JP6136269B2 - 水処理用分離膜エレメント - Google Patents

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Description

本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される水処理用分離膜エレメントに関する。
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に原水を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過流体の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、中心管と、中心管の周囲に巻き付けられた積層体とを備える。積層体は、原水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、原水に圧力を付与することができるので、透過流体を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
スパイラル型分離膜エレメントでは、一般的に、供給側流体の流路を形成させるために、供給側流路材として、主に高分子製のネットが使用される。また、分離膜として、積層型の分離膜が用いられる。積層型の分離膜は、供給側から透過側に積層された、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性樹脂層、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布を備える分離膜である。また、透過側流路材としては、分離膜の落ち込みを防き、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔の細かいトリコットと呼ばれる編み物部材が使用される。
近年、造水コストの低減への要求の高まりから、膜エレメントの高性能化が求められている。例えば、分離膜エレメントの分離性能の向上、および単位時間あたりの透過流体量の増大のために、各流路部材等の分離膜エレメント部材の性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1では、透過側流路材として、凹凸賦形されたシート状物を備えるエレメントが提案されている。特許文献2では、凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とを備えるシート状分離膜を備えることで、ネットなどの供給側流路材やトリコットなどの透過側流路材を必要としないエレメントが提案されている。
日本国特開2006−247453号公報 日本国特開2010−99590号公報
しかし、上記した分離膜エレメントは、性能向上、特に長期間にわたり運転を行った際の安定性能の点では、十分とは言えない。
そこで、本発明は、特に高い圧力をかけて分離膜エレメントを運転した時の分離除去性能を安定化させることのできる水処理用分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の水処理用分離膜エレメントは、集水管と、少なくとも基材および分離機能層を有する分離膜本体と、該分離膜本体とは異なる組成を有し、前記基材の厚さ方向において前記分離機能層とは逆側の基材表面に1N/m以上の接着力で単独で固着している複数の透過側流路材と、を備える分離膜と、を有する分離膜エレメントであって、前記分離膜本体の幅方向に隣接する前記複数の透過側流路材の間隔が0.05mm以上5mm以下であり、前記透過側流路材の幅が0.2mm以上2mm以下であることを特徴とする。
この分離膜は、分離膜エレメントに適用可能である。この分離膜エレメントは、集水管と上記分離膜を備え、前記分離膜は、その幅方向が前記集水管の長手方向に沿うように配置され、かつ前記集水管の周囲に巻回されていることを特徴とする。
本発明の分離膜エレメントによって、高効率かつ安定した透過側流路を形成することができる。
本発明の分離膜エレメントによれば、分離膜の幅方向が集水管の長手方向に沿うようにして巻回したので、分離成分の除去性能と高い透過性能を有する高性能、高効率の分離膜エレメントを得ることができる。
図1は分離膜リーフの一形態を例示する分解斜視図である。 図2は分離膜の長さ方向(第2方向)において連続的に設けられた流路材を備える分離膜を示す平面図である。 図3は分離膜の長さ方向(第2方向)において不連続的に設けられた流路材を備える分離膜を示す平面図である。 図4は図2および図3の分離膜の断面図である。 図5は分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図である。 図6は分離膜の横面模式図である。 図7は分離膜本体の概略構成を示す断面図である。 図8は分離膜エレメントの第1形態を例示する一部展開斜視図である。 図9は分離膜エレメントの第2形態を例示する一部展開斜視図である。 図10は分離膜エレメントの第3形態を例示する一部展開斜視図である。
以下、本発明の実施の一形態について、詳細に説明する。
〔1.分離膜〕
(1−1)分離膜の概要
分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得ることができる膜である。分離膜は、分離膜本体と、分離膜本体上に配置された流路材とを備える。
このような分離膜の例として、本発明の分離膜の実施形態の一例を含む分離膜リーフの分解斜視図を図1に示す。
図1において、分離膜リーフ4は、分離膜1と分離膜7とを含み、分離膜1の供給側の面21と分離膜7の供給側の面71とが対向するように配置される。分離膜1は、分離膜本体2と透過側の流路材31とを備える。流路材31は、透過側の面22上に、流路を形成するように設けられている。分離膜1の各部の詳細については後述する。分離膜本体2は、供給側の面21と透過側の面22とを備える。また分離膜7は、供給側の面71と透過側の面72とを備える。
本書において、分離膜本体の「供給側の面」とは、分離膜本体の2つの面のうち、原水が供給される側の表面を意味する。「透過側の面」とは、その逆側の面を意味する。後述するように分離膜本体が、図7に示すように、基材201及び分離機能層203を備える場合は、一般的に、分離機能層側の面が供給側の面21であり、基材側の面が透過側の面22である。図7において、分離膜本体2は、基材201、多孔性支持層202および分離機能層203の積層体として記載されている。上述した通り、分離機能層203の外に開放された面が供給側の面21、基材201の外に開放された面が透過側の面22である。
図中にx軸、y軸、z軸の方向軸を示す。x軸を第1方向、y軸を第2方向と称することがある。図1等に示すように、分離膜本体2は長方形であり、第1方向および第2方向は、分離膜本体2の外縁に平行である。第1方向を幅方向と称し、第2方向を長さ方向と称することがある。また図1中、第1方向(幅方向)をCDの矢印で表わし、第2方向(長さ方向)をMDの矢印で表わす。
(1−2)分離膜本体
<概要>
分離膜本体としては、使用方法、目的等に応じた分離性能を有する膜が用いられる。分離膜本体は、単一層によって形成されたものもあるが、本発明における分離膜本体は、少なくとも分離機能層と基材とを備える複合膜である。また、図7に示すように、複合膜においては、分離機能層203と基材201との間に、多孔性支持層202が形成されていてもよい。
<分離機能層>
分離機能層の厚みは具体的な数値に限定されないが、分離性能と透過性能の点で5nm以上3000nm以下であることが好ましい。特に逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では5nm以上300nm以下であることが好ましい。
分離機能層の厚みは、通常の分離膜の膜厚測定法に準ずることができる。例えば、分離膜を樹脂により包埋し、それを切断することで超薄切片を作製し、得られた切片に染色などの処理を行う。その後、透過型電子顕微鏡により観察することで、厚みの測定が可能である。また、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持層より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
分離機能層は、分離機能および支持機能の両方を有する層であってもよいし、分離機能のみを備えていてもよい。なお、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を指す。
分離機能層が分離機能および支持機能の両方を有する場合、分離機能層としては、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを主成分として含有する層が好ましく適用される。
なお、本書において、「XがYを主成分として含有する」とは、XにおけるYの含有率が、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であることを意味する。また、Yに該当する複数の成分が存在する場合は、それら複数の成分の合計量が、上述の範囲を満たせばよい。
一方、多孔性支持層で支持される分離機能層としては、孔径制御が容易であり、かつ耐久性に優れるという点で架橋高分子が好ましく使用される。特に、原水中の成分の分離性能に優れるという点で、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層、有機無機ハイブリッド機能層などが好適に用いられる。これらの分離機能層は、多孔性支持層上でモノマーを重縮合することによって形成可能である。
例えば、分離機能層は、ポリアミドを主成分として含有することができる。このような膜は、公知の方法により、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合することで形成される。例えば、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去し、その後、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布することで、ポリアミド分離機能層が得られる。
また、分離機能層は、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッド構造を有してもよい。有機無機ハイブリッド構造を有する分離機能層は、例えば、以下の化合物(A)、(B)を含有することができる:
(A)エチレン性不飽和基を有する反応性基および加水分解性基がケイ素原子に直接結合したケイ素化合物、ならびに
(B)前記化合物(A)以外の化合物であってエチレン性不飽和基を有する化合物。
具体的には、分離機能層は、化合物(A)の加水分解性基の縮合物ならびに化合物(A)および/または(B)のエチレン性不飽和基の重合物を含有してもよい。すなわち、分離機能層は、
・化合物(A)のみが縮合および/または重合することで形成された重合物、
・化合物(B)のみが重合して形成された重合物、並びに
・化合物(A)と化合物(B)との共重合物
のうちの少なくとも1種の重合物を含有することができる。なお、重合物には縮合物が含まれる。また、化合物(A)と化合物(B)との共重合体中で、化合物(A)は加水分解性基を介して縮合していてもよい。
ハイブリッド構造は、公知の方法で形成可能である。ハイブリッド構造の形成方法の一例は次のとおりである。化合物(A)および化合物(B)を含有する反応液を多孔性支持層に塗布する。余分な反応液を除去した後、加水分解性基を縮合させるためには、加熱処理すればよい。化合物(A)および化合物(B)のエチレン性不飽和基の重合方法としては、熱処理、電磁波照射、電子線照射、プラズマ照射を行えばよい。重合速度を速める目的で分離機能層形成の際に重合開始剤、重合促進剤等を添加することができる。
なお、いずれの分離機能層についても、使用前に、例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって膜の表面を親水化させてもよい。
<多孔性支持層>
多孔性支持層は、分離機能層を支持する層であり、多孔性樹脂層とも言い換えられる。
多孔性支持層に使用される材料やその形状は特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂によって基板上に形成されてもよい。多孔性支持層としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。
多孔性支持層は、分離膜に機械的強度を与え、かつイオン等の分子サイズの小さな成分に対して分離膜のような分離性能を有さない。多孔性支持層の有する孔のサイズおよび孔の分布は特に限定されないが、例えば、多孔性支持層は、均一で微細な孔を有してもよいし、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面にかけて径が徐々に大きくなるような孔径の分布を有してもよい。また、いずれの場合でも、分離機能層が形成される側の表面で原子間力顕微鏡または電子顕微鏡などを用いて測定された細孔の投影面積円相当径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。特に界面重合反応性および分離機能層の保持性の点で、多孔性支持層において分離機能層が形成される側の表面における孔は、3nm以上50nm以下の投影面積円相当径を有することが好ましい。
多孔性支持層の厚みは特に限定されないが、分離膜に強度を与えるため等の理由から、20μm以上500μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上300μm以下である。
多孔性支持層の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔性支持層を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3kV〜6kVの加速電圧で、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真に基づいて、多孔性支持層の膜厚、表面の投影面積円相当径を測定することができる。
多孔性支持層の厚み、孔径は、平均値であり、多孔性支持層の厚みは、断面観察で厚み方向に直交する方向に20μm間隔で測定し、20点測定の平均値である。また、孔径は、200個の孔について測定された、各投影面積円相当径の平均値である。
次に、多孔性支持層の形成方法について説明する。多孔性支持層は、例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、後述する基材、例えば密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、製造することができる。
多孔性支持層は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って形成することができる。なお、所望の形態を得るために、ポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒は調整可能である。
例えば、所定量のポリスルホンをDMFに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって得ることができる。
<基材>
分離膜本体の強度、寸法安定性等の観点から、分離膜本体は基材を有することができる。基材としては、強度、凹凸形成能および流体透過性の点で繊維状基材を用いることが好ましい。
基材としては、長繊維不織布及び短繊維不織布のいずれも好ましく用いることができる。特に、長繊維不織布は、優れた製膜性を有するので、高分子重合体の溶液を流延した際に、その溶液が過浸透により裏抜けすること、多孔性支持層が剥離すること、さらには基材の毛羽立ち等により膜が不均一化すること、及びピンホール等の欠点が生じることを抑制できる。また、基材が熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布と比べて、高分子溶液流延時に繊維の毛羽立ちによって起きる不均一化および膜欠点の発生を抑制することができる。さらに、分離膜は、連続製膜されるときに、製膜方向に対し張力がかけられるので、寸法安定性に優れる長繊維不織布を基材として用いることが好ましい。
長繊維不織布は、成形性、強度の点で、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維が、多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向であることが好ましい。そのような構造によれば、強度を保つことで膜破れ等を防ぐ高い効果が実現されるだけでなく、分離膜に凹凸を付与する際の、多孔性支持層と基材とを含む積層体としての成形性も向上し、分離膜表面の凹凸形状が安定するので好ましい。
より具体的には、長繊維不織布の、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度は、0°以上25°以下であることが好ましく、また、多孔性支持層側表層における繊維配向度との配向度差が10°以上90°以下であることが好ましい。
分離膜の製造工程やエレメントの製造工程においては加熱する工程が含まれるが、加熱により多孔性支持層または分離機能層が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において張力が付与されていない幅方向において、収縮は顕著である。収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。不織布において多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度と多孔性支持層側表層における繊維配向度との差が10°以上90°以下であると、熱による幅方向の変化を抑制することもでき、好ましい。
ここで、繊維配向度とは、多孔性支持層を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標である。具体的には、繊維配向度とは、連続製膜を行う際の製膜方向、つまり不織布基材の長手方向と、不織布基材を構成する繊維の長手方向との間の角度の平均値である。つまり、繊維の長手方向が製膜方向と平行であれば、繊維配向度は0°である。また、繊維の長手方向が製膜方向に直角であれば、すなわち不織布基材の幅方向に平行であれば、その繊維の配向度は90°である。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
繊維配向度は以下のように測定される。まず、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取する。次に、そのサンプルの表面を走査型電子顕微鏡で100〜1000倍で撮影する。撮影像の中で、各サンプルあたり10本の繊維を選び、不織布の長手方向を0°としたときの、繊維の長手方向の角度を測定する。ここで、不織布の長手方向とは、不織布製造時の“Machine direction”を指す。また、不織布の長手方向は、多孔性支持層の製膜方向および図中のMD方向に一致する。図中のCD方向は、不織布製造時の“Cross direction”に一致する。
こうして、1枚の不織布あたり計100本の繊維について、角度の測定が行われる。こうして測定された100本の繊維について長手方向の角度から平均値を算出する。得られた平均値の小数点以下第一位を四捨五入して得られる値が、繊維配向度である。
基材の厚みは、基材と多孔性支持層との厚みの合計は、30μm以上300μm以下の範囲内、または50μm以上250μm以下の範囲内にあることが好ましい。
<基材の密度>
基材の密度は、分離膜の使用方法等に合わせて変更可能であるが、例えば密度0.2g/cm3以上0.9g/cm3以下であるのが好ましい。基材の密度が小さいほど透過側流路材の浸入に適しており、基材に透過側流路材を強固に固着できる。上述の範囲であれば、分離膜の基材としての強度と、基材への透過側流路材の固着の強度とを両立しやすい。
(1−3)透過側流路材
<概要>
分離膜本体の透過側の面には、基材表面に透過側流路材が単独で固着する。透過側流路材は、基材とは異なる組成を有し、基材の厚さ方向において分離機能層とは逆側の基材表面に1N/m以上の接着力で固着することで、透過側流路を形成する。「透過側の流路を形成する」とは、分離膜が後述の分離膜エレメントに組み込まれたときに、分離膜本体を透過した透過流体が集水管に到達できるように、流路が形成されていることを意味する。流路材の構成の詳細は以下のとおりである。
<流路材の接着力>
分離膜エレメントの製造時等の分離膜の取り扱い時において、流路材に応力が負荷された場合に基材と流路材との間での剥離を抑制するためには、流路材と基材との固着部の接着力は1N/m以上が好ましく、10N/m以上がさらに好ましく、30N/m以上が特に好ましい。このような基材と流路材間の接着力は、例えばISO 4578:1997に記載されている方法に従って測定できる。少なくとも、後述の実施例に記載の方法で測定された接着力が、この範囲内に入っていればよい。なお、この接着とは流路材が単独で接着していることであり、分離膜リーフまたは封筒状膜を作製する際に用いる接着剤が流路材に接触している部分は除かれる。
なお、固着部の接着力を測定するときに流路材を基材から剥がすと、基材の一部も流路材に付随して剥がれることがある。このように基材が剥がれたとしても、そのときに測定された値は接着力とみなされる。
<基材への流路材の含浸>
分離膜中に、より具体的には基材中に、流路材の成分が含浸していてもよい。分離膜の基材側、すなわち透過側に流路材を配置し、ホットメルト法などで基材側から加熱すると、分離膜の裏側から表側に向かって流路材の含浸が進行する。含浸が進行するにつれて流路材と基材との接着が強固になり、加圧ろ過しても流路材が基材から剥離しにくくなる。基材中で、流路材の成分が含浸している部分を、図4中で「含浸部33」として示している。
図4において、分離膜本体2の透過側の面22に複数の透過側流路材31が配置され、隣接する透過側流路材31の間に透過側流路5が形成されている。透過側流路材31は、分離膜本体2の透過側の面22から内部へ浸透し、含浸部33を形成している。
ただし、分離膜が、流路材の成分が分離機能層の近傍まで含浸していると、加圧ろ過した際に含浸した流路材が分離機能層を破壊してしまう。そのため、流路材の成分が基材に含浸している場合、基材の厚みに対する流路材含浸厚みの割合(すなわち含浸率)は、5%以上95%以下の範囲であることが好ましく、10%以上80%以下の範囲であることがより好ましく、20%以上60%以下の範囲であることがさらに好ましい。なお、含浸厚みとは流路材最大含浸厚みを指し、流路材最大含浸厚みとは、1つの断面において、その流路材に対応する含浸部の厚みの最大値を意味する。
流路材の含浸厚みは、例えば、流路材を構成する材料の種類(より具体的には樹脂の種類)及び/又は材料の量を変更することで、調整可能である。また、流路材をホットメルト法によって設ける場合には、処理温度等を変更することによっても、含浸厚みを調整することができる。
なお、流路材の含浸部を含む基材を示差走査熱量測定といった熱分析に供することにより、基材とは別に流路材の成分に起因するピークが得られれば、流路材が基材に含浸していることを確認することができる。
流路材の基材への含浸率は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により、流路材が存在する分離膜の断面を観察して流路材含浸厚みと基材厚みを算出することができる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば分離膜を流路材と共に深さ方向に切断し、断面を走査型電子顕微鏡で観察して、流路材含浸厚みと基材厚みを測定する。そして、基材中の流路材が最も含浸している流路材最大含浸厚みと基材厚みの比から算出できる。なお、含浸深さを算出する場合の「基材厚み」とは、最大含浸厚みを測定した部分と同一箇所における基材の厚みである(図1参照)。図1では、説明の便宜上、基材厚みを示す矢印と最大含浸厚みを示す矢印とは、ずれるように描かれている。また、図1の分離膜は、基材、多孔性支持層、及び分離機能層を備えるが、上述したように、本発明はこの形態に限定されない。
<流路材の密度>
流路材が透過側流路材として機能する場合、流路材には、加圧ろ過時に透過側流路を形成するための耐圧性が要求される。密度が低い場合、つまり流路材中に多くの空隙が存在する場合は、流路材の耐圧性は低い傾向にある。流路材の密度は、分離膜の使用方法等に合わせて変更可能であるが、例えば、流路材が接着していない範囲の基材の密度よりも高いことが好ましい。また、流路材の密度は0.90g/cm3以上であることが好ましく、溶融樹脂の流動性の観点から耐圧性や後述する基材への非保持性、浸透性が良好となる。また、同様の理由から流路材の密度が基材の密度よりも高いことが好ましい。
<静摩擦係数>
流路材を不織布に固着した分離膜を用いてエレメント、特にスパイラル型エレメントを作製する場合、供給側の面同士が向かい合い、かつ透過側の面同士が向かい合うように、分離膜を重ねて巻回する工程を行う。巻回することで分離膜の間にズレが生じるので、分離膜の間には応力が生じる。よって、分離膜間の摩擦力が小さいことが好ましい。摩擦力が大きい場合、生じた応力により分離膜が破壊されることがある。そのため、流路材とそれに接する分離膜、すなわち向かい合う分離膜の基材との静摩擦係数は、分離膜の含水率によらず好ましくは3.5以下であり、さらに好ましくは1.5以下、特に好ましくは0.7以下である。つまり、流路材と、それに対向する分離膜の透過側の基材表面との間の静摩擦係数が、この範囲内にあることで、分離膜の巻囲性が良好で欠陥の少ない分離膜エレメントを得ることができる。
基材に対する流路材の摩擦を低減するためには公知の手法を適用することができ、流路材が基材に接する面を各種加工により平滑化しても良く、あるいは流路材を構成する樹脂にワックスを添加しても良い。ワックスとしてはサゾールワックス(フィッシャー・トロプシュワックス)やカルナウバワックス、セレシンワックス、オゾケライトワックス、モンタンワックス、晒モンタンワックス、精製みつろうを単独またはブレンドして使用しても良い。
<流路材の構成成分>
流路材31は、分離膜本体2とは異なる材料で形成されることが好ましい。異なる材料とは、分離膜本体2で使用される材料とは異なる組成を有する材料を意味する。特に、流路材31の組成は、分離膜本体2のうち、流路材31が形成されている面の組成とは異なることが好ましく、分離膜本体2を形成するいずれの層の組成とも異なることが好ましい。
流路材を構成する材料としては特に限定されないが、樹脂が好ましく用いられる。具体的には、耐薬品性の点で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやオレフィン共重合体などが好ましい。これらに比べて接着性ではやや劣るものの、流路材を構成する材料として、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーも選択でき、これらを単独もしくは2種類以上からなる混合物として用いることができる。特に、熱可塑性樹脂は成形が容易であるため、均一な形状の流路材を形成することができる。
また、流路材を構成するポリマーにワックス等の減粘剤を添加することで、基材への含浸を促進し、それによって流路材の基材への接着力を高めることができる。また、流路材に、接着成分(例えばタッキファイヤー)などの各種添加剤を加えることで、流路材となる溶融樹脂の表面自由エネルギーを大きくすることができ、その結果、流路材の基材への接着力を高めることができる。このように流路材の表面自由エネルギーを調整することで、基材の材質に応じた接着力を実現することができる。さらに、流路材の材料として、そのSP値(Solubility Parameter)と基材のSP値との差が小さい材料を用いることも、流路材と基材との接着性を高める上で効果的である。具体的には、流路材の主成分のSP値と、基材の主成分のSP値との差が、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であることが好ましい。
なお、流路材を基材に固着させるに先立ち、基材をプライマー処理しても良い。
<流路材形状および配置>
<<概要>>
従来広く用いられているトリコットは編み物であり、立体的に交差した糸で構成されている。つまり、トリコットは、二次元的に連続した構造を有している。このようなトリコットが流路材として適用された場合、流路の高さはトリコットの厚みよりも小さくなる。すなわち、トリコットの厚みの全てを流路の高さとして利用することはできない。
これに対して、本発明の構成の例として、図1等に示す流路材31は、互いに重ならないように配置されている。よって、本実施形態の流路材31の高さ(つまり厚み)は全て、流路の溝の高さとして活用される。よって、本実施形態の流路材31が適用された場合、流路材31の高さと同じ厚みを有するトリコットが適用された場合よりも、流路は高くなる。つまり、流路の断面積がより大きくなるので、流動抵抗はより小さくなる。
また、各図に示した形態では、不連続な複数の流路材31が、1つの分離膜本体2上に固着されている。「不連続」とは、複数の流路材が、間隔を置いて設けられている状態である。つまり、1枚の分離膜中の流路材31を分離膜本体2から剥離すると、互いに分かれた複数の流路材31が得られる。これに対して、ネット、トリコットおよびフィルム等の部材は、分離膜本体2から分離されても、連続した一体の形状を示す。
不連続な複数の流路材31が設けられていることで、分離膜1は、後述の分離膜エレメントに組み込まれたときに、圧力損失を低く抑えることができる。このような構成の一例として、図2では、流路材31は第1方向(分離膜の長さ方向)においてのみ不連続に形成されおり、図3では第1方向(分離膜の長さ方向)および第2方向(分離膜の幅方向)のいずれにおいても不連続に形成されている。
図2および図3において、隣接する流路材31の間の空間に、透過側流路5が形成される。
分離膜は、分離膜エレメントにおいて、第2方向が巻回方向と一致するように配置されることが好ましい。つまり、分離膜エレメントにおいて、分離膜は、第1方向(分離膜の幅方向)が集水管6の長手方向に平行であり、第2方向(分離膜の長さ方向)が集水管6の長手方向に直交するように配置されることが好ましい。
流路材31は、第1方向において不連続に設けられると共に、図2および図5に示す形態では、第2方向において、分離膜本体2の一端から他端まで連続するように設けられる。つまり、図5のように分離膜エレメントに分離膜が組み込まれたときに、流路材31は、巻回方向における分離膜1の内側端部から外側端部まで連続するように配置される。巻回方向の内側とは、分離膜において集水管に近い側であり、巻回方向の外側とは、分離膜において集水管から遠い側である。
図5は、集水管6の周囲に分離膜1を巻回した分離膜エレメント100を模式的に示す説明図である。図5において分離膜1は分離膜リーフの片側の面として記載されている。図中、CDで示す矢印は、集水管6の長手方向および分離膜の幅方向を示す。またMDで示す矢印は、分離膜の長さ方向および集水管6へ巻回する方向を示す。
流路材が「第2方向において連続する」とは、図2のように流路材が途切れることなく設けられている場合と、図3のように、流路材が途切れる箇所はあるが、流路材が実質的に連続している場合の両方を包含する。「実質的に連続する」形態とは、好ましくは、第2方向における流路材の間隔e(つまり流路材において途切れている部分の長さ)が5mm以下であることを満たす。特に、間隔eは、1mm以下を満たすことがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。また、第2方向において並ぶ一列の流路材の先頭から最後尾までに含まれる間隔eの合計値が、100mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく3mm以下であることがさらに好ましい。なお、図2の形態では、間隔eは0(ゼロ)である。
図2のように流路材31が途切れずに設けられている場合、加圧ろ過時に膜落ち込みが抑制される。膜落ち込みとは、膜が流路に落ち込んで流路を狭めることである。
図3では、流路材31は、第1方向だけでなく第2方向においても不連続に設けられている。つまり、流路材31は、長さ方向において間隔をおいて設けられている。ただし、上述したように、流路材31が第2方向において実質的に連続していることで、膜落ち込みが抑制される。また、このように、2つの方向において不連続な流路材31が設けられることで、流路材と流体との接触面積が小さくなるので圧力損失が小さくなる。この形態は、流路5が分岐点を備える構成であるとも言い換えられる。つまり、図3の構成において、透過流体は、流路5を流れながら、流路材31によって分けられ、さらに下流で合流することができる。
上述したように、図2では、流路材31が、第2方向において分離膜本体2の一端から他端まで連続するように設けられている。また、図3では第2方向において流路材31は複数の部分に分割されているが、これらの複数の部分が、分離膜本体2の一端から他端まで並ぶように設けられている。
流路材が「分離膜本体の一端から他端まで設けられている」とは、流路材が分離膜本体2の縁まで設けられている形態と、縁近傍において流路材が設けられていない領域がある形態との両方を包含する。つまり、流路材は、透過側の流路を形成できる程度に、第2方向に渡って分布していればよく、分離膜本体において、流路材が設けられない部分があってもよい。例えば、透過側の面において、他の分離膜との接着された部分(接触部分と言い換えられる。)には、流路材が設けられる必要はない。また、その他の仕様上または製造上の理由により、分離膜の端部などの一部の箇所に、流路材が配置されない領域が設けられていてもよい。
第1方向においても、流路材31は、分離膜本体の全体にわたってほぼ均等に分布することができる。ただし、第2方向における分布と同様に、透過側の面における他の分離膜との接触部分には、流路材が設けられる必要はない。また、その他の仕様上または製造上の理由により、分離膜の端部などの一部の箇所に、流路材が配置されない領域が設けられていてもよい。
<<分離膜本体および流路材の寸法>>
図2〜図4において、a〜fは下記値を指す。
a:分離膜本体2の長さ
b:分離膜本体2の幅方向における流路材31の間隔
c:流路材の高さ(流路材31と分離膜本体2の透過側の面22との高低差)
d:流路材31の幅
e:分離膜本体2の長さ方向における上記流路材の間隔
f:流路材31の長さ
値a〜fの測定には、例えば、市販の形状測定システムまたはマイクロスコープなどを用いることができる。各値は、1枚の分離膜において30箇所以上で測定を行い、それらの値を総和した値を測定総箇所の数で割って平均値を算出することで、求められる。このように、少なくとも30箇所における測定の結果得られる各値が、以下に記載する範囲を満たせばよい。
(分離膜本体の長さa)
長さaは、第2方向(分離膜の長さ方向)における分離膜本体2の一端から他端までの距離である。この距離が一定でない場合、1枚の分離膜本体2において30箇所以上の位置でこの距離を測定し、平均値を求めることで長さaを得ることができる。
(第1方向での流路材間隔b)
第1方向(分離膜の幅方向)において隣接する流路材31の間隔bは、流路5の幅に相当する。1つの断面において1つの流路5の幅が一定でない場合、つまり隣り合う2つの流路材31の側面が平行でない場合は、1つの断面内で、1つの流路5の幅の最大値と最小値の平均値を測定し、その平均値を算出する。図4に示すように、第2方向に垂直な断面において、流路材31は上が細く下が太い台形状を示す場合、まず、隣接する2つの流路材31の上部間の距離と下部間の距離を測定して、その平均値を算出する。任意の30箇所以上の断面において、流路材31の間隔を測定して、それぞれの断面において平均値を算出する。そして、こうして得られた平均値の相加平均値をさらに算出することで、間隔bが算出される。
間隔bが大きくなるにつれて圧力損失が小さくなるものの、膜落ち込みが生じやすくなる。逆に間隔bが小さいほど膜落ち込みが生じにくくなるが、圧力損失は大きくなる。圧力損失を考慮すると、間隔bは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上であるとよい。また、膜落ち込みの抑制という面では、間隔bは、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以下、とくに好ましくは0.8mm以下であるとよい。
これらの上限および下限は任意に組み合わせられる。例えば、間隔bは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましく、この範囲であれば、膜落ち込みを抑えながら圧力損失を小さくすることができる。間隔bは、好ましくは0.05mm以上、5mm以下、より好ましくは0.05mm以上3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以上2mm以下、特に好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。
(流路材の高さc)
高さcとは、流路材と分離膜本体の表面との高低差である。図4に示すように、高さcは、第2方向に垂直な断面における、流路材31の最も高い部分と分離膜本体の透過側面との高さの差である。すなわち、高さにおいては、基材中に含浸している部分の厚みは考慮しない。高さcは、30箇所以上の流路材31について高さを測定し、平均して得られる値である。流路材の高さcは、同一の平面内における流路材の断面の観察によって得られてもよいし、複数の平面における流路材の断面の観察によって得られてもよい。
高さcは、エレメントの使用条件および目的などに応じて適宜選択できるが、例えば以下のように設定されてもよい。
高さcが大きい方が、流動抵抗は小さくなる。よって、高さcは、好ましくは0.03mm以上、より好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上であるとよい。その一方で、高さcが小さい方が、1つのエレメント当たりに充填される膜の数が多くなる。よって、高さcは、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.32mm以下であるとよい。これらの上限および下限は組み合わせ可能であり、例えば、高さcは、0.03mm以上0.8mm以下(30μm以上800μm以下)であることが好ましく、0.05mm以上0.4mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上0.32mm以下であることがさらに好ましい。
また、隣り合う2つの流路材の高さの差が小さいことが好ましい。高さの差が大きいと加圧ろ過時に分離膜の歪みが生じるので、分離膜に欠陥が発生することがある。隣接する2つの流路材の高低差は、0.1mm以下(100μm以下)であることが好ましく、0.06mm以下であることがより好ましく、0.04mm以下であることがさらに好ましい。
同様の理由から、分離膜に設けられた全ての流路材の最大高低差は0.25mm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.1mm以下であり、さらに好ましくは0.03mm以下である。
(流路材の幅d)
流路材31の幅dは、次のように測定される。まず、第1方向(分離膜の幅方向)に垂直な1つの断面において、1つの流路材31の最大幅と最小幅の平均値を算出する。つまり、図4に示すような上部が細く下部が太い流路材31においては、流路材下部の幅と上部の幅を測定し、その平均値を算出する。このような平均値を少なくとも30箇所の断面において算出し、その相加平均を算出することで、1枚の膜当たりの幅dを算出することができる。
流路材31の幅dは好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上であるとよい。幅dが0.2mm以上であることで、分離膜エレメントの運転時に流路材31に圧力がかかっても、流路材の形状を保持することができ透過側流路が安定的に形成される。幅dは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。幅dが2mm以下であることで、透過側の流路を十分確保することができる。
流路材の幅が第2方向での流路材間隔bよりも広いことで、流路材にかかる圧力を分散することができる。
流路材31は、その長さがその幅よりも大きくなるように形成されている。このように長い流路材31は「壁状物」とも称される。
(第2方向での流路材間隔e)
第2方向における流路材31の間隔eは、第2方向(分離膜の長さ方向)において隣り合う流路材31間の最短距離である。図2に示すように、流路材31が第2方向において分離膜本体2の一端から他端まで(分離膜エレメント内では、巻回方向の内側端部から外側端部まで)連続して設けられている場合、間隔eは0mmである。また、図3に示すように、流路材31が第2方向において途切れている場合、間隔eは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。間隔eが上記範囲内であることで、膜落ち込みが生じても膜への機械的負荷が小さく、流路閉塞による圧力損失を比較的小さくすることができる。なお、間隔eの下限は、0mmである。
(流路材の長さf)
流路材31の長さfは、分離膜本体2の長さ方向(つまり第2方向)における流路材31の長さである。長さfは、1枚の分離膜1内で、30個以上の流路材31の長さを測定し、その平均値を算出することで求められる。流路材の長さfは、分離膜本体の長さa以下であればよい。流路材の長さfが分離膜本体の長さaと同等のときは、流路材31が分離膜1の巻回方向内側端部から外側端部へ連続的に設けられていることを指す。長さfは、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上である。長さfが10mm以上であることで、圧力下でも流路が確保される。
(寸法a−fの関係)
上述したように、本実施形態の流路材は、従来のトリコットのような連続形状を有する流路材に比べて圧力損失を小さくすることができる。言い換えると、本実施形態の技術によると、圧力損失が同等であっても、従来技術よりもリーフ長を大きくすることができる。リーフ長を大きくすることができると、リーフ数を低減することができる。
寸法a−fが以下の数式を満たすように設定されることで、リーフ数を特に低減することができる。
i)a22(b+c)2(b+d)×10-6/b33(e+f)2≦1400かつ
ii)850≦a≦7000かつ
iii)b≦2かつ
iv)c≦0.5かつ
v)0.15≦df/(b+d)(e+f)≦0.85
このように、透過側に流路材を所定の形態で設けることで、従来のトリコットのような連続形状を有する流路材に比べて圧力損失が小さくなるので、リーフ長を長くすることができる。よって、1個の分離膜エレメント当たりのリーフ数を低減しても、分離性能に優れる分離膜エレメントを提供することができる。
なお、上記の数式において、長さの単位はmmが採用されうる。
(形状)
流路材の形状は特に限定されないが、流路の流動抵抗を少なくし、透過させた際の流路を安定化させるような形状が選択され得る。これらの点で、分離膜の面方向に垂直ないずれかの断面において、流路材の形状は、直柱状や台形状、曲柱状、あるいはそれらの組み合わせでもよい。
流路材の断面形状が台形の場合、上底の長さと下底の長さとの差が大きすぎると、小さい方に接する膜で加圧ろ過時の膜落込みが生じやすくなる。例えば、流路材の上底の方が下底よりも短い場合、その間の流路においては、上部の幅は下部の幅よりも広い。よって、上の膜が下に向かって落ち込みやすい。そこで、このような落ち込みを抑制するために、流路材の下底の長さに対する上底の長さの比率は0.6以上1.4以下が好ましく、0.8以上1.2以下がさらに好ましい。
流路材の形状は、流動抵抗を低減する観点から、後述の分離膜面に対して垂直な直柱状であることが好ましい。また、流路材は、高い箇所ほど幅が小さくなるように形成されていてもよいし、逆に高い箇所ほど幅が広くなるように形成されていてもよいし、分離膜表面からの高さによらず、同じ幅を有するように形成されていてもよい。
ただし、加圧ろ過時の流路材潰れが著しくない範囲であれば、流路材の断面において、その上辺が丸みを帯びていても良い。
流路材は熱可塑性樹脂で形成することができる。流路材が熱可塑性樹脂であれば、処理温度および選択する熱可塑性樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性や透過性能の条件を満足できるように自由に流路材の形状を調整することができる。
また、流路材の分離膜の平面方向における形状は、図2および図3に示すように、全体として直線状であってもよく、その他の形状として、例えば曲線状、鋸歯状、波線状であってもよい。また、これらの形状において、流路材は破線状やドット状であってもよい。流動抵抗を低減する観点からドット状や破線状が好ましいが、流路材が途切れるために加圧ろ過時の膜落ち込みが発生する箇所が多くなるため、用途に応じて適宜設定すれば良い。
また、流路材の分離膜の平面方向における形状が直線状である場合、隣り合う流路材は、互いに略平行に配置されていてもよい。「略平行に配置される」とは、例えば、流路材が分離膜上で交差しないこと、隣り合う2つの流路材の長手方向のなす角度が好ましくは0°以上30°以下であること、上記角度がより好ましくは0°以上15°以下であること、上記角度がさらに好ましくは0°以上5°以下であること等を包含する。
また、流路材の長手方向と集水管の長手方向との成す角度は、60°以上120°以下であることが好ましく、75°以上105°以下であることがより好ましく、85°以上95°以下であることがさらに好ましい。流路材の長手方向と集水管の長手方向との成す角度が上記範囲であることで、透過水が効率良く集水管に集められる。
流路を安定して形成するには、分離膜エレメントにおいて分離膜本体が加圧されたときの分離膜本体の落ち込みを抑制できることが好ましい。そのためには、分離膜本体と流路材との接触面積が大きいこと、つまり分離膜本体の面積に対する流路材の面積(分離膜本体の膜面に対する投影面積)が大きいことが好ましい。一方で、圧力損失を低減させるには、流路の断面積が広いことが好ましい。流路の断面とは、流路の長手方向に対して垂直な分離膜本体と流路材との接触面積を大きく確保しつつ、かつ流路の断面積を広く確保するには、流路の断面形状は凹レンズ状であることが好ましい。また、流路材31は、巻回方向に垂直な方向での断面形状において、幅に変化のない直柱状であってもよい。また、分離膜性能に影響を与えない範囲内であれば、巻回方向に垂直な方向での断面形状において、幅に変化があるような台形状の壁状物、楕円柱、楕円錐、四角錐あるいは半球のような形状であってもよい。
流路材の形状は、図1−図3に示す形状に限定されるものではない。分離膜本体の透過側の面に、例えばホットメルト法のように、溶融した材料を固着させることで流路材を配置する場合は、処理温度や選択するホットメルト用樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性および透過性能の条件を満足できるように、流路材の形状を自由に調整することができる。
図1−図3では、流路材31の平面形状は、長さ方向において直線状である。ただし、流路材31は、分離膜本体2の表面に対して凸であり、かつ分離膜エレメントとしての所望の効果が損なわれない範囲であれば、他の形状に変更可能である。すなわち、流路材の平面方向における形状は、曲線状および波線状等であってもよい。また、1つの分離膜に含まれる複数の流路材が、幅および長さの少なくとも一方が互いに異なるように形成されていてもよい。
(投影面積比)
分離膜の透過側の面に対する流路材の投影面積比は、特に透過側流路の流動抵抗を低減し、流路を安定に形成させる点では、0.03以上0.85以下であることが好ましく、0.15以上0.85以下であることがより好ましく、0.2以上0.75以下であることがさらに好ましく、0.3以上0.6以下であることがさらに好ましい。なお、投影面積比とは、分離膜を5cm×5cmで切り出し、分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる流路材の投影面積を、切り出し面積(25cm2)で割った値である。また、この値は、上述の式v)に記載されたdf/(b+d)(e+f)で表すこともできる。
(欠点率)
分離膜を透過した水は透過側流路5を通過して集水管6に集められる。分離膜において、集水管から遠い領域、つまり巻回方向外側の端部近傍の領域(図5における右側端部に近い領域)を透過した水は、集水管6に向かう間に、巻回方向においてより内側の領域を透過した水と合流し、集水管6へ向かう。よって、透過側流路においては、集水管6から遠い方が、存在する水量が少ない。
そのため、巻回方向外側の端部近傍の領域において、透過側流路材が存在せず、その領域での流動抵抗が高くなっても、エレメント全体の造水量に与える影響は軽微である。同様の理由で、巻回方向外側の端部近傍の領域において、流路材の形成精度が低く、流路材を形成する樹脂が第1方向(分離膜の幅方向)において連続して塗布されていても、エレメントとしての造水量に与える影響は小さい。この領域において、分離膜本体の面方向(x−y平面)において、隙間無く塗布されている場合も同様である。
よって、分離膜本体2の巻回方向外側の端部から透過側流路材31の巻回方向外側の端部までの距離、つまり、分離膜本体2の巻回方向外側端部に設けられた領域であって、透過側流路材が形成されていない領域である、領域R3の第2方向(分離膜の長さ方向)における長さL3が、分離膜全体の第2方向における長さL1(上述の“a”に相当する。)に対して占める割合は、0%以上30%以下が好ましく、0%以上10%以下がさらに好ましく、0%以上3%以下が特に好ましい。この割合を欠点率と称する。
欠点率は、図6では、(L3/L1)×100で表される。
なお、図6では説明の便宜上、領域R3に透過側流路材が設けられていない形態を示している。ただし、領域3は、幅方向に連続な透過側流路材が設けられた領域であってもよい。
図6は、分離膜本体2および透過側流路材31の巻回方向外側の端部を、透過側流路材31の長さ方向に切断した断面図である。図6において、分離膜本体2に透過側流路材31が固着し、分離膜本体2の巻回方向外側端部の手前まで延在している。なお、図6では説明の便宜上、透過側流路材31が長さ方向に連続に設けられている形態を示しているが、透過側流路材31として上述の種々の形態が適用されることは、すでに述べたとおりである。
図中、透過側流路材が設けられている領域をR2、透過側流路材31が設けられていない領域をR3で示している。また分離膜本体2のMD方向の長さをL1、透過側流路材31のMD方向の長さ(すなわち領域R2の長さ)をL2、透過側流路材31が存在しない領域R3のMD方向の長さをL3で示している。ここでMD方向は、分離膜の長さ方向および分離膜の巻回方向を表す。
〔2.分離膜エレメント〕
(2−1)概要
図5に示すように、分離膜エレメント100は、集水管6と、上述したいずれかの構成を備え、集水管6の周囲に巻回された分離膜1を備える。
(2−2)分離膜
<概要>
分離膜1は、集水管6の周囲に巻回されており、分離膜の幅方向が集水管6の長手方向に沿うように配置される。その結果、分離膜1は、長さ方向が巻回方向に沿うように配置される。
よって、壁状物である流路材31は、分離膜1の透過側の面22において、少なくとも集水管6の長手方向に不連続状に配置される。つまり、流路5は、巻回方向において分離膜の外側端部から内側端部まで連続するように形成される。その結果、透過水が中心パイプへ到達し易く、すなわち流動抵抗が小さくなるので、大きな造水量が得られる。
「巻回方向の内側」及び「巻回方向の外側」は、図5に示す通りである。つまり、「巻回方向の内側端部」及び「巻回方向の外側端部」とはそれぞれ、分離膜1において集水管6に近い方の端部、及び遠い方の端部に該当する。
上述したように、流路材は分離膜の縁まで達していなくてもよいので、例えば、巻回方向における封筒状膜の外側端部、及び集水管長手方向における封筒状膜の端部では、流路材が設けられていなくてもよい。
<膜リーフおよび封筒状膜>
図1に示すように、分離膜は、膜リーフ4(本書において、単に「リーフ」と称することがある。)を形成する。リーフ4において分離膜1は、供給側の面21が、図示しない供給側流路材を挟んで他の分離膜7の供給側の面71と対向するように、配置される。分離膜リーフ4において、互いに向かい合う分離膜の供給側の面の間には供給側流路が形成される。
さらに、2枚の膜リーフ4が重ねられることで、分離膜1と、分離膜1の透過側の面22に対向する他の膜リーフの分離膜7とが、封筒状膜を形成する。封筒状膜において、向かい合う透過側の面の間は、透過水が集水管6に流れるように、分離膜の長方形状において、巻回方向内側の一辺のみにおいて開放され、他の三辺においては封止される。透過水はこの封筒状膜によって原水から隔離される。
封止としては、接着剤またはホットメルトなどにより接着されている形態、加熱またはレーザなどにより融着されている形態、およびゴム製シートが挟みこまれている形態が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
また、分離膜の供給側の面において、巻回方向における内側端部は、折りたたみ又は封止により閉じられている。分離膜の供給側面が、折り畳まれているのではなく封止されていることで、分離膜の端部における撓みが発生しにくい。折り目近傍での撓みの発生が抑制されることで、巻囲したときに分離膜間での空隙の発生およびこの空隙によるリークの発生が抑制される。
こうしてリークの発生が抑制されることで、封筒状膜の回収率が向上する。封筒状膜の回収率とは、次のように求められる。すなわち、水中で分離膜エレメントのエアリークテスト(air leak test)を行って、リークが発生した封筒状膜数をカウントする。そのカウント結果に基づいて、(エアリークが発生した封筒状膜の数/評価に供した封筒状膜の数)の比率を、封筒状膜の回収率として算出する。
具体的なエアリークテストの方法は、以下のとおりである。分離膜エレメントの中心パイプの端部を封止し、もう一方の端部から空気を注入する。注入された空気は集水管の孔を通過して分離膜の透過側に到達するが、上記のように分離膜の折りたたみが不十分で折り目近傍で撓みが生じたりして空隙が存在すると、空気がその空隙を移動してしまう。その結果、分離膜の供給側へ空気が移動し、分離膜エレメントの端部(供給側)から水中に空気が到達する。このようにエアリークを気泡の発生として確認することができる。
折り畳みによって分離膜リーフを形成する場合、リーフが長いほど(つまり元の分離膜が長いほど)分離膜の折りたたみに要する時間は長い。しかし、分離膜の供給側面を、折り畳みでなく封止することで、リーフが長くても製造時間の増大を抑制することができる。
なお、分離膜リーフおよび封筒状膜において、互いに対向する分離膜(図1における分離膜1および7)は、同じ構成を備えてもよいし、異なる構成を備えてもよい。すなわち、分離膜エレメントにおいて、向かい合う2枚の透過側の面のうち、少なくとも一方に上述の透過側流路材が設けられていればよいので、透過側流路材を備える分離膜と、備えない分離膜とが交互に重ねられていてもよい。ただし、説明の便宜上、分離膜エレメントおよびそれに関係する説明においては、「分離膜」は、透過側流路材を備えない分離膜(たとえば分離膜本体と同じ構成を備える膜)を含む。
透過側の面において、または供給側の面において、互いに対向する分離膜は、2枚の異なる分離膜であってもよいし、1枚の膜が折りたたまれたものであってもよい。
(2−3)透過側流路
上述したように、分離膜1には透過側流路材31を備えている。透過側流路材31によって、封筒状膜の内側、つまり向かい合う分離膜の透過側の面の間には、透過側流路が形成される。
(2−4)供給側流路
(流路材)
分離膜エレメント100は、向かい合う分離膜の供給側の面の間に、分離膜1に対する投影面積比が0を超えて1未満となる流路材を備える(図示せず)。供給側流路材の投影面積比は0.03以上0.50以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.10以上0.40以下、特に好ましくは、0.15以上0.35以下である。投影面積比が0.03以上0.50以下であることで、流動抵抗が比較的小さく抑えられる。なお、投影面積比とは、分離膜と供給側流路材を5cm×5cmで切り出し、供給側流路材を分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる投影面積を切り出し面積で割った値である。
供給側流路材の高さは、後述するように各性能のバランスや運転コストを考慮すると0.5mmを超えて2.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。
供給側流路材の形状は特に限定されず、連続形状を有していてもよいし、不連続な形状を有していてもよい。連続形状を有する流路材としては、フィルムおよびネットといった部材が挙げられる。ここで、連続形状とは、実質的に流路材の全範囲において連続であることを意味する。連続形状には、造水量が低下するなどの不具合が生じない程度に、流路材の一部が不連続となる箇所が含まれていても良い。また、「不連続」の定義については、透過側の流路材について説明したとおりである。なお、供給側流路材の素材は特に限定されず、分離膜と同素材であっても異素材であっても良い。
(凹凸加工)
また、分離膜の供給側の面に供給側流路材を配置するに代わりに、エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工といった方法で分離膜の供給側に高低差を付与することができる。
エンボス成形法としては、例えばロールエンボス加工などが挙げられ、これを実施する際の圧力や処理温度は、分離膜の融点に応じて適宜決定することができる。例えば分離膜がエポキシ樹脂を含む多孔性支持層を有する場合では、線圧10kg/cm以上60kg/cm以下であることが好ましく、加熱温度40℃以上150℃以下が好ましい。また、ポリスルホン等の耐熱性樹脂を含む多孔性支持層を有する場合、線圧10kg/cm以上70kg/cm以下であることが好ましくロール加熱温度70℃以上160℃以下が好ましい。ロールエンボス加工ならばいずれの場合も巻き取り速度1m/分以上20m/分以下が好ましい。
エンボス加工を施す場合、ロールの柄の形状は特に限定されないが、流路の流動抵抗を少なくし、かつ分離膜エレメントに流体を供給、透過させた際の流路を安定化させることが重要である。これらの点で、表面上部から観察した形では、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形があり、立体的には表面上部からの形をそのまま表面方向に賦形したもの、広がる形で賦形したもの、狭める形で賦形したものが用いられる。
エンボス加工によって付与できる分離膜の供給側表面の高低差は、分離特性や水透過性能が要求される条件を満足するように加圧熱処理条件を変更することで自由に調整することができる。しかしながら、分離膜の供給側表面の高低差が深すぎると流動抵抗が小さくなるが、エレメント化した場合にベッセルに充填できる膜リーフ数が少なくなる。高低差が小さいと流路の流動抵抗が大きくなり、分離特性や水透過性能が低下してしまう。そのため、エレメントの造水能力が低下し、造水量を増加させるための運転コストが高くなる。
従って、上述した各性能のバランスや運転コストを考慮すると、分離膜においては、分離膜の供給側表面の高低差は、好ましくは0.5mmを超えて2.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。
分離膜の供給側表面の高低差は、上述した分離膜透過側の高低差の場合と同手法で求めることができる。
溝幅は好ましくは0.2mm以上10mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上3mm以下である。
ピッチは、溝幅の10分の1倍以上50倍以下の間で適宜設計すると良い。溝幅とは高低差が存在する表面で沈下している部位のことであり、ピッチとは、高低差が存在する表面における高い箇所の最も高いところから近接する高い箇所の最も高い箇所までの水平距離のことである。
エンボス加工によって凸となる部分の投影面積比は、供給側流路材の場合と同様の理由から、0.03以上0.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.10以上0.40以下、特に好ましくは、0.15以上0.35以下である。
分離膜の面における、「高低差」とは、分離膜本体の表面と流路材の頂点との高低差(つまり流路材の高さ)であり、分離膜本体が凹凸加工されている場合は、凹部と凸部との高低差である。
(2−5)集水管
集水管6は、その中を透過水が流れるように構成されていればよく、材質、形状、大きさ等は特に限定されない。集水管6としては、例えば、複数の孔が設けられた側面を有する円筒状の部材が用いられる。
(2−6)第1形態
より具体的な形態として、図8−図10に、第1−第3の形態の分離膜エレメント100A、100B、100Cを示す。
図8は、第1形態の分離膜エレメント100Aを部分的に分解して示す説明図であり、集水管6の周りに、複数枚の分離膜1が巻回されている。また、分離膜エレメント100Aは、上述した構成に加えて、さらに以下の構成を備える。すなわち、分離膜エレメント100Aは、その両端に孔付端板92を両端(第1端および第2端)に備える。また、分離膜エレメント100Aにおいて、巻囲された分離膜(以下、「巻囲体」と称する。)の外周面には、外装体81が巻囲されている。
なお、後述の孔無し端板91は原水が通過可能な孔を備えていないのに対して、孔付端板92は、原水を通過させることができる複数の孔を備える。
また、分離膜1は、封筒状膜11を形成しており、封筒状分離膜11の内側には、上述したとおり、透過側流路材31が配置されている。封筒状膜11の間には、供給側流路材32が配置されている。
なお、便宜上、図8−図10では、透過側流路材31はドット形状として示されるが、上述したように透過側流路材の形状は、この形状に限定されない。
次に、分離膜エレメント100Aを用いた水処理について説明する。分離膜エレメント100Aの第1端から供給された原水101は、端板92の孔を通って、供給側流路に流入する。こうして、分離膜1の供給側の面に接触した原水101は、分離膜1によって、透過水102と濃縮水103とに分離される。透過水102は、透過側流路を経て、集水管6に流入する。集水管6を通った透過水102は、分離膜エレメント100Aの第2端から分離膜エレメント100Aの外へと流出する。濃縮水103は、供給側流路を通って、第2端に設けられた端板92の孔から分離膜エレメント100Aの外部へ流出する。
(2−7)第2形態
図9を参照して、本実施形態の分離膜エレメント100Bについて説明する。なお、既に説明した構成要素については、同符号を付してその説明を省略する。
分離膜エレメント100Bは、第1端に配置され、かつ孔を有さない端板91と、第2端に配置され、かつ孔を有する端板92とを備える。また、分離膜エレメント100Bは、巻囲された分離膜1の最外面にさらに巻き付けられた多孔性部材82を備える。
多孔性部材82としては、原水を通過させることができる複数の孔を有する部材が用いられる。多孔性部材82に設けられたこれらの孔は、原水供給口と言い換えられてもよい。多孔性部材82は、複数の孔を有していれば、その材質、大きさ、厚み、剛性等は、特に限定されるものではない。多孔性部材82として、比較的小さい厚みを有する部材を採用することで、分離膜エレメントの単位体積当たりの膜面積を増大させることができる。
多孔性部材82の厚みは、例えば1mm以下、0.5mm以下、又は0.2mm以下である。また、多孔性部材82は、巻囲体の外周形状に沿うように変形することができる、柔軟性又は可撓性を有する部材であってもよい。より具体的には、多孔性部材82として、ネット、多孔性フィルム等が適用可能である。ネット及び多孔性フィルムは、巻囲体を内部に収容できるように筒状に形成されていてもよいし、長尺状であって、巻囲体の周囲に巻き付けられていてもよい。
多孔性部材82は、分離膜エレメント100Bの外周面に配置される。多孔性部材82がこのように設けられることで、孔が分離膜エレメント100Bの外周面に設けられる。「外周面」とは、特に、分離膜エレメント100Bの外周面全体のうち、上述の第1端の面及び第2端の面を除く部分であるとも言える。本実施形態では、多孔性部材82は、巻囲体の外周面のほぼ全体を覆うように配置される。
本実施形態によると、分離膜エレメント100Bの外周面(巻囲体の外周面)から原水が供給される。よって、分離膜エレメント100Bが繰り返し運転されても、又は分離膜エレメント100Bが高圧条件下で運転されても、巻囲された分離膜1等が長手方向に押し出されることによる巻囲体の変形(いわゆるテレスコープ)の抑制が可能である。さらに本実施形態では、原水が、圧力容器(図示しない)と分離膜エレメントの間の隙間から供給されるので、原水の異常な滞留の発生が抑制される。
分離膜エレメント100Bにおいては、第1端の端板が孔無し端板91なので、第1端からは、分離膜エレメント100B内に原水は流入しない。原水101は、分離膜1に対して、分離膜エレメント100Bの外周面から、多孔性部材82を介して供給される。こうして供給された原水101は、分離膜によって透過水102と濃縮水103に分けられる。透過水102は、集水管6を通って分離膜エレメント100Bの第2端から取り出される。濃縮水103は、第2端の孔付端板92の孔を通って、分離膜エレメント100B外に流出する。
(2−8)第3形態
図10を参照して、本実施形態の分離膜エレメント100Cについて説明する。なお、既に説明した構成要素については、同符号を付してその説明を省略する。
分離膜エレメント100Cは、第1端および第2端にそれぞれ配置され、孔を有する端板92を備える以外は、第2形態のエレメントと同一である。また、分離膜エレメント100Cは、分離膜エレメント100Bと同様に、多孔性部材82を備える。
この構成により、本実施形態では、原水101は、多孔性部材82の孔を通って分離膜エレメント100Cの外周面から巻囲体に供給されるだけでなく、第1端の孔付端板92の孔を通って分離膜エレメント100Cの第1端から巻囲体に供給される。透過水102および濃縮水103は、第1形態の分離膜エレメント100Aと同様に、第2端から分離膜エレメント100Cの外部に排出される。
分離膜エレメント100Cの一端(孔を有する端板92)だけでなく、分離膜エレメント100Cの外周面からも巻囲体に原水が供給されるので、巻囲体の変形の抑制が可能である。また、本形態においても、原水が圧力容器と分離膜エレメントの間の隙間から供給されるので、異常な滞留の発生が抑制される。
〔3.分離膜エレメントの製造方法〕
分離膜エレメントの製造方法は、分離膜を製造する工程を含む。また、分離膜を製造する工程は、少なくとも以下の工程:
基材および分離機能層を有する分離膜本体を準備する工程、
前記分離膜本体とは異なる組成を有する材料を、熱によって軟化する工程、
軟化した前記材料を、前記分離膜本体の基材側の面に、少なくとも第1方向(分離膜本体の幅方向)に不連続に配置することで、透過側流路材を形成する工程、および
前記材料を固化することで、前記分離膜本体上に前記透過側流路材を固着させる工程、
を含む。
分離膜エレメントの製造方法における各工程について、以下に説明する。
(3−1)分離膜本体の製造
分離膜本体の製造方法については上述したが、簡単にまとめると以下のとおりである。
良溶媒に樹脂を溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストして純水中に浸漬して多孔性支持層と基材を複合させる。その後、上述したように、多孔性支持層上に分離機能層を形成する。さらに、必要に応じて分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、さらにモノマー等を洗浄し分離膜本体の連続シートを作製する。
なお、化学処理の前または後で、エンボス等によって分離膜本体に凹凸を形成してもよい。
(3−2)透過側流路材の配置
分離膜の製造方法は、分離膜本体の透過側の面に、不連続な流路材を設ける工程を備える。この工程は、分離膜製造のどの時点で行われてもよい。例えば、流路材は、基材上に多孔性支持層が形成される前に設けられてもよいし、多孔性支持層が設けられた後であって分離機能層が形成される前に設けられてもよいし、分離機能層が形成された後、上述の化学処理が施される前または後に行われてもよい。
流路材を配置する方法は、例えば、柔らかな材料を分離膜上に配置する工程と、それを硬化する工程とを備える。具体的には、流路材の配置には、紫外線硬化樹脂、化学重合、ホットメルト、乾燥等が利用される。特に、ホットメルトは好ましく用いられ、具体的には、熱により樹脂等の材料を軟化する(つまり熱溶融する)工程、軟化した材料を分離膜上に配置する工程、この材料を冷却により硬化することで分離膜上に固着させる工程を含む。
流路材を配置する方法としては、例えば、塗布、印刷、噴霧等が挙げられる。また、使用される機材としては、ノズル型のホットメルトアプリケーター、スプレー型のホットメルトアプリケーター、フラットノズル型のホットメルトアプリケーター、ロール型コーター、押出型コーター、印刷機、噴霧器などが挙げられる。
(3−3)供給側流路の形成
供給側流路材が、分離膜本体と異なる材料で形成された不連続な部材である場合、供給側流路材の形成には、透過側流路材の形成と同じ方法およびタイミングを適用することができる。
また、エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工といった方法で分離膜の供給側に高低差を付与することもできる。
エンボス成形法としては、例えばロールエンボス加工などが挙げられ、これを実施する際の圧力や処理温度は、分離膜の融点に応じて適宜決定することができる。例えば分離膜がエポキシ樹脂を含む多孔性支持層を有する場合では、線圧10kg/cm以上60kg/cm以下であることが好ましく、加熱温度40℃以上150℃以下が好ましい。また、ポリスルホン等の耐熱性樹脂を含む多孔性支持層を有する場合、線圧10kg/cm以上70kg/cm以下であることが好ましくロール加熱温度70℃以上160℃以下が好ましい。ロールエンボス加工ならばいずれの場合も巻き取り速度1m/分以上20m/分以下が好ましい。
エンボス加工を施す場合、ロールの柄の形状は特に限定されないが、流路の圧力損失を少なくし、かつ分離膜エレメントに流体を供給、透過させた際の流路を安定化させることが重要である。これらの点で、表面上部から観察した形では、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形等が採用される。また、立体的には高さの高い箇所ほど幅が小さくなるように形成されていてもよいし、逆に高い箇所ほど幅が広くなるように形成されていてもよいし、高さによらず同じ幅で形成されていてもよい。
エンボス加工によって付与できる分離膜の供給側表面の高低差は、分離特性や水透過性能が要求される条件を満足するように加圧熱処理条件を変更することで自由に調整することができる。
なお、以上に述べたように、供給側流路の形成が、供給側流路材を分離膜本体に固着することで行われる場合、または膜を凹凸加工することで行われる場合は、これら供給側流路の形成工程が分離膜の製造方法における一工程と見なされてもよい。
供給側流路がネット等の連続的に形成された部材である場合は、分離膜本体に透過側流路材が配置されることで分離膜が製造された後、この分離膜と供給側流路材とを重ね合わせればよい。
(3−4)分離膜リーフの形成
分離膜リーフは、上述したように、供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成することされてもよいし、別々の2枚の分離膜を供給側の面が向かい合うように貼り合わせることで形成されてもよい。
分離膜エレメントの製造方法は、分離膜の巻回方向における内側端部を、供給側の面において封止する工程を備えることが好ましい。封止する工程においては、2枚の分離膜を、互いの供給側の面が向かい合うように重ねる。さらに、重ねられた分離膜の巻回方向における内側端部、つまり図5における左側端部を封止する。
「封止」する方法としては、接着剤またはホットメルトなどによる接着、加熱またはレーザなどによる融着、およびゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
このとき、重ねられた分離膜の内側に、分離膜とは別に形成された供給側流路材を配置してもよい。上述したように、エンボスまたは樹脂塗布等によって分離膜の供給側の面にあらかじめ高低差を設けることで、供給側流路材の配置を省略することもできる。
供給側の面の封止と透過側の面の封止(封筒状膜の形成)とは、どちらかが先に行われてもよいし、分離膜を重ねながら、供給側の面の封止と透過側の面の封止とを並行して行ってもよい。ただし、巻回時における分離膜でのシワの発生を抑制するためには、隣り合う分離膜が巻回によって長さ方向にずれることを許容するように、幅方向端部における接着剤またはホットメルトの固化等、つまり封筒状膜を形成するための固化等を、巻回の終了後に完了させることが好ましい。
(3−5)封筒状膜の形成
1枚の分離膜を透過側面が内側を向くように折り畳んで貼り合わせることで、または2枚の分離膜を透過側面が内側を向くように重ねて貼り合わせることで、封筒状膜を形成することができる。長方形状の封筒状膜においては、長さ方向の一端のみが開口するように、他の3辺を封止する。封止は、接着剤またはホットメルト等による接着、熱またはレーザによる融着等により実行できる。
封筒状膜の形成に用いられる接着剤は、粘度が40P以上150P以下の範囲内であることが好ましく、さらに50P以上120P以下がより好ましい。接着剤粘度が高すぎる場合には、積層したリーフを集水管に巻囲するときに、しわが発生し易くなる。しわは、分離膜エレメントの性能を損なうことがある。逆に、接着剤粘度が低すぎる場合には、リーフの端部から接着剤が流出して装置を汚すことがある。また、接着すべき部分以外に接着剤が付着すると、分離膜エレメントの性能が損なわれると共に、流出した接着剤の処理作業により作業効率が著しく低下する。
接着剤の塗布量は、リーフを集水管に巻囲した後に、接着剤が塗布される部分の幅が10mm以上100mm以下であるような量であることが好ましい。これによって、分離膜が確実に接着されるので、原水の透過側への流入が抑制される。また、分離膜エレメントの有効膜面積も比較的大きく確保することができる。
接着剤としてはウレタン系接着剤が好ましく、粘度を40P以上150P以下の範囲とするには、主剤のイソシアネートと硬化剤のポリオールとを、イソシアネート/ポリオールの重量比率が1/5以上1以下となるように混合したものが好ましい。接着剤の粘度は、予め主剤、硬化剤単体、及び配合割合を規定した混合物の粘度をB型粘度計(JIS K 6833)で測定したものである。
(3−6)分離膜の巻回
分離膜エレメントの製造には、従来のエレメント製作装置を用いることができる。また、エレメント作製方法としては、参考文献(日本国特公昭44−14216号公報、日本国特公平4−11928号公報、日本国特開平11−226366号公報)に記載される方法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
集水管の周囲に分離膜を巻回するときは、分離膜を、リーフの閉じられた端部、つまり封筒状膜の閉口部分が集水管を向くように配置する。このような配置で集水管の周囲に分離膜を巻きつけることで、分離膜をスパイラル状に巻回する。
集水管にトリコットや基材のようなスペーサーを巻回しておくと、エレメント巻囲時に集水管へ塗布した接着剤が流動し難く、リークの抑制につながり、さらには集水管周辺の流路が安定に確保される。なお、スペーサーは集水管の円周より長く巻回しておけばよい。
(3−7)その他の工程
分離膜エレメントの製造方法は、上述のように形成された分離膜の巻回体の外側に、フィルムおよびフィラメント等をさらに巻きつけることを含んでいてもよいし、集水管の長手方向における分離膜の端を切りそろえるエッジカット、端板の取り付け等のさらなる工程を含んでいてもよい。
〔4.分離膜エレメントの利用〕
分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
また、上記の分離膜エレメント、分離膜モジュールは、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.2MPa以上5MPa以下が好ましい。原水温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上45℃以下が好ましい。また、原水のpHが中性領域にある場合、原水が海水などの高塩濃度の液体であっても、マグネシウムなどのスケールの発生が抑制され、また、膜の劣化も抑制される。
分離膜エレメントによって処理される流体は特に限定されないが、水処理に使用する場合、原水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L以上100g/L以下のTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」で表されるが、1Lを1kgと見なして「重量比」で表されることもある。定義によれば、0.45μmのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(分離膜透過側の高低差)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、5cm×5cmの透過側の測定結果から平均の高低差を解析した。10μm以上の高低差のある30箇所を測定し、各高さの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めた。
(透過側流路材のピッチおよび間隔)
走査型電子顕微鏡(S−800)(日立製作所社製)を用いて30個の任意の流路材断面を500倍で写真撮影し、分離膜の透過側における流路材の頂点から、隣の流路材の頂点までの水平距離を200箇所について測定し、その平均値をピッチとして算出した。
また、間隔bについては、ピッチを測定した写真において、上述の方法で測定した。
(流路材の投影面積比)
流路材と共に分離膜を5cm×5cmで切り出し、レーザ顕微鏡(倍率10〜500倍の中から選択)を用い、ステージを移動させて、該流路材の全投影面積を測定した。該流路材を分離膜透過側または供給側から投影した時に得られる投影面積を切り出し面積で割った値を投影面積比とした。
(造水量)
分離膜または分離膜エレメントについて、原水として濃度500mg/LかつpH6.5の食塩水を用いて、運転圧力0.7MPa、運転温度25℃、回収率15%の条件下で100時間運転を行った。その後、同条件で、10分間の運転を行うことで透過水を得た。この10分間の運転で得られた透過水の体積から、分離膜の単位面積あたり、かつ1日あたりの透水量(立方メートル)を、造水量(m3/日)として表した。
(脱塩率(TDS除去率))
造水量の測定における10分間の運転で用いた原水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/原水中のTDS濃度)}。
(欠点率)
全ての壁状物(透過側流路材)に対して膜リーフ長L1と、膜リーフ長に対して集水管から遠方の端部から壁状物が存在しない距離または一面に塗布されている距離L3を測定し、欠点率(%)=L3/L1×100の式に基づいて算出した上で、1個の壁状物当たりの平均値を求めた。以下、得られた平均値を「欠点率」と表記する。
(静摩擦係数)
東洋精機(株)製スリップテスター(No.162−FS)を用いて測定した。サンプルを測定開始場所にセットし、ロードセル50Nで流路材面と基材を摩擦させた時の値を測定し、初期の立ち上がり抵抗値を静摩擦係数として算出した。
(接着力)
基材に流路材を固着させた幅15mmの試料を作製し、基材と流路材との接着面の一部を剥がし、測定長さ150mmで引張試験機にT状態となるようにセットした。25℃、65%相対湿度において、毎分50mmの速度で引張試験を行い、測定長さ間の引張り力の平均値を剥離強度とした。なお、流路材の一部を基材から剥離させる際に、先に基材が破壊された場合は接着力が1N/m以上とした。
(安定性)
作製した分離膜エレメントに原水として濃度500mg/LかつpH6.5、25℃の食塩水を運転圧力0.7MPaでエレメントを1分運転した後、運転を終了した。1分間の造水運転後の停止時間を 分間としこれを1サイクルとした。このサイクル(発停)を1000回繰り返した後に造水量を測定し、造水量の安定性を下記式により求めた。
安定性(%)=(発停1000回後の造水量)/初期造水量×100
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm2/sec、密度0.80g/cm3)上にポリスルホンの15.0重量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる多孔性支持層(厚さ130μm)ロールを作製した。
その後、多孔性支持膜ロールを巻き出し、ポリスルホン表面に、m−フェニレンジアミン(m−PDA)1.9重量%およびε−カプロラクタム4.5重量%を含有する水溶液を塗布した。エアーノズルから窒素を吹き付けることで支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.06重量%を含む25℃のn−デカン溶液を、支持膜の表面が完全に濡れるように塗布した。その後、膜から余分な溶液をエアブロー除去し、80℃の熱水で洗浄し、分離膜本体を得た。
次いで、バックアップロールを20℃に温度調節しながらグラビアロールを用いて、透過側にエチレン酢酸ビニル系ホットメルトRH−173(レンゴー社製、密度1.13g/cm3)を樹脂温度160℃、走行速度9.5m/minで、投影面積比0.32、千鳥型不連続状に直径0.5mmの真円状、ピッチ1.0mmで彫刻したグラビアロールを用いて塗布し、高さ0.26mm、流路材幅0.5mm、第1方向および第2方向における流路材間隔0.4mm、ピッチ0.9mm、投影面積比0.32の流路材を分離膜の全体に固着させた。ここで、分離膜の透過側における高い箇所の最も高いところから近接する高い箇所の最も高い箇所までの水平距離を200個についてカウントし、その平均値をピッチとした。なお、流路材を基材から剥離させると基材が破壊され、流路材と基材との静摩擦係数0.35、隣接する流路材間の高低差は30μm以下だった。
該分離膜を43cm2に切り取り、圧力容器に入れて、原水:濃度500mg/Lの食塩水、運転圧力:0.7MPa、運転温度:25℃、およびpH6.5の条件で運転(回収率15%)したところ、造水量および脱塩率は1.00m3/m2/dayおよび98.2%であった。表1に条件および評価結果をまとめて示す。
(実施例2)
実施例1で得た分離膜ロールを、分離膜エレメントでの有効面積が37.0m2となるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:0.7mm、ピッチ:5mm×5mm、繊維径:350μm、投影面積比:0.13)を供給側流路材として幅900mmかつリーフ長800mmで26枚のリーフを作製した。
こうして得られたリーフを、ABS製集水管(幅:1,020mm、径:30mm、孔数40個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた。テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけ、およびフィラメントワインディングを行うことで、8インチエレメントを作製した。
このエレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率はそれぞれ、35.8m3/dayおよび98.0%であり、安定性は99.3%だった。
(実施例3)
実施例1と同様にして分離膜本体を得た。得られた分離膜本体の基材側の表面に対し、スリット幅0.5mm、ピッチ0.9mmの櫛形シムを装填したアプリケーターを用いて、バックアップロールを20℃に温度調節しながら、分離膜エレメントとした場合に集水管の長手方向に対して垂直かつ封筒状膜としたとき巻回方向の内側端部から外側端部まで集水管の長手方向に対して垂直になるよう直線状に、エチレン酢酸ビニル系ホットメルトRH−173(レンゴー社製、密度1.13g/cm3)を樹脂温度125℃、走行速度3m/minで直線状に塗布して、高さ0.26mm、流路材幅0.5mm、集水管長手方向と成す角度90°、第1方向における流路材間隔0.4mm、ピッチ0.9mm、投影面積比0.55、欠点率0%の流路材を分離膜の全体に固着させた。
なお、隣り合う流路材の高低差は30μm以下だった。
該分離膜を43cm2に切り取り、圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率はそれぞれ、1.00m3/m2/dayおよび98.3%であった。
(実施例4)
実施例3で得た分離膜ロールを、分離膜エレメントでの有効面積が37.0m2となるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:0.7mm、ピッチ:5mm×5mm、繊維径:350μm、投影面積比:0.13)を供給側流路材として幅900mmかつリーフ長800mmで26枚のリーフを作製した。
こうして得られたリーフを、ABS製集水管(幅:1,020mm、径:30mm、孔数40個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた。テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけ、およびフィラメントワインディングを行うことで、8インチエレメントを作製した。
このエレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率はそれぞれ、35.0m3/dayおよび98.1%であり、安定性は99.5%だった。
(実施例5)
欠点率12%である以外は全て実施例2と同様に分離膜ロールを作製した。続いて、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は32.6m3/dayおよび98.1%、安定性は99.3%だった。
(実施例6)
欠点率25%である以外は全て実施例2と同様に分離膜ロールを作製した。続いて、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は29.9m3/dayおよび98.1%、安定性は99.2%だった。
(実施例7)
透過側流路材の高さcを0.32mmとし、分離膜エレメントの有効膜面積を36m2としたこと以外は全て実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.5m3/dayおよび98.1%、安定性は99.5%だった。
(実施例8)
供給側流路材のネットの厚みを0.95mmとし、分離膜エレメントの有効膜面積を31m2としたこと以外は全て実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は28.1m3/dayおよび98.1%、安定性は99.5%だった。
(実施例9)
実施例3で得た流路材を固着した分離膜ロールを、分離膜エレメントでの有効面積が0.5m2となるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:510μm、ピッチ:2mm×2mm、繊維径:255μm、投影面積比:0.21)を供給側流路材として幅200mmで2枚のリーフを作製した。
その後、ABS製集水管(幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列)に巻き付けながら2枚のリーフをスパイラル状に巻き付けた分離膜エレメントを作製し、外周にフィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけを行い、2インチエレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は0.235m3/dayおよび98.1%、安定性は99.7%だった。
(実施例10)
透過側流路材の高さcを0.11mmとし、分離膜エレメントの有効膜面積を0.56m2としたこと以外は全て実施例9と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は0.255m3/dayおよび98.1%、安定性は99.7%だった。
(実施例11)
膜リーフ数を1枚(リーフ長1,600mm)とし、分離膜エレメントの有効膜面積を0.49m2としたこと以外は全て実施例9と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は0.240m3/dayおよび98.1%、安定性は99.7%だった。
(実施例12)
実施例3で得た流路材を固着した分離膜ロールを、分離膜エレメントでの有効面積が1.4m2となるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:510μm、ピッチ:2mm×2mm、繊維径:255μm、投影面積比:0.21)を供給側流路材として幅200mmで6枚のリーフを作製した。
その後、ABS製集水管(幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列)に巻き付けながら2枚のリーフをスパイラル状に巻き付けた分離膜エレメントを作製し、外周にフィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけを行い、3インチエレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は0.713m3/dayおよび98.1%、安定性は99.6%だった。
(実施例13)
流路材の断面形状が半円状(幅:0.5mm)としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は34.8m3/dayおよび98.1%、安定性は99.4%だった。
(実施例14)
基材をポリエステル長繊維不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1.0cc/cm2/sec、多孔性支持層側表層の繊維配向度:40°、多孔性支持層とは反対側の表層での繊維配向°:20°、密度0.80g/cm3)にした以外は全て実施例3と同様に分離膜ロールを作製し、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.1m3/dayおよび98.2%、安定性は99.6%だった。
(実施例15)
透過側流路材を固着させるとき樹脂温度を120℃、加工速度を10.0m/分に変更し、基材−流路材間の接着力を7N/mとしたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は34.0m3/dayおよび97.9%、安定性は98.8%だった。
(実施例16)
透過側流路材を固着させるとき樹脂温度を180℃、加工速度を3.0m/分に変更し、基材−流路材間の接着力を33N/mとしたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は34.5m3/dayおよび98.0%、安定性は99.1%だった。
(実施例17)
透過側流路材を固着させるとき樹脂温度を200℃、加工速度を2.0m/分に変更し、基材−流路材間の接着力を58N/mとしたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は34.8m3/dayおよび98.0%、安定性は99.3%だった。
(実施例18)
透過側流路材を形成する樹脂にワックスH1(サゾールワックス社製)を3%添加し、静摩擦係数を0.30としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.0m3/dayおよび98.2%、安定性は99.5%だった。
(実施例19)
流路材を固着させながらエアブローし、静摩擦係数を0.81としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.1m3/dayおよび98.0%、安定性は99.5%だった。
(実施例20)
流路材を固着させた直後に25℃の純水に浸漬し、静摩擦係数を1.5としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.3m3/dayおよび97.8%、安定性は99.4%だった。
(実施例21)
流路材を固着させた直後に5℃の純水に浸漬し、静摩擦係数を3.3としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.6m3/dayおよび97.5%、安定性は99.4%だった。
(実施例22)
基材を密度が0.55g/cm3であるポリエステル繊維製不織布としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は34.3m3/dayおよび98.2%、安定性は99.1%だった。
(実施例23)
基材を密度が0.21g/cm3であるポリエステル繊維製不織布としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は34.0m3/dayおよび98.3%、安定性は99.0%だった。
(実施例24)
基材を密度が0.96g/cm3であるポリエステル繊維製不織布としたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は35.1m3/dayおよび98.0%、安定性は99.6%だった。
(実施例25)
封筒状膜の開口部側の所定部分を有孔集水管の外周面に接着し、さらにスパイラル状に巻囲することで巻囲体を作製した。巻囲体の外周面を、筒状に連続押し出し成形されたネット(厚み:0.7mm、ピッチ:5mm×5mm、繊維径:350μm、投影面積比:0.13)で被覆した。被覆された巻囲体の両端のエッジカットを行った後、一端からの原水流入を防ぐための封止板(第1端板91に相当する)の取り付けを行った。こうして、原水供給口を分離膜エレメントの外周面のみに設けた。さらに、第2端板92に相当する端板を被覆された巻囲体の他端に取り付け、濃縮流体出口が分離膜エレメントの他端に設けた第2形態の分離膜エレメントとしたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は33.3m3/dayおよび97.6%、安定性は99.5%だった。
(実施例26)
分離膜エレメント側面からの原水量を調整するための孔開き封止板(第1端板92に相当)を分離膜エレメント側面に取り付けることで、原水供給口を分離膜エレメントの一端及び外周面に設け、濃縮流体出口を分離膜エレメントの他端に設けて第3形態の分離膜エレメントとしたこと以外は全て実施例25と同様にするようした。実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は33.7m3/dayおよび97.7%、安定性は99.5%だった。
(比較例1)
実施例1と同様にして分離膜本体を得た。得られた分離膜本体を使用し、透過側に配置する透過側流路材として、連続形状を有するトリコット(厚み:280μm、溝幅:400μm、畦幅:300μm、溝深さ:105μm、ポリエチレンテレフタレート製)を用いたこと以外は全て実施例2と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は30.0m3/dayおよび98.3%、安定性は99.6%だった。
(比較例2)
透過側流路材を固着させるとき樹脂温度を115℃、加工速度を15.0m/分に変更し、基材−流路材間の接着力を0.8N/mとしたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は25.6m3/dayおよび97.9%、安定性は80.0%だった。
(比較例3)
透過側流路材を固着させるとき樹脂温度を115℃、加工速度を20.0m/分に変更し、基材−流路材間の接着力を0.1N/mとしたこと以外は全て実施例3と同様に分離膜へ流路材を固着させ、実施例4と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、造水量および脱塩率は10.3m3/dayおよび97.7%、安定性は36.6%だった。
結果から明らかなように、実施例1−26の分離膜および分離膜エレメントは、高造水性能、安定運転性能、優れた除去性能を有している。
実施例1−26および比較例1−3の条件および評価結果を表1−表6に示す。
Figure 0006136269
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Figure 0006136269
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本発明の膜エレメントは、特に、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1、7 分離膜
11 封筒状膜
2 分離膜本体
21 供給側の面
22 透過側の面
201 基材
202 多孔性支持層
203 分離機能層
31 透過側流路材
32 供給側流路材
33 含浸部
4 分離膜リーフ
5 透過側流路
6 集水管
71 供給側の面
72 透過側の面
81 外装体
82 多孔性部材
91 端板(孔無)
92 端板(孔有)
a 分離膜(リーフ)長さ
b 透過側流路材の幅方向間隔
c 透過側流路材の高低差
d 透過側流路材の幅
e 透過側流路材の長さ方向の間隔
f 透過側流路材の長さ
R2 分離膜において巻回方向内側から外側に並んだ透過側流路材の先頭から最後尾までを含む領域
R3 分離膜の巻回方向外側端部において透過側流路材が設けられていない領域
L1 分離膜全体の長さ(上記長さa)
L2 領域R2の長さ
L3 領域R3の長さ
100 分離膜エレメント
100A 分離膜エレメント(第1形態)
100b 分離膜エレメント(第2形態)
100c 分離膜エレメント(第3形態)
101 原水
102 透過水
103 濃縮水

Claims (11)

  1. 集水管と、
    少なくとも基材および分離機能層を有する分離膜本体と、該分離膜本体とは異なる組成を有し、前記基材の厚さ方向において前記分離機能層とは逆側の基材表面に1N/m以上の接着力で単独で固着している複数の透過側流路材と、を備える分離膜と、
    を有する分離膜エレメントであって、
    前記分離膜本体の幅方向に隣接する前記複数の透過側流路材の間隔が0.05mm以上5mm以下であり、前記透過側流路材の幅が0.2mm以上2mm以下である、水処理用分離膜エレメント。
  2. 前記透過側流路材と前記基材との静摩擦係数が3.5以下であること特徴とする請求項1に記載の水処理用分離膜エレメント。
  3. 前記透過側流路材の密度が、前記基材の密度よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載の水処理用分離膜エレメント。
  4. 前記透過側流路材と前記基材の密度差が0g/cm3を超えて1.5g/cm3以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
  5. 前記基材が不織布により構成され、該不織布の密度が0.2〜0.9g/cm3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
  6. 前記透過側流路材の前記分離膜本体からの高さが30μm以上800μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
  7. 隣接する前記透過側流路材間の高低差が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
  8. 前記透過側流路材が熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
  9. 前記基材が長繊維不織布である請求項1〜8のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
  10. 前記長繊維不織布と分離機能層との間に多孔性支持層を有し、該多孔性支持層と接する面とは反対側の長繊維不織布の表層における繊維の配向が、前記多孔性支持層と接する側の長繊維不織布の表層の繊維の配向よりも、長繊維不織布の製膜方向に揃った縦配向である、請求項9に記載の水処理用分離膜エレメント。
  11. 前記分離膜は、その幅方向が前記集水管の長手方向に沿うように配置され、かつ前記集水管の周囲に巻回されている請求項1〜10のいずれかに記載の水処理用分離膜エレメント。
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