JP2000198226A - インクジェット印刷機 - Google Patents

インクジェット印刷機

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JP2000198226A
JP2000198226A JP30224399A JP30224399A JP2000198226A JP 2000198226 A JP2000198226 A JP 2000198226A JP 30224399 A JP30224399 A JP 30224399A JP 30224399 A JP30224399 A JP 30224399A JP 2000198226 A JP2000198226 A JP 2000198226A
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ink
flow path
cross
sectional area
discharge port
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JP30224399A
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English (en)
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Atsushi Komatsu
敦 小松
Akihiko Nanba
昭彦 南波
Yuko Okano
祐幸 岡野
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
Osamu Kawasaki
修 川▲さき▼
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14475Structure thereof only for on-demand ink jet heads characterised by nozzle shapes or number of orifices per chamber

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質、高速化に必要とされるインク滴質量
又は径の大きな変更が容易に実現できない。 【解決手段】吐出口3からインク滴8を吐出させるイン
クジェット印刷機であって、吐出口3(L1)からイン
ク流路内部に向かって流路断面積が小さくなり、その断
面積が最小断面積径L2と同等になった後、さらに流路
内部に向かって断面積が大きく(L3)なっている流路
と、インク先端位置を流路内部に引き込む手段と、イン
ク先端位置を流路外部に押し出す手段により構成された
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上に形成
するインクドットの大きさを可変にすることによって、
画像の階調表現力を高めたインクジェット印刷機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの普及
により、パソコンの出力装置であるプリンタの需要も飛
躍的に向上している。特にここ数年、カラープリンタの
占める割合が伸びており、カラー画像印刷は高速・高画
質化の要求が大きい。
【0003】そこで、従来のインクジェット印刷機で
は、印刷ヘッドから吐出されるインク滴を小さくすると
同時に、記録媒体上におけるドット密度を高くすること
により高画質化を実現してきた。以下に図面を参照しな
がら従来のインクジェット印刷機として、圧電体を用い
てインクを吐出させるピエゾ方式の一例について説明す
る。
【0004】図19は従来のインクジェット印刷機を示
すものであるが、21はコの字型の流路枠で、開口面を
振動板25で閉じることにより、内部に流路22を形成
している。そしてこの振動板25には、両面に電極27
の形成された圧電体26が固着されており、電極27に
電圧を印加することにより圧電体26を伸縮させて振動
板25をたわませ、流路22の体積を拡大、あるいは縮
小させる構成としている。
【0005】圧電体26に緩やかに電圧を印加すると、
圧電体26は緩やかに流路22外側の方向に変形して流
路22の体積を拡大させ、インク供給口24を通して流
路22にインクを吸引する。その後、急激に印加した電
圧を除去すると、圧電体26は急激に元の形状に復元し
て流路22の体積を急激に縮小させられる。その結果、
流路内のインクは急激に加圧され、この加圧されたイン
クが流路枠21に設けられた吐出口23を通してインク
滴28として吐出される。
【0006】また、高画質化の他の方法として、吐出口
から吐出されるインク滴の質量又は径を変化させる方法
が考えられている(例えば、特開平5−261925号
公報)。このようにして、インク滴径を変化させる方法
を用いれば、一つの吐出口から吐出されるインク滴によ
り階調表現が可能となり、低解像度で高画質な画像を実
現できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット印刷機の従来の構造で高画質を実現しようとす
れば、小さいインク滴を安定に多数吐出させる必要があ
る。これは画像の高解像度化につながり、従来と同様な
印刷速度を得ようとすれば、吐出口の高密度化と吐出口
の数の増加、あるいは吐出の繰り返し速度の高速化など
の方法が必要となる。この吐出口の高密度化と数の増
加、吐出の繰り返し速度の高速化には、製造コストの増
加あるいは耐用年数の短縮をまねき必ずしも満足のいく
ものではなく、インクジェット印刷機の高画質化と高速
化を高い次元で両立するには限界があった。
【0008】また、吐出口から吐出されるインク滴の質
量又は径を変化させる方法においても、製造上あるいは
耐久性、吐出口の高密度化の面から見て必ずしも満足の
いくものは得られていない。
【0009】さらに、特開平5−261925号公報に
開示のインクジェット印刷機用印刷ヘッドは、吐出口先
端の断面積を大きくして、簡単な構成でインク滴の質量
又は径を変化させようとする方法であるが、インク先端
位置をある手段を用いて変化させ、別の手段を用いてイ
ンクに吐出エネルギーを与える方法となっているため、
吐出口内部の流路に存在する断面積の小さい部分よりさ
らに小さい径のインク滴を吐出すことが困難であり、さ
らには断面積の大きな吐出口よりも大きな径のインク滴
を吐出することが困難あった。
【0010】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、インクジェット印刷機の高画質、高速化に必要とさ
れるインク滴質量又は径を変化させることができるイン
クジェット印刷機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、吐出口からイ
ンク滴を吐出させるインクジェット印刷機であって、本
発明の第1のインクジェット印刷機は、吐出口からイン
ク流路内部に向かって流路断面積が小さくなり、その断
面積が最小断面積径と同等になった後、さらに流路内部
に向かって断面積が大きくなっている流路と、インク先
端位置を流路内部に引き込む手段と、インク先端位置を
流路外部に押し出す手段により構成されたものである。
【0012】本発明の構成は、流路断面積を吐出口から
流路内部に向かって大から小さらに大と変化させてある
ため、第1に小さいインク滴を吐出させる場合には、引
き込む手段を用いてもっとも断面積の小さい流路よりさ
らに内部の断面積の大きい流路側にインク先端位置を引
き込み、その後押し出す手段を用いてもっとも断面積の
小さい部分から、インク滴を吐出させることにより、吐
出口の断面積よりもさらに小さいインク滴を吐出させる
ことが可能となる。
【0013】第2に、大きいインク滴を吐出させる場合
には、引き込む手段を用いて断面積の小さい流路までイ
ンク先端位置を引き込み、その後押し出す手段を持ちい
て断面積の大きな吐出口からインクを吐出させることに
より、吐出口断面積よりもさらに大きいインク滴を吐出
させることが可能となる。このようにしてインク滴の質
量又は径を吐出させる断面積比よりもさらに大きくする
ことが可能となるため、より高階調度の画像を形成する
ことができるインクジェット印刷機となる。
【0014】また、本発明の第2の構成は、最小断面積
の部分から流路内部に向かって断面積が大きくなる流路
壁面を親水性にするものである。
【0015】この第2の構成は、最小断面積径より内側
の部分を親水性にしているため、待機状態でのインク滴
先端位置が断面積最小径の部分となり、大きいインク滴
を飛ばす場合には引き込む手段を用いずに、インク滴を
吐出する手段を用いて大きいインク滴を吐出させること
も可能となる。
【0016】さらに、本発明の第3の構成は、吐出口か
ら流路内部に向かって断面積が小さくなる部分の壁面を
撥水性にするものである。
【0017】この第3の構成は、吐出口から流路内部に
向かって断面積が小さくなっている部分を撥水性にして
いるため、待機状態でのインク滴先端が断面積径の小さ
な部分となり、第2の方法と同様に大きいインク滴を吐
出することが可能となる。また、吐出口までの部分が撥
水性になっているため、吐出口近傍に残留するインク滴
を低減することが可能となり、大きいインク滴と小さい
インク滴をさらに安定に吐出することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、図面
を参照しながら、以下に説明する。
【0019】本発明において、インク先端位置を流路内
部に引き込む手段と、押し出す手段は、発熱体や圧電
体、ポンプ等が使用されている。
【0020】本発明の第1の実施の形態は、(a)吐出
口から流路内部に向かって流路断面積が小さくなり、最
小断面積の部分を境にしてさらに流路内部に向かって断
面積が大きくなる吐出流路と、(b)インク先端位置を
流路内部に引き込む引き込み手段と、(c)インク先端
位置を流路外部に押し出す押し出し手段と、を具備し、
小さいインク滴を吐出させる場合は、前記引き込み手段
により、前記インク先端位置を前記断面積が大きくなる
場所まで引き込み、その後、前記押し出し手段により、
前記最小断面積の部分の、前記吐出口側の端縁におい
て、前記インクが剥離する程度の速度で、前記インクを
押し出すこと、を特徴とするインクジェット印刷機であ
る。
【0021】以下に、本第1の実施の形態の各実施例に
ついて説明する。
【0022】[実施例1−1]図1は、本発明の第1の
実施の形態におけるインクジェット印刷機として、圧電
体をインク先端位置を流路5内部に引き込む手段と、押
し出す手段として用いた構成の断面図である。
【0023】図1は、インクジェット印刷機の定常状態
を示した断面図であり、吐出口3で、インク2の表面張
力と外圧とが平衡状態にある。
【0024】本インクジェット印刷機は、流路枠1にイ
ンク供給口4と吐出口3の2つの開口部を有し、上部に
振動板9が固着されている。この振動板9上には、イン
ク先端位置を引き込む手段6とインク先端位置を押し出
す手段7として、圧電セラミック基板を固着している。
本実施例では圧電セラミックとしてPZT(ジルコン酸
チタン酸鉛)を用いており、このPZT基板の上面に図
示していない電極と、PZT基板の下面に位置するステ
ンレス製の振動板9により、圧電アクチュエータ10を
形成している。また、このステンレス振動板9は、PZ
T基板の下面電極の役割も果たしている。
【0025】また、インク供給口4と吐出口3は連通し
ており、インクはインク供給口より供給されて流路枠1
内のインク溜まり2を通り、吐出口3からインク滴8と
して外部に吐出される。
【0026】次に、この圧電アクチュエータ10の動作
原理を図2(a)、(b)を用いて説明する。
【0027】図2(a)、(b)は、図1のX1領域の
拡大図である。この圧電アクチュエータ10として用い
られる圧電セラミック基板は、板厚方向にパルス電圧が
印加されると、基板の長手方向に伸縮するという特性を
有する。このため、振動板9と貼り合わせることで、図
2(a)又は(b)に示すよう屈曲変位を得ることが可
能となる。例えば、正のパルス電圧を印加した場合に圧
電アクチュエータ10は伸び、負のパルス電圧を印加し
た場合に圧電アクチュエータ10が縮んだ場合、図2
(a)、(b)に示すように上下方向に屈曲変位をす
る。
【0028】従って、図2(a)の方向に圧電体が屈曲
変位を起こすようにパルス電圧を印加すると、インク滴
先端位置は流路5内部に後退し、圧電アクチュエータ1
0はインク先端位置を引き込む手段として働く。また、
図2(b)の方向に圧電体が屈曲変位を起こすようにパ
ルス電圧を印加すると、インク先端位置は流路5外部に
前進し、圧電アクチュエータ10はインク先端位置を押
し出す手段として働く。また、圧電アクチュエータ10
の変位量は、印加電圧により変化する。
【0029】次に、吐出動作について、図3および図4
を用いて説明する。
【0030】まず、図3は図1のX2部の拡大図であ
り、小さいインク滴を吐出口3から吐出させるための動
作原理を示している。また、本実施例では吐出口3から
流路5内部に向かって直径L1,L2、L3の断面を有
した流路形状をしている。
【0031】図3(a)はインク先端位置の制御を行っ
ていないときのインク先端の初期値(定常状態)を示し
ている。この状態で、圧電アクチュエータ10にパルス
電圧を印加して図3(b)に示す状態になるように比較
的大きい屈曲変位を与えると、インク先端位置は図3
(b)に示すように流路径L2の部位よりもさらに流路
5内側に後退する。次に圧電アクチュエータ10に、セ
ラミックに先ほどとは逆のパルス電圧を印加することに
より、屈曲変位は図3(c)に示すようになり、図3
(c)に示すようにインク滴は流路L2の断面部位から
小さいインク滴8として吐出される。
【0032】次に、図4は図3と同様に図1のX2部の
拡大図であり、大きいインク滴を吐出口3から吐出させ
るための動作原理を示している。また、吐出口近傍の流
路形状は図3と同様である。。
【0033】図4(a)はインク先端位置の制御を行っ
ていないときのインク先端の初期値(定常状態)を示し
ている。この状態で、圧電アクチュエータ10にパルス
電圧を印加して図4(b)に示す状態になるように比較
的小さな屈曲変位を与えると、インク先端位置は図4
(b)に示すように流路径L1とL2の間の位置まで後
退する。次に圧電アクチュエータ10に先ほどとは逆の
パルス電圧を印加することにより、屈曲変位は図4
(c)に示すようになり、図4(c)に示すようにイン
ク滴は流路L1の断面部位、つまり吐出口3から大きい
インク滴8として吐出される。
【0034】例えば本実施例では吐出口近傍の流路の形
状を、L1:120μm、L2:80μm、L3:25
0μmとし、駆動条件をパルス電圧±25V、駆動周波
数3kHzとした。
【0035】この条件で、小さいインク滴を吐出させる
方法を用いて駆動すると、流路L2の断面から、L2の
直径より小さな約60μmのインク滴が吐出した。これ
は、断面をL3からL2に変化させることにより、イン
クの流速がL2の中心付近で速くなり、結果としてL2
の断面よりも小さい部分に速度分布が集中し、小さいイ
ンク滴として吐出されるのである。
【0036】次に、同様にして大きいインク滴を吐出さ
せる方法を用いて駆動すると、流路L1の断面からL1
の直径より大きい約140μmのインク滴が吐出した。
これは、断面をL2からL1に変化させることにより、
インクの速度分布がL1の断面よりも広がり、結果とし
てL1の断面より大きいインク滴として吐出されるので
ある。
【0037】以上に示すように本実施例によれば、圧電
アクチュエータ10に印加するパルス電圧および波形を
変化させることにより、インク先端位置を任意に変化さ
せることがでる。また、吐出させるインク滴8の大きさ
は、前記した小さいインク滴と大きいインク滴の間で、
印加するパルス電圧および波形を変化させることにより
アナログ的に変化させることが可能となる。例えば大き
いインク滴を吐出させる場合と同様の方法で印加するパ
ルス電圧波形を変化させることにより容易に100μm
のインク滴を吐出することが可能である。また、本実施
例によればインク先端位置を引き込む手段6と押し出す
手段7として用いた圧電アクチュエータ10を振動板9
によりインク2と完全に分離した構造となるため、特に
圧電アクチュエータ10のように水分により性能が劣化
する素子を使用する場合、素子の劣化を防止し、インク
先端位置制御の信頼性を向上することができる。
【0038】なお、本実施例では引き込む手段6と押し
出す手段7として圧電アクチュエータ10を用いたが、
これに限ることなく例えば圧電アクチュエータのかわり
に磁歪素子を用いることも可能であり、さらには所望の
特性を有するものであれば、インク先端位置を流路5内
部に引き込む手段として減圧機、押し出す手段として熱
源を用いてもよい。
【0039】さらに、本実施例で用いた流路径は一例で
あり、寸法および形状を変化させることにより吐出させ
るインク滴8の大きさを変えることが可能である。
【0040】〔実施例1−2〕本発明の第1の実施の形
態について、別の実施例を以下に示すが、図5は、この
実施例を示す構成図である。ここで、図1と同様に構成
できる各部については対応箇所に同一符号を付してい
る。
【0041】本実施例が実施例1と異なる点は、圧電ア
クチュエータ10として直接接合型単結晶圧電基板を用
いたことである。
【0042】本実施例では、直接接合型圧電アクチュエ
ータとしてニオブ酸リチウム基板6,7の分極方向を反
転させて接合した基板を用いている。また、この接合さ
れた2枚のニオブ酸リチウム基板の両面には、図示して
いない電極を蒸着を用いて形成している。図1における
振動板9は用いていない。
【0043】ここで用いた直接接合法とは、鏡面研磨さ
れた2枚の無機基板に親水化処理をして表面にOH基等
の親水基を生成させ、両面を直接的に面接して加熱処理
することにより2枚の無機基板を接合させるものであ
る。そして、直接接合とは、この処理により生じる接合
表面のOH基による水素結合や、それぞれの基板表面を
構成する元素間ないしOH基に起因する酸素を介した共
有結合やイオン結合などの原子レベルの強固な接合をい
う。
【0044】基板の材料によっては直接接合処理中に、
接合界面に酸化膜が形成され、バッファ層となる場合も
ある。このような材料には、現在のところ、シリコン、
石英、ガラス、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リ
チウム、ホウ酸リチウムなどがある。
【0045】次に、この単結晶圧電アクチュエータ10
の動作原理であるが、基本的には実施例1と同様にパル
ス電圧を印加することにより図2(a)又は(b)のよ
うに屈曲変位する。
【0046】実施例1の場合と異なる点は、大きく分け
て2カ所あり、一つが2枚の単結晶基板を分極を反転さ
せて接合することにより、パルス電圧を印加することに
より一方の圧電基板が伸びの方向に変化すればもう一方
の圧電基板は縮みの方向に変化することにより、圧電ア
クチュエータ10全体として屈曲変位を発生する点、も
う一つは、単結晶圧電基板を直接接合法を用いて接合し
ているため、特性のばらつきが非常に小さく、かつアク
チュエータの制御性が非常によいという点である。
【0047】以上のように本実施例によれば、実施例1
と同様の効果を得ることができる。また、アクチュエー
タの制御性はインクの先端位置を精密に制御する上で非
常に重要な要素であり、この直接接合型アクチュエータ
を用いることより、実施例1の場合よりもさらにインク
滴を制御性よく吐出することが可能となり、高画質の画
像を安定に得ることができる。
【0048】〔実施例1−3〕以下に本発明の第3の実
施例について、図6の構成図を用いて説明する。ここで
図1と同様に構成できる各部については同一符号を付し
ている。
【0049】本実施例が実施例1と異なるのは、吐出口
3近傍の流路5の壁面が楕円形状になったことである。
この、吐出口近傍の形状を変化させることにより吐出動
作に違いが生まれる。
【0050】次に、この吐出動作について図7および図
8を用いて説明する。
【0051】まず、図7は図6のX部の拡大図であり、
小さいインク滴を吐出口3から吐出させるための動作原
理を示している。本実施例では吐出口から流路5内部に
向かって直径L1、L2、L3の断面を有しており、そ
の断面形状の変化が楕円形状をしている。
【0052】図7(a)は、インク先端位置の制御を行
っていないときのインク先端位置の初期値を示してい
る。実施例1の場合と同様圧電アクチュエータ10にパ
ルス電圧を印加してインク先端位置を図7(b)に示す
ように流路径L2の部位よりもさらに流路5内部に後退
させる。次に圧電アクチュエータ10に逆のパルス電圧
を印加することにより、図7(c)に示すようにインク
先端位置は流路5外部に押し出され、流路径L2の断面
部位から小さいインク滴8として吐出される。
【0053】次に、図8は図7と同様に図6のX部の拡
大図であり、大きいインク滴を吐出口3から吐出させる
ための動作原理を示している。また、吐出口近傍の流路
形状は図6と同様である。
【0054】図8(a)は、インク先端位置の制御を行
っていないときのインク先端位置の初期値を示してい
る。実施例1の場合と同様圧電アクチュエータ10にパ
ルス電圧を印加してインク先端位置を図8(b)に示す
ように流路径L1とL2の間の部位に後退させる。次に
圧電アクチュエータ10に逆のパルス電圧を印加するこ
とにより、図8(c)に示すようにインク先端位置は流
路外部に押し出され、流路径L1の断面から大きいイン
ク滴8として吐出される。
【0055】例えば本実施例では吐出口近傍の流路の形
状を、L1:120μm、L2:80μm、L3:25
0μmとし、駆動条件をパルス電圧±25V、駆動周波
数3kHzとした。
【0056】この条件で小さいインク滴を吐出させる方
法を用いて駆動すると、流路L2の断面からL2の直径
より小さい約55μmのインク滴が吐出した。これは、
流路断面をL3からL2に変化させているため、L2近
傍の流速分布が中心付近ほど速くなり、結果として流路
径L2よりも小さいインク滴が吐出すると考えられる。
さらに、実施例1の場合よりも吐出するインク滴が小さ
くなるのは、流路壁を楕円形状に変化させることによ
り、さらに流速分布が中心部に偏るためである。
【0057】次に、同様にして大きいインク滴を吐出さ
せる方法を用いて駆動すると、流路L1の断面からL1
の直径より大きい約130μmのインク滴が吐出した。
これは、断面をL2からL1に楕円形状に変化させてい
るため、L1近傍の流速分布が吐出口で均一になり、流
路径よりも大きいインク滴8が吐出すると考えられる。
また、本実施例は実施例1とは異なり、吐出口3での
速度分布が一定となっているため、ノズル径に対するイ
ンク滴8の拡大率は減少しているものの、速度分布が一
定であるため実施例1の場合よりもさらに安定した吐出
を得ることが可能となる。
【0058】以上のように本実施例によれば、実施例1
の場合と同様の効果を得ることができる。また、吐出口
近傍の流路形状を変化させることにより、吐出されるイ
ンク滴8の変調範囲が小さい領域にシフトしているた
め、より細かいドットを用いた画像形成が可能となり、
さらなる高画質化につながる。
【0059】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。
【0060】この第2の実施の形態は、最小断面積の部
分から流路内部に向かって断面積が大きくなる流路壁面
を親水性にする、あるいは吐出口から流路内部に向かっ
て断面積が小さくなり、最小断面積に到達するまでの流
路壁面を撥水性にすることを特徴とするものである。
【0061】この第2の実施の形態の各実施例を説明す
る。
【0062】〔実施例2−1〕以下本発明の第2の実施
の形態について図9を参照しながら、より具体的に説明
する。
【0063】本インクジェット印刷機は、流路枠1にイ
ンク供給口4と吐出口3の二つの開口部を有している。
吐出口2の内側の流路にはインク滴を流路外部に押し出
す手段7としてヒーターを有し、この部分に対応して電
気熱変換体にパルス電圧を印加してインク2を膜沸騰さ
せて、吐出口からインク滴8を吐出する。また、インク
供給口4の外部には、インク滴を流路内部に引き込む手
段としてポンプを設置している。
【0064】また、吐出口3近傍の流路壁の一部に二酸
化シリコン皮膜をスパッタ法を用いて堆積させることに
より、一部分だけ親水性にしている。流路壁の親水化の
場所に関しては、次の吐出動作の項で説明する。
【0065】次に、吐出動作について、図10および図
11を用いて説明する。
【0066】まず図10は、図9のX部の拡大図であ
り、小さいインク滴を吐出口3から吐出させるための動
作原理を示している。また、本実施例では吐出口3から
流路内部に向かって直径L1、L2、L3の断面を有し
た流路形状をしている。また、前記したように、流路断
面L2の部位からL3の部位の間は二酸化シリコン皮膜
により親水化処理を行っている。
【0067】図10(a)は、インク先端位置の制御を
行っていないときのインク先端の初期値を示している。
この初期値は、上述した実施例1−1から1−3の場合
とは異なり、インク先端位置が流路断面L2の部位にあ
る。この初期状態は、流路の一部が親水性を持つことで
実現される。
【0068】この状態で、インク先端位置を引き込む手
段6であるポンプにより、インク先端位置が図10
(b)の状態になるように制御する。次に、インク先端
位置を押し出す手段7である電気熱変換体にパルス電圧
を印加してインク2に膜沸騰を発生させ、図10(c)
に示すように流路L2の断面部位から小さいインク滴8
を吐出させる。
【0069】次に図11は図10と同様に図9のX部の
拡大図であり、大きいインク滴を吐出口3から吐出させ
るための動作原理を示している。また、吐出口近傍の流
路形状に関しては図10と同様である。
【0070】図11(a)はインク先端位置の制御を行
っていないときのインク先端位置の初期値を示してい
る。前記した小さいインク滴を吐出させる場合と同様
に、インク滴先端位置は流路L2の断面部位にある。実
施例1−1から1−3の場合は、インク滴を吐出させる
前にインク先端位置を引き込む手段6を用いて、インク
先端位置を変化させる必要があったが、この場合は、最
初からインク先端位置が流路L2の断面にあるため、本
実施例ではこの動作が不要となる。従って、インク先端
位置を引き込む手段6を用いずに、直接インク先端位置
を押し出す手段7の電気熱変換体にパルス電圧を印加し
て、インク2に膜沸騰を発生させ、図11(b)に示す
ように流路L1の断面から大きいインク滴8を吐出させ
る。
【0071】例えば本実施例では吐出口近傍の流路形状
を、L1:60μm、L2:30μm、L3:200μ
mとした。
【0072】この条件で小さいインク滴を吐出させる方
法を用いて駆動すると、流路L2の断面部位から、L2
の直径より小さな約28μmのインク滴が吐出した。
【0073】次に、同様にして大きいインク滴を吐出さ
せる方法を用いて駆動すると、流路L1の断面部位から
L1の直径よりも大きい63μmのインク滴が吐出し
た。
【0074】以上に示すように、本実施例によれば実施
例1と同様に1つの吐出口3から大きさの違うインク滴
を吐出することが可能である。
【0075】また、流路断面の形状を図10および図1
1に示すように曲面を有する形状にすることにより、実
施例1の場合よりは変調範囲が小さくなるものの、吐出
安定性がよくなり、インク滴8の大きさをさらに精密に
制御することが可能である。
【0076】さらに、本実施例では親水化の方法として
二酸化シリコン膜のスパッタ法を用いたが、断面の一部
を親水化できる他の方法でも、同様に初期位置を断面L
の部位に出来る。
【0077】〔実施例2−2〕以下に本第2の実施の形
態の第2−2の実施例について、図12を用いて説明す
る。ここで図9と同様に構成できる各部については同一
符号を付している。
【0078】本実施例が実施例2−1と異なるのは、吐
出口3近傍の流路5の壁面の曲面の形状と、実施例2−
1では流路壁の1部を親水処理していたのに対し、本実
施例では吐出口近傍の流路壁の1部を撥水処理した点で
ある。撥水処理は、撥水スプレーを塗布することにより
行い、その撥水処理の場所に関しては、次の吐出動作の
項で説明する。
【0079】次に、吐出動作について、図13および図
14を用いて説明する。
【0080】この図13と図14は、図12のX部の拡
大図であり、小さいインク滴と大きいインク滴を吐出口
3から吐出させるための動作原理を示している。また、
本実施例では吐出口3から流路内部に向かって直径L
1、L2、L3の断面部位を有した流路形状をしてい
る。また、前記したように、流路断面L1の部位からL
2の部位間は撥水スプレーを用いて撥水処理を行ってい
る。
【0081】吐出動作の実施例2−1との違いは、実施
例2−1では流路L2からL3の断面を親水化すること
により、インク滴の初期位置を流路L2の断面部位にし
ていたが、本実施例では、流路L1部位からL2部位の
断面を撥水化することにより流路L2の断面部位にイン
ク初期位置がきている点である。
【0082】以上のように本実施例2−2によれば実施
例2ー1と同様の効果を得ることができる。さらに、実
施例2−1と比較して、吐出口近傍の流路形状の曲がり
形状が逆転しているため、大きなインク滴8の大きさ
を、より大きくできるものである。なお、小さなインク
滴8については、実施例2−1と実施例2−2とは同じ
である。
【0083】このように、実施例2−2は、実施例2−
1に対して、インク滴8の変調幅を大きくとれることに
なる。
【0084】また、本実施例では吐出口近傍に撥水処理
を施しているため、吐出口近傍に残留するインクを低減
することが可能となり、より安定吐出を行うことが可能
である。
【0085】なお、本実施例では流路壁の一部を撥水処
理して初期状態のインク先端位置を流路L2の断面部位
にしているが、実施例2−1で用いた親水化の方法と組
み合わせることにより、より確実に流路L2の断面部位
にインクの先端位置がくるようになり、さらに安定した
吐出を得ることが可能となる。
【0086】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。この第3の実施の形態は、流路断面積が変化してい
る部分の断面に段差をもうけることを特徴とするもので
ある。
【0087】〔実施例3−1〕以下本発明の第3の実施
の形態について図15を参照しながら、より具体的に説
明する。
【0088】本インクジェット印刷機は、流路枠1に、
インク供給口4と、吐出口3と、下部開口部を有し、下
部の開口部にはインク先端位置を流路の内で変化させる
手段6、7として実施例1−2に示した直接接合型単結
晶圧電アクチュエータ10が固着され、上部には振動板
9が配置されている。この上部の振動板9には、インク
先端位置を流路の内で変化させる手段6、7として実施
例1−1に示した圧電セラミック基板が固着されてい
る。この上下のインク先端位置制御手段を用いて、吐出
口3から質量または径を変化させたインク滴8を吐出さ
せる。
【0089】また、吐出口3近傍の流路壁の一部に段差
が設けられている。この段差に関しては、次の吐出動作
の項で説明する。
【0090】次に、吐出動作について、図16および図
17を用いて説明する。
【0091】まず、図16は図15のX部の拡大図であ
り、小さいインク滴を吐出口3から吐出させるための動
作原理を示している。また、本実施例では他の実施例と
は違い、吐出口から流路5内部に向かって直径L1、L
2、L3の断面の他に、L1とL2の断面の間にさらに
二つのL11、L12の断面を有した流路形状をしてい
る。
【0092】図16(a)はインク先端位置の制御を行
っていないときのインク先端の初期値(定常状態)を示
している。この状態で、圧電セラミックを用いた圧電ア
クチュエータ10にパルス電圧を印加して図2(a)に
示す状態になるように大きく屈曲変位を与えると、イン
ク先端位置は図16(b)に示すように流路径L2の部
位よりもさらに流路5内側に後退する。次に下部の直接
接合型単結晶圧電アクチュエータ10にパルス電圧を印
加して屈曲変位させることにより、図3(c)に示すよ
うにインク滴は流路L2の断面部位から小さなインク滴
8として吐出される。
【0093】次に、図17は図16と同様に図15のX
部の拡大図であり、大きいインク滴を吐出口3から吐出
させるための動作原理を示している。また、吐出口近傍
の流路形状は図16と同様である。。
【0094】図17(a)はインク先端位置の制御を行
っていないときのインク先端の初期値(定常状態)を示
している。この状態で、下部の直接接合型単結晶圧電ア
クチュエータ10にパルス電圧を印加して屈曲変位を与
えると、インク先端位置は図17(b)に示すように流
路径L12とL2の間の流路5まで後退する。次に上部
の圧電セラミックを用いた圧電アクチュエータ10に圧
電セラミックにパルス電圧を印加することにより、図1
7(c)に示すようにインク滴は流路L1またはL1
1、L12の断面からインク滴8として吐出される。
【0095】例えば本実施例では吐出口近傍の流路の形
状を、L1:120μm、L11:90μm、L12:
60μm、L2:30μm、L3:200μmとし、駆
動条件をパルス電圧±15から50V、駆動周波数3k
Hzとした。
【0096】この条件で、小さいインク滴を吐出させる
方法を用いて駆動すると、流路L2の断面から、L2の
直径より小さな約26μmのインク滴が吐出した。これ
は、断面をL3からL2に変化させることにより、イン
クの流速がL2の中心付近で速くなり、結果としてL2
の断面よりも小さい部分に速度分布が集中し、小さいイ
ンク滴として吐出されるのである。次に、同様にして大
きいインク滴を吐出させる方法を用いて駆動すると、流
路L1の断面からL1の直径より大きい約140μmの
インク滴が吐出した。これは、断面をL2からL1に変
化させることにより、インクの速度分布がL1の断面よ
りも広がり、結果としてL1の断面より大きいインク滴
として吐出されるのである。
【0097】また、印加するパルス電圧を変化させるこ
とにより、段差の流路L11又はL12の断面部位から
インク滴8を吐出させることが可能であり、流路L11
の断面部位からは98μm、流路L12の断面部位から
は65μmのインク滴が吐出した。このように段差を設
けることによって、色々な径のインク滴を吐出できる。
【0098】以上に示すように本実施例によれば、実施
例1−1と同様の効果を得ることができる。また、流路
断面の段差の数を増やすことにより、インク滴8の質量
または径を容易に変化させることが可能となる。
【0099】さらに、本実施例では大きいインク滴8と
小さいインク滴8を吐出させるときに用いているインク
先端位置を引き込む手段6と、押し出す手段7に2種の
圧電基板、すなわち小さいインク滴8を吐出する場合に
は、引き込む手段として圧電セラミックアクチュエータ
を用い、押し出す手段として単結晶圧電アクチュエータ
を用い、大きいインク滴8を吐出する場合には、反対に
引き込む手段として単結晶圧電アクチュエータを用い、
押し出す手段として圧電セラミックアクチュエータを用
いている。このような構成にすることにより、2つのア
クチュエータの特性のよい点だけを用いて駆動すること
が可能となり、さらにインク滴8吐出時の安定性が向上
する。
【0100】なお、本実施例では2つの圧電アクチュエ
ータ10を1つずつ用いたが、両方を同時に用いて制御
することも可能である。
【0101】さらに、実施例2−1または2−2に示し
た、吐出口近傍の流路5内部の壁面を親水化、あるいは
撥水化処理するとにより、実施例4または5と同様の効
果を得ることが可能である。
【0102】さらにまた、本実施例1−1から3ー1に
示した、小さいインク滴と大きいインク滴に対して、公
知の駆動波形の最適化法を適用することによりさらに変
調幅を拡大することが可能である。
【0103】さらに、実施例1−1から3−1に示した
形状以外の吐出口近傍の形状を有したものであっても、
その形状が吐出口から流路内部に向かって流路の断面積
が小さくなり、最小断面積の部分を境にしてさらに流路
内部に向かって断面積が大きくなる形状を有したもので
あれば、同様の効果を得ることが可能である。
【0104】次に、第4の実施の形態を説明する。
【0105】本第4の実施の形態の発明は、(a)吐出
口から流路内部に向かって流路断面積が小さくなり、最
小断面積の部分が所定の長さを有し、それからさらに流
路内部に向かって断面積が大きくなる流路と、(b)イ
ンク先端位置を流路内部に引き込む手段と、(c)イン
ク先端位置を流路外部に押し出す手段と、を具備するも
のである。
【0106】図18(a),(b)、(c)はその内容
を示すものである。図18(a)において、P1は、吐
出口から断面積が流路内部に向かって小さくなる場所の
面である。P2は最小断面積部分の場所の面であり、P
3は断面積が流路内部に向かって大きくなる場所の面で
ある。
【0107】面P1と面P2との境界は、最小断面積の部
分の吐出口3側の端縁である。つまり、P1,P2はそ
の端縁の両側の面である。そして、面P1,面P2のなす
角度αは、小さいインク滴を吐出する際、剥離をスムー
ズに行わせるため、20度以上が望ましい。
【0108】他方、面P2と面P3との境界は、最小断
面積の部分の吐出口3側とは反対側の端縁である。つま
り、P2,P3はその端縁の両側の面である。そして、
面P2,面P3のなす角度βは、インクのいわゆる絞り
込み効果を効果的にするため、20度以上が望ましい。
【0109】なお、その面P2と面P3との境界でイン
クは絞り込まれるので、インクの流れる速度はその境界
から吐出口側へいくほど増す。しかし、最小断面積の部
分が長さを有する場合、その内壁との摩擦によって徐々
に速度が遅れ始める。従って、その最小断面積の部分の
長さは、インクの速度が理論上最大となる部位と等しい
あるいはより短いことが望ましい。すなわち、(b)に
示すように、最小断面積の部分の吐出口3側の端縁に、
理論上の最大速度点が存在することが望ましい。しか
し、本発明はそれに限定されることはもちろん無い。
【0110】なお、図18(c)は、断面積が大きくな
る面P3が平面でなく、屈曲した面である場合である。
このような形状でも、インクは面P3から面P2に流れ
ることによって、インクの絞り込みが起こり、速度が増
す。
【0111】なお、本発明は、一般のインクジェット印
刷機のみならず、ファクシミリ、ワードプロセッサ、レ
ジスター等の印刷機器を備えた機器と組み合わせて用い
てもよい。また、工業製品への刻印や描画、薬液の塗布
など、製造ラインで用いる装置としても適用できる。ま
た、本発明の被記録媒体は、紙のみならず、金属、ガラ
ス、樹脂、陶器、木材、布、皮革などとしてもよい。
【0112】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば吐出口近
傍の流路形状を変化させ、インク先端位置を流路内部に
引き込む手段と押し出す手段を用いて、インク滴を制御
することにより、今まで以上に高階調で、高速度の記録
を行うことが可能となる。
【0113】また、流路の形状ならびに処理を変えて、
インク先端位置の制御手段と組み合わせることにより、
様々な特性を有したのインク滴を吐出することが可能と
なる。
【0114】さらに、本構成を用いることにより、イン
クジェット印刷機のヘッド構造を複雑化が生じないよう
にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるインクジェット
印刷機の模式的断面図。
【図2】図1の圧電アクチュエータの動作を示す説明
図。
【図3】本発明の一実施例における小さいインク滴を吐
出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図4】本発明の一実施例における大きいインク滴を吐
出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図5】本発明の他の実施例に係わるインクジェット印
刷機の模式的断面図。
【図6】本発明の他の実施例に係わるインクジェット印
刷機の模式的断面図。
【図7】本発明の一実施例における小さいインク滴を吐
出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図8】本発明の一実施例における大きいインク滴を吐
出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図9】本発明の他の実施例に係わるインクジェット印
刷機の模式的断面図。
【図10】本発明の一実施例における小さいインク滴を
吐出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図11】本発明の一実施例における大きいインク滴を
吐出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図12】本発明の他の実施例に係わるインクジェット
印刷機の模式的断面図。
【図13】本発明の一実施例における小さいインク滴を
吐出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図14】本発明の一実施例における大きいインク滴を
吐出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図15】本発明の他の実施例に係わるインクジェット
印刷機の模式的断面図。
【図16】本発明の一実施例における小さいインク滴を
吐出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図17】本発明の一実施例における 大きいインク滴
を吐出させる場合の吐出動作を示すための説明図。
【図18】(a),(b),(c)は、本発明の他の実
施の形態における流路の模式的断面図。
【図19】従来のインクジェット印刷機の模式的断面図
【符号の説明】
1 流路枠 2 インク 3 吐出口 4 インク供給口 5 流路 6 引き込む手段 7 押し出す手段 8 インク滴 9 振動板 10 圧電アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 祐幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 冨田 佳宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川▲さき▼ 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインク滴を吐出させ、記録媒
    体上にこれを着弾させドットを形成することで画像を形
    成するインクジェット印刷機において、(a)吐出口か
    ら流路内部に向かって流路断面積が小さくなり、最小断
    面積の部分を境にしてさらに流路内部に向かって断面積
    が大きくなる吐出流路と、(b)インク先端位置を流路
    内部に引き込む引き込み手段と、(c)インク先端位置
    を流路外部に押し出す押し出し手段と、を具備し、 小さいインク滴を吐出させる場合は、前記引き込み手段
    により、前記インク先端位置を前記断面積が大きくなる
    場所まで引き込み、その後、前記押し出し手段により、
    前記最小断面積の部分の、前記吐出口側の端縁におい
    て、前記インクが剥離する程度の速度で、前記インクを
    押し出すこと、 を特徴とするインクジェット印刷機。
  2. 【請求項2】 前記最小断面積の部分の、前記吐出口側
    の端縁の両側の2つの面がなす角度が、20度以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷
    機。
  3. 【請求項3】 前記最小断面積の部分の、前記吐出口側
    とは反対側の端縁の両側の2つの面がなす角度が、20
    度以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット印刷機。
  4. 【請求項4】 前記最小断面積の部分は所定の長さを有
    し、さらに、前記流路の中心線上での速度が、前記最小
    断面積の部分の、前記吐出口側の端縁において、最大と
    なることを特徴とする請求項1記載のインクジェット印
    刷機。
  5. 【請求項5】 前記吐出流路は、前記最小断面積の部分
    から流路内部に向かって断面積が大きくなる流路壁面
    が、親水性を有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のインクジェット印刷機。
  6. 【請求項6】 前記吐出流路は、前記吐出口から流路内
    部に向かって断面積が小さくなり、前記最小断面積に到
    達するまでの部分が、撥水性を有することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット印刷
    機。
  7. 【請求項7】 前記吐出流路は、その流路断面積が変化
    している部分の断面に段差が形成されていることを特徴
    とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェッ
    ト印刷機。
  8. 【請求項8】 前記吐出流路は、その流路断面積が変化
    している部分の断面に屈曲面が形成されていることを特
    徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェ
    ット印刷機。
  9. 【請求項9】 前記吐出流路は、その流路断面積の変化
    が連続的であることを特徴とする請求項1から6のいず
    れかに記載のインクジェット印刷機。
  10. 【請求項10】 前記インク先端位置を流路内部に引き
    込む手段と、流路外部に押し出す手段が同一の手段で兼
    ねられていることを特徴とする請求項1から9のいずれ
    かに記載のインクジェット印刷機。
  11. 【請求項11】 印刷の待機状態において、インク先端
    位置が、前記吐出流路内で適宜選択されることによっ
    て、インクの大きさが選択されることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれかに記載のインクジェット印刷機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014113796A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、液体噴射装置
WO2015152186A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッドの駆動方法及びインクジェット記録装置
JPWO2017018414A1 (ja) * 2015-07-27 2018-05-31 京セラ株式会社 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置

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