JP3909008B2 - 角化酵素阻害剤及びそれを含有してなる皮膚外用剤 - Google Patents

角化酵素阻害剤及びそれを含有してなる皮膚外用剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、角質形成抑制用として好適な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚乃至はその周辺組織の機能を考えるにあたって、角質形成は大きなテーマの一つである。角質は生体の外界からの防御機能を担うと同時に、経皮的処置等に対しては、局所投与された薬物が患部に到達するのを妨げる働きをする。又、毛髪に於いても、角化を促進することは、毛質のしっかりした抜けにくい毛を形成させる為、育毛或いは養毛の観点からも重要であるが、除毛を考えた場合、角化を抑制して行った方が生体に対するダメージが軽減するため好適であると考えられる。即ち、皮膚乃至はその周辺組織の処置に於いて、角質形成、言い換えれば角化をコントロールすることは重要な技術であるといえる。
【0003】
角化に於いては、角化酵素が重要な役割を担っていることは既に知られたことであり、角化酵素に対する作用としては、この働きを促進する物質として、エストラジオール誘導体類(特開平8−20523)、アロエ、ローズマリー、ニンジン、ショウキョウ、トウキ等の生薬エキス(特開平8−20522)、ピロクトオラミン(特開平8−20521)等が知られているが、その抑制剤については全く知られていない。即ち、角化酵素を抑制する手段の開発が望まれている。
【0004】
除毛という観点では、エラスターゼ阻害による発毛抑制剤として、N-(カルボキシメチル)フェニルアラニル−β−アラニン(特開2001−172197)、マロン酸アミド(特開2000−344614)、カルボキシアルキルアミン類(特開2000−178163)、ヒドロキサム酸類(特開2000−169324)、イチハツ、オノニス、ダイズ、クズ、ニオイイリス、ヒオウギ、ヒトツバエニシダ、ホップなどのエキス類(特開平11−322548)、サンジコ、ウコン、シテイ、ビャクシン、トウキシ、オオバクなどの生薬エキス(特開平10−139639)、ホコツシ、ゴバイシ、チョジュツシ、ホウフシ、ジオウ、バンコウカ、カッコウ、ソウハクヒ、ニュウコウ、ショウマ、ビャクダン、キッカ、ダイオウ等の生薬エキス(特開平8−81336)等が知られているが、これらの何れも角化酵素との関係は知られていない。
【0005】
角質軟化或いは溶解という観点では、角質軟化剤又は溶解剤として、発酵乳エキス(特開2002−241289)、ベタイン、二硫化炭素などの含硫黄化合物(特開2002−138033)、パパイン或いはトリプシン等の変性タンパク類(特開2000−273182)等が知られているが、これらの何れも角化酵素との関係は知られていない。
【0006】
イネ科タケ亜科の植物の皮膚に対する作用としては、チロシナーゼ阻害作用(特開2000−247864)、津液促進作用(特開2000−103718)、サブスタンスP拮抗作用(特開平10−158179)等が知られているが、角化酵素との関係は全く知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、皮膚乃至はその周辺組織の処置に於いて、角質形成、言い換えれば角化をコントロールするべく、角化酵素を阻害する手段を提供することを課題とする。
【0008】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、角化酵素を阻害する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、イネ科タケ亜科の植物のエキスにその様な作用を見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)イネ科タケ亜科の植物のエキスからなる角化酵素阻害剤。
(2)イネ科タケ亜科の植物が、モウソウダケ、マダケ、ネマガリダケ、コクチク又はコササクサであることを特徴とする、(1)に記載の角化酵素阻害剤。
(3)エキスが極性溶媒抽出物乃至はその溶媒除去物であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の角化酵素阻害剤。
(4)エキスが葉の抽出物乃至はその溶媒除去物であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の角化酵素阻害剤。
(5)(1)〜(4)何れか1項に記載の角化酵素阻害剤を含有する皮膚外用剤。
(6)角質形成抑制用であることを特徴とする、(5)に記載の皮膚外用剤。
(7)用途が除毛の前処置及び/又は後処置用、抗真菌剤の前処置及び/又は後処置用乃至は角化亢進部の処置の前処置及び/又は後処置用であることを特徴とする、(5)又は(6)に記載の皮膚外用剤。
(8)化粧料であることを特徴とする、(5)〜(7)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の角化酵素抑制剤
本発明の角化酵素抑制剤は、イネ科タケ亜科の植物のエキスからなる。かかるイネ科タケ亜科の植物としては、例えば、モウソウダケ、マダケ、ネマガリダケ、コクチク又はコササクサ等の植物が好適に例示でき、これらの中ではコササクサが特に好適に例示できる。ここで、エキスとしては、植物体そのもの、植物体の加工物、植物体乃至は植物体の加工物に溶媒を加えて抽出した抽出物、抽出物より溶媒を除去した抽出物の溶媒除去物、抽出物乃至はその溶媒除去物を分画、精製した精製物等の何れもが使用可能である。かかるエキスの内、抽出物乃至はその溶媒除去物が好ましい。抽出物としては、極性の高い溶剤によって抽出された抽出物の溶剤除去物が特に好ましく例示できる。極性の高い溶剤としては、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、1,3−ブタンジオール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、水などが好ましく例示できる。これらの内では、アルコール及び/又は水が特に好ましい。抽出は、植物体に対して1〜10重量倍の溶剤を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬すればよい。抽出後は、必要に応じて、減圧濃縮などして溶剤を除去することが好ましい。この様なエキスを作成するのに好適な植物体の部位としては、特段の限定はされないが、葉を用いることが特に好ましい。かくして得られた、エキスは、生体触媒として生体内で様々な化学反応に関与する酵素の一つであり、主として毛髪や皮膚の表皮に広く分布し、ケラチン等の合成に関与して毛髪のキューティクルやコルテックスの生合成、あるいは、皮膚の角層の生合成を促進する働きを有する酵素である角化酵素の活性を抑制する作用を有する。前記角化酵素としては、スルフヒドリルオキシダーゼ(SHオキシダーゼ)、トランスグルタミナーゼ(Tグルタミナーゼ)等が存在するが、本発明の角化酵素抑制剤はSHオキシダーゼの活性を好適に抑制する。本発明の皮膚外用剤に於いては、本発明の角化抑制剤は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、本発明の角化酵素抑制剤の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.1〜5重量%である。これは少なすぎると各酵素の活性抑制作用が発現しない場合があり、多すぎると抑制作用が頭打ちになり、処方の安定性を損なう場合があるからである。
【0010】
<製造例1>
コササクサの葉1Kgに50%エタノール水溶液5lを加え、3時間加熱還流した。冷却した後、濾過により不溶物を除去し、減圧濃縮し、しかる後、凍結乾燥してエキス1(角化酵素抑制剤1)を得た。
【0011】
<製造例2>
製造例1のコササクサをモウソウチクに代えて同様に処理し、エキス2(角化酵素抑制剤2)を得た。
【0012】
<製造例3>
製造例1のコササクサをマダケに代えて同様に処理し、エキス3(角化酵素抑制剤3)を得た。
【0013】
<製造例4>
製造例1のコササクサをネマガリダケに代えて同様に処理して、エキス4(角化酵素抑制剤4)を得た。
【0014】
<製造例5>
製造例1のコササクサをコクチクに代えて同様に処理して、エキス5(角化酵素抑制剤5)を得た。
【0015】
<製造例6>
コササクサの葉1Kgに500mlの1,3−ブタンジオールを加え、90℃で3時間加熱し、放冷後濾過により不溶物を除去し、エキス6(角化酵素抑制剤6)を得た。
【0016】
(2)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記本発明の角化酵素抑制剤を含有することを特徴とする。本発明に於いて、皮膚外用剤とは、皮膚に外用で投与される組成物の総称を意味し、化粧料、皮膚外用医薬、外用消毒剤等を包括した言葉である。本発明の皮膚外用剤として特に好ましい形態は、化粧料である。これは本発明の角化抑制剤の作用が極めて緩和であり、連続投与に好適であるからである。本発明の皮膚外用剤は角化を抑制する目的で使用される。角化を抑制することにより、角化亢進した部位を正常に近い形に戻し、薬物透過性などを改善させることが出来るし、又、除毛処置前に投与し、毛髪のキューティクルやコルテックスの生合成を抑え、毛質を軟らかいものとし、除毛処置を速やかに行わせ、除毛時の生体への負荷を軽減することが出来る。又、除毛処置後投与することにより、続いて生えてくる毛の毛質を軟らかいものにし、次の除毛をより容易に行うことが出来る。
【0017】
本発明の皮膚外用剤に於いては、前記必須成分である各酵素抑制剤以外に、通常化粧料などの皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤はかかる必須成分、任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0018】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないのは言うまでもない。
【0019】
<実施例1>
角化酵素に対する角酵素抑制剤の作用の検討
製造例1〜6のエキス1〜6を用いて、角化酵素抑制作用を調べた。即ち、5匹づつ7群のC3Hマウス(雄性、体重25〜35g)の背部を除毛後、そのうち6群のマウスの除毛皮膚には、上記各製造例で得られた角化酵素抑制促進剤を5重量%含有する70%エタノール水溶液をそれぞれ、残りの1群のマウスの除毛皮膚には、コントロールとして70%エタノール水溶液のみを、1匹当たり40μL、1日1回、週5日の割合で2週間投与した。最終投与の6時間後、各群のマウスから上記処理が施された部位の皮膚を採取し、これをそれぞれ9倍量の1ミリモルのEDTA含有50mMリン酸2水素ナトリウム水溶液に加えて、ホモゲナイズした。このホモジネートをそれぞれ27000Gで遠心分離し、得られた上清を用いて以下の方法で、角化酵素抑制剤投与群及びコントロール群の角化酵素活性値をそれぞれ測定した。
【0020】
上記で得られた上清0.4mLに2ミリモルのDTT(ジチオスレイトール)水溶液0.1mLと1ミリモルのEDTAを含有する50ミリモルリン酸バッファー(pH7.6、以下単にバッファーと言う。)0.7mLとを加え検体1とした。また、2ミリモルのDTT水溶液0.1mLにバッファー1.1mLを加え検体2とした。
【0021】
検体1を調製後、直ちに0.3mLをサンプリングし、予め0.17ミリモルのDTNB(5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸)を含有するバッファー3mLを加えてあるチューブに移し、412nmでの吸光度A1を測定した。また、検体2を同様に処理し、吸光度A2を測定した。
【0022】
検体1の残りを、37℃で30分間インキュベートした後、その0.3mLをサンプリングし、予め0.17ミリモルのDTNBを含有するバッファー3mLを加えてあるチューブに移し、412nmでの吸光度A3を測定した。また、検体2の残りを、37℃で30分間インキュベートした後、同様に処理して吸光度A4を測定した。
【0023】
この様にして測定された吸光度A1〜A4の値より、以下の式を用いてA5を求め、更に、A5とDTNBのモル吸光計数(13000/モル・cm)を用いて酸化されたDTT量を求め、これを角化酵素活性値(Ac)とした。
【0024】
(式)
A5=A1−A3−(A2−A4)
【0025】
また、上記で得られた上清について、ヘキスト社製のDNA量測定試薬ヘキスト33258を用いて、子牛胸線DNAをスタンダードとして、常法に従って、各上清のDNA量を測定した。
【0026】
評価は、上記各実施例の角化酵素抑制剤投与群のそれぞれについて、上記方法で得られた角化酵素活性値(Ac)を上記DNA量で除して単位DNA量当たりの角化酵素活性値(AcD、5匹の平均値)を求め、これを同様にして求めたコントロール群の単位DNA量当たりの角化酵素活性値(5匹の平均値)で除しこれに100を乗じた値(AeD)を用いて行った。なお、AcDは、細胞の数当たりの角化酵素活性を表す値である。
【0028】
更に、上記で得られた上清について、PIERCE社の蛋白アッセイ試薬キットを用いて、ウシ血清アルブミンをスタンダードとして、常法に従って、各上清の蛋白含有量を測定し、上記各角化酵素活性値(Ac)をこれで除して蛋白当たりの角化酵素活性値(AcP5匹の平均値)とし、これを同様にして求めたコントロール群の蛋白当たりの角化酵素活性値(5匹の平均値)で除しこれに100を乗じた値(AeP)を求め、AeDと共に評価に用いた。結果を表1に示す。これより、本発明の角化酵素抑制剤は、角化酵素の一つであるSHオキシダーゼの活性抑制作用を有することがわかる。
【0029】
【表1】
Figure 0003909008
【0030】
<実施例2>
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ローション)を作成した。即ち、処方成分を室温で可溶化し、濾過してローションを得た。同時に角化酵素抑制剤を水に置換した比較例1のローションも同様に作成した。これらを用いて、ピーリングタイプの脱毛剤の前処置を行った。即ち、専門パネラーを用いて、これらのローションで1日1回脱毛予定部位(脛部)を7日間処置し、ピーリングタイプの脱毛剤で脱毛し、その容易さを官能検査により評価した。評価は、スコア5:極めて容易、スコア4:容易、スコア3:容易、スコア2:やや困難、スコア1:困難の基準で、スコア付けを行った。表にスコア値を示す。これより、本発明の皮膚外用剤の前処置を行った群は何れも比較例1投与群よりも色差が小さく、脱毛が容易であったことがわかる。
表2に記載の成分 0.1重量部
1,2−ヘキシレングリコール 2 重量部
イソプレングリコール 2 重量部
グリセリン 2 重量部
1,3−ブタンジオール 2 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
エタノール 5 重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 86.3重量部
【0031】
【表2】
Figure 0003909008
【0032】
<実施例8>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である抗真菌剤の前処置剤を作成した。このものを用いて、モルモットフットパッドモデルでの感染実験を行った。即ち、ハートレー系白色種モルモット1群5匹のフットパッドに、マイクロスポリジウム・メンタグロファイデスの分生子を10個/ml含有するリン酸緩衝生理食塩水液0.1mlを24時間クローズドパッチし感染させ、1週間後に治療実験を開始した。治療は1群は本発明の前処置剤で処置した後に後記の抗真菌ローションを塗布した。もう1群は前処置剤の角化酵素抑制剤1を水に置換した比較例2のローションで同様の前処置を行い、抗真菌ローションで治療した。治療は3週間行い、治療終了後フットパッドから皮膚片を採取し、サブロー改変培地に10個置き、1週間培養し、真菌の生えてきたものを陽性とし、陽性率を求め、群の平均陽性率を算出した。結果を表3に示す。これより、本発明の皮膚外用剤で前処置した群の方が陽性率が低く、薬剤の浸透性が良好であったことがわかる。
(前処置用の皮膚外用剤)
角化酵素抑制剤1 1 重量部
エタノール 49 重量部
POP・POEコポリマー 3 重量部
水 47 重量部
(抗真菌ローション)
テルビナフィン 2 重量部
エタノール 50 重量部
エチルセルロース 2 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
水 40 重量部
【0033】
【表3】
Figure 0003909008
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、皮膚乃至はその周辺組織の処置に於いて、角化酵素を阻害する手段を提供することができる。

Claims (6)

  1. イネ科タケ亜科の植物の、スルフヒドリルオキシダーゼ抑制活性を有する抽出物または溶媒除去物を含有することを特徴とする、毛髪柔軟化用の化粧料である皮膚外用剤。
  2. イネ科タケ亜科の植物の、スルフヒドリルオキシダーゼ抑制活性を有する抽出物または溶媒除去物を得る植物体の部位が葉であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. イネ科タケ亜科の植物が、モウソウダケ、マダケ、ネマガリタケ、コクチク又はコササクサであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. イネ科タケ亜科の植物の、スルフヒドリルオキシダーゼ抑制活性を有する抽出物または溶媒除去物を含有させることを特徴とする、毛髪柔軟化用の化粧料である皮膚外用剤の製造方法。
  5. イネ科タケ亜科の植物の、スルフヒドリルオキシダーゼ抑制活性を有する抽出物または溶媒除去物を得る植物体の部位が葉であることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. イネ科タケ亜科の植物が、モウソウダケ、マダケ、ネマガリタケ、コクチク又はコササクサであることを特徴とする、請求項4又は5に記載の製造方法。
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