JP6143331B2 - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウエーハのデバイス領域に対応する裏面を研削することにより円形凹部と該円形凹部を囲繞するリング状補強部が形成されたウエーハからリング状補強部を除去するウエーハの加工方法に関する。
半導体デバイス製造プロセスにおいては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成された分割予定ライン(ストリート)によって複数の領域が区画され、この区画された各領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。
そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切削することにより、半導体ウエーハは半導体デバイスチップに分割される。分割されるウエーハは、分割予定ラインに沿って切削する前に裏面を研削して所定の厚みに加工される。
近年、電子機器の小型化、軽量化を図るため、個々のデバイスに分割される前のウエーハの厚さはより薄く、例えば50〜100μm程度にすることが要求されている。このように薄く加工されたウエーハは紙のように腰がなくなり取扱いが困難になるため、搬送等において破損する恐れがある。
そこで、ウエーハのデバイス領域に対応する裏面のみを研削し、デバイス領域を囲繞する外周余剰領域に対応するウエーハの裏面にリング状補強部を残存させる研削方法が、例えば特開2007―19461号公報に開示されている。
このように裏面の外周にリング状補強部が形成されたウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法として、リング状補強部を除去した後、ウエーハの表面側から切削ブレードで切削する方法が提案されている(特開2007−19379号公報参照)。
デバイス領域とリング状補強部とを分離してからリング状補強部を除去する際には、リング状補強部やデバイス領域が破損したり、リング状補強部の除去用に特別な装置が必要になる恐れがあったが、その恐れを解決するための加工方法が特開2012−23175号公報に開示されている。
特開2007―19461号公報 特開2007−19379号公報 特開2012−23175号公報
然し、引用文献3に開示されたリング状補強部除去工程においては、リング状補強部とデバイス領域との境界部に切削ブレードを切り込ませるが、リング状補強部に切削ブレードが接触する恐れがあったり、切削ブレードの刃先出し量をリング状補強部の高さより高く設定する必要があるため、刃先の曲がりや破損が発生し易い恐れがあった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デバイス領域とリング状補強部とを分離する際に、リング状補強部と切削ブレードとの接触による破損がなく、切削ブレードの刃先出し量を長く突出させる必要のないウエーハの加工方法を提供することである。
本発明によると、複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に有するウエーハの加工方法であって、該デバイス領域に対応するウエーハの裏面を研削して円形凹部と該円形凹部を囲繞するリング状補強部を形成する研削工程と、基材と粘着層とからなるダイシングテープの該粘着層に該ウエーハの表面を貼着するとともに該ダイシングテープの外周部を環状フレームに貼着し、該ダイシングテープを介して該ウエーハを該環状フレームで支持するフレーム配設工程と、該フレーム配設工程を実施した後、該環状フレームに支持された該ウエーハの裏面側をチャックテーブルで保持して該ダイシングテープの基材側を露出させる保持工程と、該保持工程を実施した後、切削ブレードによって該外周余剰領域を含む該リング状補強部と該デバイス領域との境界部を該ダイシングテープとともに切断して該デバイス領域と該リング状補強部とを分離するリング状補強部分離工程と、該リング状補強部分離工程を実施した後、該ダイシングテープを介して該環状フレームに支持された該リング状補強部を該環状フレームとともに該チャックテーブルから離脱させて、該リング状補強部を除去するリング状補強部除去工程と、を備え、前記チャックテーブルはウエーハの裏面に形成された該円形凹部の直径より小さい外径を有しており、該リング状補強部分離工程では、該チャックテーブルを該ウエーハの該円形凹部中に位置付けつつ該ダイシングテープを露出させて該環状フレームに支持されたウエーハを該チャックテーブルで保持し、該ダイシングテープ側から該切削ブレードを切り込ませて該デバイス領域と該リング状補強部とを分離することを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
好ましくは、本発明のウエーハの加工方法は、前記リング状補強部除去工程を実施した後、前記デバイス領域のみからなる前記ウエーハの裏面を第2ダイシングテープに貼着するとともに該第2ダイシングテープの外周部を第2環状フレームに貼着して、該第2ダイシングテープを介して該ウエーハを該第2環状フレームで支持し、該ウエーハの表面に貼着された前記ダイシングテープを剥離するダイシングテープ貼り替え工程と、該ダイシングテープ貼り替え工程を実施した後、該デバイス領域のみからなる該ウエーハを切削して個々のデバイスに分割する分割工程と、を更に備えている。
本発明のウエーハの加工方法によると、リング状補強部除去工程において、平坦なダイシングテープ側から切削ブレードを切り込ませるので、リング状補強部が突出しているために懸念されるリング状補強部と切削ブレードとの接触による破損がなく、切削ブレードの刃先をリング状補強部の高さより長く突出させる必要がなく、安定的な切削加工が可能となる。
更に、リング状補強部除去工程において、ウエーハの円形凹部内に収まる直径の小径チャックテーブルを利用すれば、リング状補強部が突出しても問題なくウエーハの保持が可能となるため、実施が容易になるという効果を奏する。
半導体ウエーハの表面側斜視図である。 保護テープが貼着された半導体ウエーハの裏面側斜視図である。 円形凹部研削工程を示す斜視図である。 円形凹部研削工程の説明図である。 図5(A)は円形凹部研削工程実施後のウエーハの斜視図、図5(B)はその断面図である。 フレーム配設工程を示す斜視図である。 保持工程を説明する分解斜視図である。 リング状補強部分離工程を示す斜視図である。 リング状補強部分離工程を示す断面図である。 リング状補強部分離工程実施の断面図である。 リング状補強部除去工程を示す分解斜視図である。 リング状補強部除去工程を示す断面図である。 ダイシングテープ貼り替え工程を示す斜視図である。 分割工程を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、半導体ウエーハ11の表面側斜視図が示されている。半導体ウエーハ(以下、単にウエーハと略称することがある)11は、例えば厚さが700μmのシリコンウエーハからなっており、表面11aに複数の分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン13によって区画された各領域にIC、LSI等のデバイス15が形成されている。
このように構成されたウエーハ11は、複数のデバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19をその表面11aに備えている。また、ウエーハ11の外周には、シリコンウエーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチ21が形成されている。
ウエーハ11の表面11aには、保護テープ貼着工程により保護テープ23が貼着される。従って、ウエーハ11の表面11aは保護テープ23によって保護され、図2に示すように、裏面11bが露出する状態となり、研削工程では裏面11bを上側にして研削装置のチャックテーブル24に吸引保持される。
本実施形態のウエーハの加工方法では、まずウエーハ11の裏面11bを研削する研削工程が実施される。この研削工程は、図3に示すような研削装置の研削ユニット10により実施される。
研削ユニット10は、スピンドルハウジング12中に回転可能に収容されたスピンドル14と、スピンドル14の先端に固定されたホイールマウント16と、ホイールマウント16に着脱可能に装着された研削ホイール18とを含んでいる。研削ホイール18は、環状のホイール基台20と、ホイール基台20の下端部外周に固着された複数の研削砥石22とから構成される。
この研削工程では、図3及び図4に示すように、チャックテーブル24を矢印aで示す方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削ホイール18を矢印bで示す方向に例えば6000rpmで回転させるとともに、図示しない研削ユニット送り機構を作動して研削ホイール16の研削砥石22をウエーハ11のデバイス領域17に対応する裏面11bに接触させる。
そして、研削ホイール18を所定の研削送り速度で下方に所定量研削送りして、ウエーハ11のデバイス領域17に対応する裏面11bの研削を実施する。接触式又は非接触式の厚み測定ゲージによりデバイス領域17の厚みを測定しながらデバイス領域17を所望の厚み(例えば50μm)に研削する。
その結果、ウエーハ11の裏面11bには、図5に示すように、デバイス領域17に対応する領域が研削除去されて円形状の凹部26が形成されるとともに、外周余剰領域19に対応する領域が残存されてリング状補強部28が形成される。
ここで、チャックテーブル24に保持されたウエーハ11と研削ホイール16を構成する研削砥石22の外周との関係について図4を参照して説明する。チャックテーブル24の回転中心P1と研削砥石22の回転中心P2は偏心しており、研削砥石22の回転軌跡の外径はウエーハ11のデバイス領域17と外周余剰領域19との境界線30の直径より小さく、境界線30の半径より大きい寸法に設定され、環状に配置された研削砥石22がチャックテーブル24の回転中心P1を通過するようになっている。
本実施形態のウエーハの加工方法では、上述した研削工程を実施した後、図6に示すように、環状フレームFの開口部F1にウエーハ11を収容して、ウエーハ11の表面11aを基材と粘着層を積層してなるダイシングテープTの粘着層側に貼着し、ダイシングテープTの外周部を環状フレームFに貼着して、フレームユニット25を形成するフレーム配設工程を実施する。フレームユニット25では、ウエーハ11はダイシングテープTを介して環状フレームFに支持される。
フレーム配設工程実施後、図7に示すように、フレームユニット25の表裏を反転して切削装置のチャックテーブル32でウエーハ11の裏面11b側を吸引保持する保持工程を実施する。
チャックテーブル32は、SUS等の金属から形成された枠体34と、枠体32に囲繞されたポーラスセラミックス等から形成された吸引保持部36を含んでいる。枠体34の上面には環状の逃げ溝38が形成されている。
この保持ステップで使用するチャックテーブル32は、図9(A)に示すように、チャックテーブル32の外径がウエーハ11に形成された円形凹部26の直径よりも僅かばかり小さく形成されており、ウエーハ11の円形凹部26がチャックテーブル32に嵌合し、吸引保持部36でウエーハ11の裏面側が吸引保持される構成となっている。
保持工程実施後、切削ブレードによってリング状補強部28とデバイス領域17との境界部をダイシングテープTとともに切断して、デバイス領域17とリング状補強部28とを分離するリング状補強部分離工程を実施する。
このリング状補強部分離工程は、図8及び図9(A)に示すような切削装置の切削ユニット40を用いて実施する。切削ユニット40は、スピンドルハウジング41中に回転可能に収容されたスピンドル42と、スピンドル42の先端部に装着された切削ブレード44と、切削ブレード44の概略上半分を覆うホイールカバー46とを含んでいる。ホイールカバー46には、切削ブレード44の両側で水平方向に伸長するブレードクーラーノズル48が装着されている。
リング状補強部分離工程では、図8及び図9(A)に示すように、矢印A方向に高速回転する切削ブレード44をチャックテーブル32の枠体34に形成した環状の逃げ溝38の上方に位置付ける。
そして、切削ブレード44をダイシングテープTを介してリング状補強部28とデバイス領域17との境界部にウエーハ11を貫通するまで切り込ませ、チャックテーブル32を矢印R方向にゆっくりと回転させながら、切削ブレード44によってリング状補強部28とデバイス領域17との境界部をダイシングテープTとともに切断して、デバイス領域17とリング状補強部28とを分離する図10に示す環状分離溝50を形成する。
このリング状補強部分離工程で実施するチャックテーブルの他の実施形態として、図9(B)に示すようなチャックテーブル32Aを使用することができる。チャックテーブル32Aは、ウエーハ11のデバイス領域17の直径よりも小さい外径を有する枠体34Aと、枠体34Aに囲繞された吸引保持部36Aとから構成される。
このチャックテーブル32Aを使用して実施するリング状補強部分離工程では、図9(B)に示すように、切削ブレード44をダイシングテープTを介してリング状補強部28とデバイス領域17との境界部に切り込ませると、切削ブレード44はチャックテーブル32Aの外径とウエーハ11のリング状補強部28との間の空間に切り込むことになるため、図9(A)に示したチャックテーブル32の枠体34に形成した環状の逃げ溝38を配設する必要がない。
リング状補強部分離工程実施後、図11及び図12に示すように、ダイシングテープTを介して環状フレームFに支持されたリング状補強部28を環状フレームFとともにチャックテーブル32から離脱させて、リング状補強部28を除去するリング状補強部除去工程を実施する。このリング状補強部除去工程を実施すると、チャックテーブル32に吸引保持されたウエーハ11のデバイス領域17がダイシングテープTとともに残存する。
リング状補強部除去工程実施後、表面11aがダイシングテープTに覆われたウエーハ11のデバイス領域17をチャックテーブル32から取り外し、図13(A)に示すように、外周部が第2の環状フレームF´に貼着された第2のダイシングテープT´にデバイス領域17の裏面側を貼着し、図13(B)に示すように、デバイス領域17からダイシングテープTを剥離するダイシングテープ貼り替え工程を実施する。
ダイシングテープ貼り替え工程実施後、図14に示すように、デバイス領域17のみからなるウエーハ11を切削ブレード44Aで分割予定ライン13に沿って切削して、第2のダイシングテープT´まで切り込む切削溝54を分割予定ライン13に沿って形成し、ウエーハ11のデバイス領域17を個々のデバイス15に分割する分割工程を実施する。
この分割工程では、第1の方向に伸長する全ての分割予定ライン13に沿って切削溝54を形成した後、チャックテーブル(図8参照)32を90度回転してから、第1の方向に直交する第2の方向に伸長する全ての分割予定ライン13に沿って同様な切削溝54を形成する。
上述した本実施形態のウエーハの加工方法では、リング状補強部分離工程において、平坦なダイシングテープT側から切削ブレード44を切り込ませるので、ウエーハ11のリング状補強部28が突出しているために懸念されるリング状補強部28と切削ブレード44との接触による破損が起こることなく、切削ブレード44の刃先をリング状補強部28の高さよりも長く突出させる必要がなく、ウエーハ11の安定的な切削加工が可能になる。
また、ウエーハ11の円形凹部26内に収まる直径の小径のチャックテーブル32,32Aを利用すれば、ウエーハ11のリング状補強部28が突出しても問題なくチャックテーブル32,32Aでウエーハ11を保持することができるため、リング状補強部分離工程を容易に実施することができる。
10 切削ユニット
11 半導体ウエーハ
13 分割予定ライン
15 デバイス
17 デバイス領域
18 研削ホイール
19 外周余剰領域
22 研削砥石
25 フレームユニット
26 円形凹部
28 リング状補強部
32,32A チャックテーブル
38 環状逃げ溝
40 切削ユニット
44,44A 切削ブレード
50 環状分離溝
T ダイシングテープ
T´ 第2のダイシングテープ
F 環状フレーム
F´ 第2の環状フレーム

Claims (2)

  1. 複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを表面に有するウエーハの加工方法であって、
    該デバイス領域に対応するウエーハの裏面を研削して円形凹部と該円形凹部を囲繞するリング状補強部を形成する研削工程と、
    基材と粘着層とからなるダイシングテープの該粘着層に該ウエーハの表面を貼着するとともに該ダイシングテープの外周部を環状フレームに貼着し、該ダイシングテープを介して該ウエーハを該環状フレームで支持するフレーム配設工程と、
    該フレーム配設工程を実施した後、該環状フレームに支持された該ウエーハの裏面側をチャックテーブルで保持して該ダイシングテープの基材側を露出させる保持工程と、
    該保持工程を実施した後、切削ブレードによって該外周余剰領域を含む該リング状補強部と該デバイス領域との境界部を該ダイシングテープとともに切断して該デバイス領域と該リング状補強部とを分離するリング状補強部分離工程と、
    該リング状補強部分離工程を実施した後、該ダイシングテープを介して該環状フレームに支持された該リング状補強部を該環状フレームとともに該チャックテーブルから離脱させて、該リング状補強部を除去するリング状補強部除去工程と、を備え、
    前記チャックテーブルはウエーハの裏面に形成された該円形凹部の直径より小さい外径を有しており、
    該リング状補強部分離工程では、該チャックテーブルを該ウエーハの該円形凹部中に位置付けつつ該ダイシングテープを露出させて該環状フレームに支持されたウエーハを該チャックテーブルで保持し、該ダイシングテープ側から該切削ブレードを切り込ませて該デバイス領域と該リング状補強部とを分離することを特徴とするウエーハの加工方法。
  2. 前記リング状補強部除去工程を実施した後、前記デバイス領域のみからなる前記ウエーハの裏面を第2ダイシングテープに貼着するとともに該第2ダイシングテープの外周部を第2環状フレームに貼着して、該第2ダイシングテープを介して該ウエーハを該第2環状フレームで支持し、該ウエーハの表面に貼着された前記ダイシングテープを剥離するダイシングテープ貼り替え工程と、
    該ダイシングテープ貼り替え工程を実施した後、該デバイス領域のみからなる該ウエーハを切削して個々のデバイスに分割する分割工程と、を更に備えた請求項1記載のウエーハの加工方法。
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