JP2014079300A - 荷電粒子ビーム照射システム - Google Patents

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Abstract

【課題】スキャニング照射法における線量一様度を改善できる荷電粒子ビーム照射システムを提供する。
【解決手段】荷電粒子ビームを加速して取り出すシンクロトロン10と、加速した荷電粒子ビームを照射ノズル40に輸送するビーム輸送装置20を備える荷電粒子ビーム照射システムであって、シンクロトロン10は、周回する荷電粒子ビームに高周波電圧を印加する高周波電圧印加装置17を有し、ビーム輸送装置20は、通過する荷電粒子ビームを遮断するビーム遮断装置30を有し、高周波電圧印加装置17は、ビーム遮断装置30が荷電粒子ビームを遮断する期間と遮断せずに荷電粒子ビームを照射ノズル40に輸送する期間とで、異なる周波数スペクトルの高周波電圧を印加することで、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム照射システムに関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1には、「荷電粒子ビームの供給を再開する前に安定限界を狭め荷電粒子ビームの一部を出射し、該荷電粒子ビームをビーム輸送系300に設置した電磁石で遮断する」と記載されている。
非特許文献1には、「We proposed to apply another transverse RF field with a frequency component matched with the betatron frequency of particles near the stopband in addition to the original transverse RF field. The particles just inside the separatrix can be selectively extracted during the irradiation, and the uncontrollable spilled beam can be suppressed.」と記載されている。
特開2011−34823号公報
"Reduction of uncontrollable spilled beam in RF-knockout slow extraction", Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 606 (2009) 325-329
シンクロトロン中を周回する荷電粒子ビームはビーム照射を停止している間も真空ダクト中の残留ガスによる散乱を受けて徐々に広がるため、スポット照射の再開前にビーム輸送系に設置した電磁石(以下、遮断電磁石という)の励磁量を変更している間も荷電粒子ビームがシンクロトロン中からわずかに取り出される。遮断電磁石の励磁量を変更している間に取り出される荷電粒子ビームは、粒子線治療システムの治療計画で定めた位置とは異なる位置に照射されるため、遮断電磁石の励磁量を変更している間の荷電粒子ビームの取り出しがない場合に比べて、照射線量の分布が治療計画で定めた分布に一致する度合い(以下、線量一様度という)が悪化するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、スキャニング照射法における線量一様度を改善できる荷電粒子ビーム照射システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、荷電粒子ビームを加速して取り出すシンクロトロンと、加速した荷電粒子ビームを照射ノズルに輸送するビーム輸送装置を備える荷電粒子ビーム照射システムであって、シンクロトロンは、周回する荷電粒子ビームに高周波電圧を印加する高周波電圧印加装置を有し、ビーム輸送装置は、通過する荷電粒子ビームを遮断するビーム遮断装置を有し、高周波電圧印加装置は、ビーム遮断装置が荷電粒子ビームを遮断する期間と遮断せずに荷電粒子ビームを照射ノズルに輸送する期間とで、異なる周波数スペクトルの高周波電圧を印加することを特徴とする。
本発明によれば、スキャニング照射法における線量一様度を改善できる荷電粒子ビーム照射システムを提供することができる。
実施形態1の粒子線治療システムの構成を示す図である。 周回ビームを構成する荷電粒子の水平方向の分布を模式的に示した図である。 高周波電圧印加装置17が印加する高周波電圧の周波数スペクトルを模式的に示した図である。 ビーム遮断装置30の構成を示す図 である。 照射ノズル40の構成を示す図である。 実施形態1の照射パラメータの時間変化を模式的に示した図である。 高周波電圧印加装置17の構成を示す図である。 実施形態2の粒子線治療システムの構成を示す図である。 ビーム遮断装置142の構成を示す図である。 実施形態2の照射パラメータの時間変化を模式的に示す図である。 実施形態3の粒子線治療システムの構成を示す図である。 実施形態3の照射パラメータの時間変化を模式的に示す図 である。 高周波電圧印加装置171の構成を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、スキャニング照射法における線量一様度を改善できる荷電粒子ビーム照射システムの例を説明する。
図1は、本実施形態による粒子線治療システムの構成図を示す。粒子線治療システムは、入射器1、低エネルギービーム輸送系2、シンクロトロン10、高エネルギービーム輸送系20、照射ノズル(照射装置)40及び制御装置60を備える。
本実施形態の粒子線治療システムは、入射器1よりシンクロトロン10へ入射された荷電粒子ビーム(以下、ビームという)をシンクロトロン10により所定のエネルギーまで加速して取り出し、患者50中の患部51へ照射するものである。
入射器1には、例えば、イオン源(図示せず)で生成したビームをシンクロトロン10への入射に適したエネルギー(以下、入射エネルギーという)まで加速する線形加速器(ライナック)が用いられる。入射器1から取り出された荷電粒子ビームは、低エネルギービーム輸送系2および入射セプタム電磁石11を経由してシンクロトロン10の真空ダクト12中へ入射される。
シンクロトロン10は、荷電粒子ビームの周回軌道上に、真空ダクト12、複数の偏向電磁石13、複数の四極電磁石14、複数の六極電磁石15、高周波加速空胴16、高周波電圧印加装置17、高速四極電磁石18、及び取り出し用デフレクタ19を備える。偏向電磁石13は、シンクロトロン10中を周回する荷電粒子ビーム(以下、周回ビームという)を偏向して所定の周回軌道(以下、周回ビーム軌道という)を形成する。四極電磁石14は、周回ビームに収束あるいは発散の力を加えて周回ビームのサイズを所定の範囲内に抑える。ここで、荷電粒子ビームの荷電粒子ビームの進行方向に垂直な平面内での広がりをサイズと呼んでいる。高周波加速空胴16は、周回ビームに周回ビーム進行方向の高周波電圧を印加し、周回ビームを照射対象50への照射に適したエネルギーまで加速する。取り出し用デフレクタ19は、所定のエネルギーに加速された周回ビームを偏向し、高エネルギービーム輸送系20へ取り出す。
高エネルギービーム輸送系20、偏向電磁石21、四極電磁石22、ビーム遮断装置30を備える。図1では、偏向電磁石21および四極電磁石22が一台だけ記載されているが、偏向電磁石21および四極電磁石22の個数はシンクロトロン10と患者50の位置関係に応じて調整される。偏向電磁石21は、高エネルギービーム輸送系20中の荷電粒子ビーム(以下、取り出しビームという)を患者50に向けて偏向する。四極電磁石22は、取り出しビームに収束あるいは発散の力を加えて取り出しビームおよび患部51に照射される荷電粒子ビーム(以下、照射ビームという)のサイズを調節する。
ビーム遮断装置30は、制御装置60からの制御信号に基づいて、取り出しビームがビーム遮断装置30を通過するかビーム遮断装置30で遮断されるかを制御する。ビーム遮断装置30が取り出しビームを遮断している間は、シンクロトロン10の運転状態に依らず患部51に荷電粒子ビームは照射されない。高エネルギービーム輸送系20を通過した取り出しビームは、照射ノズル40に輸送される。照射ノズル40が、照射対象である患者50に対して荷電粒子ビームを出射する。出射された荷電粒子ビームが患者に照射される。照射ノズル40は、制御装置60からの制御信号に基づいて、患部51の形状に合わせて荷電粒子ビームの照射位置を調節する。
図2を用いて、シンクロトロン10の周回ビームを高エネルギービーム輸送系20へ取り出す方法について説明する。図2は、周回ビームを構成する個々の荷電粒子(以下、周回ビーム粒子という)の水平方向の分布を表す模式図である。シンクロトロン10中の水平方向とは、周回ビームの進行方向に垂直であり、偏向電磁石13の動径に平行な方向を指し、周回ビーム軌道の外側方向が正の方向となる。また、偏向電磁石13のギャップ方向を垂直方向と呼ぶ。図2の横軸は水平方向の位置を表し、縦軸は進行方向の単位移動量当たりの水平方向位置の変化率(以下、水平方向傾きという)を表す。座標軸の原点は、シンクロトロン10の設計上の周回ビーム軌道(以下、中心軌道という)である。図2のように水平方向の位置と傾きで表現される平面を水平方向の位相空間と呼び、水平方向の位相空間中で周回ビーム粒子が分布している面積を水平エミッタンスと呼ぶ。
図2(a)を用いて、シンクロトロン10へ荷電粒子ビームが入射してから周回ビームの加速が完了するまでの期間の周回ビーム粒子について説明する。この期間の周回ビーム粒子は、図2(a)の斜線部に示す様に水平方向位相空間内で円状に分布している。周回ビーム粒子は、中心軌道のまわりを水平・垂直方向に振動しながらシンクロトロン10中を周回している。周回ビーム粒子の振動は、水平・垂直ベータトロン振動と呼ばれている。シンクロトロン10の一周あたりの水平・垂直ベータトロン振動の振動数をそれぞれ水平・垂直チューンと呼ぶ。シンクロトロン10のチューンは、四極電磁石14の励磁量を制御することにより調整される。
周回ビームの加速が完了した後、制御装置60は四極電磁石14の励磁量を変更し、水平チューンを1/3の倍数に近い値(例えば1.685)に変更する。この状態で六極電磁石15を励磁し、その強度が中心軌道からの水平方向の距離の二乗に比例する磁場(以下、六極磁場という)を周回ビームに印加すると、水平方向位相空間中に周回ビームが安定となる領域と不安定となる領域を区分する境界(以下、セパラトリクスという)が形成される。図2(b)は、取り出し用デフレクタ19の入口地点における水平方向位相空間上に形成されたセパラトリクスの模式図である。水平方向位相空間上のセパラトリクスは三角形状であり、セパラトリクスの内側にある周回ビーム粒子はシンクロトロン10中を安定に周回し続ける。一方、セパラトリクスの外側にある周回ビーム粒子については水平ベータトロン振動の振幅が急激に増大し、水平方向位置が取り出し用デフレクタ19の内側電極91の位置を超えた時点でシンクロトロン10から取り出される。
シンクロトロン10がセパラトリクスを形成した後、高周波電圧印加装置17は周回ビームに水平方向の高周波電圧を印加する。高周波電圧印加装置17が周回ビーム粒子にその水平チューンに相当する周波数の高周波電圧を印加すると、周回ビーム粒子の水平方向ベータトロン振動振幅が徐々に増大する。これにより周回ビーム粒子がセパラトリクスの外側に移動すると、周回ビーム粒子の水平方向ベータトロン振動の振幅は急激に増大し、周回ビーム粒子はシンクロトロン10の外へ取り出される。水平チューンに相当する周波数とは、当該周波数をシンクロトロン10の周回周波数で除した値の少数部と、水平チューンの少数部あるいは水平チューンの少数部を1から引いた値とが等しくなるような周波数を指す。
周回ビームに印加される六極磁場の影響により、水平方向位相空間上でセパラトリクスの辺縁部に近い位置にある周回ビーム粒子ほど、その水平チューンは1/3の倍数に近い値となる。これにより、周回ビーム粒子の水平チューンは、セパラトリクスの中心からセパラトリクスの辺縁部に向けて連続的に変化する。従って、セパラトリクス中心の水平チューンに相当する周波数からセパラトリクス辺縁部の水平チューンに相当する周波数までの連続的な周波数スペクトルを持つ高周波電圧を高周波電圧印加装置17が周回ビームに印加することにより、周回ビームの水平エミッタンスを徐々に増大させて周回ビーム粒子を少しずつシンクロトロン10の外へ取り出すことができる。
図3を用いて、高周波電圧印加装置17が周回ビームに印加する高周波電圧の周波数スペクトルについて説明する。図3は、高周波電圧印加装置17が印加する高周波電圧の周波数スペクトルの模式図であり、横軸が高周波電圧の周波数に相当する水平チューン、縦軸が高周波電圧の出力を表す。
本実施形態の高周波電圧印加装置17は、周回ビームに周波数スペクトルの異なる二種類の高周波電圧を印加することができる。周回ビームに周波数スペクトルの異なる二種類の高周波電圧を印加するための高周波電圧印加装置17の構成については後述する。
第一の周波数スペクトル94は、セパラトリクス中心の水平チューン92からセパラトリクス辺縁部の水平チューン93まで出力が一定となる周波数スペクトルである。周波数スペクトル94を持つ高周波電圧を周回ビームに印加すると周回ビームの水平エミッタンスは徐々に増大し、セパラトリクスを超えた周回ビーム粒子がシンクロトロン10から取り出される。高周波電圧印加装置17が周回ビームへの高周波電圧の印加を停止すると水平エミッタンスの増大は停止し、シンクロトロン10からの周回ビームの取り出しも停止する。高周波電圧印加装置17が周回ビームに高周波電圧を印加している状態を高周波電圧ON(あるいは、高周波電圧印加装置ON)、高周波電圧の印加を停止している状態を高周波電圧OFF(あるいは、高周波電圧印加装置OFF)と呼ぶことにする。本実施形態の粒子線治療システムによれば、シンクロトロン10からの周回ビームの取り出しと停止を高周波電圧印加装置17から周回ビームへ印加する高周波電圧のONとOFFにより制御するため、短時間でシンクロトロン10からの周回ビームの取り出しを停止することができる。
高周波電圧印加装置17が印加する高周波電圧の第二の周波数スペクトル95は、セパラトリクス辺縁部の狭い領域の水平チューンに相当する周波数成分のみで構成される。周波数スペクトル95を持つ高周波電圧を周回ビームに印加すると、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子は水平方向ベータトロン振動の振幅が増大してシンクロトロン10から取り出されるが、セパラトリクス中心付近の周回ビーム粒子は水平方向ベータトロン振動の振幅が増大しない。従って、周波数スペクトル95を持つ高周波電圧の印加により、水平方向位相空間中の周回ビーム粒子の分布は、図2(c)に示すように、セパラトリクス辺縁部に殆ど周回ビーム粒子が存在しない状態となる。
シンクロトロン10からのビーム取り出しは高周波電圧印加装置17のON/OFFにより制御されるが、周回ビーム粒子にはビーム進行方向の振動(以下、シンクロトロン振動という)に伴う水平チューンの変動がある。そのため、高周波電圧印加装置17が高周波電圧をOFFとしても、しばらくの間はビームの取り出しが継続する。シンクロトロン振動をする個々の周回ビーム粒子からは、セパラトリクスサイズがシンクロトロン振動と同一周期で振動するように見えるため、高周波電圧印加装置17の高周波電圧OFF時点で、サイズが最小となるセパラトリクス(以下、最小セパラトリクスという)よりも外側にいる周回ビーム粒子は、高周波電圧OFF時点からシンクロトロン振動一周期分の時間(例えば1ms)が経過するまでの間にシンクロトロン10から取り出される。また、周回ビームの水平エミッタンスは真空ダクト12中に残留するガスとの散乱により徐々に増大するため、高周波電圧印加装置17の高周波電圧OFF時点からシンクロトロン振動一周期分の時間が経過した後も取り出しビームの強度は0にはならない。
高周波電圧印加装置17の高周波電圧をOFFしてから取り出される周回ビームは線量一様度悪化の原因となるため、本実施形態の粒子線治療システムでは高速四極電磁石18を用いて周回ビームの取り出しが停止するまでの時間(ビーム停止時間)を短縮する。具体的には、高周波電圧印加装置17の高周波電圧をOFFすると同時に高速四極電磁石18を励磁し、セパラトリクスの面積(セパラトリクスサイズ)を急速に拡大することでビーム停止時間を短縮することができる。
図4を用いて、ビーム遮断装置30がシンクロトロン10からの取り出しビームを遮断する方法について説明する。図4は、ビーム遮断装置30の構成を示す模式図である。
ビーム遮断装置30は、遮断電磁石31、遮断電磁石電源32、ダンパー33を備える。遮断電磁石31は、シンクロトロン10に近い方(ビーム進行方向の上流側であり、以下、上流側という)に設置され、ダンパー33は患者に近い方(ビーム進行方向の下流側であり、以下、下流側という)に設置されている。つまり、遮断電磁石31は、ビーム進行方向に対してダンパー33よりも上流側に配置される。また、遮断電磁石31は遮断電磁石電源32に接続され、遮断電磁石電源32は制御装置60に接続されている。遮断電磁石31が励磁されていない状態では取り出しビームは遮断電磁石31により偏向されず、取り出しビームは遮断されずに照射ノズル21に輸送される。輸送された取り出しビームが、照射ノズル21から出射され、患者50まで到達する。以下、遮断電磁石31が励磁されていない状態を遮断電磁石31OFF、取り出しビームがビーム遮断装置30により遮断されていない状態をビーム遮断装置30OFFと呼ぶ。
遮断電磁石電源32は、制御装置60からタイミング信号が入力されると遮断電磁石31を取り出しビームの遮断が可能となる所定の励磁量まで励磁する。取り出しビームの遮断が可能となる励磁量は、取り出しビームの運動エネルギーおよび遮断電磁石31とダンパー33との位置関係から計算により求められる。また、遮断電磁石31が上記所定の励磁量に励磁されている状態を、遮断電磁石31ONと呼ぶことにする。遮断電磁石31がONの状態では、取り出しビームは遮断電磁石31により偏向され、下流側に設置されたダンパー33に入射する。ダンパー33へ入射した取り出しビームはダンパー33により止められて廃棄されるため、遮断電磁石31がONの状態では取り出しビームは照射ノズル21に輸送されず、患者50に到達しない。つまり、取り出しビームはビーム遮断装置30において遮断されている。以下、取り出しビームがビーム遮断装置30により遮断されている状態をビーム遮断装置30ONと呼ぶ。
ビーム遮断装置30ONの状態で、制御装置60が遮断電磁石電源32にタイミング信号が出力すると、遮断電磁石電源32は遮断電磁石31の励磁を終了し、取り出しビームはビーム遮断装置31を通過するようになる。このように、ビーム遮断装置30は、制御装置60からのタイミング信号に応じてONとOFFを切り替える。
本実施形態では、遮断電磁石31がONの場合にビーム遮断装置30がON、遮断電磁石31がOFFの場合にビーム遮断装置30がOFFとなる構成としたが、これを反転させて遮断電磁石31がOFFの場合にビーム遮断装置30がON、遮断電磁石31がONの場合にビーム遮断装置30がOFFとなる構成としても良い。
また、本実施形態では、遮断電磁石31の直後にダンパー33が設置される構成としたが、遮断電磁石31とダンパー33の間に偏向電磁石や四極電磁石などの機器が設置される構成としても良い。遮断電磁石31とダンパー33の間に適切な電磁石を設置することにより、遮断電磁石31による取り出しビームの偏向を拡大し、遮断電磁石31に必要な励磁量を低減することができる。
図5を用いて、本実施形態の粒子線治療システムで用いられるスキャニング照射法を説明する。図5は、照射ノズル40の構成を示す模式図である。照射ノズル40は、第1の走査電磁石41、第2の走査電磁石42、第1の走査電磁石電源41A、第2の走査電磁石電源42A、線量モニタ43、及びビーム位置モニタ44を備える。第1の走査電磁石電源41A及び第2の走査電磁石電源42Bは、制御装置60から入力される制御信号に基づいて第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42を励磁する。第1の走査電磁石41と第2の走査電磁石42は、荷電粒子ビームを互いに垂直な方向へ偏向する偏向電磁石である。照射ノズル40へ入射された取り出しビームは第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42により偏向され、ビーム進行方向に垂直な平面内の所定の位置に照射される。
照射ビームが患者50の体内を進む距離(以下、照射深さという)は、シンクロトロン10からの取り出しビームのエネルギーを変更することにより制御される。取り出しビームのエネルギーは、高エネルギービーム輸送系20中にエネルギー吸収体を設置し、エネルギー吸収体の厚さを変更することで調整しても良い。また、照射ビームのエネルギー分散を拡大するため照射ノズル中に楔形のリッジフィルタを設置しても良い。
スキャニング照射法では、患者50の患部51を照射深さの異なる複数のレイヤー52に分割し、各レイヤーをさらに複数の照射スポット53に分割して照射線量を管理する。制御装置60は、取り出しビームのエネルギーを一番目のレイヤー51に対応した値に、第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量を一番目の照射スポット52に対応した値に設定した後、シンクロトロン10からのビーム取り出しを開始する。線量モニタ43は、治療開始時点からの照射線量の積算値を制御装置60へ出力しており、制御装置60は線量モニタ43の出力から一番目の照射スポット53に対する照射線量を算出する。一番目の照射スポット53に対する照射線量が治療計画で定めた目標値に到達すると、制御装置60はシンクロトロン10からの周回ビームの取り出しを停止し、第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量を二番目の照射スポット53に対応した値に変更する。以下、各照射スポットへ照射された線量をスポット照射線量、スポット照射線量の目標値を目標線量という。
第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量の変更が完了した後、制御装置60はシンクロトロン10からの周回ビームの取り出しを再開し、二番目の照射スポットへ荷電粒子ビームを照射する。制御装置60は、シンクロトロン10からの周回ビームの取り出しと第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量の変更を繰り返し、一番目のレイヤー52を構成する全ての照射スポット53に対して所定の量の荷電粒子ビームを照射する。
一番目のレイヤー52に対する照射か完了すると、制御装置60は取り出しビームのエネルギーを二番目のレイヤー52に対応した値に変更し、一番目のレイヤー52への照射と同様にして二番目のレイヤー52へ荷電粒子ビームを照射する。本実施形態では、照射野を構成する全てのレイヤー及び照射スポットに所定の線量を照射するまでシンクロトロン10からの周回ビームの取り出しと停止を繰り返す。
図6を用いて、本実施形態の粒子線治療システムにおいて、スキャニング照射法における線量一様度を改善する手法について説明する。図6は、照射パラメータの時間変化を模式的に示した図である。図6では、横軸が時間を示し、縦軸が各要素の励磁量・出力・強度を示す。図6(a)は第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量100の時間変化を示し、図6(b)は第一の高周波電圧の出力101の時間変化を示し、図6(c)は第二の高周波電圧の出力102の時間変化を示し、図6(d)は、高速四極電磁石18の励磁量103の時間変化を示し、図6(e)は取り出しビームの強度104の時間変化を示し、図6(f)は遮断電磁石31の励磁量105の時間変化を示し、図6(g)は照射ビームの強度106との時間変化を表すグラフである。なお、図6(a)では、二台の走査電磁石41、42の励磁量100を便宜的に一本のグラフで表している。また、残留ガスによる散乱で周回ビーム粒子がセパラトリクスを超える速度に対応する取り出しビーム強度を便宜的に散乱取り出し強度107としておく。
ある照射スポットに対して荷電粒子ビームを照射する期間(以下、照射期間という)において第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量は一定であり、周回ビームには第一の高周波電圧が印加されている。また、第二の高周波電圧はOFFであり、高速四極電磁石18と遮断電磁石31は励磁されていない。シンクロトロン10からは荷電粒子ビームが取り出され、ビーム遮断装置30がOFFであることから取り出しビームはそのまま患者に照射される。従って、照射期間においては取り出しビームの強度104と照射ビームの強度106が同一となる。
スポット照射完了タイミング110において、現在の照射スポットに対する照射線量が目標値に到達すると、第一の高周波電圧がOFFとなり、シンクロトロン10からのビーム取り出しが停止する。また、ビーム取り出しが停止するまでの時間を短縮するため、スポット照射完了タイミング110において高速四極電磁石18が励磁される。第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量は、次の照射スポットに対応した値への変更を開始し、遮断電磁石32は励磁を開始する。
次に、タイミング111において、遮断電磁石31の励磁が完了し、ビーム遮断装置30がONとなると、高速四極電磁石18はOFFとなり、同時に第二の高周波電圧の印加が開始する。高速四極電磁石18のOFFによりセパラトリクスサイズが照射期間と同じ大きさにもどること、第二の高周波電圧がセパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動振幅を増大させることにより、区間114ではシンクロトロン10からビームが取り出される。区間114ではビーム遮断装置30がONであるため、取り出しビームは遮断され、患者には照射されない。また、区間114では第一の高周波電圧がOFFであるため、セパラトリクス中心部の周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動振幅は増大せず、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子は徐々に枯渇し、取り出しビームの強度は減少する。
タイミング112において、取り出しビームの強度が十分に減少すると、第二の高周波電圧はOFFとなり、同時に遮断電磁石31の励磁量105は減少し始める。遮断電磁石31の励磁量105が減少している間も周回ビーム粒子は残留ガスによる散乱を受けるが、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子が枯渇しているため、遮断電磁石31の励磁量が0となるまでの時間(例えば1ms)以内では周回ビーム粒子がセパラトリクスを超えて取り出されることがない。
タイミング113において、遮断電磁石の励磁量が0となり走査電磁石41、42の励磁量の変更が完了すると、周回ビームに第一の高周波電圧が印加され、シンクロトロン10からのビーム取り出しが再開する。
図6(e)及び図6(g)では、取り出しビーム強度の時間変化104および照射ビーム強度の時間変化106に、区間114において第二の高周波電圧を印加しない場合の波形を点線で示した。この場合、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子は、残留ガスによる散乱以上の速さで拡散することはなく、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子は枯渇しない。従って、遮断電磁石31、第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量を変更している間もシンクロトロン10からのビーム取り出しが継続し、取り出しビームの一部は照射ノズル21に入射される。遮断電磁石31の励磁量を変更している間は荷電粒子ビームが治療計画で定めた位置とは異なる位置に照射されるため、遮断電磁石31の励磁量を変更している間にシンクロトロン10からビームが取り出されない場合に比べると線量一様度は悪化することになる。
本実施形態の粒子線治療システムによれば、ビーム遮断装置30がONとなっている間にセパラトリクスの辺縁部に対応する周波数スペクトルのみを持つ高周波電圧を周回ビームへ印加するため、ビーム遮断電磁石31の励磁量を変更している間にシンクロトロン10からビームが取り出されることを防ぎ、線量一様度を改善することができる。
図7を用いて、周回ビームに周波数スペクトルの異なる二種類の高周波電圧を印加するための高周波電圧印加装置17の構成について説明する。図7は、高周波電圧印加装置17の構成を示す模式図である。
高周波電圧印加装置17は、第一の高周波発生装置71、第二の高周波電圧発生装置72、第一の高周波スイッチ76、第二の高周波スイッチ77、加算器73、高周波スイッチ78、増幅器74、及び高周波電圧印加電極75を備える。第一の高周波発生装置71および第二の高周波発生装置72は、例えば、任意波形発生器である。
第一の高周波発生装置71は、第一の高周波電圧と相似形の周波数スペクトルを持つ高周波電圧79を発生させる。第二の高周波発生装置72は、第二の高周波電圧と相似形の周波数スペクトルを持つ高周波電圧80を発生させる。高周波スイッチ76には制御装置60からの照射期間中のみONとなる制御信号81が入力されており、第一の高周波発生装置71からの高周波電圧79は、照射期間中のみ高周波スイッチ76を通過して加算器73へ出力される。高周波スイッチ77には、制御信号81を反転させたものが入力されており、照射期間以外の期間のみ第二の高周波発生装置71からの高周波電圧80は高周波スイッチ77を通過して加算器73へ出力される。加算器73は、高周波電圧79と高周波電圧80を合成するため、照射期間中に高周波電圧79を出力し、照射期間以外には高周波電圧80を出力する。高周波スイッチ78には、制御信号81と第二の高周波電圧を印加する期間(図6中の区間114)であることを表す制御信号82の論理和が入力されており、高周波電圧を印加すべき期間のみ加算器73からの高周波電圧を通過させる。制御信号82は、例えばビーム遮断電磁石の励磁が完了した時点でONとし、制御信号82がONとなった後セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子を枯渇させるために必要な時間(例えば1ms)が経過したらOFFとする信号を用いることができる。増幅器74は、加算器73から入力された高周波電圧を増幅し、高周波電圧印加電極75に出力する。高周波電圧印加電極75は、周回ビームを水平方向に挟むように設置されており、高周波電圧75に出力された高周波電圧が周回ビームに印加される。増幅器74は、第一の高周波電圧発生装置71からの高周波電圧79が入力された場合に第一の高周波電圧を出力し、第二の高周波電圧発生装置72からの高周波電圧77が入力された場合に第二の高周波電圧を出力する。このように、高周波電圧印加装置17は、ビーム遮断装置がOFFである照射期間中は、セパラトリクス内全体の周回ビーム粒子の水平チューンに対応する周波数スペクトルを持つ第一の高周波電圧を周回ビームへ印加し、ビーム遮断装置がONである間は、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子の水平チューンに対応する周波数スペクトルのみを持つ第二の高周波電圧を周回ビームへ印加する。これにより、本実施形態の粒子線治療システムによれば、ビーム遮断電磁石31の励磁量を変更している間にシンクロトロン10からビームが取り出されることを防ぎ、線量一様度を改善することができる。
(実施形態2)
本実施形態では、スキャニング照射法における線量一様度を改善できるだけでなく、機器のコストを低減できる荷電粒子ビーム照射システムの例を説明する。
図8は、本実施形態による粒子線治療システムの構成図を示す。本実施形態の粒子線治療システムは、図1に示す実施形態1の粒子線治療システムと同様の構成を有するが、以下の点で両者は相違する。つまり、実施形態1の粒子線治療システムは、シンクロトロン10からのビーム取り出しを停止するための高速四極電磁石18を備えるが、本実施形態のシンクロトロン140には高速四極電磁石18が備えられていない。また、本実施形態の高エネルギービーム輸送系141に設置されるビーム遮断装置142は、実施形態1のビーム遮断装置30と構成が異なる。
図9を用いて、本実施形態におけるビーム遮断装置142の動作について説明する。図9は、ビーム遮断装置142の構成を示す模式図である。ビーム遮断装置112は、図4に示す実施形態1のビーム遮断装置30と同様の構成を有するが、遮断電磁石電源143が遮断電磁石143の励磁を完了するまでに要する時間(立ち上がり時間)が、実施形態1の遮断電磁石電源32に比べて短い。
図10を用いて、本実施形態の粒子線治療システムのスキャニング照射法における線量一様度を改善する手法について説明する。図10は、照射パラメータの時間変化を模式的に示す図である。図10の横軸が時間を表し、縦軸が各要素の励磁量・出力・強度を表す。図10(a)は第1の走査電磁石41及び第1の走査電磁石42の励磁量120の時間変化を表し、図10(b)は第一の高周波電圧の出力121の時間変化を表し、図10(c)は第二の高周波電圧の出力122の時間変化を表し、図10(d)は取り出しビームの強度123の時間変化を表し、図10(e)は遮断電磁石31の励磁量124の時間変化を表し、図10(f)は照射ビームの強度125との時間変化を表すグラフであり。本実施形態でも、実施形態1の図6と同様、二台の走査電磁石41、42の励磁量120は一本のグラフで表している。また、残留ガスによる散乱で周回ビーム粒子がセパラトリクスを超える速度に対応する取り出しビーム強度を便宜的に散乱取り出し強度132としておく。
本実施形態では、実施形態1と同様、ビーム遮断装置142がONとなっている間に第二の高周波電圧をONにし、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子のみの水平ベータトロン振動振幅を増大させる。これにより、ビーム遮断装置142をONとしている間にセパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子があらかじめ取り出されるため、本実施形態は、ビーム遮断装置142をOFFとするために遮断電磁石31の励磁量を変化させている間にシンクロトロン10からビームが取り出されることを防ぎ、線量一様度を改善することができる。
本実施形態では、実施形態1とは異なり、ある照射スポットへのビームの照射が完了する前(タイミング126)に第一の高周波電圧を停止する。取り出しビームの強度は、第一の高周波電圧の停止により低下するが、シンクロトロン振動および残留ガスによる散乱の影響があるため0にはならない。このため、ある照射スポットに対して照射する予定の線量(以下、目標線量という)の大部分(例えば、予定線量の90%)を照射した時点で第一の高周波電圧をOFFとすれば、第一の高周波電圧をOFFとした状態で当該照射スポットに対する照射を完了することができる。以下、第一の高周波電圧をOFFとするスポット照射線量を、スポット照射完了準備線量という。
制御装置60は、線量モニタ43の測定結果からスポット照射線量を計算し、スポット照射線量がスポット照射完了準備線量を超えた時点(タイミング126)で第一の高周波電圧を停止する。制御装置60は、第一の高周波電圧を停止した後もスポット照射線量の監視を継続し、スポット照射線量が目標線量に到達した時点(スポット照射完了時点127)で第二の高周波電圧をOFFにするとともにビーム遮断装置112をONにする。第一の高周波電圧を停止した時点で最小セパラトリクスの外側にいる周回ビーム粒子は、第一の高周波電圧を停止してからスポット照射完了時点127の間までにシンクロトロン10から取り出される。これにより、スポット照射完了時点127以降においては、主に残留ガスによる散乱に起因して周回ビームが取り出されるため、取り出しビーム強度は散乱取り出し強度に一致する。
ここで、遮断電磁石31の立ち上がり時間は、一般にON状態の遮断電磁石の励磁量が0となるまでに要する時間(以下、立下り時間という)よりも短い。取り出しビーム強度が小さく遮断電磁石31の立ち上がり時間が短いことから、スポット照射完了時点127から遮断電磁石31の励磁完了までの間にシンクロトロン10から取り出されるビームの量はごく僅かとなる。これにより、本実施形態では、高速四極電磁石を使用しなくてもスポット照射が完了してから遮断電磁石31の励磁が完了するまでの間にシンクロトロン10から取り出されるビームによる線量一様度の悪化が問題とならない。
取り出しビーム強度の時間変化123および照射ビーム強度の時間変化125に、第一の高周波電圧をスポット照射完了時点126でOFFとしない場合の波形を点線で示した。この場合、最小セパラトリクスの外側に周回ビーム粒子が残った状態でスポット照射が完了するため、スポット照射完了時点127以降の取り出しビーム強度123および照射ビーム強度125が第一の高周波電圧をスポット照射完了時点127以前にOFFする場合に比べて高くなり、線量一様度の悪化が問題となる。第一の高周波電圧をスポット照射完了時点127以前にOFFせずに線量一様度の悪化を防止するには、例えば実施形態1で示すような高速四極電磁石を使用する必要がある。
本実施形態の粒子線治療システムによれば、ビーム遮断装置142がONとなっている間にセパラトリクスの辺縁部に対応する周波数スペクトルのみを持つ高周波電圧を周回ビームへ印加するため、ビーム遮断電磁石31の励磁量を変更している間にシンクロトロン10からビームが取り出されることを防ぎ、線量一様度を改善することができる。
さらに、本実施形態の粒子線治療システムによれば、ビーム照射が停止するまでの時間を短縮するために高速四極電磁石を設置する必要がないため、実施形態1の粒子線治療システムに比べてシンクロトロン10の制作にかかるコストを低減できる。
(実施形態3)
本実施形態では、スキャニング照射法における線量一様度を改善できるだけでなく、機器のコストを低減できる荷電粒子ビーム照射システムの例を説明する。
図11は、本実施形態による粒子線治療システムの構成図である。本実施形態の粒子線治療システムは、図8に示す実施形態2の粒子線治療システムと同様の構成を有するが、以下の点で両者は相違する。本実施形態のシンクロトロン170に備えられる高周波電圧印加装置171は、実施形態2のシンクロトロン140に備えられる高周波電圧印加装置17と構成が異なり、また、本実施形態での第一の高周波電圧および第二の高周波電圧を印加するタイミングが実施形態2と異なっている。本実施形態における高周波電圧印加装置171の構成については後述する。
図12を用いて、本実施形態の粒子線治療システムでのスキャニング照射法における線量一様度を改善する手法について説明する。図12は、照射パラメータの時間変化を模式的に示した図である。図12(a)は第1の走査電磁石41及び第2の走査電磁石42の励磁量150の時間変化を示し、図12(b)は第一の高周波電圧の出力151の時間変化を示し、図12(c)は第二の高周波電圧の出力152の時間変化を示し、図12(d)は取り出しビームの強度153の時間変化を示し、図12(e)は遮断電磁石31の励磁量154の時間変化を示し、図12(f)は照射ビームの強度155の時間変化を示す。図12の横軸が時間を表し、縦軸が各要素の励磁量・出力・強度を表す。本実施形態の図12でも、実施形態2の図10と同様、二台の走査電磁石41、42の励磁量150は一本のグラフで表している。また、残留ガスによる散乱で周回ビーム粒子がセパラトリクスを超える速度に対応する取り出しビーム強度を便宜的に散乱取り出し強度162としておく。
本実施形態では、実施形態1、2と同様、ビーム遮断装置142がONとなっている間に第二の高周波電圧をONにし、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子のみの水平ベータトロン振動振幅を増大させる。これにより、ビーム遮断装置142をONとしている間にセパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子があらかじめ取り出されるため、本実施形態は、ビーム遮断装置142をOFFとするために遮断電磁石31の励磁量を変化させている間にシンクロトロン10からビームが取り出されることを防ぎ、線量一様度を改善することができる。
本実施形態では、実施形態2と同様、ある照射スポットへのビームの照射が完了する前に第一の高周波電圧を停止する。以下、実施形態2と同様、第一の高周波電圧をOFFとするスポット照射線量を、スポット照射完了準備線量という。また、本実施形態では、実施形態1、2とは異なり、照射期間中に第一の高周波電圧と第二の高周波電圧の両方を周回ビームへ印加する。照射期間中に第一の高周波電圧と第二の高周波電圧の両方をONとするため、セパラトリクスの辺縁部に対応する高周波電圧の出力は、セパラトリクスの中心部に対応する高周波電圧の出力よりも高くなる。これにより、本実施形態では、セパラトリクスの辺縁部に近づくほど水平ベータトロン振動の振幅が速く増大するため、スポット照射の開始直後を除くと常に、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子の密度がセパラトリクス中央部に比べて薄い状態が保たれる。
タイミング156において第一の高周波電圧を停止すると、セパラトリクス中央部からセパラトリクス辺縁部への周回ビーム粒子の供給が停止するため、取り出しビーム強度は急激に減少する。照射期間中は第一の高周波電圧を停止した後も第二の高周波電圧を印加しているため、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子は急速に取り出され、取り出しビーム・照射ビームの強度はシンクロトロン振動の一周期よりも短い時間で散乱取り出し強度162まで減少する。取り出しビーム強度が散乱取り出し強度162まで減少した後は、セパラトリクス中心部から残留ガスとの散乱によりセパラトリクス辺縁部へ僅かに供給される周回ビーム粒子を第二の高周波電圧で取り出し続ける状態となるため、セパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子の密度は第一の高周波電圧の停止前よりもさらに低い値に保たれる。制御装置60は、第一の高周波電圧を停止した後もスポット照射線量の監視を継続し、スポット照射線量が目標値に到達した時点で第二の高周波電圧を停止するとともにビーム遮断装置142をONにする。スポット照射完了時点157においてセパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子の分布はごく薄い状態に保たれているため、第二の高周波電圧をOFFすると即座にシンクロトロン10からのビーム取り出しが停止する。より厳密に言えば、照射完了時点から遮断電磁石31の励磁が完了するまでにシンクロトロン10から取り出される周回ビーム粒子の量は、目標とする線量一様度に対して無視できるほど小さい。
図13を用いて、ビーム遮断装置142がOFFである照射期間中は第一の高周波電圧と第二の高周波電圧の両方を周回ビームに印加し、遮断電磁石31がONの場合は第二の高周波電圧のみを周回ビームに印加するための高周波電圧印加装置171の構成について説明する。図13は、高周波電圧印加装置171の構成を示す模式図である。高周波電圧印加装置171は、第一の高周波発生装置172、第二の高周波電圧発生装置173、高周波スイッチ174、加算器175、高周波スイッチ176、増幅器177、及び高周波電圧印加電極178を備える。
本実施形態では、実施形態1と同様、加算器175は第一の高周波電圧発生装置および第二の高周波電圧発生装置からの高周波電圧を合成し、高周波スイッチ176を経由して増幅器177に出力する。第一の高周波発生装置172は、第一の高周波電圧と相似形の周波数スペクトルを持つ高周波電圧179を発生させ、第二の高周波発生装置173は、第二の高周波電圧と相似形の周波数スペクトルを持つ高周波電圧180を発生させる。増幅器177は入力された高周波電圧を増幅し、高周波電圧印加電極178へ出力する。
高周波スイッチ174には、照射期間中のみONとなる制御信号181と、スポット照射線量がスポット照射完了準備線量以下である場合にのみONとなる制御信号182の論理積が入力されており、高周波スイッチ174は入力信号がONの場合のみ第一の高周波電圧発生装置172からの高周波電圧179を通過させる。合成器73には、照射期間中でスポット照射線量がスポット照射完了準備線量以下の場合に高周波電圧179および高周波電圧180が、それ以外の場合に高周波電圧180が入力される。高周波スイッチ176には、実施形態1と同様、照射期間中にONとなる制御信号181と、ビーム遮断装置142がONとなった後一定時間ONとなる制御信号183の論理和が入力されている。従って、増幅器177には、照射期間中でスポット照射線量がスポット照射完了準備線量以下の場合に高周波電圧179および高周波電圧180が、照射期間中でスポット照射線量がスポット照射完了準備線量以上の場合およびビーム遮断装置がONとなった後一定時間以内の場合に高周波電圧180のみが入力される。同様に、周回ビームに対しては照射期間中でスポット照射線量がスポット照射完了準備線量以下の場合に第一の高周波電圧および第二の高周波電圧が、照射期間中でスポット照射線量がスポット照射完了準備線量以上の場合およびビーム遮断装置がONとなった後一定時間以内の場合に第二の高周波電圧のみが入力される。
本実施形態の粒子線治療システムによれば、ビーム遮断装置142がONとなっている間にセパラトリクスの辺縁部に対応する周波数スペクトルのみを持つ高周波電圧を周回ビームへ印加するため、ビーム遮断電磁石31の励磁量を変更している間にシンクロトロン10からビームが取り出されることを防ぎ、線量一様度を改善することができる。
さらに、本実施形態によれば、ビーム照射が停止するまでの時間を短縮するために高速四極電磁石を設置する必要がないため、実施形態1の粒子線治療システムに比べてシンクロトロン10の制作にかかるコストを低減できる。
本実施形態の粒子線治療システムでは、照射期間中にセパラトリクス辺縁部の周回ビーム粒子を第二の高周波電圧により取り出すため、照射完了から遮断電磁石の励磁が完了するまでの間にシンクロトロン10から取り出されるビーム粒子の量を低減し、実施形態2の粒子線治療システムに比べて線量一様度を向上することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上の必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 入射器
2 低エネルギービーム輸送系
10 シンクロトロン
11 入射インフレクタ
12 真空ダクト
13 偏向電磁石
14 四極電磁石
15 六極電磁石
17 高周波電圧印加装置
18 高速四極電磁石
19 取り出し用デフレクタ
20 高エネルギービーム輸送系
21 偏向電磁石
22 四極電磁石
30 ビーム遮断装置
31 遮断電磁石
32 遮断電磁石電源
33 ダンパー
40 照射ノズル
41 第1の走査電磁石
42 第2の走査電磁石
41A 第1の走査電磁石電源
42A 第2の走査電磁石電源
43 線量モニタ
44 ビーム位置モニタ
50 患者
51 患部
52 スキャニング照射法のレイヤー
53 スキャニング照射法の照射スポット
60 制御装置
71 第一の高周波電圧発生装置
72 第二の高周波電圧発生装置
73 加算器
74 増幅器
75 高周波電圧印加電極
76 第一の高周波スイッチ
77 第二の高周波スイッチ
78 高周波スイッチ
79 高周波電圧
80 高周波電圧
81 制御信号
82 制御信号
90 セパラトリクス
91 取り出し用デフレクタ19の内側電極
92 セパラトリクス中心部に相当する周波数
93 セパラトリクス辺縁部に相当する周波数
94 第一の高周波電圧の周波数スペクトル
95 第二の高周波電圧の周波数スペクトル
100 走査電磁石励磁量
101 第一の高周波電圧出力
102 第二の高周波電圧出力
103 高速四極電磁石励磁量
104 取り出しビーム強度
105 遮断電磁石31励磁量
106 照射ビーム強度
110 スポット照射完了タイミング
111 遮断電磁石31励磁完了タイミング
112 第二の高周波電圧OFFタイミング
113 スポット照射再開タイミング
114 第二の高周波電圧印加区間
120 走査電磁石励磁量
121 第一の高周波電圧出力
122 第二の高周波電圧出力
123 取り出しビーム強度
124 遮断電磁石励磁量
125 照射ビーム強度
126 第一の高周波電圧OFFタイミング
127 スポット照射完了タイミング
128 第二の高周波電圧ONタイミング
129 第二の高周波電圧OFFタイミング
130 スポット照射再開タイミング
131 第二の高周波電圧印加区間
140 シンクロトロン
141 高エネルギービーム輸送系
142 ビーム遮断電磁石
143 遮断電磁石電源
150 走査電磁石励磁量
151 第一の高周波電圧出力
152 第二の高周波電圧出力
153 取り出しビーム強度
154 遮断電磁石励磁量
155 照射ビーム強度
156 第一の高周波電圧OFFタイミング
157 スポット照射完了タイミング
158 停止期間中の第二の高周波電圧ONタイミング
159 停止期間中の第二の高周波電圧OFFタイミング
160 スポット照射再開タイミング
161 停止期間中の第二の高周波電圧印加区間
170 シンクロトロン
171 高周波電圧印加装置
172 第一の高周波電圧発生装置
173 第二の高周波電圧発生装置
174 高周波スイッチ
175 加算器
176 高周波スイッチ
177 増幅器
178 高周波電圧印加電極
179 高周波電圧
180 高周波電圧
181 制御信号
182 制御信号
183 制御信号

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを加速して取り出すシンクロトロンと、
    加速した前記荷電粒子ビームを照射ノズルに輸送するビーム輸送装置を備える荷電粒子ビーム照射システムであって、
    前記シンクロトロンは、周回する前記荷電粒子ビームに高周波電圧を印加する高周波電圧印加装置を有し、
    前記ビーム輸送装置は、通過する荷電粒子ビームを遮断するビーム遮断装置を有し、
    前記高周波電圧印加装置は、前記ビーム遮断装置が前記荷電粒子ビームを遮断する期間と前記ビーム遮断装置が前記荷電粒子ビームを遮断せずに前記荷電粒子ビームを前記照射ノズルに輸送する期間とで、前記シンクロトロンを周回する前記荷電粒子ビームに対して異なる周波数スペクトルの高周波電圧を印加することを特徴とする荷電粒子ビーム照射システム。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射システムであって、
    前記高周波電圧印加装置は、
    前記ビーム遮断装置が前記荷電粒子ビームを遮断していない期間に、前記シンクロトロン中を周回する前記荷電粒子ビームの安定領域内の中心部に対応する周波数スペクトルを持つ第一の高周波電圧を印加し、
    前記ビーム遮断装置が前記荷電粒子ビームを遮断している期間に、前記シンクロトロン中を周回する前記荷電粒子ビームの安定領域の辺縁部に対応する周波数スペクトルを持つ第二の高周波電圧を印加することを特徴とする荷電粒子ビーム照射システム。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子ビーム照射システムであって、
    前記高周波電圧印加装置は、
    前記シンクロトロンからの前記荷電粒子ビームの取り出しが停止するよりも前に前記第一の高周波電圧の印加を停止することを特徴とする荷電粒子ビーム照射システム。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射システムであって、
    前記高周波電圧印加装置は、
    前記ビーム遮断装置が前記荷電粒子ビームを遮断していない期間に、前記シンクロトロン中を周回する前記荷電粒子ビームの安定領域内の中心部に対応する周波数スペクトルを持つ第一の高周波電圧および前記シンクロトロン中を周回する前記荷電粒子ビームの安定領域の辺縁部に対応する周波数スペクトルを持つ第二の高周波電圧を印加し、
    前記ビーム遮断装置が前記荷電粒子ビームを遮断している期間に、前記第二の高周波電圧を印加できることを特徴とする荷電粒子ビーム照射システム。
  5. 請求項4に記載の荷電粒子ビーム照射システムであって、
    前記高周波電圧印加装置は、
    前記シンクロトロンからの前記荷電粒子ビームの取り出しが停止するよりも前に前記第一の高周波電圧の印加を停止し、前記第一の高周波電圧の印加を停止した後も前記第二の高周波電圧の印加が継続することを特徴とする荷電粒子ビーム照射システム。
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