JP6123329B2 - 基板保持部材 - Google Patents

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本発明は四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に複数重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、基板の揺動、移動を制御し、傷や汚れを防ぐ、前記基板を保持する基板保持部材に関するものである。
プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル等のフラットパネル部材といった機能層を有した板状物からなる基板は、その機能層を損傷したり、汚したりすることなく搬送または保管することが重要である。
従来、こういった基板を搬送、保管する際は、基板を傷や破損から守るため、基板同士が接触しないように所定間隔で並列収納できる、箱形の収納容器を用いていた。
このような中、近年、特に、液晶表示用のフラットパネルにおいては、より大型のカラーフィルター形成基板の製造が要求されており、搬送、保管に対して、更に一層の、搬送効率向上による搬送コスト節減や保管場所の省スペース化が求められている。
しかしながら、上記のような収納容器による搬送では、搬送時の振動により基板が跳
ねやすく、割れや傷が発生しやすく、トレイの薄型化が非常に困難であった。
基板の割れや傷を防ぎ、基板の汚染を防止し、さらに高密度で搬送、保管を行うために、多くの検討が行われてきている。
たとえば、特開2006−168748号公報(特許文献1)、特開2010−120690号公報(特許文献2)では、基板の動きを抑えるため、当該基板の一層上の枠体に基板押さえ部を形成し、基板保持部材に積載した当該基板上に、基板押さえ部に当接させて、当該基板を保持している。このような手法により、基板の移動を防ぐことが可能となるが、当接部での基板の汚染、傷、搬送時の振動による当接部での応力発生による基板の割れ等の課題があり、安定した基板搬送には至っていない。
また、前記当接部の接触による汚染、傷、割れを防止するために、特開2008−155995号公報(特許文献3)では、基板に振動が発生した時のみ当接するテーパー状の基板移動制限部材を用いることにより、前記当接部の接触による汚染、傷、割れを防止する方法が提示されているが、この方法では、基板の振動発生時に、前記テーパー状の基板移動制限部材が当接する位置が制御できず、基板上に形成された機能層への汚染、傷の発生が懸念されるとともに、基板の水平方向への移動が発生した場合、テーパー部に基板が挟まって、応力により割れが発生するといった懸念もある。
特開2006−168748号公報 特開2010−120690号公報 特開2008−155995号公報
四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に複数重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板を保持する基板保持部材に関する。特に、自重により撓む、平面型ディスプレイパネル用の板状の各種材料(例えば、ガラスやプラスチックなど)ないし部材、あるいは、金属、レアメタル、シリコンなどの板状物や、それらに処理を施した板状の処理部材の、搬送、保管に適した基板用トレイに関するものであり、保持する基板を損傷したり汚したりすることなく、輸送及び保管することが可能な基板用トレイに用いる基板保持部材、並びに前記基板保持部材を用いた基板用トレイを提供することを目的とする。
本発明の基板保持部材は、以下の各態様に記載の手段により上記の課題を解決するものである。
本発明の第1の態様は、基板を水平方向に保持し、鉛直方向に複数重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板を保持する基板保持部材であって、前記基板保持部材は、少なくとも基板保持部、移動規制部A、基板規制部、振動制御部、移動規制部B、および移動規制部Cを有し、前記基板保持部は、前記基板支持部の上面より突出して前記基板支持部に固定され、前記基板規制部は、前記基板支持部の下面より突出して前記基板支持部に固定される基板保持部材であって、前記基板保持部は、平坦な上面を有し、前記移動規制部Aは、前記基板保持部の上面に形成され、さらに移動規制面Aを有し、前記基板規制部は、平坦な下面を有し、前記振動制御部は、前記基板規制部の下面に形成され、さらに前記移動規制部Bおよび前記移動規制部Cは、前記振動制御部の下面に形成され、前記移動規制部Bは移動規制面Bを有し、前記移動規制部Cは移動規制面Cを有し、前記移動規制面A、前記移動規制面B、および前記移動規制面Cは、前記基板保持部の平坦な上面と垂直な平面であって、前記移動規制部Bと前記移動規制部Cは間隔をおいて配置されるとともに、前記移動規制面Bと前記移動規制面Cが同一平面になるように配置され、さらに、前記基板用トレイを鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部Aが、その直上に位置する第2の基板保持部材の移動規制部Bと前記移動規制部Cとの間隙部に位置し、また、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部Aの移動規制面Aと、その直上に位置する第2の基板保持部材の前記移動規制面Bおよび前記移動規制面Cが同一平面になるように形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に記載の基板保持部材であって、前記基板用トレイを鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、前記移動規制部Aの上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面と、の間隔をb、前記基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、該基板保持部材の移動規制部Bまたは移動規制部Cの下面と、の間隔のうち大きい方をc、前記基板保持部材の振動制御部の下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をd、保持される基板の厚さをe、とした時に、
b<a-d、c<a、b+c>a、a−d>e
なる関係を全て満たすように、基板保持部、移動規制部A、基板規制部、振動制御部、移動規制部B、および移動規制部Cが形成されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1ないし第2の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部の平坦な下面の、移動規制部Bより枠内側方向の幅が、保持される基板の外周に位置する非機能部の幅より小さいことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第1ないし第3の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材が、可撓性を有していることを特徴とする基板保持部材。
本発明の第5の態様は、前記第1ないし第4の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材が、熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする基板保持部材。
本発明の第6の態様は、前記基板用トレイであって、前記第1ないし第5の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材が、前記基板用トレイの前記枠体の少なくとも一対の対向する2辺に、間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする。
本発明の基板保持部材は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に複数重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板を下面から保持するものである。
搬送または保管時の振動により、基板は鉛直方向の振動だけではなく、水平方向の移動も発生する。このような移動を防止するために、特開2006−168748号公報(特許文献1)、特開2010−120690号公報(特許文献2)、特開2008−155995号公報(特許文献3)では、基板への当接材を使用し固定している、またはテーパー状の基板保持部材の使用により移動を規制している。当接材の使用は、基板の汚れ、傷の原因となるとともに、基板が固定され、固定部に振動発生時の応力が発生することにより、基板の破損が発生する可能性がある。また、テーパー状の基板保持部材では、徐々に上下の間隙が狭くなっていくことにより水平方向の基板の移動が規制されるが、テーパー部により形成される間隙に、基板がくさび状に挟まれることにより基板保持部材が損傷し異物が発生する。さらに、基板が固定され、振動発生時の応力により、基板の破損が発生する等の可能性がある。
本発明の基板保持部材は、前記基板を固定することなく、水平方向及び鉛直方向に前記基板の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制し、安定に前記基板を保持するものであり、保持される基板の破損、汚れ等を防止し、安定的な基板を保管、搬送を可能とするものである。
図1(a)、図1(b)は、本発明の基板保持部材の実施の形態の1例の概略図で、図1(c)は、図1(a)及び図1(b)の本発明の基板保持部材を有する基板用トレイを上方から見た平面図の概略図である。 図2(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を有する基板用トレイに基板を積載し、複数重ねて前記基板を保持している概略図である。 図3(a)は、本発明の基板保持部材の概略図、図3(b)は、本発明の基板保持部材を図3(a)のE方向より見た概略図、図3(c)は、本発明の基板保持部材を鉛直上方より見た概略図、図3(d)は、本発明の基板保持部材を図3(a)のF方向より見た概略図である。 図4は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図5は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図6は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図7は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図8(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を有する基板用トレイが積層されている1例の概略図である。図8(c)は、本発明の基板保持部材の基本となる寸法の概略図である。 図9(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を、基板用トレイの内側から見た概略図である。 図10(a)、(b)、(c)は、本発明の基板保持部材を、斜めに形成された基板支持部へ固定する様子の概略図である。
以下、本発明の基板保持部材14の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の基板保持部材14を有する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略を示す。図1(a)は枠体12の4辺に支持された基板支持部13が、直線状に基板111の端部を支持する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略図である。図1(b)は枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略図である。また、図示はしていないが、基板用トレイ11は、基板111を安定に保持する為に、4辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の4辺を支持する基板用トレイ11であってもよい。また、基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませる場合、撓んだ基板支持部13を支持する枠体12は、直線であって、前記基板支持部13が鉛直方向下側に撓んだ形状であってもよい。前記撓みの形状は、円弧状でも放物線上でもよく、撓ませた基板111の、端部中央部の高さの差は基板サイズによって適宜設計される。
図1(c)は、図1(a)及び図1(b)の基板用トレイ11を上方から見た平面図の概略図である。なお。図1(a),(b),(c)の概略図には記載されていないが、本発明の基板保持部材14を有する基板用トレイ11は、上下に位置する基板用トレイ11間の相対的な位置関係を一定に保つため、複数枚重ねた時に、上下に位置する基板用トレイ11の相対的な位置関係が一定になるような嵌合機能を有していてもよい。(ここで言う嵌合機能とは、互いにはまり合う機能を有していることである。)該嵌合機能は、安定に固定可能で、上下に位置する基板用トレイ11の相対的な位置関係を一定に保つことが出来る形状であれば、どのような形状を有していてもよい。さらに、機械搬送に用いるための取手部等の部位を有していてもよい。
図2(a)、(b)は、前記基板用トレイ11が、輸送及び保管のために積層されている概略図である。図2(a)は、4辺が直線状の基板用トレイ11、図2(b)は、枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11を搬送用架台103上に積層している概略図である。本発明の基板保持部材14は、図1に示した基板用トレイ11に固定され、前記基板トレイ11は、図2のように積層して使用される。
図1の基板用トレイ11の枠体12は、搬送または保管時に多数積層して使用されるため、強度が必要とされ、一般に金属材料が使用される。ガラスファイバー、カーボンファイバーと樹脂により成形した材料を用いてもよいが、積層時、輸送時等に傷が発生しやすく異物問題の要因となる為、金属性であることが好ましい。特に、多層積層時の軽量化を図る為、強度、軽量性を兼ね備えたジュラルミン等のアルミ合金を使用するのが好ましい。また、前記枠体12が支持する基板支持部13は、溶接等により前記枠体12と接合させてもよいが、強度、作製のしやすさ等を鑑みて、押し出し成形等により、前記枠体12と同時に作製するのが好ましい。
基板保持部材14は、成形のしやすさ、振動の緩衝材としての機能、異物発生の少なさ、傷付き防止、基板111への汚染防止等を考慮して、熱可塑性樹脂が用いられる。前記基板保持部材14が、熱可塑性樹脂で形成されていることにより、前記基板保持部材14が射出成形で成形可能となり、切削加工で前記基板保持部材14を作製する方法と比較して、多大な費用をかけずに多数の前記基板保持部材14を作製することが可能となるとともに、樹脂製であることにより、前記基板111への傷付きを低減することが可能となる。さらに、熱可塑性樹脂の中でも、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン66やナイロン610といったポリアミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミドが望ましい。なお、同様の機能を有すれば、基板保持部材14の材質はこれらに限定はされない。また、移動規制部A31、振動制御部32、移動規制部B33、および移動規制部C34を着脱可能に作製する場合、これらは、前記熱可塑性樹脂だけでなく、切削加工による成形が可能なUPE(超高分子量ポリエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、MCナイロン、POM(ポリアセタール、アセタール樹脂)、フェノール樹脂等のエンジニアリングプラスチックを使用しても良い。中でも、切削加工適性、柔軟性を検討した結果、UPE(超高分子量ポリエチレン)が好ましいことを確認した。なお、同様の機能を有すれば、移動規制部A31、振動制御部32、移動規制部B33、および移動規制部C34の材質はこれらに限定はされるものではない。
本発明の基板保持部材14は、図3に示すとおり、前記基板保持部材14は、基板保持部14a、前記基板保持部14aの上面に形成された移動規制部A31、基板規制部14b、前記基板規制部14bの下面に形成された振動制御部32、移動規制部B33、および移動規制部C34を有している。
前記基板保持部14aの上面が平坦であることにより、保持される基板111への前記基板保持部材14の材料の転写の防止、前記基板保持部材14により保持される基板111への傷の防止が可能となる。また、前記基板規制部14bの下面が平坦であることにより、複数重ねて使用した時、基板振動発生時等による保持される基板111と前記基板規制部14bの下面との接触を低減させることが可能となり、前記基板保持部材14による保持される基板111への傷の防止が可能となる。
前記移動規制部A31は、前記基板保持部の平坦な上面36と垂直な平面(移動規制面A41)を有している。前記移動規制面A41は、移動規制部A31の枠内側方向にあり、保持される基板111の端面と接触する。前記移動規制部A31は、図3に示すように、一般的には直方体に形成されるが、前記移動規制面A41を有していれば良く、直方体に限定するものではない。前記移動規制部A31の上面は、基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて使用する時に、その上段の基板保持部材14との接触を避ける為、また、より高密度に基板用トレイを積載する為に、平坦であることが好ましい。
前記振動制御部32、前記移動規制部B33、および移動規制部C34を合わせた部分(以下、基板抑制部40という。)は、図3(d)に示すように、該基板保持部材14が固定された枠体12の内側方向にむかって、移動規制部B33、移動規制部C34、および平坦な下面を有する振動制御部32が重複した部分、移動規制部(移動規制部B33と移動規制部C34)より枠内側方向の振動制御部の平坦な下面部分38、ならびに振動制御部の厚さ変化部39の順で形成されている。また、前記移動規制部B33、および移動規制部C34は、前記移動規制面A41と平行な移動規制面B42および移動規制面C43を枠内側方向に有している。
また、図3、図8、図10等に示されるように、移動規制部B33と移動規制部C34は間隔をおいて配置されるとともに、移動規制面B42と移動規制面C43が同一平面になるように配置され、さらに、前記基板用トレイを鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部A31が、その直上に位置する第2の基板保持部材の移動規制部B33と前記移動規制部C34との間隙部に位置し、また、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部A31の移動規制面A41と、その直上に位置する第2の基板保持部材の前記移動規制面B42および前記移動規制面C43が同一平面になるように形成されている。このように、上下より移動規制面を形成することにより、移動規制面を有する移動規制部と相対する基板保持部材との間隙に、基板が挟み込まれることを防止することできる。
図3(c)、図10(b)に示すよう、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねたときに、下側に位置する第1の基板保持部材14の移動規制部A31と、その上に位置する第2の基板保持部材14の移動規制部B33および移動規制部C34とがお互いに干渉しない位置になるよう前記移動規制部A31と前記移動規制部B33および移動規制部C34は形成される。
図1(a)に示すように、枠体12の4辺に支持された基板支持部13が、直線状に基板111の端部を支持する基板用トレイ11の辺部A−A’、B−B’、及び図1(b)に示す枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の鉛直方向下側に撓ませて基板111を支持する辺部C−C’においては、図3(d)に示すように前記基板支持部13は水平に形成され、前記移動規制部A31の移動規制面A、前記移動規制部Bの移動規制面B、および前記移動規制部Cの移動規制面Cは、図3(c)のG−G’、図3(d)のH−H’、図8(b)I−I’に示すように同一の平面状に位置するように形成し、前記移動規制面A41、前記移動規制面B42および移動規制面C43が、保持される基板111の端面と平行になるよう、基板保持部材14を前記基板用トレイ11へ固定する。
前記移動規制面A41、前記移動規制面B42および移動規制面C43は、前記基板保持部の平坦な上面と垂直な平面であって、前記移動規制面Bと前記移動規制面Cが同一平面になるように配置され、かつ前記基板用トレイを鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部Aの移動規制面Aと、その直上に位置する第2の基板保持部材の前記移動規制面Bおよび前記移動規制面Cが同一平面になるように形成されていることによって、該保持される基板111の端面と面接触が可能となり、保持される基板111との接触時の応力集中の低減が可能となり、基板111の破損等の防止に効果がある。
また、図1(b)に示す枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の直線状に基板111を支持する辺部C-C’においては、図10(a)に示すように、前記基板支持部13は斜めになる。この場合、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねたときに、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部Aが、その直上に位置する第2の基板保持部材の移動規制部Bと前記移動規制部Cとの間隙部に位置するよう前記移動規制部A31、前記移動規制部B33、および移動規制部C34が形成されるとともに、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねたときに、前記第1の基板保持部材14の移動規制部A31の前記移動規制面A41と、その上に位置する第2の基板保持部材14の移動規制部B33および移動規制部C34の移動規制面B42および移動規制面C43が、同一平面上(図10(a)L−L’)になるよう前記移動規制部A31の移動規制面A41と、前記移動規制部B33および移動規制部C34の移動規制面B42および移動規制面C43を設計、形成し、前記移動規制面A41、前記移動規制面B42、および移動規制面C43が、保持される基板111の端面と平行になるよう、前記基板用トレイ11への固定を行う。この場合、図3(b)、(c)に示すように、本発明の基板保持部材14の、移動規制部A31の移動規制面A41と、移動規制部B33および移動規制部C34の移動規制面B42および移動規制面C43は、同一平面とはならない。移動規制部A31の前記移動規制面A41と、移動規制部B32の移動規制面A35の位置関係は、前記基板支持部13の角度により、適宜設計される。
前記移動規制面A41、前記移動規制面B42、および前記移動規制面C43は、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて輸送及び保管する時の振動で、保持される基板111に水平方向の移動が発生した時に、前記保持される基板111の端面と接触し、保持される基板111の水平方向の移動を規制するものであり、保持される基板111の端面との接触時に発生する応力を極力低減する為、点接触より線接触、さらには面接触させることが好ましく、前記移動規制面A41、前記移動規制面B42、および前記移動規制面C43は、該基板保持部14aと垂直に形成され、前記移動規制面A41及び前記移動規制面B42および移動規制面C43が、保持される基板111の端面と平行になるよう基板支持部13へ固定されることにより、保持される基板111の端面と面接触が可能となる。
また、前記振動制御部32は、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて輸送及び保管する時の振動で、保持される基板111に鉛直方向の移動が発生した時のみ、前記保持される基板111と接触し、保持される基板111の鉛直方向の移動、振動を規制するものである。前記保持される基板111を自由に振動させずに、前記振動制御部32により、保持される基板111の端部の上下方向の移動、振動を規制することにより、前記基板111全体の振動を制御することが可能となり、基板111の破損防止効果が向上する。また、振動が発生していない通常時、前記振動規制部A32と前記基板111は接触していない為、接触による基板111の汚染及び傷つきの防止を低減することが可能となる。
前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて輸送及び保管する時の振動で、前記保持される基板111と接触した時、前記保持される基板111の接触が、点ではなく、線もしくは面で接触できるように前記振動制御部32は、平坦な下面を有している。点ではなく、線もしくは面で接触することにより、接触時に、前記保持される基板111への応力の分散が可能となり、前記保持される基板111の破損及び汚れを抑制することが可能となる。前記平坦な下面は、前記基板規制部の平坦な下面37と平行に形成されていても良く、前記振動制御部32の厚さが、前記基板規制部14bが固定された前記枠体13の内側へ向かって厚さが減少するように斜めに形成されていても良い。
また、図3(d)に示すように、前記振動制御部32は角部を形成せず、端部から該基板保持部材14が固定された前記枠体の内側へ向かって厚さが減少している振動制御部の厚さ変化部39を有する。前記角部を形成しないことにより、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて輸送及び保管する時の鉛直方向の振動で、前記基板保持部材14の振動制御部32と前記保持される基板111が接触した時、前記基板111に前記基板保持部材14の振動制御部32の角部が衝突することが無くなり、前記前記保持される基板111への応力の集中を回避でき、前記前記保持される基板111の破損及び汚れを抑制することが可能となる。さらに、前記振動制御部32は、図9に示すように、移動規制面B42および移動規制面C43と垂直方向の辺部に、振動制御部の厚さ変化部39を有していても良い。垂直方向の振動により、前記基板111が振動制御部32と接した時に、角部が接触し応力が集中することにより基板が破損することを防止することが可能となる。
また、前記移動規制部B33および移動規制部C34の下面は、基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて使用する時に、その下段の基板保持部材14との接触を避ける為、また、より高密度に基板用トレイを積載する為に、平坦であることが好ましい。
また、図8(b)、図10(a)に示すとおり、移動規制部Bより枠内側方向の振動制御部の平坦な下面部分38の、移動規制面B42および移動規制面C43と垂直方向の幅を、表面加工された保持される基板111の外周に位置する非機能部の幅81より小さく作製することにより、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて輸送及び保管する時の鉛直方向の振動で、前記基板保持部材14の振動制御部32と前記保持される基板111が接触した時、前記表面加工された保持される基板111の機能部112と前記振動制御部32の接触を避けることが可能とるため、機能部112への傷及び汚れの発生等の防止が可能となる。
図4〜図7は、本発明の基板保持部材14の基板トレイ11への設置方法の1例の概略図である。
図4(a)および図4(b)は、前記基板保持部材14を、位置決め機能兼ね備えた嵌合部123を形成した基板保持部14aと移動規制部A31を有した部分と、位置決め機能兼ね有した嵌合部123を形成した基板規制部14bと基板抑制部40を有した部分とを、別途成形し、前記基板支持部13に形成した開口部へ、上下より嵌合させて固定する方法の概略図である。位置決め機能兼ね有した嵌合部123は、図4(b)のように、位置決め部124、嵌合部123が分かれて形成されていても良い。前記嵌合部123および前記位置決め部124の形状は、前記基板支持部へ安定して固定できれば良く、適宜設計される。
図5は、前記嵌合部123を形成した基板保持部14aと移動規制部A31を有した部分と、前記嵌合部123を形成した基板規制部14bと基板抑制部40を有した部分とを、可撓性を持つヒンジ部を介して一体成形した前記基板保持部材14を、前記基板支持部13に形成した開口部へ、前記ヒンジ部を折り曲げて上下より嵌合させて固定する方法の概略図である。
図6は、基板保持部14aと、移動規制部A31と、基板規制部14bと、基板抑制部40とを有した基板保持部材14を一体成形し、前記基板支持部13の開口部へ嵌め込み、固定する方法の概略図である。図に示されるように、嵌め込みの為の溝が前記基板保持部材14の周囲に形成されている。
図7は、一体成形した前記基板保持部材14を、前記基板支持部13の切り欠き部へ挿入し、固定する方法の概略図である。図に示されるように、嵌め込みの為の溝が前記基板保持部材14の周囲に形成されている。
また、図に示していないが、前記基板保持部14aと移動規制部A31を有した部分と、基板規制部14bと基板抑制部40を有した部分とを、前記基板支持部13へ、接着剤等を使用して貼り付けてもよい。また、位置精度を出す為に、前記基板支持部13へざぐりを形成し、接着剤等を使用して貼り付けてもよい。基板保持部材14の基板支持部13への固定方法は、位置精度、固定強度が満たされていればよく、前述した方法に限るものではない。
また、図8(c)に図示されるように、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材14の基板保持部の平坦な上面36と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37と、の間隔をa、前記移動規制部A31の上面と、該移動規制部A31を有する基板保持部の平坦な上面36と、の間隔をb、前記基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37と、該基板保持部材14の移動規制部B33および移動規制部C34の下面と、の間隔をc、前記基板保持部材14の振動制御部の平坦な下面38と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37と、の間隔をd、保持される基板111の厚さをe、とした時に、b<a-d、c<a、b+c>a、a−d>eなる関係を全て満たすように、移動規制部A31と基板抑制部40とを形成する。b<a-d、c<aの位置関係で設計することにより、上下に位置する前記基板保持部材14同士の接触を防止し、接触時に発生する異物の発生の抑制、ならびに接触による前記基板保持部材14の変形を防止することが可能となるとともに、b+c>aの位置関係により、下側に位置する前記第1の基板保持部材14の移動規制部A31と上側に位置する前記第2の基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37との隙間、及び、上側に位置する前記基板保持部材14の前記基板抑制部40の前記移動規制部B33、および移動規制部C34の下面と下側に位置する前記基板保持部材14の基板保持部の平坦な上面36との隙間に、保持される基板が挟み込まれることを容易に防止でき、基板111の破損防止効果が向上する。さらに、前記基板用トレイ11の作製誤差、使用中の変形等による、枠の垂直方向のずれへの対応が可能となり、基板111の安定した輸送及び保管が可能となる。また、a−d>eの位置関係により、振動が発生していない通常時、前記振動制御部32と前記基板111は接触せず、接触による基板111の汚染及び傷つきの防止を低減することが可能となる。
基板111の搬送、保管の振動、応力等による前記枠体12、前記基板支持部13に小さな変形が発生した場合も、b+c>aなる関係により、基板保持部材14が前述の構成からなることにより、前記基板111を安定して保持することが可能となる。
前記a、b、c、dの数値は、複数重ねた基板用トレイ11の間隔、基板支持部の厚さ等により適宜設計される。
さらに、上側に位置する基板保持部材14の基板抑制部40と下側に位置する前記基板保持部材14の基板保持部の平坦な上面36との隙間に基板が入り込むのを防止するために、a−c<eであることが好ましい。また、下側に位置する前記基板保持部材14の移動規制部A31の上面と振動制御部32との隙間に基板が入り込むのを防止するために、a−d-b<eであることが好ましい。
本発明の基板保持部材14は、図9に示すように、該基板保持部材14が固定される基板支持部13が平面であれば平面に、湾曲面であれば湾曲面に、前記基板支持部13の形状に沿って固定される。該基板保持部材14が前記基板支持部13の形状に沿って固定されることにより、基板111の大型化に伴い、安定な前記基板111の搬送、保管を行う為、少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111を下側から保持する基板用トレイ11への対応が可能となる。また、前記固定を行う際、基板保持部材14並びに前記基板支持部13の作製誤差等による隙間が生じる場合があり、このような作製誤差等を吸収するために、前記基板保持部材14は可撓性を有していることが重要である。また、前記基板保持部材14の可撓性は、固定後の枠体12もしくは基板支持部13の振動、経時変化等による変形が発生した場合、前記基板保持部材14に応力がかかり破損したり、固定部が外れたりすることを防止するのに有効である。
本発明の基板保持部材14は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板111を、前記基板111の下側から水平方向に保持し、鉛直方向に複数重ねて、複数の前記基板111を保管、搬送する基板用トレイ11において、前記基板用トレイ11の枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板111を下面から保持するものであり、前記基板保持部材14は、前記基板111を固定することなく、水平方向、鉛直方向に前記基板111の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制することにより前記基板111の水平方向、鉛直方向の可動範囲を限定し、安定に前記基板111を保持するものである。本方法により基板111を保持することにより、基板111の移動に自由度ができ、基板111を固定して輸送及び保管等を行う時と比較して、振動の発生時等に、基板固定部に応力が発生することを防止することができる為、基板111の破損の防止が可能となる。
前記基板111の可動域を確保とともに可動域を規制するため、基板用トレイ11の一対の対向する2辺に設置された対向する前記基板保持部材14において、一方の基板保持部材14の移動規制面A41、移動規制面B42、および移動規制面C43がなす同一の平面(図3(c)G−G’)と、他方の基板保持部材14の移動規制面A41、移動規制面B42、および移動規制面C43がなす同一の平面(図3(c)G−G’)との距離は、保持される基板111の幅より大きくなるように、前記基板保持部材14は、前記基板支持部13に設置される。前記距離は、保持される基板111のサイズ及び前記基板保持部材14の移動規制部Bより枠内側方向の振動制御部の平坦な下面部分38の移動規制面B42に対して垂直方向の幅(保持される基板111の基板端の非機能部の幅81に対応して設計される。)により、適宜設計され、前記距離は、“前記基板111の幅+移動規制部Bより枠内側方向の振動制御部の平坦な下面部分38の、移動規制面B42に対して垂直方向の幅以下”となるよう設計されることが好ましい。また、前記基板111を湾曲させて保持させる場合、前記距離は、直線距離ではなく、保持される基板111の湾曲に沿った曲線状の距離となる。
上述のように、対向する前記基板保持部材14の、移動規制面A41間の距離は、保持される基板111のサイズに依存する。基板111のサイズに変更が生じた場合、もしくは移動規制部A31、振動制御部32、移動規制部B33、および移動規制部C34に傷つき等による交換の必要が発生した場合、移動規制部A31、振動制御部32、移動規制部B33、および移動規制部C34が、前記基板保持部材14として一体成形されていると、前記基板保持部材14全体の新規作成もしくは交換が必要となり、時間、費用等のコストが増大する。部品交換による対応が可能となるように、基板保持部材14は、移動規制部A31、振動制御部32、移動規制部B33、および移動規制部C34が着脱可能に作製しても良い。着脱可能に作成されていることにより、基板サイズの変更への対応も容易に可能となる。
本発明の基板保持部材14は、前記枠体12の少なくとも一対の対向する2辺に固定された前記基板支持部13に取り付けられていればよく、さらに、1辺に対して、保持される基板111に対応した大きさの前記基板保持部材14が一つ取り付けられていればよいが、間隔をおいて複数個取り付けられていてもよい。間隔をおいて複数個取り付けられていることにより、前記基板保持部材14の大きさが小さくなり、該基板保持部材14の製造が容易になる。さらに、前記基板保持部材14に傷が発生する等で交換が必要になった場合、全体を交換せずに必要に応じて問題が発生したもののみ交換することで対応が可能となる。また、保持する基板111のサイズが変更になった場合、一部の交換のみで対応が可能となる。前記基板保持部材14のサイズ、取付け間隔は、基板サイズにより適宜設計されるが、作製の容易さ、交換の容易さ等を考慮すると、前記基板保持部材14のサイズは、前記移動規制面A41と前記基板保持部の平坦な上面36との交線と平行な方向(方向A)の幅は15cm−30cm程度、移動規制面A41と垂直の幅は3cm−15cm程度が好ましく、取付け間隔は、保持される基板111のサイズ、前記基板保持部材14のサイズのより、適宜設計されるが、基板保持部材14との接触面積を増加させ、安定した保管、搬送を行うためには、隣り合った基板保持部材14が接触することを避けられる範囲で設計する。例えば、液晶用のG6サイズの基板(1,500mm×1,800mm)用の基板用トレイ11の場合、長辺側は8個程度、短辺側は7個程度で設計するのが好ましい。
また、本発明の基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を使用することにより、表示パネル用のカラーフィルター形成基板または前記カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板の保管中および搬送中の基板の汚れ、傷付き等を防止することが可能となる。
本発明の実施例を以下に説明する。
・第1の実施の形態
液晶用G6サイズ基板(1850mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1820mm×1470mm)用の基板用トレイ11を作製し、搬送・保管テストを行った。前記基板保持部材14は、長辺側は8個、短辺側は7個配置した。
枠体12は、長辺側の2辺を直線状に、短辺側を曲率半径3000mmになるように鉛直下側へ撓ませて作製した。枠体12の鉛直方向の幅は10mmになるよう作製した。また、枠体12には、前記基板用トレイ11を上下に多数積層したときに、積層されたそれぞれの前記基板用トレイ11が、上面から見て同じ位置になるように嵌合部123を設けるとともに、機械搬送用の取手を設けた。基板支持部13の厚さは2mmで、前記前記枠体12に沿って形成した。前記前記枠体12に支持された基板支持部13に、基板保持部材14設置用の開口部を長辺側8箇所、短辺側7箇所を切削加工により形成した。
図4(b)に示すように、嵌合部123および位置決め部124を形成し、基板用トレイ11に固定した。
基板トレイ11の枠体12の4辺のうち一方の対向する直線状の枠体に固定された基板支持部13に固定する基板保持部材は、図10に示すように、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねたときに、下側に位置する第1の基板保持部材14の移動規制面A41と、その上に位置する第2の基板保持部材14の移動規制面B42および移動規制面C43が同一平面上になるよう、前記移動規制面A41と、前記移動規制面B42および移動規制面C43とをずらして形成した。また、基板トレイ11の枠体12の4辺のうち一方の対向する湾曲する枠体に固定された基板支持部13に固定する基板保持部材は、図8に示すように、前記基板用トレイ11を鉛直方向に複数重ねたときに、前記第1の基板保持部材14の移動規制面A41と、その上に位置する第2の基板保持部材14の移動規制面B42および移動規制面C43が同一平面上になるよう形成した。
基板保持部材14は、基板保持部14aおよび移動規制部A31を射出成形法により一体成形し、基板規制部14bおよび基板抑制部40を射出成形法により一体成形し、それぞれに嵌合部を形成し、基板支持部に固定した。材料にポリプロピレンを用いた。
前記基板保持部材14は、前記移動規制面Aと前記基板保持部の平坦な上面との交線と平行な方向(図3の方向A)の長さを180mm、前記方向Aと垂直な方向の長さを50mmとした。また、前記基板保持部材14が固定される前記基板用トレイ11を複数積層したとき、下側に位置する第1の基板保持部材14の基板保持部14aの平坦な上面36と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の基板規制部14bの平坦な下面37と、の間隔(図8(c)のa)が4.8mmになるように、前記基板保持部14a及び前記基板規制部14bの厚さを設計し、前記基板保持部材14を形成した。前記移動規制部の平坦な上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面36と、の間隔(図8(c)のb)は1.5mm、前記基板保持部材14の移動規制部B33および移動規制部C34の下面と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37と、の間隔(図8(c)のc)は4mm、前記基板保持部材14の振動制御部の平坦な下面と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37と、の間隔(図8(c)のa)dは3mm、移動規制部Bより枠内側方向の振動制御部の平坦な下面部分の前記方向Aと垂直方向の幅は9mm、前記移動規制部A31及び前記振動制御部32の底部が円弧状に形成されている溝101は、幅4mm、深さ3mm、円弧の半径は2mmで、振動制御部の厚さ変化部39は半径4mmの外側に凸の曲面を持つように、前記移動規制部A31と前記基板抑制部40を作製した。
前記基板用トレイ11の一対の対向する2辺に設置された対向する前記基板保持部材14において、一方の基板保持部材14の前記移動規制面Aと前記移動規制面Bがなす同一の平面(図3(c)G−G’)と、他方の基板保持部材14の前記移動規制面Aと前記移動規制面Bがなす同一の平面(図3(c)G−G’)との距離は、G6サイズの基板(1850mm×1500mm)に対応する為、それぞれ1855mm、1505mmとなるよう前記基板保持部材14を前記基板用トレイ11に固定した。
上述の前記基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を用いて、前記液晶用G6サイズ基板の保管、搬送テストを行った結果、保管、搬送テスト中の振動に対して、及び枠体12、基板支持部13の応力等による変形に対して、前記基板保持部材14の脱落、破損、及び基板の汚染、破損等のトラブルが発生することなく、安定に保管、搬送が可能なことを確認できた。
本発明は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板の面方向を水平方向として、前記基板を、その上側に載せて水平に支持するトレイであり、平面型ディスプレイパネル用の板状の各種材料(例えば、ガラスやプラスチックなど)ないし部材、あるいは、金属、レアメタル、シリコンなどの板状物からなる基板や、それらに処理を施した板状の処理部材の、搬送、保管に利用可能である。
11 基板用トレイ
12 枠体
13 基板支持部
14 基板保持部材
14a 基板保持部
14b 基板規制部
31 移動規制部A
32 振動制御部
33 移動規制部B
34 移動規制部C
36 基板保持部の平坦な上面
37 基板規制部の平坦な下面
38 移動規制部Bより枠内側方向の振動制御部の平坦な下面部分
39 振動制御部の厚さ変化部
40 振動制御部
41 移動規制面A
42 移動規制面B
43 移動規制面C
81 非機能部の幅
103 搬送用架台
111 基板
112 機能部
123 嵌合部
124 位置決め部

Claims (6)

  1. 基板を水平方向に保持し、鉛直方向に複数重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板を保持する基板保持部材であって、
    前記基板保持部材は、少なくとも基板保持部、移動規制部A、基板規制部、振動制御部、移動規制部B、および移動規制部Cを有し、
    前記基板保持部は、前記基板支持部の上面より突出して前記基板支持部に固定され、前記基板規制部は、前記基板支持部の下面より突出して前記基板支持部に固定される基板保持部材であって、
    前記基板保持部は、平坦な上面を有し、
    前記移動規制部Aは、前記基板保持部の上面に形成され、さらに移動規制面Aを有し、
    前記基板規制部は、平坦な下面を有し、
    前記振動制御部は、前記基板規制部の下面に形成され、
    さらに前記移動規制部Bおよび前記移動規制部Cは、前記振動制御部の下面に形成され、
    前記移動規制部Bは移動規制面Bを有し、
    前記移動規制部Cは移動規制面Cを有し、
    前記移動規制面A、前記移動規制面B、および前記移動規制面Cは、前記基板保持部の平坦な上面と垂直な平面であって、
    前記移動規制部Bと前記移動規制部Cは間隔をおいて配置されるとともに、前記移動規制面Bと前記移動規制面Cが同一平面になるように配置され、
    さらに、前記基板用トレイを鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、
    下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部Aが、その直上に位置する第2の基板保持部材の移動規制部Bと前記移動規制部Cとの間隙部に位置し、
    また、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部Aの移動規制面Aと、その直上に位置する第2の基板保持部材の前記移動規制面Bおよび前記移動規制面Cが同一平面になるように形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  2. 請求項1に記載の基板保持部材であって、
    前記基板用トレイを鉛直方向に複数重ねて使用する状態で、
    下側に位置する第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、
    前記移動規制部Aの上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面と、の間隔をb、
    前記基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、該基板保持部材の移動規制部Bまたは移動規制部Cの下面と、の間隔のうち大きい方をc、
    前記基板保持部材の振動制御部の下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をd、
    保持される基板の厚さをe、
    とした時に、
    b<a-d、c<a、b+c>a、a−d>e
    なる関係を全て満たすように、基板保持部、移動規制部A、基板規制部、振動制御部、移動規制部B、および移動規制部Cが形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部の平坦な下面の、移動規制部Bより枠内側方向の幅が、保持される基板の外周に位置する非機能部の幅より小さいことを特徴とする基板保持部材。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材が、可撓性を有していることを特徴とする基板保持部材。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材が、熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  6. 前記基板用トレイであって、
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の基板保持部材が、前記基板用トレイの前記枠体の少なくとも一対の対向する2辺に、間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする基板用トレイ。
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