JP6139296B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関し、特に、タイヤ重量をさほど増加させず、また、タイヤの発熱性を悪化させることなく、サイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを抑制することが可能な重荷重用空気入りタイヤに関する。
建設車輌用などの重荷重用タイヤは、トロイド状に延在するラジアルカーカスプライをもつカーカスのクラウン外周上に、スチールコードがタイヤ赤道を挟んで互いに交差するように積層してなる2層以上のコードゴム被覆層からなる交差ベルトを有するのが一般的である。交差ベルトは、たが締め効果によりトレッド部にかかるタイヤ周方向の張力を負担し、トレッドの径成長を抑制して走行時にクラウン形状が変化するのを防いでいる。また、交差ベルトのタイヤ径方向外側に、伸縮性スチールコードのゴム被覆層からなる少なくとも1層のベルト保護層を配置することも一般的である。ベルト保護層は、トレッド部が路面から突起の入力を受けた場合に、ベルト層が破断したり損傷したりすることを防止するものである。
上記のようにカーカスクラウン部上に交差ベルトを配置する従来のベルト構造では、以下のような問題が生じることがある。すなわち、このベルト構造では、ベルトの面に沿った変形に対する剛性が比較的小さく、負荷転動時、特にサイドフォースの入力時に、交差ベルトがタイヤ周方向に伸びる一方で、タイヤ幅方向に縮む。この力がカーカスにも伝達することで、カーカスにもタイヤ幅方向に縮む力が加わる。ラジアルカーカスでは、プライコードがタイヤ幅方向に延在しているため、プライコードがタイヤ幅方向に圧縮されると、この圧縮歪に起因して、プライコードが折れたりして故障の原因となるおそれがある。
プライコードの折れを抑制するために、プライコードの打ち込み本数を増やしたり、カーカスと交差ベルトとの間のゴム層を厚くすることもできる。しかし、プライコード本数の増加はタイヤ重量の増加をもたらし、ゴム層を厚くすると発熱性が悪化するため好ましくない。そこで、交差ベルトにかかるタイヤ幅方向の圧縮力をカーカスに伝達しにくくするために、交差ベルトとカーカスの間に、軟質の緩衝ゴムを配置することが考えられる。
交差ベルトとカーカスの間に、軟質の緩衝ゴムを配置する技術としては、以下のようなものがある。特許文献1には、カーカスおよび交差ベルトに加えて、補強コードをゴム被覆したストリップを螺旋巻回して形成したベルト強化層を配置するベルト構造の重荷重用ラジアルタイヤにおいて、カーカスと交差ベルトとの間の所定範囲に緩衝ゴムを配置することで、タイヤに突起物が入力したときに、カーカスが他の部材に先行して破断するのを防止する技術が開示されている。
また、特許文献2には、路面の鋭利な石などを踏み込んだときの、交差ベルトからカーカスへの衝撃を緩和し、いわゆるショックバーストを抑制する目的で、カーカスと交差ベルトとの間の所定範囲に緩衝ゴムを配置する技術が開示されている。
特開2008− 87710号公報 特開2005−212742号公報
特許文献1および2は、いずれもサイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを抑制する目的で緩衝ゴムを配置しているものではなく、この目的を達成するために必要十分な緩衝ゴムの配設範囲について何ら考慮しているものではない。
サイドフォースの入力によって、大きな圧縮歪が生じやすい範囲には緩衝ゴムを設ける必要がある一方で、必要以上に緩衝ゴムを設けると発熱性が悪化する。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、発熱性とプライコード折れの抑制とのバランスをとった緩衝ゴムの配置範囲を検討することによって、タイヤ重量をさほど増加させず、また、タイヤの発熱性を悪化させることなく、サイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを抑制することが可能な重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
なお、特許文献1に開示されている、ベルト強化層を有するベルト構造では、ベルト強化層がストリップを螺旋巻回して形成したものであることから、タイヤにサイドフォースが入力されても、ベルト強化層がタイヤ幅方向の圧縮力を伝達しない(緩和する)結果、プライコードにタイヤ幅方向の圧縮歪は生じにくく、そもそも上記のようなサイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れは発生しにくい。
本発明者が、タイヤにサイドフォースを入力したときのプライコード折れを検討したところ、タイヤ赤道からトレッド幅の1/4倍の距離だけ離れた、いわゆる1/4点のタイヤ幅方向位置で、プライコードの折れが発生しやすいことを見出した。また、1/4点よりもタイヤ幅方向外側であっても、交差ベルトが配置されている範囲のうち、2層以上のベルト層が配置されている範囲では、プライコードの折れが発生しやすいことも見出した。これは、1/4点のタイヤ幅方向位置や2層以上のベルト層が配置されている範囲において、交差ベルトの幅方向圧縮力がカーカスに伝達しやすく、プライコード間のゴムの変形(幅方向圧縮)により、プライコードが折れやすいためである。
すなわち、上記知見に鑑み、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)トロイド状に延び、ラジアル配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚のカーカスプライをもつラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部外周上に、コードがタイヤ赤道を挟んで互いに交差するように順次積層してなる少なくとも2層のコードゴム被覆層であるベルト層を有する交差ベルトと、を有し、周方向に延びるコードをゴム被覆した周方向ベルトを備えない重荷重用空気入りラジアルタイヤであって、
前記ラジアルカーカスと前記交差ベルトとの間に、前記交差ベルトの被覆ゴムよりも軟らかいゴムからなる緩衝ゴム層を有し、
該緩衝ゴム層は、タイヤ幅方向断面で見て、
タイヤ赤道からトレッド幅の1/4倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置である1/4点位置に少なくとも配設され、
前記緩衝ゴム層のタイヤ幅方向外側の両端部が、前記少なくとも2層のベルト層のうち、最も広幅のベルト層のタイヤ幅方向端部と、2番目に広幅のベルト層のタイヤ幅方向端部との間のタイヤ幅方向位置にあり、かつ
前記1/4点位置において、前記カーカスに含まれる最もタイヤ径方向外側のプライコードと前記交差ベルトの最もタイヤ径方向内側のコードとの距離Lに対する、前記緩衝ゴムの厚みtの比率であるt/Lが、0.2以上0.6以下であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
(2)前記緩衝ゴム層は、タイヤ赤道面を挟んで両側に分割して設けられた1対の分割ゴムで構成され、
各分割ゴムのタイヤ幅方向外側の端部が、タイヤ赤道からトレッド幅の3/8倍以下の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置にあり、
各分割ゴムのタイヤ幅方向内側の端部が、タイヤ赤道からトレッド幅の1/8倍以上の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置にある上記(1)に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
(3)前記緩衝ゴムの100%モジュラスが、2.1MPa以上4.0MPa以下である上記(1)又は(2)に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
(5)タイヤ赤道面上で測定したタイヤ厚みが60mm以上である上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
本発明によれば、プライコードの折れが発生しやすい位置を求めることによって、プライコード折れの抑制のために必要十分な範囲に緩衝ゴムを配置したので、タイヤ重量をさほど増加させず、また、タイヤの発熱性を悪化させることなく、サイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを抑制することが可能となった。
本発明に従う代表的な重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向の断面図である。 図1に示したタイヤの内部構造を説明するために、トレッドゴムを取り除いたときの平面図である。 本発明に従う別の重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向の断面図である。 図1および図2において、タイヤ赤道からトレッド幅の1/4倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置Aにおける、緩衝ゴム30の厚みを示すための拡大断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付し、説明は省略する。
図1に示すように、本発明に従う代表的な重荷重用空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ1」という。)は、一対のビードコア6間にトロイド状に延在するラジアルカーカス10を骨格とし、そのクラウン部外周上に、交差ベルト20を備える。符号2はトレッド部、3はサイドウォール部、4はビード部を示す。トレッド部には、幅方向溝5を設けた例を示すが、トレッドパターンはこれに限られない。
ラジアルカーカス10は、一対のビードコア間にトロイド状に延び、ラジアル配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚(本実施形態では1枚)のカーカスプライ10aからなる。カーカスプライ10aのコードとしてはスチールコード、有機繊維コードなどが例示できる。ラジアルカーカス10は、コードがタイヤ赤道面に対し70°〜90°の角度で配列される。なお、図1では、カーカスプライを、一対のビードコアの周りに、それぞれの側部部分を折り返した形状を示したが、本発明ではこれに限られることはなく、例えば、分割されたビードコア間にカーカスプライを挟み込むものなどでもよい。
交差ベルト20は、カーカス10のクラウン部外周上に、コードがタイヤ赤道を挟んで互いに交差するように順次積層してなる少なくとも2層(本実施形態では3層)のコードゴム被覆層であるベルト層21,22,23から構成される。コードとしては、スチールコードや有機繊維コードが例示できる。各ベルト層に埋設されたコードは、それぞれタイヤ赤道面に対して所定の角度で傾斜して延びており、例えば、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が10°〜70°とすることができる。コードを被覆するゴムの100%モジュラスは、2.1MPa〜4.0MPa程度である。
本実施形態では、交差ベルト20は、タイヤ径方向内側から順に第1ベルト層21、第2ベルト層22、第3ベルト層23の3層のベルト層からなり、第1ベルト層21が最も広幅のベルト層(最広幅ベルト)であり、第2ベルト層22が2番目に広幅のベルト層(第2広幅ベルト)である。全てのベルト層は、タイヤ赤道からトレッド幅Wの1/4倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置A(いわゆる1/4点)よりも外側に端部を有する程度に広幅に設けられる。なお、本明細書において「トレッド幅」とは、図1および図2に示すように、両トレッド端TE間のタイヤ幅方向距離を意味する。
交差ベルト20は、たが締め効果により、トレッド部にかかるタイヤ周方向の張力を負担し、トレッドの径成長を抑制して走行時にクラウン形状が大きく変化するのを防ぐことができる。一方で、交差ベルト20を有するタイヤ1においては、既述のように、サイドフォースの入力により交差ベルト20がタイヤ幅方向に縮みやすい傾向がある。
そこでタイヤ1では、カーカス10と交差ベルト20との間に、交差ベルトの被覆ゴムよりも軟らかいゴムからなる緩衝ゴム層30を配設する。これにより、交差ベルト20に生じた上記の圧縮力がカーカス10に伝達するのを抑制し、プライコードの折れを抑制することが可能となる。また、プライコードの折れを抑制するために、プライコードの打ち込み本数を増やす場合に比べて、タイヤ重量の増加をさほど招くこともなく、カーカスプライのゴム厚を厚くする場合に比べて、発熱性が悪化することもない。本実施形態のタイヤ1では、図1及び図2に示すように、緩衝ゴム層を、タイヤ赤道面を挟んで両側に分割して設けられた1対の分割ゴム30a,30bで構成した場合を示している。
本発明の特徴的構成は、サイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを抑制するという観点から必要十分な緩衝ゴムの配設範囲を特定したことである。すなわち、緩衝ゴム層30a,30bは、タイヤ幅方向断面で見て、タイヤ赤道CLからトレッド幅Wの1/4倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置A(いわゆる1/4点)に少なくとも配設されている。また、緩衝ゴム層30a,30bのタイヤ幅方向外側の両端部31a,31b(図2参照)が、ベルト層21,22,23のうち、最も広幅のベルト層21のタイヤ幅方向端部Pと、2番目に広幅のベルト層22のタイヤ幅方向端部Qとの間のタイヤ幅方向位置にある。本発明者の検討によれば、1/4点のタイヤ幅方向位置で、プライコードの折れが発生しやすく、また、1/4点よりもタイヤ幅方向外側であっても、交差ベルトが配置されている範囲のうち、2層以上のベルト層が配置されている範囲では、交差ベルトから伝達された圧縮力によりカーカスコード間のゴムの変形し、歪が発生するため、プライコードの折れが発生しやすいことも見出した。
図1を用いて本発明の意義をさらに説明する。緩衝ゴム30aのタイヤ幅方向外側端部31aが1/4点位置Aよりも内側であったり、緩衝ゴム30aのタイヤ幅方向内側端部32aが1/4点位置Aよりも外側であるなど、1/4点の幅方向位置Aに緩衝ゴム30aが配置されない場合、1/4点位置Aにおいてプライコードの折れが発生しやすいため好ましくない。また、緩衝ゴム30aのタイヤ幅方向外側端部31aが1/4点位置Aよりも外側であっても、第2広幅ベルト22のタイヤ幅方向端部Qよりも内側のタイヤ幅方向位置にある場合、2層以上のベルト層が配置されているにも関わらず緩衝ゴム層が配設されない範囲が生じる。この場合も、当該範囲でプライコードの折れが発生しやすいため好ましくない。一方、緩衝ゴム30aのタイヤ幅方向外側端部31aが最広幅ベルト21のタイヤ幅方向端部Pよりも外側のタイヤ幅方向位置にある場合、前記Pよりもタイヤ幅方向外側には交差ベルトがないため、交差ベルトからカーカスへの圧縮力の伝達が生じないにも関わらず、緩衝ゴムを設けることになる。すると、プライコードの折れを抑制する効果は変わらないが、発熱性が悪化することになり好ましくない。そのため、上記本発明の構成を採用することにより、サイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを効果的に抑制することができる。
上記本発明の作用効果の観点から、緩衝ゴム30a,30bのタイヤ幅方向外側の両端部31a,31bは、点Pよりも点Qに近いタイヤ幅方向位置にあることが好ましく、点Qと同じ位置にあることが最も好ましい。
なお、本発明ではカーカスに交差ベルトを配置するベルト構造において、ベルトの面に沿った変形に対する剛性が比較的小さく、負荷転動時、特にサイドフォースの入力時に、交差ベルトがタイヤ周方向に伸びる一方でタイヤ幅方向に縮むことを問題としている。一方、交差ベルトではなく、周方向に延びるコードをゴム被覆した周方向ベルト、すなわちWAVEDベルトのように、ゴムシートを周方向に螺旋巻回することで形成されたベルトの場合、交差ベルトよりもたが効果が大きく、サイドフォースが入力された場合でもタイヤ幅方向にはほとんど圧縮せず、本発明で問題としているプライコードの折れは発生しにくい。つまり、本発明は、カーカスに交差ベルトを配置するベルト構造を前提とした発明であり、上記周方向ベルトを有するタイヤは除外される。
本実施形態では、第1ベルト層21を最広幅ベルトとし、第2ベルト層22を第2広幅ベルトとした例を示したが、本発明はこれに限定されない。最広幅ベルトおよび第2広幅ベルトを任意の組合せのベルト層としても、ベルトが2層以上配設される範囲においては、交差ベルトからカーカスへの圧縮力の伝達が生じうるためである。
交差ベルト20のタイヤ径方向外側に、例えば伸縮性スチールコードをゴム被覆した層からなる少なくとも1層の保護ベルト層(不図示)をさらに配設してもよい。
緩衝ゴム層30は、図3に示すように、1枚の広幅のゴムシートで構成してもよい。この場合、緩衝ゴム層30のタイヤ幅方向外側端部31a,31b(不図示)がAより外側、かつ、PQの間のタイヤ幅方向位置にあればよい。
しかし、図1及び図2に示すタイヤ1のように、緩衝ゴム層は、タイヤ赤道面を挟んで両側に分割して設けられた1対の分割ゴム30a,30bで構成することが好ましい。この場合、各分割ゴム30a,30bのタイヤ幅方向外側の端部31a,31bが、タイヤ赤道CLからトレッド幅Wの3/8倍以下の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置にあり、かつ、各分割ゴム30a,30bのタイヤ幅方向内側の端部32a,32bが、タイヤ赤道CLからトレッド幅Wの1/8倍以上の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置にあることが好ましい。つまり、タイヤ赤道CLからトレッド幅Wの1/8倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置をB、タイヤ赤道CLからトレッド幅Wの3/8倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置をCとすると、分割ゴム30a,30bはBC間に配置されるのが好適である。B位置よりもタイヤ幅方向内側の領域、および、C位置よりもタイヤ幅方向外側の領域では、BC間の領域に比べて交差ベルトからカーカスへ圧縮力が伝達しにくく、プライコードの折れも少なかった。そのため、当該部分に緩衝ゴムを設けず、BC間にのみ配置することにより、発熱性の悪化や重量の増加を招くことなく、効果的にプライコードの折れを抑制することができる。
緩衝ゴム層の100%モジュラスは、交差ベルトの被覆ゴムよりも小さく、2.1MPa以上4.0MPa以下とすることが好ましく、3.0MPa以下とすることがより好ましい。2.1MPa未満の場合、緩衝ゴム層の変形が大きくなりすぎるため、緩衝ゴム層における発熱量が増加し、クラウン部の発熱耐久性の悪化を招くおそれがある一方、4.0MPaより大きい場合、緩衝ゴム層の変形が小さすぎて、交差ベルト20に生じた圧縮力がカーカス10に伝達することを抑制する効果が十分に得られなくなる可能性があるためである。
本発明の緩衝ゴム層30は、均一厚みのゴムシートである。そして、図4に示すように、タイヤ赤道CLからトレッド幅Wの1/4倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置Aにおいて、カーカス10に含まれる最もタイヤ径方向外側のプライコード11と交差ベルト20の最もタイヤ径方向内側のコード21aとの距離Lに対する、緩衝ゴム層30の厚みtの比率であるt/Lを、0.2以上0.6以下とすることが好ましい。0.2未満の場合、緩衝ゴム層が薄すぎるため、交差ベルト20に生じた圧縮力がカーカス10に伝達することを抑制する効果が十分に得られなくなる可能性がある一方、0.6より大きい場合、緩衝ゴム層の厚さが厚くなるため、緩衝ゴム層における発熱量が増加し、クラウン部の発熱耐久性の悪化を招くおそれがあるためである。
タイヤ1において、タイヤ赤道CL面上で測定したタイヤ厚みx(図1参照)は60mm以上であることが好ましい。これにより、路面からのカット入力防止と摩耗ボリューム確保が可能である。
本発明で示した寸法関係は、いずれもタイヤ1を正規リムに装着し、正規内圧を充填した状態での寸法関係とする。ここで、本明細書において「規定内圧」とは、下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことを意味する。「正規リム」とは、同規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または“Approved Rim”、“Recommended Rim”)のことである。かかる産業規格については、タイヤが生産又は使用される地域に有効な規格が定められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book”であり、欧州では、”The European Tire and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”である。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の実施例および比較例にかかるタイヤについて行った比較評価について説明する。
(実施例1,3〜5)
図1または図3に示す構造で、緩衝ゴム層の配設範囲および厚さを種々のものとした実施例タイヤを用意した。これらはいずれも、タイヤサイズ:23.5R25の建設車輌用のラジアルタイヤであり、各タイヤに共通する構成は以下の通りである。カーカスは、1プライからなるカーカスとした。交差ベルトは、スチールコードをゴム被覆したベルト層を3層積層した。図1に示すように、第1ベルト層を最広幅ベルト、第2ベルト層を第2広幅ベルトとした。緩衝ゴム層は、交差ベルトの被覆ゴムよりも軟らかいゴムとした。
ここで、各タイヤの緩衝ゴム層の配設範囲は、以下の表記方法に従って表1に示す。タイヤ赤道の位置を0、1/4点を50、トレッド端の位置を100として、緩衝ゴムが配置される範囲を表示する。例えば、25〜75と表示した場合、図1に示したBからCの範囲に、1対の分割ゴムが配置されることを示す。また、0〜75と表示した場合、タイヤ赤道からCまでの範囲に緩衝ゴムが配置される(分割ゴムではない)ことを示す。
(比較例1,2,4
緩衝ゴム層を設けないこと以外は実施例タイヤと同様のタイヤを比較例1とした。また、緩衝ゴムを設けるものの、配設範囲が本発明の範囲外となるタイヤを比較例2,4,5とした。配設範囲については表1に示す。
(比較例6)
プライコードの打ち込み本数を比較例1の1.2倍に増やした以外は比較例1タイヤと同様のタイヤを比較例6とした。
(比較例7)
カーカスと交差ベルトとの間に、緩衝ゴム層を設けず、1/4点におけるプライコードと第1ベルトのコードとの距離Lを比較例1の2倍の厚みとしたタイヤを比較例7とした。
(評価方法)
これらのタイヤをJATMA規格に定める標準リム(19.50J/2.5)に装着し、内圧525kPa、荷重質量9713kg(TRAに定める最大荷重負荷能力の105%に相当する荷重)の条件の下、速度16km/hで直径5mのドラム上でサイドフォース(SF)耐久試験を行った。3°の角度をつけて、540時間走行させた後、各タイヤについて、プライコードの残存張力およびクラウン部の温度を測定した。プライコードの残存張力の測定は、耐久試験終了後のタイヤから、1/8点〜1/4点間のプライコードを切り出し、引張試験機により張力を加え、破断に至った時の張力を測定することにより行った。プライコードの残存張力は、比較例1を100とした指数表示として、表1に示した。数値が小さいほうがプライコードに張力がかかっておらず、プライコードの折れが生じにくいことを示す。また、表1に示したクラウン部の温度は、低いほうが発熱しにくいことを示す。
Figure 0006139296
本発明によれば、プライコードの折れが発生しやすい位置を求めることによって、プライコード折れの抑制のために必要十分な範囲に緩衝ゴムを配置したので、タイヤ重量をさほど増加させず、また、タイヤの発熱性を悪化させることなく、サイドフォース入力に起因するクラウン部のプライコード折れを抑制することが可能な重荷重用空気入りタイヤを提供することができる。
1 重荷重用空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 幅方向溝
10 ラジアルカーカス
10a カーカスプライ
20 交差ベルト
21 第1ベルト層(最広幅ベルト)
22 第2ベルト層(第2広幅ベルト)
23 第3ベルト層
30 緩衝ゴム層
30a,30b 分割ゴム(緩衝ゴム層)
31a,31b 分割ゴム(緩衝ゴム)のタイヤ幅方向外側の端部
32a,32b 分割ゴムのタイヤ幅方向内側の端部

Claims (4)

  1. トロイド状に延び、ラジアル配列されたコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚のカーカスプライをもつラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部外周上に、コードがタイヤ赤道を挟んで互いに交差するように順次積層してなる少なくとも2層のコードゴム被覆層であるベルト層を有する交差ベルトと、を有し、周方向に延びるコードをゴム被覆した周方向ベルトを備えない重荷重用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記ラジアルカーカスと前記交差ベルトとの間に、前記交差ベルトの被覆ゴムよりも軟らかいゴムからなる緩衝ゴム層を有し、
    該緩衝ゴム層は、タイヤ幅方向断面で見て、
    タイヤ赤道からトレッド幅の1/4倍の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置である1/4点位置に少なくとも配設され、
    前記緩衝ゴム層のタイヤ幅方向外側の両端部が、前記少なくとも2層のベルト層のうち、最も広幅のベルト層のタイヤ幅方向端部と、2番目に広幅のベルト層のタイヤ幅方向端部との間のタイヤ幅方向位置にあり、かつ
    前記1/4点位置において、前記カーカスに含まれる最もタイヤ径方向外側のプライコードと前記交差ベルトの最もタイヤ径方向内側のコードとの距離Lに対する、前記緩衝ゴムの厚みtの比率であるt/Lが、0.3以上0.6以下であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記緩衝ゴム層は、タイヤ赤道面を挟んで両側に分割して設けられた1対の分割ゴムで構成され、
    各分割ゴムのタイヤ幅方向外側の端部が、タイヤ赤道からトレッド幅の3/8倍以下の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置にあり、
    各分割ゴムのタイヤ幅方向内側の端部が、タイヤ赤道からトレッド幅の1/8倍以上の距離だけ離れたタイヤ幅方向位置にある請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記緩衝ゴムの100%モジュラスが、2.1MPa以上4.0MPa以下である請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. タイヤ赤道面上で測定したタイヤ厚みが60mm以上である請求項1乃至のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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