JP3894215B2 - 荷電粒子ビームの出射方法及び粒子線照射システム - Google Patents
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2081頁,図35),ウォブラー法(非特許文献1の2084頁,図41)及びビームスキャニング法(特許文献1,非特許文献1の2092頁及び2093頁)のいずれかのビーム照射法が適用できる構成を有する。
±0.1 %未満が限界である。長期間でのその再現性が悪くなる原因として、磁場検出器および磁場クロック発生装置を構成するアナログ素子の温度ドリフトや経年変化などが挙げられる。その結果、偏向磁場強度と高周波信号の周波数の関係にずれが生じ、照射装置に供給するビームにエネルギー変動が生じる恐れがある。この対策として、磁場クロック発生装置を構成するアナログ素子を恒温槽に入れ、精密な温度管理を実施することで温度ドリフトを抑制することは可能であるが、磁場検出素子は、測定磁場を恒温槽が遮る恐れがあるため、磁場検出素子を恒温槽に入れることはできない。また前記アナログ素子を恒温槽に入れたとしても、素子の経年変化の影響は避けられない。
28は、磁場クロック発生装置29に接続される。
64を有する。プロセッサ55は、入力部54,メモリ56,通信バス57,64に接続される。エネルギー補正装置27は、入力部58,プロセッサ59,メモリ60,出力部61,通信ポート62及び通信バス63を有する。プロセッサ59は、入力部58,メモリ60,出力部61,通信ポート62及び通信バス63に接続される。
22は治療計画情報記憶装置(図示せず)から該当する患者に対する目標エネルギー情報を取り込む。加速器制御装置22は、その目標エネルギー情報に基づいて定まる図3に示すシンクロトロン3の運転パターンを実現するために、シンクロトロンを構成する機器の動作タイミング情報74をタイミング制御装置25に、偏向電磁石5の磁場強度(偏向磁場強度)及び加速空胴10に印加する高周波信号(例えば、高周波電圧)の周波数を制御するために、電磁石電源23の運転パターンを設定する制御指令71を電磁石電源23に、また、高周波発振器11の運転パターンの情報を設定する制御指令72を高周波制御装置24に出力する。高周波制御装置24は、入力した制御指令72をメモリ56に記憶する。更に、加速器制御装置22は、高周波発振器11から出力される、ビームの加速終了時における高周波信号の目標周波数、及びこの目標周波数に対する周波数の許容範囲データを含む周波数判定情報78をエネルギー補正装置27に出力する。目標周波数及び周波数の許容範囲データは、複数の目標エネルギーごとに設定されている(図8参照)。エネルギー補正装置27は入力した周波数判定情報78をメモリ60に記憶する。タイミング制御装置25は、ビームの加速開始,加速終了、及びエネルギー確認等のタイミング信号75を高周波制御装置24に、エネルギー確認のタイミング信号75をエネルギー補正装置27に出力する。加速終了のタイミング信号75を、エネルギー確認のタイミング信号75として用いることも可能である。
11から出力された高周波信号は、電力増幅器12で増幅され、加速空胴10に導かれる。ビーム14の集群化は、加速空胴10に印加した高周波信号により、ビーム14を安定に加速可能な領域(以下、高周波バケット)を形成することで実現される。この高周波信号でビームを集群化する制御を高周波捕獲と言い、集群化したビームをバンチビームと言う。
29での処理は、V−Fコンバータを用いることで実現できる。この磁場クロック発生装置29から出力されるパルス信号を周波数更新信号70として、高周波制御装置24に出力する。高周波制御装置24は、周波数更新信号70に基づき、予め加速器制御装置22から伝送される周波数パターンデータのアドレスを更新し、高周波発振器11に周波数データを設定する。この際、高周波制御装置24に用意されている周波数パターンデータは、偏向磁場強度と高周波信号の周波数との間に所定の関係(後述の(数5)に示す関係)が成立するようなデータ構造にしておくことで、集群化したビーム(バンチビーム)14を、シンクロトロン3内の周回軌道に沿って周回させながら目標エネルギーまで安定に加速することが可能となる。
25から出力される動作タイミング情報74に基づいて制御される。
10に印加された高周波信号の周波数で評価することができる。このため、偏向磁場強度及び高周波信号の周波数が(数5)の関係を有していれば、ビーム14はシンクロトロン3内で所定の軌道を周回するので、加速終了時におけるビーム14のエネルギーに対する偏向磁場強度と、ビーム14に印加する高周波信号の周波数も(数5)の関係を有していれば、シンクロトロン3内のビーム軌道は一定となる。偏向磁場強度もしくは高周波信号の周波数がずれて(数5)の関係が保たれない状態でビーム14が加速された場合には、加速終了時におけるビーム軌道の位置が変化するため、加速終了後のビームのエネルギーが目標エネルギーと異なる恐れがある。先に示したとおり、シンクロトロン3では偏向磁場強度Bを基準に加速用の高周波発振器11に設定する周波数を制御するため、加速終了時のビーム14のエネルギーが目標エネルギーとずれている場合には、高周波発振器11に設定する周波数を補正することによって、ビーム14のエネルギーを目標エネルギーに合せる補正が可能である。この補正をエネルギー補正という。
(Fdes)、及びその目標周波数に対する周波数の許容範囲(±Ferr)を、ステップ49で得られた1つの目標エネルギーと対応付けてテーブルデータ53を作成する。ビームの1つの目標エネルギーに対するシンクロトロン3の一連の運転制御値と、テーブルデータ
53とを、その目標エネルギーに基づいて関連付けて、シンクロトロン3の加速制御パターンデータを作成する(ステップ52)。この際、シンクロトロン3の加速制御パターンデータに対する高周波信号の目標周波数(Fdes)、及びその目標周波数に対する周波数の許容範囲(±Ferr)を含む周波数判定情報78は、加速器制御装置22の表示装置(図示せず)の画面(図8)で確認でき、かつ修正することができる。
200.0 MeV(図8参照)であるとする。シンクロトロン3の運転開始前に、目標周波数Fdesが7.30000MHzで周波数の許容範囲Ferrが±5.000kHzである周波数判定情報78を始めとして、該当する複数の層(患部がn個の層に分割されているときには、n個の層)に対するそれぞれの周波数判定情報78が、加速器制御装置22から高周波制御装置24及びエネルギー補正装置27に入力され、それぞれのメモリ56,60に記憶されている。
(例えば、患者の体表面から最も深い位置に位置する第1層)に対する、シンクロトロン3の運転制御(例えば、加速器制御装置22による偏向電磁石5等の加速制御運転)と同期した加速空胴10の運転制御を実施する。高周波制御装置24のプロセッサ55は、タイミング制御装置25から加速開始のタイミング信号75が入力されると、磁場クロック発生装置29からの磁場クロック信号70に基づき、メモリ56に記憶してある周波数データを、ビームの加速終了まで、通信バス64を介して高周波発振器11に出力する。これらの周波数データは、順次、高周波発振器11の周波数レジスタ(図示せず)に設定される。その周波数レジスタに設定された周波数データは、ビーム加速期間において順次更新される。高周波発振器11は、周波数レジスタに設定された周波数を有する高周波信号を、順次、加速空胴10に印加する。このような周波数制御により、シンクロトロン3内を周回するビーム14が加速される。このビーム14の加速制御は、タイミング制御装置25から加速終了のタイミング信号75がプロセッサ55に入力されるまで行われる。タイミング制御装置25が加速開始のタイミング信号75を出力してから加速終了のタイミング信号75を出力するまでの時間は、加速終了時におけるビームの目標エネルギーに対応して定められている。ビームエネルギーの加速勾配(エネルギー増加量の時間変化)が一定の場合、その目標エネルギーが大きい程、加速制御時間は長くなる。シンクロトロン3の加速制御運転が終了すると、高周波制御装置24(具体的にはプロセッサ55)は、加速終了のタイミング信号75に基づき、高周波発振器11に出力する、加速時における周波数データの更新を停止する。
30)、それらの周波数判定情報78をメモリ60に記憶させる。ステップ31で、ビームの加速終了のタイミング信号75を入力する。このタイミング信号75は、ある1つの層(例えば、第1層)に対するタイミング信号であり、タイミング制御装置25から出力される。ここでは、加速終了のタイミング信号75がエネルギー確認のタイミング信号
75となる。加速終了のタイミング信号75の入力により、プロセッサ59は、加速終了時の高周波の周波数Fmesを入力する(ステップ32)。この周波数Fmesは、上記した第1層に対するものである。加速終了時の高周波の周波数Fmesは、高周波発振器11から加速終了時に出力された高周波の周波数であるが、加速終了時において高周波発振器11の周波数レジスタに設定された最終更新値と同一である。このため、プロセッサ59は、ステップ32において、周波数レジスタに設定された最終更新値を周波数Fmesとして高周波発振器11から入力する。
|Ferr|が判定する(ステップ34)。この判定がYesの場合、プロセッサ59は「エネルギー異常」の情報79をインターロック装置26に出力する(ステップ40)。その判定がYesの場合は、図5の状態である。具体的には、目標周波数Fdesが7.30000 MHzである場合では、Fdevが5.000kHzよりも大きいときにその判定がYesとなる。ステップ34の判定がYesの場合は、高周波発振器11に設定されている周波数は、加速終了時のままである。インターロック装置26は、そのエネルギー異常の情報
79を入力したとき、ゲートスイッチOFFのインターロック信号77を出力する。ゲートスイッチ9は、ゲートスイッチOFFのインターロック信号77に基づいて開放される。高周波発振器7と高周波印加装置6との接続状態が開放され、高周波発振器7からの高周波信号が高周波印加装置6に伝わらなくなる。このため、シンクロトロン3で加速されたビームは、シンクロトロン3から出射が不可能な状態となる。すなわち、加速終了後の目標エネルギーからずれたエネルギーを有するビームが、照射装置16から患者に照射されることを阻止される。加速器制御装置22は、インターロック装置26から出力されたゲートスイッチOFFのインターロック信号77を入力したとき、電磁石電源23等の電磁石電源を制御し、シンクロトロン3に設けられた偏向電磁石5ほかの電磁石に供給する励磁電流を弱める。これとともに、高周波制御装置22は、偏向磁場強度の低下に同期して出力される磁場クロック信号70に基づき、高周波発振器11に設定する周波数データを低くする。これにより、シンクロトロン3内に残留するビーム14は減速される。その後、シンクロトロン3は待機状態に移行する。
79を出力する(ステップ35)。その判定がNoの場合は、図4の状態である。具体的には、目標周波数Fdesが7.30000MHzである場合では、Fdevが5.000kHz以下であるときにその判定がNoとなる。インターロック装置26は、そのエネルギー正常の情報79を入力したとき、ゲートスイッチONのインターロック信号77を出力する。ゲートスイッチ9は、ゲートスイッチONのインターロック信号77に基づいて閉じられる。この状態は、加速器制御装置22からビーム出射開始の指令信号73が出力されて出射用スイッチ8が閉じられたときに、シンクロトロン3からビームが出射できる状態である。また、インターロック装置26は、ゲートスイッチONのインターロック信号77を加速器制御装置22に出力する。
「No」となり、引き続き同じエネルギーでの患者へのビーム照射を継続する。ステップ37の判定結果が「Yes」の場合、次の層(例えば、第2層)に対応する目標周波数
Fdesおよび周波数の許容範囲Ferrに更新する(ステップ38)。患者に対する照射線量が目標線量に到達するまで、各層に対するステップ32〜38の処理が繰り返される(ステップ39)。
Fdesに対する許容範囲±Ferr内にある場合、高周波発振器11に設定する補正周波数データをエネルギー補正装置27で逐次算出し、算出した補正周波数データを高周波発振器
11に逐次設定することが可能である。このため、ビーム加速終了後でシンクロトロン3からのビーム出射前の周波数補正制御期間において、高周波発振器11で発生する高周波信号の周波数を、それらの補正周波数データを用いて目標周波数Fdesまで滑らかに変更することができる。このように制御された周波数を有する高周波信号を加速空胴10に印加することにより、ビーム加速終了後において、周回するビームのエネルギーを目標エネルギーに合せることができる。
56,通信ポート62及び出力部61,通信バス64を有する。
Claims (10)
- 円形加速器内を周回する荷電粒子ビームを加速し、目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを荷電粒子ビーム照射装置に導く荷電粒子ビームの出射方法において、
前記円形加速器に設けられた偏向電磁石の偏向磁場強度及び前記円形加速器に設けられた高周波加速装置の高周波信号の周波数を制御して、前記目標エネルギーとなるように、前記荷電粒子ビームを加速し、
前記加速終了後の前記荷電粒子ビームの周波数が、前記目標エネルギーに対応する目標周波数に基づいて設定された許容範囲内にあるかを判定し、
前記荷電粒子ビームの周波数が前記許容範囲内にあるとき、前記高周波信号の周波数を前記目標周波数に変更し、
変更された周波数を有する前記高周波信号を前記高周波加速装置に印加し、
その後、前記目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを、前記円形加速器から前記荷電粒子ビーム照射装置に出射することを特徴とする荷電粒子ビームの出射方法。 - 円形加速器内を周回する荷電粒子ビームを加速し、目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを荷電粒子ビーム照射装置に導く荷電粒子ビームの出射方法において、
前記円形加速器に設けられた偏向電磁石の偏向磁場強度及び前記円形加速器に設けられた高周波加速装置の高周波信号の周波数を制御して、前記目標エネルギーとなるように、前記荷電粒子ビームを加速し、
前記加速終了後の荷電粒子ビームのエネルギーが、前記目標エネルギーに基づいて設定された許容範囲内にあるかを判定し、
前記荷電粒子ビームのエネルギーが前記許容範囲内にあるとき、前記高周波信号の周波数を前記目標エネルギーに対応する目標周波数に変更し、
その後、前記目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを、前記円形加速器から前記荷電粒子ビーム照射装置に出射することを特徴とする荷電粒子ビームの出射方法。 - 請求項1又は2に記載の荷電粒子ビームの出射方法において、前記荷電粒子ビームの周波数の前記許容範囲又は前記荷電粒子ビームのエネルギーの前記許容範囲は、加速終了後における前記高周波加速装置の高周波信号の周波数の補正により、前記荷電粒子ビームの周波数を前記目標周波数とすることができる範囲として設定されることを特徴とする荷電粒子ビームの出射方法。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の荷電粒子ビームの出射方法において、前記荷電粒子ビームの周波数が前記許容範囲から外れているとき、又は前記荷電粒子ビームのエネルギーが前記許容範囲から外れているとき、前記円形加速器から前記荷電粒子ビーム照射装置へ前記荷電粒子ビームを出射しないことを特徴とする荷電粒子ビームの出射方法。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の荷電粒子ビームの出射方法において、前記円形加速器はシンクロトロンであることを特徴とする荷電粒子ビームの出射方法。
- 荷電粒子ビームを加速する円形加速器と、前記円形加速器に設けられた高周波加速装置及び偏向電磁石と、前記荷電粒子ビームの周波数を判定する周波数判定装置と、前記高周波加速装置の高周波信号の周波数を変更する周波数変更装置と、前記円形加速器から出射される目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを照射対象に照射する荷電粒子ビーム照射装置とを備えた粒子線照射システムであって、
前記円形加速器は、前記偏向電磁石の偏向磁場強度及び前記高周波加速装置の高周波信号の周波数を制御して、前記目標エネルギーとなるように、前記荷電粒子ビームを加速し、
前記周波数判定装置は、前記加速終了後の前記荷電粒子ビームの周波数が、前記目標エネルギーに対応する目標周波数に基づいて設定された許容範囲内にあるかを判定し、
前記周波数変更装置は、前記荷電粒子ビームの周波数が前記許容範囲内にあるとき、前記高周波信号の周波数を前記目標周波数に変更し、
前記高周波加速装置は、変更された周波数を有する前記高周波信号が印加され、
その後、前記円形加速器は、前記目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを、前記荷電粒子ビーム照射装置に出射することを特徴とする粒子線照射システム。 - 荷電粒子ビームを加速する円形加速器と、前記円形加速器に設けられた高周波加速装置及び偏向電磁石と、前記荷電粒子ビームのエネルギーを判定するエネルギー判定装置と、前記高周波加速装置の高周波信号の周波数を変更する周波数変更装置と、前記円形加速器から出射される目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを照射対象に照射する荷電粒子ビーム照射装置とを備えた粒子線照射システムであって、
前記円形加速器は、前記偏向電磁石の偏向磁場強度及び前記高周波加速装置の高周波信号の周波数を制御して、前記目標エネルギーとなるように、前記荷電粒子ビームを加速し、
前記エネルギー判定装置は、前記加速終了後の前記荷電粒子ビームのエネルギーが、前記目標エネルギーに基づいて設定された許容範囲内にあるかを判定し、
前記周波数変更装置は、前記荷電粒子ビームのエネルギーが前記許容範囲内にあるとき、前記高周波信号の周波数を前記目標エネルギーに対応する目標周波数に変更し、
その後、前記円形加速器は、前記目標エネルギーとなった前記荷電粒子ビームを、前記荷電粒子ビーム照射装置に出射することを特徴とする粒子線照射システム。 - 請求項6又は7に記載の粒子線照射システムにおいて、前記荷電粒子ビームの周波数の前記許容範囲又は前記荷電粒子ビームのエネルギーの前記許容範囲は、加速終了後における前記高周波加速装置の高周波信号の周波数の補正により、前記荷電粒子ビームの周波数を前記目標周波数とすることができる範囲として設定されることを特徴とする粒子線照射システム。
- 請求項6乃至8の何れかに記載の粒子線照射システムにおいて、前記荷電粒子ビームの周波数が前記許容範囲から外れているとき、又は前記荷電粒子ビームのエネルギーが前記許容範囲から外れているとき、前記円形加速器から前記荷電粒子ビーム照射装置へ前記荷電粒子ビームを出射しないことを特徴とする粒子線照射システム。
- 請求項6乃至9の何れかに記載の粒子線照射システムにおいて、前記円形加速器はシンクロトロンであることを特徴とする粒子線照射システム。
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