JP6144350B2 - レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版の製版方法、および、レーザー彫刻用樹脂組成物 - Google Patents

レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版の製版方法、および、レーザー彫刻用樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、フレキソ印刷版の製版方法、および、レーザー彫刻用樹脂組成物に関する。
レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。
直彫りCTP方式では、フレキソ原版に直接レーザーを照射し、光熱変換によりレリーフ形成層に熱分解及び揮発を生じさせ、凹部を形成している。また、直彫りCTP方式は、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができる。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、または、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をすることなども可能である。
また、直彫りCTP方式に用いられるレーザーは、高出力の炭酸ガスレーザーが用いられることが一般的である。炭酸ガスレーザーの場合、全ての有機化合物が照射エネルギーを吸収して熱に変換できる。一方、安価で小型の半導体レーザーが開発されてきているが、これらは可視及び近赤外光であるため、レーザー光を吸収して熱に変換することが必要となる。
このようなレーザー彫刻用樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、「熱硬化性樹脂組成物を導電性支持体の表面上に配置する工程と、前記導電性支持体を高周波誘導加熱することにより、前記熱硬化性樹脂組成物を前記導電性支持体と接する面側から加熱し硬化させて、前記導電性支持体上に前記熱硬化性樹脂組成物が硬化されてなる樹脂層を形成する工程と、を含む印刷原版の製造方法。」が記載されており([請求項1])、熱硬化性樹脂組成物が熱重合開始剤を含む態様や、熱硬化性樹脂組成物がカーボンブラックを含む態様も記載されている([請求項4][請求項5])。
また、特許文献1には、熱硬化性樹脂組成物を導電性支持体の表面上に配置する方法として、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法などが例示されており([0024])、熱硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂(a)として、ポリジエン類などが記載されている([0038])。
特開2011−20363号公報
本発明者らは、特許文献1に記載される熱硬化性樹脂組成物(レーザー彫刻用樹脂組成物)について検討したところ、ロールによるカレンダー加工を行うと、カレンダーロールからの剥離性(以下、「ロール剥離性」とも略す。)や、剥離したシートの外観(以下、「シート外観」とも略す。)に劣ることを明らかとした。
そこで、本発明は、カレンダー加工を行った際に、ロール剥離性およびシート外観に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物ならびにそれを用いたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版の製版方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、カーボンブラック以外の充填剤を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物を用いることにより、カレンダー加工を行った際に、ロール剥離性およびシート外観に優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] レーザー彫刻用樹脂組成物を用い、カレンダーロールによるシート成形を経てレリーフ形成層を形成する層形成工程と、
レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を得る架橋工程と、をこの順で有し、
レーザー彫刻用樹脂組成物が、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、カーボンブラック以外の充填剤を含有する樹脂組成物である、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[2] 充填剤が、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、および、ステアリン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、[1]に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[3] 充填剤が、シリカおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、[1]または[2]に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[4] 充填剤として、少なくともシリカを含有し、
シリカの窒素吸着比表面積が、50m2/g〜300m2/gである、[2]または[3]に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[5] カーボンブラックの平均粒子径が、13nm〜50nmである、[1]〜[4]のいずれかに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[6] ジエン系ポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、[1]〜[5]のいずれかに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[7] ジエン系ポリマーが、ポリイソプレンおよびポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、[1]〜[6]のいずれかに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[8] 熱重合開始剤の含有量が、ジエン系ポリマー100質量部に対して0.1〜3質量部である、[1]〜[7]のいずれかに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法で得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版に対してレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程と、レリーフ層の表面をアルカリ水溶液でリンスし、フレキソ印刷版を得るリンス工程とを有する、フレキソ印刷版の製版方法。
[10] アルカリ水溶液のpHが、10.0以上である、[9]に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
[11] レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層を形成するためのレーザー彫刻用樹脂組成物であって、
ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、カーボンブラック以外の充填剤を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物。
[12] 熱重合開始剤が、有機過酸化物である、[11]に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[13] 充填剤が、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、および、ステアリン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、[11]または[12]に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[14] 充填剤が、シリカおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、[11]〜[13]のいずれかに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[15] 充填剤として、少なくともシリカを含有し、
シリカの窒素吸着比表面積が、50m2/g〜300m2/gである、[13]または[14]に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[16] カーボンブラックの平均粒子径が、13nm〜50nmである、[11]〜[15]のいずれかに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[17] ジエン系ポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、[11]〜[16]のいずれかに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[18] ジエン系ポリマーが、ポリイソプレンおよびポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、[11]〜[17]のいずれかに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[19] 熱重合開始剤の含有量が、ジエン系ポリマー100質量部に対して0.1〜3質量部である、[11]〜[18]のいずれかに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
[20] カーボンブラックの含有量が、ジエン系ポリマー100質量部に対して3〜30質量部である、[11]〜[19]のいずれかに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
本発明によれば、カレンダー加工を行った際に、ロール剥離性およびシート外観に優れるレーザー彫刻用樹脂組成物ならびにそれを用いたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版の製版方法を提供することができる。
図1(A)および(B)は、レリーフ形成層を形成する層形成工程を説明するための概念図であり、図1(A)は、レーザー彫刻用樹脂組成物を混錬する混練工程を説明するための概念図であり、図1(B)は、混練したレーザー彫刻用樹脂組成物を途中でカットしてシート状に引出し、ロール状に巻き取る工程を説明するための概念図である。 図2は、レリーフ形成層を形成する層形成工程を説明するための概念図であり、カレンダーロールを用いて混錬したレーザー彫刻用樹脂組成物を圧延成形し、シート成形する工程を説明する概念図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、「質量部」および「質量%」は、それぞれ、「重量部」および「重量%」と同義である。
以下の説明における好ましい態様の組合せは、より好ましい態様である。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、レーザー彫刻用樹脂組成物(以下、「本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物」ともいう。)を用い、カレンダーロールによるシート成形を経てレリーフ形成層を形成する層形成工程と、レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を得る架橋工程と、をこの順で有する製造方法である。
また、本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法によって得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版に対してレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程と、レリーフ層の表面をアルカリ水溶液でリンスし、フレキソ印刷版を得るリンス工程とを有する、製版方法である。
更に、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」ともいう。)は、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、カーボンブラック以外の充填剤を含有する樹脂組成物である。
本発明によれば、上述した通り、本発明の樹脂組成物を用いることにより、カレンダー加工を行った際に、ロール剥離性およびシート外観が良好となる。
その詳細な機構は不明であるが、以下のように推察される。
すなわち、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤およびカーボンブラックとともに、充填剤を配合した樹脂組成物を用いることにより、少量の熱重合開始剤で硬化させることができ、かつ、カーボンブラックの分散性が向上し、その結果、カレンダー加工中の早期硬化(架橋)を抑制でき、カレンダー加工における加工性が良好になったためと推察される。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物について詳述した後に、本発明のフレキソ印刷版の製版方法について詳述する。
[レーザー彫刻用樹脂組成物]
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、カーボンブラック以外の充填剤を含有する樹脂組成物である。
次に、本発明の樹脂組成物に含有する各成分および任意成分について説明する。
〔ジエン系ポリマー〕
本発明の樹脂組成物に含有するジエン系ポリマーは特に限定されず、従来公知のジエン系ポリマーを制限なく使用することができる。
上記ジエン系ポリマーとしては、具体的には、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、形成されるレリーフ形成層を用いたフレキソ印刷版原版の膜厚のばらつきが小さくなる理由から、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のジエン系ポリマーであるのが好ましい。
本発明においては、ポリイソプレンまたはポリブタジエンは、それぞれ、主鎖が主としてイソプレンまたはブタジエンを単量体単位とするポリマーであればよく、一部が水素添加されて飽和結合に変換されていてもよい。また、ポリマーの主鎖中または末端が、アミノ基、イソシアナト基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基等で変性されていてもよく、エポキシ化されていてもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基のことをいう。
また、本発明においては、ポリイソプレンまたはポリブタジエンは、それぞれ、主鎖中に占める脂肪族炭化水素(イソプレン、ブタジエンまたはそれらの水素添加物)に由来するモノマー単位の割合が80mol%以上であることが好ましい。
主鎖中に占める脂肪族炭化水素に由来するモノマー単位の割合が80mol%以上であると、彫刻カスのリンス性が良好であるので好ましい。
脂肪族炭化水素に由来するモノマー単位の含有量は、ジエン系ポリマーの主鎖を構成する全モノマー単位の90mol%以上であることがより好ましく、95mol%であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましい。
なお、本発明において、「主鎖」とは樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは主鎖から枝分かれしている炭素鎖を表し、側鎖にはヘテロ原子を含んでもよい。
すなわち、例えば、ポリイソプレンは、イソプレン及びイソプレンの水素添加物に由来するモノマー単位の割合が、合計して80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましく、95mol%以上であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましい。
同様に、ポリブタジエンは、ブタジエン及びブタジエンの水素添加物に由来するモノマー単位の割合が、合計して80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましく、95mol%以上であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましい。
また、ジエン系ポリマーとして、イソプレン/ブタジエン共重合体を使用する場合には、イソプレン、ブタジエン及びそれらの水素添加物に由来するモノマー単位を合計して80mol%以上含有することが好ましく、90mol%以上含有することがより好ましく、95mol%以上含有することが更に好ましく、99mol%以上含有することが特に好ましい。
イソプレンは、触媒や反応条件により、1,2−、3,4−又は1,4−付加により重合することが知られているが、本発明は上記のいずれの付加により重合されたポリイソプレンでもよい。これらの中でも所望のムーニー粘度を得る観点から、主成分としてcis−1,4−ポリイソプレンを含有することが好ましい。なお、cis−1,4−ポリイソプレンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
また、ポリイソプレンとしては、天然ゴムを使用してもよく、また、市販されているポリイソプレンを使用することもでき、例えば、NIPOL IRシリーズ(日本ゼオン株式会社製)が例示される。
ブタジエンは、触媒や反応条件により1,2−又は1,4−付加により重合することが知られているが、本発明は上記のいずれの付加により重合されたポリブタジエンでもよい。これらの中でも、所望のムーニー粘度を得る観点から、1,4−ポリブタジエンが主成分であることがより好ましい。
なお、1,4−ポリブタジエンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
なお、cis体とtrans体の含有量は特に制限はなく、所望のムーニー粘度の範囲で適宜選択すればよいが、ゴム弾性を発現させる観点から、cis体が好ましく、cis−1,4−ポリブタジエンの含有量が50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
ポリブタジエンとしては、市販されている製品を使用してもよく、例えば、NIPOL BRシリーズ(日本ゼオン株式会社製)、UBEPOL BRシリーズ(宇部興産株式会社製)等が例示される。
一方、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)は、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が25〜90であるポリマーであるのが好ましい。なお、ムーニー粘度ML1+4(100℃)は、ASTM D 1646の規定に準じて測定される値である。
また、EPDMは、エチレン含量が40〜70質量%であるポリマーであるのが好ましく、ジエン含量が1〜20質量%であるポリマーであるのが好ましい。
また、EPDMのジエン成分としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4ヘキサジエン等が挙げられる。
本発明においては、耐刷性が良好となる理由から、ジエン系ポリマーとして、ポリブタジエンとポリイソプレンとを併用するのが好ましい。
ここで、ポリブタジエンとポリイソプレンとを併用する場合の質量比(ポリブタジエン/ポリイソプレン)は、30/70〜90/10であるのが好ましく、40/60〜80/20であるのがより好ましい。
本発明においては、ジエン系ポリマーは、カレンダーロールによりシート成形したレリーフ形成層の引張強度の観点から、重量平均分子量は200,000以上であることが好ましく、300,000〜2,000,000であることがより好ましく、300,000〜1,500,000であることが更に好ましく、300,000〜700,000であることが特に好ましい。
ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。具体的には、例えば、GPCは、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー株式会社製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー株式会社製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
また、本発明においては、ジエン系ポリマーのムーニー粘度は、耐刷性の観点から、20以上であることが好ましく、25以上であることがより好ましく、35以上であることが更に好ましい。
同様に、ジエン系ポリマーのムーニー粘度は、溶剤溶解性や混合時の取り扱いの簡便さから、90以下であることが好ましく、70以下であることがより好ましく、60以下であることが更に好ましい。
ここで、ムーニー粘度は、JIS K6300−1に準拠して測定した値である。具体的には、温度制御が可能なダイ間に円筒状の空間を形成して試料室とすると共に、その試料室の中心部にローターを配置し、試料室内に被測定試料を充填してその温度を所定の温度に保った状態で、ローターを規定回転数で回転させ、溶融した試料の粘性抵抗によって生じるローターの反トルクをロードセルで検出することによって測定される。なお、本発明で用いるムーニー粘度の値は、L型ローターを用いて、100℃で1分間の予熱期間をおいてローターを回転させ、4分後のムーニー粘度(ML1+4)を示している。
ジエン系ポリマーの樹脂組成物中の含有量は、全固形分に対して、5〜90質量%であることが好ましく、15〜85質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましい。ジエン系ポリマーの含有量が上記範囲内であると、彫刻カスのリンス性に優れ、インキ転移性に優れるレリーフ層が得られるので好ましい。
〔熱重合開始剤〕
本発明の樹脂組成物に含有する熱重合開始剤は特に限定されず、従来公知の熱重合開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤等)を制限なく使用することができる。
上記熱重合開始剤としては、具体的には、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)イオウ系化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、半減期温度が高く、その結果、樹脂組成物の混練時のスコーチ(早期硬化)を抑制することができり理由や、彫刻感度と、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった理由などから、架橋剤として機能する(c)有機過酸化物および(d)イオウ系化合物が特に好ましい。
ここで、上記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、および、(l)アゾ系化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
一方、好適例である(c)有機過酸化物および(d)イオウ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
<有機過酸化物>
上記有機過酸化物としては、具体的には、例えば、ジクミルペルオキシド(10時間半減期温度:116℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(10時間半減期温度:119℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度:118℃)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、有機過酸化物の形態としては、原体のまま使用することも可能であるが、取扱い上の問題(危険性、作業性など)から、原体を炭酸カルシウムなどの無機フィラーに吸着させた濃度40wt%の希釈品(非危険物、粉状)や更に、混練時の粉立ち防止、ポリマーへの分散性改善を目的としたマスターバッチタイプの希釈品をより好ましく用いることができる。
原体としては、例えば、パークミルD(日油株式会社製)、PerkadoxBC−FF(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックスDC(アルケマ吉富株式会社製)、パーブチルP(日油株式会社製)、パーカドックス14(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックスF(アルケマ吉富株式会社製)、ルペロックスF90P(アルケマ吉富株式会社製)、パーヘキサ25B(日油株式会社製)、カヤヘキサAD(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックス101(アルケマ吉富株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、希釈品としては、例えば、パークミルD−40(日油株式会社製:不活性充填剤希釈品)、パークミルD−40MB(日油株式会社製:シリカ/ポリマー他希釈品)、カヤクミルD−40C(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、カヤクミルD−40MB−S(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、カヤクミルD−40MB(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、パーブチルP−40(日油株式会社製:不活性充填剤希釈品)、パーブチルP−40MB(日油株式会社製:シリカ/ポリマー他希釈品)、パーカドックス14/40(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、パーカドックス14−40C(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、ルペロックスF40(アルケマ吉富株式会社製)、パーヘキサ25B−40(日油株式会社製:シリカ他希釈品)、カヤヘキサAD−40C(化薬アクゾ株式会社製:ケイ酸カルシウム希釈品)、トリゴノックス101−40MB(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、ルペロックス101XL(アルケマ吉富株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
<イオウ系化合物>
イオウ系化合物としては、例えば、イオウ(元素状硫黄)、塩化イオウ、二塩化イオウ、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物、チウラム化合物、チオカルバミン酸化合物、多官能メルカプト化合物等が挙げられ、中でも、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、ジスルフィド化合物、チウラム化合物、チオカルバミン酸化合物、多官能メルカプト化合物が好適に挙げられる。
このようなイオウ系化合物の具体例としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオプロピオネート等が挙げられる。
これらのうち、イオウ、アルキルフェノールジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)が好ましく、アルキルフェニールジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)がより好ましい。
本発明においては、熱重合開始剤は、彫刻カスのリンス性に優れ、耐刷性やインキ着肉性も良好となる理由から、ジエン系ポリマー100質量部に対して0.1〜3質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましく、0.3〜1.5質量部であるのが更に好ましい。
〔カーボンブラック〕
本発明の樹脂組成物に含有するカーボンブラックは特に限定されず、樹脂組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。
ここで、本発明においては、カーボンブラックは、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進する光熱変換剤として機能していると考えられる。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、これらのカーボンブラックは、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができるが、コストの観点から粉体で使用することが好ましい。
本発明においては、カーボンブラックの平均粒子径は、樹脂組成物の粘度や加工性が良好となり、また、耐刷性が良好となる理由から、13nm以上50nm以下であることが好ましく、15nm以上40nm以下であることがより好ましく、15nm以上31nm以下であることが特に好ましい。
ここで、カーボンブラックおよび後述する充填剤における平均粒子径は、数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(以下、「N2SA」とも略す。)は、25m2/g以上180m2/g以下が好ましい。N2SAが25m2/gに満たないと、カーボンブラック補強効果が得られず、一方、N2SAが180m2/gを超えると、カーボンブラックゲル生成が過剰となり、所定のゴム強度、伸びが各々得られなくなるおそれがある。用いるカーボンブラックのN2SAは30m2/g以上160m2/g以下であることがより好ましく、40m2/g以上150m2/g以下であることが特に好ましい。
ここで、カーボンブラックおよび後述するシリカにおけるN2SAは、JIS K6217−2:2001によって求められる。
本発明においては、カーボンブラックの含有量は、レーザー彫刻時の感度が良好となり、インキ着肉性も良好となる理由から、ジエン系ポリマー100質量部に対して3〜30質量部であることが好ましく、5質量部以上25質量部未満であることがより好ましく、5質量部以上20質量部未満が特に好ましい。
また、上記カーボンブラックとしては、ゴム用カーボンブラックを用いることができ、その具体例としては、SAF、SAF−HS、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、IISAF、IISAF−HS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、LI−HAF、FEF、FEF−HS、MAF、MAF−HS、T−NS等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的には、カーボンブラック年鑑No.48に掲載された以下に示すカーボンブラックを使用することができるが、これらに限定されるものではない。なお、以下に示す各カーボンブラックの括弧内の数値は、左から順に、平均粒子径(nm)、窒素吸着比表面積(m2/g)を表わす。
旭カーボン株式会社製のカーボンブラックとしては、例えば、旭♯78(22nm、124m2/g)、旭♯80(22nm、115m2/g)、旭♯70(28nm、77m2/g)、旭♯70L(27nm、84m2/g)、旭F−200(38nm、51m2/g)、旭♯66(44nm、43m2/g)、旭♯65(44nm、42m2/g)、旭♯60HN(40nm、48m2/g)、旭♯60H(41nm、45m2/g)、旭♯60U(43nm、43m2/g)、旭♯60(45nm、40m2/g)、旭AX−015(19nm、145m2/g)等が挙げられる。
新日化カーボン株式会社製のカーボンブラックとしては、例えば、♯300IH(19nm、120m2/g)、♯300(24nm、117m2/g)、♯200IS(26nm、95m2/g)、♯200(29nm、75m2/g)、♯200L(29nm、81m2/g)、♯200IN(31nm、71m2/g)、♯10(40nm、49m2/g)、♯10K(39nm、48m2/g)、♯10S(42nm、53m2/g)、♯100(44nm、41m2/g)等が挙げられる。
東海カーボン株式会社製のカーボンブラックとしては、例えば、シースト9H(18nm、142m2/g)、シースト9(19nm、142m2/g)、シースト7HM:N234(19nm、126m2/g)、シースト6(22nm、119m2/g)、シースト600(23nm、106m2/g)、シースト5H(22nm、99m2/g)、シーストKH:N339(24nm、93m2/g)、シースト3H(27nm、82m2/g)、シーストNH:N351(29nm、74m2/g)、シースト3(28nm、79m2/g)、シーストN(29nm、74m2/g)、シースト300(28nm、84m2/g)、シースト116HM(38nm、56m2/g)、シースト116(38nm、49m2/g)、シーストFM(50nm、42m2/g)、シーストSO(43nm、42m2/g)等が挙げられる。
三菱化学株式会社製のカーボンブラックとしては、例えば、ダイアブラックA(19nm、142m2/g)、ダイアブラックN234(22nm、123m2/g)、ダイアブラックI(23nm、114m2/g)、ダイアブラックLI(23nm、107m2/g)、ダイアブラックII(24nm、98m2/g)、ダイアブラックN339(26nm、96m2/g)、ダイアブラックSH(31nm、78m2/g)、ダイアブラックH(31nm、79m2/g)、ダイアブラックLH(31nm、84m2/g)、ダイアブラックHA(32nm、74m2/g)、ダイアブラックN550M(43nm、47m2/g)、ダイアブラックE(48nm、41m2/g)等が挙げられる。
また、上記カーボンブラックとしては、カラー用カーボンブラックを用いることができ、その具体例としては、以下に示す市販のカーボンブラックを使用することができるが、これらに限定されるものではない。括弧内は順に、平均粒子径(nm)、窒素吸着比表面積(m2/g)を表わす。
三菱化学株式会社製のカーボンブラックとしては、例えば、♯1000(18nm、180m2/g)、MCF88(18nm、180m2/g)、MA600(20nm、140m2/g)、♯750B(22nm、124m2/g)、♯650B(22nm、124m2/g)、♯52(27nm、88m2/g)、♯47(23nm、132m2/g)、♯45(24nm、120m2/g)、♯45L(24nm、125m2/g)、♯44(24nm、110m2/g)、♯40(24nm、115m2/g)、♯33(30nm、85m2/g)、♯32(30nm、83m2/g)、♯30(30nm、74m2/g)、♯25(47nm、55m2/g)、♯20(50nm、45m2/g)、♯95(40nm、55m2/g)、♯85(40nm、60m2/g)、♯260(40nm、70m2/g)、MA77(23nm、130m2/g)、MA7(24nm、115m2/g)、MA8(24nm、120m2/g)、MA11(29nm、92m2/g)、MA100(24nm、110m2/g)、MA100R(24nm、110m2/g)、MA100S(24nm、110m2/g)、MA230(30nm、74m2/g)、MA14(40nm、56m2/g)等が挙げられる。
〔カーボンブラック以外の充填剤〕
本発明の樹脂組成物は、上述したカーボンブラック以外の充填剤を含有する。
本発明においては、上述した通り、充填剤を含有することにより、カレンダー加工中の早期硬化(架橋)を抑制でき、カレンダー加工における加工性が良好となる。具体的には、充填剤を添加することにより、未硬化膜のtanδ(=G’’/G’:G’は貯蔵弾性率、G’’は損失弾性率)を上げることができ、加工性が良好となる。
充填剤は、有機でも無機でもよいが、加工性がより良好となる理由や、コストや硬化膜の強度の観点から、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、および、ステアリン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いるのが好ましく、シリカおよび/または炭酸カルシウムを用いるのが特に好ましい。
上記シリカは特に限定されないが、その具体例としては、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム等が挙げられる。中でも加工性、硬化膜強度の点から、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、含水微粉ケイ酸が好ましい。
本発明においては、加工性がより良好となる理由から、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/gのものを用いるのが好ましく、100〜200m2/gのものを用いるのがより好ましい。
また、シリカ以外の充填剤については、レーザー彫刻時のレリーフのエッジ形状が良好となる理由から、平均粒子径が0.005〜20μmのものを用いるのが好ましく、0.01〜6μmのものを用いるのがより好ましい。
具体的には、以下に示す市販の充填剤を使用することができるが、これらに限定されるものではない。なお、以下に示す各充填剤の括弧内の数値は、窒素吸着比表面積(m2/g)または平均粒子径(nm)を表わす。
日本アエロジル株式会社製の充填剤としては、例えば、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−812(260±30m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−972(110±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−974(170±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−104(150±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−202(100±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−805(150±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−816(190±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−7200(150±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−8200(160±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−9200(170±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−711(150±25m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 130(130±25m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 150(150±15m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 200(200±25m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL TT600(200±50m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 200SP(200±25m2/g)等が挙げられる。
日本シリカ工業株式会社製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:ニップシールAQ(202m2/g)等が挙げられる。
株式会社トクヤマ社製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:トクシールGU(120m2/g)等が挙げられる。
Rhodia Silica korea社製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:Zeosil 165GR(144m2/g)等が挙げられる。
United Silica Industrial社製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:Ultrasil 7000GR(159m2/g)等が挙げられる。
デグサジャパン株式会社製の充填剤としては、例えば、沈降シリカ:Ultrasil VN3(175m2/g)等が挙げられる。
近江化学工業株式会社製の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム:サクセス200S(平均粒子径:0.04μm)、炭酸カルシウム:サクセス200R(平均粒子径:0.08μm)等が挙げられる。
竹原化学工業株式会社製の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム:タンカル200(平均粒子径:2.7μm)等が挙げられる。
Imerys社製の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム:Polcarb 90(平均粒子径:0.85μm)等が挙げられる。
株式会社ヤマグチマイカ製の充填剤としては、例えば、マイカ:A−11(平均粒子径:3μm)等が挙げられる。
日本タルク株式会社製の充填剤としては、例えば、タルク:D−1000(平均粒子径:1μm)等が挙げられる。
日本ミストロン株式会社製の充填剤としては、例えば、タルク:ミストロンベーパー(平均粒子径:5.5μm)等が挙げられる。
川村化成工業株式会社製の充填剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明においては、充填剤の含有量は、加工性がより良好となり、耐刷性やインキ着肉性も良好となる理由から、ジエン系ポリマー100質量部に対して0.01質量部以上50質量部未満であることが好ましく、0.05質量部以上45質量部未満であることがより好ましく、0.1質量部以上40質量部未満が特に好ましい。
なお、充填剤の上記含有量は、2種以上の充填剤を併用する場合は、各充填剤の含有量のことをいう。
また、本発明においては、ロール剥離性がより良好となる理由から、上記充填剤として、ステアリン酸金属塩を用いるのが好ましい。
ステアリン酸金属塩を用いる場合の含有量は、ロール剥離性が更に良好となり、また、カレンダーロールの汚染を抑制する観点から、ジエン系ポリマー100質量部に対して0.01質量部以上10質量部未満であることが好ましく、0.05質量部以上5質量部未満であることがより好ましく、0.1質量部以上2質量部未満が特に好ましい。
更に、本発明においては、耐刷性が良好となる理由から、上記充填剤として、シリカと炭酸カルシウムとを併用するのが好ましい。
ここで、シリカと炭酸カルシウムとを併用する場合の質量比(シリカ/炭酸カルシウム)は、25/75〜80/20であるのが好ましく、30/70〜75/25であるのがより好ましく、35/65〜70/30であるのが更に好ましい。
以下、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラックおよび充填剤以外に、本発明の樹脂組成物が含有しうる各種成分について説明する。
〔重合性化合物〕
本発明の樹脂組成物は、架橋構造の形成を促進する観点から、更に、重合性化合物を含有してもよい。
重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」という。)であるのが好ましい。
<エチレン性不飽和化合物>
上記エチレン性不飽和化合物としては、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよいが、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。具体的には、多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2〜20個有する化合物が好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限なく用いることができる。
また、上記エチレン性不飽和化合物は、上述したジエン系ポリマー以外のエチレン性不飽和化合物であり、分子量1,000未満の化合物であるのが好ましい。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基が由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシ基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアナト基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物、アリル化合物、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
本発明の樹脂組成物に含むことができる、エチレン性不飽和基化合物としては、反応性の観点から、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、ビニル化合物、及び、アリル化合物が好ましい。
アリル化合物としては、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアリルエーテル、1,4−ジエチルシクロヘキシルジアリルエーテル、1,8−オクタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、リン酸トリアリル等が挙げられる。
これらの中でも、アリル化合物としては、イソシアヌル酸トリアリル、及び、シアヌル酸トリアリルが特に好ましい。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
ビニル化合物としては、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和化合物は、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
上記エチレン性不飽和化合物の含有量は、樹脂組成物の全質量に対し、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
〔重合開始剤〕
本発明の樹脂組成物は、上述した重合性化合物(特にエチレン性不飽和化合物)を含有する場合は、重合開始剤を併用するのが好ましい。
上記重合開始剤は、従来公知の重合開始剤を制限なく使用することができる。
また、上記重合開始剤は、ラジカル重合開始剤であっても、カチオン重合開始剤であってもよいが、ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
また、上記重合開始剤は、熱重合開始剤であっても、光重合開始剤であってもよいが、熱重合開始剤であることが好ましい。
なお、上述した重合性化合物と併用する任意の重合開始剤として、熱重合開始剤を用いる場合には、上述した必須成分としての熱重合開始剤と同様のものを用いることができるため、任意の重合開始剤は添加しなくてもよい。
〔その他の添加剤(任意成分)〕
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、公知の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、架橋助剤、シランカップリング剤、他の充填剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法]
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法(以下、「本発明の印刷版原版の製造方法」とも略す。)は、上述した本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を用いて、カレンダーロールによるシート成形を経てレリーフ形成層を形成する層形成工程と、レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を得る架橋工程と、をこの順で有する製造方法である。
[フレキソ印刷版の製版方法]
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明の原版の製造方法によって得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版に対してレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程と、レリーフ層の表面をアルカリ水溶液でリンスし、フレキソ印刷版を得るリンス工程とを有する、製版方法である。
ここで、フレキソ印刷版およびフレキソ印刷版原版の説明に関し、未架橋の架橋性層を「レリーフ形成層」と称し、上記レリーフ形成層を架橋した層を「架橋レリーフ形成層」と称し、これをレーザー彫刻して表面に凹凸を形成した層を「レリーフ層」と称する。
また、上記架橋は、熱により行われる。また、上記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、ジエン系ポリマー同士の反応による架橋構造を含む概念であるが、ジエン系ポリマーが他の成分と反応して架橋構造を形成していてもよい。架橋レリーフ形成層を有する印刷版原版をレーザー彫刻し、リンスすることにより「フレキソ印刷版」が作製される。
また、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、上記「レリーフ形成層」および「架橋レリーフ形成層」(以下、これらをまとめて「(架橋)レリーフ形成層」という。)は、支持体上に設けられていてもよい。
同様に、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、必要により更に、支持体と(架橋)レリーフ形成層との間に接着層を、また、(架橋)レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
以下、層形成工程、架橋工程、彫刻工程、および、リンス工程について、説明する。
〔層形成工程〕
本発明の印刷版原版の製造方法の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程を含む。
レリーフ形成層の形成方法としては、例えば、混練により調製したレーザー彫刻用樹脂組成物(混練物)をシート状に成形する方法等が挙げられる。また、シート成形は、混練されたレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に設けた状態で実施されてもよいし、支持体がない状態で実施されてもよい。
<混練工程>
以下、混練によりレーザー彫刻用樹脂組成物を調製する混練工程について説明する。
ジエン系ポリマーと熱重合開始剤とカーボンブラックと充填剤を混練する方法は特に限定されないが、例えば、これらを同時に混練する方法(以下、「方法A」とも略す。)、ジエン系ポリマーとカーボンブラックと充填剤とを先に予備混練しておき、その後、熱重合開始剤を添加して混練する方法(以下、「方法B」とも略す。)等が挙げられる。
これらのうち、カーボンブラックの分散性が向上し、熱重合開始剤の熱分解性が抑制される観点から、方法Bであるのが好ましい。
混練機としては、例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、インターミックスミキサー、ニーダーなどの密閉式混練機や、ミキシングロール(オープンロール)などの非密閉式(オープン型)混練機を挙げられるが特に限定するものではない。
また、上述した方法Bにより混練する場合、ジエン系ポリマーとカーボンブラックと充填剤との予備混練は、カーボンブラックの分散度を上げる目的で密閉式のミキサーで混練することが好ましく、熱重合開始剤を添加した後は、安全性の観点から、ミキシングロール(オープンロール)などの非密閉式の混練機で混練することが好ましい。
また、上述した方法Bにより混練する場合の予備混練は、カーボンブラックの分散性の観点やジエン系ポリマーの酸化を抑制する観点から、25℃〜200℃が好ましく、40℃〜180℃がより好ましく、60℃〜160℃が特に好ましい。また、同様の観点から、混練時間は、1分〜60分が好ましく、3分〜40分がより好ましく、5分〜20分が特に好ましい。
一方、熱重合開始剤を添加した後の混練温度は、スコーチを抑制する観点から、25℃〜120℃が好ましく、30℃〜100℃がより好ましく、40℃〜80℃が特に好ましい。同様の観点から、混練時間は1分〜60分が好ましく、3分〜40分がより好ましく、5分〜20分が特に好ましい。
なお、上述した方法Aにより混練する場合、混練温度および混練時間は、方法Bにおける熱重合開始剤を添加した後の混練温度および混練時間と同様である。
また、方法Aおよび方法Bなどの混練は、空気下で行ってもよく、ポリマーの酸化劣化を抑制するために窒素などの不活性ガス下で行ってもよい。
<シート成形工程>
以下、混練により調製したレーザー彫刻用樹脂組成物(混練物)をシート状に成形するシート成形工程について説明する。
混練により調製したレーザー彫刻用樹脂組成物(混練物)は、シート成形工程でカレンダー加工により圧延成形されシート状にされる。
カレンダーロールは、1組のロール(上下1対の2本のロール)から複数のロールの組み合わせを有するカレンダーロールを使用することができ、製品に要求される膜厚精度に応じて、ロール数及びロール間隔(クリアランス)を設定することができる。ロール数は2本以上であり、目的に応じて適宜選択することができる。また、ロールの形状は、ロールの組み合わせの仕方により様々な形状に設定することができ、例えば4本のロールの組み合わせでは、4本が縦に並んだI型をはじめ、S型、逆L型、Z型、斜Z型など様々な配列を取らせることができる。ロール間隔は通常、最初のロール間隔を目的の膜厚より大きめに設定し、徐々に小さくし、最後のロール間隔を、出来上がりのシート膜厚が目的の膜厚になるように設定する。
図1および図2に、シート成形工程で行われるカレンダー加工の一例を説明するための概念図を示す。
まず、図1(A)に示すように、一対のロール2a、2bからなるウォームアップロール1を所定の温度でレーザー彫刻用樹脂組成物を予備混錬する。その後、図1(B)に示すように、ロール2bに巻きついた樹脂組成物を途中でカットしてシート状に引出し、ロール状に巻きとる。
次に、図2に示すように、複数のロールを有するカレンダーロール3を用いて、予備混錬した樹脂組成物を圧延成形する。
図2に示すカレンダーロール3は、4本のロールが逆L字に配置されたカレンダーロールである。具体的には、カレンダーロール3は、水平方向に隣接して配置され対をなす、第1ロール4aおよび第2ロール4b、第2ロール4bの鉛直下方に配置され、第2ロール4bと対をなす、第3ロール4c、ならびに、第3ロール4cの鉛直下方に配置され、第3ロール4cと対をなす、第4ロール4dとを有する。カレンダーロール3は、樹脂組成物を、第1ロール4aと第2ロール4bとの間、第2ロール4bと第3ロール4cとの間、第3ロール4cと第4ロール4dとの間を順次、通過させることにより、圧延加工してシート状に成形する。
前述のとおり、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラックおよび充填剤を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物を用いてカレンダー加工を行うので、カレンダー加工中に硬化が進行してしまうことを抑制することができるので、本発明の印刷版原版の製造方法は、カレンダー加工を好適に行うことができる。これにより、膜厚精度を向上することができ、耐刷性を向上でき、また、製造効率を高くすることができ、材料コスト及び設備コストを抑制することができる。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版における(架橋)レリーフ形成層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下が更に好ましい。
膜厚精度としては、彫刻感度の均一性や印刷画質の均一性の点から、レンジで15%以下にすることが好ましい。
カレンダーロールでシート化するには、加工性を上げるために原材料であるレーザー彫刻用樹脂組成物(混練物)を適切な温度に熱しておき、カレンダーロールも加熱しておくことが望ましい。混練物を加熱するために通常、ウォームアップロールを使用することができる。ウォームアップロールで混練物を加熱しながらロールになじませることができる。ロール温度は、混練物がロールになじみやすくなり、また、ロール剥離性がより良好となり、次工程への搬送が容易となる理由から、40℃〜60℃が好ましい。
その後、カレンダーロールでシート化するが、カレンダーロールは前述したように通常、ロール間隔の広いロール対とロール間隔の狭いロール対から成るのが好ましい。初期のロール温度は、ウォームアップロール同様に40℃〜60℃が好ましい。温度がこの範囲であると、混練物がロールになじみやすくなり、次工程への搬送が容易となる。後期のロール温度は、70℃〜120℃が好ましい。温度がこの範囲であると、膜厚精度が良好となり、また、次工程への搬送が容易となり、さらに、熱重合開始材の分解を抑制し、スコーチの発生を抑制することができる。
カレンダーロールでのシートの搬送速度は、0.1m/分〜100m/分が好ましく、0.5m/分〜10m/分がより好ましい。速度がこの範囲であると、シート表面が滑らかとなり、表面凹凸の小さなシートを成形することができ、また、次工程への搬送が容易となる。
カレンダーロールで圧延成形された直後の高温度のシートは内部歪を有していることがあるため、収縮などによる寸法変化を抑制する観点から、圧延成形された高温度のシートは、例えば複数のアニールロール、冷却ロールを通されて冷却された後に、架橋工程へ搬送されるのが好ましい。その際、剥離シート(フィルム)を介してローラ状に巻き取られて一旦保管されてもよいし、そのまま架橋工程へ搬送されてもよい。
シート成形工程は、混練されたレーザー彫刻用樹脂組成物を後述する支持体上に設けた状態で実施されてもよいし、支持体がない状態で実施されてもよい。
〔架橋工程〕
本発明の印刷版原版の製造方法は、上記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を得る架橋工程を含む。
レリーフ形成層が熱重合開始剤を含有するので、レリーフ形成層を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる。
レリーフ形成層の架橋方法としは、例えば、レリーフ形成層を表面から内部まで均一に硬化(架橋)可能という観点で、熱による架橋を行う方法が好ましい。
レリーフ形成層を架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。また、素材の一般的な性質として、低分子なものほど固形ではなく液状になり、すなわち粘着性が強くなる傾向がある。レリーフ形成層を彫刻する際に発生する彫刻カスは、低分子の材料を多く用いるほど粘着性が強くなる傾向がある。低分子である重合性化合物は架橋することで高分子になるため、発生する彫刻カスは粘着性が少なくなる傾向がある。
上記架橋工程を、熱により行うことで、特別高価な装置を必要としない利点がある。
架橋工程については、シート成形後架橋工程前にカッターで目的の大きさ及び形状に裁断した後に架橋してもよいし、シート成形後の連続したシートのまま架橋してもよい。前者の場合は、加熱プレス機が使用される。
熱架橋設備としては、熱風加熱炉、加熱プレス機(枚葉型加熱プレス機、連続型プレスコンベア)、加熱ロール等を挙げられるが特に限定するものではない。架橋工程前にカッターで目的の大きさに裁断した後に架橋する場合は、枚葉型加熱プレス機が使用される。
加熱温度は、硬化膜の強度(耐刷性)、リンス性および表面タックの観点から、100℃〜200℃が好ましく、120℃〜190℃がより好ましく、140℃〜180℃が特に好ましい。加熱時間は、1分〜100分が好ましく、3分〜60分がより好ましく、5分〜30分が特に好ましい。
加熱温度、加熱時間の一般的目安として、熱重合開始剤の半減期1分を得る温度で加熱するならば、加熱時間は5〜10分である。前述した好ましい有機過酸化物の1分間半減期温度は以下である。ジクミルペルオキシド(175℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(175℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(179℃)。但し、1分間半減期温度以下の温度であっても、時間を延長することにより架橋を十分進行させることができる。
加熱する際に、プレスしながら加熱してもよい。そのときの圧力は、膜厚精度の点で、1MPa〜20MPaが好ましく、3MPa〜12MPaがより好ましい。この範囲内の圧力だと、プレス機の型板間で受ける圧力とその圧力に対抗するシートの弾性反発力等の反力とが釣り合うことで、プレス機の型板間が所定の距離に維持され、熱架橋されるため、膜厚はほとんど変化しない。
架橋工程は、レリーフ形成層単独の状態で行ってもよいし、レリーフ形成層の片面あるいは両面にシート(フィルム)を有した状態で行ってもよい。例えば、上記シート成形工程が、混練されたレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に設けた状態で実施された場合、その支持体を有したまま架橋してもよいし、剥離してレリーフ層単独で架橋してもよい。また、シート成形工程後、一旦剥離シート(フィルム)を介してローラ状に巻き取られる場合、剥離シート(フィルム)を有したまま架橋してもよいし、剥離してレリーフ層単独で架橋してもよい。その場合使用されるシート(フィルム)は、前述のシート成形工程で記載した支持体に使用されるシート(フィルム)を使用することができる。
架橋レリーフ形成層に、必要に応じて支持体、接着層、保護フィルム、スリップコート層を付与することにより、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版とすることができる。その場合の、支持体、接着層、保護フィルム、スリップコート層について説明する。
<支持体>
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル));ポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂;スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム;ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など);等が挙げられる。
支持体としては、PETフィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、架橋レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
<接着層>
架橋レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に用いることができる材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。
<保護フィルム、スリップコート層>
架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムをラミネート(積層)してもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
保護フィルムのラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムと架橋レリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶剤を含浸させた架橋レリーフ形成層に保護フィルムを密着させることによって行うことができる。保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上に架橋レリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆に架橋レリーフ形成層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。
スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
保護フィルムは、架橋工程の後にラミネートしてもよく、架橋工程の前にラミネートしてもよく、特に限定されない。また、保護フィルムは彫刻工程の前に除去される。
〔彫刻工程〕
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、上記架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含む。
彫刻工程は、上記架橋工程で架橋された架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、架橋レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、架橋レリーフ形成層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で架橋レリーフ形成層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
彫刻工程に用いられる赤外線レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましい。特に、ファイバー付き半導体赤外線レーザー(FC−LD)が好ましく用いられる。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率かつ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、本発明における彫刻工程には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、「実用レーザー技術」電子通信学会等に記載されている。
また、本発明のフレキソ印刷版原版を用いたフレキソ印刷版の製版方法に好適に用いることができるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るフレキソ印刷版の製版に使用することができる。
〔リンス工程〕
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、彫刻工程に次いで、レリーフ層の表面をアルカリ水溶液でリンスするリンス工程を有する。すなわち、本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、リンス工程におけるリンス液として、アルカリ水溶液を使用する。本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、リンス工程を有することにより、レリーフ層の表面の付着・残留する彫刻カスを洗い流し、除去する。
リンスの手段として、アルカリ水溶液に浸漬する方法、アルカリ水溶液に浸漬しながら、リンス液を回転させたり、彫刻板をブラシで摺る方法、アルカリ水溶液をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主にアルカリ水溶液の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
本発明に用いることができるリンス液(アルカリ水溶液)のpHは、10.0以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましく、13以上であることが更に好ましい。また、リンス液のpHは14以下であることが好ましい。上記範囲であると、リンス性に優れる。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶剤として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶剤を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、更に、必要に応じて以下に示す、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
ここで、彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有するフレキソ印刷版が得られる。
フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
また、フレキソ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、25℃において、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる。)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
本発明のフレキソ印刷版は、フレキソ印刷機による水性インキでの印刷に特に好適であるが、凸版用印刷機による水性インキ、油性インキ及びUVインキ、いずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。本発明のフレキソ印刷版は、リンス性に優れており彫刻カスの残存がなく、かつ、得られたレリーフ層が弾性に優れるため、水性インキ転移性及び耐刷性に優れ、長期間にわたりレリーフ層の塑性変形や耐刷性低下の懸念がなく、印刷が実施できる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
なお、実施例におけるポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、特に断りのない限りにおいて、GPC法で測定した値を表示している。
各実施例および比較例で使用した成分の詳細は以下の通りである。
〔ジエン系ポリマー〕
(A−1)UBEPOL BR150:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):43、宇部興産株式会社製)
(A−2)UBEPOL BR150B:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):40、宇部興産株式会社製)
(A−3)UBEPOL BR130B:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):29、宇部興産株式会社製)
(A−4)UBEPOL BR150L:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):43、宇部興産株式会社製)
(A−5)UBEPOL BR360L:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):51、宇部興産株式会社製)
(A−6)Nipol IR2200:ポリイソプレン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):82、日本ゼオン株式会社製)
(A−7)Nipol IR2200L:ポリイソプレン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):70、日本ゼオン株式会社製)
(A−8)UBEPOL VCR412:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):45、宇部興産株式会社製)
(A−9)UBEPOL BR15HL:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):43、宇部興産株式会社製)
(A−10)JSR BR01:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):45、JSR株式会社製)
(A−11)Nipol 1502:SBR(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):52、日本ゼオン株式会社製)
(A−12)MITUI EPT1045:EPDM(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):38、エチレン含量:58質量%、ジエン含量:5質量%、ジエン種:ジシクロペンタジエン(DCPD)、三井化学株式会社製)
(A−13)エスレックBH−6(比較例):ポリビニルブチラール(Mw=9.2×104、積水化学工業株式会社製)
〔熱重合開始剤〕
(B−1)パークミルD−40:有機過酸化物、ジクミルペルオキシド(40質量%)、日油株式会社製
(B−2)パークミルD−40MB:有機過酸化物、ジクミルペルオキシド(40質量%)、日油株式会社製
(B−3)カヤクミルD−40C:有機過酸化物、ジクミルペルオキシド(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−4)カヤクミルD−40MB−S:有機過酸化物、ジクミルペルオキシド(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−5)カヤクミルD−40MB:有機過酸化物、ジクミルペルオキシド(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−6)パーブチルP−40:有機過酸化物、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(40質量%)、日油株式会社製
(B−7)パーブチルP−40MB:有機過酸化物、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(40質量%)、日油株式会社製
(B−8)パーカドックス14/40:有機過酸化物、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−9)パーカドックス14−40C:有機過酸化物、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−10)ルペロックスF40:有機過酸化物、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(40質量%)、アルケマ吉富株式会社製
(B−11)パーヘキサ25B−40:有機過酸化物、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(40質量%)、日油株式会社製
(B−12)カヤヘキサAD−40C:有機過酸化物、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−13)トリゴノックス101−40MB:有機過酸化物、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(40質量%)、化薬アクゾ株式会社製
(B−14)ルペロックス101XL:有機過酸化物、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(45質量%)、アルケマ吉富株式会社製
〔カーボンブラック〕
(C−1)旭♯78:旭カーボン株式会社製(平均粒子径:22nm、窒素吸着比表面積:124m2/g)
(C−2)旭♯80:旭カーボン株式会社製(平均粒子径:22nm、窒素吸着比表面積:115m2/g)
(C−3)旭♯70:旭カーボン株式会社製(平均粒子径:28nm、窒素吸着比表面積:77m2/g)
(C−4)♯10K:新日化カーボン株式会社製(平均粒子径:39nm、窒素吸着比表面積:48m2/g)
(C−5)♯10S:新日化カーボン株式会社製(平均粒子径:42nm、窒素吸着比表面積:53m2/g)
(C−6)♯100:新日化カーボン株式会社製(平均粒子径:44nm、窒素吸着比表面積:41m2/g)
(C−7)シースト9:東海カーボン株式会社製(平均粒子径:19nm、窒素吸着比表面積:142m2/g)
(C−8)シースト9H:東海カーボン株式会社製(平均粒子径:18nm、窒素吸着比表面積:142m2/g)
(C−9)シースト3:東海カーボン株式会社製(平均粒子径:28nm、窒素吸着比表面積:79m2/g)
(C−10)ダイアブラックA:三菱化学株式会社製(平均粒子径:19nm、窒素吸着比表面積:142m2/g)
(C−11)♯45L:三菱化学株式会社製(平均粒子径:24nm、比表面積:125m2/g)
(C−12)♯25:三菱化学株式会社製(平均粒子径:47nm、比表面積:55m2/g)
〔カーボンブラック以外の充填剤〕
(D−1)シリカ1:疎水性フュームドシリカ AEROSIL R−974(日本アエロジル株式会社製、窒素吸着比表面積:170±20m2/g)
(D−2)シリカ2:疎水性フュームドシリカ AEROSIL R−972(日本アエロジル株式会社製、窒素吸着比表面積:110±20m2/g)
(D−3)シリカ3:含水微粉ケイ酸 ニップシールAQ(日本シリカ工業株式会社製、窒素吸着比表面積:202m2/g)
(D−4)シリカ4:含水微粉ケイ酸 トクシールGU(株式会社トクヤマ社製、窒素吸着比表面積:120m2/g)
(D−5)シリカ5:沈降シリカ Ultrasil VN3(デグサジャパン株式会社製、窒素吸着比表面積:175m2/g)
(D−6)炭酸カルシウム:サクセス200S(近江化学工業株式会社製)
(D−7)マイカ:A−11(株式会社ヤマグチマイカ製)
(D−8)タルク:D−1000(日本タルク株式会社製)
(D−9)ステアリン酸亜鉛:川村化成工業株式会社製
〔他の添加剤〕
<重合性化合物>
(E−1)トリアリルイソシアヌレート:TAIC(日本化成株式会社製)
(E−2)ヘキサンジオールジアクリレート:A−HD−N(新中村化学工業株式会社製)
(E−3)トリメチロールプロパントリメタクリレート:TMPT(新中村化学工業株式会社)
<老化防止剤>
(F−1)2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール:川口化学工業株式会社製
(F−2)N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン:川口化学工業株式会社製
[実施例1]
<レーザー彫刻用樹脂組成物の調製>
MS式小型加圧ニーダー(株式会社モリヤマ製)を用いて、ジエン系ポリマーとしてのポリマー(A−4)と、カーボンブラックとしてのカーボンブラック(C−7)と、充填剤としての充填剤(D−2)とを、80℃にて、前ブレード35rpm、後ブレード35rpmで10分間混練した後、60℃まで冷却し、熱重合開始剤としての熱重合開始剤(B−1)を添加して、60℃にて前ブレード20rpm、後ブレード20rpmで更に10分間混練し、レーザー彫刻用樹脂物を調製した。
<架橋レリーフ層の作製>
上記で得たレーザー彫刻用樹脂組成物を、図2に示すようなカレンダーロール〔日本ロール製造株式会社製逆L型4本、ロールサイズ:φ200×700L、使用ロール:鍛鋼製ドリルドロール(表面硬質クロムメッキ)、温度調整方式:熱油循環方式、駆動モーター:7.5kwインバーターモーター〕でシート状に成形した。ウォームアップロールを50℃として上記レーザー彫刻用樹脂組成物を10分間予備混練し、ロールに巻き付いたものを途中でカットしてシート状に引き出し、一旦ロール状に巻き取った。その後、混練物をカレンダーロールの第1ロールと第2ロールの間にセットし、圧延成形した。カレンダーロールの各ロールの温度は、第1ロール温度を50℃、第2ロール温度を60℃、第3ロール温度を70℃、第4ロール温度を80℃とした。ロール間隔は、第1ロールと第2ロール間隔を1.0mm、第2ロールと第3ロール間隔を0.9mm、第3ロールと第4ロール間隔を0.8mmとした。搬送速度は1m/分とした。
第4ロールを通過後、シートを幅20cm、長さ20cmにカットし、プレス機(テスター産業株式会社製SA−303)を用いて、4MPaの圧力で、160℃で20分間加熱して、平均膜厚0.8mmの架橋レリーフ層を得た。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た架橋レリーフ層に対して、光硬化性組成物(株式会社スリーボンド社製:3030)を平均膜厚が80μmになるように塗設した後、250μm厚のPET支持体をニップローラにて貼り合わせ、20秒後にPET支持体側からUV露光機(アイグラフィックス株式会社製UV露光機ECS―151U、メタルハライドランプ、1,500mJ/cm2、14sec露光)にて光硬化性層を硬化させて、フレキソ印刷版原版を作製した。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版に対し、以下の2種のレーザーにより彫刻した。
炭酸ガスレーザー彫刻機として、レーザー照射による彫刻を、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ(株式会社KEYENCE製)を用いた。炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
使用した彫刻機は、下記第1表に示した。なお、「半導体」は、半導体レーザー彫刻機を使用したことを意味し、「CO2」は、炭酸ガスレーザー彫刻機を使用したことを意味する。
[実施例2〜実施例45、比較例1〜比較例2]
<レーザー彫刻用樹脂組成物の調製>
下記第1表に示す配合内容で、実施例1と同じ条件で混練し、レーザー彫刻用樹脂組成物を得た。なお、実施例42〜45においては、他の添加剤(重合性化合物および老化防止剤)を配合して調製した。
<架橋レリーフ層の作製>
上記で得たレーザー彫刻用樹脂組成物を実施例1と同様に成形・架橋し、平均膜厚0.8mmの架橋レリーフ層を得た。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た架橋レリーフ層に対して、実施例1と同様に接着層を付与することで、フレキソ印刷版原版を作製した。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版を、実施例1と同様にレーザー彫刻することで、フレキソ印刷版を得た。
[比較例3]
<レーザー彫刻用樹脂組成物の調製>
撹拌羽及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、ポリマー(A−4)、溶剤としてn−ヘプタンを入れ、撹拌しながら70℃で180分間加熱しポリマーを溶解させた。
その後、カーボンブラック(C−7)、熱重合開始剤(B−1)を添加し、10分間撹拌した。この操作により、流動性のある樹脂層用塗布液(レーザー彫刻用樹脂組成物)を得た。
<架橋レリーフ層の作製>
PET基板上に所定厚のスペーサー枠を設置し、上記により得られた樹脂層用塗布液を静かに流涎し、カレンダーロールによるシート成形を行うことなく、80℃のオーブンで1時間、更に140℃で1時間加熱して溶剤を除去すると共に、樹脂組成物を熱架橋し、平均膜厚0.8mmの架橋レリーフ層を得た。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た架橋レリーフ層に対して、実施例1と同様に接着層を付与することで、フレキソ印刷版原版を作製した。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版を、実施例1と同様にレーザー彫刻することで、フレキソ印刷版を得た。
[比較例4]
<レーザー彫刻用樹脂組成物の調製>
実施例1と同様にして、下記第1表に示す配合内容でレーザー彫刻用樹脂組成物を調製した。
<架橋レリーフ層の作製>
混練した樹脂組成物を、カレンダーロールによるシート成形を行うことなく、プレス機(テスター産業株式会社製)を用いて、4MPaの圧力で、160℃で20分間加熱して、平均膜厚0.8mmの架橋レリーフ層を得た。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た架橋レリーフ層に対して、実施例1と同様に接着層を付与することで、フレキソ印刷版原版を作製した。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版を、実施例1と同様にレーザー彫刻することで、フレキソ印刷版を得た。
[評価]
〔レリーフ形成層の加工性評価:カレンダーロール剥離性評価〕
カレンダーロールからの剥離性を、第4ロール出口で目視評価した。評価は5段階法を用い、5が剥離性最高で、1が剥離性最低、数値が5に近いほどロールからの剥離性が良くなることを示す。3以上を合格とした。
〔レリーフ形成層の加工性評価:シート外観〕
第4ロールから剥離したシートの表面外観を評価した。評価の表記を以下に示す。
3以上を合格とした。
5:極めて平滑で外観が非常に良好。
4:平滑で外観が良好。
3:少し表面の肌荒れが見られる。
2:表面の肌荒れがひどく、外観が悪い。
1:表面凹凸が極めて激しく、ひどく外観が悪い。
〔フレキソ印刷版原版の膜厚評価〕
作製したフレキソ印刷版原版の表面をレーザー変位計(キーエンス社製LK―H008)にて走査し、表面粗さ指標の最大高さR0を求めた。フレキソ印刷版原版の平均厚さをd0としたときの(R0/d0)×100(%)を膜厚ばらつきと定義した。この値が小さい方が膜厚ばらつきが小さい。
〔フレキソ印刷版の評価〕
以下の項目でレリーフ印刷版の性能評価を行った。
<リンス性>
レーザー彫刻した版を下記第2表に記載のリンス液に浸漬し、彫刻部を歯ブラシ(ライオン株式会社製、クリニカハブラシ フラット)で10回こすった。その後、光学顕微鏡でレリーフ層の表面におけるカスの有無を確認した。評価基準は以下の通りである。
A:カスがない
B:彫刻最深部に僅かにカスが見られる
C:カスの大部分は除去されるが、僅かに残存している
D:カスは一部除去されるが、残存している
E:カスが全く除去されない
なお、使用したリンス液1〜6は以下の通りであり、下記第2表に示すリンス液のうち、評価に用いたリンス液は下記第3表に示す通りである。
(リンス液1〜4の調製)
リンス液の調製は、500mlの純水に、撹拌しながらNaOH48%水溶液(和光純薬工業株式会社製)を滴下し、所定のpHにした。その後、更にソフタゾリンLAO(ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド水溶液、アミドアミンオキシド型両性界面活性剤、含有量:30%、川研ファインケミカル株式会社製)を16.7g添加し、30分撹拌しリンス液を作製した。
(リンス液5の調製)
500mlの純水に、撹拌しながら炭酸水素ナトリウム3.3g、炭酸水素ナトリウム6.6gを添加し、更にソフタゾリンLAO(川研ファインケミカル株式会社製)を24.0g、ソフタゾリンLPB−R(ラウリン酸アミドプロピルベタイン水溶液、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、含有量:30%、川研ファインケミカル株式会社製)を96.4g添加し、30分撹拌しリンス液5を作製した。
(リンス液6の調製)
500mlの純水に、撹拌しながら炭酸水素ナトリウム5.0gを添加し、更にソフタゾリンLAO(川研ファインケミカル株式会社製)を24.0g、ソフタゾリンLPB−R(川研ファインケミカル株式会社製)を96.4g添加し、30分撹拌しリンス液6を作製した。
リンス液1〜6のpHを以下に示す。
<インキ着肉性の評価>
得られたフレキソ印刷版を印刷機(ITM−4型、株式会社伊予機械製作所製)にセットし、UVフレキソCF 墨(株式会社T&K TOKA製)をインキとして用い、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙株式会社製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、印刷開始から1,000mにおける印刷物上のベタ部のインキの付着度合いを目視で比較した。
濃度ムラなく均一なものをAと評価し、僅かにムラがあるものをBと評価した。
<耐刷性>
得られたフレキソ印刷版を印刷機(ITM−4型、株式会社伊予機械製作所製)にセットし、UVフレキソCF 墨(株式会社T&K TOKA製)をインキとして用い、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙株式会社製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、ハイライト1〜10%を印刷物で確認した。印刷されない網点が生じた、又は、網点が太って印刷物として許容しがたいところを刷了とし、刷了時までに印刷した回数を指標とした。数値が大きいほど耐刷性に優れると評価する。
<生版経時耐刷性>
得られたフレキソ印刷版原版を、50℃/80%環境下で3日間保管し、上記耐刷性評価を行った。
<彫刻経時耐刷性>
得られたフレキソ印刷版を、50℃/80%環境下で3日間保管し、上記耐刷性評価を行った。
以上の評価結果を下記第3表に示す。
なお、表中、比較例3および4は、カレンダーロールによるシート成形を行っていないため、ロール剥離性およびシート外観については評価していない。
第3表に示すように、ジエン系ポリマーに該当しないポリビニルブチラールを用いた場合、カレンダーロールからの剥離性およびレリーフ形成層の外観に劣り、また、リンス性も悪く、更に、耐刷性および耐久性(生版経時耐刷性、彫刻経時耐刷性)にも劣ることが分かった(比較例1)。
また、充填剤を配合しない場合、カレンダーロールからの剥離性およびレリーフ形成層の外観に劣ることが分かった(比較例2)。
これに対し、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラックおよび充填剤を配合した実施例1〜45は、カレンダーロールからの剥離性およびレリーフ形成層の外観が良好であり、製造効率が高いことが分かった。また、製造したレリーフ形成層を用いたフレキソ印刷版原版の膜厚ばらつきが小さいことが分かった。
また、実施例1〜45は、製造したフレキソ印刷版のリンス性、インキ着肉性、耐刷性、耐久性(生版経時耐刷性、彫刻経時耐刷性)が良好であることが分かった。特に、リンス工程で用いるアルカリ水溶液のpHが10.0以上であるリンス液1〜4を用いると、リンス性がより良好となることが分かった。
また、実施例19と他の実施例とを対比すると、ジエン系ポリマーとして、ポリイソプレン、ポリブタジエンまたはEPDMを用いると、製造したレリーフ形成層を用いたフレキソ印刷版原版の膜厚のばらつきがより小さくなることが分かった。
更に、ジエン系ポリマーとしてポリブタジエンおよびポリイソプレンを併用した実施例31〜34および42〜45や、充填剤としてシリカと炭酸カルシウムとを併用した実施例35は、耐刷性が良好となることが分かり、特に、ジエン系ポリマーとしてポリブタジエンおよびポリイソプレンを併用し、かつ、充填剤としてシリカと炭酸カルシウムとを併用した実施例36〜41や、ジエン系ポリマーとしてポリブタジエンおよびポリイソプレンを併用し、更に、重合性化合物を配合した実施例42〜45は、耐刷性が極めて良好となることが分かった。
1 ウォームアップロール
2a、2b ロール
3 カレンダーロール
4a 第1ロール
4b 第2ロール
4c 第3ロール
4d 第4ロール
10 樹脂組成物
11 予備混錬後の樹脂組成物
12 レリーフ形成層

Claims (20)

  1. レーザー彫刻用樹脂組成物を用い、カレンダーロールによるシート成形を経てレリーフ形成層を形成する層形成工程と、
    前記レリーフ形成層を熱により架橋し、架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を得る架橋工程と、をこの順で有し、
    前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、ムーニー粘度が20〜90のジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、前記カーボンブラック以外の充填剤を含有する樹脂組成物である、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  2. 前記充填剤が、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、および、ステアリン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、請求項1に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  3. 前記充填剤が、シリカおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、請求項1または2に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  4. 前記充填剤として、少なくともシリカを含有し、
    前記シリカの窒素吸着比表面積が、50m2/g〜300m2/gである、請求項2または3に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  5. 前記カーボンブラックの平均粒子径が、13nm〜50nmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  6. 前記ジエン系ポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  7. 前記ジエン系ポリマーが、ポリイソプレンおよびポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  8. 前記熱重合開始剤の含有量が、前記ジエン系ポリマー100質量部に対して0.1〜3質量部である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版に対してレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程と、前記レリーフ層の表面をアルカリ水溶液でリンスし、フレキソ印刷版を得るリンス工程とを有する、フレキソ印刷版の製版方法。
  10. 前記アルカリ水溶液のpHが、10.0以上である、請求項9に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
  11. レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層を形成するためのレーザー彫刻用樹脂組成物であって、
    ムーニー粘度が20〜90のジエン系ポリマー、熱重合開始剤、カーボンブラック、および、前記カーボンブラック以外の充填剤を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物。
  12. 前記熱重合開始剤が、有機過酸化物である、請求項11に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  13. 前記充填剤が、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、および、ステアリン酸金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、請求項11または12に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  14. 前記充填剤が、シリカおよび炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、請求項11〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  15. 前記充填剤として、少なくともシリカを含有し、
    前記シリカの窒素吸着比表面積が、50m2/g〜300m2/gである、請求項13または14に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  16. 前記カーボンブラックの平均粒子径が、13nm〜50nmである、請求項11〜15のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  17. 前記ジエン系ポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、請求項11〜16のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  18. 前記ジエン系ポリマーが、ポリイソプレンおよびポリブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、請求項11〜17のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  19. 前記熱重合開始剤の含有量が、前記ジエン系ポリマー100質量部に対して0.1〜3質量部である、請求項11〜18のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  20. 前記カーボンブラックの含有量が、前記ジエン系ポリマー100質量部に対して3〜30質量部である、請求項11〜19のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
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