもある。このウエット型膜厚測定装置は、その膜厚測定ヘッドとウェハと間に純水を介在させた状態で、ウェハの膜厚を測定するように構成される。このタイプの膜厚測定装置を使用すれば、ウェハを研磨した直後にウエット状態のウェハの膜厚を測定することができる。
しかしながら、研磨液(スラリー)や研磨屑が、膜厚測定ヘッドとウェハとの間に存在する純水に混入し、純水の清浄度が低下する結果、膜厚測定の精度が低下することがあった。
特開平11−204472号公報 特開2006−313883号公報 米国特許7195535号
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、膜厚の測定精度を向上させることができる膜厚測定装置および膜厚測定方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような膜厚測定装置を備えた研磨装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一参考例は、基板を水平に支持する基板ステージと、前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、前記光の光路上に気体の噴流を形成し、該気体の噴流を前記測定領域に当てる気体噴射部とを備えたことを特徴とする膜厚測定装置である。
本発明の一態様は、基板を水平に支持する基板ステージと、前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、前記基板の表面に接触または近接可能な開口部を有するノズルと、前記ノズル内に液体を供給する液体供給ラインと、前記ノズル内の液体を通して、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、前記ノズルの開口部の先端に設けられた緩衝材とを備え、前記緩衝材は、前記基板の研磨に使用される研磨パッドと同じ材料から構成されていることを特徴とする膜厚測定装置である。
本発明の他の態様は、基板を水平に支持する基板ステージと、前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、前記基板の表面に接触または近接可能な開口部を有するノズルと、前記ノズル内に液体を供給する液体供給ラインと、前記ノズル内の液体を通して、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、前記ノズルの内部空間から前記液体を排出する液体排出ラインと、前記ノズル内に設けられた仕切り壁を備え、前記仕切り壁は、前記ノズルの内部空間を、前記液体供給ラインに接続された導入空間と、前記液体排出ラインに接続された排出空間とに仕切ることを特徴とする膜厚測定装置である。
本発明の他の態様は、基板を水平に支持する基板ステージと、前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、前記基板の表面に接触または近接可能な開口部を有するノズルと、前記ノズル内に液体を供給する液体供給ラインと、前記ノズル内の液体を通して、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、前記基板の表面の周縁部に配置される環状の堰とを備えたことを特徴とする膜厚測定装置である。
本発明の一参考例は、基板を水平に支持し、前記基板の表面全体にリンス水を供給し、前記基板の表面上の測定領域に光を照射しながら、光の光路上に気体の噴流を形成し、かつ該気体の噴流を前記測定領域に当て、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、前記スペクトルから前記基板の膜厚を決定することを特徴とする膜厚測定方法である。
本発明の一参考例は、基板を水平に支持し、前記基板の表面全体にリンス水を供給し、ノズルの開口部を前記基板の表面に接触または近接させ、前記ノズル内に液体を供給し、前記ノズル内の液体を通して、前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、前記スペクトルから前記基板の膜厚を決定することを特徴とする膜厚測定方法である。
本発明の他の態様は、基板を研磨する研磨部と、前記基板を洗浄し乾燥する洗浄部と、上記膜厚測定装置とを備えたことを特徴とする研磨装置である。
本発明によれば、基板の測定領域に供給される気体または純水などの流体は、この測定領域上に形成されたリンス水の膜を局所的に除去することができる。したがって、膜厚測定ヘッドは、リンス水の影響を受けることなく、正確な膜厚を測定することができる。
従来のウェハの研磨方法を説明するフローチャートである。 研磨方法を示すフローチャートである。 図2に示す研磨方法を実行することができる研磨装置を示す図である。 第1研磨ユニットを模式的に示す斜視図である。 図4に示すトップリングを示す断面図である。 図6(a)および図6(b)は、ウエット型膜厚測定装置を示す模式図である。 ウエット型膜厚測定装置の膜厚測定ヘッドの詳細を示す模式図である。 膜厚測定ヘッドに隣接して気体噴射部が設けられた例を示す図である。 ウエット型膜厚測定装置の他の実施形態を示す図である。 図9に示す気体供給部の上面図である。 複数の気体導入ラインをノズルに接続した構造を有する気体供給部を示す上面図である。 ウエット型膜厚測定装置のさらに他の実施形態を示す図である。 図12に示すノズル、純水供給ライン、および純水排出ラインの上面図である。 円筒状の仕切り壁によって、ノズルの内部空間が内側の導入空間と外側の排出空間とに仕切られた構造を示す図である。 純水排出ラインおよび仕切り壁を省略した例を示す図である。 ウェハの表面の周縁部に環状の堰を設けた例を示す断面図である。 ウェハの表面の周縁部に環状の堰を設けた例を示す上面図である。 堰およびシール部材の拡大図である。 ウエット型膜厚測定装置のさらに他の実施形態を示す図である。 ウェハの断面構造の一例を示す図である。 図21(a)および図21(b)は、図20に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。 図21(a)および図21(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 図23(a)乃至図23(d)は、図20に示すウェハの研磨方法の他の例を示す図である。 図23(a)乃至図23(d)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 図25(a)乃至図25(d)は、図20に示すウェハの研磨方法のさらに他の例を示す図である。 図25(a)乃至図25(d)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 タングステン膜、バリア膜、および絶縁膜からなる積層構造の断面図である。 図28(a)および図28(b)は、図27に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。 図28(a)および図28(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 層間絶縁膜(ILD)が形成されたウェハの断面図である。 図31(a)および図31(b)は、図30に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。 図31(a)および図31(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 STI(シャロートレンチアイソレーション)プロセスを示すウェハの断面図である。 図34(a)および図34(b)は、図33に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。 図34(a)および図34(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 High−kメタルゲートを形成する過程においてCMPが適用される積層構造が形成されたウェハの断面図である。 図37(a)乃至図37(d)は、図36に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。 図37(a)乃至図37(d)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。 図37(a)乃至図37(d)に示すウェハの別の研磨方法を説明するためのフローチャートである。 渦電流式膜厚センサおよび光学式膜厚センサを備えた第1研磨ユニットを示す模式断面図である。 光学式膜厚センサの原理を説明するための模式図である。 ウェハと研磨テーブルとの位置関係を示す平面図である。 動作制御部によって生成されたスペクトルを示す図である。 動作制御部によって生成された現在のスペクトルと複数の基準スペクトルとの比較から現在の膜厚を決定するプロセスを説明する図である。 膜厚差Δαに対応する2つのスペクトルを示す模式図である。 渦電流式膜厚センサの原理を説明するための回路を示す図である。 膜厚とともに変化するX,Yを、XY座標系上にプロットすることで描かれるグラフを示す図である。 図47のグラフ図形を反時計回りに90度回転させ、さらに平行移動させたグラフを示す図である。 コイルとウェハとの距離に従って変化するXY座標の円弧軌跡を示す図である。 研磨時間にしたがって変化する角度θを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図2は、研磨方法を示すフローチャートである。図2に示すように、研磨されたウェハを洗浄、乾燥する前に、ウエット状態のウェハの膜厚が測定される。測定された膜厚が所定の目標に達していない場合には、ウェハは研磨部に戻され、再研磨される。このように、ウェハが洗浄および乾燥される前に、そのウェハを再研磨することができるので、再研磨に要する時間を短縮できる。その結果、スループットを向上させることができる。さらには、膜厚の測定結果に基づいて調整された研磨条件(研磨時間、研磨圧力など)を次のウェハの研磨に適用することができる。したがって、スループットを向上させることができる。
図3は、上記研磨方法を実行することができる研磨装置を示す図である。図3に示すように、この研磨装置は、略矩形状のハウジング1を備えており、ハウジング1の内部は隔壁1a,1bによってロード/アンロード部2と研磨部3と洗浄部4とに区画されている。研磨装置は、ウェハ処理動作を制御する動作制御部5を有している。
ロード/アンロード部2は、多数のウェハ(基板)をストックするウェハカセットが載置されるフロントロード部20を備えている。このロード/アンロード部2には、フロントロード部20の並びに沿って走行機構21が敷設されており、この走行機構21上にウェハカセットの配列方向に沿って移動可能な2台の搬送ロボット(ローダー)22が設置されている。搬送ロボット22は走行機構21上を移動することによってフロントロード部20に搭載されたウェハカセットにアクセスできるようになっている。
研磨部3は、ウェハの研磨が行われる領域であり、第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、第4研磨ユニット3Dを備えている。図3に示すように、第1研磨ユニット3Aは、研磨面を有する研磨パッド10が取り付けられた第1研磨テーブル30Aと、ウェハを保持しかつウェハを研磨テーブル30A上の研磨パッド10に押圧しながら研磨するための第1トップリング31Aと、研磨パッド10に研磨液(例えばスラリ)やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための第1研磨液供給機構32Aと、研磨パッド10の研磨面のドレッシングを行うための第1ドレッサ33Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして研磨面に噴射する第1アトマイザ34Aとを備えている。
同様に、第2研磨ユニット3Bは、研磨パッド10が取り付けられた第2研磨テーブル30Bと、第2トップリング31Bと、第2研磨液供給機構32Bと、第2ドレッサ33Bと、第2アトマイザ34Bとを備えており、第3研磨ユニット3Cは、研磨パッド10が取り付けられた第3研磨テーブル30Cと、第3トップリング31Cと、第3研磨液供給機構32Cと、第3ドレッサ33Cと、第3アトマイザ34Cとを備えており、第4研磨ユニット3Dは、研磨パッド10が取り付けられた第4研磨テーブル30Dと、第4トップリング31Dと、第4研磨液供給機構32Dと、第4ドレッサ33Dと、第4アトマイザ34Dとを備えている。
第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、および第4研磨ユニット3Dは、互いに同一の構成を有しているので、以下、第1研磨ユニット31Aについて図4を参照して説明する。図4は、第1研磨ユニットを模式的に示す斜視図である。なお、図4において、ドレッサ33Aおよびアトマイザ34Aは省略されている。
研磨テーブル30Aは、テーブル軸30aを介してその下方に配置されるテーブルモータ19に連結されており、このテーブルモータ19により研磨テーブル30Aが矢印で示す方向に回転されるようになっている。この研磨テーブル30Aの上面には研磨パッド10が貼付されており、研磨パッド10の上面がウェハWを研磨する研磨面10aを構成している。トップリング31Aはトップリングシャフト16の下端に連結されている。トップリング31Aは、真空吸着によりその下面にウェハWを保持できるように構成されている。トップリングシャフト16は、図示しない上下動機構により上下動するようになっている。
研磨テーブル30Aの内部には、ウェハWの膜厚に従って変化する膜厚信号を取得する光学式膜厚センサ40および渦電流式膜厚センサ60が配置されている。これら膜厚センサ40,60は、記号Aで示すように研磨テーブル30Aと一体に回転し、トップリング31Aに保持されたウェハWの膜厚信号を取得する。光学式膜厚センサ40および渦電流式膜厚センサ60は図3に示す動作制御部5に接続されており、これら膜厚センサ40,60によって取得された膜厚信号は動作制御部5に送られるようになっている。動作制御部5は、膜厚を直接または間接に表す膜厚指標値を膜厚信号から生成する。
さらに、研磨テーブル30Aを回転させるテーブルモータ19の入力電流(すなわち、トルク電流)を計測するトルク電流計測器70が設けられている。トルク電流計測器70によって計測されたトルク電流値は動作制御部5に送られ、ウェハWの研磨中は動作制御部5によってトルク電流値が監視される。
ウェハWの研磨は次のようにして行われる。トップリング31Aおよび研磨テーブル30Aをそれぞれ矢印で示す方向に回転させ、研磨液供給機構32Aから研磨パッド10上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、下面にウェハWを保持したトップリング31Aは、ウェハWを研磨パッド10の研磨面10aに押し付ける。ウェハWの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と研磨液の化学的作用により研磨される。研磨終了後は、ドレッサ33Aによる研磨面10aのドレッシング(コンディショニング)が行われ、さらにアトマイザ34Aから高圧の流体が研磨面10aに供給されて、研磨面10aに残留する研磨屑や砥粒などが除去される。
トップリング31Aは、ウェハの複数の領域を独立して研磨パッドに押し付けることができるように構成されている。図5は、図4に示すトップリング31Aを示す断面図である。トップリング31Aは、トップリングシャフト16に自由継手56を介して連結されるトップリング本体57と、トップリング本体57の下部に配置されたリテーナリング58とを備えている。
トップリング本体57の下方には、ウェハWに当接する柔軟なメンブレン62と、メンブレン62を保持するチャッキングプレート63とが配置されている。メンブレン62とチャッキングプレート63との間には、4つの圧力室(エアバッグ)P1,P2,P3,P4が設けられている。圧力室P1,P2,P3,P4はメンブレン62とチャッキングプレート63とによって形成されている。中央の圧力室P1は円形であり、他の圧力室P2,P3,P4は環状である。これらの圧力室P1,P2,P3,P4は、同心上に配列されている。
圧力室P1,P2,P3,P4にはそれぞれ流体路F1,F2,F3,F4を介して圧力調整部64により加圧空気等の加圧流体が供給され、あるいは真空引きがされるようになっている。圧力室P1,P2,P3,P4の内部圧力は互いに独立して変化させることが可能であり、これにより、ウェハWの4つの領域、すなわち、中央部、内側中間部、外側中間部、および周縁部に対する押圧力を独立に調整することができる。また、トップリング31Aの全体を昇降させることにより、リテーナリング58を所定の押圧力で研磨パッド10に押圧できるようになっている。
チャッキングプレート63とトップリング本体57との間には圧力室P5が形成され、この圧力室P5には流体路F5を介して上記圧力調整部64により加圧流体が供給され、あるいは真空引きがされるようになっている。これにより、チャッキングプレート63およびメンブレン62全体が上下方向に動くことができる。ウェハWの周端部はリテーナリング58に囲まれており、研磨中にウェハWがトップリング31Aから飛び出さないようになっている。圧力室P3を構成する、メンブレン62の部位には開口が形成されており、圧力室P3に真空を形成することによりウェハWがトップリング31Aに吸着保持されるようになっている。また、この圧力室P3に窒素ガスやクリーンエアなどを供給することにより、ウェハWがトップリング31Aからリリースされるようになっている。
動作制御部5は、各圧力室P1,P2,P3,P4に対応するウェハ表面の領域での膜厚指標値に基づいて、各圧力室P1,P2,P3,P4の内部圧力の目標値を決定する。動作制御部5は上記圧力調整部64に指令信号を送り、圧力室P1,P2,P3,P4の内部圧力が上記目標値に一致するように圧力調整部64を制御する。このように、複数の圧力室を持つトップリング31Aは、研磨の進捗に従ってウェハの表面上の各領域を独立に研磨パッド10に押圧できるので、膜を均一に研磨することができる。
図3に戻り、第1研磨ユニット3Aおよび第2研磨ユニット3Bに隣接して、第1リニアトランスポータ6が配置されている。この第1リニアトランスポータ6は、4つの搬送位置(第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4)の間でウェハを搬送する機構である。また、第3研磨ユニット3Cおよび第4研磨ユニット3Dに隣接して、第2リニアトランスポータ7が配置されている。この第2リニアトランスポータ7は、3つの搬送位置(第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7)の間でウェハを搬送する機構である。
ウェハは、第1リニアトランスポータ6によって研磨ユニット3A,3Bに搬送される。第1研磨ユニット3Aのトップリング31Aは、そのスイング動作により研磨テーブル30Aの上方位置と第2搬送位置TP2との間を移動する。したがって、トップリング31Aへのウェハの受け渡しは第2搬送位置TP2で行われる。同様に、第2研磨ユニット3Bのトップリング31Bは研磨テーブル30Bの上方位置と第3搬送位置TP3との間を移動し、トップリング31Bへのウェハの受け渡しは第3搬送位置TP3で行われる。第3研磨ユニット3Cのトップリング31Cは研磨テーブル30Cの上方位置と第6搬送位置TP6との間を移動し、トップリング31Cへのウェハの受け渡しは第6搬送位置TP6で行われる。第4研磨ユニット3Dのトップリング31Dは研磨テーブル30Dの上方位置と第7搬送位置TP7との間を移動し、トップリング31Dへのウェハの受け渡しは第7搬送位置TP7で行われる。
第1搬送位置TP1に隣接して、搬送ロボット22からウェハを受け取るためのリフタ11が配置されている。ウェハはこのリフタ11を介して搬送ロボット22から第1リニアトランスポータ6に渡される。リフタ11と搬送ロボット22との間に位置して、シャッタ(図示せず)が隔壁1aに設けられており、ウェハの搬送時にはシャッタが開かれて搬送ロボット22からリフタ11にウェハが渡されるようになっている。
第1リニアトランスポータ6と、第2リニアトランスポータ7と、洗浄部4との間にはスイングトランスポータ12が配置されている。第1リニアトランスポータ6から第2リニアトランスポータ7へのウェハの搬送は、スイングトランスポータ12によって行われる。ウェハは、第2リニアトランスポータ7によって第3研磨ユニット3Cおよび/または第4研磨ユニット3Dに搬送される。
研磨部3と洗浄部4との間には、ウエット型膜厚測定装置80が配置されている。より具体的には、ウエット型膜厚測定装置80は、研磨部3の第4研磨ユニット3Dに隣接して配置されている。第2リニアトランスポータ7とウエット型膜厚測定装置80との間には搬送ロボット79が配置されている。研磨部3で研磨されたウェハは、搬送ロボット79により第2リニアトランスポータ7からウエット型膜厚測定装置80に搬送される。したがって、ウェハは、第2リニアトランスポータ7と搬送ロボット79から構成される搬送機により研磨部3とウエット型膜厚測定装置80との間を搬送される。搬送ロボット79を省略して、第2リニアトランスポータ7がウェハをウエット型膜厚測定装置80に直接搬送してもよい。この場合は、ウェハは、第2リニアトランスポータ7から構成される搬送機により研磨部3とウエット型膜厚測定装置80との間を搬送される。
ウエット型膜厚測定装置80は、乾燥処理前のウエット状態のウェハの膜厚を測定することができるウエット型光学膜厚測定器である。このウエット型膜厚測定装置80は、測定対象となるウェハの研磨された面をウエット状態に維持しながら、ウェハの膜厚を測定するように構成されている。
以下、ウエット型膜厚測定装置80について説明する。図6(a)は、ウエット型膜厚測定装置80を示す模式図である。ウエット型膜厚測定装置80は、ウェハWを水平に支持する基板ステージ87と、ウェハWにリンス水(通常は純水)を供給してその表面の全体をリンス水で覆うリンス水供給部90と、ウェハWの膜厚を測定する膜厚測定ヘッド84とを有している。リンス水で覆われるウェハWの表面は、研磨部3で研磨された面であり、測定対象となる膜の露出面である。
ウェハWは、上述した搬送ロボット79により、膜が上を向いた状態で基板ステージ87の上に置かれる。基板ステージ87は、真空吸着によってウェハWの下面を保持するように構成されている。膜厚測定中は、真空吸着力によりウェハWの位置が固定される。図6(b)は、基板ステージ87の他の例を示す図である。図6(b)に示すように、基板ステージ87は、ウェハWの周縁部を支えることができるように、ウェハWの周縁部に沿った環状の部材、またはウェハWの周縁部に沿って配列された複数の支持部材を備えていてもよい。
基板ステージ87に支持されたウェハWの上方には、ウェハWの周方向の向きを検出するオリエンテーション検出器85が設けられている。このオリエンテーション検出器85は、ウェハWの周縁部に形成されているノッチまたはオリエンテーションフラットと呼ばれる切り欠きを検出することによって、ウェハWの向きを検出する。基板ステージ87は、ウェハWをその中心まわりに回転させる基板回転機構(図示せず)、およびXY走査機構(図示せず)を有しており、オリエンテーション検出器85により検出されたウェハWの向き(周方向の位置)およびウェハWの位置を自在に調整することができるようになっている。基板ステージ87によりウェハWを回転させながら、オリエンテーション検出器85によりウェハWの向きを検出し、ウェハWが所定の方向を向くまで基板ステージ87によりウェハWを回転させる。
膜厚の測定中は、ウェハWが所定の方向を向いた状態で、ウェハWはこの基板ステージ87の上で静止される。ウェハWの周縁部が基板ステージ87上に置かれると、ウェハWは水平状態となる。膜厚測定ヘッド84は、基板ステージ87上のウェハWの上方に配置されている。膜厚測定ヘッド84は、ウェハWの表面に垂直に光を当て、ウェハWからの反射光を受光し、反射光のスペクトルを生成し、このスペクトルに基づいてウェハWの膜厚を決定する。膜厚測定ヘッド84の膜厚測定原理は、後述する光学式膜厚センサ40と基本的に同じである。
膜厚測定ヘッド84はヘッド移動機構92に連結されており、膜厚測定ヘッド84がウェハWの表面と平行な水平面内で自在に移動できるようになっている。ヘッド移動機構92は膜厚測定ヘッド84を上下方向にも移動させることが可能に構成されている。ヘッド移動機構92により、膜厚測定ヘッド84は、ウェハWの複数の測定点で膜厚を測定することができる。膜厚測定中は、ウェハWは静止状態にあり、かつ水平に置かれているので、回転するウェハの膜厚を測定する光学式膜厚センサ40よりも高い精度で膜厚を測定することができる。膜厚測定ヘッド84とウェハWの相対位置は、膜厚測定ヘッド84および/または基板ステージ87を移動させることにより調整することができる。このような構成により、膜厚測定ヘッド84は、ウェハ表面上の所定の位置にある測定点の膜厚を測定することができる。
図7は、ウエット型膜厚測定装置80の膜厚測定ヘッド84の詳細を示す模式図である。図7に示すように、膜厚測定ヘッド84は、多波長の光を発する光源100と、光源100からの光を集める集光レンズ101と、集光レンズ101を通過した光をウェハWに向ける第1のビームスプリッター103と、第1のビームスプリッター103からの光をウェハW上に集中させる結像レンズ105と、ウェハWからの反射光の強度を測定する分光光度計110と、ウェハWの表面の画像を取得するデジタルカメラ112と、ウェハWからの反射光を分光光度計110とデジタルカメラ112に向かう2つの光線に分ける第2のビームスプリッター115とを備えている。
デジタルカメラ112と第2のビームスプリッター115と間には第1のリレーレンズ116が配置され、分光光度計110と第2のビームスプリッター115と間には第2のリレーレンズ117が配置されている。分光光度計110は、反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って各波長での反射光の強度を測定するように構成される。膜厚測定ヘッド84は、分光光度計110から得られた反射光の強度データ(膜厚信号)からスペクトルを生成し、スペクトルに基づいて膜厚を決定する処理部120をさらに備えている。スペクトルは、各波長での反射光の強度を表わしている。ウエット型膜厚測定装置80によって得られた膜厚の測定値は、動作制御部5に送られる。
ウエット型膜厚測定装置80は、膜厚測定ヘッド84からの光が照射されるウェハ表面上の測定領域に気体の噴流を当てる気体噴射部(流体供給部)130をさらに有している。この気体噴射部130は図示しない気体供給源に接続されている。ウェハWの表面に供給される気体としては、窒素ガスまたは空気が使用される。気体噴射部130の先端はウェハWを向いており、気体の下降流をウェハW上に形成する。気体の下降流は、膜厚測定ヘッド84から発せられた光の光路上を進行し、ウェハ表面の測定領域上に形成されているリンス水の膜を局所的に除去する。つまり、ウェハWのほぼ全面はリンス水で覆われながらも、測定領域だけが局所的に気体の噴流によって乾燥される。
膜厚測定ヘッド84は、ウェハWに向かう光を通過させる光通過孔122をその下端に有している。気体噴射部130の先端は、この光通過孔122の内部に配置されている。したがって、気体は、光に重畳しながら、膜厚測定ヘッド84の下端からウェハWに向かう下降流を形成する。言い換えれば、膜厚測定ヘッド84からの光は、気体の下降流を通過してウェハWの表面上の測定領域に達し、ウェハWの表面で反射し、そして気体の下降流を通過して膜厚測定ヘッド84に戻る。
この気体の下降流は、リンス水の膜を局所的に除去し、ウェハWの表面に当たって光路の外側に広がる。このような気体の下降流は、リンス水の膜厚測定ヘッド84への跳ね返りを起こすことなく、ウェハWの測定領域のみを局所的に乾燥させることができる。したがって、膜厚測定ヘッド84は、研磨液(スラリー)などに起因するリンス水の濁りの影響を受けず、またリンス水の膜厚変化の影響を受けずに、正確な膜厚測定を行うことができる。図8に示すように、気体噴射部130は、膜厚測定ヘッド84に隣接して、つまり膜厚測定ヘッド84とは別に設けられてもよい。
図9は、ウエット型膜厚測定装置80の他の実施形態を示す図である。特に説明しない構成は、図6(a)に示す実施形態と同じである。この実施形態では、ウエット型膜厚測定装置80は、膜厚測定ヘッド84からの光が照射されるウェハ表面上の測定領域に気体を供給する気体供給部(流体供給部)131を有している。図10は、図9に示す気体供給部131の上面図である。気体供給部131は、膜厚測定ヘッド84の下端に固定されたノズル133と、ノズル133に接続された気体導入ライン134とを備えている。気体導入ライン134は、図示しない気体供給源に接続されている。窒素ガス、空気などの気体は、気体導入ライン134からノズル133内に導入される。
ノズル133は、閉じられた周壁から構成されている。この実施形態では、ノズル133は円筒状を有しているが、閉じられた周壁を有するものであれば他の形状であってもよい。ノズル133は、光通過孔122に連結されている。より具体的には、光通過孔122は透明窓123で塞がれており、ノズル133は透明窓123の下に配置されている。この透明窓123は、光の通過を許容しつつ膜厚測定ヘッド84内への液体の浸入を防いでいる。透明窓123を通過した光はノズル133内を通ってウェハWの表面に到達する。
膜厚の測定中は、図9に示すように、ノズル133の開口部は、ウェハW上に形成されたリンス水の膜内に位置しており、かつウェハWの表面からわずかに離間している。この状態で、気体は、気体導入ライン134からノズル133内に導入され、ノズル133内で下降流を形成する。気体の下降流は、光の光路上を進み、そして気体はノズル133とウェハWの表面との間の隙間を通ってノズル133から排出される。
光は、ノズル133内に形成された気体の下降流の中を進行してウェハWの表面に到達し、ウェハWの表面で反射し、気体の下降流の中を通って膜厚測定ヘッド84に戻る。膜厚測定ヘッド84の下端からウェハWの表面に向かって流れる気体は光に重畳し、リンス水を局所的に除去することで光の光路を確保する。このように、気体の下降流は、ウェハWの表面上の測定領域のみを局所的に乾燥させることができる。透明窓123はノズル133内を満たす気体に接触しているので、ドライな状態に保たれる。また、気体の下降流によって、リンス水の透明窓123への跳ね返りを防止することができる。図11に示すように、複数の気体導入ライン134をノズル133に接続してもよい。
図12は、ウエット型膜厚測定装置80のさらに他の実施形態を示す図である。特に説明しない構成は、図6(a)に示す実施形態と同じである。この実施形態では、ウェハWの表面に供給される流体として液体が使用される。ウエット型膜厚測定装置80は、膜厚測定ヘッド84からの光が照射されるウェハ表面上の測定領域に液体を供給する液体供給部(流体供給部)140を有している。液体としては純水が好ましく使用される。
液体供給部140は、膜厚測定ヘッド84の下端に固定されたノズル141と、ノズル141の内部空間に液体を供給する液体供給ライン142と、ノズル141の内部空間から液体を排出する液体排出ライン143とを備えている。液体排出ライン143は、液体を吸引するポンプに接続されていてもよい。ノズル141は、膜厚測定ヘッド84の光通過孔122に連結されている。より具体的には、光通過孔122は透明窓123によって塞がれており、ノズル141はこの透明窓123の下に配置されている。
図13は、図12に示すノズル141、液体供給ライン142、および液体排出ライン143の上面図である。ノズル141は、閉じられた周壁から構成されている。この実施形態では、ノズル141は円筒状を有しているが、閉じられた周壁を有するものであれば他の形状であってもよい。図12に示すように、膜厚の測定時にノズル141の開口部がウェハWの表面に接触または近接することにより、ノズル141の内部空間が閉じられる。ノズル141の開口部をウェハWの表面に接触させる場合は、ノズル141の開口部の先端に緩衝材を設けてもよい。緩衝材には、研磨パッドと同じ材料を使用してもよい。
ノズル141内には、その内部空間を、液体供給ライン142に接続された導入空間145と、液体排出ライン143に接続された排出空間146とに仕切る仕切り壁148が設けられている。液体は、液体供給ライン142を通じて導入空間145に流入し、導入空間145内の光の光路上に下降流を形成する。この下降流は、光に重畳しながら膜厚測定ヘッド84の下端からウェハWに向かって進行する。さらに、液体は、仕切り壁148の下端とウェハWの表面との隙間を通って排出空間146に流入し、そして液体排出ライン143を通じて排出される。
膜厚測定ヘッド84からの光は、ノズル141内の液体を通過してウェハWの表面上の測定領域に達し、ウェハWの表面で反射し、そしてノズル141内の液体を通過して膜厚測定ヘッド84に戻る。膜厚の測定中は、ノズル141の開口部はウェハWの表面によって閉じられるので、リンス水はノズル141の内部空間内に侵入しない。したがって、内部空間内に位置する光の光路は液体の流れによって確保され、正確な膜厚測定が実現される。
図13に示す仕切り壁148は、ノズル141の内部空間を導入空間145と排出空間146とを概ね直線的に仕切っているが、図14に示すように、円筒状の仕切り壁148によって、ノズル141の内部空間を内側の導入空間145と外側の排出空間146とに仕切ってもよい。
図15に示すように、液体排出ライン143および仕切り壁148は省略してもよい。図15に示す例は、ノズル141がリンス水の膜に接触している点で図12に示す例と同じであるが、ノズル141の開口部はウェハWの表面には接触せず、ウェハWの表面からわずかに離間している。図15に示す例では、液体は、ノズル141の内部空間を満たし、その後ノズル141の開口部とウェハWの表面との隙間を通って排出される。
膜厚の測定中、ノズル141内の液体の液面レベルが一定であることが好ましい。膜厚の測定中、ノズル141の内部空間が液体で満たされてもよい。この場合は、膜厚測定ヘッド84の下端に設けられた透明窓123からウェハWの表面まで液体(好ましくは純水)が存在し、液体は透明窓123に接触する。液体の流れが膜厚測定に影響しないように、膜厚の測定中は、液体の流れ速度を遅くすることが好ましい。膜厚の測定中液体は常に流れ続けていなくてもよい。ウェハW上にリンス水の膜を形成した後に、ノズル141をウェハWの表面に接触または近接させ、液体をノズル141内に供給してもよいし、あるいは、ノズル141をウェハWの表面に接触または近接させ、液体をノズル141内に供給した後に、ウェハW上にリンス水の膜を形成してもよい。
上述した図6(a)乃至図15に示す実施形態において、ウェハWの表面(上面)に形成されるリンス水の膜の厚さを一定にするために、図16および図17に示すように、ウェハWの表面の周縁部に環状の堰150を設けることが好ましい。堰150の材料は特に限定されない。リンス水の漏洩およびウェハWの損傷防止のために、図18に示すように、堰150とウェハWとの間にシール部材151を設けることが好ましい。リンス水は、リンス水供給部90からウェハW上に供給され、堰150をオーバーフローする。このような堰150を設けることにより、膜厚測定中に、ウェハWの表面のウエット状態が確実に保たれ、かつリンス水の膜の厚さを一定に保つことができる。
図19は、ウエット型膜厚測定装置80のさらに他の実施形態を示す図である。特に説明しない構成は、図6(a)に示す実施形態と同じである。この実施形態では、ウェハWは、その測定対象の膜が下向きの状態で、基板ステージ87の下面に真空吸着によって保持される。リンス水供給部90および膜厚測定ヘッド84は、基板ステージ87に保持されたウェハWの下方に配置される。リンス水供給部90は、ウェハWの下面にリンス水(通常は純水)を供給してその下面の全体をリンス水で覆う。
膜厚測定ヘッド84には、光が照射されるウェハWの下面上の測定領域に液体の噴流を供給する液体噴射部(流体供給部)155が設けられている。液体の噴流は、光の光路上に形成される。ウェハWの下面に形成されているリンス水の膜の一部は、液体噴射部155からの清浄な液体に置換される。ウェハ表面の異物は液体の噴流によって除去され、光路上が清浄に保たれる。したがって、正確な膜厚測定が実現される。液体としては純水が好ましく使用される。
図19に示す実施形態と、図6(a)乃至図15に示す実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、ウェハWの下面に形成されたリンス水の膜にノズル141を接触させた状態で、ノズル141内を液体で満たしながら膜厚測定を行なってもよい。この場合、スポイトのような液体供給具で、ノズル141内に液体を供給してもよい。
図3に戻り、スイングトランスポータ12の側方には、図示しないフレームに設置されたウェハの仮置き台72が配置されている。この仮置き台72は、図3に示すように、第1リニアトランスポータ6に隣接して配置されており、第1リニアトランスポータ6と洗浄部4との間に位置している。スイングトランスポータ12は、第4搬送位置TP4、第5搬送位置TP5、および仮置き台72の間を移動する。上述した実施例では、各研磨ユニット3A−3D間でウェハが授受される際には、ウェハはトップリングから離脱され、リニアトランスポータ6,7を介して他の研磨ユニットに搬送されるが、研磨ユニット間のウェハの受け渡し機構は上述の例に限定されることなく、例えばウェハを保持したままトップリングが直接他の研磨ユニットに移動することによりウェハを搬送してもよい。
仮置き台72に載置されたウェハは、洗浄部4の第1の搬送ロボット77によって洗浄部4に搬送される。図3に示すように、洗浄部4は、研磨されたウェハを洗浄液で洗浄する一次洗浄機73および二次洗浄機74と、洗浄されたウェハを乾燥する乾燥機75とを備えている。第1の搬送ロボット77は、ウェハを仮置き台72から一次洗浄機73に搬送し、さらに一次洗浄機73から二次洗浄機74に搬送するように動作する。二次洗浄機74と乾燥機75との間には、第2の搬送ロボット78が配置されている。この第2の搬送ロボット78は、ウェハを二次洗浄機74から乾燥機75に搬送するように動作する。
乾燥されたウェハは、搬送ロボット22により乾燥機75から取り出され、ウェハカセットに戻される。このようにして、研磨、膜厚測定、洗浄、および乾燥を含む一連の処理がウェハに対して行われる。
次に、上述の研磨装置を用いてウェハを研磨する方法について説明する。図20は、研磨されるウェハの断面構造の一例を示す図である。このウェハでは、SiOやLow−k材からなる層間絶縁膜101の上に、SiOなどの酸化膜からなる第1ハードマスク膜102が形成されている。さらに、第1ハードマスク膜102の上には、金属からなる第2ハードマスク膜104が形成されている。層間絶縁膜101に形成されたトレンチおよび第2ハードマスク膜104を覆うように金属からなるバリア膜105が形成される。層間絶縁膜101および第1ハードマスク膜102は絶縁膜103を構成し、第2ハードマスク膜104およびバリア膜105は導電膜106を構成する。図示しないが、多層構造の他の例として、第1ハードマスク膜102および第2ハードマスク膜104がないものもある。この場合、導電膜106はバリア膜105から構成され、絶縁膜103は層間絶縁膜101から構成される。
バリア膜105が形成された後、ウェハに銅めっきを施すことで、トレンチ内に銅を充填させるとともに、バリア膜105上に金属膜としての銅膜107を堆積させる。その後、研磨装置により不要な銅膜107、バリア膜105、第2ハードマスク膜104、および第1ハードマスク膜102が除去され、トレンチ内に銅が残る。このトレンチ内の銅は銅膜107の一部であり、これが半導体デバイスの配線108を構成する。図20の点線で示すように、絶縁膜103が所定の厚さになった時点、すなわち配線108が所定の高さになった時点で研磨が終了される。
図21(a)および図21(b)は、図20に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。上記多層構造のウェハは、第1研磨ユニット3Aおよび第2研磨ユニット3Bにて2段階で研磨され、同時に同じ構成の別のウェハが第3研磨ユニット3Cおよび第4研磨ユニット3Dにて2段階で研磨されている。2段研磨のうちの第1段目は、図21(a)に示すように、バリア膜105が露出するまで不要な銅膜107を除去する工程であり、第2段目は、図21(b)に示すように、バリア膜105、第2ハードマスク膜104、および第1ハードマスク膜102を除去し、さらに絶縁膜103の厚さが所定の目標値に達するまで(すなわちトレンチ内の配線108が所定の目標高さになるまで)層間絶縁膜101を研磨する工程である。2段研磨の第1段目は第1研磨ユニット3Aおよび第3研磨ユニット3Cにて行われ、第2段目は第2研磨ユニット3Bおよび第4研磨ユニット3Dにて行われる。このように、2枚のウェハが研磨ユニット3A,3Bおよび研磨ユニット3C,3Dにて並行してそれぞれ研磨される。
絶縁膜103の研磨では、光学式膜厚センサ40により絶縁膜103の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、絶縁膜103の膜厚を直接または間接に表す膜厚指標値を膜厚信号から生成し、この膜厚指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち絶縁膜103の膜厚が所定の目標値に達したとき)に絶縁膜103の研磨を停止させる。動作制御部5は絶縁膜103の除去量から絶縁膜103の研磨終点を決定してもよい。すなわち、膜厚指標値に代えて、動作制御部5は、絶縁膜103の除去量を直接または間接に表す除去指標値を膜厚信号から生成し、この除去指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち絶縁膜103の除去量が所定の目標値に達したとき)に絶縁膜103の研磨を停止させるようにしてもよい。この場合でも、絶縁膜103をその厚さが所定の目標値に達するまで研磨することができる。
図22は、図21(a)および図21(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30Aまたは第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、導電膜106を構成するバリア膜105が露出するまで、銅膜(金属膜)107が研磨される。このステップ1は図21(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜103が露出するまで導電膜106が研磨され、さらに絶縁膜103がその厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。より具体的には、バリア膜105、第2ハードマスク膜104、および第1ハードマスク膜102が除去され、さらに層間絶縁膜101が研磨される。このステップ2は図21(b)に示す第2研磨工程に対応する。
ステップ3では、研磨液に代えて、純水を第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ4では、研磨されたウェハは、ウェハの表面が濡れた状態でウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ5では、研磨された絶縁膜103の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ6で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の目標値が動作制御部5により比較される。測定膜厚が目標値に達していない場合には、ステップ7として、測定膜厚と目標値との差から、目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。追加研磨時間は、絶縁膜103の現在の膜厚と目標値との差分と、研磨レートとから算出することができる。そして、ウェハは、再度第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ8として、ウェハが洗浄され、さらに乾燥される。なお、再研磨の後のステップ4,5の膜厚測定およびステップ6の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
ウェハがウエット型膜厚測定装置80にて測定されている間、および/または再研磨される間に、研磨ユニットなどにおいて後続のウェハに処理待ち時間が発生することがある。このような場合、ウェハ表面の乾燥や腐食などのディフェクトの増加を防止するために、ウェハ搬送経路、例えば第1リニアトランスポータ6、第2リニアトランスポータ7、スイングトランスポータ12等に敷設されたスプレー(図示せず)により、純水や洗浄効果若しくは腐食防止効果等を有する薬液をトップリングに保持されたウェハ、あるいはリニアトランスポータの各搬送位置に停止したウェハに間欠的に吹き付けてもよい。また、再研磨の発生に起因する後続のウェハの研磨開始時間の遅れを動作制御部5で計算し、後続のウェハの研磨時間または研磨を開始するタイミングを調整してもよい。さらに、再研磨を許容するための後続ウェハの処理待ち時間を予め設定し、研磨装置へのウェハ投入タイミングを制御してもよい。このような再研磨を実施する際の後続ウェハに対する動作は、後に説明する実施例にも適用することが出来る。
ウエット型膜厚測定装置80は、ウェハ上の所望の複数の測定点で膜厚を測定し、動作制御部5は膜厚測定値からウェハの研磨プロファイルを生成する。研磨プロファイルは膜の断面形状を表している。動作制御部5は、生成された研磨プロファイルに基づいてトップリング31Aの研磨圧力、すなわち図5に示す圧力室P1,P2,P3,P4内の圧力を調整するように構成されている。例えば、ウェハのエッジ部の膜厚が他の領域に比べて大きい場合には、エッジ部に対応する圧力室P4の圧力が高められる。
ウエット型膜厚測定装置80によって取得される膜厚測定結果から、研磨時間、研磨圧力、研磨テーブルの回転速度などの研磨条件を調整することができる。例えば、各研磨工程の終点を研磨時間で管理する場合は、各研磨工程は、予め設定された研磨時間が経過した時点で終了される。この場合、膜厚測定結果に基づいて、設定研磨時間を、目標膜厚を達成するための最適な研磨時間に調整することができる。さらに、各圧力室P1,P2,P3,P4内の設定圧力(設定研磨圧力)を絶縁膜103の厚さが均一になるような最適な圧力に調整することができる。このようにして調整された研磨条件は、ウェハの再研磨に適用でき、また後続のウェハの研磨にも適用できる。したがって、後続のウェハは最適な研磨圧力および最適な研磨時間で研磨される。さらに、絶縁膜103を研磨するときの膜厚指標値または除去指標値のしきい値を調整することもできる。膜厚指標値または除去指標値がしきい値に達した後に、ウェハをさらに所定の時間だけ研磨(オーバーポリッシング)してもよい。この場合、オーバーポリッシングの上記所定の時間を膜厚測定結果に基づいて調整してもよい。
本発明によれば、膜厚測定および再研磨は、ウェハの洗浄および乾燥前に行われるため、再研磨を開始するまでに必要な時間を短くすることができる。したがって、スループットを向上させることができる。また、ウェハ研磨のすぐ後に膜厚測定が行われ、研磨条件が調整されるので、その調整された研磨条件を次のウェハの研磨に直ちに適用することができるので次のウェハの処理を待たせることがなくスループットを向上させることができると共に、後続のウェハに最適な研磨条件を適用することで研磨の精度を向上させることができる。
次に、本発明の研磨方法の他の例について説明する。この例では、4つの研磨テーブル30A,30B,30C,30Dを用いて図20に示すウェハが研磨される。具体的には、図23(a)に示すように、第1研磨工程として、第1研磨ユニット3Aにて銅膜107がその厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。銅膜107の研磨では、渦電流式膜厚センサ60により銅膜107の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、銅膜107の膜厚を直接または間接に表す膜厚指標値を膜厚信号から生成し、この膜厚指標値に基づいて銅膜107の研磨を監視し、膜厚指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち銅膜107の厚さが所定の目標値に達したとき)に銅膜107の研磨を停止させる。
第1研磨ユニット3Aで研磨されたウェハは第2研磨ユニット3Bに搬送され、ここで第2研磨工程が行われる。図23(b)に示すように、第2研磨工程では、銅膜107の下のバリア膜105が露出するまで残りの銅膜107が研磨される。銅膜107が除去されてバリア膜105が露出した時点は、膜厚指標値に基づいて動作制御部5によって検出される。例えば、銅膜107の除去点は、膜厚指標値が所定のしきい値に達した点から決定することができる。銅膜107の研磨レートが高く、バリア膜105の研磨レートが低くなる研磨液を使用している場合、銅膜107が除去されてバリア膜105が露出すると、研磨がそれ以上進行しなくなる。この場合は、膜厚指標値は変化しなくなる。したがって、膜厚指標値が変化しなくなった点を、銅膜107が除去された点に決定することもできる。
第2研磨ユニット3Bで研磨されたウェハは第3研磨ユニット3Cに搬送され、ここで第3研磨工程が行われる。図23(c)に示すように、第3研磨工程では、導電膜106を構成するバリア膜105および第2ハードマスク膜104が除去される。具体的には、導電膜106の下の絶縁膜103が露出するまで(第1ハードマスク膜102が露出するまで)、導電膜106が研磨される。導電膜106の研磨では、渦電流式膜厚センサ60により導電膜106の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、膜厚信号から導電膜106の膜厚指標値を生成し、この膜厚指標値に基づいて導電膜106の研磨を監視し、膜厚指標値が所定のしきい値に達したとき、または膜厚指標値が変化しなくなったとき(すなわち導電膜106の第2ハードマスク膜104が除去されて第1ハードマスク膜102が露出したとき)にウェハの研磨を停止させる。
研磨されたウェハは、第3研磨ユニット3Cから第4研磨ユニット3Dに搬送され、ここで第4研磨工程が行われる。図23(d)に示すように、第4研磨工程では、第1ハードマスク膜102および層間絶縁膜101からなる絶縁膜103が研磨される。絶縁膜103の研磨は、第1ハードマスク膜102の除去と、層間絶縁膜101の研磨とを含む。絶縁膜103は、その厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。
絶縁膜103の研磨では、光学式膜厚センサ40により絶縁膜103の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、膜厚信号から絶縁膜103の膜厚指標値または除去指標値を生成し、この膜厚指標値または除去指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち絶縁膜103の膜厚または除去量が所定の目標値に達したとき)に絶縁膜103の研磨を停止させる。
図24は、図23(a)乃至図23(d)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30A上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、銅膜(金属膜)107がその厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。このステップ1は図23(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、導電膜106を構成するバリア膜105が露出するまで、銅膜(金属膜)107が研磨される。このステップ2は図23(b)に示す第2研磨工程に対応する。
ステップ3では、第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、導電膜106を構成するバリア膜105および第2ハードマスク膜104が研磨される。この導電膜106の研磨は、絶縁膜103が露出するまで行われる。このステップ3は図23(c)に示す第3研磨工程に対応する。ステップ4では、第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜103がその厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。このステップ4は図23(d)に示す第4研磨工程に対応する。
ステップ5では、研磨液に代えて、純水を第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ6では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ7では、研磨された絶縁膜103の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ8で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の目標値が動作制御部5により比較される。測定膜厚が目標値に達していない場合には、ステップ9として、測定膜厚と目標値との差から、目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ10として、ウェハが洗浄され、さらに乾燥される。なお、再研磨の後のステップ6,7の膜厚測定およびステップ8の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
第3研磨工程では、導電膜106の研磨レートを高くしつつ、絶縁膜103の研磨レートを低くできる砥粒および/または化学成分を有する、いわゆる高選択比の研磨液を使用することが好ましい。このような研磨液を使用すると、絶縁膜103が露出した後はウェハの研磨が実質的に進行しない。したがって、動作制御部5は、導電膜106の研磨終点(絶縁膜103の露出点)をより正確に検出することができる。
第3研磨工程で高選択比の研磨液が使用される場合は、研磨テーブル30Cを回転させるテーブルモータ19(図4参照)のトルク電流に基づいて導電膜106の研磨終点(絶縁膜103の露出点)を検出することもできる。ウェハの研磨中は、ウェハの表面と研磨パッド10の研磨面とが摺接するため、ウェハと研磨パッド10との間には摩擦力が生じる。この摩擦力は、ウェハの露出面を形成する膜の種類、および研磨液の種類に依存して変化する。
テーブルモータ19は、研磨テーブル30Cを予め設定された一定の速度で回転させるように制御される。したがって、ウェハと研磨パッド10との間に作用する摩擦力が変化すると、テーブルモータ19に流れる電流値、すなわちトルク電流が変化する。より具体的には、摩擦力が大きくなると、研磨テーブル30Cにより大きなトルクを与えるためにトルク電流が増え、摩擦力が小さくなると、研磨テーブル30Cに与えるトルクを小さくするためにトルク電流が下がる。したがって、動作制御部5は、テーブルモータ19のトルク電流の変化から導電膜106の研磨終点(絶縁膜103の露出点)を検出することができる。トルク電流は、図4に示すトルク電流計測器70によって計測される。
次に、本発明の研磨方法のさらに他の例について説明する。この例でも、4つの研磨テーブル30A,30B,30C,30Dを用いて図20に示すウェハが研磨される。具体的には、図25(a)および図25(b)に示す金属膜の第1研磨工程および第2研磨工程は、図23(a)および図23(b)に示す第1研磨工程および第2研磨工程と同じであるので、その重複する説明を省略する。
第2研磨ユニット3Bで研磨されたウェハは第3研磨ユニット3Cに搬送され、ここで第3研磨工程が行われる。図25(c)に示すように、第3研磨工程では、絶縁膜103が露出するまで導電膜106が研磨され、さらに露出した絶縁膜103が研磨される。より具体的には、導電膜106を構成するバリア膜105および第2ハードマスク膜104が除去され、さらに導電膜106の下の絶縁膜103が研磨される。絶縁膜103は、その厚さが所定の第1の目標値に達するまで研磨される。絶縁膜103の厚さは、絶縁膜103の除去量から決定してもよい。第3研磨工程での絶縁膜103の研磨は、第1ハードマスク膜102の除去および層間絶縁膜101の研磨、または第1ハードマスク膜102の研磨のみを含む。図25(c)は、導電膜106が研磨された後、第1ハードマスク膜102が研磨され、層間絶縁膜101は研磨されない例を示している。
第3研磨工程での導電膜106の研磨では、渦電流式膜厚センサ60により導電膜106の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、膜厚信号から導電膜106の膜厚指標値を生成し、この膜厚指標値に基づいて導電膜106の研磨を監視し、膜厚指標値が所定のしきい値に達したとき、または膜厚指標値が変化しなくなった点(すなわち導電膜106が除去されて絶縁膜103が露出した点)を検出する。第3研磨工程では、導電膜106と絶縁膜103は連続して研磨される。絶縁膜103の研磨では、光学式膜厚センサ40により絶縁膜103の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、膜厚信号から絶縁膜103の膜厚指標値または除去指標値を生成し、この膜厚指標値または除去指標値が所定の第1のしきい値に達したとき(すなわち絶縁膜103の膜厚が所定の第1の目標値に達したとき)に絶縁膜103の研磨を停止させる。
第3研磨ユニット3Cで研磨されたウェハは、ウエット型膜厚測定装置80に搬送され、ここでウェハの膜厚が測定される。膜厚測定後、ウェハは第4研磨ユニット3Dに搬送され、ここで第4研磨工程が行われる。図25(d)に示すように、第4研磨工程では、絶縁膜103が研磨される。絶縁膜103は、その厚さが所定の第2の目標値に達するまで研磨される。絶縁膜103の研磨は、第1ハードマスク膜102の除去および層間絶縁膜101の研磨、または層間絶縁膜101の研磨のみを含む。図25(d)は、第1ハードマスク膜102が除去され、続いて層間絶縁膜101が研磨された例を示している。
図26は、図25(a)乃至図25(d)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30A上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、銅膜(金属膜)107がその厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。このステップ1は図25(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、導電膜106を構成するバリア膜105が露出するまで、銅膜(金属膜)107が研磨される。このステップ2は図25(b)に示す第2研磨工程に対応する。
ステップ3では、第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、導電膜106を構成するバリア膜105および第2ハードマスク膜104が研磨され、さらにその下の絶縁膜103がその厚さが所定の第1の目標値に達するまで研磨される。このステップ3は図25(c)に示す第3研磨工程に対応する。ステップ4では、研磨液に代えて、純水を第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ5では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ6では、研磨された絶縁膜103の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ7で、測定された現在の膜厚と膜厚の最終目標値である所定の第2の目標値が動作制御部5により比較される。測定膜厚が第2の目標値に達していない場合には、ステップ8として、測定膜厚と第2の目標値との差から、第2の目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。追加研磨時間は、絶縁膜103の現在の膜厚と第2の目標値との差分と、研磨レートとから算出することができる。そして、ステップ9では、ウェハは、第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけウェハが再研磨される。このステップ9は図25(d)に示す第4研磨工程に対応する。なお、ウェハを第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10に搬送して、再研磨を第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10で行ってもよい。
ステップ10では、研磨液に代えて、純水を第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。その後、ウェハの処理フローは、ステップ5に戻る。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ11として、ウェハが洗浄され、さらに乾燥される。
ステップ8で算出される追加研磨時間だけウェハを研磨することにより、ウェハの膜厚は目標値に達することが期待される。したがって、ステップ9およびステップ10の後、ステップ5に戻って再度膜厚を測定することなく直接ステップ11としてウェハを洗浄さらに乾燥してウェハ処理を終了させてもよい。このような再研磨後の膜厚測定の省略は、先に説明した実施例および後に説明する実施例にも適用することができる。
図25(a)乃至図25(c),および図26を参照して説明した本実施例は、膜厚がその最終目標値である第2の目標値の手前の第1の目標値に達するまで膜を研磨し、研磨されたウェハの膜厚をウエット型膜厚測定装置80により測定し、測定された現在の膜厚と第2の目標値との差をなくすために必要な追加研磨時間を算出し、そして、ウェハを追加研磨時間だけ再研磨するというものである。このように意図的に最終目標値の手前で研磨を止めて膜厚を測定し、その後再研磨するという本実施例は、先に説明した実施例および後に説明する実施例にも適用することができる。
本発明に係る研磨方法は、他の積層構造を有するウェハにも適用することができる。図27は、タングステン膜、バリア膜、および絶縁膜からなる積層構造の断面図である。このウェハでは、絶縁膜110および該絶縁膜110に形成されたトレンチを覆うように導電膜としてのバリア膜111が形成されている。絶縁膜110はSiOやLow−k材などから形成され、バリア膜111はTiあるいはTiNなどの金属から形成されている。さらに、バリア膜111を覆うように金属膜としてのタングステン膜112が形成され、トレンチはタングステン膜112で充填されている。図27の点線で示すように、不要なタングステン膜112およびバリア膜111が除去され、絶縁膜110が所定の厚さに達するまで研磨される。トレンチ内のタングステンはタングステン膜112の一部であり、これが半導体デバイスの配線113を構成する。
図28(a)および図28(b)は、図27に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。上記多層構造のウェハは、第1研磨ユニット3Aおよび第2研磨ユニット3Bにて2段階で研磨され、同時に同じ構成の別のウェハが第3研磨ユニット3Cおよび第4研磨ユニット3Dにて2段階で研磨されている。2段研磨のうちの第1段目は、図28(a)に示すように、絶縁膜110が露出するまでタングステン膜112およびバリア膜111を除去する工程であり、第2段目は、図28(b)に示すように、絶縁膜110の厚さが所定の目標値に達するまで(すなわちトレンチ内の配線113が所定の目標高さになるまで)絶縁膜110を研磨する工程である。2段研磨の第1段目は第1研磨ユニット3Aおよび第3研磨ユニット3Cにて行われ、第2段目は第2研磨ユニット3Bおよび第4研磨ユニット3Dにて行われる。
図29は、図28(a)および図28(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30Aまたは第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜110が露出するまで、タングステン膜(金属膜)112およびバリア膜111が研磨される。このステップ1は図28(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜110がその厚さが所定の目標値に達するまで研磨される。このステップ2は図28(b)に示す第2研磨工程に対応する。
絶縁膜110の研磨では、光学式膜厚センサ40により絶縁膜110の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、膜厚信号から絶縁膜110の膜厚指標値または除去指標値を生成し、この膜厚指標値または除去指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち絶縁膜110の膜厚または除去量が所定の目標値に達したとき)に絶縁膜110の研磨を停止させる。
ステップ3では、研磨液に代えて、純水を第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ4では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ5では、研磨された絶縁膜110の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ6で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が目標値に達していない場合には、ステップ7として、測定膜厚と目標値との差から、目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ8として、ウェハが洗浄され、さらに乾燥される。なお、再研磨の後のステップ4,5の膜厚測定およびステップ6の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
次に、さらに他の積層構造を有するウェハを研磨する例について説明する。図30は、層間絶縁膜(ILD)が形成されたウェハの断面図である。このウェハでは、下地層120の上に金属配線121が形成され、さらに金属配線121を覆うように層間絶縁膜122がCVDにより形成されている。
図31(a)および図31(b)は、図30に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。上記多層構造のウェハは、第1研磨ユニット3Aおよび第2研磨ユニット3Bにて2段階で研磨され、同時に同じ構成の別のウェハが第3研磨ユニット3Cおよび第4研磨ユニット3Dにて2段階で研磨されている。2段研磨のうちの第1段目は、図31(a)に示すように、層間絶縁膜122の表面に形成された段部(または凸部)を除去してその表面を平坦にする工程であり、第2段目は、図31(b)に示すように、層間絶縁膜122を僅かに研磨してその表面に形成された傷を除去する工程である。2段研磨の第1段目は第1研磨ユニット3Aおよび第3研磨ユニット3Cにて行われ、第2段目は第2研磨ユニット3Bおよび第4研磨ユニット3Dにて行われる。
図32は、図31(a)および図31(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30Aまたは第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、層間絶縁膜122の表面に形成された段部(または凸部)が除去されるまで、層間絶縁膜122が研磨される。このステップ1は図31(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、層間絶縁膜122の厚さが所定の目標値に達するまで層間絶縁膜122が研磨される。このステップ2は図31(b)に示す第2研磨工程に対応する。
層間絶縁膜122の研磨では、光学式膜厚センサ40により層間絶縁膜122の膜厚信号が取得される。動作制御部5は、膜厚信号から層間絶縁膜122の膜厚指標値または除去指標値を生成し、この膜厚指標値または除去指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち層間絶縁膜122の膜厚または除去量が所定の目標値に達したとき)に層間絶縁膜122の研磨を停止させる。
ステップ3では、研磨液に代えて、純水を第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ4では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ5では、研磨された層間絶縁膜122の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ6で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が目標値に達していない場合には、ステップ7として、測定膜厚と目標値との差から、目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ8として、ウェハが洗浄され、さらに乾燥される。なお、再研磨の後のステップ4,5の膜厚測定およびステップ6の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
図33は、STI(シャロートレンチアイソレーション)プロセスを示すウェハの断面図である。図33に示すウェハでは、シリコン層130の上にSiO膜131が形成され、その上にSiからなるシリコン窒化膜132が形成され、さらにその上にSiOからなる素子分離絶縁膜133(以下、単に絶縁膜133という)が高密度プラズマCVDなどにより形成されている。シリコン層130、SiO膜131、およびシリコン窒化膜132にはSTI溝が形成されており、絶縁膜133の一部はSTI溝に埋め込まれている。
図34(a)および図34(b)は、図33に示すウェハの研磨方法の一例を示す図である。上記多層構造のウェハは、第1研磨ユニット3Aおよび第2研磨ユニット3Bにて2段階で研磨され、同時に同じ構成の別のウェハが第3研磨ユニット3Cおよび第4研磨ユニット3Dにて2段階で研磨されている。2段研磨のうちの第1段目は、図34(a)に示すように、不要な絶縁膜133を除去してシリコン窒化膜132を露出させる工程であり、第2段目は、図34(b)に示すように、絶縁膜133およびシリコン窒化膜132を研磨してその表面に形成された傷を除去するとともに絶縁膜133の膜厚を最終的に調整する工程である。2段研磨の第1段目は第1研磨ユニット3Aおよび第3研磨ユニット3Cにて行われ、第2段目は第2研磨ユニット3Bおよび第4研磨ユニット3Dにて行われる。
図35は、図34(a)および図34(b)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30Aまたは第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、シリコン窒化膜132が露出するまで、絶縁膜133が研磨される。このステップ1は図34(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜133の厚さが所定の目標値に達するまで絶縁膜133およびシリコン窒化膜132が研磨される。このステップ2は図34(b)に示す第2研磨工程に対応する。
ステップ3では、研磨液に代えて、純水を第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ4では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ5では、研磨された絶縁膜133の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ6で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が目標値に達していない場合には、ステップ7として、測定膜厚と目標値との差から、目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第2研磨テーブル30Bまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ8として、ウェハが洗浄され、さらに乾燥される。なお、再研磨の後のステップ4,5の膜厚測定およびステップ6の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
次に、さらに他の積層構造を有するウェハを研磨する例について説明する。図36はHigh−kメタルゲートを形成する過程においてCMPが適用される積層構造が形成されたウェハの断面図である。図36に示すように、シリコン層140の上にポリシリコン141が形成され、ポリシリコン141を覆うようにシリコンナイトライド(Si)からなるサイドウォール142が形成されている。さらに、サイドウォール142の上には絶縁膜144が形成されている。
このウェハは、図37(a)乃至図37(d)に示すように、4段階で研磨される。すなわち、第1研磨工程は、図37(a)に示すように、絶縁膜144をその厚さが所定の第1の目標値に達するまで研磨する工程であり、第2研磨工程は、図37(b)に示すように、サイドウォール142が露出し、かつ絶縁膜144の厚さが所定の第2の目標値に達するまで絶縁膜144を研磨する工程であり、第3研磨工程は、図37(c)に示すように、ポリシリコン141が露出し、かつ絶縁膜144の厚さが所定の第3の目標値に達するまで絶縁膜144およびサイドウォール142を研磨する工程であり、第4研磨工程は、図37(d)に示すように、絶縁膜144が所定の第4の目標値に達するまで絶縁膜144、ポリシリコン141、およびサイドウォール142を研磨する工程である。
第1研磨工程は第1研磨ユニット3Aで行われ、第2研磨工程は第2研磨ユニット3Bで行われ、第3研磨工程は第3研磨ユニット3Cで行われ、第4研磨工程は第4研磨ユニット3Dで行われる。各研磨工程中、光学式膜厚センサ40により絶縁膜144の膜厚信号が取得される。光学式膜厚センサ40に代えて、設定時間またはトルク電流計測器70を使用して研磨終点を決定してもよい。動作制御部5は、膜厚信号から絶縁膜144の膜厚指標値または除去指標値を生成し、この膜厚指標値または除去指標値が所定のしきい値に達したとき(すなわち絶縁膜144の膜厚または除去量が所定の目標値に達したとき)に絶縁膜144の研磨を停止させる。
図38は、図37(a)乃至図37(d)に示すウェハの研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30A上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜144の厚さが所定の第1の目標値に達するまで絶縁膜144が研磨される。このステップ1は図37(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、サイドウォール142が露出し、かつ絶縁膜144の厚さが所定の第2の目標値に達するまで絶縁膜144が研磨される。このステップ2は図37(b)に示す第2研磨工程に対応する。
ステップ3では、研磨液に代えて、純水を第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ4では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ5では、研磨された絶縁膜144の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ6で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の第2の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が第2の目標値に達していない場合には、ステップ7として、測定膜厚と第2の目標値との差から、第2の目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第1研磨テーブル30Aまたは第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。なお、再研磨の後のステップ4,5の膜厚測定およびステップ6の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。再研磨のために第1研磨テーブル30Aまたは第2研磨テーブル30Bのどちらにウェハを搬送するかの判断基準は、サイドウォール142が露出しているか否か、あるいは絶縁膜144の現在の膜厚と膜厚の所定の第2の目標値との差が予め定めたレンジ内にあるか否かとすることができる。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に搬送される。
ステップ8では、第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜144の厚さが所定の第3の目標値に達するまで絶縁膜144およびサイドウォール142が研磨される。このステップ8は図37(c)に示す第3研磨工程に対応する。ステップ9では、第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜144の厚さが所定の第4の目標値に達するまで絶縁膜144、ポリシリコン141、およびサイドウォール142が研磨される。このステップ9は図37(d)に示す第4研磨工程に対応する。
ステップ10では、研磨液に代えて、純水を第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。この水研磨によりウェハから研磨液および研磨屑が除去される。ステップ11では、研磨されたウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送される。
ステップ12では、研磨された絶縁膜144の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ13で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の第4の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が第4の目標値に達していない場合には、ステップ14として、測定膜厚と第4の目標値との差から、第4の目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第3研磨テーブル30Cまたは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。なお、再研磨の後のステップ11,12の膜厚測定およびステップ13の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。再研磨のために第3研磨テーブル30Cまたは第4研磨テーブル30Dのどちらにウェハを搬送するかの判断基準は、ポリシリコン141が露出しているか否か、あるいは絶縁膜144の現在の膜厚と膜厚の所定の第4の目標値との差が予め定めたレンジ内にあるか否かとすることができる。測定膜厚が第4の目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ15として、ウェハが洗浄され、乾燥される。
図39は、図37(a)乃至図37(d)に示すウェハの別の研磨方法を説明するためのフローチャートである。ステップ1では、第1研磨テーブル30A上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜144の厚さが所定の第1の目標値に達するまで絶縁膜144が研磨される。このステップ1は図37(a)に示す第1研磨工程に対応する。ステップ2では、研磨液に代えて、純水を第1研磨テーブル30A上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。ステップ3では、ウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送され、ここで絶縁膜144の厚さが測定される。さらに、ステップ4では、測定された現在の膜厚が所定の第2の目標値に達するために必要な追加研磨時間が動作制御部5により算出される。
ステップ5では、ウェハは第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10上に搬送され、研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、ステップ3で算出された追加研磨時間だけ絶縁膜144が研磨される。このステップ5は図37(b)に示す第2研磨工程に対応する。ステップ6では、研磨液に代えて、純水を第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。
ステップ7では、ウェハはウエット型膜厚測定装置80に再び搬送され、ここで絶縁膜144の厚さがウエット型膜厚測定装置80により測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ8で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の第2の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が第2の目標値に達していない場合には、ステップ9として、測定膜厚と第2の目標値との差から、第2の目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第2研磨テーブル30B上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に搬送される。なお、上述のステップ5では、ステップ4で算出される追加研磨時間だけウェハを研磨することにより、ウェハの膜厚は所定の第2の目標値に達することが期待される。したがって、ステップ7の膜厚測定およびステップ8の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
ステップ10では、第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、絶縁膜144の厚さが所定の第3の目標値に達するまで絶縁膜144およびサイドウォール142が研磨される。このステップ10は図37(c)に示す第3研磨工程に対応する。ステップ11では、研磨液に代えて、純水を第3研磨テーブル30C上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。ステップ12では、ウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送され、ここで絶縁膜144の厚さが測定される。さらに、ステップ13では、測定された現在の膜厚が所定の第4の目標値に達するために必要な追加研磨時間が動作制御部5により算出される。
ステップ14では、ウェハは第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に搬送され、研磨パッド10上に研磨液を供給しながら、ステップ13で算出された追加研磨時間だけ絶縁膜144,サイドウォール142,およびポリシリコン141が研磨される。このステップ14は図37(d)に示す第4研磨工程に対応する。ステップ15では、研磨液に代えて、純水を第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10上に供給しながらウェハが水研磨される。
ステップ16では、ウェハはウエット型膜厚測定装置80に搬送され、ここで絶縁膜144の厚さが測定される。膜厚の測定結果は動作制御部5に送られ、ステップ17で、測定された現在の膜厚と膜厚の所定の第4の目標値とが動作制御部5により比較される。測定膜厚が第4の目標値に達していない場合には、ステップ18として、測定膜厚と第4の目標値との差から、第4の目標値を達成するために必要な追加研磨時間を動作制御部5により算出する。そして、ウェハは、再度第4研磨テーブル30D上の研磨パッド10に移送され、研磨パッド10上に研磨液が供給されながら、算出された追加研磨時間だけ再研磨される。測定膜厚が目標値に達している場合には、ウェハは洗浄部4に搬送され、ステップ19として、ウェハが洗浄され、乾燥される。なお、上述のステップ14では、ステップ13で算出される追加研磨時間だけウェハを研磨することにより、ウェハの膜厚は所定の第4の目標値に達することが期待される。したがって、ステップ16の膜厚測定およびステップ17の目標膜厚値との比較は省略することが出来る。
上述した各実施形態では、膜厚測定および再研磨は、ウェハの洗浄および乾燥前に行われる。したがって、再研磨に必要な時間を短くすることができ、スループットを向上させることができる。また、ウェハ研磨のすぐ後に膜厚測定が行われるので、膜厚測定の結果調整された研磨条件を次のウェハの研磨に直ちに適用することができるので、次のウェハの処理を待たせることがなくスループットを向上させることができると共に、後続のウェハに最適な研磨条件を適用することで研磨の精度を向上させることができる。
研磨終点検出に光学式膜厚センサ40を使用する場合には、ウエット型膜厚測定装置80での膜厚測定値を用いて光学式膜厚センサ40の較正を実施することもできる。光学式膜厚センサ40の較正を実施した後には、光学式膜厚センサ40の膜厚信号から得られる膜厚指標値または除去指標値はウエット型膜厚測定装置80の膜厚測定値と相関が得られるため、ウエット型膜厚測定装置80での膜厚測定を省略しても研磨の精度を保つことができる。
具体的には、膜の厚さを光学式膜厚センサ40で測定しながらウェハを研磨し、光学式膜厚センサ40から得られた現在の膜厚の測定値が所定の値に達したときにウェハの研磨を停止し、研磨されたウェハを洗浄および乾燥する前にウエット型膜厚測定装置80に搬送し、ウエット型膜厚測定装置80により膜の現在の厚さを測定し、光学式膜厚センサ40から得られた現在の膜厚の測定値と、ウエット型膜厚測定装置80から得られた現在の膜厚の測定値との比較から、光学式膜厚センサ40を較正し、ウェハと同一の構成を有する後続のウェハを研磨し、その間、較正された光学式膜厚センサ40で後続のウェハの膜の厚さを測定し、光学式膜厚センサ40から得られた膜の厚さが所定の目標値に達したときに後続のウェハの研磨を停止することによって、精度の高い研磨を実現することができる。この研磨方法によれば、測定精度の高いウエット型膜厚測定装置80の膜厚測定値を用いて光学式膜厚センサ40が較正される。したがって、後続のウェハの研磨中のIn−situ膜厚測定の精度が向上され、結果として、ウェハの再研磨をなくすことができる。さらに、膜厚の測定結果に基づいて調整された研磨条件(研磨時間、研磨圧力など)を次のウェハの研磨に適用することができる。したがって、スループットを向上させることができる。
次に、渦電流式膜厚センサ60および光学式膜厚センサ40について説明する。図40は、渦電流式膜厚センサおよび光学式膜厚センサを備えた第1研磨ユニット3Aを示す模式断面図である。なお、研磨ユニット3B〜3Dも、図40に示す第1研磨ユニット3Aと同様の構成を有しているので、その重複する説明を省略する。
光学式膜厚センサ40および渦電流式膜厚センサ60は研磨テーブル30Aに埋設されており、研磨テーブル30Aおよび研磨パッド10とともに一体に回転する。トップリングシャフト16は、ベルト等の連結手段17を介してトップリングモータ18に連結されて回転されるようになっている。このトップリングシャフト16の回転により、トップリング31Aが矢印で示す方向に回転するようになっている。
光学式膜厚センサ40は、ウェハWの表面に光を当て、ウェハWからの反射光を受光し、その反射光を波長にしたがって分解するように構成されている。光学式膜厚センサ40は、光をウェハWの被研磨面に照射する投光部42と、ウェハWから戻ってくる反射光を受光する受光部としての光ファイバー43と、ウェハWからの反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って反射光の強度を測定する分光光度計44とを備えている。
研磨テーブル30Aには、その上面で開口する第1の孔50Aおよび第2の孔50Bが形成されている。また、研磨パッド10には、これら孔50A,50Bに対応する位置に通孔51が形成されている。孔50A,50Bと通孔51とは連通し、通孔51は研磨面10aで開口している。第1の孔50Aは液体供給路53およびロータリージョイント(図示せず)を介して液体供給源55に連結されており、第2の孔50Bは、液体排出路54に連結されている。
投光部42は、多波長の光を発する光源47と、光源47に接続された光ファイバー48とを備えている。光ファイバー48は、光源47によって発せられた光をウェハWの表面まで導く光伝送部である。光ファイバー48および光ファイバー43の先端は、第1の孔50A内に位置しており、ウェハWの被研磨面の近傍に位置している。光ファイバー48および光ファイバー43の各先端は、トップリング31Aに保持されたウェハWに対向して配置される。研磨テーブル30Aが回転するたびにウェハWの複数の領域に光が照射される。好ましくは、光ファイバー48および光ファイバー43の各先端は、トップリング31Aに保持されたウェハWの中心に対向して配置される。
ウェハWの研磨中は、液体供給源55からは、透明な液体として水(好ましくは純水)が液体供給路53を介して第1の孔50Aに供給され、ウェハWの下面と光ファイバー48,43の先端との間の空間を満たす。水は、さらに第2の孔50Bに流れ込み、液体排出路54を通じて排出される。研磨液は水と共に排出され、これにより光路が確保される。液体供給路53には、研磨テーブル30Aの回転に同期して作動するバルブ(図示せず)が設けられている。このバルブは、通孔51の上にウェハWが位置しないときは水の流れを止める、または水の流量を少なくするように動作する。
光ファイバー48と光ファイバー43は互いに並列に配置されている。光ファイバー48および光ファイバー43の各先端は、ウェハWの表面に対してほぼ垂直に配置されており、光ファイバー48はウェハWの表面にほぼ垂直に光を照射するようになっている。
ウェハWの研磨中は、投光部42から光がウェハWに照射され、光ファイバー(受光部)43によってウェハWからの反射光が受光される。分光光度計44は、反射光の各波長での強度を所定の波長範囲に亘って測定し、得られた光強度データを動作制御部5に送る。この光強度データは、ウェハWの膜厚を反映した膜厚信号であり、膜厚に従って変化する。動作制御部5は、光強度データから波長ごとの光の強度を表わすスペクトルを生成し、さらにスペクトルからウェハWの膜厚を示す膜厚指標値を生成する。
図41は、光学式膜厚センサ40の原理を説明するための模式図であり、図42はウェハWと研磨テーブル30Aとの位置関係を示す平面図である。図41に示す例では、ウェハWは、下層膜と、その上に形成された上層膜とを有している。投光部42および受光部43は、ウェハWの表面に対向して配置されている。投光部42は、研磨テーブル30Aが1回転するたびにウェハWの中心を含む複数の領域に光を照射する。
ウェハWに照射された光は、媒質(図41の例では水)と上層膜との界面と、上層膜と下層膜との界面で反射し、これらの界面で反射した光の波が互いに干渉する。この光の波の干渉の仕方は、上層膜の厚さ(すなわち光路長)に応じて変化する。このため、ウェハWからの反射光から生成されるスペクトルは、上層膜の厚さに従って変化する。分光光度計44は、反射光を波長に従って分解し、反射光の強度を波長ごとに測定する。動作制御部5は、分光光度計44から得られた反射光の強度データ(膜厚信号)からスペクトルを生成する。このスペクトルは、光の波長と強度との関係を示す線グラフ(すなわち分光波形)として表される。光の強度は、反射率または相対反射率などの相対値として表わすこともできる。
図43は、動作制御部5によって生成されたスペクトルを示す図である。図43において、横軸は反射光の波長を表わし、縦軸は反射光の強度から導かれる相対反射率を表わす。この相対反射率とは、反射光の強度を表わす1つの指標であり、具体的には、反射光の強度と所定の基準強度との比である。基準強度は、波長ごとに予め取得される。各波長において反射光の強度(実測強度)を対応する基準強度で割ることにより、装置の光学系や光源固有の強度のばらつきなどの不要な要素が実測強度から除去され、これによりウェハWの膜厚情報のみを反映したスペクトルを得ることができる。
所定の基準強度は、例えば、膜が形成されていないシリコンウェハ(ベアウェハ)を水の存在下で研磨しているときに得られた反射光の強度とすることができる。実際の研磨では、実測強度からダークレベル(光を遮断した条件下で得られた背景強度)を引き算して補正実測強度を求め、さらに基準強度から上記ダークレベルを引き算して補正基準強度を求め、そして、補正実測強度を補正基準強度で割り算することにより、相対反射率が求められる。具体的には、相対反射率R(λ)は、次の式(1)を用いて求めることができる。
Figure 0006145342
ここで、λは波長であり、E(λ)は波長λでのウェハからの反射光の強度であり、B(λ)は波長λでの基準強度であり、D(λ)は波長λでのダークレベル(光を遮断した条件下で測定された光の強度)である。
図44に示すように、動作制御部5は、研磨中に生成されたスペクトルと複数の基準スペクトルとを比較することで、生成されたスペクトルに最も近い基準スペクトルを決定し、この決定された基準スペクトルに関連付けられた膜厚を現在の膜厚として決定する。複数の基準スペクトルは、研磨対象のウェハと同種のウェハを研磨することによって予め取得されたものであり、各基準スペクトルにはその基準スペクトルが取得されたときの膜厚が関連付けられている。すなわち、各基準スペクトルは、異なる膜厚のときに取得されたものであり、複数の基準スペクトルは複数の異なる膜厚に対応する。したがって、現在のスペクトルに最も近い基準スペクトルを特定することにより、現在の膜厚を推定することができる。この推定膜厚値は上述した膜厚指標値である。
光学式膜厚センサ40は、光を透過させる性質を持つ絶縁膜の膜厚を決定するのに適している。動作制御部5は、光学式膜厚センサ40によって取得された膜厚指標値(光強度データ)から膜の除去量を決定することもできる。具体的には、初期膜厚指標値(初期光強度データ)から上述の方法にしたがって初期の推定膜厚値を求め、この初期の推定膜厚値から現在の推定膜厚値を引き算することにより除去量を求めることができる。
上記方法に代えて、膜の除去量は、膜厚にしたがって変化するスペクトルの変化量から決定することもできる。図45は、膜厚差Δαに対応する2つのスペクトルを示す模式図である。ここで、αは膜厚であり、研磨時には膜厚αは時間とともに減少する(Δα>0)。図45に示すように、スペクトルは膜厚の変化とともに波長軸に沿って移動する。異なる時間に取得された2つのスペクトル間の変化量は、これらスペクトルによって囲まれる領域(ハッチングで示す)に相当する。したがって、上記領域の面積を計算することにより、膜の除去量を決定することができる。膜の除去量Uは、次の式(2)から求められる。
Figure 0006145342
ここで、λは光の波長であり、λ1,λ2は監視対象とするスペクトルの波長範囲を決定する下限値および上限値であり、Rcは現在取得された相対反射率であり、Rpは前回取得された相対反射率である。
上記式(2)に従って算出されたスペクトルの変化量は、膜の除去量を示す除去指標値である。
次に、渦電流式膜厚センサ60について説明する。渦電流式膜厚センサ60は、コイルに高周波の交流電流を流して導電膜に渦電流を誘起させ、この渦電流の磁界に起因するインピーダンスの変化から導電膜の厚さを検出するように構成される。図46は、渦電流式膜厚センサ60の原理を説明するための回路を示す図である。交流電源S(電圧E[V])から高周波の交流電流Iを渦電流式膜厚センサ60のコイル61に流すと、コイル61に誘起された磁力線が導電膜中を通過する。これにより、センサ側回路と導電膜側回路との間に相互インダクタンスが発生し、導電膜には渦電流Iが流れる。この渦電流Iは磁力線を発生し、これがセンサ側回路のインピーダンスを変化させる。渦電流式膜厚センサ60は、このセンサ側回路のインピーダンスの変化から導電膜の膜厚を検出する。
図46に示すセンサ側回路と導電膜側回路には、それぞれ次の式が成り立つ。
+LdI/dt+MdI/dt=E (3)
+LdI/dt+MdI/dt=0 (4)
ここで、Mは相互インダクタンスであり、Rは渦電流式膜厚センサ60のコイル61を含むセンサ側回路の等価抵抗であり、Lはコイル61を含むセンサ側回路の自己インダクタンスである。Rは渦電流が誘起される導電膜の等価抵抗であり、Lは渦電流が流れる導電膜の自己インダクタンスである。
ここで、I=Ajωt(正弦波)とおくと、上記式(3),(4)は次のように表される。
(R+jωL)I+jωMI=E (5)
(R+jωL)I+jωMI=0 (6)
これら式(5),(6)から、次の式が導かれる。
=E(R+jωL)/{(R+jωL)(R+jωL)+ω
=E/{(R+jωL)+ω/(R+jωL)} (7)
したがって,センサ側回路のインピーダンスΦは、次の式で表される。
Φ=E/I={R+ω/(R +ω )}
+jω{L−ω/(R +ω )} (8)
ここで、Φの実部(抵抗成分)、虚部(誘導リアクタンス成分)をそれぞれX,Yとおくと、上記式(8)は、次のようになる。
Φ=X+jωY (9)
渦電流式膜厚センサ60は、該渦電流式膜厚センサ60のコイル61を含む電気回路のインピーダンスの抵抗成分Xおよび誘導リアクタンス成分Yを出力する。これらの抵抗成分Xおよび誘導リアクタンス成分Yは、膜厚を反映した膜厚信号であり、ウェハの膜厚に従って変化する。
図47は、膜厚とともに変化するX,Yを、XY座標系上にプロットすることで描かれるグラフを示す図である。点T∞の座標は、膜厚が無限大であるとき、すなわち、Rが0のときのX,Yであり、点T0の座標は、基板の導電率が無視できるものとすれば、膜厚が0であるとき、すなわち、Rが無限大のときのX,Yである。X,Yの値から位置決めされる点Tnは、膜厚が減少するに従って、円弧状の軌跡を描きながら点T0に向かって進む。なお、図47に示す記号kは結合係数であり、次の関係式が成り立つ。
M=k(L1/2 (10)
図48は、図47のグラフ図形を反時計回りに90度回転させ、さらに平行移動させたグラフを示す図である。図48に示すように、膜厚が減少するに従って、X,Yの値から位置決めされる点Tnは円弧状の軌跡を描きながら点T0に向かって進む。
コイル61とウェハWとの間の距離Gは、これらの間に介在する研磨パッド10の厚さに応じて変化する。この結果、図49に示すように、使用する研磨パッド10の厚さに相当する距離G(G1〜G3)に応じて、座標X,Yの円弧軌跡が変動する。図49から分かるように、コイル61とウェハWとの間の距離Gにかかわらず、膜厚毎の座標X,Yを直線(以下、予備測定直線という)で結ぶと、その予備測定直線が交差する交点(基準点)Pを取得することができる。この予備測定直線rn(n:1,2,3…)は、所定の基準線(図49における水平線)Hに対して、膜厚に応じた仰角(挟角)θで傾斜する。したがって、この角度θは、ウェハWの膜厚を示す膜厚指標値ということができる。
動作制御部5は、角度θと膜厚との関係を示す相関データを参照することにより、研磨中に得られた角度θから膜厚を決定することができる。この相関データは、研磨対象のウェハと同種のウェハを研磨し、各角度θに対応する膜厚を測定することにより予め得られたものである。図50は、研磨時間にしたがって変化する角度θを示すグラフである。縦軸は角度θを表し、横軸は研磨時間を表している。このグラフに示すように、研磨時間とともに角度θは増加し、ある時点で一定となる。したがって、動作制御部5は、研磨中に角度θを計算し、その角度θから現在の膜厚を取得することができる。
上述した光学式膜厚センサ40および渦電流センサ60としては、特開2004−154928号公報や特開2009−99842号公報などに記載されている公知の光学センサおよび渦電流センサを用いることができる。
図4に示すように、第1研磨ユニット3Aは、上述した光学式膜厚センサ40および渦電流センサ60に加えて、研磨テーブル30Aを回転させるテーブルモータ19の入力電流(すなわち、トルク電流)を計測するトルク電流計測器70をさらに備えている。このトルク電流計測器70によって計測されたトルク電流値は、動作制御部5に送られ、ウェハの研磨中は動作制御部5によってトルク電流値が監視される。なお、トルク電流計測器70を設けずに、テーブルモータ19を駆動するインバータ(図示せず)からの出力される電流値を用いることもできる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 ハウジング
2 ロード/アンロード部
3 研磨部
3A,3B,3C,3D 研磨ユニット
4 洗浄部
5 動作制御部
6 第1リニアトランスポータ
7 第2リニアトランスポータ
10 研磨パッド
11 リフタ
12 スイングトランスポータ
16 トップリングシャフト
17 連結手段
18 トップリングモータ
19 テーブルモータ
20 フロントロード部
21 走行機構
22 搬送ロボット
30A,30B,30C,30D 研磨テーブル
31A,31B,31C,31D トップリング
32A,32B,32C,32D 研磨液供給機構
33A,33B,33C,33D ドレッサ
34A,34B,34C,34D アトマイザ
40 光学式膜厚センサ
42 投光部
43 受光部(光ファイバー)
44 分光光度計
47 光源
48 光ファイバー
50A 第1の孔
50B 第2の孔
51 通孔
53 液体供給路
54 液体排出路
55 液体供給源
56 自由継手
57 トップリング本体
58 リテーナリング
60 渦電流式膜厚センサ
61 コイル
62 メンブレン
63 チャッキングプレート
64 圧力調整部
70 トルク電流計測器
72 仮置き台
73 一次洗浄機
74 二次洗浄機
75 乾燥機
77 第1搬送ロボット
78 第2搬送ロボット
79 搬送ロボット
80 ウエット型膜厚測定装置
84 膜厚測定ヘッド
85 オリエンテーション検出器
87 基板ステージ
90 リンス水供給部
92 ヘッド移動機構
100 光源
101 集光レンズ
103 第1のビームスプリッター
105 結像レンズ
110 分光光度計
112 デジタルカメラ
115 第2のビームスプリッター
116 第1のリレーレンズ
117 第2のリレーレンズ
120 処理部
130 気体噴射部(流体供給部)
131 気体供給部(流体供給部)
133 ノズル
134 気体導入ライン
140 液体供給部(流体供給部)
141 ノズル
142 液体供給ライン
143 液体排出ライン
145 導入空間
146 排出空間
148 仕切り壁
150 堰
151 シール部材
155 液体噴射部(流体供給部)

Claims (8)

  1. 基板を水平に支持する基板ステージと、
    前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、
    前記基板の表面に接触または近接可能な開口部を有するノズルと、
    前記ノズル内に液体を供給する液体供給ラインと、
    前記ノズル内の液体を通して、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、
    前記ノズルの開口部の先端に設けられた緩衝材とを備え
    前記緩衝材は、前記基板の研磨に使用される研磨パッドと同じ材料から構成されていることを特徴とする膜厚測定装置。
  2. 前記ノズルは、前記基板ステージの上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の膜厚測定装置。
  3. 基板を水平に支持する基板ステージと、
    前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、
    前記基板の表面に接触または近接可能な開口部を有するノズルと、
    前記ノズル内に液体を供給する液体供給ラインと、
    前記ノズル内の液体を通して、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、
    前記ノズルの内部空間から前記液体を排出する液体排出ラインと、
    前記ノズル内に設けられた仕切り壁を備え、
    前記仕切り壁は、前記ノズルの内部空間を、前記液体供給ラインに接続された導入空間と、前記液体排出ラインに接続された排出空間とに仕切ることを特徴とする膜厚測定装置。
  4. 前記仕切り壁と前記基板の表面との間には隙間が形成されていることを特徴とする請求項に記載の膜厚測定装置。
  5. 前記ノズルは、前記基板ステージの上方に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の膜厚測定装置。
  6. 基板を水平に支持する基板ステージと、
    前記基板ステージ上の基板の表面全体にリンス水を供給するリンス水供給部と、
    前記基板の表面に接触または近接可能な開口部を有するノズルと、
    前記ノズル内に液体を供給する液体供給ラインと、
    前記ノズル内の液体を通して、前記基板ステージ上の前記基板の表面上の測定領域に光を照射し、前記測定領域からの反射光のスペクトルを生成し、該スペクトルから前記基板の膜厚を決定する膜厚測定ヘッドと、
    前記基板の表面の周縁部に配置される環状の堰とを備えたことを特徴とする膜厚測定装置。
  7. 前記ノズルは、前記基板ステージの上方に配置されていることを特徴とする請求項に記載の膜厚測定装置。
  8. 基板を研磨する研磨部と、
    前記基板を洗浄し乾燥する洗浄部と、
    前記基板の膜厚を測定する請求項1乃至のいずれか一項に記載の膜厚測定装置とを備えたことを特徴とする研磨装置。
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