JP2952627B2 - 養毛液及びその製造方法 - Google Patents

養毛液及びその製造方法

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JP2952627B2 JP5004550A JP455093A JP2952627B2 JP 2952627 B2 JP2952627 B2 JP 2952627B2 JP 5004550 A JP5004550 A JP 5004550A JP 455093 A JP455093 A JP 455093A JP 2952627 B2 JP2952627 B2 JP 2952627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は養毛液及びその製造方法
に関する。詳細には、例えば米糠などの植物性タンパク
質及び植物性脂質を含む水性基質に、例えばリパーゼ及
びプロテナーゼや麹菌を作用させることにより得られる
発酵生成物を主成分とする養毛液及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、脱毛、育毛のメカニズムは明らかにはされていない
が、一般的には、血行不良、新陳代謝の低下、過剰な男
性ホルモンの存在、頭皮の炎症、アレルギーなどが主な
原因と考えられている。
【0003】髪は頭皮表面に出ている部分と、頭皮内の
毛根といわれる部分とに分けられ、毛根基部の毛球には
毛母細胞という組織がある。また、毛球の回りには数多
くの毛細血管が取り巻いており、この毛細血管からの血
液より栄養をとって毛母細胞が分裂を繰り返し、髪をつ
くっている。
【0004】ところが、細胞への血液の補給が充分に行
われなくなると、毛母細胞における細胞分裂が活発に行
われなくなり、髪の成長が阻害されることになる。この
ため、発毛、育毛を促進するには、頭皮の血行を促進し
て毛母細胞の働きを活発にすることが必要な要件である
とする説がある。
【0005】又、髪をつつむ毛のうには、5α−リダク
ターゼという酵素があり、この酵素が男性ホルモンと結
びついて5α−ジヒドロテストステロンに変換され、こ
れが血管を介して毛乳頭へ移行し、毛母細胞におけるア
デニルサイクラーゼの活性を抑制して毛母細胞の分裂を
遅らせ、毛包が次第に退縮し、毛が細くうぶ毛化し禿が
発生するという説もある。
【0006】このように、脱毛、育毛のメカニズムには
種々の説はあるものの確立された説はなく、従来より数
多く提案されている養毛剤は、それぞれの説に基づい
て、頭皮の血行を促進する物質や、毛母細胞の働きを活
発にする物質をその有効成分として含有したものであ
り、未だ十分な脱毛防止効果を有し、かつ優れた発毛、
育毛効果のある養毛液は開発されていないのが現状であ
った。
【0007】本発明者は、このような事情から、養毛効
果の優れた養毛液を開発すべく鋭意研究を行った結果、
例えば米糠などの植物性タンパク質及び植物性脂質を含
む基質に、リパーゼ及びプロテナーゼや麹菌を作用させ
ることにより得られる発酵生成物が充分な脱毛防止効果
を有し、かつ優れた発毛、育毛効果があることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】即ち、請求項1
記載の発明は、植物性タンパク質及び植物性脂質を含有
する水性基質に対し、植物性タンパク質及び植物性脂質
を分解する酵素を1:1000の割合で、或は麹菌を
1:100の割合で加えると共に、緩衝液を加えて前記
水性基質のpHを6〜11とし、この水性基質を35〜
45℃の温度で5〜10時間寝かせて発酵させることに
より得られる発酵生成物を主成分とすることを特徴とす
る養毛液をその要旨とした。
【0009】請求項2記載の発明は、養毛液の製造方法
であって、植物性タンパク質及び植物性脂質を含有する
水性基質を用意し、これに植物性タンパク質及び植物性
脂質を分解する酵素を1:1000の割合で、或は麹菌
を1:100の割合で加えた後、緩衝液を加えて前記水
性基質のpHを6〜11とし、次いで、前記水性基質を
35〜45℃の温度で5〜10時間寝かせて発酵させ、
養毛液の主成分を製造することを特徴とする方法をその
要旨とした。
【0010】以下、本発明の養毛液及びその製造方法を
詳しく説明する。本発明の養毛液における水性基質は以
下に挙げる基質に水を加えたものである。基質として
は、植物性タンパク質と植物性脂質とを含有するもので
あれば何でもよく、例えば米糠、酒粕、小麦胚芽、ふす
ま、蕎麦玄殻、稗玄殻などの穀物類、大豆、おから、豆
乳、小豆、きな粉、コーヒー粕などの豆類、長芋、自然
薯、里芋などの芋類の他、紅茶粕、蜂蜜、胡麻、ピーナ
ッツ、蓮の実、明日菜、紫蘇、わかめ、昆布などが挙げ
られる。特に米糠、酒粕、ふすま、コーヒー粕、小麦胚
芽、胡麻、おから、大豆、小豆などは植物性タンパク質
と植物性脂質とが平均して含まれていることからより好
ましい。
【0011】基質中の植物性タンパク質及び植物性脂質
を分解する酵素とはリパーゼとプロテナーゼであり、そ
の他にアミラーゼなどの酵素も加えることができる。
又、リパーゼ、プロテナーゼの他に多種類の酵素を生体
内で生産する機能を持つ麹菌を用いることもできる。
【0012】リパーゼとしては、酸性域で使用されるス
ペマトリパーゼ(spermatolipase)を代
表とする各種のカビ、イースト、細菌、体液、臓器から
の酵素を用いることができる。具体的には膵臓リパー
ゼ、肝臓リパーゼ、結核菌リパーゼ,FIBリパーゼ、
ヒマリパーゼなどが使用できる。
【0013】又、プロテナーゼとしては、最適のpHに
より酸性のプロテナーゼが望ましい。その中でも酵素自
身のアミノ酸残基以外に特定の活性基をもたず、酵素作
用を発揮するために特定の試剤を必要としないペプシ
ン、トリプシン、キモトリプシンなど、またシアン化水
素酸塩、アスコルビン酸、システイン、グルタチオンの
ような還元剤によって活性化されるようなもので、パパ
イン、フィシンなどの植物性酵素や動物細胞内に広く分
布する酵素、カテプシン類の大部分を使用することがで
きる。さらに具体的にはキモトリプシン、トリプシン、
ヘプシン、カルボキシペプチターゼ、カテプシンA、カ
テプシンB、カテプシンC’、カテプシン3、カテプシ
、腎臓アシラーゼ、腎臓アシラーゼ、ロイシン
アミノペプチターゼ、アミノトリペプチターゼ、グリシ
ルグリシンジペクチターゼ、プロリターゼ、プロリナー
ゼ、プラスミン、トロンピン、パパイン、フィシン、ス
トレプトコッカス(streptococcus)のプ
ロテナーゼ、Cl,ヒストリチカム(histolyt
icum)のプロテナーゼ及びペプチターゼなどがあ
る。
【0014】これら植物性タンパク質及び植物性脂質を
分解する酵素が前記水性基質の重量100に対し0.1
の割合で加えられている。又、麹菌の場合は、麹菌が前
記リパーゼやプロテナーゼに比べて、その分解力が弱い
ことから、基質の重量100に対して1の割合で加えら
れている。
【0015】又、前記水性基質には緩衝液が加えられて
おり、pH6〜11に調整されている。緩衝液として
は、塩酸−コリジン系、第一リン酸カリウム−第二リン
酸カリウム系、塩酸−ベロナールナトリウム系、塩酸−
トリスアミノメタン系、塩酸−ホウ砂系、ホウ酸−炭酸
ナトリウム系、塩酸−アミノメチルプロパンジオール
系、塩化アンモニウム−アンモニア系、グリシン−水酸
化ナトリウム系、ホウ酸−水酸化ナトリウム系、塩酸−
ジメチルグリシンナトリウム系、重炭酸ナトリウム−炭
酸ナトリウム系、ホウ砂−水酸化ナトリウム系、ホウ砂
−炭酸ナトリウム系、塩酸−炭酸ナトリウム系、第二リ
ン酸ナトリウム−水酸化ナトリウム系、その他類似の緩
衝液が使用されている。
【0016】前記水性基質が35〜45℃の温度で、5
〜10時間攪伴下で寝かされる。この様にして得られた
発酵生成物の濾過液について高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)により分析を行ったところ、以下に示す
成分を確認することができた。尚、分析はHPLC機器
として、検出器(LC−9A 島津製作所株式会社
製)、カラム(長さ3m)を使用し、移動層としてアセ
トニトリル溶媒を用い、カラム温度30℃、流速10m
l/minの測定条件で行った。
【0017】発酵生成物の濾過液中には、ミリスチン
酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、テ
トラデカジエン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサエン
酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、エイコサトリエ
ン酸、ドコセン酸、クルバノドン酸、ドコサヘキサエン
酸といった脂肪酸が確認された。又、同じく発酵生成物
の濾過液中には、ロイシン、イソロイシン、リジン、メ
チオニン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、ス
レオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、アル
ギニン、アスパラギン酸、アラニン、グルタミン酸、グ
リシン、プロリン、セリンといったアミノ酸が含まれて
いることが確認された。
【0018】上記発酵生成物の成分からも明らかなよう
に、該発酵生成物には多種類のアミノ酸と脂肪酸とが含
まれている。アミノ酸には毛母細胞などへ栄養分を与え
る作用があり、脂肪酸には、毛細血管を活性化する血管
拡張作用、髪をしっとりと艶やかにする保湿効果、毛の
うに含まれる5α−リダクターゼの活性を低下させ、毛
のうぶ毛化を抑える5α−リダクターゼ阻害活性がある
と考えられている。そして、これら各成分により又は各
成分の相乗効果により、育毛が促進され、優れた養毛効
果を発揮するものと考えられる。特に、発酵生成物中に
は含硫アミノ酸、不飽和脂肪酸が含まれており、これら
の存在が優れた養毛効果をもたらしていると考えられ
る。
【0019】又、基質に麹菌を作用させることにより得
られる発酵生成物については、麹菌の生体内では、リパ
ーゼ及びプロテナーゼといった酵素の他に、アミラー
ゼ、グルタミナーゼ、セルナーゼ、ペクチナーゼなど多
種類の酵素が生産されることから、該麹菌を基質に作用
させたときには、基質に含まれる脂質、タンパク質以外
の他の成分の分解も行われることになり、HPLCによ
る分析の結果では、上記リパーゼ及びプロテナーゼの混
合物による発酵生成物の分析で確認された成分の他に、
ビタミンA、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB
6 、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、銅、鉄、
カルシウム、リン、プリン、デオキシリボ核酸、リボ核
酸、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシン、キサン
チンなど、微量ではあるが多種類の成分の存在も確認さ
れた。このように麹菌による発酵生成物には微量ではあ
るが多種類の成分が存在しており、これらの微量成分と
上記アミノ酸及び脂肪酸との相乗効果により、養毛効果
がより一層向上するものと考えられる。
【0020】尚、本発明の養毛液を保存する場合、冷凍
若しくは煮沸する。この場合でも養毛液の効果は変わら
ない。
【0021】次に、本発明の養毛液の製造方法について
説明する。尚、基質、酵素、麹菌については、養毛液の
説明の箇所で説明済みであるためここでの説明は割愛す
る。本発明の養毛液の製造方法は、植物性タンパク質及
び植物性脂質を含有する水性基質を用い、これに植物性
タンパク質及び植物性脂質を分解する酵素又は麹菌を作
用させて、養毛液の主成分を製造する方法である。
【0022】まず、植物性タンパク質及び植物性脂質を
含有する基質に植物性タンパク質及び植物性脂質を分解
する酵素又は麹菌を作用させるのであるが、発酵は水性
条件下で行なう。基質に作用させる酵素としては、前述
したように、リパーゼ、プロテナーゼ、或いはこれらリ
パーゼ、プロテナーゼの他、アミラーゼなど多種類の酵
素を生体内で生産する機能を持つ麹菌を用いる。又、リ
パーゼ及びプロテナーゼは基質に対し夫々別々に加えて
もよいが、リパーゼ及びプロテナーゼの混合物という形
態で加えてもよい。又、混合物中にはアミラーゼなどの
他の酵素を加えることにより、分解機能を高めたり、基
質中の他の成分の分解を行うようにしてもよい。リパー
ゼ、プロテナーゼなどの酵素を基質に作用させる場合、
基質の重量100に対し、混合物の各酵素の重量が0.
1の割合で加えるのが良い。又、麹菌の場合は、麹菌が
前記リパーゼやプロテナーゼに比べて、その分解力が弱
いことから、基質の重量100に対して1の割合で加え
るのが良い。
【0023】発酵条件としては、温度が室温望ましくは
35〜45℃であり、緩衝液としては、pH6〜11を
有する塩酸−コリジン系、第一リン酸カリウム−第二リ
ン酸カリウム系、塩酸−ベロナールナトリウム系、塩酸
−トリスアミノメタン系、塩酸−ホウ砂系、ホウ酸−炭
酸ナトリウム系、塩酸−アミノメチルプロパンジオール
系、塩化アンモニウム−アンモニア系、グリシン−水酸
化ナトリウム系、ホウ酸−水酸化ナトリウム系、塩酸−
ジメチルグリシンナトリウム系、重炭酸ナトリウム−炭
酸ナトリウム系、ホウ砂−水酸化ナトリウム系、ホウ砂
−重酸ナトリウム系、塩酸−炭酸ナトリウム系、第二リ
ン酸ナトリウム−水酸化ナトリウム系、その他類似の緩
衝液を使用することができる。
【0024】尚、使用に際してはこれらの緩衝液から選
ばれた2種以上の混合物という形態で使用してもよい。
又、反応時間としては、攪伴下5〜10時間がよい。反
応終了は、リパーゼについてはエステルの加水分解によ
って生ずる遊離した脂肪酸の量を一定の色素を指示薬と
して加えることにより、或いは電気的方法を用いてアル
カリで滴定することにより確認することができる。これ
が困難な場合には加水分解によって遊離したアルコール
を比色定量することにより確認することができる。プロ
テナーゼについてはニンヒドリン比色法、即ち弱酸性に
してアミノ基をニンヒドリンを加熱するとき生ずる青色
物質で比色定量することにより確認することができる。
これが困難な場合はセーレンセンのホルモール滴定法を
使用することもできる。この方法はホルムアルデヒドの
存在下で、α−アミノ基またはアミノ基の滴定曲線がず
れる現象を利用したものである。その他殺菌などの前処
理としてはオートクレーブ殺菌が望ましい。
【0025】上記発酵条件下で基質に酵素又は麹菌を作
用させて得られた発酵生成物を濾過し、この濾過液に水
又はアルコールを加えることにより本発明の養毛液を得
ることができる。養毛液の使用形態としては、そのまま
振りかけるなどして使用しても良いが、ヘアーローショ
ン、ヘアークリーム、ヘアーリキッド、ヘアートニッ
ク、ポマード、或いはシャンプーやリンスに混ぜて使用
することもできる。
【0026】又、この養毛液中には、血行促進剤、新陳
代謝促進剤、抗男性ホルモン剤、抗炎症剤、抗アレルギ
ー剤、保湿剤、抗菌剤、清涼剤など、従来の養毛剤に用
いられている成分を含ませることもできる。例えば酢酸
トコフェノール、塩化カプロニウム、ミノキシジル、炭
酸ガス、ヒノキチオール、安息香酸パントニールエチル
エーテル、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンH、エ
チニルエストラジオール、グリチルリチン酸、塩酸ジフ
ェニルヒドラミン、ヒアルロン酸、ミニササニシキエキ
ス、モノニトログアヤコール、トウガラシチンキ、ショ
ウキョウチンキ、ヒドロコーチゾン、塩酸ジフェンヒド
ラミン、D−パントテニルアルコール、サリチル酸、乳
酸、乳酸ナトリウム、プラセンターエキス、メントール
などがある。
【0027】
【実施例】
実施例1 基質として米糠を用い、この米糠500gに温水100
0mlを加えよく混合し適当な容器(ガラス、またはプ
ラスチック)に入れ、これに麹菌5gを加えると共に、
緩衝液として3gの重そうを加えpHを調整した。容器
は例えば電気炬燵などで約45℃に保ち、時々混ぜなが
ら1昼夜放置した。発酵による分解反応が終了すれば容
器内はどろどろになるので、この状態を見て反応物を布
で濾過し、半透明な発酵生成物約1000mlを得た。
【0028】上記発酵生成物の濾過液について高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)により分析を行ったと
ころ、以下に示す成分を確認することができた。尚、分
析はHPLC機器として、検出器(LC−9A 島津製
作所株式会社製)、カラム(長さ3m)を使用し、移動
層としてアセトニトリル溶媒を用い、カラム温度30
℃、流速10ml/minの測定条件で行った。
【0029】濾過液100g中には、ロイシン350m
g、イソロイシン650mg、リジン390mg、メチ
オニン150mg、シスチン160mg、フェニルアラ
ニン370mg、チロシン250mg、スレオニン25
0mg、トリプトファン55mg、バリン520mg、
ヒスチジン200mg、アルギニン650mg、アスパ
ラギン酸390mg、アラニン410mg、グルタミン
酸710mg、グリシン300mg、プロリン320m
g、セリン310mgからなるアミノ酸成分と、ミリス
チン酸0.5mg、パルチミン酸25.0mg、ステア
リン酸1.5mg、アラキン酸1.0mg、ベヘン酸
0.5mg、リグノセリン酸5.5mg、ヘキサデセン
酸0.5mg、オレイン酸45.0mg、リノール酸4
8.5mg、リノレン酸1.5mg、エイコサエン酸
0.5mgからなる脂肪酸成分と、その他ビタミンE1
500μg、銅350μg、プリン類18μgとが含ま
れていることが確認された。
【0030】実施例1で得られた濾過液についての男性
の頭皮及びマウスの皮膚とにおける外用効果を調べた。
実施例1で得られた濾過液を用い、これに防腐剤として
エタノールを濾過液80%に対し20%の割合で加えて
養毛液を得た。このように調製された養毛液を二人の男
性の頭皮に約5mlずつ朝夕2回外用し、一の男性につ
いては使用前の頭皮の状態と20日間使用した後におけ
る頭皮の状態とを目視により対比し、別の男性について
は使用前における頭皮の状態と40日間使用した後にお
ける頭皮の状態とを目視により対比し、それぞれのケー
スにおける効果を判定した。この結果、二人の男性につ
いてともに発毛が確認された。
【0031】実施例1で得られた濾過液を用い、これに
防腐剤としてエタノールを濾過液80%に対し20%の
割合で加えて養毛液を得た。このように調製された養毛
液を一匹のマウスの皮膚に約0.5mlずつ朝夕2回外
用し、他の一匹のマウスについては該養毛液を外用せず
におき、20日後における養毛液使用のマウスの皮膚の
状態と養毛液未使用のマウスの皮膚の状態とを目視によ
り対比した。又、別の二匹のマウスを用いて40日後に
おける養毛液使用のマウスの皮膚の状態と養毛液未使用
のマウスの皮膚の状態を目視により対比した。この結
果、養毛液未使用のマウスでは発毛がほとんど認められ
ないのに対し、養毛液を外用したマウスについてはとも
に発毛が認められた。
【0032】実施例1で得られた濾過液について更に別
の方法にて外用効果を調べた。使用動物は、雌性ゴール
デンハムスター(golden hamster)で体
重が110g〜120gのものを使用した。
【0033】実験方法 (1)フランク オーガン(flank organ)
を中心とした部位をバリカンで剃毛(4〜5日に1回)
する。(2)左側のフランク オーガン(flank
orbgan)にテストステロン プロピオネート(t
estosterone propionate)5μ
g「アセトン(acetone)15μl」及び15μ
lの濾過液(以下STY−9201という)を同時に外
用し、右側は無処置対象とする。
【0034】実験群 1群:テストステロン プロピオネート(testos
terone propionate)5μg、2群:
テストステロン プロピオネート(testoster
one propionate)5μgにSTY−92
01原液を加えたもの、3群:テストステロン プロピ
オネート(testosteronepropiona
te)5μgにSTY−9201を2倍濃縮したものを
加えたもの、4群:テストステロン プロピオネート
(testosterone propionate)
5μgに市販の養毛液(紫電改 鐘紡株式会社製)を加
えたもの。
【0035】実験期間 平成4年5月8日〜平成4年5月25日まで18日間
で、17日と24日を除く毎日1回外用し、5月26日
にフランク オーガン(flank organ)を1
0%ホルマリン液へいれた。
【0036】判定方法 1つのグランド(gland)を中央に割をいれ、その
面からHE標本を連続して作成した。マイクロメータを
接眼レンズに入れ、100倍の拡大にて1個の脂線の面
積をマス目の数で表す。脂線は附属する毛包がその中心
を通るものを対象とした。各個体につき、左右のグラン
ド(gland)それぞれ10箇所ずつ計測し、その平
均値を用い各群を比較した。この結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 ダネットのTテスト(対コントロール:**<0.0
1,*p<0.05)平均±S.D
【0038】コントロール群を対照として、処置群を無
処置群で補正した値を使用し、ダネット(Dunnet
t)の多重比較を用い各群を比較した結果、STY−9
201の2倍濃縮についてはp<0.05で有意な差が
認められ、又、紫電改についてはp<0.01で有意な
差が認められた。
【0039】上記実験結果から、STY−9201の2
倍濃縮製剤はコントロール群と比較し、p<0.05で
有意な脂線縮小効果が認められ、このことから、本実施
例における発酵生成物の濾過液(STY−9201)に
ついて次のことが考えられる。(1) STY−920
1はテストステロンとそのレセプターの結合を阻害す
る。(2) (1)とは全く別のルートで脂線縮小効果
を示したことも考えられる。(3) 5α−リダクター
ゼを阻害する。
【0040】尚、上記実験結果から考察されるテストス
テロンとそのレセプターとの結合阻害効果と養毛効果と
の関係については、毛乳頭−毛の発生、成長における役
割−(皮膚病診療:11(12);1020〜102
5,1989、著作者勝岡 憲生)に詳細な記載があ
り、脂線縮小効果と養毛効果との関係については、壮年
性脱毛症の発生機転とその治療法−特に5α−リダクタ
ーゼ失活剤の臨床的応用−(日本美容外科会誌 第22
巻第2号(1983年12月))にその記載がある。
【0041】次に、実施例1で得られた発酵生成物の濾
過液(以下STY−9201という)について、皮膚接
触感作性試験並びに皮膚一次刺激性試験を行った。その
詳細を以下に示す。
【0042】皮膚接触感作性試験について 試験材料 (1)検体 被試験料1):STY−9201(50ml)、エタノ
ール(40ml)、精製水(10ml)、香料(Shi
eld w−20/HB)(0.5ml)、可溶化剤
(エマルゲン409P)(1.0ml)を含有する。 被試験料2):STY−9201(50ml)、エタノ
ール(40ml)、精製水(10ml)を含有する。
(無香料) (2)供試動物 ハートレイ(Hartley)系雌性モルモットで健常
なもの20匹(体重:258〜312g)を試験に供し
た。 (3)飼育条件 動物は、温度22±2℃、相対温度55±10%、換気
回数3〜5回/時(オールフレッシュエアー方式)、照
明時間12時間/日(午前7時点灯、午後7時消灯)に
設定された恒温恒湿の環境下で、アルミニウム製プラケ
ットケージに5匹ずつ収容し、カスケード式洗架台に懸
垂して飼育した。 (4)飼料及び飲料水 固形飼料RC−4(オリエンタル酵母工業株式会社)及
び飲料水(美原町営水道水を自動給水装置で給水)は自
由摂取させた。 (5)試薬 2,4−ジニトロクロロベンゼン(2,4−dinit
rochlorobenzene)(DNCB)は和光
純薬試薬特級を、オリーブ油、白色ワセリン及び注射用
生理食塩液は局方品を、また、フロンズコンプリートア
ジュバンド(Freund’s Complete A
djuvant)(FCA)はディフコ(Difco)
社製を用いた。
【0043】試験方法 (1)皮膚一次刺激性予備試験 モルモット皮膚に及ぼす被試験料(1)の最大無作用量
を知る目的で25,10及び5w/w%軟膏(基剤:白
色ワセリン)を用時調整し、予め剪毛した腹側部皮膚に
0.2gづつを適用して、24時間閉塞貼布を行った。
なお、上記各濃度区毎に2匹の動物を用い、24,4
8,72時間目に、以下に示したドライズ(Draiz
e)の基準に従い皮膚症状を判定した。
【0044】 皮膚反応の評価 A.紅斑乾燥痂皮形成 紅斑なし …0 紅斑ほとんどなし …1 紅斑確認できない程度 …2 中程度の紅斑 …3 ひどい紅斑 …4 最大紅斑度 …4 B.浮腫形成 浮腫なし …0 浮腫ほとんどなし …1 浮腫確認できない程度 …2 中程度の浮腫 …3 ひどい浮腫 …4 最大浮腫度 …4
【0045】群の構成 本試料STY−9201については、1群10匹を用
い、予備試験結果に基づき、アジュバンド(adjuv
ant)を用いたw/o乳化物として、終濃度2.5w
/w%皮内・25%貼付感作群を設定し、右腹側部にS
TY−9201の、また、左腹側部にSTY−9201
(無香料)の各5w/w%軟膏を貼付して誘発処置を行
った。陽性対照DNCBについては、1群5匹を用い、
皮内感作濃度0.1%、貼付(ブースター)1.0%、
惹起0.01%で感作陽性率100%であることが知ら
れているのでこの条件を採用することとした。また、陰
性対照としては、生理食塩液による感作群を設け、1群
5匹とした。以上をまとめ、表2に示した。
【0046】
【表2】 *:STY−9201及びDNCBはワセリン基剤軟膏
として貼付した。 **:陰性対照生理食塩液は日局注射用生理食塩液をそ
のまま用いた。
【0047】試料の調整 1)皮内感作用試料乳化物の調整 STY−9201については、終濃度5%に混和したF
CA1容に、また、DNCBについては0.2%になる
ようにメノウ製乳鉢及び超音波破砕機を用いてFCAに
溶解したもの1容に、それぞれ注射用生理食塩液1容を
加えて、常法によりw/o乳化物を用時調整した。 2)皮内感作試料液の調整 STY−9201については2.5%になるように、ま
た、DNCBについては0.1%になるように滅菌した
局方オリーブ油に溶解して、用時調整した。 3)貼布感作(ブースター)用試料軟膏の調整 STY−9201については25%になるように秤量
し、ガラス板上で適量の白色ワセリンと充分に練り合わ
せ、用時軟膏を調整した。また、DNCBについては
1.0%になるように秤量しビーカー内で約60℃に加
温しながら白色ワセリンと混融した後放冷し、用時軟膏
を調整した。 4)惹起貼布用試料軟膏の調整 STY−9201及びSTY−9201(無香料)につ
いては5%に、また、DNCBについては0.01%に
なるように、3)と同時にして用時調整した。
【0048】感作方法 雄モルモットの肩甲骨上を4×6cmに剪毛し、図1の
、、の位置に左右各々試料0.05mlづつを皮
内注射した。 1)フロンドの完全補薬。2)オリーブ油に溶解或いは
混和した検体のみ。 3)フロンドの完全補薬に混和あるいは溶解してw/o
乳化物にした検体。 皮内注射1週間目に同部位を剪毛し、検体については、
10%ラウリル硫酸ナトリウム(ワセリン基剤)を塗布
した後、また、DNCBについては塗布しないで、検体
(ワセリン基剤)0.25%を採り、2×4cmの濾紙
に広げ、閉塞貼付を48時間行い、ブースターとした。
【0049】誘発方法 最終感作貼布後2週間目に体側の部位(STY−92
01(無香料)については反対側の部位も)を5×5に
剪毛し、0.5inchのパッチ絆(鳥居薬品)上に、
検体の0.2gを塗布し、24時間閉塞貼布した。
【0050】判定基準 惹起24,48及び72時間後に表3に示した基準によ
り判定を行った。
【表3】
【0051】試験結果 被験試料STY−9201のモルモット皮膚感作性を、
DNCBを陽性対照としてマキシミゼイション(Max
imization)法により検討した。即ち、本試験
に先立って、被験試料の最大無作用量を知る目的で行っ
た、モルモットの皮膚一次刺激性についての予備試験結
果に基づき、最終濃度2.5w/w%での皮内感作処
置、最大無作用濃度(25w/w%)での貼布感作処置
を行った後、左右腹側部を用いて、STY−9201及
びSTY−9201(無香料)のそれぞれ5w/w%ワ
セリン軟膏での誘発処置を行うことにより、また陽性対
照DNCBについては文献的に裏付けられた濃度で同様
処置することにより実施した。
【0052】(1)皮膚一次刺激性予備試験 STY−9201の最小作用量および最大無作用量を知
る目的で、1濃度につき2匹の動物を用い、試料はいず
れも24時間の閉塞貼布を行った。なお、判定はドレー
ズ基準によったが、全例において紅斑及び浮腫形成は認
められず、表4に示したように、最小作用量は25%以
上、また、最大無作用は25%と推定した。
【0053】表4 STY−9201の評点評価表(予
備試験結果)
【表4】
【0054】(2)STY−9201のマキシミゼイシ
ョン(Maximization)法による皮膚感作性
試験結果 5%ワセリン軟膏での惹起貼布を24時間行い、惹起
後、24,48及び72時間目に肉眼的に観察した判定
結果を表5に示した。表示したように、STY−920
1の5%ワセリン軟膏を貼付した場合、24時間目の観
察で全例に軽度の紅斑を伴う皮膚反応(陽性率100
%、平均評点:1.0)が認められて、以降漸次軽快化
し、72時間目には全例ともに回復するのが観察され
た。一方、STY−9201(無香料)の5%ワセリン
軟膏を貼付した場合には、惹起後24,48,72時間
目のいずれかの観察時点においても、全例(10例)と
もに何ら皮膚反応は認められなかった。(発症率0%,
平均評点:0.0)。従って、本試験条件下において、
被験試料STY−9201には弱い感作性が認められ、
そのアレルギー性皮膚反応は、“陽性”であると推定さ
れたが、STY−9201(無香料)の貼付では全く感
作性が認められなかったことにより、STY−9201
に含有される香料が感作性発現の原因物質、即ち、抗原
となったものと推定された。
【0055】(3)陽性対照DNCBのマキシミゼイシ
ョン(Maximization)法による皮膚感作性
試験結果 0.01%ワセリン軟膏での惹起貼布を24時間行い、
惹起後、24,48及び72時間目に肉眼的に観察した
判定結果を表5に示した。表示したように、惹起後24
時間目では全例で陽性反応(評点2:2例,評点3:3
例,平均評点2.6)が観察された。また、48及び7
2時間目に緩解される例も認められたが、最終観察日で
も全例において皮膚症状は残存した。従って、陽性対照
DNCBのモルモット皮膚に対する感作性は極めて強
く、また、そのアレルギー性皮膚反応の程度も極めて強
いものと推定された。
【0056】(4)陰性対照生理食塩液のマキシミゼイ
ション(Maximization)法による皮膚感作
性試験結果 白色ワセリン軟膏での惹起貼布を24時間行い、惹起
後、24,48,及び72時間目に肉眼的に観察した判
定結果を表5および表6に示した。表示したように、惹
起後24,48及び72時間目共に、評点“0”であっ
たので、陰性対照生理食塩液(白色ワセリン)のモルモ
ット皮膚に対する感作性は、本試験条件下では全く無い
ものと推定された。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】上記試験結果から本実施例の発酵生成物の
濾過液(STY−9201)単独では皮膚感作性が存在
しないことが確認された。又、香料を含むものについて
は若干の皮膚感作性の存在が認められたが、通常、想定
される低濃度で皮膚に付着した場合には本試験よりも数
段緩和された条件となることから、皮膚感作性は無視し
得る範囲のものと考えられる。
【0060】皮膚一次刺激性試験 試験材料 (1)検体 被験試料1) :STY−9201(50ml)、エタ
ノール(40ml)、精製水(10ml)、香料(Sh
ieldw−20/HB)(0.5ml)、可溶化剤
(エマルゲン409P)(1.0ml)を含有する。 被験試料2) :STY−9201(50ml)、エタ
ノール(40ml)、精製水(10ml)を含有する。
(無香料) (2)供試動物 日本白色種雄性家兎(2.5ヶ月齢)で、健常なもの6
匹(体重:2.5kg前後)を試験に供した。 (3)飼育条件 動物は、温度22±2℃、相対温度55±10%、換気
回数3〜5回/時(オールフレッシュエアー方式)、照
明時間12時間/日(午前7時点灯,午後7時消灯)に
設定された恒温恒湿の環境下で、アルミニウム製ブラン
ケットケージに1匹ずつ収容し、カスケード式水洗架台
に懸垂して飼育した。 (4)飼料及び飲料水 固形飼料RC−4(オリエンタル酵母工業株式会社)及
び飲料水(美原町営水道水を自動給水装置で給水)自由
摂取させた。
【0061】試験方法 本試験は、1984年OECDガイドラインによる急性
皮膚刺激性/腐食性試験の方法にEPAガイドライン
(1978年、連邦レジスター)の方法をも加味して、
以下の通り実施した。 (1)検体の調整 被験試料は、入手したものそのままを用いた。 (2)群の構成 1群6匹とし、以下表7に示す群構成で実施した。
【0062】
【表7】
【0063】(3)操作方法 健常な日本白色種雄性家兎6匹を選び、あらかじめ動物
の両腹側部WP充分に毛刈りした。うち、左腹側部腹側
及び右腹側部頭側についてはそのまま(健常皮膚)で、
また、左腹側部頭側及び右腹側部腹側については、18
G注射針を用いて角層へ#状の傷を付け(損傷皮膚)た
後、検体を適用した。即ち、検体500μmを含浸した
直径1インチのパッチテスト用絆創膏(鳥居薬品製)で
閉鎖貼布を行った。その上からサポーター布地で覆い、
試料と皮膚との接触を更に確実にした。
【0064】4時間の密閉貼布終了後、検体を除去し、
1時間目に皮膚症状を観察した。動物はそのまま放置
し、24,48及び72時間後に再度観察した。皮膚症
状の評価は、健常皮膚および損傷皮膚のそれぞれの場合
に分け、肉眼的観察結果をドライゼ(Draize)の
基準(表8)により、紅斑・痂皮形成及び浮腫形成の二
項目について判定を行い、更に、キャンプベル(Cam
pbell)の基準(表10)によっても皮膚反応の評
価を行った。なお、試料除去後1、24、48及び72
時間目について下記に示した炎症インデックスにより、
また、別途、P.I.R(一次炎症格付)値により健常
皮膚、損傷皮膚における刺激性の評価を行った。
【0065】炎症インデックスとは健常皮膚ポイントの
合計と損傷皮膚ポイントの合計とを加算し、これを動物
数6で除した値であり、P.I.Rとは24時間目と7
2時間目における健常皮膚ポイントと損傷皮膚ポイント
とを合計し、これを2で除すると共に動物数6で除した
値である。
【0066】(4)一般状態の観察 試料適用時より観察終了日までの試験期間中、全例につ
いて被毛の状態,眼・耳・鼻の汚れ,生殖器・肛門の汚
れ,下痢の有無等の一般状態と喫食性を観察した。
【表8】Draizeによる皮膚刺激性の評価基準
【0067】
【表9】 一刺激性の判定基準
【0068】
【0069】表10 キャンプベル(Campbel
l)による皮膚反応の評価基準
【表10】
【0070】刺激の程度の分類
【表11】
【0071】試験結果 被験試料STY−9201の皮膚一次刺激性試験は、雄
性動物の健常および損傷皮膚において4時間の閉塞貼布
を行いパッチ除去1、24、48及び72時間後にドラ
イゼ(Draize)及びキャンプベル(Campbe
ll)の基準により、皮膚症状の評価を行い、評価結果
はSTY−9201について表12及び表13に、ま
た、STY−9201(無香料)については表14及び
表15に示した。
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
【表14】
【0075】
【表15】
【0076】(1)皮膚症状の評価 a)STY−9201について 健常皮膚に適用した場合:試料除去後1時間目より72
時間目までの観察期間内で全例において皮膚反応は何ら
認められなかった。 損傷皮膚に適用した場合:試料除去後約1時間にただ1
例(動物No.6)のみに評点 “1”の発赤が観察さ
れたが、24時間目には症状は消失した。以降72時間
目までの観察時間内で、これ以外の皮膚反応は全例にお
いて何ら認められなかった。 b)STY−9201(無香料)について 健常皮膚に適用した場合:試料除去後1時間目より72
時間目までの観察期間内で、全例において皮膚反応は認
められなかった。 損傷皮膚に適用した場合:試料除去後1時間にただ1例
(動物No.6)のみ評点“1”に発赤が観察された
が、24時間目には症状は消失した。以降72時間目ま
での観察時間内で、これ以外の皮膚反応は全例において
何ら、認められなかった。
【0077】(2)刺激性の評価 a)STY−9201について 以上の結果から求められたP.I.Rは健常皮膚に適用
した場合には、“0.00”、また、損傷皮膚に適用し
た場合には“0.08”となり、いずれも安全性区分の
“刺激性なし”に分類された。また、実用上における刺
激性の程度も、「健常および損傷皮膚への接触はいずれ
も可能であり安全である。」というキャンプベル(Ca
mpbell)らの分類区分に相当し、非刺激性物質で
あると判定された。 b)STY−9201(無香料)について 以上の結果から求められたP.I.Rは健常皮膚に適用
した場合には、“0.00”、また、損傷皮膚に適用し
た場合には、“0.08”となり、いずれも安全性区分
の“刺激性なし”に分類された。また、実用上における
刺激性も程度も、「健常および損傷皮膚への接触はいず
れも可能であり安全である。」というキャンプベル(C
ampbell)らの分類区分に相当し、非刺激性物質
であると判定された。
【0078】(3)一般状態 試料適用日より観察終了日(72時間目)までの試験結
果中に、毎日、全例について被毛の状態、眼・耳・鼻の
汚れ、下痢の有無等の一般状態と喫食性を観察した結
果、全例においていずれの観察日にも特記すべき異常は
何ら認められず、観察期間を通じて健康状態は良好であ
った。
【0079】キャンプベル(Campbell)らによ
るP.I.Rの分類 健常皮膚 P.I.R. 0〜0.9 非刺激性、健常
皮膚への接触は安全である。 損傷皮膚 P.I.R. 0〜0.9 損傷皮膚の細胞
に対し非毒性、接触は可能である。ヒト皮膚への接触可
能である。
【0080】本試験結果に基づき、以上に記した分類に
従うと、STY−9201及びSTY−9201(無香
料)は非腐食性で、また、Campbellらの刺激性
の程度の分類によれば、「健常および損傷皮膚への接触
はいずれも可能であり安全である。」という分類区分に
相当するものであることが確認された。
【0081】実施例2 基質として大豆のしぼり粕を用い、この大豆のしぼり粕
200gに水600mlを加え、これに動物臓器100
gに200mlの水を加え、ガラスホモジナイザーです
りつぶしたホモ・ジネートを1500rpmで遠心分離
したものの上澄液100mlを加えると共に、緩衝液と
して炭酸ナトリウム−ホウ酸を加えてpHを10.0に
調整した。これを40℃で保ち放置した。酵素反応はク
レット(kletto)光電比色計(No.540 フ
ィルター使用)を用いて測定し、8時間後に反応の終了
を確認した。この反応物に0.1M炭酸ナトリウム−ホ
ウ酸緩衝液(pH10.0)40mlを加えると共に、
市販のキモトリプシンを0.1Mとなるように加え、こ
れを40℃で保ち放置した。発酵による分解反応の終了
の確認は、反応物を0.2mlずつとり出し、反応物中
のアンモニア量をコンウェイ滴定法で測定することによ
り行った。10時間後、アンモニアの発生は止み、反応
が終了した。得られた反応物を濾過し水洗して養毛液の
主成分たる発酵生成物を得た。
【0082】実施例3 基質として小豆のしぼり粕を用い、この小豆のしぼり粕
200gに、水500mlを加えて懸濁させ、これにF
IBミセリウムから得られるリパーゼ製品を100ml
の蒸留水に浮遊し、ナップマーチブレンダー(Knap
p−MarchBlender)で2分間かきまぜ、2
0分間室温で放置し、2000rpm30分間遠心分離
した上澄液をに加えると共に、緩衝液としてブリットン
ロビンソン(Britton−Robinson)の緩
衝液(リン酸、酢酸、ホウ酸、カ性ソーダ系)を加えて
pHを9.0に調整した。これを35℃で保ち8時間振
とうした。反応の進行は0.05Mアルコール性塩酸で
滴定した。
【0083】次いで、市販のパパイン製剤を水に溶かし
数時間硫化水素を通気し、アルコールを加えてパパイン
を沈澱させ、精製したパパインに水を加え(パパイン1
g当り水100mlの割合とする)、これにブリットン
ロビンソン緩衝液を加えてpHを9.0に調整したもの
を、上記反応液中に加える。そして、これを40℃で保
ち放置した。反応終了は、反応液を0.2mlずつとり
出し、これをアルコール滴定により確認した。12時間
で反応は終了した。得られた反応物を濾過し養毛液の主
成分たる瀘過液を得た。
【0084】実施例4 基質として市販のおからを用い、このおから100gに
水500mlを加え50℃に保つ。これに、市販の腎臓
リパーゼ製品を蒸留水1%の割合に溶かしたもの5ml
を加えると共に、リン酸緩衝液(0.6M、pH7.
0)5mlを加え、40℃で約10時間ときどき攪拌し
ながら保った。反応終了の確認は、ワールブルクの検圧
計を用い、炭酸ガスの発生の停止で酵素反応の完了を確
認した。次いで、この反応物に市販のペプシン(Cud
ahy、1/10,000USP可溶性ペプシン)10
gを20%エタノール10mlに溶解したものを加え、
塩酸アンモニウムでpHを7.5に調整した。これを3
5℃で20時間放置した。この後、これにフィルターセ
ル5gを加えて濾過した。この時のpHは7.0であっ
た。これを37℃で保ち放置した。反応終了の確認は、
反応物を0.5mlずつとり出し、コンウェイ装置の外
部に入れ、反応物と装置の中に入れておいた炭酸カリウ
ム液1mlとを混合し、揮発するアンモニアの変化量を
滴定方法によって求めることにより確認した。10時間
後反応は終了した。得られた反応物は常法により濾過し
養毛液の主成分たる瀘過液を得た。
【0085】
【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項1
記載の養毛液にあっては、当該養毛液中の発酵生成物に
多種類のアミノ酸と脂肪酸が含まれており、これらの成
分により、またはこれらの成分の相乗効果により、従来
の養毛液に比べ、その脱毛防止効果、並びに発毛、育毛
効果を飛躍的に向上させ、予測の範囲を超えた顕著な養
毛効果を得ることができる。又、発酵生成物中にはアミ
ノ酸と脂肪酸の他に、ビタミンE、銅、プリンなどの微
量ではあるが多種類の成分が存在しており、これらの微
量成分とアミノ酸及び脂肪酸との相乗効果により、優れ
た養毛効果を有している。又、本発明の養毛液にあって
は、米糠などの植物性タンパク質及び植物性脂質を含む
基質を用い、これをリパーゼ、プロテナーゼといった酵
素又は麹菌で発酵させてなる発酵生成物を主成分として
いることから、人体に全く悪影響がない。
【0086】請求項2記載の養毛液の製造方法にあって
は、従来の養毛液に比べ、その脱毛防止効果、並びに発
毛、育毛効果を飛躍的に向上させ、予測の範囲を超えた
顕著な養毛効果を持つ養毛液を得ることができる。又、
製造される発酵生成物中にはアミノ酸と脂肪酸の他に、
ビタミンE、銅、プリンなどの微量ではあるが多種類の
成分が存在しており、これらの微量成分とアミノ酸及び
脂肪酸との相乗効果により、より養毛効果の高い養毛液
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モルモットの剪毛箇所を示す模式図

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性タンパク質及び植物性脂質を含有
    する水性基質に対し、植物性タンパク質及び植物性脂質
    を分解する酵素を1:1000の割合で、或は麹菌を
    1:100の割合で加えると共に、緩衝液を加えて前記
    水性基質のpHを6〜11とし、この水性基質を35〜
    45℃の温度で5〜10時間寝かせて発酵させることに
    より得られる発酵生成物を主成分とすることを特徴とす
    る養毛液。
  2. 【請求項2】 養毛液の製造方法であって、植物性タン
    パク質及び植物性脂質を含有する水性基質を用意し、こ
    れに植物性タンパク質及び植物性脂質を分解する酵素を
    1:1000の割合で、或は麹菌を1:100の割合で
    加えた後、緩衝液を加えて前記水性基質のpHを6〜1
    1とし、次いで、前記水性基質を35〜45℃の温度で
    5〜10時間寝かせて発酵させ、養毛液の主成分を製造
    することを特徴とする方法。
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