JP2016135550A - レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、及び、フレキソ印刷版の製版方法 - Google Patents

レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、及び、フレキソ印刷版の製版方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カールが小さく、ドレープ性に優れるレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版の製版方法を提供すること。
【解決手段】支持体の一方の面に、レーザー彫刻可能な第1のポリマー層を有し、他方の面に、第2のポリマー層を有し、第1のポリマー層と第2のポリマー層のショアA硬度の差の絶対値が6未満であることを特徴とする、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。第1のポリマー層及び第2のポリマー層のショアA硬度は70を超え90以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、及び、フレキソ印刷版の製版方法に関する。
レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP(Computer To Plate)方式」が多く提案されている。
直彫りCTP方式では、フレキソ原版に直接レーザーを照射し、光熱変換によりレリーフ形成層に熱分解及び揮発を生じさせ、凹部を形成している。また、直彫りCTP方式は、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができる。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、又は、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をすることなども可能である。
また、直彫りCTP方式に用いられるレーザーは、高出力の炭酸ガスレーザーが用いられることが一般的である。炭酸ガスレーザーの場合、全ての有機化合物が照射エネルギーを吸収して熱に変換できる。一方、安価で小型の半導体レーザーが開発されてきているが、これらは可視及び近赤外光であるため、レーザー光を吸収して熱に変換することが必要となる。
このような支持体とポリマー層(彫刻層)を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版に関する公知例としては、特許文献1の例がある。特許文献1には、補強層(支持体)上に圧縮層を有し、その上に印刷層(彫刻層)を有する多層構造が記載されている。また、特許文献1には、印刷層(彫刻層)の材料として、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムなどが記載されている。
また、特許文献2には、支持体層の上側にレーザー彫刻層、支持体層の下側にクッション層の層構成を有するフレキソ印刷版の製造方法が開示されている。
更に、特許文献3には、支持体がエラストマー層(クッション層)と印刷原版層(光架橋層)の中間でもよいとの記載がある。
特表2012−524676号公報 米国特許第8599232号明細書 国際公開第2004/000571号公報
本発明者は、特許文献1〜3に記載されるレーザー彫刻用フレキソ印刷原版について検討したところ、フレキソ印刷原版のカールが大きく、彫刻機の回転ドラムにフレキソ印刷原版貼り付ける際のハンドリング性(ドレープ性)が悪いことを明らかにした。
そこで、本発明は、カールが小さく、ドレープ性に優れるレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、上記レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、及び、フレキソ印刷版の製版方法を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<20>、及び、<22>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である、<2>〜<19>、<21>、<23>、及び<24>と共に以下に記載する。
<1> 支持体の一方の面に、レーザー彫刻可能な第1のポリマー層を有し、他方の面に、第2のポリマー層を有し、第1のポリマー層と第2のポリマー層のショアA硬度の差の絶対値が6未満であることを特徴とする、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<2> 第1のポリマー層及び第2のポリマー層のショアA硬度が70を超え90以下である、<1>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<3> 第1のポリマー層が、第1の樹脂組成物を架橋してなるポリマー層であり、かつ、第1の樹脂組成物が、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有し、第2のポリマー層が、第2の樹脂組成物を架橋してなるポリマー層であり、かつ、第2の樹脂組成物が、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有する、<1>又は<2>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<4> 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が、熱重合開始剤である、<3>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<5> 第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物が同じ組成物である、<3>又は<4>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<6> 成分A−1及び成分A−2の少なくとも一方が、共役ジエン系ポリマーである、<3>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<7> 共役ジエン系ポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、及び、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、<6>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<8> 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が、硫黄を含有する化合物及び有機過酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種である、<3>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<9> 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が、有機過酸化物である、<3>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<10> 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Cとしてカーボンブラックを含有する、<3>〜<9>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<11> 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Dとしてカーボンブラック以外の充填剤を含有する、<3>〜<10>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<12> 成分Dが、シリカ、炭酸カルシウム、及び、金属酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、<11>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<13> 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Eとして植物油架橋体を含有する、<3>〜<12>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<14> 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Fとして重合性化合物を含有する、<3>〜<13>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<15> 支持体と第1のポリマー層との間、及び/又は、支持体と第2のポリマー層との間に接着層を有する、<1>〜<14>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<16> 支持体が、ポリマーフィルム又は布である、<1>〜<15>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<17> ポリマーフィルムがポリエステルフィルムである、<16>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<18> ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、<17>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<19> 支持体を中心として、上下の層構成の順が同じである、<1>〜<18>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、
<20> 支持体の一方の面に第1の樹脂組成物からなる層を有し、支持体の他方の面に第2の樹脂組成物からなる層を有する積層体を形成する積層体形成工程、及び、積層体を架橋する架橋工程を有し、第1の樹脂組成物が、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有し、第2の樹脂組成物が、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有することを特徴とする、<1>〜<19>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、
<21> 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が熱重合開始剤であり、架橋工程が、積層体を熱架橋する工程である、<20>に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、
<22> <1>〜<19>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を準備する工程、及び、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第1のポリマー層をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程を有する、フレキソ印刷版の製版方法、
<23> レリーフ層の表面をリンスするリンス工程を更に有する、<22>に記載のフレキソ印刷版の製版方法、
<24> レーザー彫刻する第1のポリマー層が、ポリイソプレン、ポリブタジエン、及び、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する第1の樹脂組成物を架橋した層である、<22>又は<23>に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
本発明によれば、カールが小さく、ドレープ性に優れるレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版、上記レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法、及び、フレキソ印刷版の製版方法を提供することができる。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の断面の例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、「質量部」及び「質量%」は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」と同義である。
以下の説明における好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
1.レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、支持体の一方の面に、レーザー彫刻可能な第1のポリマー層を有し、他方の面に、第2のポリマー層を有し、第1のポリマー層と第2のポリマー層のショアA硬度の差の絶対値が6未満であることを特徴とする。
また、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、支持体の一方の面に第1の樹脂組成物からなる層を有し、支持体の他方の面に第2の樹脂組成物からなる層を有する積層体を形成する積層体形成工程、及び、積層体を架橋する架橋工程を有し、第1の樹脂組成物が、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有し、第2の樹脂組成物が、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有することを特徴とする。
更に、本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を準備する工程、及び、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第1のポリマー層をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程を有する。
本発明において用いられる第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」ともいう。)は、バインダーポリマー、及び、重合開始剤を含有し、更にカーボンブラック、カーボンブラック以外の充填剤、植物油架橋体、重合性化合物等を含有していてもよい。
上述した通り、本発明のフレキソ印刷版原版を用いることにより、カールが小さく、ドレープ性が良好となる。
その詳細な機構は不明であるが、以下のように推察される。
すなわち、特許文献1に記載のフレキソ印刷版原版では、(A)加硫接着される場合(架橋前の樹脂組成物が支持体に設置された後に架橋される場合)、樹脂組成物の硬化収縮によるカールが発生し、また、(B)架橋後のポリマー層が支持体に設置される場合は、ポリマー層が伸ばされた状態で支持体に接着された(貼り合わされた)後、ポリマー層が元に戻ろうとする性質(伸長回復性)によるカールが発生すると推察される。
また、特許文献2及び3では、レーザー彫刻可能層とクッション層の硬度差が大きいためにカールが大きいと推察される。硬度差が大きいということは、架橋密度の差が大きいことが推察され、上述の硬化収縮時の収縮率の差や硬化後のポリマーの伸長性(伸びやすさ)の差が大きくなると推察される。
本発明では、支持体の上下両面に配したポリマー層の硬度差が小さいことから、未架橋のバインダーポリマーを含む樹脂組成物の硬化収縮時の収縮率差が小さく、更に、架橋されたポリマー層の伸長性の差も小さい。従って、上記(A)及び(B)のいずれの場合においても、収縮率差又は伸長性の差に起因するカールが上下に配したポリマー層でキャンセルされ、カールが抑制され、また、ドレープ性が良化したと推察される。
(ショアA硬度)
本発明の第1のポリマー層と第2のポリマー層の硬度差は、ショアA硬度の差の絶対値が6未満である。4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2以下であることが更に好ましく、ゼロに近いほど好ましい。また、硬度差が小さければカールを抑制することができるが、そのために第1のポリマー層と第2のポリマー層の組成が同じである必要はないが、製造方法の簡略化の観点から第1のポリマー層と第2のポリマー層は同じ組成であることが好ましい。
本明細書におけるショアA硬度は、25℃において、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる。)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である(JIS K 6253:2012参照)。
なお、ショアA硬度は、タイプAデュロメータを用いて測定し、試験片の厚さは6mm以上とする。試験片の厚みが6mm未満の場合には、積み重ねて6mm以上として測定する。また、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版からポリマー層のショアA硬度を測定するには、ポリマー層をレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版からカッター等を使用して切り出し、上述のように6mm以上となるように積み重ねて試験片を測定すればよい。
第1のポリマー層及び第2のポリマー層のショアA硬度は、70を超え90以下であることが好ましい。ショアA硬度が70を超えると、レーザー彫刻層である第1のポリマー層の彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
第1のポリマー層及び第2のポリマー層のショアA硬度は、72〜88であることがより好ましく、74〜85であることが更に好ましい。
また、本発明では、製造方法の簡略化の観点から、ポリマー層を貼り合わせる方法(B)より、架橋と同時に接着を行う方法(A)が好ましい。なお、本発明において、架橋が熱架橋であり、同時に接着を行う場合を、加硫接着と呼ぶ。熱架橋の場合は、ポリマー層中にカーボンブラックのような光吸収剤が含有していても架橋が可能であるが、光架橋の場合は架橋が進行しない、又は、不十分となる可能性がある。従って、配合上の制約が小さいことから熱架橋が特に好ましい。
架橋と同時に接着を行う方法(A)の場合、支持体の上下両面に樹脂組成物層を有さない層構成(片面にのみ樹脂組成物層を有する場合)であると、硬度が高くなるにつれて硬化収縮が大きくなるため、それによるカールも大きくなるという問題があったが、本発明の層構成では、硬化収縮によるカールが上下に樹脂組成物層を有することでキャンセルされるため、得られるポリマー層の硬度が高い場合でもカールを低いレベルに抑制することができる。
一方、架橋後の各ポリマー層を貼り合わせる方法(B)の場合、支持体の上下両面にポリマー層を有さない層構成(片面のみにポリマー層を有する場合)であると、硬度が低くなるにつれてポリマー層がより伸ばされた状態で貼り合わされるため、ポリマー層の戻り(伸長回復性)によるカールも大きくなるという問題があったが、本発明の層構成では、伸びたポリマーの戻りによるカールが上下にポリマー層を有することでキャンセルされるため硬度が低い場合でもカールを低いレベルに抑制することができる。
つまり、本発明では、フレキソ印刷版原版の硬度に依存することなく、カールを低いレベルに抑制することができる。
以下、本発明の樹脂組成物及びレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版について詳述した後に、本発明のフレキソ印刷版の製版方法について詳述する。
(第1及び第2の樹脂組成物)
本発明において、第1のポリマー層は、第1の樹脂組成物を架橋してなるポリマー層であることが好ましく、上記第1の樹脂組成物(以下、本発明の第1の樹脂組成物ともいう。)は、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有することが好ましい。本発明の第1の樹脂組成物は、レーザー彫刻される(架橋)レリーフ形成層を形成するための樹脂組成物である。
また、本発明において、第2のポリマー層は、第2の樹脂組成物を架橋してなるポリマー層であることが好ましく、上記第2の樹脂組成物(以下、本発明の第2の樹脂組成物ともいう。)は、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明の第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物は、それぞれ、上記の成分に加えて、成分Cとしてカーボンブラック、成分Dとしてカーボンブラック以外の充填剤、成分Eとして植物油架橋体、及び、成分Fとして重合性化合物を含有してもよい。
本発明において、第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物が同じ組成物であることが、第1のポリマー層と第2のポリマー層との硬度差を少なくし、また、製造工程を簡易とする観点から特に好ましい。
また、本発明の第1の樹脂組成物及び本発明の第2の樹脂組成物を総称して、本発明の樹脂組成物ともいう。
図1は、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の断面の例を示す模式図である。なお、以下の図において、同一の符号は同一の対象を表すものとする。図1(A)では、レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版10は、対向する2つの面を有する支持体1の一方の面に、レーザー彫刻可能な第1のポリマー層3を有し、他方の面に第2のポリマー層5を有する。図1(A)に示すように、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版10は、支持体、第1のポリマー層、及び、第2のポリマー層を有していればよく、更に、他の層を有していてもよい。
図1(B)では、支持体1と第1のポリマー層3との間に、接着層(密着改良層)7を有する。接着層7は、支持体1と、第1のポリマー層3との接着性(密着性)を向上させる目的で設けられている。また、図1(B)では、支持体1と第2のポリマー層5との間にも、同様の理由から接着層(密着改良層)7を有する。
なお、第1のポリマー層は、レーザー彫刻に供されるレリーフ形成層であり、レーザー彫刻されてレリーフ層となる。一方、第2のポリマー層は、第1のポリマー層と同様の組成物で形成されていても、レーザー彫刻される層ではなく、カール防止層として機能する層である。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版は、支持体を中心として、上下の層構成の順が同じであることが好ましい。すなわち、図1(B)を例に取れば、第1のポリマー層が形成されている側を上側とすれば、支持体を中心として、上側に支持体→接着層→ポリマー層の順に形成されている。一方、下側にも同様に、支持体→接着層→ポリマー層の順に形成されている。このように、上下の層構成の順を同じとすることによって、よりカールの発生が抑制され、ハンドリング性に優れたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が得られる。
次に、本発明の樹脂組成物が含有する各成分及び任意成分について説明する。
成分A−1、成分A−2:バインダーポリマー
本発明の樹脂組成物が含有するバインダーポリマー(成分A−1又は成分A−2)は特に限定されず、従来公知のポリマー、天然ゴム、合成ゴム等を制限なく使用することができる。
本発明において、成分A−1及び成分A−2の少なくとも一方が、共役ジエン系ポリマーであることが好ましく、成分A−1及び成分A−2の双方が共役ジエン系ポリマーであることがより好ましい。
共役ジエン系ポリマーは、共役ジエン系炭化水素(共役ジエンモノマー)の単独重合体であってもよく、共役ジエン系炭化水素と他の不飽和化合物、好ましくはモノオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体であってもよい。また、上記の単独重合体及び共重合体は、修飾されていてもよく、例えば、末端に(メタ)アクリロイル基などの反応性基を導入してもよく、また、内部オレフィンの一部が水素添加されていてもよい。なお、以下の説明において、内部オレフィンの一部が水素添加されたポリブタジエンを「部分水素化ポリブタジエン」、同様に内部オレフィンの一部が水素添加されたポリイソプレンを「部分水素化ポリイソプレン」ともいう。更に共重合体は、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でも、グラフト共重合体でもよく、特に限定されない。
なお、共役ジエン系炭化水素は、1つの単結合によって二重結合が隔てられ、共役したジエンを有する炭化水素であり、その一部が他の原子によって置換されていてもよい。他の原子としては、ハロゲン原子が挙げられ、具体的には、フッ素、塩素原子、臭素、ヨウ素が例示される。これらの中でも、置換基としては塩素原子が好ましく例示される。
上記の共役ジエン系炭化水素としては、具体的には、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
上記のモノオレフィン系不飽和化合物としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、イソブテン、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
共役ジエン系ポリマーとしては、具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、フレキソ印刷版の耐刷性から、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体等のジエン系ポリマーが好ましく、耐刷性に加えてリンス性の観点から、ポリイソプレン、ポリブタジエン及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマーであることが特に好ましい。
これらの重合体は、乳化重合させてもよいし、また、溶液重合させてもよい。
<ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体>
本発明においては、ポリイソプレン又はポリブタジエンは、それぞれ、主鎖が主としてイソプレン又はブタジエンを単量体単位とするポリマーであればよく、一部が水素添加されて飽和結合に変換されていてもよい。また、ポリマーの主鎖中又は末端が、アミド、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基等で変性されていてもよく、エポキシ化されていてもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基のことをいう。また、同様に、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」のことをいう。
また、本発明においては、ポリイソプレン又はポリブタジエンは、それぞれ、主鎖中に占める脂肪族炭化水素(イソプレン、ブタジエン又はそれらの水素添加物)に由来するモノマー単位の割合が80mol%以上であることが好ましい。
主鎖中に占める脂肪族炭化水素に由来するモノマー単位の割合が80mol%以上であると、彫刻カスのリンス性が良好であるので好ましい。
脂肪族炭化水素に由来するモノマー単位の含有量は、成分A−1又は成分A−2の主鎖を構成する全モノマー単位の90mol%以上であることがより好ましく、95mol%であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましい。
なお、本発明において、「主鎖」とは樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは主鎖から枝分かれしている炭素鎖を表し、側鎖にはヘテロ原子を含んでもよい。
すなわち、例えば、ポリイソプレンは、イソプレン及びイソプレンの水素添加物に由来するモノマー単位の割合が、合計して80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましく、95mol%以上であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましい。
同様に、ポリブタジエンは、ブタジエン及びブタジエンの水素添加物に由来するモノマー単位の割合が、合計して80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましく、95mol%以上であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましい。
また、成分A−1及び/又は成分A−2として、イソプレン/ブタジエン共重合体を使用する場合には、イソプレン、ブタジエン及びそれらの水素添加物に由来するモノマー単位を合計して80mol%以上含有することが好ましく、90mol%以上含有することがより好ましく、95mol%以上含有することが更に好ましく、99mol%以上含有することが特に好ましい。
イソプレンは、触媒や反応条件により、1,2−、3,4−又は1,4−付加により重合することが知られているが、本発明は上記のいずれの付加により重合されたポリイソプレンでもよい。これらの中でも所望のムーニー粘度を得る観点から、主成分としてcis−1,4−ポリイソプレンを含有することが好ましい。なお、cis−1,4−ポリイソプレンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
また、ポリイソプレンとしては、天然ゴムを使用してもよく、また、上市されているポリイソプレンを使用することもでき、例えば、NIPOL IRシリーズ(日本ゼオン(株)製)が例示される。
ブタジエンは、触媒や反応条件により1,2−又は1,4−付加により重合することが知られているが、本発明は上記のいずれの付加により重合されたポリブタジエンでもよい。これらの中でも、所望のムーニー粘度を得る観点から、1,4−ポリブタジエンが主成分であることがより好ましい。
なお、1,4−ポリブタジエンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
なお、cis体とtrans体の含有量は特に制限はなく、所望のムーニー粘度の範囲で適宜選択すればよいが、ゴム弾性を発現させる観点から、cis体が好ましく、cis−1,4−ポリブタジエンの含有量が50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
ポリブタジエンとしては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、NIPOL BRシリーズ(日本ゼオン(株)製)、UBEPOL BRシリーズ(宇部興産(株)製)等が例示される。
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)は、エチレン含量(エチレンに由来するモノマー単位)が40〜70質量%であるポリマーであることが好ましく、ジエン含量(ジエン成分に由来するモノマー単位)が1〜20質量%であるポリマーであることが好ましい。EPDMを構成するモノマー単位の比率が上記範囲内であると、ゴム強度、及び、加工性の観点で好ましい。
また、EPDMのジエン成分としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。
これらの中でも耐刷性、リンス性の観点から、ポリイソプレン、ポリブタジエンがより好ましい。ここで、ポリブタジエンとポリイソプレンは併用してもよく、併用する場合の質量比(ポリブタジエン/ポリイソプレン)は、30/70〜90/10であることが好ましく、40/60〜80/20であることがより好ましい。
本発明においては、成分A−1及び成分A−2は、フレキソ印刷版原版の引張強度の観点から、重量平均分子量が200,000以上であることが好ましく、300,000〜2,000,000であることがより好ましく、300,000〜1,500,000であることが更に好ましく、300,000〜700,000であることが特に好ましい。
ここで、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ法(GPC)法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。具体的には、例えば、GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
また、本発明においては、成分A−1及び成分A−2のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、耐刷性の観点から、20以上であることが好ましく、25以上であることがより好ましく、35以上であることが更に好ましい。
同様に、成分A−1及び成分A−2のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、溶剤溶解性や混合時の取り扱いの簡便さから、90以下であることが好ましく、70以下であることがより好ましく、60以下であることが更に好ましい。
ここで、ムーニー粘度は、JIS K 6300−1:2013に準拠して測定した値である。具体的には、温度制御が可能なダイ間に円筒状の空間を形成して試料室とすると共に、その試料室の中心部にローターを配置し、試料室内に被測定試料を充填してその温度を所定の温度に保った状態で、ローターを規定回転数で回転させ、溶融した試料の粘性抵抗によって生じるローターの反トルクをロードセルで検出することによって測定される。なお、本発明で用いるムーニー粘度の値はL型ローターを用いて、100℃で1分間の予熱期間をおいてローターを回転させ、4分後のムーニー粘度(ML1+4、100℃)を示している。
なお、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、耐擦性、溶剤溶解性等の観点から、25〜90であることが好ましい。30〜70であることがより好ましく、35〜60であることが更に好ましい。
成分A−1及び成分A−2のそれぞれの樹脂組成物中での含有量は、全固形分に対して、5〜90質量%であることが好ましく、15〜85質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましい。成分A−1の含有量が上記範囲内であると、彫刻カスのリンス性に優れ、インキ転移性に優れるレリーフ層が得られるので好ましい。また、成分A−2の含有量が上記範囲内であると、成分A−1との硬度差が少なくなり、カールが抑制され、ハンドリング性に優れたレーザー彫刻用印刷版原版が得られる。
成分B−1、成分B−2:重合開始剤
本発明の樹脂組成物に含有する重合開始剤(成分B−1、成分B−2)は特に限定されず、従来公知の重合開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤等)を制限なく使用することができる。
重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤が例示されるが、成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が熱重合開始剤であることが好ましい。
上記成分B−1、成分B−2としては、具体的には、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)硫黄を含有する化合物(以下、「イオウ系化合物」ともいう。)、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、半減期温度が高く、その結果、樹脂組成物の混練時のスコーチ(早期硬化)を抑制することができる観点や、彫刻感度やレリーフエッジ形状を良好とするといった理由などから、(c)有機過酸化物、(d)硫黄を含有する化合物が好ましく、フレキソ印刷版原版の保存性の観点から(c)有機過酸化物がより好ましい。
ここで、上記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、(l)アゾ系化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
一方、好適例である(c)有機過酸化物、(d)硫黄を含有する化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
<有機過酸化物>
上記有機過酸化物としては、具体的には、例えば、ジクミルペルオキシド(10時間半減期温度:116℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(10時間半減期温度:119℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度:118℃)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、有機過酸化物の形態としては、原体のまま使用することも可能であるが、取扱い上の問題(危険性、作業性など)から、原体を炭酸カルシウムなどの無機フィラーに吸着させた濃度40wt%の希釈品(非危険物、粉状)や、更に、混練時の粉立ち防止、ポリマーへの分散性改善を目的としたマスターバッチタイプの希釈品をより好ましく用いることができる。
原体としては、例えば、パークミルD(日油(株)製)、PerkadoxBC−FF(化薬アクゾ(株)製)、ルペロックスDC(アルケマ吉富(株)製)、パーブチルP(日油(株)製)、パーカドックス14(化薬アクゾ(株)製)、ルペロックスF(アルケマ吉富(株)製)、ルペロックスF90P(アルケマ吉富(株)製)、パーヘキサ25B(日油(株)製)、カヤヘキサAD(化薬アクゾ(株)製)、ルペロックス101(アルケマ吉富(株)製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、希釈品としては、例えば、パークミルD−40(日油(株)製:不活性充填剤希釈品)、パークミルD−40MB(日油(株)製:シリカ/ポリマー他希釈品)、カヤクミルD−40C(化薬アクゾ(株)製:炭酸カルシウム希釈品)、カヤクミルD−40MB−S(化薬アクゾ(株)製:ゴムマスターバッチ)、カヤクミルD−40MB(化薬アクゾ(株)製:ゴムマスターバッチ)、パーブチルP−40(日油(株)製:不活性充填剤希釈品)、パーブチルP−40MB(日油(株)製:シリカ/ポリマー他希釈品)、パーカドックス14/40(化薬アクゾ(株)製:炭酸カルシウム希釈品)、パーカドックス14−40C(化薬アクゾ(株)製:炭酸カルシウム希釈品)、ルペロックスF40(アルケマ吉富(株)製)、パーヘキサ25B−40(日油(株)製:シリカ他希釈品)、カヤヘキサAD−40C(化薬アクゾ(株)製:ケイ酸カルシウム希釈品)、トリゴノックス101−40MB(化薬アクゾ(株)製:ゴムマスターバッチ)、ルペロックス101XL(アルケマ吉富(株)製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
<硫黄を含有する化合物>
硫黄を含有する化合物(イオウ系化合物)としては、例えば、イオウ(元素状硫黄)、塩化イオウ、二塩化イオウ、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物、チウラム化合物、チオカルバミン酸化合物、多官能メルカプト化合物等が挙げられ、中でも、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、ジスルフィド化合物、チウラム化合物、チオカルバミン酸化合物、多官能メルカプト化合物が好適に挙げられる。
このようなイオウ系化合物の具体例としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオプロピオネート等が挙げられる。
これらのうち、イオウ、アルキルフェノールジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)が好ましく、アルキルフェニールジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)がより好ましい。
本発明においては、重合開始剤は、彫刻カスのリンス性に優れ、耐刷性やインキ着肉性も良好となる観点から、バインダーポリマー(成分A−1又は成分A−2)100質量部に対して0.3〜25質量部であることが好ましく、1.0〜20質量部であることがより好ましく、3.0〜15質量部であることが更に好ましい。
成分C:カーボンブラック
本発明の樹脂組成物は成分Cとしてカーボンブラックを含有してもよい。本発明において、第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Cとしてカーボンブラックを含有することが好ましく、第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の双方が成分Cとしてカーボンブラックを含有することがより好ましい。カーボンブラックとしては特に限定されず、樹脂組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。
ここで、本発明において、カーボンブラックは、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進する光熱変換剤として機能していると考えられる。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、分散を容易にするため、必要に応じてカーボンブラックに分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができるが、コストの観点から粉体で使用することが好ましい。
本発明においては、カーボンブラックの平均粒子径は、樹脂組成物の粘度や加工性が良好となり、また、耐刷性が良好となる理由から、13nm以上50nm以下であることが好ましく、15nm以上40nm以下であることがより好ましく、15nm以上31nm以下であることが更に好ましい。
ここで、カーボンブラック及び後述するカーボンブラック以外の充填剤(成分D)における平均粒子径は、数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(以下、「N2SA」とも略す。)は、25m2/g以上180m2/g以下が好ましい。N2SAが25m2/g以上であると、良好なカーボンブラック補強効果が得られる。一方、N2SAが180m2/g以下であると、カーボンブラックゲル生成が抑制され、所定のゴム強度、伸びが得られるので好ましい。用いるカーボンブラックのN2SAは30m2/g以上160m2/g以下であることがより好ましく、40m2/g以上150m2/g以下であることが特に好ましい。
ここで、カーボンブラック及び後述するシリカ等のカーボンブラック以外の充填剤におけるN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
本発明においては、カーボンブラックの含有量は、レーザー彫刻時の感度が良好となり、インキ着肉性も良好となる理由から、バインダーポリマー(成分A−1、成分A−2)100質量部に対して3〜30質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることが更に好ましい。
また、上記カーボンブラックとしては、ゴム用カーボンブラックを用いることができ、その具体例としては、SAF、SAF−HS、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、IISAF、IISAF−HS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、LI−HAF、FEF、FEF−HS、MAF、MAF−HS、T−NS等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的には、カーボンブラック年鑑No.48に掲載された以下に示すカーボンブラックを使用することができるが、これらに限定されるものではない。なお、以下に示す各カーボンブラックの括弧内の数値は、左から順に、平均粒子径(nm)、窒素吸着比表面積(m2/g)を表す。
旭カーボン(株)製のカーボンブラックとしては、例えば、旭♯78(22nm、124m2/g)、旭♯80(22nm、115m2/g)、旭♯70(28nm、77m2/g)、旭♯70L(27nm、84m2/g)、旭F−200(38nm、51m2/g)、旭♯66(44nm、43m2/g)、旭♯65(44nm、42m2/g)、旭♯60HN(40nm、48m2/g)、旭♯60H(41nm、45m2/g)、旭♯60U(43nm、43m2/g)、旭♯60(45nm、40m2/g)、旭AX−015(19nm、145m2/g)等が挙げられる。
新日化カーボン(株)製のカーボンブラックとしては、例えば、♯300IH(19nm、120m2/g)、♯300(24nm、117m2/g)、♯200IS(26nm、95m2/g)、♯200(29nm、75m2/g)、♯200L(29nm、81m2/g)、♯200IN(31nm、71m2/g)、♯10(40nm、49m2/g)、♯10K(39nm、48m2/g)、♯10S(42nm、53m2/g)、♯100(44nm、41m2/g)等が挙げられる。
東海カーボン(株)製のカーボンブラックとしては、例えば、シースト9H(18nm、142m2/g)、シースト9(19nm、142m2/g)、シースト7HM:N234(19nm、126m2/g)、シースト6(22nm、119m2/g)、シースト600(23nm、106m2/g)、シースト5H(22nm、99m2/g)、シーストKH:N339(24nm、93m2/g)、シースト3H(27nm、82m2/g)、シーストNH:N351(29nm、74m2/g)、シースト3(28nm、79m2/g)、シーストN(29nm、74m2/g)、シースト300(28nm、84m2/g)、シースト116HM(38nm、56m2/g)、シースト116(38nm、49m2/g)、シーストFM(50nm、42m2/g)、シーストSO(43nm、42m2/g)等が挙げられる。
三菱化学(株)製のカーボンブラックとしては、例えば、ダイアブラックA(19nm、142m2/g)、ダイアブラックN234(22nm、123m2/g)、ダイアブラックI(23nm、114m2/g)、ダイアブラックLI(23nm、107m2/g)、ダイアブラックII(24nm、98m2/g)、ダイアブラックN339(26nm、96m2/g)、ダイアブラックSH(31nm、78m2/g)、ダイアブラックH(31nm、79m2/g)、ダイアブラックLH(31nm、84m2/g)、ダイアブラックHA(32nm、74m2/g)、ダイアブラックN550M(43nm、47m2/g)、ダイアブラックE(48nm、41m2/g)等が挙げられる。
また、上記カーボンブラックとしては、カラー用カーボンブラックを用いることができ、その具体例としては、以下に示す市販のカーボンブラックを使用することができるが、これらに限定されるものではない。括弧内は順に、平均粒子径(nm)、窒素吸着比表面積(m2/g)を表す。
三菱化学(株)製のカーボンブラックとしては、例えば、♯1000(18nm、180m2/g)、MCF88(18nm、180m2/g)、MA600(20nm、140m2/g)、♯750B(22nm、124m2/g)、♯650B(22nm、124m2/g)、♯52(27nm、88m2/g)、♯47(23nm、132m2/g)、♯45(24nm、120m2/g)、♯45L(24nm、125m2/g)、♯44(24nm、110m2/g)、♯40(24nm、115m2/g)、♯33(30nm、85m2/g)、♯32(30nm、83m2/g)、♯30(30nm、74m2/g)、♯25(47nm、55m2/g)、♯20(50nm、45m2/g)、♯95(40nm、55m2/g)、♯85(40nm、60m2/g)、♯260(40nm、70m2/g)、MA77(23nm、130m2/g)、MA7(24nm、115m2/g)、MA8(24nm、120m2/g)、MA11(29nm、92m2/g)、MA100(24nm、110m2/g)、MA100R(24nm、110m2/g)、MA100S(24nm、110m2/g)、MA230(30nm、74m2/g)、MA14(40nm、56m2/g)等が挙げられる。
成分D:カーボンブラック以外の充填剤
本発明の樹脂組成物は、成分Dとして、上述したカーボンブラック以外の充填剤(以下、単に「充填剤」ともいう。)を含有してもよい。本発明においては、成分Dを含有することにより、フレキソ印刷版原版の加工性が良好となり、また、彫刻後のレリーフエッジ形状が良好となる。
成分Dは、有機物でも無機物でもよい。有機物としては、熱可塑性エラストマー、ポリマー微粒子、ゴム粒子などを挙げることができる。無機物としては、シリカ、炭酸カルシウム、金属酸化物、カルボン酸金属塩などを挙げることができる。加工性、コスト、強度の観点から、シリカ、炭酸カルシウム、及び、金属酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、シリカを用いることが特に好ましい。
上記シリカは特に限定されないが、その具体例としては、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム等が挙げられる。中でも加工性、硬化膜強度の点から、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、含水微粉ケイ酸が好ましい。
本発明においては、加工性がより良好となる理由から、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/gであることが好ましく、100〜250m2/gであることがより好ましい。
また、成分Dについては、レーザー彫刻時のレリーフのエッジ形状が良好となる理由から、平均粒子径が0.005〜20μmであることが好ましく、0.01〜6μmであることがより好ましい。
上記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄及び酸化鉛よりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、酸化亜鉛、酸化マグネシウムがより好ましい。上記金属酸化物は、例えば分散性向上や耐水性向上のために、湿潤剤、分散剤、カップリング剤などの表面処理剤で表面処理されていてもよい。
成分Dとしては、具体的には、以下に示す市販の充填剤を使用することができるが、これらに限定されるものではない。なお、以下に示す各充填剤の括弧内の数値は、窒素吸着比表面積(m2/g)又は平均粒子径(nm)を表す。
日本アエロジル(株)製の充填剤としては、例えば、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−812(260±30m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−972(110±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−974(170±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−104(150±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−202(100±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−805(150±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−816(190±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−7200(150±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−8200(160±25m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−9200(170±20m2/g)、疎水性フュームドシリカ:AEROSIL R−711(150±25m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 130(130±25m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 150(150±15m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 200(200±25m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL TT600(200±50m2/g)、親水性フュームドシリカ:AEROSIL 200SP(200±25m2/g)等が挙げられる。
日本シリカ工業(株)製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:ニップシールAQ(202m2/g)等が挙げられる。
(株)トクヤマ製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:トクシールGU(120m2/g)等が挙げられる。
Rhodia Silica korea社製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:Zeosil 165GR(144m2/g)等が挙げられる。
United Silica Industrial社製の充填剤としては、例えば、含水微粉ケイ酸:Ultrasil 7000GR(159m2/g)等が挙げられる。
デグサジャパン(株)製の充填剤としては、例えば、沈降シリカ:Ultrasil VN3(175m2/g)等が挙げられる。
近江化学工業(株)製の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム:サクセス200S(平均粒子径:0.04μm)、炭酸カルシウム:サクセス200R(平均粒子径:0.08μm)等が挙げられる。
竹原化学工業(株)製の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム:タンカル200(平均粒子径:2.7μm)等が挙げられる。
Imerys社製の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム:Polcarb 90(平均粒子径:0.85μm)等が挙げられる。
(株)ヤマグチマイカ製の充填剤としては、例えば、マイカ:A−11(平均粒子径:3μm)等が挙げられる。
日本タルク(株)製の充填剤としては、例えば、タルク:D−1000(平均粒子径:1μm)等が挙げられる。
日本ミストロン(株)製の充填剤としては、例えば、タルク:ミストロンベーパー(平均粒子径:5.5μm)等が挙げられる。
川村化成工業(株)製の充填剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明においては、成分Dの含有量は、加工性がより良好となり、耐刷性やインキ着肉性も良好となる理由から、バインダーポリマー100質量部に対して0.1〜70質量部であることが好ましく、1〜60質量部であることがより好ましく、10〜50質量部であることが更に好ましい。
なお、成分Dの上記含有量は、2種以上の成分Dを併用する場合は、充填剤の総含有量のことをいう。
成分E:植物油架橋体
本発明の樹脂組成物は、成分Eとして、植物油架橋体を含有してもよい。植物油架橋体を含有することにより、フレキソ印刷版原版の加工性が良好となり、その結果、フレキソ印刷版原版の膜厚のばらつきが小さくなる。
植物油架橋体とは、植物油を硫黄、塩化硫黄等で架橋させた加硫油であり、サブ(rubber substituteの略)又はファクチス(factice)とも呼ばれている((一社)日本ゴム協会編、ゴム用語辞典 第3版81頁)。
具体的には、硫黄を加えて加熱した硫黄ファクチス、塩化硫黄を加えて得られた塩化硫黄ファクチス、硫黄や塩素を含まない無硫黄ファクチスを挙げることができる。硫黄ファクチスは天然植物油を硫黄で架橋させたファクチスであり、ゴールデンファクチス、黒サブ等がある。塩化硫黄ファクチスは精製菜種油を塩化硫黄で架橋させたファクチスであり、白サブ、あめサブ等がある。また、天然植物油を特殊架橋させた硫黄・塩素を含まないファクチス(無硫黄ファクチス)がある。上市されている製品としては天満サブ化工(株)のサブ(ファクチス)を使用することができる。
フレキソ印刷版原版の加工性、膜厚のばらつきの点から、塩化硫黄で架橋されたファクチスが好ましく、白サブが特に好ましい。
本発明においては、植物油架橋体の含有量は、加工性がより良好となり、膜厚精度が良好となる理由から、バインダーポリマー100質量部に対して3〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部であることがより好ましく、10〜30質量部であることが更に好ましい。
成分F:重合性化合物
本発明の樹脂組成物は、架橋構造の形成を促進する観点から、更に、成分Fとして、重合性化合物を含有してもよい。
重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」ともいう。)であることが好ましい。
<エチレン性不飽和化合物>
上記エチレン性不飽和化合物としては、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよいが、高い架橋密度が得られる観点から、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。具体的には、多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2〜20個有する化合物が好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限なく用いることができる。
また、上記エチレン性不飽和化合物は、上述したジエン系ポリマー以外のエチレン性不飽和化合物であり、分子量(分子量分布がある場合には、重量平均分子量)が1,000未満の化合物であることが好ましい。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基が由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が挙げられる。
また、ヒドロキシ基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
更に、イソシアナト基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物、アリル化合物、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
本発明の樹脂組成物に使用される、エチレン性不飽和化合物としては、反応性の観点から、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、ビニル化合物、及び、アリル化合物が好ましい。
アリル化合物としては、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアリルエーテル、1,4−ジエチルシクロヘキシルジアリルエーテル、1,8−オクタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、リン酸トリアリル等が挙げられる。
これらの中でも、アリル化合物としては、イソシアヌル酸トリアリル、及び、シアヌル酸トリアリルが特に好ましい。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
ビニル化合物としては、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和化合物は、1種単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
上記エチレン性不飽和化合物の含有量は、バインダーポリマー100質量部に対し、0.2〜75質量部であることが好ましく、2〜45質量部であることがより好ましく、5〜30質量部であることが更に好ましい。
(その他の添加剤(任意成分))
本発明の樹脂組成物には、公知の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、架橋助剤、シランカップリング剤、ワックス、プロセス油、オゾン分解防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2.レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法(以下、「本発明の印刷版原版の製造方法」とも略す。)について以下説明する。なお、「加硫」は「熱架橋」、「熱重合」と同義である。
<架橋と同時に接着を行う方法(A)>
架橋していない本発明の第1の樹脂組成物からなる未架橋の第1のポリマー層と第2の樹脂組成物からなる未架橋の第2のポリマー層を支持体の両面上に有する積層体を形成し、それを架橋する方法である。製造方法が簡便であることや配合上の制約が小さいことから熱架橋つまり加硫接着が特に好ましい。
支持体がポリマーフィルムの場合、本発明のポリマー層と支持体の接着性の観点から、支持体表面は接着層(密着改良層)で処理されていることが好ましい。
上記積層体は、本発明の樹脂組成物を支持体上に、押出機を用いて押出す方法、本発明の樹脂組成物を支持体上に、カレンダーロールを用いて分出しする方法など公知の方法で行うことができる。
熱架橋(加硫)は、金型にて加熱圧縮する方法、連続加硫機(ロートキュア)で加熱する方法など公知の方法で行うことができる。詳しくは、「Polyfile」11月号(2013年)の連載「ゴム混練技術・設備と成形加工性との関係」p68〜74に記載されているゴム加硫設備のうち熱源を使用する設備を使用することができる。
上記積層体は、上記方法にて予め支持体上に形成した後に、上記方法で熱架橋(加硫)してもよいし、本発明の樹脂組成物からなる層と支持体を連続加硫機に同時に挿入し、積層体を形成直後に加硫してもよい。
<架橋後の各ポリマー層を貼り合わせる方法(B)>
架橋した第1のポリマー層及び第2のポリマー層を各々予め形成し、それらを接着剤を用いて支持体と貼り合わせる方法である。熱架橋(加硫)は、金型にて加熱圧縮する方法、連続加硫機(ロートキュア)で加熱する方法など公知の方法で行うことができる。詳しくは、「Polyfile」11月号(2013年)の連載「ゴム混練技術・設備と成形加工性との関係」p68〜74に記載されているゴム加硫設備のうち熱源を使用する設備を使用することができる。
製造方法(A)と製造方法(B)を組み合わせてもよい。
上述したように、製造工程が簡便であることや配合上の制約が小さいことから、熱架橋(加硫)と、本発明の樹脂組成物層と支持体間の接着を同時に行う方法(製造方法(A)の中の加硫接着方法)が好ましい。
本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法は、支持体の一方の面に第1の樹脂組成物からなる層を有し、支持体の他方の面に第2の樹脂組成物からなる層を有する積層体を形成する積層体形成工程、及び、積層体を架橋する架橋工程を有し、第1の樹脂組成物が、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有し、第2の樹脂組成物が、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有することを特徴とすることが特に好ましい。
3.フレキソ印刷版の製版方法
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法によって得られたレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版に対して第1のポリマー層をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程を有する製版方法であり、レリーフ層の表面をリンスするリンス工程を更に有することが好ましい。
ここで、フレキソ印刷版及びフレキソ印刷版原版の説明に関し、未架橋の架橋性層を未架橋ポリマー層と称し、上記未架橋ポリマー層を架橋した層を架橋ポリマー層と称し、架橋ポリマー層を含むポリマー層((架橋)ポリマー層と呼ぶ。)をレーザー彫刻して表面に凹凸を形成した層を「レリーフ層」と称する。
また、上記架橋方法は特に限定されるものではないが、熱による架橋が好ましい。また、上記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、バインダーポリマー同士の反応による架橋構造を含む概念であるが、バインダーポリマーが他の成分と反応して架橋構造を形成していてもよい。(架橋)ポリマー層を有する印刷版原版をレーザー彫刻し、リンスすることにより「フレキソ印刷版」が作製される。
また、上記未架橋ポリマー層及び(架橋)ポリマー層は支持体上に設けられるが、必要により更に、未架橋ポリマー層及び(架橋)ポリマー層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
以下、層形成工程、架橋工程、彫刻工程、及び、リンス工程について、説明する。
<層形成工程>
本発明の印刷版原版の製造方法は、本発明の樹脂組成物からなる未架橋ポリマー層を形成する層形成工程を含むことが好ましい。
未架橋ポリマー層の形成方法としては、本発明の樹脂組成物を混練により調製し、その後、混練物をシート状に成形する。シート成形は、混練されたレーザー彫刻用樹脂組成物及び樹脂組成物を支持体上に設けた状態で実施されてもよいし、支持体がない状態で実施されてもよい。
以下混練工程について説明する。
〔混練工程〕
バインダーポリマーと重合開始剤、更に、必要に応じてカーボンブラック、充填剤、植物油架橋体、重合性化合物を混練する方法は特に限定されないが、例えば、これらを同時に混練する方法(以下、「方法A」とも略す。)、バインダーポリマーと、カーボンブラック、充填剤、植物油架橋体、及び重合性化合物とを先に予備混練しておき、その後、重合開始剤を添加して混練する方法(以下、「方法B」とも略す。)等が挙げられる。
これらのうち、カーボンブラックの分散性が向上し、重合開始剤の熱分解性が抑制される観点から、後者の方法が好ましい。重合開始剤が熱重合開始剤の場合は、後者の方法が特に好ましい。
混練機としては、例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、インターミックスミキサー、ニーダーなどの密閉式混練機や、ミキシングロール(オープンロール)などの非密閉式(オープン型)混練機を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
また、上述した方法Bにより混練する場合、バインダーポリマーと、カーボンブラック、充填剤、植物油架橋体、及び、重合性化合物との予備混練は、カーボンブラックの分散度を向上させる目的で密閉式のミキサーで混練することが好ましく、重合開始剤を添加した後は、安全性の観点から、ミキシングロール(オープンロール)などの非密閉式の混練機で混練することが好ましい。
また、上述した方法Bにより混練する場合の予備混練の温度は、カーボンブラックの分散性の観点やバインダーポリマーの酸化を抑制する観点から、25℃〜200℃が好ましく、40℃〜180℃がより好ましく、60℃〜160℃が更に好ましい。また、同様の観点から、混練時間は、1分〜60分が好ましく、3分〜40分がより好ましく、5分〜20分が更に好ましい。
一方、重合開始剤を添加した後の混練温度は、スコーチ(早期加硫)を抑制する観点から、25℃〜120℃が好ましく、30℃〜100℃がより好ましく、40℃〜80℃が更に好ましい。同様の観点から、混練時間は1分〜60分が好ましく、3分〜40分がより好ましく、5分〜20分が更に好ましい。
なお、上述した方法Aにより混練する場合、混練温度及び混練時間は、方法Bにおける重合開始剤を添加した後の混練温度及び混練時間と同様である。
また、方法A及び方法Bなどの混練は、空気下で行ってもよく、バインダーポリマーの酸化劣化を抑制するために窒素などの不活性ガス下で行ってもよい。
〔シート成形工程〕
以下シート成形工程について説明する。
混練により調製した樹脂組成物(混練物)は、例えば押出し機を用いてダイから押出すか、カレンダー加工により圧延成形されシート状にされる。また、それらを組み合わせてもよい。押出し機としては単軸押出機、多軸押出機を用いることができる。
カレンダーロールは、1組のロール(上下1対の2本のロール)から複数のロールの組み合わせを有するカレンダーロールを使用することができ、製品に要求される膜厚精度に応じて、ロール数及びロール間隔(クリアランス)を設定することができる。ロール数は2本以上であり、目的に応じて適宜選択することができる。また、ロールの形状は、ロールの組み合わせの仕方により様々な形状に設定することができ、例えば4本のロールの組み合わせでは、4本が縦に並んだI型をはじめ、S型、逆L型、Z型、斜Z型など様々な配列を取らせることができる。ロール間隔は通常、最初のロール間隔を目的の膜厚より大きめに設定し、徐々に小さくし、最後のロール間隔を、出来上がりのシート膜厚が目的の膜厚になるように設定する。
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版における未架橋ポリマー層又は(架橋)ポリマー層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下が更に好ましい。
印刷版原版の膜厚精度としては、彫刻感度の均一性や印刷画質の均一性の点から、レンジで5%以下にすることが好ましい。
よりカールを抑制し、ドレープ性を向上させる観点から、第1のポリマー層の厚さと、第2のポリマー層の厚さとの比(第1のポリマー層:第2のポリマー層)は、30:70〜70:30であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましく、45:55〜55:45であることが更に好ましく、第1のポリマー層の厚さと第2のポリマー層の厚さが同じであることが特に好ましい。
シート成形工程は、混練された樹脂組成物を後述する支持体上に設けた状態で実施されてもよいし、支持体がない状態で実施されてもよい。
<架橋工程>
本発明の印刷版原版の製造方法は、上記未架橋ポリマー層を架橋し、架橋ポリマー層を有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を得る架橋工程を含む。
レリーフ形成層の架橋方法としては、未架橋ポリマー層を表面から内部まで均一に硬化(架橋)可能という観点で、熱による架橋が好ましい。
未架橋ポリマー層を架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。未架橋ポリマー層をレーザー彫刻すると、レーザー照射部の周辺に伝播した余熱により、本来意図していない部分が溶融、変形しやすく、シャープなレリーフ層が得られない場合がある。また、素材の一般的な性質として、低分子なものほど固形ではなく液状になり、すなわち粘着性が強くなる傾向がある。レリーフ形成層を彫刻する際に発生する彫刻カスは、低分子の材料を多く用いるほど粘着性が強くなる傾向がある。低分子である重合性化合物は架橋することで高分子になるため、発生する彫刻カスは粘着性が少なくなる傾向がある。
上記架橋工程を、熱により行うことで、特別高価な装置を必要としない利点もある。
架橋工程については、シート成形後架橋工程前にカッターで目的の大きさ及び形状に裁断した後に架橋してもよいし、シート成形後の連続したシートのまま架橋してもよい。前者の場合は、加熱プレス機が使用される。
熱架橋設備としては、熱風加熱炉、加熱プレス機(枚葉型加熱プレス機、連続型プレスコンベア)、加熱ロール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。架橋工程前にカッターで目的の大きさに裁断した後に架橋する場合は、枚葉型加熱プレス機が使用される。
加熱温度は、硬化膜の強度(耐刷性)、リンス性及び表面タックの観点から、100℃〜200℃が好ましく、120℃〜190℃がより好ましく、140℃〜180℃が更に好ましい。加熱時間は、1分〜100分が好ましく、3分〜60分がより好ましく、5分〜30分が更に好ましい。
加熱温度、加熱時間の一般的目安として、重合開始剤として熱重合開始剤を使用する場合には、熱重合開始剤の半減期1分を得る温度で加熱するならば、加熱時間は5〜10分である。前述した好ましい有機過酸化物の1分間半減期温度は以下の通りである。ジクミルペルオキシド(175℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(175℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(179℃)。ただし、1分間半減期温度以下の温度であっても、時間を延長することにより架橋を十分進行させることができる。
加熱する際に、プレスしながら加熱してもよい。そのときの圧力は、膜厚精度の点で、1MPa〜20MPaが好ましく、3MPa〜12MPaがより好ましい。この範囲内の圧力だと、プレス機の型板間で受ける圧力とその圧力に対抗するシートの弾性反発力等の反力とが釣り合うことで、プレス機の型板間が所定の距離に維持され、熱架橋されるため、膜厚はほとんど変化しない。
架橋工程は、未架橋ポリマー層単独の状態で行ってもよいし、未架橋ポリマー層の片面あるいは両面にシート(フィルム)を有した状態で行ってもよい。例えば、上記シート成形工程が、混練されたレーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に設けた状態で実施された場合、その支持体を有したまま架橋してもよいし、剥離して未架橋ポリマー層単独で架橋してもよい。また、シート成形工程後、一旦剥離シート(フィルム)を介してローラ状に巻き取られる場合、剥離シート(フィルム)を有したまま架橋してもよいし、剥離して未架橋ポリマー層単独で架橋してもよい。その場合使用されるシート(フィルム)は、前述のシート成形工程で記載した支持体に使用されるシート(フィルム)を使用することができる。
<支持体>
レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属;ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート))、PI(ポリイミド)、ポリアミド、LCP(液晶ポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル);ポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂;スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム;ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など);布、紙等が挙げられる。
支持体としては、寸法安定性及び入手容易性の観点から、ポリマーフィルム又は布であることが好ましく、ポリマーフィルムであることがより好ましい。支持体の形態は、ポリマー層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
布としては、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、アセテート、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、フッ素系フィラメント、ポリクラール、レーヨン、ナイロン、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維を平織りや綾織りした織物や各種編物とした布、不織布とした布を用いることができる。
ポリマーフィルムとしては、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート))、PI(ポリイミド)、ポリアミド、LCP(液晶ポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル);ポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂;スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム;ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)などの各種のポリマーで形成されたフィルムが例示され、これらの中でも、寸法安定性等の観点から、ポリエステルフィルムであることが好ましい。
上記ポリエステルフィルムとしては、PETフィルム、PBTフィルム、PENフィルム等が例示されるが、寸法安定性等の観点から、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムであることが好ましい。
支持体の膜厚は特に限定されないが、寸法安定性、ハンドリング性の観点から、5μm〜3,000μmであることが好ましく、50μm〜2,000μmであることがより好ましく、100μm〜1,000μmであることが更に好ましい。
<接着層>
ポリマー層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に用いることができる材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
また、易接着層(密着改良層)を有する支持体を用いることもできる。
<保護フィルム、スリップコート層>
ポリマー層表面への傷や凹み防止の目的で、ポリマー層表面に保護フィルムをラミネート(積層)してもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
保護フィルムのラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとポリマー層を圧着することや、表面に少量の溶剤を含浸させたポリマー層に保護フィルムを密着させることによって行うことができる。保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にポリマー層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にポリマー層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。
スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
保護フィルムは、架橋工程の後にラミネートしてもよく、架橋工程の前にラミネートしてもよく、特に限定されない。また、保護フィルムは彫刻工程の前に除去される。
〔彫刻工程〕
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、上記ポリマー層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含む。
彫刻工程は、第1のポリマー層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、第1のポリマー層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、第1のポリマー層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、ポリマー層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、ポリマー層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度でポリマー層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
彫刻工程に用いられる赤外線レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましい。特に、ファイバー付き半導体赤外線レーザー(FC−LD)が好ましく用いられる。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率かつ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、本発明における彫刻工程には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、「実用レーザー技術」電子通信学会等に記載されている。
また、本発明のフレキソ印刷版原版を用いたフレキソ印刷版の製版方法に好適に用いることができるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るフレキソ印刷版の製版に使用することができる。
〔リンス工程〕
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、彫刻工程に次いで、レリーフ層の表面をリンスするリンス工程を有することが好ましい。本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、リンス工程を有することにより、レリーフ層の表面の付着・残留する彫刻カスを洗い流し、除去することが好ましい。
リンスの手段として、リンス液に浸漬する方法、リンス液に浸漬しながら、リンス液を回転させたり、彫刻版をブラシで摺る方法、リンス液をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主にリンス液の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶剤として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶剤を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明において、リンス液に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、更に、必要に応じて以下に示す乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
ここで彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたポリマー層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有するフレキソ印刷版が得られる。
フレキソ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
本発明のフレキソ印刷版は、フレキソ印刷機による水性インキでの印刷に特に好適であるが、凸版用印刷機による水性インキ、油性インキ及びUVインキ、いずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。本発明のフレキソ印刷版は、リンス性に優れており彫刻カスの残存がなく、かつ、得られたレリーフ層が弾性に優れるため、水性インキ転移性及び耐刷性に優れ、長期間にわたりレリーフ層の塑性変形や耐刷性低下の懸念がなく、印刷が実施できる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
なお、実施例におけるバインダーポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、特に断りのない限りにおいて、GPC法で測定した値を表示している。
各実施例及び比較例で使用した成分の詳細は以下の通りである。
<成分A−1及び成分A−2:バインダーポリマー>
(a−1)UBEPOL BR150L:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):43、宇部興産(株)製)
(a−2)UBEPOL BR360L:ポリブタジエン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):51、宇部興産(株)製)
(a−3)Nipol IR2200:ポリイソプレン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):82、日本ゼオン(株)製)
(a−4)Nipol IR2200L:ポリイソプレン(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):70、日本ゼオン(株)製)
(a−5)Nipol 1502:SBR(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):52、日本ゼオン(株)製)
(a−6)三井 EPT1045:EPDM(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):38、エチレン含量:58質量%、ジエン含量:5質量%、ジエン種:ジシクロペンタジエン(DCPD)、三井化学(株)製)
(a−7)Nipol 1052J:NBR(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):46、日本ゼオン(株)製)
(a−8)JSR BUTYL 065:ブチルゴム/IIR(ムーニー粘度(ML1+8、125℃):32、JSR(株)製)
(a−9)ショウプレンWB:クロロプレンゴム(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):42―51、昭和電工(株)製)
(a−10)D1102BT:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、(Kraton Polymers LLC製)
(a−11)D1124BT:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(Kraton Polymers LLC製)
<成分B−1及び成分B−2:重合開始剤>
(b−1)パークミルD−40:有機過酸化物(熱重合開始剤)、ジクミルペルオキシド(40質量%)、日油(株)製
(b−2)パーブチルP−40:有機過酸化物(熱重合開始剤)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(40質量%)、日油(株)製
(b−3)粉末硫黄(熱重合開始剤、鶴見化学工業(株)製)
<成分C:カーボンブラック>
(C−1)旭♯78:旭カーボン(株)製(平均粒子径:22nm、窒素吸着比表面積:124m2/g)
(C−2)♯10K:新日化カーボン(株)製(平均粒子径:39nm、窒素吸着比表面積:48m2/g)
(C−3)シースト9:東海カーボン(株)製(平均粒子径:19nm、窒素吸着比表面積:142m2/g)
(C−4)シースト3:東海カーボン(株)製(平均粒子径:28nm、窒素吸着比表面積:79m2/g)
(C−5)ダイアブラックA:三菱化学(株)製(平均粒子径:19nm、窒素吸着比表面積:142m2/g)
(C−6)♯45L:三菱化学(株)製(平均粒子径:24nm、比表面積:125m2/g)
<成分D:カーボンブラック以外の充填剤>
(D−1)シリカ3:含水微粉ケイ酸 ニップシールAQ(日本シリカ工業(株)製、窒素吸着比表面積:202m2/g)
(D−2)シリカ4:含水微粉ケイ酸 トクシールGU((株)トクヤマ製、窒素吸着比表面積:120m2/g)
(D−3)シリカ5:沈降シリカ Ultrasil VN3(デグサジャパン(株)製、窒素吸着比表面積:175m2/g)
(D−4)炭酸カルシウム:サクセス200R(近江化学工業(株)製)
(D−5)酸化亜鉛2種(正同化学工業(株)製)
<成分E:植物油架橋体>
(E−1)黒サブ純種(天満サブ化工(株)製)
(E−2)白サブ1(天満サブ化工(株)製)
(E−3)ゴールデン(天満サブ化工(株)製)
(E−4)無硫黄U−8(天満サブ化工(株)製)
<成分F:重合性化合物>
(F−1)トリアリルイソシアヌレート:TAIC(登録商標、日本化成(株)製)
(F−2)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:NKエステル A−HD−N(新中村化学工業(株)製)
(F−3)トリメチロールプロパントリメタクリレート:NKエステル TMPT(新中村化学工業(株)製)
(実施例1)
<樹脂組成物の調製>
MS式小型加圧ニーダー((株)モリヤマ製)を用いて、成分Aとして(a−1)を40質量部及び(a−4)を60質量部と、成分Dとして(D−1)を36質量部と、植物油架橋体(成分E)として(E−2)を20質量部と、重合性化合物(成分F)として(F−3)を16質量部とを混練開始温度80℃にて、前ブレード35rpm、後ブレード35rpmで10分間混練した後、60℃まで冷却し、重合開始剤(成分B)としての熱重合開始剤(b−1)を8.5質量部添加して、混練開始温度60℃にて前ブレード20rpm、後ブレード20rpmで更に10分間混練し、樹脂組成物を調製した。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た樹脂組成物を、ミキシングロール((株)マイズ試験機製、ロール直径4インチ)を用いてシート状に成形した。ロール表面温度は70±5℃、ロール回転数は前ロール10rpm、後ロール12rpmに設定し、上記樹脂組成物を10分間混練し、ロールに巻き付いたものをカットしてシート状に引き出した。シートを幅20cm、長さ20cmにカットしたものを2枚準備し、PET支持体(東洋紡(株)製、コスモシャインA4300、125μm)の上下の重なる位置に配置し、熱プレス機((株)東洋精機製作所製、Mini Test Press MP−WCL)を用いて、10MPaの圧力で、180℃で10分間加熱した。この際に、フレキソ印刷版原版の平均膜厚が1.14mmとなるようにスペーサーで膜厚を調整した。このようにして、フレキソ印刷版原版(1)を得た。
<ポリマー層のショアA硬度測定>
別に、上記の幅20cm、長さ20cmにカットシートを1枚準備し、PET支持体を使用しないで、熱プレス機((株)東洋精機製作所製、Mini Test Press MP−WCL)を用いて、10MPaの圧力で、180℃で10分間加熱した。この熱架橋(加硫)後のシートのショアA硬度を、JIS K 6253:2012の測定方法で測定し求めた。
なお、ショアA硬度は、タイプAデュロメータを用いて測定した。また、試験片の厚さは6mm以上とし、6mm未満の場合には、積み重ねて6mm以上として測定した。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版に対し、以下の2種のレーザーにより彫刻した。
炭酸ガスレーザー彫刻機として、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)KEYENCE製)を用いた。炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
使用した彫刻機は、下記表1に示した。なお、「半導体」は、半導体レーザー彫刻機を使用したことを意味し、「CO2」は、炭酸ガスレーザー彫刻機を使用したことを意味する。
(比較例1)
シート状に成形したレーザー彫刻用樹脂組成物を、PET支持体の片面上にのみ配置した以外は実施例2と同様にしてフレキソ印刷版原版(2)を作製した。
(フレキソ印刷版原版の評価)
<支持体とポリマー層の剥離性>
支持体PETとポリマー層の接着性を評価した結果、フレキソ印刷版原版(1)及び(2)共に剥離不可であり、接着性は十分であった。
<カール性評価、ドレープ性評価>
フレキソ印刷版原版(1)及び(2)を机上に置いたときのPETの浮き(最大値)をカール性として評価した。その結果、フレキソ印刷版原版(1)が8mm、フレキソ印刷版原版(2)が68mmであり、本発明がカールの小さい層構成であることが判る。カール量が30mm以下を合格とした。
また、フレキソ印刷版原版(1)は彫刻機の回転ドラムに問題なく貼り付けることができたが、カールの大きいフレキソ印刷版原版(2)では両端部の浮き上がりが見られた。版の浮き上がりがないものをドレープ性の評価A、僅かにあるものをB、大きいものをCとし、Cでないものを合格とした。
<膜厚ばらつき評価>
作製したフレキソ印刷版原版の表面をレーザー変位計((株)キーエンス製、LK―H008)にて走査し、表面粗さ指標の最大高さR0を求めた。フレキソ印刷版原版の平均厚さをd0としたときの(R0/d0)×100(%)を膜厚ばらつきと定義した。この値が小さい方が膜厚ばらつきが小さい。
(フレキソ印刷版の評価)
以下の項目でフレキソ印刷版の性能評価を行った。
<リンス性>
レーザー彫刻したフレキソ印刷版をリンス液(P&G(株)製、ジョイW除菌の3質量%水溶液)に浸漬し、彫刻部を歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ フラット)で10回こすった。その後、光学顕微鏡でレリーフ層の表面におけるカスの有無を確認した。評価基準は以下の通りである。A、B、Cを合格とした。
A:カスがない
B:彫刻最深部に僅かにカスが見られる
C:カスの大部分は除去されるが、僅かに残存している
D:カスは一部除去されるが、残存している
E:カスが全く除去されない
<インキ着肉性の評価>
得られたフレキソ印刷版を印刷機(ITM−4型、(株)伊予機械製作所製)にセットし、UVフレキソCF 墨((株)T&K TOKA製)をインキとして用い、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙(株)製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、印刷開始から1,000mにおける印刷物上のベタ部のインキの付着度合いを目視で比較した。
濃度ムラなく均一なものをA、ごく僅かにムラがあるものをB、少しムラがあるものをC、インキが付着していない部分の面積が、インキが付着している部分の面積より多く、明らかにムラがあるものをDとし、Dでないものを合格とした。
<耐刷性>
得られたフレキソ印刷版を印刷機(ITM−4型、(株)伊予機械製作所製)にセットし、UVフレキソCF 墨((株)T&K TOKA製)をインキとして用い、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙(株)製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、ハイライト1〜10%を印刷物で確認した。印刷されない網点が生じた、又は、網点が太って印刷物として許容しがたいところを刷了とし、刷了時までに印刷した回数を指標とした。数値が大きいほど耐刷性に優れると評価した。
<印圧ラチチュード>
上記耐刷性評価の印刷開始時において、印圧とハイライト2%の網点濃度の関係を測定し、印圧(キスタッチからの押し込み距離)が20μm〜120μmの網点濃度差を測定した。網点濃度差が0.06以下をA、0.06を超え0.08以下をB、0.08を超え0.1以下のC、0.1を超えるものをDとし、Dでないものを合格とした。
(実施例2〜22、26〜32、34〜45、及び、比較例1〜6)
表1〜3に記載のように、各成分及び添加量を変更した以外は、実施例1と同様にしてレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を作製し、評価を行った。
(実施例23)
実施例1のPET支持体(東洋紡(株)製、コスモシャインA4300、125μm)の代わりにポリエステル織物(東洋紡(株)製、ダルファイン)を使用した以外は実施例1と同様にしてレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を作製し、評価を行った。
(実施例24)
実施例3のPET支持体(東洋紡(株)製、コスモシャインA4300、125μm)の代わりにポリエステル織物(東洋紡(株)製、ダルファイン)を使用した以外は実施例3と同様にしてレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を作製し、評価を行った。
(実施例25)
実施例1の重合開始剤(b−1)の代わりに重合開始剤(b−3)を使用した。更に、加硫促進剤としてジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーDM)を1質量部添加した以外は実施例1と同様にしてレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を作製し、評価を行った。
(実施例33)
<レーザー彫刻用樹脂組成物の調製>
実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<加硫シートの作製>
上記で得た樹脂組成物を、ミキシングロール((株)マイズ試験機製、ロール直径4インチ)を用いてシート状に成形した。ロール表面温度は70±5℃、ロール回転数は前ロール10rpm、後ロール12rpmに設定し、上記樹脂組成物を10分間混練し、ロールに巻き付いたものをカットしてシート状に引き出した。シートを幅20cm、長さ20cmにカットし、熱プレス機((株)東洋精機製作所製、Mini Test Press MP−WCL)を用いて、10MPaの圧力で、180℃で10分間加熱した。この際に、加硫後の平均膜厚が0.41mmとなるようにスペーサーで膜厚を調整した。この加硫シートを2枚準備した。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た加硫シートの内の1枚上に紫外線硬化型接着剤TB3042B((株)スリーボンド製)を露光後膜厚が100μmになるように塗布後、PET支持体(東洋紡(株)製、コスモシャインA4300、125μm)を貼り合わせUV露光し(露光量:1200mJ/cm2)、貼り合わせシートを得た。
加硫シートの別の1枚上に紫外線硬化型接着剤TB3042B((株)スリーボンド製)を露光後膜厚が100μmになるように塗布後、上記で得られた貼り合わせシートをPET面がUV硬化型接着剤に接するように貼り合わせUV露光し(露光量:1,200mJ/cm2)、フレキソ印刷版原版を得た。
得られたフレキソ印刷版原版に対して、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2016135550
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1 支持体、3 第1のポリマー層、5 第2のポリマー層、7 接着層、10 レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版

Claims (24)

  1. 支持体の一方の面に、レーザー彫刻可能な第1のポリマー層を有し、他方の面に、第2のポリマー層を有し、
    第1のポリマー層と第2のポリマー層のショアA硬度の差の絶対値が6未満であることを特徴とする、
    レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  2. 第1のポリマー層及び第2のポリマー層のショアA硬度が70を超え90以下である、請求項1に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  3. 第1のポリマー層が、第1の樹脂組成物を架橋してなるポリマー層であり、かつ、
    第1の樹脂組成物が、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有し、
    第2のポリマー層が、第2の樹脂組成物を架橋してなるポリマー層であり、かつ、
    第2の樹脂組成物が、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有する、
    請求項1又は2に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  4. 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が、熱重合開始剤である、請求項3に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  5. 第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物が同じ組成物である、請求項3又は4に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  6. 成分A−1及び成分A−2の少なくとも一方が、共役ジエン系ポリマーである、請求項3〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  7. 共役ジエン系ポリマーが、ポリイソプレン、ポリブタジエン、及び、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマーである、請求項6に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  8. 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が、硫黄を含有する化合物及び有機過酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  9. 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が、有機過酸化物である、請求項3〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  10. 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Cとしてカーボンブラックを含有する、請求項3〜9のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  11. 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Dとしてカーボンブラック以外の充填剤を含有する、請求項3〜10のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  12. 成分Dが、シリカ、炭酸カルシウム、及び、金属酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種の充填剤である、請求項11に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  13. 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Eとして植物油架橋体を含有する、請求項3〜12のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  14. 第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の少なくとも一方が、成分Fとして重合性化合物を含有する、請求項3〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  15. 支持体と第1のポリマー層との間、及び/又は、支持体と第2のポリマー層との間に接着層を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  16. 支持体が、ポリマーフィルム又は布である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  17. ポリマーフィルムがポリエステルフィルムである、請求項16に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  18. ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項17に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  19. 支持体を中心として、上下の層構成の順が同じである、請求項1〜18のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版。
  20. 支持体の一方の面に第1の樹脂組成物からなる層を有し、支持体の他方の面に第2の樹脂組成物からなる層を有する積層体を形成する積層体形成工程、及び、
    積層体を架橋する架橋工程を有し、
    第1の樹脂組成物が、成分A−1としてバインダーポリマー、及び、成分B−1として重合開始剤を含有し、
    第2の樹脂組成物が、成分A−2としてバインダーポリマー、及び、成分B−2として重合開始剤を含有することを特徴とする、
    請求項1〜19のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  21. 成分B−1及び成分B−2の少なくとも一方が熱重合開始剤であり、架橋工程が、積層体を熱架橋する工程である、請求項20に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の製造方法。
  22. 請求項1〜19のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を準備する工程、及び、
    レーザー彫刻用フレキソ印刷版原版の第1のポリマー層をレーザー彫刻し、レリーフ層を形成する彫刻工程を有する、
    フレキソ印刷版の製版方法。
  23. レリーフ層の表面をリンスするリンス工程を更に有する、請求項22に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
  24. レーザー彫刻する第1のポリマー層が、ポリイソプレン、ポリブタジエン、及び、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する第1の樹脂組成物を架橋した層である、請求項22又は23に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
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