JP6128353B2 - フレーム付き膜電極接合体、燃料電池用単セル及び燃料電池スタック - Google Patents
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Description
本発明は、固体高分子型の燃料電池に用いられるフレーム付き膜電極接合体に関し、このフレーム付き膜電極接合体を用いた燃料電池用単セル、及び燃料電池スタックに関するものである。
この種の膜電極接合体としては、燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体の製造方法の名称で特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の樹脂枠付き電解質膜・電極構造体は、その外周において、アノード電極を除去した状態にして電解質膜を露出させている。また、樹脂製枠部材の内周には、アノード電極の厚さに相当する薄肉状の内周突部と、カソード電極側で厚さ方向に突出する樹脂突起部を設けている。そして、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体は、露出している電解質膜に、樹脂製枠部材の内周突部を接着層により接合し、その後、樹脂突起部を加熱溶融させてカソード電極のガス拡散層に含浸させ、ガス拡散層内に樹脂含浸部を形成した構成になっている。
ところが、上記したような従来のフレーム付き膜電極接合体(燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体)では、フレーム(樹脂製枠部材)に設けた薄肉状の内周突部と膜電極接合体(電解質膜・電極構造体)とを接合する構成であったため、例えば、アノードガスとカソードガスとの間に差圧が生じると、フレームが厚さ方向に撓むように変形し、これを繰り返すことによりフレームの内周突部を破損するおそれがあるという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、厚さ方向に作用する力に対して充分な強度を確保することができ、フレームの破損を防ぐことができるフレーム付き膜電極接合体を提供することを目的としている。
本発明に係わるフレーム付き膜電極接合体は、電解質膜を一対の電極層で挟持した構造を有する膜電極接合体と、膜電極接合体の周囲に設けた樹脂製のフレームを備えている。前記フレームは、膜電極接合体を配置する開口部と、開口部の周縁に沿って形成され且つフレームの厚さ分に相当するクランク状の段差部と、段差部によりフレームの片面側に偏倚した状態で開口部内に延出する内周縁部を備えている。そして、フレーム付き膜電極接合体は、内周縁部における偏倚側とは反対側の面に、膜電極接合体の外周縁部を接合した構成とし、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明に係わるフレーム付き膜電極接合体は、上記構成を採用したことにより、フレームにおいて、膜電極接合体との接合部分である内周縁部の厚さが本体部分の厚さとほぼ等しくなると共に、段差部で肉厚となるので、厚さ方向に作用する力に対して充分な強度を確保することができ、フレームの破損を防ぐことができる。
〈第1実施形態〉
図1に示す燃料電池スタックFSは、とくに図1(B)及び(C)に示すように、単セルCを複数枚積層して一体化した少なくとも二つ以上のセルモジュールMと、セルモジュールM同士の間に介装するシールプレートPとを備えている。図示例の単セルC及びシールプレートPは、いずれもほぼ同じ縦横寸法を有する矩形板状を成している。なお、図1(C)には、2つのセルモジュールMと、1つのシールプレートPを示しているが、実際には、それ以上の数のセルモジュールM及びシールプレートPを積層する。
図1に示す燃料電池スタックFSは、とくに図1(B)及び(C)に示すように、単セルCを複数枚積層して一体化した少なくとも二つ以上のセルモジュールMと、セルモジュールM同士の間に介装するシールプレートPとを備えている。図示例の単セルC及びシールプレートPは、いずれもほぼ同じ縦横寸法を有する矩形板状を成している。なお、図1(C)には、2つのセルモジュールMと、1つのシールプレートPを示しているが、実際には、それ以上の数のセルモジュールM及びシールプレートPを積層する。
また、燃料電池スタックFSは、セルモジュールMの積層方向の両端部に、エンドプレート56A,56Bを夫々配置し、単セルCの長辺側の積層端面(図1中で上下面)に、締結板57A,57Bが設けてあると共に、短辺側の積層端面に、補強板58A,58Bが設けてある。各締結板57A,57B及び補強板58A,58Bは、セルモジュールM及びシールプレートPから成る積層体Aの積層方向全長にわたる大きさを有し、図示しないボルトにより両エンドプレート56A,56Bに連結する。
このようにして、燃料電池スタックFSは、図1(A)に示すようなケース一体型構造となり、各セルモジュールM及びシールプレートPを積層方向に拘束・加圧して個々の単セルCに所定の接触面圧を加え、ガスシール性や導電性等を良好に維持する。また、図示例の単セルCは、長辺側の同じ位置に電圧測定用の外部端子59を有している。これに対して、図1中で上側となる一方の締結板57Aは、各単セルCの外部端子59が入り込むスリット57Sを有しており、外部端子59に対して、適数に分割したコネクタ(図示略)を接続可能にしている。
単セルCは、図2に示すように、フレーム付き膜電極接合体2と、この膜電極接合体2を挟持する一対(アノード側及びカソード側)のセパレータ3,4を備えている。膜電極接合体2は、電解質膜を一対の電極層で挟持した構造を有し、その周囲に樹脂製のフレーム1を備えている。また、フレーム1及び両セパレータ3,4は、いずれもほぼ同じ縦横寸法を有する矩形板状である。なお、フレーム1と膜電極接合体2との接合については、後に詳しく述べる。
膜電極接合体2は、一般に、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれるものであって、図3(A)に一部を示すように、固体高分子から成る電解質膜11を燃料極層(アノード)12と空気極層(カソード)13とで挟持した構造を有している。燃料極層11及び空気極層13は、図示を省略したが、膜電極接合体2側から、触媒層と、多孔質体から成るガス拡散層を夫々備えたものである。この膜電極接合体2は、燃料極層12にアノードガス(水素)が供給されると共に、空気極層13にカソードガス(空気)が供給されて、電気化学反応により発電をする。
各セパレータ3,4は、表裏反転形状を有する金属製の板部材であって、例えばステンレス製であり、プレス加工により適宜の形状に成形することができる。各セパレータ3,4は、膜電極接合体2に対応する中央領域が、短辺方向の断面において波形状に形成してある。この波形状は、図示の如く長辺方向に連続している。各セパレータ3,4は、膜電極接合体2に相対向する一方の面において、波形山部が膜電極接合体2に接触し、波形谷部がアノードガス又はカソードガスの流路になる。
膜電極接合体2のフレーム1及び各セパレータ3,4は、短辺側の両端部に、各々三個ずつのマニホールド穴H1〜H3,H4〜H6を有している。図1及び図2の左側に示す各マニホールド穴H1〜H3は、カソードガス供給用(H1)、冷却用流体供給用(H2)及びアノードガス排出用(H3)であり、積層方向に互いに連通して夫々の流路を形成する。また、図1及び図2の右側に示す各マニホールド穴H4〜H6は、アノードガス供給用(H4)、冷却流体排出用(H5)及びカソードガス排出用(H6)であり、積層方向に互いに連通して夫々の流路を形成する。なお、供給用と排出用は、一部または全部が逆の位置関係でも良い。
また、フレーム1及び各セパレータ3,4の周縁部や、マニホールド穴H1〜H6の周囲には、シール部材Sが連続的に配置してある。これらのシール部材Sは、接着剤としても機能するもので、フレーム1及び膜電極接合体2とセパレータ3,4とを気密的に接合する。また、マニホールド穴H1〜H6の周囲に配置したシール部材Sは、各マニホールドの気密性を維持する一方で、各層間に応じた流体を供給するために該当箇所に開口を有している。
上記の単セルCは、所定枚数を積層してセルモジュールMを形成する。このとき、隣接する単セルC同士の間には、冷却用流体の流路を形成し、隣接するセルモジュールM同士の間にも冷却用流体の流路を形成する。したがって、シールプレートPは、セルモジュールM同士の間、すなわち冷却用流体の流路内に配置されている。
シールプレートPは、導電性の一枚の金属板を成形したものであり、平面視において上記した単セルCとほぼ同じ矩形板状で且つ同じ大きさに形成され、両短辺側には、単セルCと同様のマニホールド穴H1〜H6が形成されている。このシールプレートPは、マニホールド穴H1〜H6の各周囲に、シール部材を備えると共に、その周縁部分に、外周シール部材51及び内周シール部材52が、全周にわたって平行に設けてあり、外周シール部材51により外部からの雨水等の浸入を防止すると共に、内周シール部材52によりセルモジュールM間の流路を流通する冷却用流体の漏出を防止する。
フレーム付き膜電極接合体2は、先述したように、周囲に樹脂製のフレーム1を備えている。フレーム1は、図4に示すように、中央の矩形状の開口部1Aと、段差部1Bと、内周縁部1Cを備えると共に、厚肉状の外周縁部1Dを有している。開口部1Aは、膜電極接合体2を配置する部分である。段差部1Bは、開口部1Aの周縁に沿って形成してあり、フレーム1の厚さ分に相当する段差を有している。内周縁部1Cは、段差部1Bに連続し、この段差部1Bによりフレーム1の片面側に偏倚した状態で開口部1A内に延出している。
ここで、段差部1Bは、図3(B)に示すように、フレーム1の厚さT1に相当する段差を有するものであるから、これに連続する内周縁部1Cもフレーム本体と同じ厚さT1になっている。また、段差部1Bは、偏倚側(図3で上側)の出角部と反偏倚側の入角部との間隔T2、及び偏倚側の入角部と反偏倚側の出角部との間隔T3が、いずれもフレーム1の厚さT1よりも大きい構造である。なお、段差部は、図3に示すようなクランク状にしても良いし、後に説明する図5に示すように、本体部分と内周縁部1Cとを曲線的に連続させるものでも良い。
これに対して、膜電極接合体2は、図3(A)に示すように、外周縁部において、燃料極層12を除去した状態にして電解質膜11の片面を露出させている。そして、フレーム1の内周縁部1Cにおける偏倚側とは反対側の面(図3で下面)と、膜電極接合体2の外周縁部における電解質膜11とを接合している。この接合には、接着剤又は粘着剤が用いられ、これらの材料により内周縁部1Cと電解質膜11との間に接合層14を形成する。このとき、図3(A)に示すフレーム付き膜電極接合体2は、内周縁部1Cの偏倚側となる電極層が、燃料極層12である。
なお、図3(A)においては、フレーム1と膜電極接合体2との間に、溝状の隙間があるが、この隙間は、フレーム1の内周縁部1Cや膜電極接合体2の外周縁部の寸法公差を吸収するものであり、無くても構わない。また、図4では、接合層14を枠状に示しているが、実際には、スクリーン印刷や塗布により内周縁部1Cに設けられる。
上記構成を備えたフレーム付き膜電極接合体2は、フレーム1において、膜電極接合体2との接合部分である内周縁部1Cの厚さT1が本体部分の厚さとほぼ等しくなると共に、段差部1Bで肉厚となるので、厚さ方向に作用する力に対して充分な強度を確保することができ、フレーム1の破損を防ぐことができる。
また、フレーム1は、本体部分から肉厚の段差部1Bを介して内周縁部1Cまでを連続的に有するので、成形性(樹脂の流動性)が向上し、品質を高めることができる。さらに、フレーム付き膜電極接合体2は、別部品として成形したフレーム1と接合するだけで完成するので、構造が簡単であると共に、一枚あたりの製造のサイクルタイムが短くなり、低コスト化を実現すると共に、量産性に優れたものとなる。
したがって、このフレーム付き膜電極接合体2を備えた単セルCや、単セルCを積層して成るセルモジュールM及び燃料電池スタックFSにおいても、構造の簡略化や低コスト化、耐久性及び生産性の向上を実現することができる。
さらに、上記のフレーム付き膜電極接合体2を用いた燃料電池スタックFSでは、燃料極上に生じた生成水を除去するために、アノードガスの供給圧力をパルス状に増減させることがある。この場合、アノードガスの供給圧力を増加させた際に、アノード側の圧力がカソード側よりも高くなり、その差圧によってフレーム1がカソード側に撓むように変形し、供給圧力の増減に伴ってフレーム1が繰り返し変形する。
これに対して、フレーム付き膜電極接合体2は、フレーム1の内周縁部1Cの偏倚側となる電極層が燃料極層12であり、換言すれば、高圧になるアノード側に内周縁部1Cを偏倚させている。これにより、フレーム付き膜電極接合体2は、フレーム1がカソード側に撓んだ際、段差部1Bのカソード側には圧縮方向の力が作用するので、図3(C)にフレーム側として示すように、反フレーム側(カソード側)からの差圧入力に比べて発生応力比が小さくなる。その結果、フレーム付き膜電極接合体2は、アノードガスとカソードガスとの差圧による変形に対して耐久性が高いものとなる。
〈第2〜4実施形態〉
図5は、本発明のフレーム付き膜電極接合体におけるフレームの他の実施形態を示す図であって、段差部1Bの少なくとも片面側に補強部を設けた構成である。
図5は、本発明のフレーム付き膜電極接合体におけるフレームの他の実施形態を示す図であって、段差部1Bの少なくとも片面側に補強部を設けた構成である。
図5(A)に示す第2実施形態のフレーム1は、段差部1Bの両面側に、リブ状の補強部1Eを段差部1Bの連続方向に所定間隔で有している。
図5(B)に示す第3実施形態のフレーム1は、段差部1Bの偏倚側の面に、ほぞ状の補強部1Fを段差部1Bの連続方向に所定間隔で有している。この補強部1Fは、段差部から内周縁部1Cにかけて設けてある。
図5(C)に示す第4実施形態のフレーム1は、図5(B)と同様に、段差部1Bの偏倚側の面に、ほぞ状の補強部1Gを段差部1Bの連続方向に所定間隔で有している。この補強部1Gは、段差部から内周縁部1Cにかけて設けてあり、上端部を曲面にすると共に、段差部1B及び内周縁部1Cとの間にRを設けることで、全体として波形状を成すように形成してある。
上記の補強部1E,1F,1Gを備えたフレーム1は、いずれも段差部1Bや内周縁部1Cの強度がより一層高くなり、耐久性のさらなる向上などを実現することができる。なお、上記各実施形態では、補強部1E,1F,1Gを所定間隔で配置した構成を説明したが、これらを連続させた構成にすることができる。例えば、図2に示すフレーム付き膜電極接合体2において、短辺側には、アノードガスやカソードガスを流通させる都合上、複数の補強部を所定間隔で形成して、隣接する補強部同士の間をガス流路にすることができる。また、長辺側には、複数の補強部又は連続する補強部を形成して、アノードガスやカソードガスの脇流れを抑制することができる。
〈第5実施形態〉
図6は、本発明のフレーム付き膜電極接合体の第5実施形態を示す図である。図6(B)〜(D)において、膜電極接合体2を構成する燃料極層12は、電解質膜11側から、触媒層12Aと、図示しないガス拡散層を有している。また、同じく膜電極接合体2を構成する空気極層13は、電解質膜11側から、触媒層13Aと、ガス拡散層13Bを有している。
図6は、本発明のフレーム付き膜電極接合体の第5実施形態を示す図である。図6(B)〜(D)において、膜電極接合体2を構成する燃料極層12は、電解質膜11側から、触媒層12Aと、図示しないガス拡散層を有している。また、同じく膜電極接合体2を構成する空気極層13は、電解質膜11側から、触媒層13Aと、ガス拡散層13Bを有している。
図6(B)に示す例では、膜電極接合体2の外周縁部が、一方の電極層である燃料極層12において、ガス拡散層が無く、触媒層12Aを露出状態に有している。そして、フレーム1の内周縁部1Cと燃料極層12の触媒層12Aとの間に、接着剤又は粘着剤から成る接合層14を有する構造である。このフレーム付き膜電極接合体2では、内周縁部1Cと触媒層12Aとを接合することで、内周縁部1Cと多孔質体から成るガス拡散層とを接合するよりも、高い接合強度を得ることができる。
図6(C)に示す例では、膜電極接合体2の外周縁部が、一方の電極層側である燃料極層12側の電解質膜11の片面を露出状態に有している。そして、フレーム1の内周縁部1Cと電解質膜11の片面との間に、接着剤又は粘着剤から成る接合層14を有する構造である。このフレーム付き膜電極接合体2では、発電領域外である外周縁部において燃料極層12を省くことにより、高価な触媒を含む触媒層12Aを必要最小限にし、さらなる低コスト化を図ることができる。
図6(D)に示す例では、図6(C)に示す例と同様に、膜電極接合体2の外周縁部が、燃料極層12側となる電解質膜11の片面を露出状態にして、フレーム1の内周縁部1Cと電解質膜11の片面との間に接合層14を有する。また、膜電極接合体2の外周縁部が、電解質膜11から他方の電極層である空気極層13に至る連通穴13Cを有している。この連通穴13Cは、電解質膜11の表面で開口し、且つ空気極層13のガス拡散層13Bの中間に底部を有している。そして、連通穴13Cの内部に、接合層14を形成する材料を充填して、前記接合層14と一体化したアンカー部14Aを形成している。
このフレーム付き膜電極接合体2では、図6(C)に示す例と同様に、外周縁部における燃料極層12を省くことでさらなる低コスト化を図ることができる。また、上記の膜電極接合体2は、空気極層13に食い込むアンカー部14Aを形成するので、フッ素系材料のように難接着性の材料から成る電解質膜11を用いた場合でも、電解質膜11と接合層14との接着性を高め、ひいてはフレーム1の内周縁部1Cと電解質膜11との接着性を高めることができる。
〈第6及び第7実施形態〉
図7は、本発明に係わるフレーム付き膜電極接合体2を備えた燃料電池用単セルの二例の実施形態を説明する図であり、図2に示す単セルCの長辺部分の断面図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7は、本発明に係わるフレーム付き膜電極接合体2を備えた燃料電池用単セルの二例の実施形態を説明する図であり、図2に示す単セルCの長辺部分の断面図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図7(A)及び(B)に示す単セルCは、フレーム付き膜電極接合体2と、この膜電極接合体2を挟持する一対のセパレータ3,4を備えている。一対のセパレータ3,4は、アノード側とカソード側であって、先の実施形態で説明したように、適宜の凹凸を有する表裏反転形状であり、長辺方向(図7では紙面垂直方向)にアノードガスやカソードガスを流通させる。
また、単セルCは、フレーム1の段差部1Bよりも外周側(図7では左側)の部分と、各セパレータ3,4との間に、双方を気密的に接合するシール部材Sを備えている。このシール部材Sは、第1実施形態で説明したシール部材Sと同等のものであり、弾性を有している。さらに、単セルCは、両セパレータ3,4により、フレーム1の内周縁部1Cと膜電極接合体2の外周縁部との接合部分を挟持して、双方の接合状態を良好に維持する構造になっている。
そして、図7(A)に示す第6実施形態の単セルCは、フレーム1の両面において、シール部材Sよりも内周側に、各セパレータ3,4のセル内面に夫々当接する突部1Q、1Rを有している。これらの突部1Q,1Rは、図5で説明した補強部と同様に、膜電極接合体2の短辺側及び長辺側に応じて、複数を所定間隔で形成したり、連続的に形成したりすることができる。
上記構成を備えた単セルCは、段差部1Bによる強度向上に加えて、突部1Q、1Rによってフレーム1を補強することができ、しかも、これらの突部1Q,1Rを各セパレータ3,4に当接することによって、積層時に付与される積層方向の荷重を良好に伝達させることができる。
また、単セルCは、フレーム1の突部1Q,1Rを各セパレータ3,4に当接させることで、シール部材Sの厚さを一定に維持することができ、積層時における各単セルCのシール機能のばらつきを防止することができる。さらに、単セルCは、とくに、膜電極接合体2の長辺側すなわちアノードガスやカソードガスの流通方向に沿う部分において、突部1Q,1Rが脇流れの障害物となって、発電領域への各ガスの流通を促進させ、これにより、発電効率の向上に貢献することができる。
図7(B)に示す第7実施形態の単セルCは、フレーム1の両面において、シール部材Sよりも内周側及び外周側の両方に、各セパレータ3,4のセル内面に夫々当接する突部1Q,1Rを有している。これらの突部1Q,1Rは、図5で説明した補強部と同様に、膜電極接合体2の短辺側及び長辺側に応じて、複数を所定間隔で形成したり、連続的に形成したりすることができる。
上記構成を備えた単セルCにあっても、段差部1Bによる強度向上に加えて、突部1Q、1Rによってフレーム1を補強することができ、また、積層時に付与される積層方向の荷重を良好に伝達させることができる。
さらに、単セルCは、シール部材Sの両側に突部1Q,1Rを有するので、シール部材Sの厚さを一定に維持する機能がより確実なものとなり、積層時における各単セルCのシール機能のばらつき防止や、膜電極接合体2の長辺側における脇流れ防止の機能を得ることができる。
なお、本発明に係わるフレーム付き膜電極接合体、燃料電池用単セル、及び燃料電池スタックは、その構成が上記各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各部材の材料、形状、大きさ及び数などを変更することができる。
1 フレーム
1A 開口部
1B 段差部
1C 内周縁部
1E,1F,1G 補強部
1Q,1R 突部
2 膜電極接合体
3,4 セパレータ
11 電解質膜
12 燃料極層(電極層)
12A 燃料極層の触媒層
13 空気極層(電極層)
13C 連通穴
14 接合層
14A アンカー部
C 燃料電池用単セル
FS 燃料電池スタック
S シール部材
1A 開口部
1B 段差部
1C 内周縁部
1E,1F,1G 補強部
1Q,1R 突部
2 膜電極接合体
3,4 セパレータ
11 電解質膜
12 燃料極層(電極層)
12A 燃料極層の触媒層
13 空気極層(電極層)
13C 連通穴
14 接合層
14A アンカー部
C 燃料電池用単セル
FS 燃料電池スタック
S シール部材
Claims (10)
- 電解質膜を一対の電極層で挟持した構造を有する膜電極接合体と、
膜電極接合体の周囲に設けた樹脂製のフレームを備え、
フレームが、膜電極接合体を配置する開口部と、開口部の周縁に沿って形成され且つフレームの厚さ分に相当するクランク状の段差部と、段差部によりフレームの片面側に偏倚した状態で開口部内に延出する内周縁部を備え、
内周縁部における偏倚側とは反対側の面に、膜電極接合体の外周縁部を接合したことを特徴とするフレーム付き膜電極接合体。
- 前記内周縁部の偏倚側となる電極層が、燃料極層であることを特徴とする請求項1に記載のフレーム付き膜電極接合体。
- 前記段差部の少なくとも片面側に補強部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のフレーム付き膜電極接合体。
- 前記膜電極接合体の外周縁部が、一方の電極層を構成する触媒層を露出状態に有し、
フレームの内周縁部と一方の電極層の触媒層との間に、接着剤又は粘着剤から成る接合層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレーム付き膜電極接合体。 - 前記膜電極接合体の外周縁部が、一方の電極層側となる電解質膜の片面を露出状態に有し、
フレームの内周縁部と電解質膜の片面との間に、接着剤又は粘着剤から成る接合層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレーム付き膜電極接合体。 - 前記膜電極接合体の外周縁部が、電解質膜から他方の電極層に至る連通穴を有し、
連通穴の内部に、接合層を形成する材料から成り且つ前記接合層と一体化したアンカー部を形成したことを特徴とする請求項5に記載のフレーム付き膜電極接合体。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレーム付き膜電極接合体と、このフレーム付き膜電極接合体を挟持する一対のセパレータを備えたことを特徴する燃料電池用単セル。
- フレームの段差部よりも外周側の部分と各セパレータとの間に、双方を気密的に接合するシール部材を備え、
フレームが、シール部材よりも内周側に、各セパレータに夫々当接する突部を有していることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池用単セル。 - フレームが、シール部材よりも外周側に、各セパレータに夫々当接する突部を有していることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池用単セル。
- 請求項7〜9のいずれか1項に記載の燃料電池用単セルを複数積層した構造を有することを特徴とする燃料電池スタック。
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