JP6120146B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、タンデム型の画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置は、記録材や中間転写体等の被転写体の表面移動方向に沿って複数の像担持体が配置され、これらの像担持体上に形成されるトナー像を被転写体へ転写して画像を形成する。このような画像形成装置においては、転写手段から転写バイアスを与えることで像担持体上のトナー像を被転写体へ転写させるが、像担持体上のトナー像を構成するトナーのうち被転写体へ転写されるトナーの割合(転写率)は、トナーの帯電量と転写バイアスの大きさとの関係で変化する。
現像剤が経時的に劣化すると、トナー帯電量(具体的には、現像剤の単位質量当たりの帯電量である比電荷:Q/M)が全体的に低い状況になる。そのため、現像剤が劣化していない初期の時点におけるトナー帯電量に応じて適切な転写バイアスが設定されていても、現像剤が劣化した経時においてはトナー帯電量の低下により適切な転写バイアスとはならない。そのため、現像剤が劣化した経時においても初期のままの転写バイアスを用いていると、経時で転写率が低下し、画質劣化を引き起こす。
特許文献1には、1つの感光ドラム(像担持体)からトナー像を用紙(被転写体)へ直接転写して画像を形成するモノクロ画像形成装置が開示されている。この画像形成装置においては、印字枚数あるいは現像剤の攪拌に対応した印字枚数を計測し、その計測結果に応じて、トナー帯電量の経時的な推移に反比例した最適な転写電流となるように転写バイアスを補正する。上記特許文献1に開示の画像形成装置によれば、現像剤の経時劣化によりトナーの帯電量が全体的に低い状況になっても、これに応じて転写電流が補正されることにより、現像剤の経時劣化による画質劣化が抑制できる。
複数の像担持体上に形成されるトナー像を互いに重なり合うように被転写体へ転写して画像を形成するタンデム型の画像形成装置においても、上記特許文献1に開示の画像形成装置のように、印字枚数などの現像剤の劣化度合いと相関関係のあるパラメータ(現像剤の劣化度)に応じて転写電流が補正することが好ましい。ところが、本発明者の研究の結果、どの色のトナー像についても、現像剤の劣化度に応じて同様に転写電流の補正を行ったところ、トナー像によって画質劣化の抑制効果が異なることが判明した。また、1つの像担持体上に複数のトナー像を順次形成して被転写体へ順次重ね合わせて画像を形成するいわゆる1ドラム型の画像形成装置においては、どの色のトナー像についても、現像剤の劣化度に応じて同様に転写電流の補正を行ったところ、トナー像によって画質劣化の抑制効果が異なることが判明した。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、どのトナー像についても現像剤の劣化度に応じて転写電流を適切に補正して画質劣化を抑制し得る画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、表面移動する複数の像担持体と、上記複数の像担持体の表面にそれぞれ現像剤を用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、転写バイアスを印加して上記複数の像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面にそれぞれ転写させる複数の転写手段とを備え、上記複数のトナー像形成手段には、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いるものが含まれている画像形成装置において、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤の劣化度を検知する現像剤劣化度検知手段と、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって流れる転写電流を、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度に応じた補正量を用いて補正を行う転写電流補正手段とを有し、上記転写電流補正手段が用いる補正量は、上記2以上の像担持体間で互いに異なっており、上記現像剤劣化度検知手段は、所定の像担持体表面移動方向長さをもち、かつ、像担持体表面移動方向に対して直交する幅方向の長さが互いに異なっている複数種類の画質調整用パターンを上記2以上の像担持体の非画像領域に形成し、該複数種類の画質調整用トナーパターンの画像濃度検知結果に基づいて得られる該複数種類の画質調整用トナーパターン間の画像濃度差から、現像剤の劣化度を検知することを特徴とする。
本発明者の研究によれば、タンデム型構成において、現像剤劣化度に応じた転写電流の補正により画質劣化を抑制できる効果が像担持体によって異なる主な原因は、それらの像担持体のトナー像形成に用いる現像剤に含まれるトナーの体積抵抗率の違いにあることを見出した。すなわち、トナーの体積抵抗率の違いにより、現像剤劣化度に応じた転写電流の好適値の変動量が異なることを見出した。これは次の理由によるものと考えられる。
体積抵抗率の低いトナーは、電気抵抗が下がることで見かけ上の静電容量が減少するため、相対的に電荷を保持しにくく、現像剤の劣化によってトナーの帯電能力が低下すると、体積抵抗率の低いトナーほどトナー帯電量の低下は相対的に大きいものとなる。そのため、初期においては、それぞれのトナーの体積抵抗率に応じた好適な転写電流値が設定されていても、その後の経時使用により現像剤が劣化した場合、その劣化度が同じであっても、初期からの好適な転写電流値の変動量は、体積抵抗率が低いトナーほど大きなものとなる。したがって、現像剤の劣化度に応じた転写電流の補正を、体積抵抗率の高いトナーに適するように一律に実施すると、体積抵抗率の低いトナーでは補正量が不十分なため、転写率を十分に改善できず、当該トナーについての画質劣化の抑制が不十分となる。一方、現像剤の劣化度に応じた転写電流の補正を、体積抵抗率の低いトナーに適するように一律に実施すると、体積抵抗率の高いトナーでは補正量が多すぎて、転写率を十分に改善できず、当該トナーについての画質劣化の抑制が不十分となる。
本発明においては、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体間で、現像剤劣化度に応じた転写電流の補正量を異ならせている。したがって、それぞれのトナーの体積抵抗率に応じた適切な転写電流の補正が可能となる。
以上、本発明によれば、どのトナー像についても現像剤の劣化度に応じて転写電流を適切に補正して画質劣化を抑制できるという優れた効果が得られる。
実施形態に係るプリンタの全体構成を示す概略構成図である。 初期時と経時のそれぞれについて、主走査方向画像面積率の異なるトナー画像についての一次転写率と一次転写電流との関係を示すグラフである。 画像形成枚数(印字枚数)とトナー帯電量(Q/M)との関係を示すグラフである。 現像剤搬送距離とトナー帯電量(Q/M)との関係を示すグラフである。 実施形態における現像剤の劣化度とトナー帯電量(Q/M)との関係を示すグラフである。 実施形態における環境補正量(環境補正係数)を決定する一例を示すフローチャートである。 実施形態における経時補正量(経時補正係数)を決定する一例を示すフローチャートである。 同経時補正量(経時補正係数)を決定する他の例を示すフローチャートである。 同経時補正量(経時補正係数)を決定する更に他の例を示すフローチャートである。 変形例1における経時補正量(経時補正係数)を決定する一例を示すフローチャートである。 変形例5における現像剤劣化度に応じた各環境区分の環境補正係数の一例を示す表である。 一次転写ローラの印加電圧(検知電圧)と一次転写ローラの電気抵抗値との関係の一例を示す表である。 一次転写ローラの電気抵抗値と最大一次転写率が得られる一次転写電流(最適電流値)との関係を示す表である。 検知した一次転写電圧と、これに応じて変更される変更後の経時補正係数との関係の一例を示す表である。 本発明が適用可能な直接転写方式の画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明が適用可能な1ドラム型の画像形成装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を、中間転写方式のタンデム型画像形成装置である電子写真方式の複写機に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機の全体構成を示す概略構成図である。
この複写機1は、色分解に対応した色のトナー像を担持する潜像担持体としての像担持体である感光体3M,3C,3Y,3Bを複数並置したタンデム方式の構成を備えている。各感光体3M,3C,3Y,3B上に形成されたトナー像は、被転写体である中間転写体としての中間転写ベルト2上に互いに重なり合うように重畳転写(一次転写)され、その重畳トナー像は記録材である記録用紙に対して一括転写(二次転写)される。このようにして、本複写機1では、記録用紙上に複数色画像を形成することができる。
図1において、複写機1は、画像形成部1Aが上下方向中央部に位置し、その下方には給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方には原稿載置台1C1を備えた原稿走査部1Cが、それぞれ配置されている。
画像形成部1Aには、水平方向に展張面を有する中間転写ベルト2が配置されている。画像形成部1Aには、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)によるトナー像を担持する4つの感光体3M,3C,3Y,3Bが中間転写ベルト2の展張面に沿って並置されている。なお、以下の説明において、すべての色に共通する内容の場合には、色分け符号であるM、C、Y、Bを適宜省略する。
各感光体3M,3C,3Y,3Bは、それぞれ同じ方向(図1では、反時計方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周囲には、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、書き込み装置5、現像装置6、一次転写装置、およびクリーニング装置8が配置されている。なお、図1においては、便宜上、感光体3Bを対象として、各装置の符号を付してある。
中間転写ベルト2には、一次転写装置によって、各感光体3M,3C,3Y,3B上のトナー像が順次転写させる。中間転写ベルト2は、複数のローラ2A〜2Dに掛け回されて回転駆動する。展張面を構成するローラ2A,2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで二次転写装置9に対峙して、トナーと同極性のバイアスが印加された二次転対向ローラとして用いられる。ローラ2Dは、テンションローラとして用いられている。
二次転写後の中間転写ベルト2上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置10により除去される。ベルトクリーニング装置10は、クリーニングブレードと、固形潤滑材を塗布する回転可能なローラ状の塗布ブラシとを備えている。クリーニングブレードは、中間転写ベルト2に当接してその表面から転写残トナーを掻き取る。塗布ブラシは、回転しながら、加圧バネにより押しつけられている固形潤滑剤を掻き取って中間転写ベルト2に塗布する。このように、ベルトクリーニング装置10は、中間転写ベルト2上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置としての機能と、中間転写ベルト2の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置としての機能を兼ね備えている。
なお、本実施形態のベルトクリーニング装置10は、ブレード方式で構成されるが、静電クリーニング方式であってもよい。静電クリーニング方式の場合は、クリーニングローラもしくはクリーニングブラシにバイアスを印加し、中間転写ベルト上に付着した残トナーを静電吸着してクリーニングする。
二次転写装置9は、駆動ローラ9Aおよび従動ローラ9Bに掛け回される二次転写ベルト9Cを備えている。この二次転写ベルト9Cは、中間転写ベルト2に接触する二次転写部において、中間転写ベルト2と同方向に表面移動する。なお、上述した一次転写装置のバイアス特性にもよるが、駆動ローラ9Aに帯電特性を備えさせて記録用紙を静電吸着させるようにすることもできる。二次転写装置9は、二次転写ベルト9Cにより記録用紙を搬送する過程で中間転写ベルト2上の重畳トナー像あるいは単色トナー像を記録用紙に転写する。
二次転写部には、給紙部1Bから記録用紙が給送されるようになっている。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と給紙カセット1B1から繰り出される記録用紙の搬送路に配置された複数の搬送ローラ1B2と、二次転写部の用紙搬送方向上流側に位置するレジストローラ1B3とを備えている。また、給紙部1Bには、給紙カセット1B1から繰り出される記録用紙の搬送路に加えて給紙カセット1B1内に収容されていない種類の記録用紙を二次転写部に向けて給送できる構成が備えられている。この構成は、画像形成部1Aの壁面の一部を起倒可能に設けた手差しトレイ1A1と、繰り出しコロ1A2とを備えている。給紙カセット1B1からレジストローラ1B3に向けた記録用紙の搬送路途中には、手差しトレイ1A1から繰り出された記録用紙の搬送路が合流しており、いずれの搬送路から給送される記録用紙もレジストローラ1B3によってレジストタイミングが設定されるようになっている。
書き込み装置5(図1では、便宜上、符号5Bで示してある。)は、原稿走査部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより得られる画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力される画像情報により書き込み光が制御されて、感光体3M,3C,3Y,3Bに対して画像情報に応じた静電潜像を形成するようになっている。
原稿走査部1Cには、原稿載置台1C1上の原稿を露光走査するスキャナ1C2が備えられており、さらに原稿載置台1C1の上面には、自動原稿給送装置1C3が配置されている。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
書き込み装置5により感光体3M,3C,3Y,3B上に形成された静電潜像は、現像装置6(図1では、便宜上、符号6Bで示してある。)によって現像処理され、中間転写ベルト2に一次転写される。中間転写ベルト2に対して色ごとのトナー像が重畳転写されると、二次転写装置9により記録用紙に対して一括して二次転写される。
二次転写された記録用紙は、表面に担持している未定着画像が定着装置11によって定着される。定着装置11は、詳細を図示しないが、加熱ローラにより加熱される定着ベルトと定着ベルトに対向当接する加圧ローラとを備えたベルト定着構造を備えている。定着ベルトと加圧ローラとの当接領域、つまりニップ領域を設けることにより、別ローラ方式の定着構造に比べて記録用紙への加熱領域を広げることができるようになっている。定着装置11を通過した記録用紙は、定着装置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪12によって搬送方向が切り換えられるようになっており、排紙トレイ13あるいは、反転されて再度レジストローラ1B3に向けて給送される。
図1に示されている複写機1において、転写手段である一次転写装置は、プラス極性の転写バイアスが印加される一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bを用いたものである。一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bは、図示しない軸受けと圧縮スプリングなどの弾性体により中間転写ベルト2を介して感光体3に対向して所定圧力により押圧されている。また、一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bは、感光体3の中心位置との対向位置に対して1〜2mmほど、中間転写ベルト表面移動方向下流側にオフセットされた位置で、中間転写ベルト2と連動して回転するようになっている。これは、正規転写位置よりも前に転写バイアスによる転写が開始されて画像の流れなどの異常画像を発生させるプレ転写を防止するためである。
一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bは、金属芯金に中抵抗の電気特性を持つゴム材料を巻き付けた形態で構成されている。本実施形態では、中抵抗の発泡ゴムで構成されており、その体積抵抗率は10〜1010[Ω・cm]、好ましくは10〜10[Ω・cm]の範囲である。材料は発泡ゴムに限定されることはなく、中抵抗のソリッドゴムでも同様に用いることが可能である。
また、本実施形態の二次転写手段を構成する二次転対向ローラ2Cは、金属芯金に中抵抗の電気特性を持つゴム材料を巻き付けた形態で構成されている。本実施形態では、中抵抗ソリッドゴムで構成されており、その体積抵抗率は10〜1010[Ω・cm]、好ましくは10〜10[Ω・cm]の範囲である。
また、二次転写ローラ9Aは、中抵抗の発泡ゴムで構成されており、その体積抵抗率は10〜1010[Ω・cm]、好ましくは10〜10[Ω・cm]の範囲である。
一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bには、定電流制御された電源によってプラス極性の一次転写電圧が印加され、その電流設定値(一次転写電流の設定値)は、おおよそ、10〜40[μA]の範囲で制御される。このように一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bに一次転写電圧を印加することで、各感光体3M,3C,3Y,3Bと中間転写ベルト2との間の一次転写部には、各感光体上のトナー(マイナス極性)を中間転写ベルト2側へ引き寄せる方向の一次転写電界が形成される。
一方、二次転対向ローラ2Cには、定電流制御された電源によってマイナス極性の二次転写電圧が印加され、その電流設定値(一次転写電流の設定値)は、おおよそ、−20〜−50[μA]の範囲で制御される。このように二次転対向ローラ2Cに二次転写電圧を印加する構成においては、駆動ローラ9Aが電気的にアースされる。アースにつながっている駆動ローラ9Aと対向することで、二次転写部には、中間転写ベルト2上のトナー(マイナス極性)を記録用紙側へ押し出す方向の二次転写電界が形成される。
本実施形態に用いられる中間転写ベルト2は、具体例としては、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネート)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂により構成された基層50〜100μmの上に、ウレタン、NBR、CR等のゴム材料に同様にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した材料からなる弾性層を100〜500μm設け、表層には1〜10μm程度の厚みを持ったフッ素系のゴム、或いは樹脂、(或いは、それらのハイブリッド材料でも可)のコーティングを施した3層ベルトによって構成されている。
本実施形態に用いられる中間転写ベルト2は、その体積抵抗率が10〜1010[Ω・cm]、好ましくは10〜1010[Ω・cm]の範囲である。また、その表面抵抗率は10〜1012[Ω/□]、好ましくは10〜1012[Ω/□]の範囲である。また、基層のヤング率(縦弾性率)は3000Mpa以上が望ましく、駆動による伸び、曲げ、しわ、波打ちに耐えるに十分な機械強度が必要である。このような弾性中間転写ベルトを用いることで、記録用紙の紙繊維の密度が低い紙や、表面に20〜30μmの凹凸を有する、いわゆるエンボス紙等の記録用紙においても、弾性層が凹部へ追従するため凹部へのトナー転写性が良好になるというベタ埋り改善効果が知られている。
他の中間転写ベルト2の具体例としては、単層構成のベルトとして、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネ−ト)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂単層でも良い。また、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネ−ト)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の材料にカーボン分散、或いはイオン導電剤配合により抵抗調整した中抵抗樹脂の単層構成の中間転写ベルト2の表面側にのみベルトの層自体の体積抵抗率よりもわずかに高抵抗の表層を設けたベルトでもよい。表層厚みとしては、1〜10μm程度が望ましい。これは、特に樹脂中にカーボンを分散させて抵抗制御を行うタイプのベルトで、一度定着を通過して紙中の水分量が減少して抵抗が上昇した状態の紙への二次転写工程で発生する「白ポチ」という現象が改善されることが知られている。「白ポチ」というのは、カーボン分散状態のばらつきにより転写電流が集中して流れる経路ができて、その部分のトナーがはじき飛ばされて白く抜ける現象のことである。表面に高抵抗層を設けることにより、転写電流の局所的な集中が緩和されるため、異常画像「白ポチ」が改善される。
次に、上述した複写機の構成を対象として本実施形態の特徴について説明する。
なお、以下、本実施形態では、転写バイアスを電流値によって制御する例を示すが、電圧値で制御する場合も同様であり、特に限定されない。
一般に、転写電流の電流値が大きくなるほど転写率が向上し、多くのトナーが被転写体へ転写されるようになるが、必要以上に転写電流を大きくすると、逆に転写率が落ちたり、転写されたトナー像に濃度ムラが発生したりする画質劣化が発生する。これは、一次転写でも二次転写でも同様である。一方で、画像形成動作を繰り返すうちに現像剤が劣化して、現像剤のトナー帯電量(Q/M)が徐々に低下するのが一般的である。トナー帯電量が低下すると、感光体から被転写体へトナー像を転写するために必要な転写電流(一次転写電流)の好適値が変化する。したがって、現像剤の劣化度合いに応じて一次転写電流を補正し、現像剤の劣化度に応じた画質劣化を抑制することが望ましい。
図2は、現像剤が劣化していない初期時と現像剤が劣化した経時のそれぞれについて、主走査方向画像面積率の異なるトナー画像についての一次転写率と一次転写電流との関係を示すグラフである。
このグラフには、現像剤が劣化していない初期時と現像剤が劣化した経時のそれぞれについて、パッチ画像とベタ画像についての一次転写率と一次転写電流との関係が示されている。パッチ画像は、サイズが縦(主走査方向)20mm×横(副走査方向)10mmの最大濃度に設定された単色全ベタ画像である。一方、ベタ画像は、サイズが縦20mm×横300mmの最大濃度に設定された単色全ベタ画像である。図2に示すように、いずれのグラフも、最大一次転写率が得られる一次転写電流の値(ピーク)が存在するような関係が示されているが、初期と経時、パッチ画像とベタ画像で、その関係が異なっている。
現像剤が劣化していない初期時においては、パッチ画像とベタ画像の両方について同じ程度の一次転写率が得られる範囲で、なるべく高い一次転写率(97%)となるような一次転写電流の値が、図2に示す初期最適値(25μA)として設定される。一方、現像剤が劣化した経時においては、パッチ画像とベタ画像における一次転写率と一次転写電流との関係は、図2に示すようになる。ここで、経時におけるベタ画像の最大一次転写率が得られる一次転写電流値(ピーク)を見ると、初期時に比べて、一次転写電流(絶対値)の低い側へ大きくシフトしていることがわかる。仮に、経時においても初期時のままの一次転写電流値(25μA)のまま画像形成動作を実行すると、図2に示すように、パッチ画像については93%程度の一次転写率が得られるものの、全ベタ画像については、一次転写率が85%程度まで落ちてしまう。経時において、パッチ画像とベタ画像の両方について同じ程度の一次転写率が得られる範囲で、なるべく高い一次転写率(93%)となるような一次転写電流の最適値は、図2に示す経時最適値(15μA)である。このように、経時における一次転写電流の最適値は、初期時よりも絶対値が低い側に大きくシフトするので、現像剤の劣化度に応じて一次転写電流を下げるように補正することが望まれる。
ここで、現像剤の劣化度合い、すなわち、トナー帯電量の低下度合いを示す現像剤の劣化度は、種々のパラメータを利用して算出することが可能である。例えば、印字枚数情報、現像剤の搬送距離情報、現像装置6から消費されたトナー消費量の情報、現像装置6に新規の現像剤がセットされてからの経過時間など、現像剤の劣化度と相関関係のある様々なパラメータの1つ又は2つ以上を組み合わせて利用することができる。また、画質調整制御時(プロセスコントロール時)の現像バイアスに対する現像量の傾き(現像γ)なども、現像剤の劣化度と相関関係があるので、現像剤の劣化度を算出するためのパラメータとして利用することができる。
図3は、画像形成枚数(印字枚数)とトナー帯電量(Q/M)との関係を示すグラフである。
このグラフには、画像面積率が0.5%、5%、20%の画像を連続形成したときのトナー帯電量(Q/M)の推移が示されている。図3に示すグラフによれば、低画像面積率で画像形成するほど、トナー帯電量(Q/M)の低下が速いことが分かる。これは、画像面積率が低いほど、現像装置6内のトナー消費量が少ないため、現像装置6内に滞在するトナー量が多く、トナーへのストレスが増えるためであると考えられる。
図4は、現像剤搬送距離とトナー帯電量(Q/M)との関係を示すグラフである。
このグラフには、画像面積率が0.5%、5%、20%の画像を連続形成したときのトナー帯電量(Q/M)の推移が示されている。図4に示すグラフによれば、低画像面積率(0.5%)の場合だけでなく、高画像面積率(20%)の場合も、トナー帯電量(Q/M)の低下が速い。なお、現像剤搬送距離は、プロセス線速(感光体線速)に現像装置の動作時間を乗じて算出される推定値を用いることができる。
図3及び図4を比較すると、単純に、画像形成枚数(印字枚数)だけ、あるいは、現像剤搬送距離だけから、トナー帯電量の推移を推定し、そのトナー帯電量に応じて一次転写電流の補正を行うと、画像形成動作の状況(画像面積率の違い)によってトナー帯電量の推定値の誤差が大きく、適切な一次転写電流の補正を実施できないおそれがある。そのため、現像剤の劣化度としては、画像形成枚数(印字枚数)や現像剤搬送距離だけでなく、画像形成動作の状況(画像面積率の違い)も加味したものが好ましい。
そこで、本実施形態における現像剤の劣化度は、一例として、下記の式(1)により算出される値を用いる。
現像剤の劣化度=(現像剤搬送距離)/(トナー消費量) ・・・(1)
図5は、本実施形態における現像剤の劣化度とトナー帯電量(Q/M)との関係を示すグラフである。
これによると、印刷条件(画像面積率)にかかわらずQ/M推移は一定の割合で低下する。このグラフには、画像面積率が0.5%、5%、20%の画像を連続形成したときのトナー帯電量(Q/M)の推移が示されている。図5に示すグラフによれば、いずれの画像面積率の場合にも、トナー帯電量(Q/M)が同じように推移していることがわかる。したがって、上記式(1)から算出される現像剤の劣化度を用いることで、画像形成動作の状況に違いがあっても(画像面積率の違いがあっても)、トナー帯電量の推移を適切に反映した現像剤の劣化度を得ることができる。よって、この現像剤の劣化度に応じて一次転写電流の補正を行うことで、画像形成動作の状況に影響されずに、適切な一次転写電流の補正が可能となる。
本実施形態における一次転写電流の設定値は、下記の式(2)から算出する。
設定値 = 基準電流値 × 環境補正係数 × 経時補正係数 ・・・(2)
基準電流値は、紙種、紙厚などによって決められた基準の一次転写電流値である。
環境補正量は、温度、湿度等の環境の変化による補正係数である。本実施形態では、その環境情報取得手段として、TDK製/CHS−CSC−18の温湿度センサを用い、その温湿度センサ内のサーミスタ出力から温度情報を取得するとともに、温湿度センサ内の湿度センサ出力から湿度情報を取得する。温湿度情報の検知タイミングは、電源ON時から1minごとにサンプリングしている。また、基準電流値に対して環境補正を行うタイミングは、温湿度検知タイミングと同じような周期で行う。なお、温湿度センサの設置場所は、特に制限はしないが、定着装置11などの熱源から離れたところが好ましく、本実施形態では給紙部1Bの下方などに設けている。
経時補正量は、上記式(1)から算出される現像剤の劣化度に応じて算出される補正量である。
図6は、本実施形態における環境補正量(環境補正係数)を決定する一例を示すフローチャートである。
まず、温湿度センサ内のサーミスタ出力を検知し、サーミスタ出力と温度との相関関係に基づいたサーミスタ出力−温度変換テーブルから温度を決定する(S1)。次に、温湿度センサ内の湿度センサ出力を検知し、上で求めた温度と、湿度センサ出力−相対湿度変換テーブルとから、相対湿度を決定する(S2)。なお、このテーブルは、温度を横に湿度を縦にとって、相対湿度を求めるものである。次に、上で求めた相対湿度と、相対湿度−絶対湿度変換テーブルとから、絶対湿度を算出する(S3)。このテーブルは、相対湿度を横に温度を縦にとって、絶対湿度を求めるものである。なお、絶対湿度は温度と相対湿度とから計算式により求めることもできる。
次に、上で求めた絶対湿度と、絶対湿度−現在環境変換テーブルとから、現在環境を決定する(S4)。この現在環境の決定では、例えば、L/L(19℃30%)、M/L(23℃30%)、M/M(23℃50%)、M/H(23℃80%)、H/H(27℃80%)などの予め決められた環境区分のいずれに属するかを判別する。なお、環境区分にの温度や湿度の値及び組み合わせなどは、これに限定されるものではない。そして、最後に、上で求めた現在環境に応じた環境補正係数(環境補正量)を決定する(S5)。温湿度センサによる検知は機械動作が必要ないので、常にモニタリングすることが可能であり、環境変動に対して逐次制御が可能である。
図7は、本実施形態における経時補正量(経時補正係数)を決定する一例を示すフローチャートである。
本実施形態の経時補正量は、上記式(1)から算出される現像剤の劣化度に応じて算出される。この現像剤の劣化度が示すトナー帯電量の低下度合いは、現像剤自体の劣化のほか、現像剤を帯電させるための構成の劣化や中間転写ベルト2上におけるトナー像を構成するトナー帯電量を経時的に低下させる種々の要因によって生じるが、主要因としては、現像装置6内での攪拌によるものと考えられる。つまり、現像剤搬送距離であり、これはプロセス線速と現像ユニット動作時間とから推定することができる。
もうひとつ、トナー帯電量の低下度合いを左右する主要因としては、現像装置6内のトナー消費量が挙げられる。トナー消費量が少ないほど、トナーが現像装置6内に長時間滞在し、現像ローラや感光体等との摺擦や摩擦を繰り返し受け、劣化が進んだものとなる。トナー消費量は、それぞれ形成したトナー像の画像面積率に基づいて制御部200において算出する。
本実施形態では、このようなトナー帯電量の低下度合いに影響を与える現像剤搬送距離とトナー消費量の値を用いて、上記式(1)より、現像剤の劣化度という現像剤の劣化度合い(トナー帯電量の低下度合い)を示す指標値を算出する。そして、本実施形態においては、このようにして算出される現像剤の劣化度と、所定の閾値K1,K2,K3とを比較し、経時補正係数(経時補正量)を決定する。この現像剤の劣化度を算出するにあたって用いられるトナー消費量は、前回までの画像形成に用いられたトナー消費量である。ただし、その作像ユニットを構成するプロセスカートリッジが交換されたときにはリセットされる。
具体的には、図7に示すように、その現像剤の劣化度が閾値K1よりも小さいか否かを判断し(S11)、劣化度が閾値K1よりも小さいと判断された場合には(S11のYES)、経時補正係数を100%と決定する(S12)。劣化度が閾値K1以上であると判断された場合には(S11のNO)、次に、その現像剤の劣化度が閾値K2よりも小さいか否かを判断する(S13)。この判断において、劣化度が閾値K2よりも小さいと判断された場合には(S13のYES)、経時補正係数を92%と決定する(S14)。劣化度が閾値K2以上であると判断された場合には(S13のNO)、次に、その現像剤の劣化度が閾値K3よりも小さいか否かを判断する(S15)。この判断において、劣化度が閾値K3よりも小さいと判断された場合には(S15のYES)、経時補正係数を84%と決定する(S16)。劣化度が閾値K3以上であると判断された場合には(S15のNO)、経時補正係数を76%と決定する(S16)。
本実施形態では、上述した閾値として、例えば、K1=10000、K2=30000、K3=70000を用いることができるが、これに限定されるものではない。また、3つの閾値を用いて、現像剤の劣化度を4つの区分に区分けしているが、より少ない区分あるいはより多くの区分に区分けしてもよい。また、この経時補正を行うタイミングは、例えば、1回の印刷ジョブごと、画像形成枚数が所定枚数に達するたび、1枚の画像形成ごとなどの適当なタイミングで実施される。
ここで、本実施形態において用いられるトナーについて、説明する。
従来、トナーは、現像装置6内での帯電や転写部におけるチャージアップ(電荷注入)による帯電が得られるように、体積抵抗率が10.7[logΩcm]より大きいものを使用することが好ましいと考えていた。しかし、近年のトナーにおいては、特に低温定着性を確保するために、体積抵抗率が10.7[logΩcm]以下となることもあり、これらのトナーの使いこなしが必要とされている。体積抵抗率の低いトナーにおける課題として、帯電保持しにくいという特徴がある。これは電気抵抗が下がることにより、見かけ上の静電容量が減少するためだと推定している。そのため、現像剤の劣化した経時においては、体積抵抗率の低いトナーでは、体積抵抗率が高いトナーに比べてトナー帯電量が低下しやすいことがわかっている。経時でトナー帯電量が低下することで、上述したとおり、特に高画像面積率の画像(全ベタ画像等)における最適な一次転写電流が初期と経時とで乖離するので、経時においては過転写が生じ、画像濃度が薄くなるといった問題が顕著になる。そのため、本実施形態では、上述した経時補正係数(経時補正量)を用いて一次転写電流を下げる補正を行っている。
一方で、本実施形態で使用するトナーは、その色によって体積抵抗率が異なっている。具体的には、本実施形態の複写機のように、Y、M、C、Bの4色のトナーを用いる場合、各色トナーに含まれる色材(顔料)が異なることから、色ごとにトナーの体積抵抗率は異なる。特に、B色のトナー(以下「ブラックトナー」という。)については、カーボンによって着色することで、Y、M、C色のトナー(以下「カラートナー」という。)と比べて、体積抵抗率が低くなりやすい。具体的には、B色のトナーの着色剤としてカーボンブラックを使用した場合、そのトナーの体積抵抗率は10.7[logΩcm]程度となる。これに対し、Y、C、M色トナーについての着色剤としては、例えば、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタンの染顔料を単独あるいは混合して使用することができ、これらのトナーの体積抵抗率は、10.9[logΩcm]程度となる。
こうした場合、カラートナーに比べ、現像剤の劣化度に応じてブラックトナーの帯電量が低下しやすいので、ブラックトナーとカラートナーについての一次転写電流に対し、一律に上述した経時補正を行うと、両方のトナーについての画質改善を両立することが難しい。そこで、本実施形態においては、ブラックトナーの一次転写電流について行う経時補正と、カラートナーの一次転写電流について行う経時補正とで、その経時補正量が異なるようにしている。
その具体例としては、例えば、経時的な現像剤の劣化度(トナー帯電量の低下度合い)の進行が早いブラックトナーについてのみ、上述した一次転写電流についての経時補正を実施し、カラートナーについては一次転写電流の経時補正を行わないという方法でもよい。この場合、上述した図7にフローチャートで示したような経時補正係数の決定処理については、ブラックトナーについてのみ実施される。このときのカラートナーについての一次転写電流の経時補正係数は常時100%になる。これは、カラートナーについての一次転写電流の経時補正量はゼロにするということである。
他の具体例としては、例えば、ブラックトナーについて決定される経時補正係数を、カラートナーについて決定される経時補正係数よりも小さいものとする方法でもよい。すなわち、ブラックトナーについての一次転写電流の補正量を、カラートナーの場合よりも大きくする。例えば、ブラックトナーについては、上述した図7に示したフローチャートに従って経時補正係数の決定処理を行い、カラートナーについては、上述した図8に示すフローチャートに従って経時補正係数の決定処理を行う。
また、更に他の具体例としては、例えば、ブラックトナーについて経時補正係数の切り替えるための閾値K1,K2,K3を、カラートナーの閾値K1’,K2’,K3’よりも小さくする方法でもよい。この場合も、ブラックトナーについての一次転写電流の補正量は、カラートナーの場合よりも大きくなる。例えば、ブラックトナーについては、上述した図7に示したフローチャートに従って経時補正係数の決定処理を行い、カラートナーについては、上述した図9に示すフローチャートに従って経時補正係数の決定処理を行う。ただし、K1<K1’、K2<K2’、K3<K3’である。
以上にように、体積抵抗率が低いブラックトナー(特に10.7[logΩcm]以下であるトナー)については、現像剤の劣化度に応じてトナー帯電量がカラートナーと比較して低下しやすいが、本実施形態によれば、ブラックトナーについてはカラートナーよりも経時補正量が大きくなる(経時補正係数が小さくなる)ようにしているので、それぞれの体積抵抗率に応じたトナー帯電量の低下度合いに適した一次転写電流の経時補正が可能である。
なお、上述したトナーの体積抵抗率は、トナー粒子粉末3[g]を電動プレス機にて厚さ約3mmのペレットに成形し、このペレットをTR−10C型誘電体損測定器(安藤電気社製)にセッティングし、その体積固有抵抗を測定した結果から算出されるものである。
〔変形例1〕
次に、本実施形態における一次転写電流の経時補正の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
本変形例1では、現像剤の劣化度として、上記式(1)より算出される現像剤の劣化度(現像剤搬送距離/トナー消費量)ではなく、画質調整制御時(プロセスコントロール時)に得られる画質調整用パターンの画像濃度検知結果を用いる。
まず、本変形例1における画像調整制御(プロセスコントロール)について説明する。
画質調整制御では、テストパターンを作成してこれを検知した結果に基づいて、画像濃度制御と位置ズレ制御を行う。画像濃度制御は、例えば、所定のパターン潜像を現像して得られる濃度制御用パターン(画質調整用パターン)のトナー付着量(画像濃度)を検知し、その検知結果に応じて、現像装置内の現像剤中のトナー濃度、書き込み装置5の書き込み条件(露光パワー等)、帯電バイアスや現像バイアスなどの設定値を変更する。位置ズレ制御は、例えば、位置ズレ制御用パターン(画質調整用パターン)の検知タイミングにより各色トナー像の潜像書き込みタイミングを調整する。
このような画質調整用パターンの検知箇所は、濃度制御用パターンについては、例えば、現像領域から一次転写部までの間の感光体上、あるいは、これを一次転写した後の中間転写ベルト上などが挙げられる。ただし、感光体の径が小さい場合には、検知センサの設置スペースの関係から感光体上で検知することが困難となることから、中間転写ベルト上で検知するのが好ましい。一方、位置ズレ制御用パターンについては、感光体間距離のバラツキや、各色潜像の書き込みタイミングによる位置ずれなどに起因した各色トナー像間における位置ズレを観測する必要があるため、中間転写ベルト上での検知が必須となる。本変形例1では、濃度制御用パターンと位置ズレ制御用パターンの両方を、中間転写ベルト上で検知するようにしている。
画質調整制御(プロセスコントロール)は、一般には、電源ON時、印刷ジョブ(画像形成動作)の開始前や終了後、所定枚数の画像形成ごとなどの画像形成動作期間以外の非画像形成動作期間で行われる。ただし、さらなる画質安定化のため、画像形成動作期間中においても、画像領域(1枚の記録材へ転写される画像部分)と画像領域の間の非画像領域に画質調整用パターンを作成して、これを検知することにより画質調整制御を実施するようにしてもよい。このような画像形成動作期間中に行う画質調整制御は、主に、トナー濃度センサのトナー濃度制御基準値(目標トナー濃度)を制御する場合に利用される。
本変形例1で用いる画質調整用パターンには、図10に示すように、色ごとに、主走査方向長さの長い横帯状パターンと、主走査方向長さの短いパッチ状パターンの2種類のパターンが含まれている。そして、各色についての横帯状パターンとパッチ状パターンの画像濃度(トナー付着量)IDを検知センサで検知し、色ごとに、横帯状パターンとパッチ状パターンとの間の画像濃度差分値ΔIDを算出して、これを現像剤の劣化度として用いる。この画像濃度差分値ΔIDは、以下に説明するように、これが大きいほどトナー帯電量の低下度合いが大きいという関係にある。
すなわち、図2のグラフに示されているように、現像剤が劣化していない初期時に最適な一次転写電流の値(初期最適値)を用いて一次転写を行う場合、初期時のパッチ画像とベタ画像については、その一次転写率が約97%でほぼ一致している。これに対し、現像剤が劣化している経時のパッチ画像とベタ画像については、パッチ画像の一次転写率が約94%であるのに対し、ベタ画像の一次転写率が約84%であり、両者の一次転写率には大きな差がある。すなわち、現像剤の劣化が進んでトナー帯電量が低下していくと、パッチ画像とベタ画像間における一次転写率の差が大きくなるという相関関係がある。この相関関係から、中間転写ベルト上における横帯状パターンとパッチ状パターンとの間の画像濃度結果から得られる両者間の画像濃度差分値ΔIDが大きいほど、現像剤の劣化度合い(トナー帯電量の低下度合い)が大きいという関係が得られる。
本変形例1で用いるパッチ状パターンは、いずれの色についても、サイズが縦20mm×横10mmで、最大濃度に設定された単色の全ベタ画像となるパターンを用い、横帯状パターンは、サイズが縦20mm×横300mmで、最大濃度に設定された単色の全ベタ画像となるパターンを用いている。これらのパターンは、中間転写ベルト上で検知センサ(光学センサ)によりその画像濃度(トナー付着量)が検知される。なお、現像剤の劣化度を算出するための画質調整用パターンは、これに限定されるものではない。
図10は、本変形例1における経時補正量(経時補正係数)を決定する一例を示すフローチャートである。
本変形例1の経時補正量は、上述したとおり、横帯状パターンとパッチ状パターン間の画像濃度差分値ΔIDを現像剤劣化度として用いて算出される。具体的には、当該差分値ΔIDが閾値L1よりも小さいか否かを判断し(S21)、当該差分値ΔIDが閾値L1よりも小さいと判断された場合には(S21のYES)、経時補正係数を100%と決定する(S22)。当該差分値ΔIDが閾値L1以上であると判断された場合には(S21のNO)、次に、その現像剤の当該差分値ΔIDが閾値L2よりも小さいか否かを判断する(S23)。この判断において、当該差分値ΔIDが閾値L2よりも小さいと判断された場合には(S23のYES)、経時補正係数を92%と決定する(S24)。当該差分値ΔIDが閾値L2以上であると判断された場合には(S23のNO)、次に、その現像剤の当該差分値ΔIDが閾値L3よりも小さいか否かを判断する(S25)。この判断において、当該差分値ΔIDが閾値L3よりも小さいと判断された場合には(S25のYES)、経時補正係数を84%と決定する(S26)。当該差分値ΔIDが閾値L3以上であると判断された場合には(S25のNO)、経時補正係数を76%と決定する(S26)。
本変形例1では、上述した閾値として、例えば、L1=0.08、L2=0.14、L3=0.20を用いることができるが、これに限定されるものではない。また、3つの閾値を用いて、現像剤の当該差分値ΔIDを4つの区分に区分けしているが、より少ない区分あるいはより多くの区分に区分けしてもよい。
本変形例1においても、カラートナーに比べ、現像剤の劣化度に応じてブラックトナーの帯電量が低下しやすいことから、ブラックトナーの一次転写電流について行う経時補正と、カラートナーの一次転写電流について行う経時補正とで、その経時補正量が異なるようにしている。その具体例は、上記実施形態の場合と同様、例えば、経時的な現像剤の劣化度(トナー帯電量の低下度合い)の進行が早いブラックトナーについてのみ、上述した一次転写電流についての経時補正を実施し、カラートナーについては一次転写電流の経時補正を行わないという方法でもよい。また、他の具体例としては、例えば、ブラックトナーについて決定される経時補正係数を、カラートナーについて決定される経時補正係数よりも小さいものとする方法でもよい。また、更に他の具体例としては、例えば、ブラックトナーについて経時補正係数の切り替えるための閾値L1,L2,L3を、カラートナーの閾値L1’,L2’,L3’よりも小さくする方法でもよい。
〔変形例2〕
次に、本実施形態における一次転写電流の経時補正の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本実施形態のプリンタは、任意の色を1つ以上選択して画像形成することができる。以下、説明を簡略化するため、B単色モード(第2制御モード)と全色モード(第1制御モード)の2種類を例に挙げて説明する。なお、B単色モードは、中間転写ベルト無端移動方向最下流に配置されるB色感光体3B上のトナー像のみを中間転写ベルト2へ一次転写し、これを記録紙P上に二次転写してB単色画像(モノクロ画像)を形成する画像形成動作モードである。一方、全色モードは、すべての感光体3M,3C,3Y,3B上の各色トナー像を中間転写ベルト2に重ね合わせて一次転写し、この4色トナー像を記録紙P上に二次転写して4色画像(フルカラー画像)を形成する画像形成動作モードである。
本変形例2では、中間転写ベルト無端移動方向最下流に配置されるB色の作像ユニットについて、B単色モードではその一次転写バイアスを段階的に引き下げ、全色モードではその一次転写バイアスを段階的に引き上げる補正を実行する。このような補正を実行する理由は以下のとおりである。
上述したとおり、現像剤が経時劣化してトナーの帯電量が全体的低下した場合には、一次転写電流の設定値を小さくする補正を行うことで、一次転写率の低下を抑制することができる。したがって、一次転写率のみを考えるならば、B単色モードでも全色モードでも、B色についての一次転写バイアスは段階的に引き下げるのが好ましい。しかしながら、最終画像上におけるB色の画像濃度は、二次転写率が影響するので、一次転写率と二次転写率の両方をバランスよく考慮する必要がある。
ここで、全色モードにおいては、複数のトナー像を互いに重ね合わせた重畳トナー像を中間転写ベルト2から記録用紙へ二次転写させる必要がある。これに対し、その全色モードに用いられる1つの像担持体(以下「下流側像担持体」という。)だけを用いるB単色モードにおいては、他のトナー像が重なっていない1つのB色トナー像だけが中間転写ベルト2から記録用紙へ二次転写される。そのため、二次転写部において記録用紙へ二次転写すべきトナーの量は、通常、B単色モードよりも全色モードの方が多い。したがって、好適な二次転写率を得るための二次転写バイアスの好適値は、B単色モードよりも全色モードの方が大きいので、二次転写バイアスは、B単色モードよりも全色モードの方が大きく設定される。
このとき、現像剤の劣化度に応じて一次転写電流を小さくする補正を行った場合、一次転写率は改善される。ただし、現像剤の劣化によってトナーの帯電量が全体的に低い状況であるため、一次転写電流が小さくなる結果、二次転写部におけるトナーの帯電量は、補正前よりも更に低いものとなる。そして、二次転写部内のトナー帯電量が低くなることにより画質劣化に与える影響は、以下の理由より、二次転写バイアスが低いB単色モードよりも二次転写バイアスが高い全色モードの方が大きいものとなる。
二次転写電流と二次転写率との関係は、上述した一次転写電流と一次転写率との関係とほぼ同様に考えることができる。すなわち、二次転写部で感光体側から中間転写ベルト側へ移動するトナーの量が二次転写バイアスの増大に応じて増加する間は、トナーの移動による電荷の流れが増えるので、二次転写電流は増えていく。一方、トナー移動量が飽和状態になった後は、トナーの移動による電荷の流れが増大しなくなり、今度は、二次転写バイアスの増大に応じて二次転写部での放電の発生量が増大する。この場合、二次転写電流は放電の発生量の増大に応じて増えていくが、放電の発生量が増えることによりトナーの二次転写率が減少に転じる。
全色モード時における二次転写電流の設定値は、一般に、重畳トナー像を構成する複数のトナー像それぞれの二次転写率が、ほぼ同程度となる範囲で(いずれかの二次転写率が相対的に見て大きく低い値をとらないように)、なるべく高い二次転写率が得られるように決定される。重畳トナー像を構成する複数のトナー像の中で、中間転写ベルト表面移動方向上流側に配置される感光体から一次転写されるトナー像は、その下流側の一次転写部を通過する際の一次転写電流によってチャージアップを受ける。よって、下流側に配置される感光体から一次転写されるトナー像よりも、二次転写部内におけるトナー帯電量は高いものとなる。このようにトナー帯電量にばらつきのある複数のトナー像を一括して二次転写させる際の二次転写電流の設定値を上記のように決定する場合、相対的に帯電量が低いトナー像(下流側の感光体から一次転写されるトナー像)にとっては、当該トナー像について最大二次転写率が得られる値(ピーク値)から二次転写電流の高い側へずれた値に設定されることになる。
すなわち、全色モードの場合、本実施形態で最下流に配置されているB色のトナー像については、当該トナー像について最大二次転写率が得られる値(ピーク値)よりも二次転写電流の高い側へずれた値に二次転写電流が設定される。
これに対し、B色トナー像しか用いないB単色モードにおいては、トナー像がB色トナー像の1つだけなので、そのトナー像にとって最適な二次転写率が得られるように、二次転写電流の設定値が決定される。
このようにしてそれぞれ決定される二次転写電流が用いられる全色モードとB単色モードにおいて、現像剤の劣化度に応じて、最下流のB色作像ユニットについての一次転写電流を小さくする補正を行った場合を考える。この場合、B色のトナー像に関しては、その補正により一次転写電流が小さくなる結果、二次転写部におけるトナーの帯電量が補正前よりも低いものとなる。このとき、二次転写部内でのトナー帯電量が低くなるほど、二次転写部におけるトナーの移動による電荷の流れが少なくなるので、トナー移動量が飽和状態になるときの二次転写電流の値(二次転写率がピークとなる値)は、補正前の場合と比べて小さい値になる。その結果、一次転写電流の補正後における二次転写電流と二次転写率との関係は、その補正前のものと比べて、二次転写電流の低い側へシフトする。
二次転写電流の変化に対する二次転写率の変化率は、二次転写電流の値が最大二次転写率の得られるピークの値から離れれば離れるほど、大きくなる傾向にある。補正前における全色モード時の二次転写電流の設定値は、上述したように、B色について最大二次転写率が得られるピーク値よりも二次転写電流の高い側にずれている。そのため、一次転写電流の補正によってそのピーク値が二次転写電流の低い側にシフトすると、補正後においては、二次転写電流の設定値が、最大二次転写率の得られるピーク値から更に離れることになる。その結果、全色モードの場合、B色の一次転写電流の補正によってB色の二次転写率は大きく低下することになる。
これに対し、B単色モードにおいては、補正前における二次転写電流の設定値が、上述したように、B色について最大二次転写率の得られるピーク値付近に決定されている。そのため、一次転写電流の補正によってそのピーク値が二次転写電流の低い側にシフトしても、二次転写電流の設定値が、最大二次転写率の得られるピーク値から大きく離れることはない。そのため、B色の一次転写電流の補正によるB色の二次転写率の低下は、上記全色モードと比べて少なくて済む。
そこで、本実施形態においては、B単色モードの実行時には、現像剤劣化度に応じて一次転写電流を小さくする補正を行うが、全色モードの実行時には、逆に、現像剤劣化度に応じて一次転写電流を大きくする補正を行う。これにより、B単色モードにおいては、一次転写電流の補正に伴う二次転写率低下の画質劣化に対する影響が少ないので、現像剤劣化による一次転写率の低下を一次転写電流の補正によって改善し、現像剤劣化による画質劣化の抑制を図ることができる。一方、全色モードにおいては、現像剤劣化による一次転写率の低下よりも、むしろ一次転写電流を小さくする補正を行うことに伴う二次転写率低下の方が画質劣化に対する影響が大きくなるおそれがある。本実施形態では、全色モード時には、現像剤劣化に応じてB色の一次転写電流を大きくする補正を行うので、B色の一次転写率を改善する効果は期待できないが、二次転写部におけるB色トナーの帯電量を増大させることが可能となることから、B色の二次転写率を改善することができる。その結果、全色モード時におけるB色の画像濃度低下を抑制できる。
〔変形例3〕
次に、本実施形態における一次転写電流の経時補正の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
本変形例3においては、全色モード時において、ブラック色の画像部分について、現像剤劣化度が大きくなるほど、B色トナーの使用頻度を下げて、プロセスブラック(Y、C、M色の混色によって表現されるブラック)の使用頻度が高まるように、画像形成動作を制御する。
上述したとおり、全色モード時において、現像剤の劣化によりB色のトナー帯電量が低下すると、一次転写率だけでなく二次転写率も大きく低下する。このとき、一次転写率を改善するためにB色の一次転写電流を小さくする補正を行うと、B色の二次転写率が大きく低下し、かえってブラック色の画像濃度を低下させやすい。一方、B色の作像ユニットよりも中間転写ベルト表面移動方向上流側に配置されているY、C、M色の作像ユニットについては、少なくともB色作像ユニットの一次転写部を通過する際にB色の一次転写電流によるチャージアップを受ける結果、現像剤劣化によりトナー帯電量が低下する状況でも、二次転写部内におけるトナー帯電量は十分に維持されることが多い。特に、本実施形態では、上述したとおり、Y、C、M色のトナーは、B色トナーと比べて体積抵抗率が高いため、電荷を保持しやすいことから、二次転写部内におけるトナー帯電量がB色トナーよりも高く維持されやすい。
本変形例3では、このような特徴を利用し、現像剤の劣化度が大きくなってB色トナーの転写率が落ち込みが大きくなるほど、現像剤の劣化度が大きくても転写率の落ち込みが少ないY、C、M色のトナーの混色によりB色トナーの代わりにブラック画像を形成する割合を増やす。これにより、この割合を変えない場合よりも、ブラック色の画像濃度低下を抑制できる。
〔変形例4〕
次に、本実施形態において、一次転写電流だけでなく、二次転写電流も経時補正する一変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
現像剤が劣化してトナー帯電量が低下した状況においては、一次転写率だけでなく、二次転写率も低下しやくい。トナー帯電量が低下した状況においては、二次転写電流を下げる補正を行うことにより、二次転写率の改善を図ることが可能である。特に、上述したように一次転写電流を下げる補正を行う場合には、二次転写部におけるトナー帯電量が更に下がってしまうので、これに応じて二次転写電流を下げる補正を行うことにより、二次転写電流を補正しない場合と比較して、画質劣化を良好に抑制できる。また、二次転写電流を下げることによって、残像による画質劣化抑制や転写部材の高寿命化も期待できる。
〔変形例5〕
次に、本実施形態において、一次転写電流の補正の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
本変形例5における一次転写電流の設定値は、下記の式(3)から算出する。ただし、本変形例5においては、現像剤劣化度に応じて環境補正係数を変更する。
設定値 = 基準電流値 × 環境補正係数 ・・・(3)
本変形例5における具体的な制御例としては、例えば、図11に示す表のような例が挙げられる。なお、この表における3つの劣化区分は、上述した一次転写電流の経時補正係数を切り替えるときの劣化区分と同様に判別することができる。
〔変形例6〕
次に、本実施形態において、一次転写電流の補正の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
本変形例6においては、一次転写時に流れる一次転写電流のルートの電気抵抗を検出し、その検出した電気抵抗値を考慮して経時補正係数を決定する。一次転写率には、一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bや中間転写ベルト2などの転写部材の電気抵抗値も大きく関与している。すなわち、このような転写部材の電気抵抗値が低すぎると、一次転写部内に介在するトナー層の電気抵抗値の影響が大きくなり、画像面積率によって一次転写バイアスが大きく変化し、画像面積率が少ないときと多いときとで、一次転写率が変わってしまう。一方、転写部材の電気抵抗値が高すぎる場合には、転写バイアスが高くなりすぎることで電流のリークを生じて画像を乱したり、電圧が電源性能の上限まで高くなってしまった場合は、電流が流れなくなって転写が十分に行われなくなったり、電源が壊れる危険性があるという問題がある。
中間転写ベルト2や一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bなどの転写部材(一次転写電流ルート上の電気抵抗材)は、経時的にその電気抵抗値が変化することが多い。そこで、本変形例6においては、このような転写部材の電気抵抗値の変化に応じて、経時補正係数を変化させることにより、転写部材の電気抵抗値の変化に応じた適切な一次転写電流の補正を実現する。
本実施形態では、上述したとおり、一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bに一次転写電圧を供給する電源は定電流制御されているので、一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bに印加される一次転写電圧を検知することで、転写部材の電気抵抗値を検出することができる。なお、ここでは、一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bの印加電圧を検知しているが、中間転写ベルト2のみの電圧検知、及び、一次転写ローラ7と中間転写ベルト2との電圧検知、のいずれでも構わない。
本変形例6において、電気抵抗値の検出に用いる電流を例えば25μAとした場合、一次転写ローラ7M,7C,7Y,7Bの印加電圧と一次転写ローラの電気抵抗値との関係は、図12に示す表のようになる。このように一次転写ローラの電気抵抗値によって一次転写電圧が異なってくることから、電気抵抗値が高いほど一次転写電圧が高くなる。よって、一次転写電圧を検知することで、一次転写ローラの抵抗値が分かる。
図13は、一次転写ローラの電気抵抗値と最大一次転写率が得られる一次転写電流との関係を示す表である。
図13からわかるように、基準となる一次転写ローラの電気抵抗値を7.5乗(1×107.5[Ω])とすると、適正な一次転写電流は25μAであるが、一次転写ローラの電気抵抗値が7.0乗になった場合の適正な一次転写電流は29μAとなる。したがって、一次転写ローラの電気抵抗値が7.5乗から7.0乗に変化した場合には、一次転写電流の設定値を+4μAの補正量で補正することが好ましい。同様に、一次転写ローラの電気抵抗値が7.5乗から8.0乗に変化した場合には、一次転写電流の設定値を−4μAの補正量で補正することが好ましい。また、一次転写ローラの電気抵抗値が9.0乗となった場合は、一次転写電流の設定値が21μAでは放電による画像の乱れが発生した。このとき、一次転写電流の設定値を17μAとした場合には発生しなかった。一次転写電流の設定値が21μAでも17μAでも転写率はほとんど変わらないことから、一次転写ローラの電気抵抗値が9.0乗の場合には一次転写電流の設定値を−8μAの補正量で補正することが好ましい。
このように一次転写電流を一次転写ローラの電気抵抗値に応じて補正する場合、検知した一次転写電圧が所定の電圧閾値よりも低いか高いかによって、経時補正係数の補正量を選択することができる。図14は、検知した一次転写電圧と、これに応じて変更される変更後の経時補正係数との関係の一例を示す表である。
本変形例6によれば、転写部材の電気抵抗値の変化に応じた一次転写電流の補正も可能となるので、現像剤の劣化によるトナー帯電量の低下に応じた一次転写電流の補正だけの場合よりも、より良好な一次転写率を得ることができる。
上述したような電圧検知は、ある時間転写電流を流して電圧を読み取るという機械動作を伴う必要があるため、電圧検知動作による機械の生産能力が低下してしまう。一方、画質調整制御(プロセスコントロール)は、非画像形成動作期間中に行われる場合が多いため、このような画質調整制御の実施中に上述した電圧検知も行うことで、単独で電圧検知を行うことによる機械の生産能力の低下を抑えることができる。そのため、本変形例6では、画質調整制御の実行中に電圧検知動作を行うようにしている。
なお、本変形例6では、一次転写ローラの電気抵抗値の変化を例に挙げて説明したが、中間転写ベルト2の電気抵抗値も一次転写ローラと同様に変化することから、中間転写ベルト2の電気抵抗値の変化に応じた一次転写電流の補正も実現できている。
また、一次転写バイアスを定電流制御ではなく定電圧制御で印加している場合には、一次転写電流を検知することで、同様に、転写部材の電気抵抗値を検出することができる。
以上、本実施形態の好ましい実施の形態について変形例も含めて説明したが、本実施形態はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、現像剤劣化度の検知、現像剤劣化度が一次転写電流の経時補正が必要なレベルに達したかの判断は、制御の容易化の観点から、複写機に備えられているすべての作像ユニットについて常に行うのではなく、そのときの画像形成に用いられる作像ユニットについてのみ行ってもよい。一次転写電流の制御は、電流値の制御でなく、電圧値の制御で行っても良い。現像剤は、トナーからなる一成分現像剤でも、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよい。環境検知センサは、各作像ユニットのそれぞれに設けても良い。
また、本発明が適用可能な画像形成装置は、いわゆる中間転写方式の画像形成装置だけではなく、図15に示すような直接転写方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。ただし、上述した変形例2〜4などのように中間転写方式の適用が必要な画像形成装置についてこの限りでない。図15に示す構成では、4つの感光体3M,3C,3Y,3Bと転写ベルト335との間にそれぞれ転写部を形成する構成である。各転写部を形成する転写ベルト部分の内周面又はその近傍に、それぞれ、バイアスローラ335aとバックアップローラ335bが当接している。各バイアスローラ335aには、転写バイアス電源339が接続されており、各転写部に対して転写バイアスを印加する構成となっている。なお、図15では、M色感光体3Mの転写部に対応する転写バイアス電源339しか図示しておらず、他の感光体の転写部に対応する転写バイアス電源の図示は省略してある。
また、本発明が適用可能な画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、図16に示すように、1つの感光体上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を被転写体へ順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。図16に示す構成では、像担持体である1つのベルト状感光体203を備え、この感光体203の周囲には、互いに色の異なる4色のトナーをそれぞれ用いて現像処理を行う4つの現像装置206M,206C,206Y,206Bが配置されている。帯電装置204、書き込み装置205、一次転写ローラ207、クリーニング装置208については、各色で共用される。この構成において、全色モードで画像形成する場合、最初にM色トナー像を感光体203に形成して一次転写部で中間転写ベルト202上に一次転写し、その一次転写したM色トナー像が再び一次転写部に搬送されたときに、次に感光体203上に形成されるC色トナー像が重ね合わさるように一次転写される。これを、Y色トナー像、B色トナー像の順に繰り返すことで、中間転写ベルト202上には、タンデム方式の場合と同様に重畳トナー像が形成される。あとは、この重畳トナーを二次転写部にて二次転写装置209により記録用紙へ二次転写することで、カラー画像が形成される。
本実施形態に記載された効果は、本実施形態から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
以上に説明したものは一例であり、本実施形態は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
表面移動する複数の感光体3M,3C,3Y,3B等の像担持体と、上記複数の像担持体の表面にそれぞれ現像剤を用いてトナー像を形成する複数の現像装置6M,6C,6Y,6B等のトナー像形成手段と、転写バイアスを印加して上記複数の像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト2や記録用紙等の被転写体の表面にそれぞれ転写させる複数の一次転写ローラ7M,7C,7Y,7B等の転写手段とを備え、上記複数のトナー像形成手段には、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いるものが含まれている画像形成装置において、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤の劣化度を検知する制御部200等の現像剤劣化度検知手段と、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成されるブラックトナーを用いる感光体3B及びカラートナーを用いる感光体3M,3C,3Y等の2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって流れる転写電流を、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度に応じた補正量を用いて補正を行う制御部200等の転写電流補正手段とを有し、上記転写電流補正手段が用いる補正量は、上記2以上の像担持体間(ブラックトナーを用いる感光体3Bとカラートナーを用いる感光体3M,3C,3Yとの間)で互いに異なっていることを特徴とする。
これによれば、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体において、それぞれのトナーの体積抵抗率に応じた適切な転写電流の補正が可能となる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記現像剤劣化度検知手段は、所定期間内にトナー像形成手段が用いたトナー量(トナー消費量)から現像剤の劣化度を検知することを特徴とする。
これによれば、所定期間内にトナー像形成手段が用いたトナー量(トナー消費量)が少ないほど、トナーの劣化が進むことが多いので、現像剤の劣化度を適切に検知することが可能である。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、上記現像剤劣化度検知手段は、所定の像担持体表面移動方向長さをもち、かつ、像担持体表面移動方向に対して直交する幅方向の長さが互いに異なっているパッチ状パターン及び横帯状パターン等の複数種類の画質調整用パターンを上記2以上の像担持体の非画像領域に形成し、該複数種類の画質調整用トナーパターンの画像濃度検知結果に基づいて得られる該複数種類の画質調整用トナーパターン間の画像濃度差ΔIDから、現像剤の劣化度を検知することを特徴とする。
これによれば、画質調整用パターンを利用して現像剤の劣化度を検知できるので、現像剤の劣化度を検知するための専用部材が不要となる。
(態様D)
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記被転写体としての表面移動する中間転写ベルト2等の中間転写体と、上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写装置9等の二次転写手段と、上記2以上の像担持体のうちの少なくとも2つの像担持体にトナー像を形成し、これらのトナー像を上記中間転写体に重なり合うように一次転写した後に二次転写バイアスを印加して二次転写することにより記録材上に画像を形成する全色モード等の第1制御モードと、該第1制御モードで用いられる該少なくとも2つの像担持体のうち中間転写体表面移動方向下流側に配置されるB色感光体3B等の1つの像担持体にトナー像を形成し、これを上記中間転写体に一次転写した後に該第1制御モード時の二次転写バイアスよりも大きさが小さい二次転写バイアスを印加して二次転写することにより記録材上に画像を形成するB単色モード等の第2制御モードを選択的に実行して、画像形成動作を制御する制御部200等の制御手段とを有し、上記転写電流補正手段は、上記第2制御モードの実行時に上記1つの像担持体から上記中間転写体へトナー像を一次転写するときの一次転写バイアスによって流れる一次転写電流については、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど小さくする補正を行うとともに、上記第1制御モードの実行時に上記1つの像担持体から上記中間転写体へトナー像を一次転写するときの一次転写バイアスによって流れる一次転写電流については、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど大きくする補正を行うことを特徴とする。
これによれば、一次転写電流を小さくする補正による二次転写率の影響が少ない第2制御モードについては、現像剤劣化度が大きくなるほど一次転写電流を小さくする補正を行うことで、一次転写率の改善を図って画質劣化を抑制し、一次転写電流を小さくする補正による二次転写率の影響が大きい第1制御モードについては、現像剤劣化度が大きくなるほど一次転写電流を大きくする補正を行うことで、二次転写率の改善を図って画質劣化を抑制することができる。
(態様E)
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、上記2以上の像担持体を含む3以上の像担持体にトナー像を形成し、これらのトナー像を上記中間転写体に重なり合うように一次転写して記録材上に画像を形成する全色モード等の制御モードで、画像形成動作を制御する制御手段とを有し、上記制御手段は、上記制御モード時に、上記3以上の像担持体のうち中間転写体表面移動方向下流側に配置される1つの像担持体のトナー像形成に用いられるトナーを用いて画像上に表現されるブラック色等の色について、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど、該トナー(B色トナー)を用いずに該3以上の像担持体のうち該1つの像担持体よりも中間転写体表面移動方向上流側に配置される他の2以上の像担持体のトナー像形成に用いられるトナー(Y、M、C色のトナー)を用いて当該色を表現する割合が高まるように、画像形成動作を制御することを特徴とする。
これによれば、上記変形例3で説明したとおり、現像剤の劣化度が大きくなっても当該色の画像濃度低下を抑制できる。
(態様F)
上記態様A〜Eのいずれかの態様において、上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、上記転写電流補正手段による一次転写電流の補正量に応じた補正量を用いて、二次転写バイアスによって流れる二次転写電流を補正する二次転写電流補正手段とを有することを特徴とする。
これによれば、一次転写電流の補正によって低下する二次転写率を改善して、より画質劣化を抑制することができる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、温度又は湿度の少なくとも一方の情報を含む環境情報を取得する温湿度センサ等の環境情報取得手段を有し、上記転写電流補正手段が用いる環境補正係数等の補正量を、上記環境情報取得手段が取得する環境情報に応じて変えることを特徴とする。
これによれば、環境変化に応じた適切な転写電流の補正を実現することができる。
(態様H)
上記態様A〜Gのいずれかの態様において、上記2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって転写電流が流れるルートの電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段を有し、上記転写電流補正手段が用いる補正量を、上記電気抵抗検出手段が検出した電気抵抗に応じて変えることを特徴とする。
これによれば、上記変形例6で説明したように、転写部材(一次転写電流ルート上の電気抵抗材)の電気抵抗変化に応じた適切な転写電流の補正を実現することができる。
(態様I)
表面移動する感光体203等の像担持体と、異なる現像剤を用いて上記像担持体の表面に複数のトナー像を順次形成する複数の現像装置206M,206C,206Y,206B等のトナー像形成手段と、転写バイアスを印加して上記像担持体の表面に形成された複数のトナー像を被転写体の表面に順次転写させる一次転写ローラ207等の転写手段とを備え、上記複数のトナー像形成手段には、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いるものが含まれている画像形成装置において、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤の劣化度を検知する制御部200等の現像剤劣化度検知手段と、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いて形成された2以上のトナー像を上記像担持体から上記被転写体へ転写するときの転写バイアスによって流れる転写電流を、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度に応じた補正量を用いて補正を行う制御部200等の転写電流補正手段とを有し、上記転写電流補正手段が用いる補正量は、上記2以上のトナー像間で互いに異なっていることを特徴とする。
これによれば、いわゆる1ドラム型の画像形成装置において、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体において、それぞれのトナーの体積抵抗率に応じた適切な転写電流の補正が可能となる。
1A 画像形成部
1B 給紙部
1C 原稿走査部
2,202 中間転写ベルト
2C 二次転対向ローラ
3,203 感光体
4,204 帯電装置
6,206 現像装置
7,207 一次転写ローラ
8,208 クリーニング装置
9,209 二次転写装置
10 ベルトクリーニング装置
11 定着装置
200 制御部
335 転写ベルト
339 転写バイアス電源
特開平5−158357号公報

Claims (9)

  1. 表面移動する複数の像担持体と、
    上記複数の像担持体の表面にそれぞれ現像剤を用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、
    転写バイアスを印加して上記複数の像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面にそれぞれ転写させる複数の転写手段とを備え、
    上記複数のトナー像形成手段には、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いるものが含まれている画像形成装置において、
    体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤の劣化度を検知する現像剤劣化度検知手段と、
    体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって流れる転写電流を、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度に応じた補正量を用いて補正を行う転写電流補正手段とを有し、
    上記転写電流補正手段が用いる補正量は、上記2以上の像担持体間で互いに異なっており、
    上記現像剤劣化度検知手段は、所定の像担持体表面移動方向長さをもち、かつ、像担持体表面移動方向に対して直交する幅方向の長さが互いに異なっている複数種類の画質調整用パターンを上記2以上の像担持体の非画像領域に形成し、該複数種類の画質調整用トナーパターンの画像濃度検知結果に基づいて得られる該複数種類の画質調整用トナーパターン間の画像濃度差から、現像剤の劣化度を検知することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、
    上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、
    上記2以上の像担持体のうちの少なくとも2つの像担持体にトナー像を形成し、これらのトナー像を上記中間転写体に重なり合うように一次転写した後に二次転写バイアスを印加して二次転写することにより記録材上に画像を形成する第1制御モードと、該第1制御モードで用いられる該少なくとも2つの像担持体のうち中間転写体表面移動方向下流側に配置される1つの像担持体にトナー像を形成し、これを上記中間転写体に一次転写した後に該第1制御モード時の二次転写バイアスよりも大きさが小さい二次転写バイアスを印加して二次転写することにより記録材上に画像を形成する第2制御モードを選択的に実行して、画像形成動作を制御する制御手段とを有し、
    上記転写電流補正手段は、上記第2制御モードの実行時に上記1つの像担持体から上記中間転写体へトナー像を一次転写するときの一次転写バイアスによって流れる一次転写電流については、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど小さくする補正を行うとともに、上記第1制御モードの実行時に上記1つの像担持体から上記中間転写体へトナー像を一次転写するときの一次転写バイアスによって流れる一次転写電流については、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど大きくする補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、
    上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、
    上記2以上の像担持体を含む3以上の像担持体にトナー像を形成し、これらのトナー像を上記中間転写体に重なり合うように一次転写して記録材上に画像を形成する制御モードで、画像形成動作を制御する制御手段とを有し、
    上記制御手段は、上記制御モード時に、上記3以上の像担持体のうち中間転写体表面移動方向下流側に配置される1つの像担持体のトナー像形成に用いられるトナーを用いて画像上に表現される色について、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど、該トナーを用いずに該3以上の像担持体のうち該1つの像担持体よりも中間転写体表面移動方向上流側に配置される他の2以上の像担持体のトナー像形成に用いられるトナーを用いて当該色を表現する割合が高まるように、画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 表面移動する複数の像担持体と、
    上記複数の像担持体の表面にそれぞれ現像剤を用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、
    転写バイアスを印加して上記複数の像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面にそれぞれ転写させる複数の転写手段とを備え、
    上記複数のトナー像形成手段には、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いるものが含まれている画像形成装置において、
    体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤の劣化度を検知する現像剤劣化度検知手段と、
    体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって流れる転写電流を、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度に応じた補正量を用いて補正を行う転写電流補正手段と、
    上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、
    上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、
    上記2以上の像担持体のうちの少なくとも2つの像担持体にトナー像を形成し、これらのトナー像を上記中間転写体に重なり合うように一次転写した後に二次転写バイアスを印加して二次転写することにより記録材上に画像を形成する第1制御モードと、該第1制御モードで用いられる該少なくとも2つの像担持体のうち中間転写体表面移動方向下流側に配置される1つの像担持体にトナー像を形成し、これを上記中間転写体に一次転写した後に該第1制御モード時の二次転写バイアスよりも大きさが小さい二次転写バイアスを印加して二次転写することにより記録材上に画像を形成する第2制御モードを選択的に実行して、画像形成動作を制御する制御手段とを有し、
    上記転写電流補正手段が用いる補正量は、上記2以上の像担持体間で互いに異なっており、
    上記転写電流補正手段は、上記第2制御モードの実行時に上記1つの像担持体から上記中間転写体へトナー像を一次転写するときの一次転写バイアスによって流れる一次転写電流については、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど小さくする補正を行うとともに、上記第1制御モードの実行時に上記1つの像担持体から上記中間転写体へトナー像を一次転写するときの一次転写バイアスによって流れる一次転写電流については、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど大きくする補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
  5. 表面移動する複数の像担持体と、
    上記複数の像担持体の表面にそれぞれ現像剤を用いてトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、
    転写バイアスを印加して上記複数の像担持体の表面に形成されたトナー像を被転写体の表面にそれぞれ転写させる複数の転写手段とを備え、
    上記複数のトナー像形成手段には、体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いるものが含まれている画像形成装置において、
    体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤の劣化度を検知する現像剤劣化度検知手段と、
    体積抵抗率が異なるトナーを含んだ現像剤を用いてトナー像が形成される2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって流れる転写電流を、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度に応じた補正量を用いて補正を行う転写電流補正手段と、
    上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、
    上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、
    上記2以上の像担持体を含む3以上の像担持体にトナー像を形成し、これらのトナー像を上記中間転写体に重なり合うように一次転写して記録材上に画像を形成する制御モードで、画像形成動作を制御する制御手段とを有し、
    上記転写電流補正手段が用いる補正量は、上記2以上の像担持体間で互いに異なっており、
    上記制御手段は、上記制御モード時に、上記3以上の像担持体のうち中間転写体表面移動方向下流側に配置される1つの像担持体のトナー像形成に用いられるトナーを用いて画像上に表現される色について、上記現像剤劣化度検知手段が検知した現像剤劣化度が大きくなるほど、該トナーを用いずに該3以上の像担持体のうち該1つの像担持体よりも中間転写体表面移動方向上流側に配置される他の2以上の像担持体のトナー像形成に用いられるトナーを用いて当該色を表現する割合が高まるように、画像形成動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記現像剤劣化度検知手段は、所定期間内にトナー像形成手段が用いたトナー量から現像剤の劣化度を検知することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記被転写体としての表面移動する中間転写体と、
    上記転写手段による転写バイアスの作用で上記複数の像担持体の表面から上記中間転写体の表面へ一次転写させた各トナー像を、二次転写バイアスを印加して記録材へ二次転写する二次転写手段と、
    上記転写電流補正手段による一次転写電流の補正量に応じた補正量を用いて、二次転写バイアスによって流れる二次転写電流を補正する二次転写電流補正手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    温度又は湿度の少なくとも一方の情報を含む環境情報を取得する環境情報取得手段を有し、
    上記転写電流補正手段が用いる補正量を、上記環境情報取得手段が取得する環境情報に応じて変えることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記2以上の像担持体から上記被転写体へトナー像を転写するときの転写バイアスによって転写電流が流れるルートの電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段を有し、
    上記転写電流補正手段が用いる補正量を、上記電気抵抗検出手段が検出した電気抵抗に応じて変えることを特徴とする画像形成装置。
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