JP6124680B2 - 移動手摺の異常検出装置及び乗客コンベア - Google Patents

移動手摺の異常検出装置及び乗客コンベア Download PDF

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Description

本発明は、乗客コンベアにおける移動手摺の走行状態の異常を検出する移動手摺の異常検出装置、及び、この異常検出装置を備えた乗客コンベアに関する。
乗客コンベアにおいて、走行中の移動手摺、あるいは移動手摺との接触部分の温度を測定することにより、例えば、移動手摺と移動手摺の接触部分との摺動摩擦の増大等の、移動手摺の走行状態異常を早期に検出する方法がある。
このような乗客コンベアにおける移動手摺の異常検出装置が例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1には、移動手摺を摺動案内する手摺ガイドの温度を測定し、この温度が所定の温度を超えた場合に異常を検出する方法が開示されている。また特許文献2には、移動手摺の表面温度と、移動手摺周辺の環境温度とを測定し、表面温度と環境温度との温度差から、移動手摺の走行状態が正常か否かを表す指標である移動手摺の走行抵抗値を算出する方法が開示されている。
特開2011−98797号公報 特開2006−160520号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、上述のように手摺ガイドの測定温度が予め定めた所定温度を超えた場合に異常を検出する。よって、移動手摺周辺の環境温度が高い場合には、移動手摺は正常状態であっても手摺ガイドの温度が高くなり、異常を誤検出するおそれがある。また逆に環境温度が低い場合には、手摺ガイドの温度も低くなるので、異常が検出されない場合がある。
また、特許文献2に開示の技術では、上述のように測定した移動手摺の表面温度と測定した環境温度との差から移動手摺の走行抵抗を算出することから、環境温度に応じて移動手摺の走行抵抗を検出することができる。一方、例えば、屋内における冷暖房装置の起動及び停止の後など、環境温度が短時間の間に大きく変化する場合でも、移動手摺の表面温度は緩やかにしか変化しない。このため、移動手摺の表面温度と環境温度との温度差が一時的に大きくなり、異常の誤検出が生じる場合がある。また、環境温度を測定する温度センサを設置する場所及び設置方法によって、測定された環境温度が異なるという問題もある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、移動手摺周辺の環境温度の状態にかかわらず、移動手摺の走行状態異常を早期に確実に検出可能とする、乗客コンベアの移動手摺の異常検出装置、及びこの異常検出装置を備えた乗客コンベアを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様における移動手摺の異常検出装置は、乗客コンベアの運転に同期して循環移動する移動手摺の移動経路に設置され、異常発熱発生の可能性が高い高発熱箇所の温度を測定する第1温度センサと、上記移動手摺の移動経路に設置され、上記高発熱箇所に比べて異常発熱発生の可能性が低い低発熱箇所の温度を測定する第2温度センサと、移動手摺の走行中に上記第1温度センサで測定した温度と上記第2温度センサで測定した温度との温度差を元に、移動手摺における走行状態の異常を検出する異常検出部とを備えたことを特徴とする。
本発明の一態様における移動手摺の異常検出装置によれば、移動手摺の移動経路上における高発熱箇所及び低発熱箇所の2箇所における測定温度差に基づいて移動手摺の走行状態異常を検出する。よって、移動手摺周辺の環境温度の状態にかかわらず、移動手摺の異常を早期に確実に検出することが可能となる。
本発明の実施の形態1における移動手摺の異常検出装置を備えた乗客コンベアの全体構成を示す図である。 図1に示す異常検出装置に備わる温度センサの設置箇所の断面図である。 図1に示す異常検出装置の動作を示すフローチャートである。 図1に示す異常検出装置の第1温度センサで測定される温度、第2温度センサで測定される温度、及び環境温度のデータ例の経時変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における移動手摺の異常検出装置を備えた乗客コンベアの全体構成を示す図である。 図5に示す異常検出装置の動作を示すフローチャートである。 図5に示す異常検出装置の基準温度差更新処理の動作を示すフローチャートである。
本発明の実施形態である移動手摺の異常検出装置、及びこの異常検出装置を備えた乗客コンベアについて、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。また、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け当業者の理解を容易にするため、既によく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、以下の説明及び添付図面の内容は、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における移動手摺の異常検出装置を備えた乗客コンベアの全体構成を示す図である。図1において、乗客コンベアとしてのエスカレーター30は、建物内の上階と下階との間に架設されたトラス1に支えられており、このトラス1内には、エスカレーター30の基本的構成部分として、エスカレーター30を駆動する駆動機2と、駆動機2などの動作を制御することによってエスカレーター30を運転制御する制御装置3と、エスカレーター30の上階及び下階にそれぞれ設置される踏段スプロケット4とが配置されている。各踏段スプロケット4には、無端状の踏段チェーン5が巻き掛けられ、踏段チェーン5には、複数個の踏段6が無端状に連結されて係止されている。そして、一方の、本例では上階側の、踏段スプロケット4が駆動機2によって駆動されることで、踏段チェーン5が踏段スプロケット4間を循環し、踏段6がトラス1内を循環移動する。
またトラス1上には、踏段6の左右両側に沿って一対の欄干7が立設されており、欄干7の周縁には、踏段6の移動に同期して踏段6の走行方向6aに沿って循環移動する無端状の移動手摺8が設けられている。トラス1内の上階側には、移動手摺8を複数個のローラで狭圧して摩擦により走行させる手摺駆動装置9が配置されている。踏段スプロケット4と同軸上に設けられた手摺スプロケット10と手摺駆動装置9との間には手摺チェーン11が巻き掛けられている。駆動機2の駆動力が手摺スプロケット10及び手摺チェーン11を介して手摺駆動装置9に伝達することにより、移動手摺8が踏段6と同期して、踏段6の走行方向6aと同一方向に循環移動する。
欄干7の周縁部には、移動手摺8を摺動案内する手摺ガイド12(図2)が設けられている。図2に示すように移動手摺8は、断面略C字型に、手摺ガイド12は断面略長円形にそれぞれ形成されており、移動手摺8は手摺ガイド12の上面12b及び両側面12cを覆うようにして、手摺ガイド12に対して摺動自在に係合している。尚、移動手摺8の移動経路において、手摺駆動装置9の設置箇所及びその前後の所定箇所では、手摺ガイド12が一旦途切れている。
また、移動手摺8の移動経路における帰路側下曲部14には、手摺長さ調整装置13が設けられ、移動手摺8の長さを調整できる構造になっている。尚、移動手摺8の移動経路において、トラス1内に隠れている側を帰路側と称し、乗客が把持する側を往路側と称する。
以上のように構成されるエスカレーター30に備わり、移動手摺8の走行状態の異常を検出する異常検出装置20は、基本的構成部分として、第1温度センサ21と、第2温度センサ22と、異常検出部23とを備える。
第1温度センサ21は、移動手摺8の移動経路上において、移動手摺8と手摺ガイド12との間の摺動摩擦の増大によって異常な発熱が生じる可能性が高い高発熱箇所(図1のA部)に設置される。この高発熱箇所は、本実施の形態1では、移動手摺8の移動経路における上階側の帰路側上曲部15に位置し、より詳しくは上階側における乗降部分に位置する。第1温度センサ21は、帰路側上曲部15の手摺ガイド12上に設置され、当該箇所の手摺ガイド12の非摺動側表面12aの温度を測定する。尚、非摺動側表面12aは、図2に示すように、手摺ガイド12において移動手摺8と摺動する上面12bの対向面に相当する。
第2温度センサ22は、移動手摺8の移動経路上において、移動手摺8と手摺ガイド12との間の摺動摩擦の増大、及びその他の原因によって異常な発熱が生じる可能性が極めて低い、換言すると移動手摺8あるいは手摺ガイド12の温度が上述の高発熱箇所に比べて低くなる、低発熱箇所に設置される。この低発熱箇所の選定は、以下のように考えることができる。
即ち、移動手摺8あるいは手摺ガイド12に異常な発熱が生じる原因としては、上述のように帰路側上曲部15における移動手摺8と手摺ガイド12との間の摺動摩擦の増大の他に、移動手摺8と、手摺駆動装置9に備わり移動手摺8に接触し駆動するローラとの間のスリップの増加、あるいは手摺長さ調整装置13における移動手摺8と手摺ガイド12との間の摺動摩擦の増大が挙げられる。したがって、低発熱箇所は、このような異常発熱発生箇所から遠位あるいは最遠位となる箇所を選択することができる。例えば、エスカレーター30が上昇運転している場合には、低発熱箇所は、移動手摺8の移動経路における下階側の帰路側下曲部14よりも上側の箇所、より詳しくは、帰路側下曲部14に配置される手摺長さ調整装置13に対して上流側で移動手摺8が手摺長さ調整装置13へ進入する直前の箇所(図1のB部)が相当する。また、エスカレーター30が下降運転している場合には、低発熱箇所は、手摺駆動装置9より下側の箇所、より詳しくは、手摺駆動装置9に対して上流側で移動手摺8が手摺駆動装置9へ進入する直前の箇所(図1のC部)が相当する。
よって第2温度センサ22は、このような低発熱箇所の手摺ガイド12上に設置され、当該箇所の手摺ガイド12の非摺動側表面12aの温度を測定する。尚、第2温度センサ22も第1温度センサ21と同様に設置され、第2温度センサ22の設置箇所の断面図も図2のようになる。また、以下の説明において図1では、エスカレーター30は上昇運転しているものとする。
異常検出部23は、第1温度センサ21で測定した温度と、第2温度センサ22で測定した温度とを取得し、これら2つの温度の温度差を求め、この温度差に基づいて、移動手摺8の走行状態の異常を判断する。このように機能上、異常検出部23は、温度取得部23a、温度差演算部23b、及び異常判断部23cを有するが、実際にはコンピュータを用いて実現され、温度取得部23a、温度差演算部23b、及び異常判断部23cは、各機能に対応するソフトウェア、及びこれを実行するためのCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアから構成される。
以上のように構成される、本実施の形態1における、移動手摺8の異常検出装置20の動作について説明する。
図3は、実施の形態1における異常検出装置20の動作を示すフローチャートである。移動手摺8の異常検出装置20は、一定時間ごと、例えば1秒ごとにこの動作を行う。また図4は、第1温度センサ21で測定される第1測定温度、第2温度センサ22で測定される第2測定温度、及び、移動手摺8周辺の環境温度の各データ例の経時的変化を示した図である。図4に示す例において、時刻t0以前では、エスカレーター30は運転しておらず、かつ、移動手摺8周辺の環境温度についても安定した状態が長時間続いており、時刻t0でエスカレーター30の運転を開始したものとする。
このような状況において、時刻t0にて第1温度センサ21で測定される第1測定温度及び第2温度センサで測定される第2測定温度は、ともに、移動手摺8周辺の環境温度とほぼ同じ温度となる。
エスカレーター30の運転を開始すると、図4に示すように、環境温度は変化なく安定していても、第1測定温度及び第2測定温度は、ともに徐々に上昇し、適当な時間が経過すると、第1測定温度及び第2測定温度は安定する。第1温度センサ21及び第2温度センサ22を設置した手摺ガイド12におけるこのような温度上昇は、移動手摺8と、移動手摺8に接触する部分との間における摺動摩擦による発熱に起因し、移動手摺8が異常なく正常に走行している場合においても生じる。エスカレーター30の運転が開始されてから適当な時間が経過すると、摺動摩擦による発熱と環境空間への放熱とが平衡する状態になるので、手摺ガイド12の温度は安定する。この例では、時刻t1にて、このような平衡状態に達し、現在時刻がt1であるとする。
図3のステップS101では、異常検出部23の温度取得部23aは、時刻t1にて、第1温度センサ21で測定した第1測定温度と、第2温度センサ22で測定した第2測定温度とを取得する。尚、異常検出部23による第1温度センサ21及び第2温度センサ22からの各温度の取得方法は、有線及び無線を問わない。
次のステップS102において、異常検出部23の温度差演算部23bは、第1測定温度の第2測定温度に対する温度差を求め、これを測定温度差とする。図4の例では、現在時刻t1において、第1測定温度はh1であり、第2測定温度はh2である。よって、測定温度差はh1−h2となる。ここで測定温度差の求め方は、本実施形態のように第1測定温度から第2測定温度を減算することに限定されず、単に第1測定温度と第2測定温度との差を求めてその絶対値を取っても良い。
次のステップS103では、異常検出部23の異常判断部23cは、測定温度差が第1規定温度HAを超えているか否かを判定する。図4に示す例では、測定温度差h1−h2が第1規定温度HAを超えているか否かを判定する。ここで第1規定温度HAは、エスカレーター30の仕様にかかわらず固定値としてもよいし、エスカレーター30の仕様に応じて決定される値としてもよい。異常検出部23の異常判断部23cは、測定温度差が第1規定温度HAを超えていれば、移動手摺8の走行状態を異常と判断する。一方、測定温度差が第1規定温度HA以内であれば、移動手摺8の走行状態を異常ではない、つまり正常と判断する。
また、図4に示す例では、時刻t2以降、環境温度が急激に低下している。このような状況は、例えば、屋内において冷房装置が起動された場合などに発生する。一方、環境温度が急激に変化した場合でも、移動手摺8あるいは手摺ガイド12の温度は緩やかにしか変化しないため、図4に示すように、第1測定温度及び第2測定温度の低下の傾きは、環境温度の低下の傾きに比べて小さくなる。そのため、第1測定温度の環境温度に対する温度差、及び、第2測定温度の環境温度に対する温度差は、それぞれ、環境温度が安定している時刻t1のときに比べて、環境温度が急低下している時刻t3のときの方が大きくなる。これに対して本実施の形態1では、上述のように第1測定温度の第2測定温度に対する温度差を移動手摺8の異常検出に用いており、この温度差は、時刻t1での場合と時刻t3での場合とでほぼ同じになる。これは、第1測定温度及び第2測定温度は、ともに手摺ガイド12の非摺動側表面12aの温度を測定しているからである。
このように本実施の形態1によれば、環境温度の急激な変化が発生した場合でも、移動手摺8の異常検出に影響を与えることはない。
以上説明した移動手摺8の異常検出装置20について、さらに以下のような追加構成を設けることもできる。
即ち、移動手摺8の異常検出装置20に通報、警告部27(図1)を設け、異常検出装置20にて移動手摺8の異常を検出した場合には、例えば保守管理会社等の遠隔監視盤へ異常発生を通報するようにしてもよい。また、エスカレーター30の本体に表示部28(図1)を設け、異常を検出した場合には、異常が発生した旨を表示するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態1による移動手摺8の異常検出装置20を備えた乗客コンベア30によれば、手摺ガイド12の非摺動側表面12aにおいて最も温度差が生じる高発熱箇所及び低発熱箇所に対応した第1測定温度及び第2測定温度を測定し、その温度差に基づいて移動手摺8の異常を検出する。これにより、移動手摺8周辺の環境温度の状態にかかわらず、移動手摺8の異常を早期に確実に検出することができる。
実施の形態2.
図5に、本発明の実施の形態2における移動手摺8の異常検出装置20Aを備えた乗客コンベアとしてのエスカレーター30Aの全体構成を示す。上述した実施の形態1における異常検出装置20では、第1測定温度と第2測定温度との温度差に基づいて移動手摺8の異常を検出した。本実施の形態2の異常検出装置20Aでは、正常状態における移動手摺8の第1測定温度と第2測定温度との温度差を基準温度差とし、これを用いて移動手摺8の異常を検出するようにしたものである。
本実施の形態2におけるエスカレーター30Aの構成は、実施の形態1のエスカレーター30に対して記憶部24及び更新指令部25を追加した点、及び異常検出部23の機能を変更した点で相違し、その他の構成は実施の形態1のエスカレーター30の構成に同様である。したがって以下では、相違する構成部分についてのみ説明を行う。尚、本実施の形態2の異常検出装置20Aに備わる異常検出部について異常検出部23Aと符番する。
記憶部24は、移動手摺8が異常でない状態つまり正常状態において、第1温度センサ21で測定した第1測定温度の、第2温度センサ22で測定した第2測定温度に対する温度差を、基準温度差として記憶する。尚、基準温度差の求め方は、実施の形態1で説明したようにこの求め方に限定するものではない。また、移動手摺8が異常でない状態とは、例えば、エスカレーターの保守作業を行った直後等の状態が相当し、このときの上記温度差を基準温度差の一つとして設定することができる。また実施の形態1でも説明したように、移動手摺8が正常状態にある状態でも第1測定温度及び第2測定温度は変動することから、後述するように、基準温度差値は適宜更新されていく。
更新指令部25は、作業者の手動操作により、あるいは各種プログラムを実行することにより、異常検出部23Aへ、記憶部24に格納されている基準温度差の更新指令を出力する。
異常検出部23Aは、第1温度センサ21で測定した第1測定温度、及び第2温度センサ22で測定した第2測定温度の差である測定温度差と、記憶部24に格納している基準温度差とに基づいて、移動手摺8の走行状態の異常を検出する。また、更新指令部25からの基準温度差更新指令により、記憶部24に格納されている基準温度差の更新を行う。異常検出部23Aは、このような動作を行う機能部分として、温度取得部23a、温度差演算部23b、異常判断部23c、及び更新処理部23dを有する。
上述の、異常検出部23A及び記憶部24は、実際にはコンピュータを用いて実現され、各機能に対応するソフトウェア、及びこれを実行するためのCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアから構成されている。また記憶部24について、異常検出部23Aを構成するコンピュータとは別設してもよい。また更新指令部25について、異常検出部23A及び記憶部24の少なくとも一方と共に1チップ内に形成されてもよい。
以上のように構成される、本実施の形態2における移動手摺8の異常検出装置20Aの動作について、図6及び図7を参照して以下に説明する。図6は、異常検出装置20Aの動作を示すフローチャートであり、異常検出装置20Aは一定時間ごと、例えば1秒ごとに図6に示す動作を実行する。
図6のステップS201及びステップS202の動作は、実施の形態1における図3に示すステップS101及びステップS102の動作に同じである。つまり、異常検出部23Aの温度取得部23aは、第1温度センサ21から第1測定温度を、第2温度センサ22から第2測定温度をそれぞれ取得し、異常検出部23Aの温度差演算部23bは、第1測定温度と第2測定温度との差を測定温度差として求める。
次のステップS203では、異常検出部23Aの温度差演算部23bはさらに、上記測定温度差の、記憶部24に格納している基準温度差に対する差を、判定温度差として求める。
次のステップS204では、異常検出部23Aの異常判断部23cは、上記判定温度差が第2規定温度HBを超えているか否かを判定する。尚、第2規定温度HBは、エスカレーター30Aの仕様にかかわらず固定値としてもよいし、エスカレーター30Aの仕様に応じて決定される値としてもよい。この判定の結果、判定温度差が第2規定温度HBを超えている場合には、異常検出部23Aは、移動手摺8の走行状態異常と判断する。一方、判定温度差が第2規定温度HB以内であれば、異常ではないと判断する。
次に、上述したように更新指令部25から基準温度差の更新指令を受けたとき、異常検出部23Aが実行する、記憶部24に格納されている基準温度差値の更新処理動作について、図7のフローチャートを参照して以下に説明する。
尚、基準温度差の更新処理を行っている間は、異常検出部23Aは、図6に示す異常検出処理を行わない。
実施の形態1で説明したように、移動手摺8が正常に走行している場合においても、移動手摺8と、移動手摺8に接触する部分との間における摺動摩擦によって、移動手摺8は発熱し、これに伴い手摺ガイド12における温度上昇が発生する。この正常走行状態における温度上昇の度合は、移動手摺8と、移動手摺8に接触する部分とにおける各摺動面の経時的な劣化によって変化する可能性がある。それゆえ、例えば、エスカレーターの保守作業を行った直後に保守作業者の手動操作により、更新指令部25を介して基準温度差更新指令を出力することで、移動手摺8の、より正常な状態における測定温度差を基準温度差とすることができる。そして、基準温度差に基づいて、移動手摺8の走行状態に異常が生じているか否かを判定することにより、当該エスカレーターの状態に応じて、より確実に移動手摺8の異常を検出することができる。このように基準温度差の更新処理は、移動手摺8の走行状態異常の検出にとって重要な事項である。
具体的に、基準温度差の更新処理動作について説明する。
図7のステップS301において、異常検出部23Aの更新処理部23dは、記憶部24に格納されている基準温度差値をゼロに更新する。
次のステップS302では、異常検出部23Aの温度取得部23aは、第1温度センサ21で測定した第1測定温度と、第2温度センサ22で測定した第2測定温度とを取得する。これらの温度取得は、一定時間ごと、例えば1秒ごとに行う。
次のステップS303では、異常検出部23Aの温度差演算部23bは、上記第1測定温度の上記第2測定温度に対する温度差を求め、これを測定温度差とする。
次のステップS304では、異常検出部23Aの更新処理部23dは、上記測定温度差が記憶部24に格納されている基準温度差よりも大きいか否かを判定する。測定温度差が基準温度差よりも大きい場合には、ステップS305において、更新処理部23dは記憶部24に格納されている基準温度差値を、測定温度差の値に書き替える。そして書き替えられた値が新たな基準温度差となる。
次のステップS306では、異常検出部23Aの更新処理部23dは、本更新処理の開始から規定時間、例えば24時間が経過したか否かを判断する。更新処理の開始から規定時間が経過している場合には、更新処理を終了し、一方、規定時間が経過していない場合には、ステップS302に戻り、再度、本更新処理を継続する。
以上のように、記憶部24における基準温度差値の更新処理動作が実行される。
以上説明した本実施の形態2における移動手摺8の異常検出装置20Aを備えた乗客コンベア30Aによれば、例えば保守作業を行った直後など、移動手摺8が正常な状態であるときに測定した温度を基準として移動手摺8の異常を検出するようにしたので、移動手摺8の異常が生じているか否かを個々の乗客コンベアの状態に応じて、より確実に検出することができる。
尚、本実施の形態2の異常検出装置20Aにおいても、実施の形態1の異常検出装置20と同様に、通報、警告部27を設け異常時には遠隔監視盤へ通報してもよい。また、エスカレーター30Aの本体に表示部28を設けて異常発生を表示してもよい。
6 踏段、8 移動手摺、12 手摺ガイド、12a 非摺動側表面、
20,20A 異常検出装置、21 第1温度センサ、22 第2温度センサ、
23,23A 異常検出部、24 記憶部、25 更新指令部、
30,30A エスカレーター。

Claims (5)

  1. 乗客コンベアの運転に同期して循環移動する移動手摺の移動経路に設置され、異常発熱発生の可能性が高い高発熱箇所の温度を測定する第1温度センサと、
    上記移動手摺の移動経路に設置され、上記高発熱箇所に比べて異常発熱発生の可能性が低い低発熱箇所の温度を測定する第2温度センサと、
    移動手摺の走行中に上記第1温度センサで測定した温度と上記第2温度センサで測定した温度との温度差を元に、移動手摺における走行状態の異常を検出する異常検出部と、
    を備え、
    上記第1温度センサを設置する上記高発熱箇所は、移動手摺の移動経路における帰路側上曲部に含まれる箇所であり、
    乗客コンベアの上昇運転時では、上記第2温度センサを設置する上記低発熱箇所は、移動手摺の移動経路における帰路側下曲部よりも上側箇所である、
    ことを特徴とする移動手摺の異常検出装置。
  2. 乗客コンベアの運転に同期して循環移動する移動手摺の移動経路に設置され、異常発熱発生の可能性が高い高発熱箇所の温度を測定する第1温度センサと、
    上記移動手摺の移動経路に設置され、上記高発熱箇所に比べて異常発熱発生の可能性が低い低発熱箇所の温度を測定する第2温度センサと、
    移動手摺の走行中に上記第1温度センサで測定した温度と上記第2温度センサで測定した温度との温度差を元に、移動手摺における走行状態の異常を検出する異常検出部と、
    を備え、
    上記第1温度センサを設置する上記高発熱箇所は、移動手摺の移動経路における帰路側上曲部に含まれる箇所であり、
    乗客コンベアの下降運転時では、第2温度センサを設置する上記低発熱箇所は、移動手摺の移動経路に設置される手摺駆動装置よりも下側箇所である、
    ことを特徴とする移動手摺の異常検出装置。
  3. 上記異常検出部は、上記第1温度センサの測定温度と、上記第2温度センサの測定温度との温度差が第1規定温度を超えた状態で上記移動手摺の走行状態異常と判断する、請求項1又は2に記載の移動手摺の異常検出装置。
  4. 上記第1温度センサ及び上記第2温度センサは、上記高発熱箇所及び上記低発熱箇所における手摺ガイドの非摺動側表面に設置される、請求項1からのいずれか1項に記載の移動手摺の異常検出装置。
  5. 踏段の運転方向と同一方向に循環移動する移動手摺を備えた乗客コンベアであって、
    請求項1からのいずれか1項に記載の移動手摺の異常検出装置を備えたことを特徴とする乗客コンベア。
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