JP2016110941A - 加速器および粒子線治療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常発生時に荷電粒子ビームの取り出しを速やかに停止できる加速器および粒子線治療装置を提供する。【解決手段】本実施形態による加速器は、入射装置とビーム消失装置を備える。入射装置は、荷電粒子ビームを入射させる。ビーム消失装置は、入射した荷電粒子ビームを周回軌道に沿って周回させる加速器の動作状態に応じて、荷電粒子ビームを消失させる。ビーム消失装置は、周回軌道に高周波を発生させることで荷電粒子ビームを消失させる。【選択図】図1
Description
本発明による実施形態は、加速器および粒子線治療装置に関する。
一般に、荷電粒子ビームを加速する加速器の一種であるシンクロトロン加速器は、偏向電磁石や四極電磁石などの複数の電磁石を備える。偏向電磁石は、荷電粒子ビームを円形軌道に沿って周回させる。四極電磁石は、荷電粒子ビームを収束または発散させる。
シンクロトロン加速器は、荷電粒子ビームを加速する際に、加速器内に入射した低エネルギーの荷電粒子ビームに対して、磁場の印加強度を増加させながら高周波電力によってエネルギーを与える。
また、シンクロトロン加速器においては、ベータトロン振動における安定領域から共鳴領域に遷移した荷電粒子ビームを徐々に出射軌道に導いて加速器から取り出す方法を用いる場合がある。この取り出し方法は、シンクロトロン加速器によって加速および蓄積された荷電粒子ビームを、必要なタイミングで必要な取り出し量(強度)だけ取り出すことを目的とする。
しかしながら、電磁石の電源の故障等のシンクロトロン加速器(システム)の異常が発生した場合には、荷電粒子ビームの取り出し量を制御することが困難となり得る。したがって、異常が発生した場合には、荷電粒子ビームの取り出しを速やかに停止することが望ましい。
異常発生時に荷電粒子ビームの取り出しを速やかに停止できる加速器および粒子線治療装置を提供する。
本実施形態による加速器は、入射装置とビーム消失装置を備える。入射装置は、荷電粒子ビームを入射させる。ビーム消失装置は、入射した荷電粒子ビームを周回軌道に沿って周回させる加速器の動作状態に応じて、荷電粒子ビームを消失させる。ビーム消失装置は、周回軌道に交流電磁場を発生させることで荷電粒子ビームを消失させる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態を示す粒子線治療装置10の図である。粒子線治療装置10は、大別して、シンクロトロン加速器11と、ビーム輸送系機器12と、照射装置としての照射系機器13とによって構成されている。
図1は、第1の実施形態を示す粒子線治療装置10の図である。粒子線治療装置10は、大別して、シンクロトロン加速器11と、ビーム輸送系機器12と、照射装置としての照射系機器13とによって構成されている。
図1に示すように、シンクロトロン加速器11は、荷電粒子の周回軌道O上に、複数の偏向電磁石111と、複数の四極電磁石112a〜fと、高周波加速空洞113と、ビーム励振装置114とを備える。また、シンクロトロン加速器11は、入射装置としての入射器110と、高周波発生器115と、制御装置116と、電源117a〜cと、出射用機器118とを更に備える。また、シンクロトロン加速器11は、周回軌道Oを垂直方向および水平方向(径方向)から包囲する真空ダクト119を備える。制御装置116は、第1の制御装置としても機能する。制御装置116は、例えば、ROM、RAMおよびCPUなどによって構成してよいが、これに限定されない。ビーム励振装置114および制御装置116は、ビーム消失装置の一例である。
入射器110は、不図示のビーム源によって発生された荷電粒子ビームを、シンクロトロン加速器11の内部に入射させる。ビーム源と入射器110との間には、シンクロトロン加速器11への入射前の荷電粒子ビームを加速する前段加速器が配置されていてもよい。
偏向電磁石111は、電源117aに接続されている。偏向電磁石111には、電源117aから励磁電流が供給(入力)される。偏向電磁石111は、入力された励磁電流に基づいて、荷電粒子ビームを偏向させるための磁場を周回軌道Oに発生させる。偏向電磁石111によって発生される磁場により、荷電粒子ビームを周回軌道Oに沿って周回させることができる。なお、荷電粒子ビームは、例えば、陽子や炭素イオンのビームであってよい。
四極電磁石112a〜fは、電源117bに接続されている。四極電磁石112a〜fには、電源117bから励磁電流が供給される。四極電磁石112a〜fは、供給された励磁電流に基づいて、荷電粒子ビームを水平方向または垂直方向に収束または発散させるための磁場を周回軌道Oに発生させる。
四極電磁石112a〜fによって発生される磁場により、荷電粒子ビームを、水平方向および垂直方向にベータトロン振動させながら周回軌道Oに沿って安定的に周回させることができる。
高周波発生器115は、荷電粒子ビームを加速または減速させるための高周波電界(高周波電場)を、高周波加速空洞113内に発生させる。高周波電界は、交流電磁場の一例である。高周波発生器115によって発生される高周波電界により、高周波加速空洞113を通る荷電粒子ビームを加速または減速させることができる。なお、高周波発生器115は、電源117cによって駆動される。
電源117aおよび117bは、偏向電磁石111および四極電磁石112a〜fに励磁電流を供給する。また、電源117aおよび117bは、該電源117aおよび117b(シンクロトロン加速器11)の動作状態を示すステータス信号を、制御装置116に出力する。電源117aおよびbは、電源117aおよび117bの故障等の異常が発生した場合に、異常状態を示すステータス信号を制御装置116に出力する。例えば、電源117aおよび117bに設けられたステータス信号の出力回路が、電源117aおよび117bの回路上の所定の位置の物理量(電圧、励磁電流等)の検出結果に応じて正常および異常のいずれかを示すステータス信号を出力してもよい。
制御装置116は、異常状態を示すステータス信号が入力された場合に、ビーム励振装置114を駆動する。一方、制御装置116は、正常状態を示すステータス信号が入力された場合には、ビーム励振装置114を駆動しない。
ビーム励振装置114は、制御装置116によって駆動されることで、予め設定された励振周波数を有する高周波電磁場を周回軌道Oに発生させて、荷電粒子ビームを迅速に励振させる。なお、高周波電磁場は、交流電磁場の一例である。
ビーム励振装置114によって励振された荷電粒子ビームは、ベータトロン振動の振幅が増大することで、周回軌道Oに対してベータトロン振動の振動方向に位置する構造物に衝突する。構造物に衝突した荷電粒子ビームは消失する。ここで、荷電粒子ビームの消失とは、電荷を帯びたビームの状態の粒子の消失をいう。したがって、粒子が電荷や速度を失えば、粒子自体が残存していても荷電粒子ビームの消失に該当する。
なお、構造物は、例えば、真空ダクト119であってよい。また、構造物は、衝突した荷電粒子ビームが電荷を失い得るように接地されていてもよい。また、高周波電磁場の励振周波数は、制御装置116が設定してもよい。
出射用機器118は、例えば、デフレクタである。出射用機器118は、ベータトロン振動における安定領域から共鳴領域に遷移した荷電粒子ビームを、ビーム輸送系機器12側に出射する(取り出す)。
図1に示すように、ビーム輸送系機器12は、ビーム輸送用の偏向電磁石121と、ビーム輸送用の四極電磁石122とを備える。ビーム輸送系機器12は、出射用機器118から入射した荷電粒子ビームを、照射系機器13側に輸送する。
照射系機器13は、例えば、荷電粒子ビームの線量を測定する線量モニタと、線量が規定値に達した時点で荷電粒子ビームを遮断するビームシャッタとで構成してもよい。
次に、粒子線治療装置10の動作例について説明する。
入射器110からシンクロトロン加速器11内に入射した荷電粒子ビームは、偏向電磁石111の位置に到達すると、偏向電磁石111からの磁場に基づく電磁力によって、径方向内方D1に偏向される。また、荷電粒子ビームは、四極電磁石112a〜fの位置に到達すると、四極電磁石112a〜fからの磁場に基づく電磁力によって、水平方向または垂直方向に収束または発散される。また、荷電粒子ビームは、高周波加速空洞113に到達すると、高周波発生器115からの高周波電界に基づくクーロン力によって、加速される。このようにして、荷電粒子ビームは、ベータトロン振動しながら周回軌道O上を周回し、周回の過程で加速される。
このように周回軌道O上を周回する荷電粒子ビームを、患部への照射のために取り出す場合、例えば、四極電磁石112a〜fの励磁量を高めてベータトロン振動の振幅を増大させる。ベータトロン振動の振幅の増大によって共鳴領域に達した荷電粒子ビームは、徐々に周回軌道Oから径方向外方に逸脱して出射用機器118に導かれる。そして、出射用機器118に導かれた荷電粒子ビームは、出射用機器118によって加速器11から出射される(取り出される)。出射用機器118から出射された荷電粒子ビームは、ビーム輸送系機器12を経由したうえで、照射系機器13から患部に照射される。
このような荷電粒子ビームの照射は、電源117aおよび117bに異常が無い場合には正常に行われる。電源117aおよび117bに異常が無い場合、制御装置116は、電源117aおよび117bから入力されるステータス信号が正常状態を示すことに基づいて、ビーム励振装置114を駆動しない。
一方、電源117aおよび117bに異常が有る場合には、照射される荷電粒子ビームの強度に影響がでる。電源117aおよび117bに異常が有る場合には、荷電粒子ビームの取り出しを速やかに停止することが望ましい。
そこで、制御装置116は、電源117aおよび117bから異常状態を示すステータス信号が入力された場合に、ビーム励振装置114を駆動する。ビーム励振装置114は、予め設定された励振周波数の高周波電磁場を周回軌道Oに発生させる。励振周波数の一例を図2に示す。図2では、高周波電磁場の中心周波数を励磁周波数としている。高周波電磁場により、荷電粒子ビームのベータトロン振動が励振されて振幅が増大する。振幅が増大した荷電粒子ビームは、周回軌道Oに対してベータトロン振動の振動方向に位置する構造物に衝突することで消失する。例えば、荷電粒子ビームの励振方向が垂直方向である場合、荷電粒子ビームは、周回軌道Oに対して上下に位置する構造物に衝突して消失する。
ビーム励振装置114に設定されている励振周波数は、荷電粒子ビームのチューンとの共振が生じる値である。ここで、チューンとは、周回軌道O一周あたりのベータトロン振動の振動数である。励振周波数をチューンと共振させることで、ベータトロン振動の振幅を迅速に増大させることができる。チューンと共振する励振周波数は、例えば、次の(1)式で与えられる。
fex=νfrac×frev (1)
但し、fexは、励振周波数すなわちビーム励振装置114への設定値である(以下、同様)。νfracは、チューンの端数(すなわち、小数部)である(以下、同様)。frevは、荷電粒子ビームの周回周波数である(以下、同様)。
但し、fexは、励振周波数すなわちビーム励振装置114への設定値である(以下、同様)。νfracは、チューンの端数(すなわち、小数部)である(以下、同様)。frevは、荷電粒子ビームの周回周波数である(以下、同様)。
また、次の(2)式で与えられる励振周波数を設定する場合にも、チューンとの共振を生じさせて、ベータトロン振動の振幅を迅速に増大させることができる。
fex=(1−νfrac)×frev (2)
fex=(1−νfrac)×frev (2)
もし、異常発生時において、荷電粒子ビームの取り出しの停止を、専らビームシャッタ等による機械的な遮断に依存する場合、荷電粒子ビームの取り出しを迅速に停止させることは困難である。なぜならば、機械的な遮断は、時間的な応答性が悪い(すなわち、遮断を命じてから遮断が実行されるまでの時間が長い)からである。また、もし、偏向電磁石111による磁場の発生を停止することで、偏向できなくなった荷電粒子ビームを真空ダクトに衝突させる場合、磁場が無くなるまでの磁場の応答速度が遅いため、やはり、荷電粒子ビームの取り出しを迅速に停止させることは困難である。
これに対して、本実施形態では、高周波電磁場によってベータトロン振動の振幅を迅速に増大させることで、荷電粒子ビームを振動方向に位置する構造物に速やかに衝突させて消失させることができる。これにより、異常発生時に荷電粒子ビームの取り出しを速やかに停止できる。
また、本実施形態では、シンクロトロン加速器11の内部で荷電粒子ビームを消失させることができるので、例えば、照射系機器13のビームシャッタで荷電粒子ビームを遮断する場合に比較して、外部への荷電粒子ビームの漏れ量を低減できる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態における粒子線治療装置10の動作例を示すグラフである。以下、図3を用いて、第2の実施形態として、励振周波数を変調する実施形態を説明する。第2の実施形態の説明にあたり、第1の実施形態に類する構成部については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図3は、第2の実施形態における粒子線治療装置10の動作例を示すグラフである。以下、図3を用いて、第2の実施形態として、励振周波数を変調する実施形態を説明する。第2の実施形態の説明にあたり、第1の実施形態に類する構成部については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
荷電粒子ビームのチューンは、シンクロトロン加速器11の運転条件の違いや、荷電粒子のエネルギー等のばらつきにより、ある程度の幅(ばらつき)を持っている。このようなチューンの幅を考慮して、制御装置116は、励振周波数を変調する。具体的には、制御装置116は、ビーム励振装置114に設定される励振周波数を、一定の周波数幅の範囲内において時間変化させる。図3は、このような励振周波数の周波数幅Wの一例を示している。図3の例では、基準となる高周波電磁場の中心周波数を中心とした一定の周波数幅Wに属する励振周波数が、ビーム励振装置114に順次(例えば、周波数が低い順または高い順)に設定される。図3において基準となる高周波電磁場は、(1)式または(2)式で与えられる周波数fexを有していてもよい。また、図3における周波数幅Wとしては、実験等に基づいて好適な値を設定してよい。
本実施形態によれば、励振周波数を変調することで、チューンの異なる複数のベータトロン振動が生じた場合においても、各ベータトロン振動の振幅を迅速に増大させて各ベータトロン振動を行う荷電粒子ビームを迅速に消失させることができる。この結果、チューンのばらつきにかかわらず、異常発生時に荷電粒子ビームの取り出しを迅速に停止させることができる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態を示す粒子線治療装置10の図である。以下、図4を用いて、第3の実施形態として、荷電粒子ビームの軌道半径を増減させる実施形態を説明する。第3の実施形態の説明にあたり、第1の実施形態に類する構成部については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図4は、第3の実施形態を示す粒子線治療装置10の図である。以下、図4を用いて、第3の実施形態として、荷電粒子ビームの軌道半径を増減させる実施形態を説明する。第3の実施形態の説明にあたり、第1の実施形態に類する構成部については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の粒子線治療装置10は、第1の実施形態で説明したビーム励振装置114を備えていない。本実施形態における制御装置116は、第2の制御装置として機能する。具体的には、制御装置116は、電源117aおよび117bから異常状態を示すステータス信号が入力された場合に、高周波発生器115に発生させる高周波電界の周波数を、荷電粒子ビームの軌道半径が増大または減少するような周波数に制御する。
高周波発生器115は、制御装置116によって制御された高周波電界を高周波加速空洞113内に発生させることで、荷電粒子ビームの軌道半径を増大または減少させる。軌道半径を増大させた場合、荷電粒子ビームを周回軌道Oに対して径方向外方D2に位置する構造物に衝突させることができるので、荷電粒子ビームを消失させることができる。軌道半径を減少させた場合にも、荷電粒子ビームを周回軌道Oに対して径方向内方D1に位置する構造物に衝突させることができるので、荷電粒子ビームを消失させることができる。
ここで、高周波電界の周波数制御にともなう軌道半径の増減について説明する。
荷電粒子ビームの周回周期Tと荷電粒子ビームの運動量pとの間には、次式が成立する。
ΔT/T=η×Δp/p (3)
但し、ηは、スリッページファクタである。スリッページファクタは、シンクロトロン加速器11の設計と荷電粒子ビームのエネルギーとによって定まる値である。
ΔT/T=η×Δp/p (3)
但し、ηは、スリッページファクタである。スリッページファクタは、シンクロトロン加速器11の設計と荷電粒子ビームのエネルギーとによって定まる値である。
また、運動量pと、電荷qと、磁場Bと、偏向半径(以下、軌道半径ともいう)ρとの間には、次式が成立する。
dp/dt=q×ρ×dB/dt+q×B×dρ/dt (4)
(4)式は、磁場Bを一定とした場合、運動量pが減少すれば、軌道半径ρが減少し、運動量pが増加すれば、軌道半径ρが増加することを示す。
dp/dt=q×ρ×dB/dt+q×B×dρ/dt (4)
(4)式は、磁場Bを一定とした場合、運動量pが減少すれば、軌道半径ρが減少し、運動量pが増加すれば、軌道半径ρが増加することを示す。
例えば、制御装置116が高周波電界の周波数を減少させる制御を行った場合、荷電粒子ビームの周回周期は、高周波電界の周波数の減少に同調して、ΔT>0となる。このとき、η<0とした場合、(3)式よりΔp<0(運動量が減少)となる。この場合、(4)式より軌道半径ρが減少する。この結果、荷電粒子ビームを径方向内方D1に位置する構造物に衝突させて消失させることができる。なお、高周波電界の周波数を減少させる制御における周波数の減少量は、荷電粒子ビームの消失の迅速性を確保するために好適な値(例えば、閾値以上の周波数減少量)であればよい。該周波数の減少量は、例えば、実験等に基づいて制御装置116に設定してもよい。
一方、制御装置116が高周波電界の周波数を減少させる制御を行った場合(すなわち、ΔT>0の場合)において、η>0とした場合、(3)式よりΔp>0(運動量が増加)となる。この場合、(4)式より軌道半径ρが増大する。この結果、荷電粒子ビームを径方向外方D2に位置する構造物に衝突させて消失させることができる。
また、制御装置116は、高周波電界の周波数を増加させる制御を行った場合においても、軌道半径ρを増大または減少させることで、荷電粒子ビームを構造物に衝突させて消失させることができる。
本実施形態によれば、第1の実施形態に対してビーム励振装置114を省略できるので、部品点数を削減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 粒子線治療装置
11 シンクロトロン加速器
110 入射器
114 ビーム励振装置
116 制御装置
117a〜c 電源
11 シンクロトロン加速器
110 入射器
114 ビーム励振装置
116 制御装置
117a〜c 電源
Claims (9)
- 荷電粒子ビームを入射させる入射装置と、
入射した前記荷電粒子ビームを周回軌道に沿って周回させる加速器の動作状態に応じて、前記荷電粒子ビームを消失させるビーム消失装置を備え、
前記ビーム消失装置は、前記周回軌道に交流電磁場を発生させることで前記荷電粒子ビームを消失させる、加速器。 - 前記ビーム消失装置は、前記荷電粒子ビームを前記周回軌道の周囲の構造物に衝突させることで前記荷電粒子ビームを消失させる、請求項1に記載の加速器。
- 前記ビーム消失装置は、
設定された励振周波数の前記交流電磁場を前記周回軌道に発生させることで前記荷電粒子ビームを励振するビーム励振装置と、
前記動作状態としての異常状態を示すステータス信号を入力として前記ビーム励振装置に前記交流電磁場を発生させる第1の制御装置と、を備える、請求項1または2に記載の加速器。 - 前記ビーム励振装置は、前記荷電粒子のベータトロン振動の振幅を増大させることで、前記荷電粒子ビームを前記周回軌道に対して前記ベータトロン振動の振動方向に位置する構造物に衝突させる、請求項3に記載の加速器。
- 前記励振制御装置は、前記励振周波数を変調する、請求項3または4に記載の加速器。
- 前記ビーム消失装置は、
前記荷電粒子ビームを加速または減速させる高周波加速空洞と、
設定された周波数の前記交流電磁場を前記高周波加速空洞内に発生させることで前記荷電粒子ビームを加速または減速させる高周波発生器と、
前記動作状態としての異常状態を示すステータス信号を入力として前記高周波発生器に発生させる前記交流電磁場を制御する第2の制御装置と、を備える、請求項1または2に記載の加速器。 - 前記高周波発生器は、前記第2の制御装置の制御に基づいて前記荷電粒子ビームの軌道半径を増大または減少させることで、前記荷電粒子ビームを前記周回軌道に対して径方向外方または内方に位置する構造物に衝突させる、請求項6に記載の加速器。
- 前記荷電粒子ビームを偏向、収束または発散させる電磁石と、
前記電磁石の電源と、を更に含み、
前記電源は、該電源の異常時に前記ステータス信号を出力する、請求項3〜7のいずれか1項に記載の加速器。 - 荷電粒子ビームを周回軌道に沿って周回させる加速器と、
前記加速器で加速された前記荷電粒子ビームを照射する照射装置と、を備え、
前記加速器は、該加速器の動作状態に応じて前記荷電粒子ビームを消失させるビーム消失装置を備え、
前記ビーム消失装置は、前記周回軌道に交流電磁場を発生させることで前記荷電粒子ビームを消失させる、粒子線治療装置。
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