JP6121920B2 - 受発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、受光素子と発光素子とが同一基板上に配置された受発光素子の製造方法に関する。
従来、発光素子から被照射物へ光を照射し、被照射物へ入射する光に対する正反射光と拡散反射光とを受光素子によって受光することで被照射物の特性を検出するセンサ装置が種々提案されている。このセンサ装置は広い分野で利用されており、例えば、フォトインタラプタ、フォトカプラ、リモートコントロールユニット、IrDA(Infrared Data Association)通信デバイス、光ファイバ通信用装置、さらには原稿サイズセンサなど多岐
にわたるアプリケーションで用いられている。
このようなセンサ装置において、例えば、発光素子から被照射物に照射した光の正反射光を受光素子で受光する場合など、受光素子によってより正確な正反射光を受光するためには、発光素子と受光素子とがより近い位置に配置されていることが好ましい。
例えば、下記特許文献1には、シリコンからなる半導体基板の一方の表面に不純物をドーピングし受光素子を形成し、半導体基板の一方の表面に半導体層を成長させて発光素子を形成した受発光素子が記載されている。
特開2009−231804号公報
特許文献1に記載されているような受発光素子は、一導電型の半導体基板に他導電型の不純物を拡散させてpn接合を形成することで受光素子を形成し、半導体基板にバッファ層を介して一導電型と他導電型の半導体層を成長させて半導体層の積層体中にpn接合を形成することで発光素子を形成していた。すなわち、受光素子と発光素子とは別々に半導体基板に作り込まれていた。
このような受発光素子について、さらに生産性を高めて製造することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、同一基板に受光素子及び発光素子を作りこんだ受発光素子を生産性高く製造する、製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る受発光素子の製造方法は、一導電型の半導体基板の上面に、半導体基板内で逆導電型の不純物として機能する第1元素を主成分として含む、複数の半導体層からなる積層体を形成した後に、積層体をパターニングして所望の形状の発光素子を形成する発光素子形成工程と、半導体基板の上面側に第1元素をドーピングして逆導電型半導体領域を形成し、半導体基板とpn接合を形成して受光素子とする受光素子形成工程と、を含み、発光素子形成工程において、積層体の形成時に半導体基板の逆導電型半導体領域となる領域にも同時に第1元素をドーピングさせるものである。
本発明の受発光素子の製造方法によれば、積層体の形成と逆導電型半導体領域への第1元素のドープとを同一工程で行なうことができるため、生産性を高めて受発光素子を製造することができる。
(a)は、本発明の受発光素子の実施の形態の一例を示す平面図である。(b)は、図1(a)の1I−1I線に沿った概略断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、図1に示した受発光素子を製造する製造工程を示す断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、図2に続く受発光素子を製造する製造工程を示す断面図である。 図1に示した受発光素子を用いたセンサ装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 実施例において第1元素含有部56を形成した後の半導体基板2の厚み方向における不純物の分布を示す線図である。
以下、本発明の受発光素子の製造方法の実施の形態の例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の例は本発明の受発光素子の製造方法の実施の形態を例示するものであって、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(受発光素子)
図1(a)および(b)に示す受発光素子1は、コピー機やプリンタなどの画像形成装置に組み込まれて、トナーやメディアなどの被照射物の位置情報、距離情報または濃度情報などを検出するセンサ装置として機能する。
受発光素子1は、一導電型の半導体基板2と、半導体基板2の上面に積層した複数の半導体層を有する複数の発光素子3aと、半導体基板2の上面側に逆導電型の不純物がドーピングされた逆導電型半導体領域32を有する受光素子3bと、を有している。この例では、発光素子3a及び受光素子3bはそれぞれ複数個あり、それぞれ一列に配列されている。
半導体基板2は、一導電型の半導体材料からなる。一導電型の不純物としては、例えば亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、炭素(C)、ホウ素(B)、インジウム(In)またはセレン(Se)などが挙げられ、一導電型の不純物濃度に限定はない。本例では、シリコン(Si)基板に一導電型の不純物としてBを1×1015〜1×1018atoms/cmの濃度で含む一導電型のSi基板を用いている。
発光素子3aは、所望の発光波長に合わせて、積層させる半導体層の材料、不純物(ドーパント)等を適宜選択することができる。この例では、ガリウム砒素(GaAs)系材料からなる半導体層を積層している。具体的には、Siからなる半導体基板2との格子整合層として機能するGaAsからなる半導体層と、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)からなる2つのクラッド層とその間に挟まれた活性層を含む半導体層とを含む。
そして、発光素子3aの半導体層のうち活性層を挟んだ一方のクラッド層、他方のクラッド層にそれぞれ電気的に接続された接続配線9,11を有する。これら接続配線9,11を介して発光素子3aにバイアスを印加し、発光素子3aを発光させる。
受光素子3bは、半導体基板2と逆導電型半導体領域32とがpn接合して形成される
。逆導電型半導体領域32にドープされた不純物は、発光素子3aを構成する半導体層の主成分のうち一元素と同一とする。この逆導電型半導体領域32と発光素子3aを構成する半導体層とで共通する元素を第1元素Xとする。第1元素Xは、半導体基板2中にドープされて逆導電型の不純物として機能するものであり、この例では、ヒ素(As)を用いている。
そして、受光素子3bの逆導電型半導体領域32に電気的に接続された接続配線15,半導体基板2に電気的に接続された不図示の電極間の電位差を測定し、受光素子3bで発生した光電流を検出する。
なお、本例では一導電型はp型であり、逆導電型はn型である。また、接続配線9,11,15がそれぞれ接続される部位以外との絶縁性を確保するために、絶縁層13を設けている。
このように、半導体基板2の上面2aに、発光素子3aが配置されており、発光素子3aに対応して受光素子3bが配置されている。発光素子3aは被照射物に照射する光の光源として機能し、発光素子3aから発せられた光が、被照射物で反射されて受光素子3bに入射する。受光素子3bは、光の入射を検出する光検出部として機能する。
このような構成の受発光素子1についてその製造方法を、図面を用いて詳述する。
(発光素子形成工程:積層体形成)
まず、図2(a)に示すように、一導電型の半導体基板2を準備し、その上面2aに酸化膜50を形成する。半導体基板2はSiウェハを用いる。酸化膜50は、薄膜形成方法により形成してもよいし、半導体基板2を熱酸化させることで形成してもよい。この例では、半導体基板2の表面を熱酸化させることにより、半導体基板2の外周面全面に酸化膜50を形成する。酸化膜50の厚みは、例えば50nm〜10μmを例示できる。このような厚みの調整は熱酸化時間で調整することができる。
次に、図2(b)に示すように、酸化膜50を所望の形状のパターンを有するマスク51とする。ここで、マスク51は、図1(a)に示す、発光素子3aが形成される領域R1および受光素子3bが形成される領域R2を合わせた領域R3全面において開口させている。このような酸化膜50のパターニングには、酸化膜50上にレジストを塗布し、パターン露光、現像することで所望のレジストパターンを形成した後に、レジストから露出する酸化膜50をエッチングにより除去すればよい。
次に、図2(c)に示すように、半導体基板2の上面2aのうち、マスク51から露出する領域に複数の半導体層を積層させた積層体55を形成する。すなわち、領域R1、領域R2を含む領域R3全面に積層体55を形成する。
積層体55を構成する複数の半導体層は、MOCVD(有機金属化学気相成長:Metal-organic Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、半導体基板2上にエピタキシャル
成長させて形成する。具体的には、まず、MOCVD装置の反応炉内で熱処理することによって、半導体基板2のマスク51から露出する表面に形成された自然酸化膜を除去する。この熱処理は、例えば1000℃の温度で10分間程度行なう。
そして、MOCVD法を用いて、発光素子3aを構成する各々の半導体層(バッファ層、n型コンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型コンタクト層)を半導体基板2上に順次積層する。
具体的には、まず、半導体基板2の上面2aには、半導体基板2と半導体基板2の上面2aに積層される半導体層(本例の場合は後に説明するn型コンタクト層)との格子定数の差を緩衝するバッファ層が形成されている。バッファ層は、半導体基板2と半導体基板2の上面2aに形成される半導体層との格子定数の差を緩衝することによって、半導体基板2と発光素子3aを構成する半導体層との間に発生する格子歪などの格子欠陥を少なくし、ひいては半導体基板2の上面に形成される発光素子3aを構成する半導体層全体の格子欠陥または結晶欠陥を少なくする機能を有する。
本例のバッファ層は、不純物を含まないガリウム砒素(GaAs)からなり、その厚さが2〜3μm程度とされている。なお、半導体基板2と半導体基板2の上面2aに積層される発光素子3aを構成する半導体層との格子定数の差が大きくない場合には、バッファ層は省略することができる。
バッファ層の上面には、n型コンタクト層が形成されている。n型コンタクト層は、ガリウム砒素(GaAs)にn型不純物であるシリコン(Si)またはセレン(Se)などがドーピングされており、ドーピング濃度は1×1016〜1×1020atoms/cm程度とされるとともに、その厚さが0.8〜1μm程度とされている。
本例では、n型不純物としてシリコン(Si)が1×1018〜2×1018atoms/cmのドーピング濃度でドーピングされている。
n型コンタクト層の上面には、n型クラッド層が形成されており、後に説明する活性層に正孔を閉じ込める機能を有している。n型クラッド層は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)にn型不純物であるシリコン(Si)またはセレン(Se)などがドーピングされており、ドーピング濃度は1×1016〜1×1020atoms/cm程度とされるとともに、その厚さが0.2〜0.5μm程度とされている。本例では、n型不純物としてシリコン(Si)が1×1017〜5×1017atoms/cmのドーピング濃度でドーピングされている。
n型クラッド層の上面には、活性層が形成されており、電子や正孔などのキャリアが集中して、再結合することによって光を発する発光層として機能する。活性層は、不純物を含まないアルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)であるとともに、その厚さが0.1〜0.5μm程度とされている。なお、本例の活性層は、不純物を含まない層であるが、p型不純物を含むp型活性層であっても、n型不純物を含むn型活性層であってもよく、活性層のバンドギャップがn型クラッド層および後に説明するp型クラッド層のバンドギャップよりも小さくなっていればよい。
活性層の上面には、p型クラッド層が形成されており、活性層に電子を閉じ込める機能を有している。p型クラッド層は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)にp型不純物である亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)または炭素(C)などがドーピングされており、ドーピング濃度は1×1016〜1×1020atoms/cm程度とされるとともに、その厚さが0.2〜0.5μm程度とされている。本例では、p型不純物としてマグネシウム(Mg)が1×1019〜5×1019atoms/cmのドーピング濃度でドーピングされている。
p型クラッド層の上面には、p型コンタクト層が形成されている。p型コンタクト層は、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)にp型不純物である亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)または炭素(C)などがドーピングされており、ドーピング濃度は1×1016〜1×1020atoms/cm程度とされるとともに、その厚さが0.2〜0.5μm程度とされている。
なお、p型コンタクト層の上面には、p型コンタクト層の酸化を防止する機能を有するキャップ層を形成してもよい。キャップ層は、例えば不純物を含まないガリウム砒素(GaAs)で形成して、その厚さを0.01〜0.03μm程度とすればよい。
このような各々の半導体層(バッファ層、n型コンタクト層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型コンタクト層)を積層させることで積層体55が形成できる。
ここで、積層体55を構成する主成分の元素はGa、As,Alであり、半導体基板2内において逆導電型の不純物として機能するAsを含む材料系を選択している。このAsが第1元素Xとなる。第1元素Xは、積層体55を成膜するときに半導体基板2に拡散し、第1元素含有部56を形成する。第1元素含有部56は、積層体55の下面全面と接するように形成されている。言い換えると、第1元素含有部56はマスク51の開口部全面に連続して形成されている。
第1元素Xの半導体基板2への拡散は、半導体基板2の基板温度を加熱した状態で積層体55を製膜するときに、積層体55を構成する半導体層から生じる。第1元素Xの拡散量及び拡散深さは基板温度を調整することにより制御可能である。この例ではドーピング濃度は1×1016〜1×1020atoms/cmであり、逆導電型半導体領域32の厚さが0.5〜3μm程度となるように、Asを拡散させている。
このように、積層体55を、発光素子3a形成領域R1に加え、少なくとも逆導電型半導体領域32が形成される領域に形成することにより、逆導電型半導体領域32となる領域に第1元素Xをドープすることができる。
(発光素子形成工程:パターニング)
次に、図3(a)に示すように、積層体55をパターニングして所望の形状を有する発光素子3aとする。図3において、Aは、図1(a)のA−A線における断面図,Bは図1(a)のB−B線における断面図である。
より具体的には、複数の半導体層が積層された積層体55上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって所望のパターンを露光、現像した後、ウェットエッチング法によって発光素子3aを形成する。なお、n型コンタクト層の上面の一部が露出するように、複数回のエッチングを行なうことで、接続配線11の接続が容易となる。その後、フォトレジストを除去する。
なお、発光素子3a以外の領域における半導体層は、発光素子3aを所望の形状に形成するためにウェットエッチングを行なうときに同時に除去される。すなわち、受光素子3bが形成される領域R2の半導体層は除去され、第1元素含有部56が露出することとなる。
(受光素子形成工程)
次に、図3(b)に示すように、受光素子3bを形成する部位及び発光素子3aを被覆するマスク52を形成する。マスク52は、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって所望のパターンを露光、現像した後、ウェットエッチング法によって形成すればよい。
そして、図3(c)に示すように、第1元素含有部56のうち、マスク52から露出する部分を除去し、第1元素含有部56を、複数の逆導電型半導体領域32に分割する。この逆導電型半導体領域32と半導体基板2とでpn接合を形成した受光素子3bを構成す
ることとなる。
なお、発光素子3a直下における第1元素含有部56は、複数の発光素子3a間で分断されている。これにより、複数の発光素子3aを電気的に分離させることができる。同様に、発光素子3aと受光素子3bとの間の第1元素含有部56も除去されているため、発光素子3aと受光素子3bとの間にリーク電流が発生することを抑制することができる。
なお、図3(c)において、不要部分の逆導電型半導体領域32を除去する際に、同時に半導体基板2の一部を除去してもよい。言い換えると、一導電型の半導体基板2の上面2aに突起部が形成され、その上面に逆導電型半導体領域32が配置される形状としてもよい。この場合には、より確実に発光素子3a間,受光素子3b間,発光素子3aと受光素子3bとの間の電気的な分離を実現することができる。
次に、発光素子3a,受光素子3bを駆動するための、絶縁層13,接続配線9,11,15を形成する。絶縁層13は、熱酸化法、スパッタリング法またはプラズマCVD法などを用いて、発光素子3aの露出面および半導体基板2(逆導電型半導体領域32を含む)の上面を覆うように形成する。続いて、絶縁層13上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって所望のパターンを露光、現像した後、ウェットエッチング法によって、後に説明する接続配線9,11,15とのコンタクト部(n型コンタクト層,p型コンタクト層,逆導電型半導体領域32)に接続するための開口を、絶縁層13に形成する。その後、フォトレジストを除去する。
次に、絶縁層13上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって所望のパターンを露光、現像した後、抵抗加熱法やスパッタリング法などを用いて、接続配線9,11,15を形成するための合金膜を形成する。そして、リフトオフ法を用いて、フォトレジストを除去するとともに、接続配線9,11,15を所望の形状に形成する。
なお、絶縁層13は、例えば窒化シリコン(SiN)または酸化シリコン(SiO)などの無機絶縁膜や、ポリイミドなどの有機絶縁膜などで形成され、その厚さが0.1〜1μm程度とされている。接続配線9,11,15は、例えば金(Au)アンチモン(Sb)合金、金(Au)ゲルマニウム(Ge)合金またはNi系合金などを用いて、その厚さが0.5〜5μm程度で形成される。
以上の工程を経ることにより、半導体基板2に発光素子3a及び受光素子3bが作りこまれた受発光素子1を製造することができる。
このような工程を経ることにより、発光素子3aを形成する工程と同時に逆導電型半導体領域32に第1元素Xをドープさせることができる。これにより、逆導電型半導体領域32となる領域に逆導電型の不純物を拡散させる工程及びそれに伴うマスク形成工程を削減することができ、生産性を高めることができる。
また、逆導電型半導体領域32となる領域上に積層体55以外の半導体特性に影響する材料が接触しないため、意図せぬ不純物の拡散等を抑制することができ、所望の特性の逆導電型半導体領域32を実現することができる。
さらに、上述の例では、マスク51の開口を大きくとっているために、発光素子3aとなる部位における積層体55の結晶品質を高めることができる。言い換えると、積層体55の外周部は中央部に比べ結晶品質が低くなることがあるが、本実施例では、積層体55の外周部から離れた部位で発光素子3aを形成することができるので、高品質の発光素子3aを提供することができる。
また、上述の例では、一様な厚みの第1元素含有部56をパターニングして逆導電型半導体領域32を形成している。すなわち、逆導電型半導体領域32の厚みを一様とすることができる。これにより、受光素子3bの性能を安定化することができる。
なお、発光素子3aの下面にも、逆導電型半導体領域32と同じ厚みのAs拡散部(第1元素含有部56)を有することとなるが、半導体基板2と発光素子3aとは基本的にバッファ層により電気的に分離されており、かつ、隣り合う発光素子3a間,受光素子3bとの間のAs拡散部(第1元素含有部56)は除去されているため、受発光素子1の性能に影響を与える可能性は低い。
(変形例1)
上述の例では、積層体55を構成する半導体層からの第1元素の拡散により、第1元素含有部56を形成したが、この例に限定されない。例えば、半導体基板2上に積層体55を形成する際に、半導体基板2の表面形成工程と、半導体層形成工程とを含ませ、この表面形成工程において第1元素を半導体基板2側に拡散させてもよい。
具体的には、上述の例では、半導体基板2と積層体55を構成する材料が異なるため、半導体基板2の表面に半導体層をエピタキシャルさせやすくすることを目的として、半導体層の形成に先立ち、半導体層を構成する原料である第1元素Xを含むガスを半導体基板2の上面2aに供給させる。この例では、Asを半導体基板2の上面2aに供給する。このAsが後の半導体層形成の起点となる。
このような表面形成工程により、第1元素含有部56を形成することができる。そして、第1元素含有部56のAsドープ量,ドープ深さは、この表面形成工程における基板温度、As供給時間を調整することにより制御可能となる。基板温度は、後に半導体層を形成するときと同程度としてもよいし、高くしてもよい。基板温度を高くすることにより、半導体基板2中にAsを多くドープすることができる。As供給時間は、半導体基板2の表面に半導体層をエピタキシャルさせやすくするという本来の趣旨から逸脱しない範囲内で調整できる。供給時間を長くすることで半導体基板2中にAsを多くドープすることができる。
そして、表面形成工程に続き、半導体基板2の上面2aに積層体55を形成する。ここで、半導体基板2の上面2aを、積層体55を構成する半導体材料のエピタキシャル成長に合わせて改質しているので、結晶品質の高い積層体55を得ることができる。これにより、発光素子3aの品質を高めることができる。
(変形例2)
上述の例では、図2(c)で全面に連続した第1元素含有部56を形成したが、逆導電型半導体領域32となる領域と発光素子3aの直下のみに形成してもよい。すなわち、図2(b)においてマスク51の開口部を逆導電型半導体領域32となる領域と発光素子3aが配置される領域とのみにする。このようなマスク51を用いることにより、積層体55は逆導電型半導体領域32となる領域と発光素子3aが配置される領域とのみに形成され、その直下に形成される第1元素含有部56も逆導電型半導体領域32となる領域と発光素子3aの直下のみとなる。
このような構成とすることにより、予め所望の位置のみに第1元素含有部56を形成できるものとなり、図3(c)に示すような第1元素含有部56を分割する工程を省略することも可能となる。
また、図2(b)においてマスク51の開口部を、逆導電型半導体領域32となる領域と発光素子3aが形成される領域R1とにしてもよい。この場合には、発光素子3aが形成される領域R1において連続的に積層体55を形成することができる。
これにより、個々の発光素子3aの配置位置は、積層体55の外周部から離れた位置となるため、発光素子3aを構成する半導体層の結晶性を高品質なものとすることができる。
なお、逆導電型半導体領域32直上の積層体55の結晶性は低くても第1元素Xの供給には問題ないため、マスク51の逆導電型半導体領域32に対応する領域には個別に開口部を設けてもよい。
(変形例3)
上述の例では、発光素子3a,受光素子3bをそれぞれ複数個有する、アレイ形状の受発光素子1を例示したが、その限りではない。例えば、発光素子3a,受光素子3bは1つずつでもよいし、1つの発光素子3aに対して2以上の受光素子3bを有していてもよいし、複数個の発光素子3a,受光素子3bは列状に配列されていなくてもよい。例えば、発光素子3aを取り囲むように配置された複数の受光素子3bを有するものとしてもよい。
また、第1元素XはAsに限定されない。例えば発光素子3aを構成する半導体層としてInP系を用い、Pを第1元素Xとしてもよい。その場合には、第1原子Xの原子半径が小さいため、受光素子3bにおいてドナーとして格子拡散したときに半導体基板2の格子歪の発生を抑制することができ、高性能な受光素子3bを提供することができる。
(センサ装置)
次に、受発光素子1を備えたセンサ装置100について説明する。以下では、受発光素子1を、コピー機やプリンタなどの画像形成装置における、中間転写ベルトV上に付着したトナーT(被照射物)の位置を検出するセンサ装置に適用する場合を例に挙げて説明する。
図4に示すように、本例のセンサ装置100は、受発光素子1の発光素子3aおよび受光素子3bが形成された面が、中間転写ベルトVに対向するように配置される。そして、発光素子3aから中間転写ベルトVまたは中間転写ベルトV上のトナーTへ光が照射される。本例では、発光素子3aの上方にプリズムP1を、また受光素子3bの上方にプリズムP2を配置して、発光素子3aから発せられた光が、プリズムP1で屈折して中間転写ベルトVまたは中間転写ベルトV上のトナーTに入射する。そして、この入射光L1に対する正反射光L2が、プリズムP2で屈折して、受光素子3bによって受光される。受光素子3bには、受光した光の強度に応じて光電流が発生し、接続配線15などを介して、外部装置でこの光電流が検出される。
本例のセンサ装置100では、以上のように中間転写ベルトVまたはトナーTからの正反射光の強度に応じた光電流を検出することができる。そのため、例えば受光素子3bで検出される光電流値に応じて、トナーTが所定場所に位置するか否かを検出することができる。つまり、トナーTの位置を検出することができる。なお、正反射光の強度はトナーTの濃度にも対応するため、発生した光電流の大きさに応じて、トナーTの濃度を検出することも可能である。同様に、正反射光の強度は、受発光素子1からトナーTとの距離にも対応するため、発生した光電流の大きさに応じて、受発光素子1とトナーTとの距離を検出することも可能である。
本例のセンサ装置100によれば、受発光素子1の有する上述の効果を奏することができる。
上述の図2,図3に示す工程を経て受発光素子1を形成した。具体的には、図2(c)において、積層体55を作製した。具体的には、まず、半導体基板2の上面2aに第1元素Xを含むAsHおよびキャリアーガスのみを供給する(表面形成工程)。次に、半導体層を構成する残りの主成分となる元素を含むガスを供給し半導体層を形成する(半導体層形成工程)。ここで、表面形成工程における半導体基板2の基板温度を、半導体層形成工程よりも高くした。また表面形成工程の時間は、半導体層形成工程における各半導体層の形成時間を超えない程度とした。
このようにして積層体55を形成した半導体基板2について、半導体基板2の上面2aから深さ方向における各元素のデプスプロファイルを測定した。具体的にはD−SIMS(Dynamic Secondary Ion Mass Spectrometry)による深さ分析を行なった。その結果、
図5に示すように、Asが表面から0.3μmの厚みにかけて、5×1016atoms/cc以上の濃度で存在することが分かった。また、最表面においては6×1019atoms/cc以上の濃度を実現することができた。
このように、第1元素Xを別途半導体基板2にドープさせることなく、積層体55の形成と同時にドープさせることができることを確認した。
また、このようにして形成した逆導電型半導体領域32を用いた受光素子3bにおいて、良好に光電流を検出できることを確認した。
なお、図5に示す、Asのドープ量,ドープ深さは、積層体55形成時の半導体基板2の加熱温度、加熱時間等を適宜調整することにより制御できることを確認した。
1 受発光素子
2 半導体基板
2a 上面
3a 発光素子
3b 受光素子
32 逆導電型半導体領域
9,11,15 接続配線
13 絶縁層
X 第1元素
50 酸化膜
51 マスク
55 積層体
56 第1元素含有部
100 センサ装置

Claims (4)

  1. 一導電型の半導体基板の上面に、前記半導体基板内で逆導電型の不純物として機能する第1元素を主成分として含む、複数の半導体層からなる積層体を形成した後に、前記積層体をパターニングして所望の形状の発光素子を形成する発光素子形成工程と、
    前記半導体基板の上面側に前記第1元素をドーピングして逆導電型半導体領域を形成し、前記半導体基板とpn接合を形成して受光素子とする受光素子形成工程と、を含み、
    前記発光素子形成工程において、前記積層体の形成時に前記半導体基板の前記逆導電型半導体領域となる領域にも同時に前記第1元素をドーピングさせる、受発光素子の製造方法。
  2. 前記発光素子形成工程において、前記半導体基板の上面のうち前記発光素子及び前記受光素子が形成される領域に連続して前記積層体を形成することで、前記半導体基板のうち前記積層体に接する連続した領域に前記第1元素をドーピングさせた第1元素含有部を形成し、
    前記積層体を形成した後に、前記第1元素含有部のうち、平面視で、前記発光素子と前記逆導電型半導体領域とを除く領域を除去することで、前記第1元素含有部を分割して前記逆導電型半導体領域とする、請求項1記載の受発光素子の製造方法。
  3. 前記発光素子形成工程において、前記積層体は、前記半導体基板の上面に前記第1元素を供給する表面形成工程と、前記半導体層を構成する元素を供給し複数の半導体層を順次形成する積層工程と、を経て形成され、
    前記表面形成工程における前記第1元素を供給する時間および前記半導体基板温度を調整し、前記逆導電型半導体領域における前記第1元素のドープ量およびドープ深さを制御する、請求項1または2に記載の受発光素子の製造方法。
  4. 前記発光素子形成工程において、前記逆導電型半導体領域となる領域に前記第1元素を前記積層体からの拡散によりドーピングさせる、請求項1乃至3のいずれかに記載の受発光素子の製造方法。
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