JP6139866B2 - 脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物 - Google Patents

脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参のうち1種以上の麹発酵物を含む毛髪及び頭皮状態改善用組成物に関する。
脱毛は、成長周期によって休止期性脱毛と成長期性脱毛とに分けられ、休止期性脱毛としては、アンドロゲンによる男性型脱毛、女性の産後脱毛、内分泌疾患による脱毛があり、成長期性脱毛としては、円形脱毛、瘢痕性脱毛及び頭部白癬による脱毛などがある(Kuag, 2001)。また、局所感染(Muller et al., 1980)、内分泌障害(Bergfeld, 1978)、遺伝因子(Selman, wilzetal., 1974)及び自己免疫(Friedman, 1981)などによって脱毛が発生すると知られている。
現在、代表的な脱毛防止剤としては、アメリカFDAで承認されたプロペシアとミノキシジルなどがある。このような薬物は、臨床的に明確な効果を奏するが、性機能障害及び皮膚刺激などの副作用を招くだけでなく、女性は使用が不可となったり、制限的であるという欠点がある。最近、このような薬物の欠点を補完することができる新しいメカニズムの発毛剤とともに、安全であり、かつ性別に制限なく使用することができる天然原料の開発が活性に行われている。
特許文献1は、メハジキ、甘松香、甘菊、挑仁、山茱萸、ネナシカズラ、五味子、白朮、松葉とトウキの数種の漢方薬の混合抽出液を含む脱毛防止及び発毛促進組成物を開示しており、特許文献2は、トウキ根とゴボウ根のエタノール抽出物を含むことによって、トウキ根のベータシトステロール成分による5−アルファ還元酵素の抑制効果と、ゴボウ根のイヌリン成分による血流改善効果によって脱毛防止効果を有する脱毛防止シャンプー組成物を開示している。しかし、このような従来の技術の多くが臨床的に示される脱毛防止効果の作用メカニズムを明確に説明することができず、本発明による7種の薬参抽出物の麹発酵抽出物を使用した毛乳頭細胞増殖、血行促進効果及び頭皮抗酸化効果についてはいまだに知られていない。
韓国特許第0581316号公報 韓国特許第0609210号公報
本発明では、シャンプーのように、日常的な管理として、便利であり、副作用を引き起こさずに安全に脱毛防止効果を提供する天然原料を利用した組成物を開発するために努力した結果、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参のうち1種以上を麹発酵して、毛乳頭細胞増殖、血行促進、抗酸化効果を奏することによって脱毛防止効果を与えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記目的を達成するために、本発明は、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参のうち1種以上の麹発酵物を含む毛髪及び頭皮状態改善用組成物を提供する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記玄参(Scrophularia buergeriana)は、玄参科の多年草植物であって、重台、玄台、鬼蔵、逐馬とも呼ばれる。漢方では、根を玄参と言い、解熱剤として咽喉炎、腫れ物、リンパ節炎に使用する。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記人参は、タラノキ属の人参(Panax ginseng C.A.Meyer)の根であって、細い根およびコルク層が除去されたものを言う。特に、韓国では、白参(生物)、紅参(蒸し物)、及び尾蔘(細い根)に区分して記録したが、民間では、野生参も長脳と山参とに分けられる。中国では、人参の根や根茎を言い、園参(栽培人参)、紅参、及び山参(野生参)に区別する。人参は、根が人間と同一の形状をしているため付けられた名称であり、優れた効能があるとして神草とも呼ばれ、高い階級に該当して、人が奉るという意味で、人銜とも呼ばれ、日を背にし、陰地に向かっているため、鬼蓋とも呼ばれる。この薬は、独特な匂いがして、味は甘く、やや苦味があり、性質はやや暖かい。人参は、元気を補し、身体▲オウ▼弱、倦怠、疲れ、食欲不振、嘔吐、下痢に使用され、肺機能を向上させ、津液を生成し、安神作用及び腎機能を向上させる。薬理作用は、大脳皮質興奮と抑制、平衡、抗疲労、抗老化、免疫増強、心臓収縮、性線促進、高血糖抑制、タンパク質合成促進、恒常性維持、抗癌、解毒作用などが報告された。外観は、細長い円周状または紡錘状であり、2〜5個の側根が生えており、外面は、淡い黄褐色を帯び、縦シワと細い根跡がある。根頭部には茎幹の残基が付いていた蘆頭がある。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記丹参は、Salvia miltiorrhiza Bungeの根で作られた薬剤(韓国、中国)であって、日本では使用しない。5種の参−人参、苦参、丹参、玄参、沙参−は、5色を帯び、五臓にそれぞれ配属されるが、丹参は心に入るため、赤参とも呼ばれた。また、丹参は、風病を治療して、下肢無力感をなくすため、走っている馬を追い掛けることができるとして、奔馬草とも呼ばれた。この薬は、やや独特な匂いがして、薬性は苦味や渋みがあり、性質はやや冷たい。血液循環をよくし、淤血を除去し、四肢疼痛を緩和させる。婦人の生理不順、生理痛、産後腹痛、淤血性心腹部痛、打撲傷などを治療する。高熱による意識混濁、うわごと、煩燥、不眠症、皮疹、心悸亢進などを治療する。薬理作用は、冠状動脈拡張、コレステロール降下、血圧降下、肝機能活性化、抗炎鎮静、抗癌、抗菌作用が報告された。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記黄耆は、豆科に属する多年生草本植物であって、皇耆とも呼ばれる。高麗時代の吏頭郷名としては数板麻と言い、朝鮮初期には甘板麻と言ったが、1600年代に入っては‘ノサムブルフィ’などに変わり、1700年代は‘黄耆’になった。それは、苦参(ノサム)と類似しているものの、味が甘いため付けられた名称である。学名は、Astragalus membranaceus BUNGEである。山地で育ち、根は薬剤として利用するが、薬効成分は、ポリ酸(folic acid)、コリン(choline)などである。動物実験では、中枢神経系統の興奮作用と利尿作用に優れており、白鼠に大量の粉末を投与した場合、腎炎の発生を抑制させ、蛋白尿やコレステロール血症の発生も遅延させ、血圧降下作用も認められた。この薬は、薬性が温和であり、甘味がある。効能は、疲れやすく、力が弱く、音声が低く、脈が弱く、大汗をかく人に優れた効能を奏するため、昔から人参の代わりに多用されてきた。そして、子宮下垂、胃下垂、脱肛、子宮出血にも広く利用され、体力を増強させ、全身筋肉の緊張度を高めたりする。しかし、発熱がひどいときには使用することができない。民間では、鶏にこの薬を入れて煎じて食べれば、冷汗をかかずに体力が増強するとして多用されている。代表的な処方としては、元気がなく、食欲を失った人に多く活用される補中益気湯がある。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記蔓参は、双子葉植物のキキョウ目のキキョウ科の蔓性多年生草(Codonopsis pilosula Nannfeldt)であって、根を党参または参と言い、去痰剤または食用として使用する。蔓参は、人参に対する副作用のある人が人参の代わりに使用すれば、人参と同じ効能を得ることができるという名薬である。この薬は、独特な芳香があり、味はやや甘く、性質は偏らずに平易である。党参は、脾胃気が不足するため生じる身体疲労、消化吸収不良、咳、渇き、気虚、血虚に効能がある。薬理作用は、強壮作用、抗疲労及び免疫機能亢進作用、赤血球数増加作用、消化性潰瘍、血圧降下及び心臓、脳、下肢、内臓血流量増加作用が報告された。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記苦参は、苦参(Sophora flavescens Aiton)の周皮をほとんど剥いた根を言う。苦参という名称は、味が苦いため、‘苦’という字を使用し、効能が参と類似しているとして‘参’という字を使用する。根の外観のために、泥棒の杖という植物名を有する。この薬は、独特な匂いがして、残留性であり、薬性は、非常に苦くて冷たい。下焦湿熱による赤痢、こしけ、陰部掻痒症、皮膚の掻痒病などに使用し、膀胱炎によって小便が出にくくなったり、痛症があるときに使用する。薬理効果としては、白血球減少症の治療及び抗放射能作用、冠状動脈血流量増加、心臓筋肉強化、血糖低下作用、抗腫瘍、抗菌、免疫機能抑制作用などが報告された。
本発明の一つの実施形態による組成物に使用される前記沙参は、ユリ科のつりがね草(Adenophoratriphylla var. japonica Hara)または同属植物の根で作られた薬剤であって(韓国)、日本では、細葉沙参(Adenophora triphylla(Thunb.)A. DC.)、中国では、北沙参(Adenophora stricta Miq)と輪葉沙参(Adenophora tetraphylla(THUNB.)FISCH)を使用して作る。前記沙参は、人参、玄参、丹参、苦参とともに五参と呼ばれるが、それは、これらは形状は異なるが、治療方法は類似しているためである。沙参という名称は、白色であり、砂地でよく育つため付けられた名称である。根には白汁が多く、俚人たちは羊婆▲ダイ▼とも呼んだ。この薬は、独特な芳香があり、噛めば粘液性があり、味はやや甘く、性質はやや冷たい。沙参は、津液を補充して、肺を潤沢にし、熱を冷やして痰をなくすため、咽喉乾燥、空咳、痰、咳嗽、喘息などに使用される。胃陰の不足によって口内が乾き、咽喉が乾燥し、大便が固まる便秘症などに使用する。薬理作用として、去痰作用、抗菌作用、溶血作用、強心作用などが報告された。
本発明において、前記7種の薬参は、東医宝監と韓国本草図鑑で血行(人参、丹参、黄耆)、栄養(玄参、蔓参)、保護(苦参、沙参)の効能を示す薬剤を選別したものである。
本発明で使用された組成物は以下のような方法によって製造する。
まず、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参のうち1種以上を麹発酵して、本発明の一つの実施形態による組成物を製造することができる。
また、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参のうち1種以上の抽出物を得た後、前記抽出物を麹発酵して、本発明の一つの実施形態による組成物を製造することができる。
この際に使用される麹は、代表的な天然熟成発酵剤であり、最初に作られたのは中国春秋時代であり、韓国は三国時代以前である。麹は、お酒を作る酵素を含む麹菌及び酵母を穀類である小麦に繁殖させたものであって、麹菌は約50種が知られている。その中でも、Aspergullus oryzae(黄麹菌)とAspergillus niger(黒麹菌)が代表的なものであるが、これらは米の片栗粉を糖化する強力な酵素を含み、片栗粉を二糖類及び単糖類に分解し、最終的にエタノールに転換させる酵素転換反応が行われる。お酒の発酵以外にも、これら酵素は、イソフラボンとポリフェノールの配糖体を、生理活性が強くなった形態である非配糖体の活性化した形態に転換させる。味噌やお酒を製造する工場で勤める作業者の手が白く変わる事実を研究した結果、麹菌の成分であるコウジ酸が発見された。酵母は、お酒の製造に使用されるためでなく、生命現象に深く関連した多様な酵素とともに、ビタミンB複合体、タンパク質、無機質などを含む。
前記製造方法についてさらに詳細に説明すれば、例えば、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参、沙参のうち1種以上を麻布風呂敷で包んで、麹とご飯の混合物が入っているカメに入れる。35℃で2〜3日間発酵させた後、熱水抽出して組成物を得ることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
さらに他の製造方法として、例えば、前記玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参、沙参のうち1種以上を通常の天然産物の修得方法を利用して抽出物を得た後、それを麹とご飯の混合物が入っているカメに入れる。35℃で2〜3日間発酵させて組成物を得ることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
前記薬参抽出物を得る方法についてさらに詳細に説明すれば、例えば、前記玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参、沙参のうち1種以上を洗浄して乾燥した後、それを溶媒抽出し、前記抽出物を濾過する過程を経て得ることができる。前記溶媒は、水、有機溶媒、及び水と有機溶媒との混合物からなる群から選択された一つ以上を含む。前記水は、蒸溜水または精製水を含み、前記有機溶媒は、C1ないしC5の低級アルコール、例えば、アルコール、アセトン、エーテル、エチルアセテート、ジエチルエーテル、エチル・メチル・ケトン及びクロロホルムからなる群から選択された一つ以上を含むが、本発明がこれに限定されるものではない。
本発明の玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参のうち1種以上の薬参の麹発酵物は、組成物の総質量に対して0.01〜10質量%を含むことが好ましく、前記範囲で頭皮刺激及びトラブルを引き起こさずに優れた毛髪及び頭皮状態を改善させることができる。
本発明で、玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参の抽出物のうち1種以上の麹発酵抽出物を含む頭皮及び毛髪化粧料組成物は、毛乳頭細胞増殖、血行促進及び抗酸化効果を示すことによって、脱毛現象を防止し、毛髪成長を促進することができる。
本発明による組成物が毛嚢毛乳頭細胞増殖を促進する効果を示すグラフである。 本発明による組成物の血行促進に関連するカリウムイオンチャンネルの活性増大効果を示すグラフである。 本発明による組成物の抗酸化効果を示すグラフである。
以下、実施例及び実験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の権利範囲がこれらに限定されるものではない。
[製造例1]薬参抽出物の製造
本発明の玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参の7種の薬参抽出物は下記の方法によって製造した。前記それぞれの薬参を流水で洗浄した後、250メッシュ(mesh)のフィルターで濾過して50℃で24時間乾燥する。乾燥したそれぞれの薬参50gに、70%のエタノールを1L添加し、7種の乾燥した薬参混合物350g(各50g)には、70%のエタノールを10L添加して、4℃の温度条件下で48時間還流抽出した。その後、250メッシュのフィルターで濾過して沈澱させた後、再び0.5μmのフィルターで濾過してそれぞれの薬参抽出物及び混合抽出物を得た。
[製造例2]麹発酵抽出物の製造
本発明で使用した組成物は、前記薬参の麹発酵抽出物またはその混合抽出物を有効成分として含み、下記のような方法によって製造した。7種の薬参(玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参、及び沙参)を流水で洗浄した後、250メッシュ(mesh)のフィルターで濾過して50℃で24時間乾燥する。麻布風呂敷で前記乾燥したそれぞれの薬参50gと7種の乾燥した薬参混合物350g(各50g)を包んで、麹とご飯が1:1で混合された混合物が入っているカメに入れた。35℃で3日間発酵させた後、麻布風呂敷を取り出した。発酵した薬参の重量の20倍の精製水を入れ、80℃で24時間熱水抽出して麹発酵抽出物を得た。
[参考例1]比較例1〜9及び実施例1〜8(参照例1〜7、実施例8)の製造
前記製造例1の抽出物を使用して比較例1〜9を、前記製造例2の麹発酵抽出物を使用して実施例1〜8(参照例1〜7、実施例8)を下記表1の組成によって製造した。
Figure 0006139866
[実験例1]毛嚢毛乳頭細胞増殖効果の試験
毛髪を構成するケラチンタンパク質は、毛根部のケラチン形成細胞(keratinocyte)で生成され、このケラチン形成細胞は、毛乳頭細胞から分化する。本発明による組成物の毛乳頭細胞の活性を評価するために、本発明では、DP6(rat immortalized dermal papilla cell)細胞株を使用した〔Wendy Filsell, Journal of Cell Science 107, 1761−1772(1994)〕。本毛乳頭細胞株は、雄PVG ratのひげの毛根でmicrodissection方法で分離して培養した細胞株であり、10%のウシ胎仔血清(Fetal bovine serum、FBS)が含まれたDMEM(Dulbecco’s modified Eagle’s medium;Gibco BRL, Gaithersburg, MD, USA)培地で5%のCO2、37℃が維持される培養器(incubator)で24時間培養した。
前記培養されたDP6に、表1の組成の比較例1〜9又は実施例1〜8(参照例1〜7、実施例8)を処理して、96穴プレート(96−well plate)に入れ、37℃の培養器(incubator)で24時間培養した。比較例1は、抽出物を処理していない未処理群である。薬物処理が24時間経過した後、WST−1 kit(Roche)を使用して細胞増殖能を測定した。その結果を図1に示す。
図1に示される結果から、薬参抽出物そのものを使用する比較例2〜9の場合に比べて、麹発酵抽出物を処理した実施例1〜8(参照例1〜7、実施例8)の場合、毛乳頭細胞増殖効果が優れており、1種の抽出物と同じ濃度で処理した混合抽出物である実施例8の場合、1種のみの抽出物を使用する実施例1〜7(参照例1〜7)に比べて効果が優れており、混合使用による上昇効果があることが確認できる。
[実験例2]カリウムイオンチャンネル活性増大効果の評価
脱毛治療剤であるミノキシジルは、潜在的なミトコンドリアKATP channel opener(カリウムイオンチャンネルオープナー)として知られており、アンドロゲン性脱毛の治療に使用される代表的な薬物である。このようなミノキシジルのメカニズムを評価するために、頭皮の真皮を構成する線維芽細胞で、KATP channelを塞ぐトルブタミド(Tolbutamide, SIGMA AlDRICH, T0891)を処理して細胞増殖を抑制し、再びカリウムイオンチャンネルを開いて細胞増殖が回復する試験法を使用した。
本組成物のKATP channel openerとしての機能を評価するために、本発明では、線維芽細胞株であるNIH3T3(Mouse embryonic fibroblast cell line)細胞株を使用した。本細胞株は、NIH Swiss mouse embryoから分離した線維芽細胞株を、3T3 protocolで自然不滅化させた細胞株である。前記細胞株は、10%ウシ胎仔血清(Fetal bovine serum、FBS)が含まれたDMEM(Dulbecco’s modified Eagle’s medium;Gibco BRL, Gaithersburg, MD, USA)培地で、5%のCO2、37℃が維持される培養器(incubator)で24時間培養した。NIH3T3を96穴プレート(96−well plate)に入れ、37℃の培養器(incubator)で24時間培養した後、2.5mMのトルブタミドで処理し、10分後に陽性対照群であるミノキシジル10μMと、製造例1での薬参抽出物又は製造例2の麹発酵抽出物とを、下記表2及び表3の組成でそれぞれ処理し、薬物処理が48時間経過した後、WST−1 kit(Roche)を使用して細胞増殖能を測定した。その結果を図2に示す。
Figure 0006139866
Figure 0006139866
図2に示される結果から、実施例9〜16(参照例9〜15、実施例16)で処理した場合、ミノキシジルで処理した比較例12と同様な程度に線維芽細胞の増殖が回復し、薬参抽出物そのものを使用した場合である比較例13〜20に比べて、麹発酵抽出物で処理した実施例9〜16(参照例9〜15、実施例16)の場合、カリウムイオンチャンネル活性増大効果が優れており、1種の抽出物と同じ濃度で処理した混合抽出物で処理した実施例16の場合、1種のみの抽出物を使用した実施例9〜15(参照例9〜15)に比べて効果が優れており、混合使用による上昇効果があることが確認できる。
[参考例2]比較例21〜31及び実施例17〜24(参照例17〜23、実施例24)の製造
前記製造例1の薬参抽出物を使用して比較例21〜31を、前記製造例2の麹発酵抽出物を使用して実施例17〜24(参照例17〜23、実施例24)を、下記表4及び表5の組成によって製造した。
Figure 0006139866
Figure 0006139866
[実験例3]抗酸化効果の評価
本組成物の抗酸化効果を評価するために、DPPH抗酸化評価法を使用した。体内で起こる酸化反応は、主に自由ラジカルによって起こり、このような作用は、細胞の老化及び癌の発生を招くと知られている。したがって、体内の自由ラジカルの生成抑制は、結局、体内抗酸化、抗老化に関連し、このような抗酸化効果は、体内の自由ラジカルを対象として実験し難いため、DPPH(2,2−diphenyl−1−picrylhydrazyl)ラジカルを普遍的に使用している。DPPHラジカルは、濃い紫色を帯びているが、抗酸化効能の物質と出合って反応すると、薄い黄色に変わり、517nmの波長で吸光度を測定して抗酸化能を評価する。物質の抗酸化能が高ければ高いほど、薄い黄色を帯び、吸光度が低下する。
本実験では、96穴プレート(96well plate)に0.1mMのDPPH溶液を入れた後、これに前記参考例2の比較例21〜31又は実施例17〜24(参照例17〜23、実施例24)をそれぞれ入れて、37℃の培養器で30分間反応させ、517nmで吸光度を測定した。その結果を図3に示す。比較例21は未処理群であり、比較例22〜23は陽性対照群であり、ビタミンC〔SIGMA, (+)−Sodium L−ascorbate〕50μg/ml又は100μg/mlでそれぞれ処理した。
図3に示されるように、本発明の麹発酵抽出物で処理した実施例17〜24(参照例17〜23、実施例24)は、対照群に比べて抗酸化効果に優れていることが分かり、薬参抽出物そのものを使用した比較例24〜31の場合に比べて、麹発酵抽出物で処理した実施例17〜24(参照例17〜23、実施例24)が抗酸化効果に優れていることが分かる。また、1種の抽出物と同じ濃度で処理した混合抽出物である実施例24の場合、1種のみの抽出物を使用した実施例17〜23(参照例17〜23)に比べて効果に優れており、抗酸化効果において混合使用による上昇効果があることが確認できる。

Claims (4)

  1. 玄参、人参、丹参、黄耆、蔓参、苦参及び沙参からなる薬参混合物の麹発酵抽出物を有効成分として含む脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物。
  2. 前記薬参混合物の麹発酵抽出物は、組成物の総質量に対して0.01〜10重量%含まれることを特徴とする請求項1に記載の脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物。
  3. 前記組成物は、血行を促進することを特徴とする請求項1に記載の脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物。
  4. 前記組成物は、頭皮抗酸化用であることを特徴とする請求項1に記載の脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物。
JP2012258834A 2011-11-29 2012-11-27 脱毛防止又は毛髪成長促進用組成物 Active JP6139866B2 (ja)

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