JP6121925B2 - 加速器のビーム出射保護装置及び粒子線治療装置 - Google Patents

加速器のビーム出射保護装置及び粒子線治療装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、荷電粒子ビーム(以下、単にビームという)を加速する加速器のビーム出射保護装置及びこれを用いた粒子線治療装置に関する。
一般に、磁場を用いた粒子加速器では、各種の電磁石を用いてビームの偏向や収束を行っている。シンクロトロン加速器の場合は、偏向電磁石によりビームが円形軌道を周回するようにし、四極電磁石によりビームを収束させる等、複数の種類の電磁石を備えている。このような電磁石には、それぞれ電磁石電源から電流が供給されて磁場を発生させる。シンクロトロン加速器では、ビームを加速する場合、低エネルギーでビームを入射させて磁場強度を増加させながら高周波電力によりビームにエネルギーを与えて加速する(例えば、特許文献1参照)。
このような加速器を用いて高エネルギービームを発生させ、その高エネルギービームをがん治療に利用されるようになってきている。例えば、特許文献2には、このような粒子線治療装置におけるビーム出射装置の技術が記載されている。すなわち、この特許文献2には、医療用のビームをシンクロトロン加速器から取出し装置によってどのように取り出すかの技術が記載されている。
図8は従来の加速器システムの電磁石と電磁石電源との接続構成の一例を示す回路図である。
図8に示すように、加速器システムの電磁石1には、電磁石電源2が接続されている。この電磁石電源2は、その出力の両端に保護スイッチ3が接続されている。電磁石電源2は、電磁石1に電流を供給する。
このような加速器システムでは、電磁石電源2が何らかの原因で異常を検出すると、出力を停止するとともに、保護スイッチ3に保護信号4が出力される。保護スイッチ3は、保護信号4により導通(ON)させて電磁石電源2の出力を0として、電磁石1へ供給される電流が保護スイッチ3を還流しながら減衰する。このように保護スイッチ3を使用することで、電磁石1のインダクタンスによって発生する異常電圧から電磁石電源2を保護することができる。加速器システムでは、このような電磁石1と電磁石電源2を組み合わせた構成が複数設けられている。
しかし、図8に示す接続構成では、ビームの出射中に、加速器の特定の電磁石電源2が故障すると、瞬間的にビームが取り出されてしまい、計画外のビームが照射されてしまう問題がある。このような事態を回避するためには、例えば、特許文献3に記載されたように、電磁石電源を二重化して一方の電磁石電源が故障しても代替の他方の電磁石電源を動作させることが考えられる。
この特許文献3においては、直流電源(以下、主電源という)の交流入力が突然絶たれた場合(すなわち停電時)、急激な電流変化による電磁石への影響を発生させないように、直流可変電圧電源(以下、代替電源という)に切り替えるようにしている。すなわち、停電の場合に主電源は、出力電圧を発生せず、それと同時に代替電源への切り替えを行っている。
しかし、上記特許文献3は、主電源そのものの故障、特に整流素子の故障により出力端が短絡状態になった場合、代替電源を接続した瞬間に主電源の短絡箇所に過大な電流が流れて、必要な電圧を発生することができないばかりか、故障を拡大させる問題がある。したがって、上記特許文献3は、実際には加速器に採用することはできない。
特開2011−124149号公報 特開平10−162999号公報 特開平2−47706号公報
ところで、一つの電磁石電源が故障等により異常を生じた場合、図8に示すようにその電磁石電源2は、出力端の保護スイッチ3を導通させて保護動作を行うことで、異常の拡大を防止しようとしている。しかし、それにより電磁石1の電流が突然に低下することで、他の設備に悪影響を与えるとともに、加速したビームを正常に停止することができないという問題を生ずることがある。
従来のシンクロトロン加速器では、電磁石の電流値が急激に低下することによる影響が小さくほとんど問題とされなかった。しかし、近年、高出力のビームを利用するケースやがん治療の用途が拡がり、ビームを正常に停止させられないことによって人体への予期しない放射線被曝が問題となる可能性も生じてきている。
シンクロトロン加速器で加速されて周回しているビームは、取出し装置により所定の時間をかけて制御しながらシンクロトロン加速器の外部に取り出されて利用される。このとき、シンクロトロン加速器を構成する電磁石の一つが電磁石電源の故障等により突然電流の低下を開始すると、ビームの取出し量を制御することができないほど、短時間に予定外の量のビームが取り出されるという問題がある。
また、上記特許文献3のように、代替電源を単に並列に接続する方法では、上述したように、電磁石電源の短絡事故等の故障に対処することができないという問題がある。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、電磁石電源の電流の異常低下時にも電磁石を正常に動作させるとともに、その間にビームの取出しを確実に停止させることが可能な加速器のビーム出射保護装置及び粒子線治療装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る加速器のビーム出射保護装置は、加速器の電磁石に電流を供給する電磁石電源と、前記電磁石電源の出力側の両端に接続され、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石と導通可能なスイッチング素子と、前記電磁石電源と直列に接続されて、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石に電流を供給可能な補助電源と、前記スイッチング素子と前記電磁石との間に接続され、前記補助電源の起動時に前記電磁石に電流を供給するように整流する整流素子と、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石電源から停止信号を得て、前記補助電源の電流供給中に加速器のビームを停止させるビーム停止装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る粒子線治療装置は、ビームを周回させて所定のエネルギーまで加速するシンクロトロン加速器と、前記シンクロトロン加速器の電磁石に電流を供給する電磁石電源と、前記シンクロトロン加速器により加速されたビームを取り出す取出し機器と、前記取出し機器により取り出されたビームを照射対象に照射する照射装置と、前記電磁石電源の出力側の両端に接続され、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石と導通可能なスイッチング素子と、前記電磁石電源と直列に接続されて、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石に電流を供給可能な補助電源と、前記スイッチング素子と前記電磁石との間に接続され、前記補助電源の起動時に前記電磁石に電流を供給するように整流する整流素子と、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石電源から停止信号を得て、前記補助電源の電流供給中に加速器のビームを停止させるビーム停止装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、電磁石電源の電流の異常低下時にも電磁石を正常に動作させるとともに、その間にビームの取出しを確実に停止させることができる。
第1実施形態の加速器のビーム出射保護装置を示す回路図である。 第1実施形態の各信号等の動作を示すタイミングチャートである。 第1実施形態を適用した粒子線治療装置を示す概略平面図である。 図3のシンクロトロンにおいて三次共鳴を用いたビーム振幅の増大を示す説明図である。 第2実施形態の加速器のビーム出射保護装置における補助電源を示す回路図である。 第3実施形態の加速器のビーム出射保護装置を示す回路図である。 第4実施形態の加速器のビーム出射保護装置における補助電源を示す回路図である。 従来の加速器システムの電磁石と電磁石電源との接続構成の一例を示す回路図である。
以下に、本発明に係る加速器のビーム出射保護装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の加速器のビーム出射保護装置を示す回路図である。図2は第1実施形態の各信号等の動作を示すタイミングチャートである。図3は第1実施形態を適用した粒子線治療装置を示す概略平面図である。図4は図3のシンクロトロンにおいて三次共鳴を用いたビーム振幅の増大を示す説明図である。
まず、本実施形態を適用した重粒子線治療装置について、図3に基づいて説明する。
図3に示すように、本実施形態を適用した粒子線治療装置は、水平面内に設置されたシンクロトロン加速器10と、図示しないビーム入射系と、ビーム輸送系30とを有する。
シンクロトロン加速器10は、周回軌道形成用偏向電磁石(以下、単に形成用偏向電磁石ともいう。)11と、周回ビーム収束用四極電磁石12と、取出し機器としての出射用偏向器13と、出射軌道調整用偏向電磁石(以下、単に調整用偏向電磁石ともいう。)14と、出射用偏向電磁石15と、高周波加速装置16と、を備える。ここで、調整用偏向電磁石14とは、バンプ電磁石のことである。
形成用偏向電磁石11は、シンクロトロン加速器10内に入射したビームを偏向して周回軌道を形成する。周回ビーム収束用四極電磁石12は、ビームが安定して周回するように収束させる。出射用偏向器13は、ビームの出射に遅い取り出し方法を用いて水平方向に取り出すときの入口となる。すなわち、出射用偏向器13は、ビームを出射する際にビームの安定領域から外れた共鳴領域のビームを徐々に取り出すための入口となる。
調整用偏向電磁石14は、ビームの周回方向に対して出射用偏向器13の前後に配置されている。調整用偏向電磁石14は、シンクロトロン加速器10内からビームを出射する際に、ビームの周回軌道を出射用偏向器13側に近付けて出射中のビームがシンクロトロン加速器10内の他の構成機器と衝突するのを防止する。この出射用偏向器13側に近付けたビーム軌道を以下、バンプ軌道という。
出射用偏向電磁石15は、出射用偏向器13から取り出されたビームをシンクロトロン加速器10の外部に出射するために偏向する。高周波加速装置16は、ビームを加速又は減速するための高周波電場を発生させる装置である。
ビーム輸送系30は、シンクロトロン加速器10の外側に配置されている。ビーム輸送系30は、ビーム輸送系四極電磁石31と、ビーム輸送系偏向電磁石32と、照射装置33とを備えている。
次に、本実施形態を適用した粒子線治療装置の作用を説明する。
まず、図示しないビーム入射系からシンクロトロン加速器10にビームが入射すると、このビームは、高周波加速装置16によって所定のエネルギーまで加速された後、出射用偏向電磁石15によってシンクロトロン加速器10の外側へ出射される。1回の入射ビームを複数のエネルギーで出射する必要がある場合には、更に高周波加速装置16で加速あるいは減速した後に出射用偏向電磁石15によってビームを出射し、これを要求される出射エネルギーの数に応じて繰り返す。
そして、シンクロトロン加速器10から取り出されたビームは、ビーム輸送系30のビーム輸送系四極電磁石31及びビーム輸送系偏向電磁石32を経て照射装置33に輸送される。この照射装置33により照射対象である、例えばがん患者の患部に照射されてがん治療に用いられる。
次に、本実施形態の加速器のビーム出射保護装置の構成を図1に基づいて説明する。
なお、従来の構成と同一又は対応する部分には、図8と同一の符号を用いて説明する。また、本実施形態の加速器のビーム出射保護装置は、図3に示す形成用偏向電磁石11、周回ビーム収束用四極電磁石12、調整用偏向電磁石14、出射用偏向電磁石15、ビーム輸送系四極電磁石31、及びビーム輸送系偏向電磁石32の全ての電磁石に適用可能である。そのため、図1では、これらの電磁石を纏めて電磁石1として説明する。
図1に示すように、電磁石1には、電磁石電源2が接続されている。この電磁石電源2出力側の両端には、スイッチング素子としての保護スイッチ3が接続されている。この保護スイッチ3と電磁石1との間には、整流素子としてのダイオード5が接続されている。補助電源6は、ダイオード5のアノード側及びカソード側の両端に接続されている。すなわち、補助電源6は、電磁石電源2と直列に接続されている。電磁石電源2には、ビーム停止装置8が接続されている。
電磁石電源2の故障等により電流が異常に低下した時には、電磁石電源2は、保護スイッチ3に保護信号4を、補助電源6に起動信号7を、ビーム停止装置8に停止信号9をそれぞれ出力する。
次に、本実施形態のビーム出射保護装置の動作を説明する。
図1に示すように、電磁石電源2の正常動作時には、電磁石電源2から電磁石1に電流が供給され、補助電源6は出力電圧を発生していない。図2に示すように、電磁石電源2が何らかの原因で故障して電流が異常に低下したことを検出すると、電磁石電源2から出力された保護信号4により保護スイッチ3を導通(ON)させる。この保護スイッチ3が導通すると、電磁石電源2の出力を0とすると同時に、補助電源6に起動信号7を出力する。この補助電源6は、ダイオード5の両端に電圧を発生させて、電流を低下させず正常動作時の電流を維持する。
同時に、電磁石電源2は、ビーム停止装置8に停止信号9を出力する。このビーム停止装置8は、通常の停止動作を行う。このビーム停止装置8による出射停止動作については、従来と同様に、各種の電源装置を停止する、ビーム出射装置から出射するビームを停止する、ビームを加速するための高周波電力の供給を停止する等の動作を安全に行う。ビームの出射停止動作を終了し、電磁石1の電流を維持する必要がなくなったタイミング(本実施形態では、約10ms)で、補助電源6は出力を停止し、電磁石1の電流は徐々に減衰を開始する。
すなわち、電磁石電源2は、故障等により電流が異常に低下したと同時に保護信号4、起動信号7、及び停止信号9を出力し、ビーム出射の停止動作中は、補助電源6が動作することで電磁石1の電流は維持され、ビーム出射の停止動作の終了後に補助電源6の動作を停止させることで電磁石1の電流を低下させるようにしている。
なお、本実施形態において、補助電源6は、出力すべき電流値信号を起動信号7とともに電磁石電源2から得ることもできるし、また補助電源6の内部に設けたパターンメモリに記憶しておくこともできる。
次に、本実施形態の加速器のビーム出射保護装置の具体的な作用について説明する。
図3に示すように、シンクロトロン加速器10で加速されて周回しているビームは、出射用偏向器13により所定の時間をかけて制御しながらシンクロトロン加速器10外に取り出されて利用される。
ビームの取出し時には、ビームを共鳴と呼ばれる不安定状態に近付け、周回ビームの安定領域を狭める。安定領域から外れた共鳴領域のビームは、振幅が増大される。そして、増大された振幅によって、ビームは、最終的にシンクロトロン加速器10の外周側に配置された出射用偏向器13の位置まで広がることで、外側へ取り出される。これは遅い取り出し方法として知られている。
三次共鳴を用いてビーム振幅を増大する状態を位相空間上で表したものが図4である。図4において、横軸が水平方向におけるビームの進行方向に垂直な方向(X軸方向)であり、縦軸がX軸方向の変位をビームの進行方向の変位で微分した微分値を示すX’軸である。
シンクロトロン加速器10内を周回する多数の粒子のベータトロン振動の三次共鳴と、当該多数の粒子に対する六極磁場の摂動により、図4に示す横方向位相空間(横軸がX軸、縦軸がX’軸)上に見られるように、粒子線のビームは安定領域と共鳴領域とに分けられる。粒子線のビームにおける三角形で描かれた安定領域の外側は共鳴領域になるので、共鳴領域に入った粒子のベータトロン振幅は増大し、出射用偏向器13によりシンクロトロン加速器10から取り出される。
そして、シンクロトロン加速器10から取り出されたビームは、ビーム輸送系30のビーム輸送系四極電磁石31及びビーム輸送系偏向電磁石32を経て照射装置33に輸送される。この照射装置33により照射対象である患者の患部に照射されてがん治療に用いられる。
ところで、シンクロトロン加速器10を構成する電磁石1の一つが電磁石電源2の故障等により突然電流の低下を開始すると、シンクロトロン加速器10内における磁場が予め設定されている磁場からずれて磁場強度が低下し、上記安定領域が急激に狭くなる場合がある。すなわち、上記安定領域が急激に狭くなると、上記共鳴領域が急激に拡がる。この場合には、ビームの取出し量を制御することができないほど、短時間に予定外の量のビームが取り出されることとなる。
そのため、予定外の量のビームは、ビーム輸送系30のビーム輸送系四極電磁石31及びビーム輸送系偏向電磁石32を経て照射装置33に輸送される。この照射装置33の照射対象ががん患者である場合は、照射装置33によりがん患者の患部に予定外の量のビームが照射されることとなり、がん患者が被曝することとなる。
そこで、本実施形態では、電磁石電源2の故障により短絡状態となったとしても、補助電源6が電流を一定に制御することができるため、電磁石1の電流は維持されると同時に、電磁石電源2に過電流が生じることもない。電磁石1の電流が維持されている間にビームの停止信号9により、ビーム停止装置8は、ビームを確実に停止することができるので、異常なビームの供給や患者に対する不要な被曝の問題を回避することができる。
このように本実施形態によれば、電磁石電源2の電流の異常低下時にも電磁石1を正常に動作させるとともに、その間にビームの取出しを確実に停止することができる。そのため、異常なビームを供給することがなくなり、患者に対する不要な被曝を防止することが可能となる。
なお、本実施形態において、補助電源6は、上述したように電磁石電源2の電流の異常低下時に電磁石1を正常に動作させる保護動作の間のみ動作させるため、短時間の動作が可能な容量とすることができる。そのため、補助電源6の容量を小さくすることができるので、低価格化を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、スイッチング素子として保護スイッチ3を用いた例について説明したが、保護スイッチ3の代わりにダイオードを用いてもよい。この場合、上記のように電流の異常低下時は、電磁石電源2への電源電流の供給を遮断することによって発生電圧を0とする。
さらに、本実施形態では、整流素子としてダイオード5を用いた例について説明したが、これに限らず、例えば整流管,サイラトロン,水銀整流器等の電子管,シリコン,セレン等の半導体を用いた整流器(サイリスタ)等でも適用可能である。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の加速器のビーム出射保護装置における補助電源を示す回路図である。なお、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して異なる構成及び作用について説明する。その他の実施形態も同様とする。
図5に示すように、本実施形態の補助電源6は、蓄電装置61、変換装置62、この蓄電装置61を充電する充電器63、及び変換装置62を制御する制御装置64を備える。制御装置64には、上記起動信号7の他、電磁石1に供給する電流の電流計測信号65が入力される。
補助電源6は、上述したように一定時間のみ動作させるので、本実施形態では、蓄電装置61に蓄えられた電力のみを利用して電流の供給を行う。なお、蓄電装置61としては、コンデンサ、バッテリ、及び磁場エネルギー蓄積装置等が挙げられる。
また、制御装置64は、電流計測信号65に基づいて変換装置62から印加される出力電圧を制御する。この変換装置62としては、トランジスタ等のスイッチング素子が用いられる。電流計測信号65は、ダイオード5に流れる電流の計測信号である。
このように本実施形態によれば、補助電源6が電力を蓄える蓄電装置61を有することにより、停電時にも補助電源6を動作させることが可能となり、停電に起因する異常なビームの取り出しを回避することができる。
(第3実施形態)
図6は第3実施形態の加速器のビーム出射保護装置を示す回路図である。
図6に示すように、本実施形態では、電磁石電源2から補助電源6に電流計測信号71を出力する。この電流計測信号71は、電磁石電源2が出力電流の制御を行うために用いている信号である。本実施形態では、この電流計測信号71を補助電源6での電流制御にも利用するようにしている。
すなわち、本実施形態では、電磁石電源2は、補助電源6に対して電流計測信号71を出力する。補助電源6は、起動と同時に電流計測信号71に基づいて電流制御を行う。
したがって、本実施形態では、補助電源6の起動と同時に電流計測信号71に基づいて電流を制御することにより、電磁石1に供給する電流の変動が抑制され、電磁石1の磁場のずれがなくなる。その結果、シンクロトロン加速器10内における磁場が予め設定されている磁場に対してのずれが防止され、上記ビームの安定領域が狭くなって共鳴領域が拡がることがなくなる。
このように本実施形態によれば、補助電源6は、起動と同時に電流計測信号71に基づいて電流制御を行うことにより、電磁石電源2の故障発生時に電流制御を連続して行うことができる。
したがって、本実施形態では、電磁石電源2から補助電源6への切替時の電流制御を連続して行うことができるため、電磁石1に供給する電流の変動を抑制することができる。
(第4実施形態)
図7は第4実施形態の加速器のビーム出射保護装置における補助電源を示す回路図である。
図6に示すように、本実施形態の補助電源6には、テスト装置66が接続されている。補助電源6とテスト装置66を合せて補助電源装置60とする。テスト装置66は、補助電源6から電磁石1に通電していない時(非運用時)に、定期的に補助電源装置60を動作させて補助電源6で電圧を発生させて、その電圧が正常か否かを電圧計によりテストする。これにより補助電源6に異常がないことを確認することができる。
このように本実施形態によれば、テスト装置66は、非運用時に補助電源6に対して起動信号を出力して補助電源6を動作させて補助電源6の異常の有無を確認することにより、補助電源6が故障していれば運用前に確認することができるので、より信頼性の高い電源装置を提供することができる。
(その他の実施形態)
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態では、電磁石1としてシンクロトロン加速器10及びビーム輸送系30の電磁石に適用した場合について説明したが、これに限らず図示しないビーム入射系の四極電磁石、偏向電磁石にも適用可能である。
1…電磁石、2…電磁石電源、3…保護スイッチ(スイッチング素子)、4…保護信号、5…ダイオード(整流素子)、6…補助電源、7…起動信号、8…ビーム停止装置、9…停止信号、10…シンクロトロン加速器、11…周回軌道形成用偏向電磁石、12…周回ビーム収束用四極電磁石、13…出射用偏向器(取出し機器)、14…出射軌道調整用偏向電磁石、15…出射用偏向電磁石、16…高周波加速装置、30…ビーム輸送系、31…ビーム輸送系四極電磁石、32…ビーム輸送系偏向電磁石、33…照射装置、60…補助電源装置、61…蓄電装置、62…変換装置、63…充電器、64…制御装置、65…電流計測信号、66…テスト装置、71…電流計測信号

Claims (7)

  1. 加速器の電磁石に電流を供給する電磁石電源と、
    前記電磁石電源の出力側の両端に接続され、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石と導通可能なスイッチング素子と、
    前記電磁石電源と直列に接続されて、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石に電流を供給可能な補助電源と、
    前記スイッチング素子と前記電磁石との間に接続され、前記補助電源の起動時に前記電磁石に電流を供給するように整流する整流素子と、
    前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石電源から停止信号を得て、前記補助電源の電流供給中に加速器のビームを停止させるビーム停止装置と、
    を備えることを特徴とする加速器のビーム出射保護装置。
  2. 前記補助電源は、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石を動作させる保護動作の間のみ動作させる容量としたことを特徴とする請求項1に記載の加速器のビーム出射保護装置。
  3. 前記補助電源は、電力を蓄える蓄電装置を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加速器のビーム出射保護装置。
  4. 前記電磁石電源の電流計測信号を前記補助電源に出力し、前記補助電源は、起動と同時に前記電流計測信号に基づいて前記補助電源の電流を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の加速器のビーム出射保護装置。
  5. 非運用時に前記補助電源に対して起動信号を出力して前記補助電源を動作させて前記補助電源の異常の有無を確認するテスト装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の加速器のビーム出射保護装置。
  6. 前記スイッチング素子をダイオードとしたことを特徴とする請求項1に記載の加速器のビーム出射保護装置。
  7. ビームを周回させて所定のエネルギーまで加速するシンクロトロン加速器と、
    前記シンクロトロン加速器の電磁石に電流を供給する電磁石電源と、
    前記シンクロトロン加速器により加速されたビームを取り出す取出し機器と、
    前記取出し機器により取り出されたビームを照射対象に照射する照射装置と、
    前記電磁石電源の出力側の両端に接続され、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石と導通可能なスイッチング素子と、
    前記電磁石電源と直列に接続されて、前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石に電流を供給可能な補助電源と、
    前記スイッチング素子と前記電磁石との間に接続され、前記補助電源の起動時に前記電磁石に電流を供給するように整流する整流素子と、
    前記電磁石電源の電流の異常低下時に前記電磁石電源から停止信号を得て、前記補助電源の電流供給中に加速器のビームを停止させるビーム停止装置と、
    を備えることを特徴とする粒子線治療装置。
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