JP6127491B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置 - Google Patents
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Description
また、流路内部の壁面に接着剤の這い上がりを防止する形状を設ける方法も考えられるが、使用する接着剤の粘性や塗布量に応じて形状の寸法を厳格に設計する必要がある。しかしながら、寸法を厳格に設計することは、流路の設計の自由度を制約する場合があった。
ここで、硬化した接着剤はその端部を基点として剥離し易くなることがわかっている。そのため、本発明では、接着剤を流路内部で一体となるよう硬化させることで接着剤の端部を生じ難くさせている。端部が生じなければ、接着剤が流路内部で剥離する可能性は低くなり、剥離した接着剤により生じるノズル詰まりを抑制することができる。
また、接着剤の這い上がりを抑制するという思想を伴わないため、接着剤の塗布量に応じて流路形状の設計を厳格に行う必要がなくなる。
上記のように構成された発明は、流路形成基板の狭窄部との関係で連通孔の内幅を第1方向に広げると、隣接する連通孔との壁が薄くなり、クロストークが問題となる場合がある。クロストークとは、隣接する連通孔の1つが変形することで、他方の連通孔まで変形させてしまい、液体の吐出タイミングに影響を与えることである。そのため、連通孔に狭流路部を設けることで、この連通孔が延びる方向において連通孔を区画する壁の第1方向の厚みが変化し、壁の変形を妨げるよう作用する。そのため、クロストークを抑制することができる。また、クロストークを抑制することで、連通孔の併設距離を狭くすることができるため、ノズルを高密度化することができる。
上記のように構成された発明は、連通孔内部に狭流路部を設けることで、圧力室から連通孔へ向う流路において流路抵抗が強くなる場合がある。そのため、連通孔のノズルプレート側の流路において、第2方向の内幅が広くなる抵抗調整部を設けることで、流路抵抗を低減することができる。
上記のように構成された発明では、本発明の連通孔をエッチング処理等により形成し易くすることができる。
1.第1の実施形態:
2.第2の実施形態:
3.その他の実施形態:
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッド1を示す分解斜視図である。また、図2は、圧力室と連通孔との位置関係を示す図である。
以下、この実施形態中では、圧力室12が併設する方向を第1方向D1とし、この第1の方向と直交する方向を第2方向D2とする。そして、連通孔21が延びる方向を第3方向D3とする。
図3(a)に示すように、連通孔21は、貫通方向(第3方向D3)に伸びた4つの壁面で覆われた矩形状の孔により構成される。また、壁面の交差部には、4つの稜線21a〜21dが形成されている。この連通孔21は連通板20を貫通するため、連通板20のそれぞれの面には、第2の開口21eと第3の開口21fとが位置している。ここで、第2の開口21eは、連通板20の流路形成基板10と接合される側の面に位置する開口であり、流路形成基板10の第1の開口121と連通する。また、第3の開口21fは、連通板20のノズルプレート25と接合される側の面に位置する開口であり、ノズルプレート25のノズル26と連通する。本実施形態では、連通孔21の第3方向D3の長さを300μmとした。
また、上記した連通孔21の形成方法としては、連通板20に対してマスクパターンを用いたウエットエッチングを用いて作成するが、これに限定されない。
また、流路形成基板10のリザーバ部13に対応する領域には、コンプライアンス部材33が設けられて、リザーバ部13の一方の開口はこのコンプライアンス部材33によって封止されている。
以下、上記構成の液体噴射ヘッド1において、ノズルプレート25、連通板20、流路形成基板10を接着剤を用いて接合する際に、各構造が接着剤に対して作用する効果を説明する。
なお、実際には、流路形成基板10、連通板20、ノズルプレート25、封止板30は、各部位が複数併設したウェハー基板を、接着剤を用いて接合した後、液体噴射ヘッド1単位で切り分けられる。
そのため、接着剤300の端部が生じなければ、接着剤300が流路内部で剥離する可能性は低くなり、剥離した接着剤により生じるノズル詰まりを抑制することができる。
また、接着剤300の流路内での這い上がりを抑制するという思想を伴わないため、接着剤の塗布量に応じて段差等の設計を厳格に行う必要がなく、流路の設計をより自由に行うことができる。
また、連通孔同士のクロストークを抑制することで、連通孔の併設距離を狭くすることができるため、液体噴射ヘッド1においてノズルを高密度化することができる。
図7は、第2の実施形態に係る連通孔と圧力室12の構成を示す図である。
この第2の実施形態では、第2の開口21e側の稜線の端部の全てを流路形成基板10の底面101で塞ぐのではなく、その一部のみを塞ぐ。そして、流路形成基板10で塞がれなかった稜線の端部に対しては、連通孔21の第2の開口21eと第3の開口21fとの間に、同稜線が不連続となる段差を設けることで、接着剤の這い上がりを抑制している。
なお、説明を省略するが、連通板20に設けられた全ての連通孔21において図7に示す同様の形状となっている。
そのため、接着剤が流路内部で剥離する可能性は低くなり、剥離した接着剤により生じるノズル詰まりを抑制することができる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、連通孔21は、少なくとも3つの稜線を含んだ3角形で構成されるものであってもよいし、矩形以上の多角形で構成されてもよい。
また、上述の各実施形態では、成膜及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型の液体噴射ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の液体噴射ヘッドにも本発明を採用することができる。
Claims (6)
- 液体を吐出するノズルを複数備えるノズルプレートと、
底面に第1の開口を有し、第1方向に複数併設した圧力室と、該圧力室に隣接した圧電素子と、を有する流路形成基板と、
前記ノズルプレートと前記流路形成基板との間に位置し、前記各ノズルと前記圧力室の前記第1の開口とを連通させる連通孔を備えた連通板と、が接合されて構成される液体噴射ヘッドであって、
前記流路形成基板の前記第1の開口は、前記第1方向と交差する第2方向が長手方向となり、インク供給側から前記連通孔側にかけて形成されており、前記長手方向にそって、
前記圧力室の前記第1方向の内幅は、前記連通孔に近い側が、前記インク供給側よりも狭くなる狭窄部を有し、
前記連通板の前記連通孔は、貫通方向に伸びた少なくとも4つ以上の稜線を有して形成され、
前記連通板は、前記流路形成基板側の前記稜線の全ての端部が、前記狭窄部を区画する前記流路形成基板の該連通板側の面で塞がれるよう、前記流路形成基板と接合されている、液体噴射ヘッド。 - 液体を吐出するノズルを複数備えるノズルプレートと、
底面に第1の開口を有し、第1方向に複数併設した圧力室と、該圧力室に隣接した圧電素子と、を有する流路形成基板と、
前記ノズルプレートと前記流路形成基板との間に位置し、前記各ノズルと前記圧力室の前記第1の開口とを連通させる連通孔を備えた連通板と、が接合されて構成される液体噴射ヘッドであって、
前記流路形成基板の前記第1の開口は、前記第1方向と交差する第2方向が長手方向となり、インク供給側から前記連通孔側にかけて形成されており、前記長手方向にそって、
前記圧力室の前記第1方向の内幅は、前記連通孔に近い側が、前記インク供給側よりも狭くなる狭窄部を有し、
前記連通板の前記連通孔は、貫通方向に伸びた少なくとも4つ以上の壁面を有して形成され、
前記連通板は、前記壁面のうち少なくとも3つの壁面の前記流路形成基板側の端部の全てが、前記狭窄部を区画する前記流路形成基板の該連通板側の面で塞がれるよう、前記流路形成基板と接合されている、液体噴射ヘッド。 - 前記連通孔は、前記流路形成基板側に開いた第2の開口と前記ノズルプレート側に開いた第3の開口を有し、
前記連通孔の前記第2の開口と前記第3の開口との間に、少なくとも前記第2の開口及び前記第3の開口のいずれかよりも前記第1方向の内幅が狭くなる狭流路部を備える、請求項1及び請求項2に記載の液体噴射ヘッド。 - 前記連通孔は、前記ノズルプレート側の流路において、前記第1方向と交差する前記第2方向の内幅が、前記第2の開口の前記第2方向の内幅と比べて広くなる抵抗調整部を備える、請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記連通孔は、4つの稜線を有する矩形状である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
- 上記請求項1及び請求項2に記載の液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置。
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