JP6134248B2 - 建具 - Google Patents

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Description

本発明は、建具に関する。より詳細には、装飾部材を有する建具において、防火性能を向上させた建具に関する。
従来、玄関の扉等の建具には、扉が設置される建物や部屋に応じた装飾が施される場合がある。例えば、建具は、建具の面を形成する面材や面の周囲に配置される框等と、装飾部材とにより構成される。面材等には装飾部材の取り付け孔が形成されており、この取り付け孔に固定部材を介して装飾部材を取り付けることで、建具が装飾される(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の建具では、固定部材は、装飾部材に取り付けられて装飾部材と面材とを連結する爪状の連結部を有している。装飾部材は、この連結部を取り付け孔に係合させて面材に連結されている。このような連結部は、成形しやすさの観点から、樹脂等で構成されていることが多い。
特開2007−70898号公報
取り付け孔に連結部を介して装飾部材を取り付ける建具では、火災時に樹脂製の連結部が溶け落ちてしまうことがある。連結部が溶け落ちると、面材等に形成された取り付け孔が露出し、該取り付け孔から可燃ガスが漏れて引火する恐れがあった。
本発明は、装飾部材を有する建具であって防火性能を向上させた建具を提供することを目的とする。
(1) 上記目的を達成するため本発明は、面材(例えば、後述の外側表面材4g)と、該面材に取り付けられる装飾部材(例えば、後述のモール部材5)と、を備える建具(例えば、後述のドア4)であって、前記面材に形成された取り付け孔(例えば、後述の端部側取り付け孔41)と、前記取り付け孔に取り付けられる固定部材と、を備え、前記固定部材は、前記取り付け孔を塞ぐ金属製の孔塞ぎ部(例えば、後述の箱状部材61)と、該孔塞ぎ部と前記装飾部材とを連結する連結部(例えば、後述のキャップ部62)と、を備える建具を提供する。
本発明では、面材と、この面材に取り付けられる装飾部材と、を備える建具において、面材に形成された取り付け孔と、取り付け孔に取り付けられる固定部材と、を含んで構成する。また、固定部材は、取り付け孔を塞ぐ金属製の孔塞ぎ部と、孔塞ぎ部と装飾部材とを連結する連結部と、により構成する。
これにより、取り付け孔を金属製の孔塞ぎ部で塞ぐことができるので、取り付け孔から可燃ガスが漏れて引火することを防止でき、防火性能を向上させた建具を提供することができる。
(2) 前記固定部材は、一面側が開口(例えば、後述の開口部611a)する箱状部材で構成され、前記開口には前記装飾部材が連結されることが好ましい。
この発明では、固定部材を、一面側が開口する箱状部材で構成し、開口には装飾部材を連結する。これにより、取り付け孔がリベットの孔やねじ孔等より大きい場合でも、金属製の箱状部材により取り付け孔が十分に塞がれる。
(3) 本発明では、前記箱状部材は、前記開口を形成する側壁部から外側に向かって突出するフランジ(例えば、後述のフランジ部612)を備えることが好ましい。
この発明では、箱状部材の開口を形成する側壁部に、外側に向かって突出するフランジを形成する。これにより、フランジが取り付け孔の縁に係合して箱状部材が固定されるため、箱状部材により取り付け孔が十分に塞がれる。
(4) 前記固定部材は、前記取り付け孔を介して前記面材に前記装飾部材を固定することが好ましい。
この発明では、固定部材は、取り付け孔を介して面材に装飾部材を固定する。高温に曝されると、面材の内側の可燃ガスは、内側から外側に漏れ出ようとする。しかし、鉄等の固定部材が面材の取り付け孔に取り付けられているので、面材から可燃ガスが漏れにくい。
本発明によれば、装飾部材を有する建具であって防火性能を向上させた建具を提供することができる。
本実施形態に係る開口部装置を屋外側から見た図である。 本実施形態に係る開口部装置が躯体の開口に納められた状態の縦断面図である。 本実施形態に係る開口部装置が躯体の開口に納められた状態の横断面図である。 本実施形態に係るドアの部分分解斜視図である。 本実施形態に係るモール部材の取り付け構造を説明する概略図である。 本実施形態に係る箱状部材を示し(a)図は、上面図であり、(b)図は側面図を示す。 本実施形態に係る固定ピースを示し(a)図は、上面図であり、(b)図は縦方向から見た側面図を示す。 本実施形態の変形例に係る箱状部材を示し、(a)図は、上面図であり、(b)図は側面図を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る開口部装置を屋外側から見た図である。
図示のように、開口部装置1は、玄関ドア等のドアであり、躯体(建物)に形成された開口に納められる。開口部装置1は、躯体の開口に取り付けられる枠体2と、建具としてのドア4と、を有する。
枠体2は、上枠2aと、下枠2bと、戸先側の縦枠2cと、吊元側の縦枠2dと、により矩形に枠組みされる。
ドア4は、面材としての外側表面材4gと、装飾部材としてのモール部材5と、ハンドル7と、を有する。ドア4は、枠体2に丁番3を介して屋外側(図中手前側)に開閉可能に吊り込まれている。
図2は、本実施形態に係る開口部装置1が躯体の開口に納められた状態の縦断面図で、図3は、本実施形態に係る開口部装置1が躯体の開口に納められた状態の横断面図である。なお、以下では、左右は屋外側から見た左右を表す。
図示のように、ドア4は、躯体8の開口80から屋外側へ若干オフセットされて、開口80に納められている。
開口80は、梁部材81と、左,右の柱部材82と、屋内側の床材83と、で区画形成され、その内、梁部材81と左,右の柱部材82の内面には額縁材84が貼設される。額縁材84は、梁部材81と左方の柱部材82にはスペーサ85を介して、また、右方の柱部材82には直接貼り付けられる。
梁部材81と左,右の柱部材82を含めて、躯体8の構造壁88の両側には、断熱材89が配置される。屋内側の断熱材89と躯体8との間にはスペーサ85が配置されるとともに、屋外側の断熱材89と外装材90との間にもスペーサ85が配置される。なお、外装材90と枠体2との間には、シーリング材91が介装される。
床材83は、屋内側と屋外側に配置されている。床材83は、化粧材86及びモルタル87を有する。屋内側の床材83及び屋外側の床材83は、後述する下枠2bの段差に対応して、所定の段差(例えば20mm以下)を有して配置されている。
枠体2を構成する上枠2aは、本体枠部20aと、本体枠部20aから屋内側に延びる取付片部20bと、を備える。本体枠部20aは、断面方形(ホロー構造)に形成され、その下面がドア4の上面に対向している。取付片部20bは、本体枠部20aから延出し、ネジ93により梁部材81に結合されている。
枠体2を構成する下枠2bは、本体片部21aと取付片部21bと、を備える。本体片部21aは、段差のある床材83(厳密にはモルタル87)に対応して、断面L字状に形成され、その上面がドア4の下面に対向している。取付片部21bは、本体片部21aの後端から上方へ延出される。また、本体片部21aと取付片部21bに跨ってアンカー97が組み付けられ、モルタル87の内部に埋め込まれる
図3に示すように、枠体2を構成する戸先側の縦枠2cは、本体枠部22aと、本体枠部22aから延出する取付片部22bと、を備える。本体枠部22aは、断面方形(ホロー構造)に形成され、その右側面がドア4の左側面(戸先側面)に対向している。取付片部22bは、ネジ93により柱部材82に取り付けられている。
枠体2を構成する吊元側の縦枠2dは、本体枠部23aと、本体枠部23aから延出する取付片部23bと、を備える。本体枠部23aは、断面方形(ホロー構造)に形成され、その左側面がドア4の右側面(吊元側面)に対向している。そして、本体枠部23aの左側面とドア4の右側面との間に、上下方向の3箇所に亘って(図1参照)丁番3が介設される(図1参照)。取付片部23bは、ネジ93により柱部材82に取り付けられている。
上述した上枠2a、下枠2b、戸先側の縦枠2c及び吊元側の縦枠2dは、アルミニウム材を用いた押出成形でそれぞれ形成される。これらの枠体2とドア4との間には、シールパッキン92が配置されている。
次に、図4及び図5を参照して、ドア4とモール部材5の取り付けの構造について詳しく説明する。図4は、本実施形態に係るドア4の部分分解斜視図である。
図示のように、ドア4は、面材としての外側表面材4gと、内側表面材4aと、取り付け孔としての端部側取り付け孔41と、表面側取り付け孔42と、モール部材5と、固定部材と、リベット(鋲)63と、固定ピース64と、を備える。
固定部材は、孔塞ぎ部としての箱状部材61及び連結部としてのキャップ部62を備え、モール部材5の長手方向の両端部を外側表面材4gに接合する。モール部材5の長手方向の両端部以外の部分は、リベット63及び固定ピース64により接合されている。
外側表面材4gは、ドア4を枠体2に取り付けた際に屋外側に面する長方形の部材である。外側表面材4gは、鉄(SUSやスチール等を意味する。以下、同様)等の金属により形成されている。
内側表面材4aは、外側表面材4gと対称に配置され、ドア4を枠体2に取り付けた際に屋内側に面する長方形の部材である。内側表面材4aは、外側表面材4gと同様に鉄製である。
外側表面材4g及び内側表面材4aの間には、内側表面材4a及び外側表面材4gを接合するとともに面材の枠組を構成する鉄製の芯材が配置されている。また、芯材で囲われるドア4の内部には、発泡樹脂(EPS)により形成される断熱パネルが配置されている。
図4に示すように、端部側取り付け孔41は、外側表面材4gの上方の端部側に形成される長方形の孔である。端部側取り付け孔41は、その長手方向が外側表面材4gの幅方向に沿っており、外側表面材4gを貫通している。端部側取り付け孔41は、外側表面材4gの幅方向に複数並んで配置され、2つで一対となって一つのモール部材5が取り付けられるように形成されている。なお、図4には、端部側取り付け孔41が上方にのみ形成されているが、下方にも同様に形成されている。
表面側取り付け孔42は、外側表面材4gの表面に、長手方向に沿って形成されている。表面側取り付け孔42は、外側表面材4gの長手方向に沿って、短い間隔を設けて2つ隣り合って配置され、一対の表面側取り付け孔42を構成する。そして、この一対の表面側取り付け孔42の間に形成される間隔よりも長い間隔を設けて、複数対の表面側取り付け孔42が、外側表面材4gの長手方向に沿って配置されている。また、表面側取り付け孔42は、外側表面材4gの表面に複数列形成されている。表面側取り付け孔42は、一対の端部側取り付け孔41の幅方向外側にそれぞれ配置されている。表面側取り付け孔42のそれぞれは、後述するリベット63が貫通可能な小さな円形の孔である。
図5は、モール部材5の取り付け構造を説明する概略図である。説明の便宜のため、モール部材5が取り付けられる前の状態では、一部(後述のカバー部622)を省略して示している。
モール部材5は、モール部材本体51と、溝部52と、を有する。
モール部材本体51は、外側表面材4gを装飾する細長い板状の部材である。モール部材本体51は、本実施形態では、外側表面材4gの幅方向に複数並んで配列されている。モール部材本体51は、表面51aと、裏面51bと、を有する。
表面51aは、ドア4の表面側に配置され、ドア4を装飾する所定の形状、色、模様を有して形成されている。
裏面51bは、外側表面材4gに面して配置されている。
溝部52は、裏面51bにモール部材本体51の長手方向における一方の端部から他方の端部まで、長手方向に沿って形成されている。図5に示すように、溝部52は、裏面51bと、裏面51bからモール部材本体51の厚さ方向に起立する溝部側壁部521により構成されている。溝部52は、裏面51bの幅方向中央側に形成される幅広の中央側溝部522と、この中央側溝部522を挟んで幅方向外側に形成される一対の外側溝部523と、を有する。これらの中央側溝部522及び外側溝部523は、溝部側壁部521が裏面51bの幅方向に間隔を空けて複数形成されることにより形成されている。
図6は、箱状部材61を示し(a)図は、上面図であり、(b)図は側面図を示す。図6に示すように、箱状部材61は、筐体部611と、フランジとしてのフランジ部612と、を有する。箱状部材61は、鉄等の金属で形成されている。
筐体部611は、一面側である上部が開口した箱形の形状を有し、開口としての開口部611aと、底部611bと、底部611bの四辺から開口部611aに向かって起立する側壁部611cとを有する。四辺から起立する側壁部611cのそれぞれは、互いに接合されていない。筐体部611は、底部611b側がドア4の内部に配置され、開口部611a側がドア4の外側に向くように、端部側取り付け孔41に嵌合される。
フランジ部612は、筐体部611の向かい合う一対の側壁部611cにおける開口部611a側の端部から、外側に向かって延出する。フランジ部612は、筐体部611を端部側取り付け孔41に挿入した状態で、端部側取り付け孔41から外側表面材4gの面に沿って延び、筐体部611を端部側取り付け孔41から抜け落ちないように固定する。
キャップ部62は、モール部材本体51の長手方向における両端に取り付けられる樹脂製の部材である。キャップ部62は、嵌合部621と、カバー部622と、係合部623と、により構成されている。
嵌合部621(図4参照)は、溝部52に嵌合され、モール部材本体51の長手方向に沿う方向に延びる部分である。嵌合部621は、モール部材本体51の溝部52に嵌めることができるように溝部52の幅に合わせられている。
カバー部622は、嵌合部621の一端側に配置されている。カバー部622は、嵌合部621の延びる方向に交差する方向に延びる平面である。カバー部622は、嵌合部621が溝部52に嵌合された状態で、外側表面材4gとモール部材本体51との間の隙間を埋めるように配置されている。
係合部623は、嵌合部621におけるカバー部622の配置される側と反対の他端側に、嵌合部621の延びる方向に交差する方向に突出する突起である。係合部623は、嵌合部621が溝部52に嵌合された状態で、ドア4の内側に向かって突出している。係合部623は、嵌合部621から二つ突出するように形成されており、二つの係合部623同士の間隔は、外側表面材4gに形成されている一対の端部側取り付け孔41同士の間隔と対応している。
図7は、固定ピース64を示し、(a)図は、上面図であり、(b)図は縦方向から見た側面図を示す。固定ピース64は、縦長で樹脂製の部材である。固定ピース64は、外側表面材固定部641と、モール部材固定部642と、を有する。
外側表面材固定部641は、固定ピース64の長手方向における両端部側にそれぞれ形成されている。外側表面材固定部641は、平面視で略四角形に形成される固定部本体641aと、固定部本体641aにおける外側表面材4gに直接接する側の平坦な平坦面641bと、固定部本体641aの略中央において厚さ方向に貫通する固定孔641cと、を有する。
モール部材固定部642は、固定ピース64の長手方向における中央側に形成されている。モール部材固定部642は、外側表面材固定部641よりも厚く形成されている。
モール部材固定部642は、固定ピース64の長手方向における中央側の固定部本体642aと、固定部本体642aから幅方向外側にわずかに突出する突部642bと、この突部642bからモール部材固定部642の長手方向に離間して形成される弾性片642cと、を有する。
固定部本体642aは、モール部材固定部642の幅方向中央において長手方向に延びている。
突部642bは、固定部本体642aの幅方向における両端からそれぞれ0.1〜2mm程度突出しており、固定部本体642aの四隅に配置されている。
弾性片642cは、モール部材固定部642の幅方向中央から両外側に延び、薄肉の翼のような形状をしている。弾性片642cは、固定ピース64がモール部材5に取り付けられていない状態では、突部642bよりもさらに幅方向外側に突出する突起部642dを有する。
以上の固定ピース64は、リベット63の軸部を固定孔641c及び表面側取り付け孔42に挿通させることで、外側表面材4gに固定される。リベット63は鉄等の金属で形成されている。
以上説明したドア4において、外側表面材4gにモール部材5を取り付ける手順について説明する。
まず、箱状部材61を、外側表面材4gにおける端部側取り付け孔41に挿入する。次に、モール部材5におけるモール部材本体51の溝部52に、キャップ部62の嵌合部621を溝部52に嵌合させて、キャップ部62をモール部材本体51に固定する。詳細には、係合部623が形成された嵌合部621を中央側溝部522に挿入し、その幅方向外側に位置する嵌合部621を外側溝部523に挿入する。
次に、固定ピース64おける外側表面材固定部641の固定孔641cを、表面側取り付け孔42に位置合わせし、リベット63を固定孔641cと表面側取り付け孔42に打ち込んで、固定ピース64を外側表面材4gに固定する。表面側取り付け孔42は、外側表面材4gの長手方向に沿って複数並んでおり、表面側取り付け孔42のそれぞれに固定ピース64を取り付ける。
その後、モール部材本体51の裏面51bに形成された外側溝部523に、固定ピース64の弾性片642cを押し込む。弾性片642cは、押し込まれることで弾性変形し、外側溝部523の内側に向かって撓んだ後、外側溝部523の内側に係合する。固定ピース64の突部642bは、固定ピース64が何らかの外力を受けて幅方向に移動したときに、外側溝部523の内側に当接し、固定ピース64の動きを所定幅内に規制する。このように、モール部材本体51の外側溝部523を、モール部材固定部642に対して外側から押さえるようにして、弾性片642cを外側溝部523に嵌め込み、モール部材5を外側表面材4gに固定する。
モール部材本体51が固定ピース64に嵌めこまれると、モール部材5と外側表面材4gとの距離が縮まる。そこで、キャップ部62の嵌合部621からドア4の内側に向かって突出する係合部623を、箱状部材61における筐体部611に差し込むことにより、モール部材5が外側表面材4gに取り付けられる。
以上の構成を備える第1実施形態に係るドア4によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、外側表面材4gと、外側表面材4gに取り付けられるモール部材5と、を備える建具4において、外側表面材4gに形成された取り付け孔41と、取り付け孔41に取り付けられる固定部材と、を含んで構成した。また、固定部材を、取り付け孔41を塞ぐ金属製の箱状部材61と、箱状部材61とモール部材5とを連結するキャップ部62と、を含んで構成した。
これにより、モール部材5を取り付ける取り付け孔41を、鉄製で形成されている箱状部材61で塞いだだめ、取り付け孔41に挿入される固定部材の一部(係合部623)が溶け落ちても、取り付け孔41を塞いだ状態が維持される。このため、外側表面材4gから可燃ガスが漏れることがなく、優れた防火性能を有する建具を提供することができる。
また、本実施形態では、固定部材を、一面側が開口する箱状部材61で構成し、この開口部611aにモール部材5を連結した。
これにより、端部側取り付け孔41がリベットの孔やねじ孔等より大きい場合でも、金属性の箱状部材61により端部側取り付け孔41をしっかり塞ぐことができる。
また、本実施形態では、箱状部材61を、開口部611aを形成する側壁部611cから外側に向かって突出するフランジ部612を含んで構成した。これにより、フランジ部612を端部側取り付け孔41の縁に係合させて箱状部材61を固定することができるので、箱状部材61が端部側取り付け孔41の内部に埋まることがない。
また、本実施形態では、箱状部材61により、端部側取り付け孔41を介して外側表面材4gにモール部材5を固定した。高温に曝されると、外側表面材4gの内側の可燃ガスは外側に漏れ出ようとする。しかし、鉄製の箱状部材61が外側表面材4gの端部側取り付け孔41に取り付けられているので、外側表面材4gから外へ可燃ガスが漏れにくい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、箱状部材61を、外側表面材4gの上方側及び下方側に取り付けたが、これに限られない。箱状部材61は、少なくとも外側表面材4gの上方に取り付けられていればよい。外側表面材4gと内側表面材4aとの間に配置されている樹脂製の断熱パネル4bは、高温に曝されると気化して可燃ガスになる。この場合、軽い可燃ガスは上方に移動しやすい。しかし、鉄等の箱状部材61が外側表面材4gの上方に形成された端部側取り付け孔41に取り付けられていることにより、外側表面材4gから可燃ガスが漏れることがなく、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、図8は、本実施形態の変形例に係る箱状部材61Aを示す。(a)図は、上面図であり、(b)図は側面図を示す。変形例に係る箱状部材61Aは、筐体部611における側壁部611cの内側に貼り付けられる加熱発泡材66を有する。これにより、火災時に加熱発泡材66が筐体部611の内側に向かって発泡し、箱状部材61における長手方向に延びる側縁の側壁部611cと、短手方向に延びる側縁の側壁部611cとの間の隙間を塞ぐ。このため、箱状部材61と端部側取り付け孔41との隙間も塞ぐことができる。建具にガラスが嵌め込まれていない場合は、外側表面材4gと内側表面材4aの間に配置される断熱パネルの量が、ガラスが嵌め込まれている場合と比較して多くなる。断熱パネルの量が多いと、断熱パネルが溶融することで発生する可燃ガスの発生量が多くなる。このため、変形例に係る箱状部材61Aは、建具がガラスを有さない場合に適している。
また、上記実施形態では、キャップ部62における係合部623は、嵌合部621から2つ突出しているが、これに限られない。係合部623の数は一つであってもよく、2つ以上であってもよい。係合部623や端部側取り付け孔41の数や配置は、デザインにより適宜変更可能である。
また、上記実施形態において、開口部装置1を木造納まりにて説明したが、これに限られない。開口部装置は、鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造等、いずれの納まりであってもよい。
4 ドア(建具)
4g 外側表面材
5 モール部材(装飾部材)
41 端部側取り付け孔(取り付け孔)
61 箱状部材(孔塞ぎ部、固定部材)
62 キャップ部(連結部、固定部材)
611a 開口部(開口)
612 フランジ部(フランジ)

Claims (3)

  1. 面材と、該面材に取り付けられる装飾部材と、を備える建具であって、
    前記面材に形成された取り付け孔と、
    前記取り付け孔に取り付けられる固定部材と、を備え、
    前記固定部材は、前記取り付け孔を塞ぐ金属製の孔塞ぎ部と、該孔塞ぎ部と前記装飾部材とを連結する連結部と、を備え、
    前記固定部材は、一面側が開口する箱状部材で構成され、前記開口には前記装飾部材が連結される建具。
  2. 前記箱状部材は、前記開口を形成する側壁部から外側に向かって突出するフランジを備える請求項に記載の建具。
  3. 前記固定部材は、前記取り付け孔を介して前記面材に前記装飾部材を固定する請求項又はに記載の建具。
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