JP6056210B2 - 基板保持部材 - Google Patents

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Description

本発明は四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管または搬送する基板用トレイにおいて、基板の揺動、移動を制御し、傷や汚れを防ぐ、前記基板を保持する基板保持部材に関するものである。
プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル等のフラットパネル部材といった表面に機能層を備えた板状物からなる基板は、損傷したり汚したりすることなく搬送または保管することが重要である。
従来、こういった基板の搬送や保管をおこなう際は、基板を傷や破損から守るため、基板同士が接触しないように所定間隔で並列収納できる箱形の収納容器を用いていた。
このような中、近年、特に液晶表示用のフラットパネルにおいては、より大型のカラーフィルター形成基板の製造が要求されており、搬送や保管に対して、更に一層の搬送効率向上による搬送コスト節減や保管場所の省スペース化が求められている。
しかしながら、上記のような収納容器による搬送では、搬送時の振動により割れや傷が発生しやすく、トレイのコンパクト化が非常に困難であった。
基板の割れや傷を防ぎ、基板の汚染を防止し、さらに高密度で搬送や保管をおこなうために多くの検討がおこなわれてきている。
たとえば、特開2006−168748号公報(特許文献1)、特開2010−120690号公報(特許文献2)では、基板の動きをおさえるため、当該基板の一層上の枠体に基板おさえ部を形成し、基板保持部材に積載した当該基板上に、基板おさえ部に当接させて、当該基板を固定して保持している。このような手法によると、基板の移動を防ぐことが可能となるが、当接部での基板の汚染、傷、および搬送時の振動による当接部での応力発生による基板の割れ等の課題があり、安定した基板搬送には至っていない。
また、前記当接部の接触による汚染、傷、および割れを防止するために、特開2008−155995号公報(特許文献3)では、基板に振動が発生した時のみ接触するテーパー状の基板移動制限部材を用いることにより、前記当接部の接触による汚染、傷、および割れを防止する方法が提示されている。しかし、この方法では、基板の振動発生時に、前記テーパー状の基板移動制限部材が接触する位置が制御できず、基板上に形成された機能層への汚染、傷の発生が懸念されるとともに、基板の水平方向への移動が発生した場合、テーパー部に基板が挟まることにより、振動が発生した時に、応力により割れが発生するといった懸念もある。
特開2006−168748号公報 特開2010−120690号公報 特開2008−155995号公報
四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管または搬送する基板用トレイにおいて、前記基板を保持する基板保持部材に関する。特に、自重により撓む平面型ディスプレイパネル用の板状の各種材料(例えば、ガラスやプラスチックなど)または部材、あるいは、金属、レアメタル、またはシリコン等の板状物や、それらに処理を施した板状の処理部材の保管または搬送に適した基板用トレイに関するものであり、基板を損傷したりその表面を汚したりすることなく、保管または搬送することが可能な基板用トレイに用いる基板保持部材、ならびに前記基板保持部材を用いた基板用トレイを提供することを目的とする。
本発明の基板保持部材は、以下の各態様に記載の手段により上記の課題を解決するものである。
本発明の第1の態様は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管または搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板を下面から保持する基板保持部材であって、前記基板保持部材は、少なくとも、基板保持部、移動規制部、基板規制部、振動制御部を備え、前記基板保持部は、平坦な上面を有し、前記基板支持部の上面より突出して固定され、前記基板保持部は、前記基板保持部の上面に前記移動規制部を有し、前記移動規制部は、保持する基板の水平方向の移動を規制する、前記基板保持部の平坦な上面と垂直な平面である移動規制面を有し、前記基板用トレイの対向する2辺の前記基板支持部に固定された基板保持部材の移動規制部の前記移動規制面間に基板を保持し、前記基板規制部は、平坦な下面を有し、前記基板支持部の下面より突出して固定され、前記基板規制部は、前記基板規制部の下面に前記振動制御部を有し、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、前記基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、前記基板保持部材の移動制御部の上面と、の間隔をb、前記基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、前記基板保持部材の振動制御部の下面と、の間隔をc、保持される基板の厚さをd、とした時に、
b<a、b+c>a−d、a−c>d
なる関係を全て満たすように、前記基板保持部、前記移動規制部、前記基板規制部、前記振動制御部が形成され、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねたときに、前記移動規制部の移動規制面に垂直な方向をX方向として、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制面よりX方向側に、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部が固定されることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の基板保持部材であって、少なくとも前記振動制御部の前記X方向側の1辺が、厚さが減少する厚さ変化部を有していること、を特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の前記移動規制面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部の平坦な下面のX方向の端部との距離が、保持される基板の外周に位置する非機能部の幅より小さいこと、を特徴とする。
本発明の第の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部と前記基板規制部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記移動規制部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記移動規制部と前記基板保持部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、前記移動規制部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、前記移動規制部と前記基板保持部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部と前記基板規制部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、前記移動規制部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、第1の態様から第の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部と前記基板規制部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、前記移動規制部と前記基板保持部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第12の態様は、前記第ないし第11の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって前記溝の底部が円弧状に形成されていることを特徴とする。
本発明の第13の態様は、前記第1ないし第12の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする。
本発明の第14の態様は、前記第1ないし第12の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記移動規制部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする。
本発明の第15の態様は、前記第1ないし第12の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部が、着脱可能に作製されているとともに、前記移動規制部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする。
本発明の第16の態様は、前記第1ないし第15の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材が、可撓性を有していることを特徴とする。
本発明の第17の態様は、前記第1ないし第16の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材が、熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする。
本発明の第18の態様は、基板用トレイであって、前記第1ないし第17の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材の前記移動規制面が、保持される基板の端面と平行になるように、前記基板保持部材が固定されることを特徴とする。
本発明の第19の態様は、第18の態様に記載の基板用トレイであって、前記基板用トレイの対向する2辺の前記基板支持部に固定された基板保持部材の移動規制面間の距離が、保持される基板の幅より大きくなるように、前記基板保持部材が固定されることを特徴とする。
本発明の第20の態様は、第18の態様から第20の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板用トレイであって、第1の態様から第17の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材が、前記基板用トレイの前記基板支持部の形状に沿って固定されていることを特徴とする。
本発明の第21の態様は、第18の態様から第20の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板用トレイであって、保持される基板の少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲した状態で、保持することを特徴とする。
本発明の第22の態様は第18の態様から第21の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板用トレイであって、前記基板用トレイの前記枠体の各辺それぞれに、第1の態様から第17の態様のいずれかひとつの態様に記載の基板保持部材が間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする。
本発明の第23の態様は、第22の態様に記載の基板用トレイであって、前記基板用トレイの前記枠体の4辺のうち少なくとも対向する1対の辺において、1辺に対して複数固定された基板保持部材のうち少なくとも2個以上の基板保持部材が、前記移動規制部および前記振動制御部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする。
本発明の基板保持部材は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管または搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板を下面から保持するものである。
搬送または保管時の振動により、基板には、鉛直方向の振動だけではなく水平方向の移動も発生する。このような移動を防止するために、特開2006−168748号公報(特許文献1)、特開2010−120690号公報(特許文献2)、特開2008−155995号公報(特許文献3)では、基板への当接材を使用し基板を固定している、またはテーパー状の基板保持部材の使用により基板の移動を規制している。当接材の使用は、基板の汚れ、傷の原因となるとともに、基板が固定されていることにより、固定部に振動発生時の応力が発生し、基板の破損が発生する可能性がある。また、テーパー状の基板保持部材では、徐々に上下の間隙が狭くなっていくことによって水平方向の基板の移動を規制しているが、テーパー部により形成されるくさび状の間隙に、基板が挟まれることにより基板が固定され、振動発生時に応力が集中し、基板の破損が発生したりする可能性がある。
本発明の基板保持部材は、前記基板を固定することなく、水平方向および鉛直方向に前記基板の可動域を確保するとともに、前記可動域を制限し、安定に前記基板を保持するものである。本発明の前記基板保持部材により保持される前記基板は、固定されていないため、保管または搬送時の振動等が発生した場合に、固定されていれば発生する固定部への応力が発生せず、前記基板の破損の防止が可能となる。
本発明の基板保持部材は、移動規制部とよぶ基板と平行方向の振動が発生した時に前記基板と接触する部位、および振動制御部とよぶ基板に鉛直方向の振動が発生した時に前記基板と接触する部位を有している。前記移動規制部および前記振動制御部が、基板の移動または基板の振動が発生した時に、前記基板の可動域を制限するものである。
さらに、基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、第1の基板保持部材の前記移動規制面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部の平坦な下面の端部との距離を規定し、振動発生時に、一般的に基板の外周に位置する非機能部とよぶ機能性表面加工が施されていない機能を持たない領域のみと接触するように設計することにより、振動等が発生した時でも、基板の機能を損なう可能性が少なく、破損、汚れを防止した安定的な前記基板を保管または搬送が可能となる。
図1(a)、図1(b)は、本発明の基板保持部材の実施の形態の1例の概略図で、図1(c)は、図1(a)および図1(b)の本発明の基板保持部材を有する基板用トレイを上方から見た平面図の概略図である。 図2(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を有する基板用トレイに基板を積載し、多段に重ねて前記基板を保持している概略図である。 図3(a)は、本発明の基板保持部材の概略図、図3(b)は、本発明の基板保持部材が基板用トレイに固定されて入る様子を、図3(a)のB方向より見た断面図の概略図である。 図4(a)は、本発明の基板保持部材を有する基板用トレイが積層されている概略図である。図4(b)は、本発明の基板保持部材の寸法の概略図である。 図5(a)〜図5(d)は、本発明の溝が形成された基板保持部材を図3(a)のA方向より見た一例の概略図である。 図6(a)〜図6(d)は、本発明の溝が形成された基板保持部材を図3(a)のA方向より見た一例の概略図である。 図5は、本発明の基板保持部材の着脱可能な様子を示した概略図である。 図8(a)、図8(b)は、基板支持部に固定されている本発明の基板保持部材を、基板用トレイの内側から見た概略図である。 図9(a)、図9(b)は、基板支持部に固定されている本発明の溝が形成された基板保持部材を、基板用トレイの内側から見た概略図である。 本発明の基板保持部材を、基板支持部へ固定する様子の概略図である。 図11は、斜めに形成された基板支持部に本発明の基板保持部材を固定した基板用トレイが積層され、基板を保持している概略図である。 図12は、本発明の基板保持部材を、基板支持部へ固定する様子の一例の概略図である。 図13は、本発明の基板保持部材を、基板支持部へ固定する様子の一例の概略図である。 図14は、本発明の基板保持部材を、基板支持部へ固定する様子の一例の概略図である。 図15は、本発明の基板保持部材を、基板支持部へ固定する様子の一例の概略図である。
以下、本発明の基板保持部材の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本形態の基板保持部材14を有する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略を示す。図1(a)は枠体12の4辺に支持された基板支持部13が、直線状に基板111の端部を支持する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略図である。図1(b)は枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略図である。また、図示はしていないが、基板用トレイ11は、基板111を安定に保持するために、4辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の4辺を支持する基板用トレイ11であってもよい。また、基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませる場合、撓んだ基板支持部13を支持する枠体12は、直線であって前記基板支持部13が鉛直方向下側に撓んだ形状であってもよい。前記撓みの形状は、円弧状でも放物線上でもよく、撓ませた基板111の、端部と中央部の高さの差は基板サイズによって適宜設計される。
図1(c)は、図1(a)および図1(b)の基板用トレイ11を上方から見た平面図の概略図である。なお。図1(a),(b),(c)の概略図には記載されていないが、本形態の基板保持部材14を有する基板用トレイ11は、上下に位置する基板用トレイ11間の相対的な位置関係を一定に保つため、複数枚重ねた時に、上下に位置する基板用トレイ11の相対的な位置関係が一定になるような嵌合機能を有していてもよい。(ここで言う嵌合機能とは、互いにはまり合う機能を備えていることである。)前記嵌合機能は、安定に固定可能で、上下に位置する基板用トレイ11の相対的な位置関係を一定に保つことが出来る形状であれば、どのような形状を有していてもよい。さらに、機械搬送に用いるための取手部等の部位を有していてもよい。
図2(a)、(b)は、前記基板用トレイ11が、搬送および保管のために積層されている概略図である。図2(a)は、4辺が直線状の基板用トレイ11、図2(b)は、枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11を搬送用架台103上に積層している概略図である。本形態の基板保持部材14は、図1に示した基板用トレイ11に固定され、前記基板トレイ11は、図2のように多段に積層して使用される。
図1の基板用トレイ11の枠体12は、搬送または保管時に積層して使用されるため、強度が必要とされ、一般に金属材料が使用される。ガラスファイバー、カーボンファイバーと樹脂により成形した材料を用いてもよいが、積層時または搬送時等に傷が発生しやすく異物発生の要因となるため、金属であることが好ましい。特に、多段積層時の軽量化を図るため、強度、軽量性を兼ね備えたジュラルミン等のアルミ合金を使用するのが好ましい。また、前記枠体12が支持する基板支持部13は、溶接等により前記枠体12と接合させてもよいが、強度、作製のしやすさ等を鑑みて、押し出し成形等により、前記枠体12と同時に作製するのが好ましい。
基板保持部材14は、基板支持部13、特に湾曲した基板支持部へ固定する際に、作製誤差等を吸収するために、可撓性を有していることが重要である。さらに、基板保持部材14が可撓性を有していることにより、使用中の振動等による破損を低減することができる。
基板保持部材14は、成形のしやすさ、振動の緩衝材としての機能、異物発生の少なさ、傷付き防止、および基板111への汚染防止等を考慮して、熱可塑性樹脂が用いられる。前記基板保持部材14が熱可塑性樹脂で形成されていることにより、前記基板保持部材14が射出成形での成形が可能となり、切削加工で前記基板保持部材14を作製する方法と比較して、多大な費用をかけずに多数の前記基板保持部材14を作製することが可能となる。さらに、樹脂製であることにより、前記基板111への傷付きを低減することが可能となる。熱可塑性樹脂の中でも、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン66やナイロン610といったポリアミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミドが望ましい。なお、同様の機能を有すれば、基板保持部材14の材質はこれらに限定はされない。また、移動規制部31または振動制御部32を着脱可能に作製する場合、移動規制部31および振動制御部32を形成する材料は、前記熱可塑性樹脂だけでなく、切削加工による成形が可能なUPE(超高分子量ポリエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、MCナイロン、POM(ポリアセタール、アセタール樹脂)、フェノール樹脂等のエンジニアリングプラスチックを使用しても良い。移動規制部31および振動制御部32を形成する材料として、切削加工適性および柔軟性を検討した結果、UPE(超高分子量ポリエチレン)が好ましいことを確認した。なお、同様の機能を有すれば、移動規制部31および振動制御部32の材質はこれらに限定はされない。
図3(a)は、本形態の基板保持部材の概略図である。図3(a)に示すとおり、本形態の基板保持部材14は、基板保持部14aと、基板規制部14bと、前記保持部14aの上面に固定された移動規制部31と、前記基板規制部14bの下面に固定された振動制御部32を備えている。前記基板保持部14aの上面が平坦であることにより、保持される基板111への前記基板保持部材14の材料の転写の防止および前記基板保持部材14により保持される基板111への傷の防止が可能となる。また、前記基板規制部14bの下面が平坦であることにより、多段に重ねて使用した時、基板振動発生等による保持される基板111と前記基板規制部14bの下面との接触を低減させることが可能となり、前記基板保持部材14による保持される基板111への傷つきを低減することが可能となる。
図3(a)に示すように、基板保持部14aの上面に固定された移動規制部31は、基板保持部の平坦な上面と垂直な平面である移動規制面35を有している。前記基板保持部材14は、前記移動規制面35と、保持される基板111の端面とが平行になるように、基板用トレイに固定することが好ましい。前記移動規制面35は、移動規制部31の枠内側に形成された平面であり、振動等により基板111に水平方向の移動が発生した時に、前記基板111の端面と接触し、可動域を制限する。保持される基板111に水平方向の移動が発生し前記移動規制面35と前記基板111が接触した時に、前記移動規制面35が平面であること、および前記移動規制面35が保持される基板111の端面と平行になるように基板用トレイに固定されていることにより、点で接触するのではなく線で接触もしくは面で接触することになる。このことにより、接触時の応力集中を防止することが可能となり、基板の破損を防止することが可能となる。また、前記移動規制部31は、図3に示すように直方体が好ましいが、前記移動規制面35を有していれば良く、直方体に限定するものではない。さらに、前記移動規制部31の上面は、基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて使用する時に、その上段の基板保持部材14との接触を安定に避けるため、また、より高密度に基板用トレイを積載するために、平坦であることが好ましい。基板保持部材同士の接触は、異物発生の原因となり、基板への異物付着の原因となるためである。
図3(b)は、本形態の基板保持部材が基板用トレイに固定されて入る様子を、図3(a)のB方向より見た断面図の概略図である。図3(b)に示すように、前記振動制御部32は、振動制御部の平坦な下面38を有している。保持される基板111に鉛直方向の移動が発生し前記振動制御部32と前記基板111が接触した時に、振動制御部32の下面が平坦であることにより、点接触ではなく線接触点で接触するのではなく線で接触もしくは面で接触することになる。このことにより、接触時の応力集中を防止することが可能となり、基板の破損、異物発生、および保持部材の材料の転写による汚れ等を抑制することが可能となる。前記平坦な下面は、前記基板規制部の平坦な下面37と平行に形成されていても良く、前記振動制御部32の厚さが、前記基板規制部14bが固定された前記枠体13の内側へ向かって厚さが減少するように斜めに形成されていても良い。
前記移動規制部31の移動規制面35に垂直な方向をX方向とした時に、少なくとも前記振動制御部のX方向側の1辺が、厚さが減少する厚さ変化部を有していてもよい。前記振動制御部の厚さ変化部39は、断面が、例えば円弧状または楕円弧状のように、外側に凸の角部を有することなく、前記振動制御部32の厚みをゼロにする部位である。前記振動制御部の厚さ変化部39は、保持される基板111に鉛直方向の移動が発生し前記振動制御部32と前記基板111が接触した時に、前記振動制御部32の角部と接触を防止するものであり、角部に接触し応力が集中することによる基板の破損を抑制することが可能となる。また、前記厚さ変化部39は、たとえば図3(a)には、振動制御部32のX方向側に形成しているが、X方向側だけではなく、その他の方向の辺に前記厚さ変化部39を設けることも、角部に接触し応力が集中することによる基板の破損を抑制するためには有効である。
図4(a)は、本形態の基板保持部材を有する基板用トレイが積層され、基板を保持している様子の断面の概略図である。図4(a)および図11に示すように、基板保持部14aの平坦な上面36の上に基板111が載せられた基板用トレイ11が重ねられて、保管または搬送に供せられる。基板111を載せた基板用トレイは、図2のように、多段に重ねて使用される。
図4(a)は、基板支持部13が水平に形成される図1(a)のA―A’断面、B―B’断面、および図1(b)のC―C’断面の様子を示している。図11は、基板支持部13が斜めに形成される図1(b)のD―D’の様子断面を示している。前記基板制御部は、図4(a)および図11に示すように、それぞれ基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねたときに、前記移動規制部の移動規制面35に垂直な方向をX方向として、下側に位置する第1の基板保持部材14の移動規制面35よりX方向側に、その直上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部32が位置するよう、基板保持部材14は設計、作製される。これにより、前記基板用トレイ11を多段に重ねた時に、上下に位置する前記基板保持部材14同士が接触することを防止し、異物発生等を抑制し、基板への異物付着を抑制することができる。また、記基板保持部材14は、前記基板111を固定することなく水平方向および鉛直方向に前記基板111の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制し、安定に前記基板111を保持することが可能となる。
図4(a)で示すように、基板支持部13が水平に形成される場合は、基板保持部材14の作製時に、移動規制面35の延長面E−E’よりX方向側に振動制御部32が位置するよう作製する。図11で示すように基板支持部13が斜めに形成される場合は、移動規制面35の延長面F−F’と振動制御部32との間隔は、前記基板支持部が形成される角度に応じて、設計、作製する。
移動規制面35の延長面よりX方向側に固定されることにより、本形態の基板保持部材14を有する基板用トレイ11を積層して使用する際、下側に位置する基板保持部材14の移動規制部31と、その直上に位置する基板保持部材14の振動制御部32が接触することを防止することが可能となり、基板保持部材同士の接触による異物発生を防止することができる。異物は基板へ悪影響を与えるため、異物発生の防止は重要である。
図4(b)は、本形態の基板保持部材の寸法の概略図である。図4(b)に図示されるように、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、前記基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、前記基板保持部材の移動制御部の上面と、の間隔をb、前記基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、前記基板保持部材の振動制御部の下面と、の間隔をc、保持される基板の厚さをd、
とした時に、
b<a、b+c>a−d、a−c>d
なる関係を全て満たすように、前記基板保持部、前記移動規制部、前記基板規制部、前記振動制御部が形成することにより、上下に位置する前記基板保持部材14同士の接触を防止し、接触時に発生する異物の発生が抑制され、保持される基板111への異物による汚染を防止することが可能となる。さらに、接触による前記基板保持部材14の変形が抑制され、変形部への基板の挟み込み等による基板の損傷を防止することが可能となる。
b<aの関係により、多段に重ねた状態で下側に位置する第1の基板用トレイ11の基板保持部材14の移動規制部31と、その直上に位置する前記第2の基板用トレイの基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面37と、が接触することがなく、異物の発生等を抑制することが可能となる。
b+c>a−dの関係により、下多段に重ねた状態で下側に位置する第1の基板用トレイ11の基板保持部材14の移動規制部31と、その直上に位置する前記第2の基板保持部材14の振動制御部32と、の間隔が、保持される基板111の厚さより小さくなることから、前記間隔に保持される基板が挟み込まれることを容易に防止でき、基板111の破損防止効果が向上する。前記間隔に保持される基板が挟み込まれることをより確実に防止するためには、b+c>aなる関係になるよう前記基板保持部材14を設計、作製することがより好ましい。
a−c>dの位置関係により、振動が発生していない通常時、前記振動制御部32と前記基板111は接触しないため、接触による基板111の汚染および傷つきの防止を低減することが可能となる。
前記a、b、c、dの数値は、多段に重ねた基板用トレイ11の間隔、基板支持部の厚さ等により適宜設計される。
前記基板保持部材14は、前記基板用トレイ11の対向する2辺の前記基板支持部13に固定された基板保持部材14の移動規制面35間の距離が、保持される基板111の幅より大きくなるよう、基板用トレイ11に固定される。このように固定されることにより、水平方向においても、基板111を固定することなく、可動領域を有した状態で基板用トレイ11上に保持することが可能となる。前記基板支持部材13の辺が湾曲して形成されている場合には、前記基板用トレイ11の対向する2辺の前記基板支持部13に固定された基板保持部材14の移動規制面35間の距離は、湾曲に沿って計算する。
前記移動規制面35は、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて保管または搬送する時の振動で、保持される基板111に水平方向の移動が発生した時に、前記保持される基板111の端面と接触し、保持される基板111の水平方向の移動を規制するものであり、前記移動規制面35と、前記保持される基板111の端面との接触時に発生する応力を極力低減するため、点接触より線接触、線接触よりは面接触させることが好ましく、前記移動規制面35は、前記基板保持部14aと垂直に形成することが好ましい。前記移動規制面35が、保持される基板111の端面と平行になるよう基板支持部13へ固定されることにより、保持される基板111の端面と面接触が可能となり、応力集中による基板111の損傷の可能性を低減することができる。なお、本明細書では、本明細書でいう「垂直」とは目視でほぼ垂直、「平行」とは目視でほぼ平行、および「鉛直」とは目視でほぼ鉛直という程度で使用している。
また、前記振動制御部32は、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて保管または搬送する時の振動で、保持される基板111に鉛直方向の移動が発生した時のみ、前記保持される基板111と接触し、保持される基板111の鉛直方向の移動、振動を規制するものである。前記保持される基板111を自由に振動させずに、前記振動制御部32により、保持される基板111の端部の上下方向の移動、振動を規制し、前記基板111全体の振動を制御することが可能となり、基板111の破損防止効果が向上する。また、振動が発生していない通常時、前記振動規制部32と前記基板111は接触していないため、接触による基板111の汚染および傷つきを低減することが可能となる。
一般的に、表面に機能層を備えた板状物からなる基板は、基板の一方の面に加工が施される。本形態の基板用トレイは、加工が施され面を上側にして、加工された基板を保管または搬送、または、未加工の基板を保管または搬送するものである。加工された基板は、一般的に中央よりに機能部を有し、端部は非機能部となっている。
前述のような、中央よりに機能部を有するとともに端部に非機能部を有する基板を、保管または搬送する場合、機能部を傷および汚れ等から保護する必要がある。本形態においては、図4(a)、図11に示すように、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材14の前記移動規制面35と、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部の平坦な下面38のX方向の端部と、の距離41が、保持される基板111の外周に位置する非機能部の幅81より小さくなるように、前記基板保持部材14を設計、作製し、前記基板支持部13に固定することにより、中央よりに機能部を有するとともに端部に非機能部を有する基板の機能部を傷および汚れ等から保護することを可能にしている。
基板保持部材14が前述のような構造をとることで、前記基板用トレイ11を用いて基板111を保管または搬送する場合に、鉛直方向の振動で前記振動制御部32と前記保持される基板111との接触が発生した時でも、前記表面加工された保持される基板111の機能部112と前記振動制御部32の接触を避けることが可能となり、機能部112への傷および汚れ等の発生等防止が可能となる。
図12〜図15は、本形態の基板保持部材14の基板トレイ11への固定方法の1例の概略図である。図12は、前記基板保持部材14を、位置決め機能を兼ね備えた嵌合部123を形成した移動制御部31を有する基板保持部14aを基板支持部13の上側から、位置決め機能を兼ね備えた嵌合部123を形成した振動制御部32を有する基板規制部14bを下側から嵌合させて、前記基板支持部13に形成した開口部へ固定する方法の概略図である。位置決め機能を兼ね備えた嵌合部123は、図10(b)のように、位置決め部124、嵌合部123が分かれて形成されていても良い。図13は、嵌合部123を形成した移動制御部31を有する基板保持部14aと、嵌合部123を形成した振動制御部32を有する基板規制部14bとを、可撓性を持つヒンジ部を介して一体成形した前記基板保持部材14を、前記基板支持部13に形成した開口部へ、前記ヒンジ部を折り曲げて上下より嵌合させて固定する方法の概略図である。図14は、基板制御部31を有する基板保持部14aと、振動制御部32を有する基板規制部14bとを備えた基板保持部材14を一体成形し、前記基板支持部13の開口部へはめ込み、固定する方法の概略図である。図14に示されるように、はめ込みのための溝が前記基板保持部材14の周囲に形成されている。図15は、一体成形した前記基板保持部材14を、前記基板支持部13の切り欠き部へ挿入し、固定する方法の概略図である。図15に示されるように、はめ込みのための溝が前記基板保持部材14の周囲に形成されている。
また、図に示していないが、前記基板保持部14aと、基板規制部14bと振動制御部40を備えた部材とを、前記基板支持部13へ、接着剤等を使用して貼り付けてもよい。また、位置精度を出すために、前記基板支持部13へざぐりを形成し、接着剤等を使用して貼り付けてもよい。基板保持部材14の基板支持部13への固定方法は、位置精度、固定強度が満たされていればよく、前述した方法に限るものではない。
本形態の基板保持部材14は、図8および図9に示すように、前記基板保持部材14が固定される基板支持部13が平面であれば平面に、湾曲面であれば湾曲面に、前記基板支持部13の形状に沿って固定される。前記基板111の大型化に伴い、前記基板111の安定な保管または搬送をおこなうため、少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111を下側から保持する基板用トレイ11が多く使用されている。基板保持部材14が前記基板支持部13の形状に沿って固定されることにより、湾曲させた状態で前記基板111を下側から保持する基板用トレイ11での基板保持部材14の使用が可能となる。また、前記固定をおこなう際、基板保持部材14並びに前記基板支持部13の作製誤差等による隙間が生じる場合があり、このような作製誤差等を吸収するために前記基板保持部材14は可撓性を有していることが重要である。また、前記基板保持部材14の可撓性は、固定後の枠体12もしくは基板支持部13の振動、経時変化等による変形が発生した場合に、前記基板保持部材14に応力がかかり破損したり固定部が外れたりすることを防止するのに有効である。
また、本形態の基板保持部材14には、前記移動規制面35に垂直なX方向の溝101が形成されていても良い。前記溝101は、前記基板保持部材14の、前記移動規制面35と前記基板保持部の平坦な上面36とに平行な方向(図3(a)のB方向)の可撓性を向上させる。前記溝101により基板保持部材14の可撓性が向上することにより、前記基板111の保管または搬送時の振動に対する前記基板保持部材14の耐久性および固定の安定性がより向上する。さらには、図9(b)に示すように、少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11の湾曲した基板支持部13へ固定する前記基板保持部材14については、可撓性が向上していることにより、基板保持部材14の基板支持部13への固定時の容易さが向上する。
前記溝101の形状は、適宜設計可能であるが、振動等の応力、湾曲部への固定による応力等に対応するため、応力が集中する角部を持たない形状、特に前記溝101の底部は、角部を持たない形状に形成されていることが好ましい。さらに、前記溝101の底部は、円弧状に形成されていることがより好ましい。これは、角部を有すると、基板保持部材14に振動等による応力が発生した時に、応力集中が発生し、破損の原因となる可能性があるからである。角部を持たない、より好ましくは円弧状に形成されていることにより、応力が発生しても破損しにくい基板保持部材14を作製することができる。前記溝101のサイズに関しては、材料の強度、可撓性等を考慮して、適宜決定する。
前記溝101が形成されている一例を、図5(a)〜図5(d)および図6(a)〜図6(b)に示す。
前記溝101は、振動制御部に形成されていてもよく、振動制御部32と基板規制部14bにまたがって形成されていてもよい。
前記溝101は、移動制御部31に形成されていてもよく、移動制御部31と基板保持部14aとにまたがって形成されていても良い。
このように、各部材間にまたがって溝101が形成されることにより、前記基板保持部材14の可撓性がさらに向上し、前記基板111の保管または搬送時の振動に対する前記基板保持部材14の耐久性および固定の安定性をさらに向上させるものである。
また、図中に明示していないが、本形態の基板保持部材14は、保持される基材111の傷、破損等を防止するため、外側に凸形状を持つ部分は全て円弧状に面取りされた形状を持っていることが好ましい。面取りのサイズは適宜設計されるが、R0.5〜R3程度が好ましい。
本形態の基板保持部材14は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板111を、前記基板111の下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板111を保管または搬送する基板用トレイ11において、前記基板用トレイ11の枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され前記基板111を下面から保持するものであり、前記基板保持部材14は、前記基板111を固定することなく水平方向および鉛直方向に前記基板111の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制することにより、安定に前記基板111を保持するものである。本方法により基板111を保持することにより基板111の移動に自由度ができる。この自由度により、基板111を固定して搬送および保管等をおこなう時と比較して、振動の発生時等に基板固定部に応力の集中が発生することを防止することができるため、基板111の破損の防止が可能となる。
前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、前記基板111の可動域を確保するとともに可動域を規制するためには、基板用トレイ11の一対の対向する2辺に固定された対向する前記基板保持部材14において、一方の基板保持部材14の移動規制面35と他方の基板保持部材14の移動規制面35との距離が保持される基板111の幅より大きくなるように、前記基板保持部材14は前記基板支持部13に固定される。前記距離は、保持される基板111のサイズにより適宜設計される。前記距離は、“前記基板111の幅+下側に位置する第1の基板保持部材の前記移動規制面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部の平坦な下面のX方向の端部と、の距離以下”となるよう設計されることが好ましい。このように設計されることにより、基板111の移動が発生したときに前記基板111が振動制御部の平坦な下面38から外れることなく、安定な基板の保持が可能となる。また、前記基板111を湾曲させて曲線状に保持する場合、前記距離は、直線距離ではなく、保持される基板111の湾曲に沿った曲線状の距離となる。上述のように、対向する前記基板保持部材14の移動規制面35間の距離は、保持される基板111のサイズに依存する。
一方、前記基板111のサイズに変更が生じた場合や、前記移動規制部31または前記振動制御部32に傷つき等による交換の必要が発生した場合に、前記移動規制部31と前記基板保持部14aとが一体成形、または前記振動制御部32と前記基板規制部14bとが一体成形されていると、一体成形された前記移動規制部31と前記基板保持部14a、または一体成形された前記振動制御部32と前記基板規制部14bの新規作成もしくは交換が必要となる。このため、交換に要する時間および費用等のコストが増大する。図7に例を示すように、前記移動規制部31および前記振動制御部32を着脱可能な形で前記基板保持部材14を作製することにより、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換することだけで、基板サイズ変更への用意に対応することが可能となり、交換に要する時間および費用等のコストの大幅な削減が可能となる。図5(a)は、移動規制部31と基板保持部14aとを一体成形し、振動制御部32を着脱可能に作成した本形態の基板保持部材の一例である。図5(b)は、振動制御部32と基板規制部14bを一体成形し、移動規制部31を着脱可能に作成した本形態の基板保持部材の一例である。図5(b)は、移動規制部31と振動制御部32とを着脱可能に作成した本形態の基板保持部材の一例である。
移動規制部31および振動制御部32を着脱可能に固定する方法は、ねじ等の固定具を用いる方法、または嵌合による方法等、適宜設計可能である。基板111との接触時の応力等を考慮すると、ねじ等の固定具を用いる方法が好ましい。特に、ねじ等の固定具を用いた場合、基板サイズ変更に対して、移動規制部31および振動制御部32を交換で対応することなく、固定穴(例えばねじであればねじ穴)の位置を変更することにより対応することが可能となる。交換に対応する為、固定穴を作成当初より複数設けておく、交換が必要になった段階で新たな固定穴を形成する等の対応が可能である。固定穴の位置変更により対応することにより、前記移動規制部31および前記振動制御部32の新規作成が不要となる。このように、前記移動規制部31および前記振動制御部32が着脱可能に作製されていることにより、基板サイズの変更への対応が容易となる。
図10は、前記基板保持部材14が、基板保持部14a、移動規制部31、基板規制部14b、および振動制御部32に分割して形成され、固定される概略図である。図10(a)に示すように、移動規制部31が固定された基板保持部14a、が基板支持部13の上面から固定され、前記振動制御部32が固定された前記基板規制部14bが基板支持部13の下面から固定される。図10(a)には記載していないが、前記基板保持部14aと前記基板規制部14bは、図10(b)に示すように嵌合部123、位置決め部124を有し、前記嵌合部123と前記位置決め部124により、基板支持部13へ固定される。前記嵌合部123が前記位置決め部124を兼ねていてもよい。前記位置決め部124と前記位置決め部124の形状は、前記基板支持部へ安定して固定できれば良く、適宜設計される。
また、本形態の基板保持部材14は、前記枠体12の少なくとも一対の対向する2辺に固定された前記基板支持部13に取り付けられていればよいが、基板の安定保持のためには4辺に固定されていることが好ましい。さらに、1辺に対して、保持される基板111に対応した大きさの前記基板保持部材14が少なくとも一つ取り付けられていればよい。また、前記基板保持部材14は、前記枠体12の1辺に対して、間隔をおいて複数個取り付けられていてもよい。前記基板保持部材14が間隔をおいて複数個取り付けられていることにより、前記基板保持部材14の大きさが小さくなり、前記基板保持部材14の製造が容易になるとともに、前記基板保持部材14に傷が発生する等で交換が必要になった場合に、必要に応じて問題が発生したもののみ交換することで対応が可能となる。
また、保持する基板111のサイズが小さいサイズに変更になった時に、前記基板保持部材14が間隔をおいて複数個取り付けられている場合は、全ての前記基板保持部材14を交換しても良いが、一部の交換のみでも対応が可能である。例えば、各辺に7個の基板保持部材14が取り付けられている場合、各辺の両端の基板保持部材を基板サイズの変更に合わせた形状に設計し、新たな基板保持部材に交換することで安定した基板の保管または搬送が可能となる。各辺の両端だけでなく、各辺の両端と中央の基板保持部材を交換してもよい。前記基板保持部材14の前記移動規制部31および前記振動制御部32が可能に作製されていれば、保持する基板111のサイズが小さいサイズに変更になった時、基板保持部材14全体を交換することなく、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換する、もしくは着脱可能な前記移動規制部31および前記振動制御部32の固定位置を変更することで対応が可能となる。例えば、各辺の両端、または各辺の両端と中央の基板保持部材14の前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換することでも対応が可能である。このように、一部の基板保持部材14を交換することで基板サイズの変更に対応する場合、基板保持部材14を基板支持部13へ最初に固定する時に、交換が予定される基板保持部材14、例えば各辺の両端、または各辺の両端と中央の基板保持部材14だけ、前記移動規制部31および前記振動制御部32を着脱可能に作製した基板保持部材14を固定し、その他の基板保持部材14に前記移動規制部31および前記振動制御部32が一体成形されて着脱できない基板保持部材14を固定してもよい。このように、交換が必要な基板保持部材14の数を減らすことにより、交換作業の大幅な効率化が可能となる。
前記基板保持部材14のサイズ、取付け間隔は、基板サイズにより適宜設計される。作製の容易さ、交換の容易さ等を考慮すると、前記基板保持部材14のサイズは、前記移動規制面35と前記基板保持部の平坦な上面36と平行な方向(図3(a)矢印B方向)の幅は15cm−30cm程度、移動規制面35と垂直の幅は3cm−15cm程度が好ましい。取付け間隔は、保持される基板111のサイズおよび前記基板保持部材14のサイズより、適宜設計されるが、基板保持部材14との接触面積を増加させ、安定した保管または搬送をおこなうためには、隣り合った基板保持部材14が接触することを避けられる範囲で設計する。例えば、液晶用のG6サイズの基板(1,500mm×1,800mm)用の基板用トレイ11の場合、長辺側は8個程度、短辺側は7個程度で設計するのが好ましい。
さらに、前記基板用トレイ11の、4辺のうち一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11を使用する場合、溝101が形成されていない基板保持部材14を一対の対向する直線状の2辺の枠体12に固定し、溝101が形成された基板保持部材14を、一対の対向する湾曲させた2辺の枠体12に固定してもよい。
基板サイズの変更への対応に関して、本形態の、前記移動規制部31および前記振動制御部32が着脱可能に作製されている基板保持部材を用いることにより、前記基板保持部材14を新規に作製することなく、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換することで、基板サイズの変更に対応することが可能であり、新規に基板保持部材14を作製しなくて良いので、費用の大幅な削減が可能となる。
本形態の基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を使用することにより、トレイのコンパクト化が可能となる。また、表示パネル用のカラーフィルター形成基板、または前記カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板の保管または搬送をおこなうことにより、これらの基板の汚れおよび傷付き等を防止した保管または搬送が可能となる。
本発明の実施例を以下に説明する。
・第1の実施例
液晶用G6サイズ基板(1850mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1820mm×1470mm)用の基板用トレイ11を作製し、搬送・保管テストをおこなった。前記基板保持部材14は、長辺側は8個、短辺側は7個配置した。
枠体12は、長辺側の2辺を直線状に、短辺側を曲率半径3000mmになるように鉛直下側へ撓ませて作製した。枠体12の鉛直方向の幅は10mmになるよう作製した。また、枠体12には、前記基板用トレイ11を上下に多数積層したときに、積層されたそれぞれの前記基板用トレイ11が、上面から見て同じ位置になるように嵌合部123を設けるとともに、機械搬送用の取手を設けた。基板支持部13の厚さは2mmで、前記枠体12に沿って形成した。前記枠体12に支持された基板支持部13に、基板保持部材14固定用の開口部を長辺側8箇所、短辺側7箇所を切削加工により形成した。
図10に示すように、基板保持部材14は、基板保持部14a、溝101を形成した移動規制部31、基板規制部14b、溝を形成した振動制御部32に分割して作製したものを使用して、基板用トレイ11に固定した。
前記基板保持部14aおよび前記基板規制部14bは、材料にポリプロピレンを用いて、それぞれ射出成形法により別途成形した。また、前記基板保持部14aおよび前記基板規制部14bは、図10(b)に示すとおり、前記基板支持部13への取り付け時に対向する面に、嵌合部123および前記基板支持部13の開口形状に合わせた位置決め部124を形成されている。
前記移動規制部31と前記振動制御部32は、材料にUPE(超高分子量ポリエチレン)を用い、切削加工により作製した。前記移動規制部31と前記振動制御部32には、それぞれU字型の溝101とねじ穴を形成した。図10に示すように、前記基板保持部14aと前記移動規制部31とをねじにより固定し、前記基板規制部14bと前記振動制御部32とをねじにより固定し、さらに前記嵌合部123および前記位置決め部124に使用して、前記移動規制部31を固定した前記基板保持部14aと、前記振動制御部32を固定した前記基板規制部14bとを前記基板支持部13の開口部へ固定した。
前記基板保持部材14は、前記基板保持部の平坦な上面は、移動規制面35と垂直な方向を50mm、もう一方が180mmとなる長方形になるように形成した。前記長方形は、角部をR8となるように形成した。前記基板保持部材14が固定される前記基板用トレイ11を多段に積層したとき、下側に位置する第1の基板保持部材14の基板保持部14aの平坦な上面36と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の基板規制部14bの平坦な下面37と、の間隔(図4(b)のa)が4.8mmになるように前記基板保持部14aおよび前記基板規制部14bの厚さを設計し、前記基板保持部材14を形成した。前記基板保持部の平坦な上面36と前記基板保持部材の移動制御部の上面との間隔(図4(b)のb)を4.2mm、前記基板規制部の平坦な下面37と前記振動制御部32の平坦な下面との間隔(図4(b)のc)を2.6mm、また、下側に位置する第1の基板保持部材の前記移動規制面とその直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部の平坦な下面のX方向の端部との距離が9mmになるよう、基板保持部材14を形成した。溝101は、前記移動規制部31と前記振動制御部32に形成した。前記移動規制部31には、幅2mm、深さ3mm、円弧の半径は1mmの溝を形成した。また、前記振動制御部32に溝は、幅2mm、深さ1mm、円弧の半径は1mmの溝を形成した。振動制御部の厚さ変化部39は半径2.6mmの外側に凸の曲面になるよう前記振動制御部40を作製した。
基板用トレイ11の一対の対向する2辺に固定された対向する前記基板保持部材14は、G6サイズの基板(1850mm×1500mm)に対応するため、一方の基板保持部材14の移動規制面35と他方の移動規制面35との距離がそれぞれ1855mm、1505mmとなるよう前記基板保持部材14を前記基板用トレイ11に固定した。
前記底部が円弧状に形成されている溝101により、湾曲部への取り付けも安定しておこなうことが出来た。
上述の前記基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を用いて、前記液晶用G6サイズ基板の保管および搬送テストをおこなった結果、保管および搬送テスト中の振動に対して、および枠体12、基板支持部13の応力等による変形に対して、前記基板保持部材14の脱落、破損、および基板の汚染、破損等のトラブルが発生することなく、安定に保管および搬送が可能なことを確認できた。
・第2の実施例
液晶用G6サイズ基板(1850mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1820mm×1470mm)を、新規液晶用基板(1800mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1770mm×1470mm)に変更するため、前記基板用トレイ11の短辺側に配置された前記基板保持部材14を下記のように交換し、搬送・保管テストをおこなった。
第1の実施例の基板用トレイを、前記新規液晶用基板(1800mm×1500mm×0.7mmt)に対応するため、前記基板用トレイ11の一対の対向する短辺にそれぞれ配置された7個の基板保持部材14に関して、
(1)各辺全ての基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32を交換し、基板サイズ変更に対応
(2)各辺全ての基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32のねじ穴の位置を変更し取り付け位置の変更を行い、基板サイズ変更に対応
(3)各辺に固定された基板保持部材14うち、両端の2個と中間に位置する1個の基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32を交換し、基板サイズ変更に対応
(4)各辺に固定された基板保持部材14うち、両端の2個と中間に位置する1個の基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32のねじ穴の位置を変更し取り付け位置の変更を行い、基板サイズ変更に対応
(5)7個の基板保持部材14うち、両端の2個の基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32を交換し、基板サイズ変更に対応
(6)7個の基板保持部材14うち、両端の2個の基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32のねじ穴の位置を変更し取り付け位置の変更を行い、基板サイズ変更に対応して基板用トレイ11を準備して、搬送・保管テストをおこなった。それぞれ、前記新規液晶用基板に対応するため、相対する2辺の移動規制面35間の距離を、長辺側が1805mm、短辺側が1505mmとなるような変更をおこなった。
上述の(1)から(8)の基板用トレイ11を用いて、新規液晶用基板(1800mm×1500mm×0.7mmt)の保管および搬送テストをおこなった結果、保管および搬送テスト中の振動に対して、および枠体12、基板支持部13の応力等による変形に対して、前記基板保持部材14の脱落および破損、基板の汚染および破損等のトラブルが発生することなく、安定に保管および搬送が可能なことを確認できた。
本発明は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板の面方向を水平方向として、前記基板を、その上側に載せて水平に支持するトレイであり、平面型ディスプレイパネル用の板状の各種材料(例えば、ガラスやプラスチックなど)ないし部材、あるいは、金属、レアメタル、シリコンなどの板状物からなる基板や、それらに処理を施した板状の処理部材の、搬送、保管に利用可能である。
11 基板用トレイ
12 枠体
13 基板支持部
14 基板保持部材
14a 基板保持部
14b 基板規制部
31 移動規制部
32 振動制御部
35 移動規制面
36 基板保持部の平坦な上面
37 基板規制部の平坦な下面
38 振動制御部の平坦な下面
39 振動制御部の厚さ変化部
81 非機能部の幅
101 溝
103 搬送用架台
111 基板
112 機能部
123 嵌合部
124 位置決め部

Claims (23)

  1. 四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管または搬送する基板用トレイにおいて、
    前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板を下面から保持する基板保持部材であって、
    前記基板保持部材は、少なくとも、基板保持部、移動規制部、基板規制部、振動制御部を備え、
    前記基板保持部は、その上に基板を保持する平坦な上面を有し、前記基板支持部の上面より突出して固定され、
    前記基板保持部は、前記基板保持部の上面に前記移動規制部を有し、
    前記移動規制部は、保持する基板の水平方向の移動を規制する、前記基板保持部の平坦な上面と垂直な平面である移動規制面を有し、前記基板用トレイの対向する2辺の前記基板支持部に固定された基板保持部材の移動規制部の前記移動規制面間に基板を保持し、一方の移動規制面と他方の移動規制面との距離が保持される基板の幅より大きくなるように、前記基板保持部材は前記基板支持部に固定され、」
    前記基板規制部は、平坦な下面を有し、前記基板支持部の下面より突出して固定され、
    前記基板規制部は、前記基板規制部の下面に前記振動制御部を有し、
    前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、
    第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、
    前記基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、前記基板保持部材の移動制御部の上面と、の間隔をb、
    前記基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、前記基板保持部材の振動制御部の下面と、の間隔をc、
    保持される基板の厚さをd、
    とした時に、
    b<a、b+c>a−d、a−c>d
    なる関係を全て満たすように、前記基板保持部、前記移動規制部、前記基板規制部、前記振動制御部が形成され、
    前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねたときに、前記移動規制部の移動規制面に垂直な方向をX方向として、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制面よりX方向側に、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部が固定されることを特徴とする基板保持部材。
  2. 請求項1に記載の基板保持部材であって、
    少なくとも前記振動制御部の前記X方向側の1辺が、厚さが減少する厚さ変化部を有していること、
    を特徴とする基板保持部材。
  3. 請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、
    下側に位置する第1の基板保持部材の前記移動規制面と、
    その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部の平坦な下面のX方向の端部との距離が、
    保持される基板の外周に位置する非機能部の幅より小さいことを特徴とする基板保持部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部と前記基板規制部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記移動規制部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記移動規制部と前記基板保持部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、
    前記移動規制部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  9. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、
    前記移動規制部と前記基板保持部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  10. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部と前記基板規制部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、
    前記移動規制部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  11. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部と前記基板規制部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されているとともに、
    前記移動規制部と前記基板保持部にまたがる溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  12. 請求項から請求項11のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記溝の底部が円弧状に形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする基板保持部材。
  14. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記移動規制部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする基板保持部材。
  15. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部が、着脱可能に作製されているとともに、
    前記移動規制部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする基板保持部材。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材が、可撓性を有していることを特徴とする基板保持部材。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材が、熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  18. 基板用トレイであって、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の基板保持部材の前記移動規制面が、保持される基板の端面と平行になるように、前記基板保持部材が固定されることを特徴とする基板用トレイ。
  19. 請求項18に記載の基板用トレイであって、前記基板用トレイの対向する2辺の前記基板支持部に固定された基板保持部材の移動規制面間の距離が、保持される基板の幅より大きくなるように、前記基板保持部材が固定されることを特徴とする基板用トレイ。
  20. 請求項18から請求項19のいずれか1項に記載の基板用トレイであって、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の基板保持部材が、前記基板用トレイの前記基板支持部の形状に沿って固定されていることを特徴とする基板用トレイ。
  21. 請求項18から請求項20のいずれか1項に記載の基板用トレイであって、保持される基板の少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲した状態で、保持することを特徴とする基板用トレイ。
  22. 請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の基板用トレイであって、
    前記基板用トレイの前記枠体の各辺それぞれに、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の基板保持部材が間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする基板用トレイ。
  23. 請求項22に記載の基板用トレイであって、
    前記基板用トレイの前記枠体の4辺のうち少なくとも対向する1対の辺において、1辺に対して複数固定された基板保持部材のうち少なくとも2個以上の基板保持部材が、前記移動規制部および前記振動制御部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする基板用トレイ。
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