JP5899983B2 - 基板保持部材 - Google Patents

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Description

本発明は四角形状で剛性のある板状物からなる基板を、前記基板の下側から水平方向に保持する基板用トレイにおいて、基板の揺動、移動を制御し、傷や汚れを防ぐ、前記基板を保持する基板保持部材に関するものである。
プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネル等のフラットパネル部材といった表面に機能層を備えた板状物からなる基板は、その表面の機能層を損傷したり、汚したりすることなく搬送または保管することが重要である。
従来、こういった基板を搬送、保管する際は、基板を傷や破損から守るため、基板同士が接触しないように所定間隔で並列収納できる、箱形の収納容器を用いていた。
このような中、近年、特に、液晶表示用のフラットパネルにおいては、より大型のカラーフィルター形成基板の製造が要求されており、搬送、保管に対して、更に一層の、搬送効率向上による搬送コスト節減や保管場所の省スペース化が求められている。
しかしながら、上記のような収納容器による搬送では、搬送時の振動により基板が跳
ねやすく、割れや傷が発生しやすい為、トレイの薄型化が非常に困難であった。
基板の割れや傷を防ぎ、基板の汚染を防止し、さらに高密度で搬送、保管を行うために、多くの検討が行われてきている。
たとえば、特開2006−168748号公報(特許文献1)、特開2010−120690号公報(特許文献2)では、基板の動きを抑えるため、当該基板の一層上の枠体に基板押さえ部を形成し、基板保持部材に積載した当該基板上に、基板押さえ部に当接させて、当該基板を保持している。このような手法により、基板の移動を防ぐことが可能となるが、当接部での基板の汚染、傷、搬送時の振動による当接部での応力発生による基板の割れ等の課題があり、安定した基板搬送には至っていない。
また、前記当接部の接触による汚染、傷、割れを防止するために、特開2008−155995号公報(特許文献3)では、基板に振動が発生した時のみ当接するテーパー状の基板移動制限部材を用いることにより、前記当接部の接触による汚染、傷、割れを防止する方法が提示されているが、この方法では、基板の振動発生時に、前記テーパー状の基板移動制限部材が当接する位置が制御できず、基板上に形成された機能層への汚染、傷の発生が懸念されるとともに、基板の水平方向への移動が発生した場合、テーパー部に基板が挟まって、応力により割れが発生するといった懸念もある。
特開2006−168748号公報 特開2010−120690号公報 特開2008−155995号公報
四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板を保持する基板保持部材に関する。特に、自重により撓む、平面型ディスプレイパネル用の板状の各種材料(例えば、ガラスやプラスチックなど)ないし部材、あるいは、金属、レアメタル、シリコンなどの板状物や、それらに処理を施した板状の処理部材の、搬送、保管に適した基板用トレイに関するものであり、損傷したりその表面を汚したりすることなく、輸送及び保管することが可能な基板用トレイに用いる基板保持部材、並びに前記基板保持部材を用いた基板用トレイを提供することを目的とする。
本発明の基板保持部材は、以下の各態様に記載の手段により上記の課題を解決するものである。
本発明の第1の態様は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板の下面の外周部を保持する基板保持部材であって、前記基板保持部材は、少なくとも基板保持部、移動規制部、基板規制部、振動制御部を備え、前記基板保持部は、平坦な上面を有し、前記基板支持部の上面より突出して固定され、さらに、前記基板保持部は、該基板保持部の上面に前記移動規制部を有し、前記移動規制部は、保持される前記基板の端面と平行な枠内側面を有し、前記基板規制部は、平坦な下面を有し、前記基板支持部の下面より突出して固定され、さらに、前記基板規制部は、該基板規制部の下面に振動制御部を有し、前記振動制御部は、前記枠体の内側方向にむかって、肉厚部、平坦な下面を有する肉薄部の順で形成され、前記肉厚部と前記肉薄部との段差壁は、保持される前記基板の端面と平行な平面からなるとともに、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねたときに、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部と、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部とが、干渉しない位置になるよう、前記移動規制部と前記振動制御部が形成され、前記第1の基板保持部材の移動規制部の枠内側面と、前記第2の基板保持部材の振動制御部の前記段差壁の平面が、同一平面上になるよう前記移動規制部と前記振動制御部が形成され、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、前記第2の基板保持部材の振動制御部の肉薄部の平坦な下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をd、保持される基板の厚さをe、とした時に、a−d>eなる関係を満たすように、移動規制部と振動制御部とが形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、請求項1に記載の基板保持部材であって、前記振動制御部は、前記肉薄部の枠内側に、枠内側へ向かって厚さが減少する厚さ変化部をさらに有していることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1ないし第2の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、前記移動規制部の上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面と、の間隔をb、前記第2の基板保持部材の振動制御部の肉厚部の下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をc、前記第2の基板保持部材の振動制御部の肉薄部の平坦な下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をd、保持される基板の厚さをe、とした時に、
b<a、c<a、b+c>a、a−d>e
なる関係を全て満たすように、移動規制部と振動制御部とが形成されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第1ないし第3の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材は、前記基板用トレイの前記基板支持部の形状に沿って固定されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第1ないし第4の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材は、少なくとも一対の対向する2辺、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲している基板用トレイに固定されることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記第1ないし第5の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記肉薄部の平坦な下面の、枠体内側方向の幅が、保持される基板の外周に位置する非機能部の幅より小さいことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、前記第1ないし第6の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記移動規制部および前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、前記第7の態様に記載の基板保持部材であって、前記溝の底部が円弧状に形成されていることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、前記第1ないし第8の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記移動規制部および前記振動制御部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする。
本発明の第10の態様は、前記第1ないし第9の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材が、可撓性を有していることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、前記第1ないし第10の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材であって、前記基板保持部材が、熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする。
本発明の第12の態様は、前記基板用トレイであって、前記第1ないし第11の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材が、前記基板用トレイの前記枠体の少なくとも一対の対向する2辺に、間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする。
本発明の第13の態様は、前記第12の態様に記載の前記基板用トレイであって、前記基板用トレイの前記枠体の少なくとも一対の対向する2辺に複数取り付けられた基板保持部材のうち、少なくとも2個以上の基板保持部材が、前記移動規制部および前記振動制御部を着脱可能に作製されている基板保持部材であることを特徴とする。
本発明の基板保持部材は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板の下面の外周部を保持するものである。
搬送または保管時の振動により、基板は鉛直方向の振動だけではなく、水平方向の移動も発生する。このような移動を防止するために、特開2006−168748号公報(特許文献1)、特許文献2特開2010−120690号公報(特許文献2)、特開2008−155995号公報(特許文献3)では、基板への当接材を使用し固定している、またはテーパー状の基板保持部材の使用により移動を規制している。当接材の使用は、基板の汚れ、傷の原因となるとともに、基板が固定され、固定部に振動発生時の応力が発生することにより、基板の破損が発生する可能性がある。また、テーパー状の基板保持部材では、徐々に上下の間隙が狭くなっていくことにより水平方向の基板の移動が規制されるが、テーパー部により形成される間隙に、基板がくさび状に挟まれることにより基板保持部材が損傷し異物が発生する、さらに、基板が固定され、振動発生時の応力により、基板の破損が発生する等の可能性がある。
本発明の基板保持部材は、前記基板を固定することなく、水平方向及び鉛直方向に前記基板の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制し、安定に前記基板を保持するものである。本発明の前記基板保持部材により保持される前記基板は、固定されていない為、保管、搬送時の振動等が発生した場合に、固定されていれば発生する固定部への応力が発生せず、前記基板の破損の防止が可能となる。
さらに、前記基板保持部材は、振動等が発生した時のみ前記基板と接触する部位(振動制御部)を有しており、通常は基板と接していない。さらに、前記振動制御部の肉薄部の幅を規定し、一般的に、基板の外周に位置する、機能性表面加工が施されていない機能を持たない領域(非機能部)とのみ接触するように設計することにより、振動等が発生した時でも、基板の機能を損なうことなく、破損、汚れを防止した、安定的な前記基板を保管、搬送が可能となる。
図1(a)、図1(b)は、本発明の基板保持部材の実施の形態の1例の概略図で、図1(c)は、図1(a)および図1(b)の本発明の基板保持部材を有する基板用トレイを上方から見た平面図の概略図である。 図2(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を有する基板用トレイに、基板が積載されている概略図である。 図3(a)は、本発明の基板保持部材の概略図、図3(b)は、本発明の基板保持部材を図3(a)のE方向より見た概略図、図3(c)は、本発明の基板保持部材を鉛直上方より見た概略図、図3(d)は、本発明の基板保持部材を図3(a)のF方向より見た概略図である。 図4は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図5は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図6は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図7は、本発明の基板保持部材の、基板用トレイへの取り付け方法の1例の概略図である。 図8(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を有する基板用トレイが積層されている1例の概略図である。 図9(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を、基板用トレイの内側から見た概略図である。 図10(a)は、本発明の溝を有する基板保持部材の概略図、図10(b)は、本発明の溝を有する基板保持部材を図10(a)のF方向より見た概略図、図10(c)は、本発明の基板保持部材を鉛直上方より見た概略図である。 図11(a)、(b)は、本発明の溝を有する基板保持部材を、基板用トレイの内側から見た概略図である。 図12(a)、(b)は、本発明の基板保持部材を、基板支持部へ固定する様子の概略図である。 図13(a)、(b)、(c)は、本発明の基板保持部材を、斜めに形成された基板支持部へ固定する様子の概略図である。
以下、本発明の基板保持部材14の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の基板保持部材14を有する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略を示す。図1(a)は枠体12の4辺に支持された基板支持部13が、直線状に基板111の端部を支持する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略図である。図1(b)は枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の実施の形態の1例の概略図である。また、図示はしていないが、基板用トレイ11は、基板111を安定に保持する為に、4辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の4辺を支持する基板用トレイ11であってもよい。また、基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませる場合、撓んだ基板支持部13を支持する枠体12は、直線であって、前記基板支持部13が鉛直方向下側に撓んだ形状であってもよい。前記撓みの形状は、円弧状でも放物線上でもよく、撓ませた基板111の、端部中央部の高さの差は基板サイズによって適宜設計される。
図1(c)は、図1(a)および図1(b)の基板用トレイ11を上方から見た平面図の概略図である。なお。図1(a),(b),(c)の概略図には記載されていないが、本発明の基板保持部材14を有する基板用トレイ11は、上下に位置する基板用トレイ11間の相対的な位置関係を一定に保つため、複数枚重ねた時に、上下に位置する基板用トレイ11の相対的な位置関係が一定になるような嵌合部123を有していてもよい。嵌合部123の形状は、安定に固定可能で、上下に位置する基板用トレイ11の相対的な位置関係を一定に保つことが出来る形状であれば、どのような形状を有していてもよい。さらに、機械搬送に用いるための取手部等の部位を有していてもよい。
図2(a)、(b)は、前記基板用トレイ11が、輸送及び保管のために積層されている概略図である。図2(a)は、4辺が直線状の基板用トレイ11、図2(b)は、枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11を搬送用架台103上に積層している概略図である。本発明の基板保持部材14は、図1に示した基板用トレイ11に固定され、前記基板トレイ11は、図2のように積層して使用される。
図1の基板用トレイ11の枠体12は、搬送または保管時に多数積層して使用されるため、強度が必要とされ、一般に金属材料が使用される。ガラスファイバー、カーボンファイバーと樹脂により成形した材料を用いてもよいが、積層時、輸送時等に傷が発生しやすく異物問題の要因となる為、金属性であることが好ましい。特に、多層積層時の軽量化を図る為、強度、軽量性を兼ね備えたジュラルミン等のアルミ合金を使用するのが好ましい。また、前記枠体12が支持する基板支持部13は、溶接等により前記枠体12と接合させてもよいが、強度、作製のしやすさ等を鑑みて、押し出し成形等により、前記枠体12と同時に作製するのが好ましい。
基板保持部材14は、成形のしやすさ、振動の緩衝材としての機能、異物発生の少なさ、基板111への汚染等を考慮して、熱可塑性樹脂が用いられる。さらに、熱可塑性樹脂の中でも、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン66やナイロン610といったポリアミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリイミドが望ましい。なお、同様の機能を有すれば、基板保持部材14の材質はこれらに限定はされない。また、移動規制部31および振動制御部32を着脱可能に作製する場合は、前記移動規制部31および前記振動制御部32は、前記熱可塑性樹脂だけでなく、切削加工による成形が可能なUPE(超高分子量ポリエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、MCナイロン、POM(ポリアセタール、アセタール樹脂)、フェノール樹脂等のエンジニアリングプラスチックを使用しても良い。切削加工適性、柔軟性を検討した結果、本発明のUPE(超高分子量ポリエチレン)が好ましいことを確認した。なお、同様の機能を有すれば、移動規制部31および振動制御部32の材質はこれらに限定はされない。
本発明の基板保持部材14は、図3に示すとおり、前記基板保持部材14は、基板保持部14aと、前記基板保持部14aの上面に形成された移動規制部31、及び、基板規制部14bと、前記基板規制部14bの下面に形成された振動制御部を備えている。前記基板保持部材14の上面35が平坦であることにより、保持される基板111への前記基板保持部材14の材料の転写の防止、前記基板保持部材14により保持される基板111への傷の防止が可能となる。また、前記基板保持部材14の下面36が平坦であることにより、多段に重ねて使用した時、基板振動発生時等による保持される基板111と前記基板保持部材14の下面36との接触を低減させることが可能となり、前記基板保持部材14による保持される基板111への傷の防止が可能となる。
前記移動規制部31は、保持される基板111の端面と平行な枠内側面を有している。移動規制部31は、図3のように、直方体が好ましいが、前記枠内側面33を有していれば良く、直方体に限定するものではない。前記移動規制部31の上面は、基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて使用する時に、その上段の基板保持部材14との接触を避ける為、また、より高密度に基板用トレイを積載する為に、平坦であることが好ましい。
前記振動制御部32は、図3(d)に示すように、該基板保持部材14が固定された枠体12の内側方向にむかって、平坦な下面を有する肉厚部37、平坦な下面を有する肉薄部38、厚さ変化部39の順で形成されている。また、前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34は、保持される前記基板111の端面と平行な面からなる。
前記移動規制部31と前記振動制御部32は、図3(c)、図13(b)に示すよう、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねたときに、第1の基板保持部材14の移動規制部と、その上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部がお互いに干渉しない位置になるよう前記移動規制部と前記振動制御部が形成される。
図1(a)に示す、枠体12の4辺に支持された基板支持部13が、直線状に基板111の端部を支持する基板用トレイ11の辺部A-A’、B-B’、及び図1(b)に示す枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の鉛直方向下側に撓ませて基板111を支持する辺部C-C’においては、図3(d)に示すように前記基板支持部13は水平に形成され、前記移動規制部31の枠内側面33と、前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34は、図3(c)のG−G’、図3(d)のH−H’、図8(b)I−I’に示すように同一の平面状に位置するように形成し、前記基板用トレイ11へ固定する。
また、図1(b)に示す枠体12の4辺のうち一方の対向する2辺に固定された基板支持部13が直線状に基板111の両端を支持し、枠体12の4辺のうち他方の対向する2辺に固定された基板支持部13を鉛直方向下側に撓ませて、基板111の両端を支持する基板用トレイ11の直線状に基板111を支持する辺部C-C’においては、図13(a)に示すように前記基板支持部13は斜めになる。この場合、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねたときに、第1の基板保持部材14の移動規制部31と、その上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部32が干渉しない位置になるよう前記移動規制部31と前記振動制御部32が形成されるとともに、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねたときに、前記第1の基板保持部材14の移動規制部の前記枠内側面33と、その上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34が、同一平面上(図13(a)L−L’)になるよう前記移動規制部31の前記枠内側面33と、前記振動制御部32の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34を設計、形成、前記基板用トレイ11への固定を行う。この場合、図3(b)、(c)に示すように、本発明の基板保持部材14の、移動規制部31の前記枠内側面33と、振動制御部32の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34は、ずれた位置にあり、同一平面とはならない。移動規制部31の前記枠内側面33と、振動制御部32の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34の位置関係は、前記基板支持部13の角度により、適宜設計される。
前記移動規制部31の枠内側面33と、前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34は、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて輸送及び保管する時の振動で、保持される基板111に水平方向の移動が発生した時に、前記保持される基板111の端面と接触し、保持される基板111の水平方向の移動を規制するものであり、前記移動規制部31の枠内側面33、および前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34と、前記保持される基板111の端面との接触時に発生する応力を極力低減する為、点接触より線接触、さらには面接触させることが好ましく、前記移動規制部34の枠内側面33および前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34は、該基板保持部材14が固定された枠体12の辺部と平行であるだけでなく、前記保持される基板111の端面とも平行であることが好ましい。
また、前記肉薄部38は、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて輸送及び保管する時の振動で、保持される基板111に鉛直方向の移動が発生した時のみ、前記保持される基板111と接触し、保持される基板111の鉛直方向の移動(振動)を規制するものである。前記保持される基板111を自由に振動させずに、前記肉薄部38により前記保持される基板111の端部の移動(振動)を規制することにより、前記基板111全体の振動を制御することが可能となる。前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて輸送及び保管する時の振動で、前記保持される基板111と接触した時、前記保持される基板111の接触が、点ではなく、線もしくは面で接触できるように前記肉薄部38は、平坦な下面40を有している。点ではなく、線もしくは面で接触することにより、接触時に、前記保持される基板111への応力の分散が可能となり、前記保持される基板111の破損および汚れを抑制することが可能となる。前記平坦な下面40は、前記基板保持部材14の下面36と平行に形成されていても良く、前記肉薄部38の厚さが、該基板保持部材14が固定された前記枠体13の内側へ向かって厚さが減少するように斜めに形成されていても良い。
また、前記肉薄部の平坦な下面40の、該基板保持部材14が固定された前記基板用トレイ11内側の端部は図3(d)に示すように、角部を形成せず、前記端部から、該基板保持部材14が固定された前記枠体の内側へ向かって厚さが減少している厚さ変化部39を有する。前記角部を形成しないことにより、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて輸送及び保管する時の鉛直方向の振動で、前記基板保持部材14の振動制御部32と前記保持される基板111が接触した時、前記基板111に前記基板保持部材14の振動制御部32の角部が衝突することが無くなり、前記保持される基板111への応力の集中を回避でき、前記保持される基板111の破損および汚れを抑制することが可能となる。
また、前記肉厚部37の下面は、基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて使用する時に、その下段の基板保持部材14との接触を避ける為、また、より高密度に基板用トレイを積載する為に、平坦であることが好ましい。
また、図8(b)、図13(a)に示すとおり、本発明の基板保持部材14の前記肉薄部の平坦な下面40の、該基板保持部材14が固定された枠体12の辺部に垂直方向の幅を、表面加工された保持される基板111の外周に位置する非機能部の幅81より小さく作製することにより、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて輸送及び保管する時の鉛直方向の振動で、前記基板保持部材14の振動制御部32と前記保持される基板111が接触した時、前記表面加工された保持される基板111の機能部112との接触を避けることが可能とるため、加工部(機能部112)への傷および汚れの発生等の防止が可能となる。
図3、図13には、基板保持部材14の移動規制部31と振動制御部32はそれぞれ1ずつ記載してあるが、移動規制部31と振動制御部32が、交互に複数個、もしくは分割されて複数個設けられていてもよい。また、保持される前記基板111の端面と平行な方向の移動規制部と振動制御部の幅は、同じである必要は無く、適宜設計されるが、鉛直方向の基板111の移動を規制することを考慮すると、移動規制部31の前記幅と振動制御部32の前記幅はほぼ同じであるか、もしくは移動規制部31の前記幅より振動制御部32の前記幅のほうが大きいことが好ましい。
図4〜図7は、本発明の基板保持部材14の基板トレイ11への設置方法の1例の概略図である。図4は、前記基板保持部材14を、位置決め機能を兼ね備えた嵌合部123を形成した基板保持部14aと移動規制部31を備えた部分と、位置決め機能を兼ね備えた嵌合部123を形成した基板規制部14bと振動制御部32を備えた部分とを、別途成形し、前記基板支持部13に形成した開口部へ、上下より嵌合させて固定する方法の概略図である。位置決め機能を兼ね備えた嵌合部123は、位置決め部124、嵌合部が分かれて形成されていても良い。図5は、前記嵌合部123を形成した基板保持部14aと移動規制部31を備えた部分と、前記嵌合部123を形成した基板規制部14bと振動制御部32を備えた部分とを、可撓性を持つヒンジ部を介して一体成形した前記基板保持部材14を、前記基板支持部13に形成した開口部へ、前記ヒンジ部を折り曲げて上下より嵌合させて固定する方法の概略図である。図6は、基板保持部14aと、移動規制部と、基板規制部と、振動制御部とを備えた基板保持部材14を一体成形し、前記基板支持部13の開口部へ嵌め込み、固定する方法の概略図である。図に示されるように、嵌め込みの為の溝が前記基板保持部材14の周囲に形成されている。図7は、一体成形した前記基板保持部材14を、前記基板支持部13の切り欠き部へ挿入し、固定する方法の概略図である。図に示されるように、嵌め込みの為の溝が前記基板保持部材14の周囲に形成されている。
また、図に示していないが、前記基板保持部14aと移動規制部31を備えた部分と、基板規制部14bと振動制御部32を備えた部分とを、前記基板支持部13へ、接着剤等を使用して貼り付けてもよい。また、位置精度を出す為に、前記基板支持部13へざぐりを形成し、接着剤等を使用して貼り付けてもよい。基板保持部材14の基板支持部13への固定方法は、位置精度、固定強度が満たされていればよく、前述した方法に限るものではない。
また、図8(c)に図示されるように、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材14の基板保持部の平坦な上面35と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面36と、の間隔をa、前記移動規制部の上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面35と、の間隔をb、前記第2の基板保持部材14の振動制御部の肉厚部37の下面と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面36と、の間隔をc、前記第2の基板保持部材14の振動制御部の肉薄部の平坦な下面40と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面36と、の間隔をd、保持される基板111の厚さをe、とした時に、b<a、c<a、b+c>a、a−d>eなる関係を全て満たすように、移動規制部と振動制御部とを形成する。b<a、c<aの位置関係で設計することにより、上下に位置する前記基板保持部材14同士の接触を防止し、接触時に発生する異物の発生の抑制、ならびに接触による前記基板保持部材14の変形を防止することが可能となるとともに、b+c>aの位置関係により、下側に位置する前記第1の基板保持部材14の移動規制部と、上側に位置する前記第2の基板保持部材14の下面との隙間、および、上側に位置する前記基板保持部材14の前記振動制御部の前記肉厚部37の下面と、下側に位置する前記基板保持部材14の上面との隙間に、保持される基板が挟み込まれることを容易に防止でき、基板111の破損防止効果が向上するとともに、前記基板用トレイ11の作製誤差、使用中の変形等による、枠の垂直方向のずれへの対応が可能となり、基板111の安定した輸送及び保管が可能となる。また、a−d>eの位置関係により、振動が発生していない通常時、前記肉薄部38と前記基板111は接触せず、接触による基板111の汚染及び傷つきの防止を低減することが可能となる。
前記a、b、c、dの数値は、多段に重ねた基板用トレイ11の間隔、基板支持部の厚さ等により適宜設計される。
さらに、基板111の搬送、保管の振動、応力等による前記枠部12、前記基板支持部13に小さな変形が発生した場合も、b+c>aなる関係により、基板保持部材14が前述の構成からなることにより、前記基板111を安定して保持することが可能となる。
本発明の基板保持部材14は、図9に示すように、該基板保持部材14が固定される基板支持部13が平面であれば平面に、湾曲面であれば湾曲面に、前記基板支持部13の形状に沿って固定される。該基板保持部材14が前記基板支持部13の形状に沿って固定されることにより、基板111の大型化に伴い、安定な前記基板111の搬送、保管を行う為、少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11への対応が可能となる。また、前記固定を行う際、基板保持部材14並びに前記基板支持部13の作製誤差等による隙間が生じる場合があり、このような作製誤差等を吸収するために、前記基板保持部材14は可撓性を有していることが重要である。また、前記基板保持部材14の可撓性は、固定後の枠部12もしくは基板支持部13の振動、経時変化等による変形が発生した場合、前記基板保持部材14に応力がかかり破損したり、固定部が外れたりすることを防止するのに有効である。
本発明の基板保持部材14は、前記移動規制部31および前記振動制御部32に、保持される基板111の端面に対して垂直方向の溝101が形成されていても良い(図10、図11に図示されるように、前記溝101は、前記基板保持部材14の、保持される基板111の端面に対して垂直方向に形成される。)。前記溝101は、前記基板保持部材14の、保持される基板111の端面に対して平行な方向の可撓性を向上させる。前記溝101により、前記基板111の保管、搬送時の振動に対し、前記基板保持部材14の耐久性を向上させるものである。さらには、図11(b)に示すように、少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11の湾曲した基板支持部13へ設置する前記基板保持部材14については、保持される基板111の端面に対して平行な方向の可撓性を向上しているため、前記湾曲部の湾曲具合に合わせて前記基板保持部材14を容易に設置することが可能となる。
前記溝101の形状は、適宜設計可能であるが、振動等の応力、湾曲部への設置による応力等に対応する為、応力が集中する角部を持たない形状、特に前記溝101の底部が円弧状に形成されていることが好ましい。前記溝101のサイズに関しては、材料の強度、可撓性等を考慮して、適宜決定する。
また、図中に明示していないが、本発明の基板保持部材14は、保持される基材111の傷、破損等を防止する為、外側に凸形状を持つ部分は全て円弧状に面取りされた形状を持っていることが好ましい。面取りのサイズは適宜設計されるが、R0.5〜R3程度が好ましい。
本発明の基板保持部材14は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板111を、前記基板111の下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板111を保管、搬送する基板用トレイ11において、前記基板用トレイ11の枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板111の下面の外周部を保持するものであり、前記基板保持部材14は、前記基板111を固定することなく、水平方向、鉛直方向に前記基板111の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制することにより前記基板111の水平方向、鉛直方向の可動範囲を限定し、安定に前記基板111を保持するものである。
前記基板111の可動域を確保とともに可動域を規制するため、基板用トレイ11の一対の対向する2辺に設置された対向する前記基板保持部材14において、一方の基板保持部材14の前記移動規制部31の枠内側面33及び前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34がなす同一の平面(図3(c)G−G、図13(a)L−L’)と、他方の基板保持部材14の前記移動規制部31の枠内側面33及び前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34がなす同一の平面(図3(c)G−G、図13(a)L−L’)との距離は、保持される基板111の幅より大きくなるように、前記基板保持部材14は、前記基板支持部13に設計される。前記距離は、保持される基板111のサイズ及び前記基板保持部材14の前記振動制御部32の肉薄部の平坦な下面40の幅(保持される基板111の基板端の非機能部の幅81に対応)により、適宜設計されるが、前記距離は、“前記基板111の幅+前記平坦な下面40の幅以下)”となるよう設計されることが好ましい。また、前記基板111を湾曲させて保持させる場合、前記距離は、直線距離ではなく、保持される基板111の湾曲に沿った曲線状の距離となる。
上述のように、対向する前記基板保持部材14の、前記移動規制部31の枠内側面33(前記振動制御部32の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34;図3(c)G−G面)間の距離は、保持される基板111のサイズに依存する。前記基板111のサイズに変更が生じた場合、もしくは前記移動規制部31、前記振動制御部32に傷つき等による交換の必要が発生した場合、前記基板保持部材14において、前記移動規制部31および前記振動制御部32が、前記基板保持部材14として一体成形されていると、前記基板保持部材14全体の新規作製もしくは交換が必要となり、時間、費用等のコストが増大する。前記移動規制部31および前記振動制御部32を着脱可能に前記基板保持部材14を作製することにより、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換することだけで、基板サイズ変更への対応が可能となり、時間、費用等のコストの大幅な削減が可能となる。
前記移動規制部31および前記振動制御部32の固定方法は、ねじ等の固定具を用いる方法、嵌合による方法等、適宜設計可能であるが、基板111との接触時の応力等を考慮すると、ねじ等の固定具を用いる方法が好ましい。特に、ねじ等の固定具を用いた場合、基板サイズ変更に対して、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換で対応することなく、固定穴(例えばねじであればねじ穴)の位置を変更することにより対応することが可能となり、前記移動規制部31および前記振動制御部32の新規作製が不要となるため、前記移動規制部31および前記振動制御部32が着脱可能に作製されていることは重要となる。図12は、前記基板保持部材14が、基板保持部14a、移動規制部31、基板規制部14b、振動制御部32に分割して形成され、固定される概略図である。図12(a)に示すように、前記基板保持部14aと前記移動規制部31がねじで固定され、前記基板規制部14bと前記振動制御部32がねじで固定さる。図12(a)には記載していないが、前記基板保持部14aと前記基板規制部14bは、図12(b)に示すように嵌合部123、位置決め部124を有し、前記嵌合部123、前記位置決め部124により、基板支持部13へ固定される。前記嵌合部123、前記位置決め部124の形状は、前記基板支持部へ安定して固定できれば良く、適宜設計される。
また、本発明の基板保持部材14は、前記枠部12の少なくとも一対の対向する2辺に固定された前記基板支持部13に取り付けられていればよく、さらに、1辺に対して、保持される基板111に対応した大きさの前記基板保持部材14が一つ取り付けられていればよいが、間隔をおいて複数個取り付けられていてもよい。間隔をおいて複数個取り付けられていることにより、前記基板保持部材14の大きさが小さくなり、該基板保持部材14の製造が容易になる。さらに、前記基板保持部材14に傷が発生する等で交換が必要になった場合、全体を交換せずに必要に応じて問題が発生したもののみ交換することで対応が可能となる。また、保持する基板111のサイズが変更になった場合、一部の交換のみで対応が可能となる。前記基板保持部材14のサイズ、取付け間隔は、基板サイズにより適宜設計されるが、作製の容易さ、交換の容易さ等を考慮すると、前記基板保持部材14のサイズは、該基板保持部材14が固定された枠体の辺部と平行方向の幅は15cm−30cm程度、該基板保持部材14が固定された枠体の辺部と平行方向の幅は3cm−15cm程度が好ましく取付け間隔は、保持される基板111のサイズ、前記基板保持部材14のサイズのより、適宜設計されるが、基板保持部材14との接触面積を増加させ、安定した保管、搬送を行うためには、隣り合った基板保持部材14が接触することを避けられる範囲で設計する。例えば、液晶用のG6サイズの基板(1,500mm×1,800mm)用の基板用トレイ11の場合、長辺側は8個程度、短辺側は7個程度で設計するのが好ましい。
さらに、前記基板用トレイ11の、4辺のうち一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11を使用する場合、図3に示す溝101が形成されていない基板保持部材14を、一対の対向する直線状の2辺の枠部12に設置し、図10に示す溝101が形成された基板保持部材14を、一対の対向する湾曲させた2辺の枠部12に設置してもよい。
基板サイズの変更への対応に関して、本発明の、前記移動規制部31および前記振動制御部32が着脱可能に作製されている基板保持部材を用いることにより、前記基板保持部材14を新規に作製することなく、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換することで、基板サイズの変更に対応することが可能であり、新規に基板保持部材14を作製しなくて良いので、費用の大幅な削減が可能となる。
さらに、基板サイズの変更への対応は、例えば、上述のように長辺側は8個、短辺側は7個の前記基板保持部材14を配置した基板用トレイ11であった場合、保持される基板111の長辺方向が短縮されることに対応する為には、前記基板用トレイ11の短辺側に配置された前記基板保持部材14の前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換する必要が生じる。前記基板用トレイ11の短辺側に配置された全ての前記基板保持部材14の前記移動規制部31および前記振動制御部32の交換を行って対応することも可能であるが、7個の前記基板保持部材14のうち、例えば両端の2個と中間に位置する1個、もしくは両端の2個のみの前記基板保持部材14の前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換することにより、基板サイズの変更に対応することも可能である。前記基板保持部材14の前記移動規制部31および前記振動制御部32の数を減らすことにより、交換作業の大幅な効率化が可能となる。
また、短辺側に配置された前記7個の前記基板保持部材14のうち、例えば両端の2個と中間に位置する1個、もしくは両端の2個のみ、前記移動規制部31および前記振動制御部32が着脱可能に作製されている前記基板保持部材14使用し、その他の基板保持部材14には、前記移動規制部31および前記振動制御部32が着脱可能ではない前記基板保持部材14を使用して基板サイズの変更に対応することも可能である。このように、前記基板用トレイ11の前記枠体12の少なくとも一対の対向する2辺に複数取り付けられた基板保持部材14のうち、少なくとも2個以上の基板保持部材14に、前記移動規制部31および前記振動制御部32を着脱可能に作製されている基板保持部材14を使用し、その他の基板保持部材14に前記移動規制部31および前記振動制御部32が一体成形された基板保持部材14を使用することにより、より多くの加工が必要となる前記移動規制部31および前記振動制御部32を着脱可能に作製されている基板保持部材14の使用個数を減らしてコストを低減させるとともに、前記移動規制部31および前記振動制御部32の交換作業を効率化し、さらなるコストの低減が可能となる。
また、本発明の基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を使用して、表示パネル用のカラーフィルター形成基板、または、前記カラーフィルター形成基板を作製するための中間工程基板の保管、搬送を行うことにより、これらの基板の汚れ、傷付き等を防止した保管、搬送が可能となる。
以上から以下のような言及が出来る。
本発明の第1の態様によれば、四角形状で剛性のある板状物からなる基板111を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板111を保管、搬送する基板用トレイ11において、前記基板用トレイ11の枠体12の内側に設けられた基板支持部13に固定され、前記基板111の下面の外周部を保持する基板保持部材14であって、前記基板保持部材14は、少なくとも基板保持部14a、移動規制部31、基板規制部14b、振動制御部32を備える。
前記基板保持部14aは、平坦な上面を有し、前記基板支持部13の上面より突出して固定され、さらに、前記基板保持部14aは、基板保持部14aの上面に前記移動規制部31を有し、前記基板規制部14bは、平坦な下面を有し、前記基板支持部13の下面より突出して固定され、さらに、前記基板規制部14bは、該基板規制部14bの下面に振動制御部32を有する。
前記移動規制部31は、平坦な上面を有するとともに、保持される前記基板111の端面と平行な枠内側面33を有する。また、前記振動制御部32は、前記枠体12の内側方向にむかって、平坦な下面を有する肉厚部37、平坦な下面を有する肉薄部38の順で形成され、前記肉厚部37と前記肉薄部38との段差壁は、保持される前記基板111の端面と平行な平面からなる
前記基板保持部材14の、前記基板支持部13への固定は、
・前記基板保持部14a、前記移動規制部31、前記基板規制部14b、前記振動制御部32を備える前記基板保持部材14を一体成形し、周囲に窪みを形成し前記基板支持部13の固定穴へ嵌め込む
・前記基板保持部14aと前記移動規制部31及び前記基板規制部14bに嵌合部123を設けて別々に成形し、前記基板支持部13の固定穴へ嵌合部123を勘合させて嵌め込む
等、前記基板保持部材14が移動することなく安定に固定されていればどのような方法でもかまわない。
前記基板保持部14aの上面は、基板111をその上に保持する部位であり、平坦であることにより、基板111の損傷、前記基板保持部14aの部材の転写等による汚れを防止することが可能となる。また、前記移動規制部31の枠内側面33は、前記基板111を固定することなく、前記基板111の水平方向の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制するものであり、前記振動制御部32の肉厚部37と肉薄部38との段差壁の平面34は前記基板111の水平方向の可動域を確保するものであり、前記肉薄部38は前記基板111の垂直方向の可動域を確保する前記可動域を規制するものである。基板111を固定せず、基板111の可動域を確保するとともに、前記可動域を規制することにより、基板111の移動にある程度の自由度ができ、基板111を固定して輸送及び保管等を行う時と比較して、振動の発生時等に、基板固定部に応力が発生することを防止することができる為、基板111の破損の防止が可能となる。
下側に位置する第1の基板保持部材14の移動規制部31と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部32とが、干渉しない位置になるよう、前記移動規制部31と前記振動制御部32が形成され、前記移動規制部31の前記枠内側面33と、前記振動制御部32の前記段差壁の平面34は、保持される基板111の端面と平行に形成され、さらに、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねたときに、下側に位置する第1の基板保持部材14の移動規制部31の枠内側面33と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部32の前記段差壁の平面34が、同一平面上になるよう前記移動規制部31と前記振動制御部32が形成される。前記基板保持部材14は、対向する前記枠内側面33間の距離、及び対向する前記段差壁の平面34間の距離が、基板111の幅より大きくなるように、前記基板用トレイ11に固定される。対向する前記枠内側面33間の距離、及び対向する前記段差壁の平面34間の距離が、基板111の幅より大きいことにより、保持される基板111の可動域が確保される。また、前記枠内側面33と、前記段差壁の平面34が、保持される基板111の端面と平行に形成されることにより、保持されている基板111に水平方向の移動が発生した時に、前記枠内側面33と、前記段差壁の平面34は、保持される基板111の端面と、点接触ではなく、線もしくは面で接触し、該基板111の水平方向の移動を規制する。線もしくは面で接触することにより、接触部での応力集中を分散することが可能となり、基板111の破損防止効果が向上する。さらに、保持されている基板111に水平方向の移動が発生した時、前記枠内側面33と、前記段差壁の平面34が同一の平面状に形成されることにより、前記枠内側面33と、前記段差壁は、同時に前記基板111に接触するため、接触面積がさらに増える為、接触部での応力が分散され、さらに基板111の破損防止効果が向上する。
前記基板保持部材14の振動制御部32は、前記枠体12の内側方向にむかって、平坦な下面を有する肉厚部37、平坦な下面を有する肉薄部38の順で形成されている。前記肉薄部38は、振動が発生していない通常時は、基板111とは接触せず、基板111の垂直方向の振動発生時のみ該基板111と接触し、該基板111の垂直方向の移動を規制するものである。前記肉薄部38は、基板111の垂直方向の振動発生時に、基板端部と接触し、基板端部の垂直方向の移動を規制することにより、基板端部だけでなく、基板全体の垂直方向の移動ならびに振動を抑制することが可能となり、基板111の破損防止効果が向上する。振動が発生していない通常時、前記肉薄部38と前記基板111は接触せず、前記基板111を固定していない為、接触による基板111の汚染及び傷つきの防止を低減することが可能となる。
本発明の第2の態様によれば、前記振動制御部32が、前記肉薄部38の枠内側に、枠内側へ向かって厚さが減少している厚さ変化部39を有することにより、前記肉薄部38の端部が角部を形成せず、垂直方向の基板振動発生時に、前記端部に接触することによる破損、汚れ等を低減することが可能となる。
本発明の第3の態様によれば、前記第1ないし第2の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、下側に位置する第1の基板保持部材14の基板保持部14aの平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の基板規制部14bの平坦な下面と、の間隔をa、前記移動規制部31の上面と、該移動規制部31を有する基板保持部14aの平坦な上面と、の間隔をb、前記第2の基板保持部材14の振動制御部32の肉厚部37の下面と、該基板保持部材14の基板規制部14bの平坦な下面と、の間隔をc、前記第2の基板保持部材14の振動制御部32の肉薄部の平坦な下面40と、該基板保持部材14の基板規制部14bの平坦な下面と、の間隔をd、保持される基板111の厚さをe、
とした時に、b<a、c<a、b+c>a、a−d>eなる関係を全て満たすように、移動規制部31と振動制御部32とが形成されていることを特徴とする。b<a、c<aの位置関係で設計することにより、上下に位置する前記基板保持部材14同士の接触を防止し、接触時に発生する異物の発生の抑制、ならびに接触による前記基板保持部材14の変形を防止することが可能となるとともに、b+c>aの位置関係により、下側に位置する前記第1の基板保持部材14の移動規制部31と、上側に位置する前記第2の基板保持部材14の下面との隙間、および、上側に位置する前記基板保持部材14の前記振動制御部32の前記肉厚部37の下面と、下側に位置する前記基板保持部材14の上面との隙間に、保持される基板111が挟み込まれることを容易に防止でき、基板111の破損防止効果が向上するとともに、前記基板用トレイ11の作製誤差、使用中の変形等による、枠の垂直方向のずれへの対応が可能となり、基板111の安定した輸送及び保管が可能となる。また、a−d>eの位置関係により、振動が発生していない通常時、前記肉薄部38と前記基板111は接触せず、接触による基板111の汚染及び傷つきの防止を低減することが可能となる。
本発明の第4の態様によれば、前記第1ないし第3の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記基板保持部材14は、前記基板支持部13の形状に沿って固定されていることにより、前記基板111を平坦に保持するだけでなく、湾曲させて保持することも可能となり、より安定した基板111の輸送及び保管が可能となる。
本発明の第5の態様によれば、前記第1ないし第4の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記基板用トレイ11が、前記基板111を、少なくとも一対の対向する2辺を、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11に固定されることより安定した基板111の輸送及び保管が可能となる。
本発明の第6の態様によれば、前記第1ないし第5の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記肉薄部の平坦な下面40の、該基板保持部材14が固定された枠体12の辺部に垂直方向の幅が、表面加工された保持される基板111の外周に位置する非機能部の幅81より小さいことにより、振動等による基板111の水平ならびに垂直方向の移動が発生した時に、前記基板保持部材14が、前記基板111の加工部と接触することを防止することが可能となり、前記基板111の加工部を損なうことなく、安定した基板111の輸送及び保管が可能となる。
本発明の第7の態様によれば、前記第1ないし第6の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記移動規制部31および前記振動制御部32に、溝101が、少なくとも1つ形成されていることにより、例えば、湾曲した基板支持部13への前記基板保持部材14の固定が容易となる効果がある。また、前記基板用トレイ11もしくは前記基板保持部材14の作製誤差への対応が向上するという効果がある。さらに、使用中の前記基板用トレイ11もしくは前記基板保持部材14の変形等への対応が向上するといった効果がある。
本発明の第8の態様によれば、前記第7の態様に記載の基板保持部材14であって、前記溝101の底部が円弧状に形成されていることにより、角部への応力集中を避けることが可能となる為、例えば、湾曲した基板支持部13への固定時、使用中の変形時、長期間使用時等に、溝部からの割れの発生を抑制することが可能となる。
本発明の第9の態様によれば、前記第1ないし第8の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記移動規制部31および前記振動制御部32が、着脱可能に作製されていることにより、前記移動規制部31および前記振動制御部32のみを交換することにより対応が可能となり、前記基板保持部材14全体を再作製する必要がなく、容易に基板サイズの変更に対応が可能となる。また、前記移動規制部31および前記振動制御部32に傷等が発生した時の交換が容易となる。
本発明の第10の態様によれば、前記第1ないし第9の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記基板保持部材14が、可撓性を有していることにより、例えば、湾曲させた状態で前記基板111の下側から保持する基板用トレイ11の湾曲した基板支持部13への固定が容易となる、前記基板用トレイ11の作製誤差、使用中の変形等への対応が向上するとなるといった効果がある。
本発明の第11の態様によれば、前記第1ないし第10の態様いずれかひとつの態様に記載の基板保持部材14であって、前記基板保持部材14が、熱可塑性樹脂で形成されていることにより、前記基板保持部材14が射出成形で成形可能となり、切削加工で前記基板保持部材14を作製する方法と比較して、多大な費用をかけずに多数の前記基板保持部材14を作製することが可能となるとともに、樹脂製であることにより、前記基板111への傷付きを低減することが可能となるという効果がある。
本発明の第12の態様によれば、前記基板用トレイ11であって、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の基板保持部材14が、前記基板用トレイ11の前記枠体12の少なくとも一対の対向する2辺に、間隔をおいて複数取り付けられていることにより、前記基板111の安定した搬送あるいは保管が可能となるという効果がある。また、前記基板保持部材14は、前記基板用トレイ11の枠体12の各辺に対して1個ずつ形成されていても良いが、間隔をおいて複数個取り付けられていることにより、個々の前記基板保持部材14の大きさを小さくすることが可能となり、前記基板保持部材14の製造が容易になり、前記基板保持部材14の成形費用を抑制することが可能となる。例えば前記基板保持部材14が破損する等で交換が必要になった場合、基板保持部材14全体を交換することなく、多数のうちの小さなひとつを交換することになり、維持費用を低減することが可能となる。
本発明の第13の態様によれば、前記第12の態様に記載の前記基板用トレイ11であって、前記基板用トレイ11の前記枠体12の少なくとも一対の対向する2辺に複数取り付けられた基板保持部材14のうち、少なくとも2個以上の基板保持部材14が、前記移動規制部31および前記振動制御部32を着脱可能に作製されている基板保持部材14であることにより、全ての基板保持部材14を交換することなく、一部の基板保持部材14を交換することにより基板サイズの変更に対応することが可能となり、交換作業の大幅な効率向上が可能となる。
本発明の実施例を以下に説明する。
・第1の実施の形態
液晶用G6サイズ基板(1850mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1820mm×1470mm)用の基板用トレイ11を作製し、搬送・保管テストを行った。前記基板保持部材14は、長辺側は8個、短辺側は7個配置した。
枠体12は、長辺側の2辺を直線状に、短辺側を曲率半径3000mmになるように鉛直下側へ撓ませて作製した。枠体12の鉛直方向の幅は10mmになるよう作製した。また、枠体12には、前記基板用トレイ11を上下に多数積層したときに、積層されたそれぞれの前記基板用トレイ11が、上面から見て同じ位置になるように嵌合部123を設けるとともに、機械搬送用の取手を設けた。基板支持部13の厚さは2mmで、前記枠体12に沿って形成した。前記枠体12に支持された基板支持部13に、基板保持部材14設置用の開口部を長辺側8箇所、短辺側7箇所を切削加工により形成した。
図12(a)に示すように、基板保持部材14は、基板保持部14a、移動規制部31、基板規制部14b、振動制御部32に分割して形成し、基板用トレイ11に固定した。
基板トレイ11の枠体12の4辺のうち一方の対向する直線状の枠体に固定された基板支持部13には、図13に示すように、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねたときに、前記第1の基板保持部材14の移動規制部の前記枠内側面33と、その上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34が同一平面上になるよう、前記移動規制部31の前記枠内側面33と前記振動制御部32の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34をずらして形成した。また、基板トレイ11の枠体12の4辺のうち一方の対向する湾曲する枠体に固定された基板支持部13には、図13に示すように、前記基板用トレイ11を鉛直方向に多段に重ねたときに、前記第1の基板保持部材14の移動規制部の前記枠内側面33と、その上に位置する第2の基板保持部材14の振動制御部の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34が同一平面上になるよう、前記移動規制部31の前記枠内側面33と前記振動制御部32の前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34を同一平面上に形成した。
前記基板保持部14aおよび前記基板規制部14bは、材料にポリプロピレンを用いて、それぞれ射出成形法により別途成形した。また、前記基板保持部14aおよび前記基板規制部14bは、図12(b)に示すとおり、前記基板支持部13への取り付け時に対向する面に、嵌合部123及び前記基板支持部13の開口形状に合わせた位置決め部124を形成されている。
前記移動規制部31と前記振動制御部32は、材料にUPE(超高分子量ポリエチレン)を用い、切削加工により作製した。前記移動規制部31および前記振動制御部32には、それぞれU字型の溝101を2箇所、ねじ穴を形成した。図12に示すように、前記基板保持部14aと前記移動規制部31とを、前記基板規制部14bと前記振動制御部32とを、それぞれねじにより固定し、さらに前記嵌合部123及び前記位置決め部124により、前記基板支持部13の開口部へ固定した。
前記基板保持部材14は、保持される前記基板の端面と垂直な方向の長さを50mm、平行な方向の長さを180mmとした。また、前記基板保持部材14が固定される前記基板用トレイ11を多段に積層したとき、下側に位置する第1の基板保持部材14の基板保持部の平坦な上面35と、その直上に位置する第2の基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面36と、の間隔が4.8mmになるように、前記基板保持部14aおよび前記基板規制部14bの厚さを設計し、前記基板保持部材14を形成した。前記移動規制部の平坦な上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面35と、の間隔は3mm、前記第2の基板保持部材14の振動制御部の肉厚部37の下面と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面36と、の間隔は4mm、前記第2の基板保持部材14の振動制御部の肉薄部の平坦な下面40と、該基板保持部材14の基板規制部の平坦な下面36と、の間隔は3mm、前記肉薄部の平坦な下面40の保持される基板の端面と垂直な方向の幅は9mm、前記移動規制部31および前記振動制御部32の底部が円弧状に形成されている溝101は、幅4mm、深さ3mm、円弧の半径は2mmで、厚さ変化部39は半径4mmの外側に凸の曲面を持つように、前記移動規制部31と前記振動制御部32を作製した。
前記基板用トレイ11の一対の対向する2辺に設置された対向する前記基板保持部材14において、一方の基板保持部材14の前記移動規制部31の枠内側面33及び前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34がなす同一の平面(図3(c)G−G、図13(a)L−L’)と、他方の基板保持部材14の前記移動規制部31の枠内側面33及び前記肉厚部37と前記肉薄部38の段差壁の平面34がなす同一の平面(図3(c)G−G、図13(a)L−L’)との距離は、G6サイズの基板(1850mm×1500mm)に対応する為、それぞれ1855mm、1505mmとなるよう前記基板保持部材14を前記基板用トレイ11に固定した。
前記底部が円弧状に形成されている溝101により、湾曲部への取り付けも安定して行うことが出来た。
上述の前記基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を用いて、前記液晶用G6サイズ基板の保管、搬送テストを行った結果、保管、搬送テスト中の振動に対して、および枠部12、支持部13の応力等による変形に対して、前記基板保持部材14の脱落、破損、及び基板の汚染、破損等のトラブルが発生することなく、安定に保管、搬送が可能なことを確認できた。
・第2の実施の形態
液晶用G6サイズ基板(1850mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1820mm×1470mm)を、新規液晶用基板(1800mm×1500mm×0.7mmt;機能層は基板中央に形成され、機能層の領域のサイズは1770mm×1470mm)に変更する為、前記基板用トレイ11の短辺側に配置された前記基板保持部材14を交換し、搬送・保管テストを行った。
前記液晶用G6サイズ基板(1850mm×1500mm×0.7mmt)用に、前記移動規制部31および前記振動制御部32を一体成形で作製した基板保持部材14を長辺側に8個、短辺側に7個の配置した基板用トレイ11を作製した。新規液晶用基板(1800mm×1500mm×0.7mmt)に対応する為、前記基板用トレイ11の一対の対向する短辺にそれぞれ配置された7個の基板保持部材14に関して、
(1)7個全ての基板保持部材14を、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換可能な基板保持部材14に交換し、基板サイズ変更に対応
(2)7個の基板保持部材14うち、両端の2個と中間に位置する1個を、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換可能な基板保持部材14に交換し、基板サイズ変更に対応
(2)7個の基板保持部材14うち、両端の2個を、前記移動規制部31および前記振動制御部32を交換可能な基板保持部材14に交換し、基板サイズ変更に対応
した基板用トレイ11を準備して、搬送・保管テストを行った。
上述の前記基板保持部材14を固定した基板用トレイ11を用いて、新規液晶用基板(1800mm×1500mm×0.7mmt)の保管、搬送テストを行った結果、保管、搬送テスト中の振動に対して、および枠部12、支持部13の応力等による変形に対して、前記基板保持部材14の脱落、破損、及び基板の汚染、破損等のトラブルが発生することなく、安定に保管、搬送が可能なことを確認できた。
本発明は、四角形状で剛性のある板状物からなる基板の面方向を水平方向として、前記基板を、その上側に載せて水平に支持するトレイであり、平面型ディスプレイパネル用の板状の各種材料(例えば、ガラスやプラスチックなど)ないし部材、あるいは、金属、レアメタル、シリコンなどの板状物からなる基板や、それらに処理を施した板状の処理部材の、搬送、保管に利用可能である。
11 基板用トレイ
12 枠体
13 基板支持部
14 基板保持部材
14a 基板保持部
14b 基板規制部
31 移動規制部
32 振動制御部
33 枠内側面
34 段差壁の平面
35 基板保持部の平坦な上面
36 基板規制部の平坦な下面
37 肉厚部
38 肉薄部
39 厚さ変化部
40 肉薄部の平坦な下面
81 非機能部の幅
101 溝
103 搬送用架台
111 基板
112 機能部
123 嵌合部
124 位置決め部

Claims (13)

  1. 四角形状で剛性のある板状物からなる基板を下側から水平方向に保持し、鉛直方向に多段に重ねて、複数の前記基板を保管、搬送する基板用トレイにおいて、
    前記基板用トレイの枠体の内側に設けられた基板支持部に固定され、前記基板の下面の外周部を保持する基板保持部材であって、
    前記基板保持部材は、少なくとも基板保持部、移動規制部、基板規制部、振動制御部を備え、
    前記基板保持部は、平坦な上面を有し、前記基板支持部の上面より突出して固定され、
    さらに、前記基板保持部は、該基板保持部の上面に前記移動規制部を有し、
    前記移動規制部は、保持される前記基板の端面と平行な枠内側面を有し、
    前記基板規制部は、平坦な下面を有し、前記基板支持部の下面より突出して固定され、
    さらに、前記基板規制部は、該基板規制部の下面に振動制御部を有し、
    前記振動制御部は、前記枠体の内側方向にむかって、肉厚部、平坦な下面を有する肉薄部の順で形成され、
    前記肉厚部と前記肉薄部との段差壁は、保持される前記基板の端面と平行な平面からなるとともに、
    前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねたときに、下側に位置する第1の基板保持部材の移動規制部と、その直上に位置する第2の基板保持部材の振動制御部とが、干渉しない位置になるよう、前記移動規制部と前記振動制御部が形成され、
    前記第1の基板保持部材の移動規制部の枠内側面と、前記第2の基板保持部材の振動制御部の前記段差壁の平面が、同一平面上になるよう前記移動規制部と前記振動制御部が形成され、
    前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、
    下側に位置する第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、
    前記第2の基板保持部材の振動制御部の肉薄部の平坦な下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をd、
    保持される基板の厚さをe、
    とした時に、
    a−d>e
    なる関係を満たすように、移動規制部と振動制御部とが形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  2. 請求項1に記載の基板保持部材であって、
    前記振動制御部は、前記肉薄部の枠内側に、枠内側へ向かって厚さが減少する厚さ変化部をさらに有していることを特徴とする基板保持部材。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板用トレイを鉛直方向に多段に重ねて使用する状態で、
    下側に位置する第1の基板保持部材の基板保持部の平坦な上面と、その直上に位置する第2の基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をa、
    前記移動規制部の上面と、該移動規制部を有する基板保持部の平坦な上面と、の間隔をb、
    前記第2の基板保持部材の振動制御部の肉厚部の下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をc、
    前記第2の基板保持部材の振動制御部の肉薄部の平坦な下面と、該基板保持部材の基板規制部の平坦な下面と、の間隔をd、
    保持される基板の厚さをe、
    とした時に、
    b<a、c<a、b+c>a、a−d>e
    なる関係を全て満たすように、移動規制部と振動制御部とが形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材は、前記基板用トレイの前記基板支持部の形状に沿って固定されていることを特徴とする基板保持部材。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材は、少なくとも一対の対向する2辺、辺の両側から中央へ向けて鉛直下方へ湾曲している基板用トレイに固定されることを特徴とする基板保持部材。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記肉薄部の平坦な下面の、枠体内側方向の幅が、保持される基板の外周に位置する非機能部の幅より小さいことを特徴とする基板保持部材。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記移動規制部および前記振動制御部に、溝が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  8. 請求項7に記載の基板保持部材であって、
    前記溝の底部が円弧状に形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記移動規制部および前記振動制御部が、着脱可能に作製されていることを特徴とする基板保持部材。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材が、可撓性を有していることを特徴とする基板保持部材。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の基板保持部材であって、
    前記基板保持部材が、熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする基板保持部材。
  12. 前記基板用トレイであって、
    請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の基板保持部材が、
    前記基板用トレイの前記枠体の少なくとも一対の対向する2辺に、間隔をおいて複数取り付けられていること
    を特徴とする基板用トレイ。
  13. 請求項12に記載の前記基板用トレイであって、
    前記基板用トレイの前記枠体の少なくとも一対の対向する2辺に複数取り付けられた基板保持部材のうち、
    少なくとも2個以上の基板保持部材が、前記移動規制部および前記振動制御部を着脱可能に作製されている基板保持部材であること
    を特徴とする基板用トレイ。
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