JP6118687B2 - 製パン機の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に製パン材料を収容する有底筒状のパンケースと、開口部を介して内部にパンケースを収容する有底筒状のケーシングを備えた本体と、ケーシングの開口部を開閉自在な蓋体と、パンケースを加熱する加熱機構とを備えた製パン機の運転方法に関する。

このような製パン機では、製パン材料を製パンする製パン処理として、パンケース内に配設された混練羽根の回転によりパンケース内の製パン材料を混練する混練工程、製パン材料を発酵させる発酵工程、製パン材料を焼き上げる焼成工程、焼き上がったパンを保温する保温工程を順次自動的に実行するように構成された製パン機(例えば、特許文献1参照)や、製パン材料を発酵させる発酵処理のみを実行するように構成された発酵専用の製パン機、製パン材料を焼き上げる焼成処理のみを実行するように構成された焼成専用の製パン機等が存在する。
そして、特許文献1に記載の製パン機では、混練工程、発酵工程、焼成工程及び保温工程を行う際に、加熱室内を適切に加熱するために、加熱機構として複数の電熱ヒータを加熱室内に設ける構成とされている。
具体的には、特許文献1に記載の製パン機では、有底筒状のパンケースが、有底筒状のケーシングと当該ケーシングの開口部を閉鎖する蓋体とにより形成される加熱室内に収容される。加熱室内に収容されたパンケースの底壁部は、ケーシングの底壁部において上方に突出形成されたパンケース保持部に固定保持される。そして、加熱室内には、パンケースの側壁部の外方側の下部位置に環状の第1電熱ヒータが配置され、当該側壁部の外方側の上部位置に環状の第2電熱ヒータが配置され、第1電熱ヒータの更に下方側でパンケース保持部の外方側の位置に環状の焼上げ用電熱ヒータが配置されている。
これにより、例えば、加熱室内の加熱目標温度が比較的低い混練工程では第1電熱ヒータのみに通電し、同様に、加熱目標温度が比較的低い発酵工程では第2電熱ヒータのみに通電し、また、加熱目標温度が比較的高い焼成工程では焼上げ用電熱ヒータのみに通電することで、加熱室内の温度を各工程に応じた適切な温度に緻密に温度制御することができるとされている。
特開平2−055019号公報
ここで、特許文献1に記載の製パン機では、加熱室内に設けられた各電熱ヒータは、平面視で、加熱室内のパンケース保持台に保持されたパンケースの側壁部の外方側に配置されている。即ち、各電熱ヒータは、平面視で、パンケースの側壁部の外面とケーシングの側壁部の内面との間の領域で、且つ、パンケースの側壁部又はパンケース保持部の側壁部に対向する位置に配置されている。
そのため、各電熱ヒータに通電して加熱室内を加熱すると、各電熱ヒータからの輻射熱によりパンケースの側壁部が直接的に加熱され、又、各電熱ヒータにより加熱された加熱室内の空気が加熱室内の上方に滞留すること等により、パンケースの側壁部や加熱室の上部が早期に加熱されて、パンケース内の側壁部や上部近傍に位置する製パン材料が早期に適切な温度に加熱されることとなる。これに対して、パンケースの底壁部は、各電熱ヒータからの輻射熱により直接的に加熱されないこと、パンケースの底壁部の下方(ケーシングの底壁部の上方)に当該パンケースを保持するためのパンケース保持部が位置し、当該パンケース保持部の熱容量が大きいこと等により、パンケースの底壁部、特にパンケースの底壁部の中央部を早期に加熱することが困難となり、パンケースの底壁部の中央部近傍に位置する製パン材料を適切な温度に加熱するための時間が比較的長く必要となる。
即ち、各電熱ヒータにより加熱室内を加熱すると、パンケース内において、パンケースの側壁部や上部近傍に位置する製パン材料は適切な温度であるのに対して、パンケースの底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料は未だに適切な温度になっていない状態となることがある。
このような状態となると、発酵工程や焼成工程において早期に適切な温度となったパンケースの側壁部や上部近傍に位置する製パン材料が早期に膨張して、未だ適切な温度となっておらず比較的膨張が少ないパンケースの底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料をパンケースの底壁部(下方側)に押し付けてしまう。そのため、パンケースの底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料は、適切な温度に加熱された場合でも十分に膨張することができず、焼き上げられたパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなったりする等の不具合が発生する虞がある。
又、近年、焼き上げられたパンのクラスト(パンケースの内面に接触するパンの耳の部分)の柔らかいパンが好まれ、省エネに関する関心も高い。
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであり、その主たる課題は、有底筒状のパンケース内に収容された製パン材料を、できるだけ均一に加熱でき、均一に膨張させることができる製パン機の運転方法を提供する点にある。また、本発明のその他の課題は、焼き上げられたパンのクラストをできるだけ柔らかくしたり、また、省エネを実現したりすることのできる製パン機の運転方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る製パン機の運転方法は、内部に製パン材料を収容する有底筒状のパンケースと、開口部を介して内部に前記パンケースを収容する有底筒状のケーシングを備えた本体と、前記ケーシングの開口部を開閉自在な蓋体と、前記ケーシングと前記蓋体とにより形成される加熱室内を加熱する加熱機構とを備えた製パン機の運転方法であって、その特徴構成は、
前記本体内に配設される前記加熱機構が、有底筒状に形成された前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設される側部電熱ヒータ部と、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側の領域内に配設される底部電熱ヒータ部とを備え、
前記パンケース内に収容された前記製パン材料を製パンする製パン処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させる点にある。
上記特徴構成によれば、パンケース内に収容された製パン材料を製パンする製パン処理において、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させるので、側部電熱ヒータ部によりパンケースの側壁部の外面を加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ部によりパンケースの底壁部の下面を加熱することができ、例えば、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料を均一に加熱することができる。
従って、製パン処理において、製パン処理に応じた適切な部位への適切な加熱が可能となり、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、例えば、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができ、例えば、製パン材料の均一な発酵や膨張、クラスト(パンケースの内面に接触するパンの耳の部分)の柔らかなパンの提供、省エネの実現等を行うことができる。
尚、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させるとは、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部とを同時に加熱作動させるのみならず、パンケース内に収容された製パン材料を製パンする製パン処理中において、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部とを加熱作動させる構成も含む概念である。
尚、パンケースの底壁部とは、有底筒状のパンケースの底部を形成する底壁であり、パンケースの側壁部とは、当該パンケースの底部の外周側に連続して上方に立ち上がる側壁であるが、底壁部と側壁部との接続部分が縦断面視で丸みを帯びた形状に形成されている場合には、当該接続部分は、底壁部の一部を構成するものとする。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、前記製パン処理における混練処理、発酵処理、焼成処理及び保温処理のうち、少なくとも一つの処理において、又は、少なくとも二つの処理に跨って、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部とを加熱作動させる点にある。
上記特徴構成によれば、製パン処理における混練処理、発酵処理、焼成処理及び保温処理のうち、少なくとも一つの処理において、又は、少なくとも二つの処理に跨って、側部電熱ヒータ部によりパンケースの側壁部の外面を加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ部によりパンケースの底壁部の下面を加熱することができ、例えば、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料を均一に加熱することができる。
又、例えば、発酵処理において底部電熱ヒータ部を加熱作動させ、且つ、焼成処理において側部電熱ヒータを加熱作動させるように構成したり、或いは、混練処理、発酵処理及び焼成処理において側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を加熱作動させ、且つ、保温処理において側部電熱ヒータ部を加熱作動させ、底部電熱ヒータ部を停止又は略停止させるように構成したりすることができる。
従って、製パン処理において、製パン処理に応じた適切な部位への一層適切な加熱が可能となり、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、例えば、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができ、例えば、製パン材料の均一な発酵や膨張、クラストの柔らかなパンの提供、省エネの実現等を行うことができる。
尚、発酵処理とは、製パン材料を発酵させる発酵処理のみを実行するように構成された発酵専用の製パン機にて実行される発酵処理のみならず、パンケース内に配設された混練羽根の回転によりパンケース内の製パン材料を混練する混練工程、製パン材料を発酵させる発酵工程、製パン材料を焼き上げる焼成工程、焼き上げたパンを保温する保温工程等を順次自動的に実行するように構成された製パン機にて実行される発酵工程も含む概念である。
又、焼成処理とは、製パン材料を焼き上げる焼成処理のみを実行するように構成された焼成専用の製パン機にて実行される焼成処理のみならず、パンケース内に配設された混練羽根の回転によりパンケース内の製パン材料を混練する混練工程、製パン材料を発酵させる発酵工程、製パン材料を焼き上げる焼成工程、焼き上げたパンを保温する保温工程等を順次自動的に実行するように構成された製パン機にて実行される焼成工程も含む概念である。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、前記製パン処理における焼成処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させた後、前記底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させる点にある。
上記特徴構成によれば、焼成処理において、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させるので、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させて、焼成を行うことができる。
又、焼成処理において、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させた後、底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させるので、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料をできるだけ均一に膨張するように加熱した後は、パンケース内の底壁部近傍に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該底壁部近傍に位置する製パン材料のクラストが硬くなることを防止できるとともに、パンケース内の側壁部近傍に位置する製パン材料への加熱を継続して、当該側壁部近傍に位置する製パン材料の上方側への膨張を促進することができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
尚、底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させるとは、焼成工程において側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させた後に、当該底部電熱ヒータ部の所定の加熱量に対して底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させることを意味する。例えば、底部電熱ヒータ部の加熱作動を完全に停止すること、当該所定の加熱量に対して底部電熱ヒータ部の加熱作動割合を減少させること、或いは、底部電熱ヒータ部が複数の底部ヒータを備えている場合において、加熱作動させる底部ヒータの数や加熱作動割合を減少させること等を意味する。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、前記製パン処理における混練処理及び発酵処理の少なくとも一方の処理において、前記側部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、前記底部電熱ヒータ部を加熱作動させる点にある。
ここで、製パン処理における混練処理及び発酵処理の少なくとも一方の処理においては、焼成処理と比較して、パンケース内の製パン材料の膨張が少ない状態となっており、パンケース内において側壁部近傍に位置する製パン材料よりも底壁部近傍に位置する製パン材料の割合の方が多くなる。
上記特徴構成によれば、混練処理及び発酵処理の少なくとも一方の処理において、側部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、底部電熱ヒータ部を加熱作動させるので、製パン材料が比較的少ない量しか存在しないパンケースの側壁部の加熱は停止又は略停止し、一方で、製パン材料が比較的多く存在するパンケースの底壁部の加熱は継続することができ、製パン材料に対する効率的な加熱を実現することができる。
これにより、側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を適切に加熱作動して、製パン材料を適切に加熱しつつ、省エネを実現することができる。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、前記製パン処理における保温処理において、前記底部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる点にある。
上記特徴構成によれば、保温処理において、底部電熱ヒータ部の加熱作動が停止又は略停止されるので、パンケース内の底壁部近傍に位置する製パン材料のクラストが必要以上に硬くなることを防止することができ、また、側部電熱ヒータ部が加熱作動されるので、パンケース内の製パン材料の保温を確実に行うことができる。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、前記側部電熱ヒータ部が、前記パンケースの側壁部の外面に沿って上下方向で異なった位置に配設された複数の側部ヒータを備えて構成され、
前記製パン処理において前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、前記パンケース内に収容された前記製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、前記複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる点にある。
上記特徴構成によれば、製パン処理において側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、パンケース内に収容された製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、パンケースの側壁部の外面に沿って上下方向で異なった位置に配設された側部電熱ヒータ部としての複数の側部ヒータのうち、上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させるので、パンケース内の側壁部近傍における下方側に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該製パン材料のクラストが硬くなることを防止したり、パンケース内の側壁部近傍における上方側に位置する製パン材料への加熱を増加して、当該製パン材料の上方側への膨張を促進したりすることができる。
尚、複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させるとは、上方側に位置する側部ヒータの加熱量を増加することで、上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる概念を含む。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、シーズヒータにより構成される前記側部電熱ヒータ部が、前記加熱室内において、前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設されるとともに、シーズヒータにより構成される前記底部電熱ヒータ部が、前記加熱室内において、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側で且つ底壁部の下面よりも下側の領域内で、当該下面に対向する位置に配設されている点にある。
上記特徴構成によれば、加熱室内に設けられた加熱機構のうちシーズヒータにより構成される側部電熱ヒータ部が、パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設されているので、製パン処理において、当該側部電熱ヒータ部からの輻射熱によりパンケースの側壁部の外面を直接加熱でき、又、加熱室内の空気を加熱してパンケースを間接的に加熱することができる。
特に、加熱室内に設けられた加熱機構のうちシーズヒータにより構成される底部電熱ヒータ部が、パンケースの側壁部の外面よりも内側で且つ底壁部の下面よりも下側の領域内で、当該下面に対向する位置に配設されているので、製パン処理において、当該底部電熱ヒータ部からの輻射熱によりパンケースの側壁部の外面よりも内側に位置する当該パンケースの底壁部の下面を直接加熱でき、又、加熱室内の底部近傍の空気を加熱してパンケースを間接的に加熱することができる。
即ち、製パン処理において、側部電熱ヒータ部の輻射熱によりパンケースの側壁部の外面を直接加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ部の輻射熱によりパンケースの底壁部の下面を直接加熱することができ、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料を均一に加熱することができる。しかも、側部電熱ヒータ部により加熱室内の空気を加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ部により加熱室内の底部近傍の空気も加熱することができ、加熱室内の底部近傍を含む加熱室内全体を均一に加熱することができる。
これらにより、製パン処理において、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができる。
本発明に係る製パン機の運転方法の更なる特徴構成は、前記パンケースの底壁部には、当該パンケースの底壁部から内部に突出する回転軸と、前記回転軸に着脱自在に取り付けられて前記パンケース内に収容された前記製パン材料を混練する混練羽根とが設けられるとともに、前記ケーシングの底壁部には、当該ケーシングの底壁部から上方に突出して、前記パンケースの底壁部を前記加熱室内に固定した状態で保持する筒状のパンケース保持部と、前記パンケース保持部の内側に設けられて前記回転軸に回転駆動力を伝達する連結具とが設けられており、
前記側部電熱ヒータ部が、平面視で前記パンケースの側壁部の外面に沿う形状に形成されるとともに、前記底部電熱ヒータ部が、平面視で前記パンケース保持部の側壁部の外面に沿う形状に形成されている点にある。
ここで、パンケースの底壁部には、当該パンケースの底壁部から内部に突出する回転軸と、回転軸に着脱自在に取り付けられてパンケース内に収容された製パン材料を混練する混練羽根とが設けられ、ケーシングの底壁部には、当該ケーシングの底壁部から上方に突出して、パンケースの底壁部を加熱室内に固定した状態で保持する筒状のパンケース保持部と、パンケース保持部の内側に設けられて回転軸に回転駆動力を伝達する連結具とが設けられている。これら部材は熱容量が大きく、パンケースの底壁部(特に、底壁部の中央部近傍)は温度が上がりにくい。
上記特徴構成によれば、側部電熱ヒータ部が、平面視でパンケースの側壁部の外面に沿う形状に形成され、且つ、底部電熱ヒータ部が、平面視でパンケース保持部の側壁部の外面に沿う形状に形成されているので、製パン処理において、側部電熱ヒータ部によりパンケースの側壁部の外面を確実に加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ部によりパンケースの底壁部の下面及びパンケース保持部の側壁部の外面を加熱することができる。これにより、パンケースの側壁部及び底壁部を均一に加熱することができ、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍(特に、底壁部の中央部近傍)に位置する製パン材料を、より均一に加熱することができる。
製パン機の外観を示す斜視図 製パン機の縦断側面視図 製パン機の横断上面視図 パンケース保持部周辺の概略斜視図 製パン機の制御動作のタイムチャートを示す図
[第1実施形態]
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1〜図4に示すように、第1実施形態に係る製パン機50は、内部に製パン材料(図示せず)を収容する有底筒状のパンケース1と、開口部4を介して内部にパンケース1を収容する有底筒状のケーシングCを備えた本体2と、ケーシングCの開口部4を開閉自在な蓋体3と、ケーシングCと蓋体3とにより形成される加熱室5内を加熱する加熱機構6と、加熱機構6等の運転を制御する制御部7等とを備えて構成されている。
図2及び図3に示すように、本体2は、平面視において前後方向に若干長尺の概ね長方形状で、上部が開口し、底壁部2a及び側壁部2bを備えた有底箱状に形成されている。本体2内における前後方向及び左右方向の略中央位置には、前後方向に若干長尺の概ね長方形状で、上部に開口部4を備えた有底筒状のケーシングCが設けられている。そして、本体2内は概ね、ケーシングC内に形成される加熱室5と、ケーシングCの前方側(図2の左側)に形成される前方側空間8と、ケーシングCの後方側(図2の右側)に形成される後方側空間9と、それら加熱室5、前方側空間8及び後方側空間9の下方の伝動部収容空間10との四区画に仕切られている。
図1に示すように、本体2の上部には、前方側に操作部11及び表示部12が設けられている。操作部11には、製パン機50の運転開始及び停止(タイマー予約の開始及び停止を含む)を指令する運転キー(図示せず)のほかに、指定された焼き上がり時刻で製パンを完了するように予約するタイマー予約キー(図示せず)、時刻合わせキー(図示せず)、取消キー(図示せず)、焼き上げコースを選択するコース選択キー(図示せず)等が設けられている。表示部12には、液晶パネルが配設され、操作部11により指令された内容や、現在の製パン機50の運転状態(例えば、選択されている焼き上げコース)等を表示できるように構成されている。
本体2の上部には、操作部11及び表示部12の後方側に開口が形成されており、当該開口の後縁部2Aにヒンジ機構13が設けられている(図2参照)。ヒンジ機構13は、蓋体3を本体2の左右方向(図2の紙面表裏方向)に沿った揺動軸13a周りに揺動自在な状態で支持するように構成される。これにより、蓋体3が、本体2の開口及びケーシングCの開口部4を開閉自在に構成される。尚、蓋体3が、当該開口及び開口部4を閉鎖した状態では、操作部11及び表示部12の上面と蓋体3の前側の上面とは、なだらかに連続する前下がり状の傾斜面となるように構成されている。
図2に示すように、本体2の上部には、開口の後縁部2Aに設けられたヒンジ機構13よりも更に後方側に、即ち、本体2の上部の後方側端部に、当該ヒンジ機構13の配設箇所よりも下方側に窪んだ段部2Bが形成されている。当該段部2Bは、本体2の後端部において、本体2の左右方向(図2の紙面表裏方向)の全幅に亘って形成されている。
本体2の上部には、概略U字形状に形成されたハンドル14が設けられている。具体的には、概略U字形状のハンドル14の両端部14a、14aから内方側に向かって突出形成された突出部(図示せず)が、本体2の上部の開口の左右方向における側縁部(図示せず)の夫々に形成されたハンドル取付用の貫通孔(図示せず)に抜け止め状態で挿通されることで、ハンドル14が突出部を軸として本体2の左右方向(図2の紙面表裏方向)周りに回転自在に構成されている。これにより、ユーザが概略U字形状のハンドル14の中央部14bを把持することで、突出部を軸としてハンドル14を回転させて、ハンドル14を垂直姿勢とすることで本体2を持ち上げることができ、また、ハンドル14を水平姿勢にすることで当該中央部14bを本体2の上部に形成された段部2Bに載置することができる。即ち、当該段部2Bが、ハンドル受け部として機能することとなる。尚、ヒンジ機構13及び段部2Bの下部側の本体2の内部には、上述の後方側空間9が位置することとなる。
図2及び図3に示すように、ケーシングCは、有底筒状に形成され、平面視で、前後方向に若干長尺の概ね長方形状の板状で、略中央部分に円形開口部(図示せず)を有する底壁部C1と、概ね長方形状の角筒状に形成され、底壁部C1の外周縁部から一体的に上方に延出形成される側壁部C2とを備えて構成されている。なお、側壁部C2は、底壁部C1の外周縁部から一体的に上方に延出し、平面視で、四隅が丸みを帯びた形状の内側側壁部(図示せず)と、内側側壁部の外側を覆う状態で当該内側側壁部に固設され、平面視で、四隅が内側側壁部よりも角張った形状の外側側壁部(図示せず)との二重壁構造となっている。
底壁部C1の下部、即ち、伝動部収容空間10には、平面視で、前後方向に若干長尺の概ね長方形状で、ケーシングCの底壁部C1よりも前方側が長尺に形成され、且つ、正面視(前後方向視)で、概略逆U字形状に形成された土台部材15が設けられている。土台部材15は、ビス(図示せず)により本体2の底壁部2aに固定され、略中央部分に円形開口部(図示せず)を備えている。
図2〜図4に示すように、ケーシングCの底壁部C1の円形開口部及び土台部材15の円形開口部には、後述する電動モータ16からの回転駆動力を受けて従動回転する土台側従動軸17及び当該土台側従動軸17の軸受部18が配置されている。そして、軸受部18の上方側部位において径方向外方側に円形状に延出したフランジ部18aと、底壁部C1の円形開口部の周縁部と、土台部材の円形開口部の周縁部とが、上下方向に重なるように、上方側から記載した順序でビス19により固定されている。
軸受部18のフランジ部18aにおいてビス19により固定された部位よりも径方向内方側の位置には、円筒状のパンケース保持部18bが上方側に向けて突出形成されている。即ち、パンケース保持部18bは、後述する底部電熱ヒータ6Bが配設される高さ位置よりも高くなるように、ケーシングCの底壁部C1から上方に突出するように構成されている。これにより、使用者がパンケース1の底壁部1aをパンケース保持部18bに保持固定した場合、パンケース1の底壁部1aが底部電熱ヒータ6Bに当接することがなく、パンケース1の底壁部1aをパンケース保持部18bに良好に保持固定できると共に、底部電熱ヒータ6Bの破損を防止することができる。
又、円筒状のパンケース保持部18bには、直径方向で対向する箇所の夫々に、当該パンケース保持部18bの上方側端部から下方側に向かって延びる上下方向溝及び当該上下方向溝の下端部から円周方向に向かって延びる円周方向溝を備えたL字形状溝18cが形成されており、後述するパンケース1に設けられた一対の固定用ピン1Eを挿入して固定できるように構成されている(図4参照)。即ち、当該一対のL字形状溝18c及び一対の固定用ピン1Eは、パンケース1の底壁部1aをパンケース保持部18bに固定保持するためのバヨネット構造となっている。
軸受部18の中央部において相対回転自在に配置される土台側従動軸17の上端部には、土台側従動軸17を中心とする有底円筒状の連結具20が、円筒状のパンケース保持部18bの径方向内方側(内側)に位置する状態で、当該土台側従動軸17と一体的に回転するように取り付けられている。そして、連結具20には、土台側従動軸17周りで等間隔に配置され且つ上方側に突出する4つの係止部(図示せず)が設けられ、これら係止部間に、上方に向けて開く4つの凹部(図示せず)が形成されている(図4参照)。
又、図2に示すように、伝動部収容空間10には、軸受部18の前方側に設けられる電動モータ16と、軸受部18から下方に突出する土台側従動軸17の下端部に固定されて当該土台側従動軸17と一体的に回転自在なプーリ21と、電動モータ16の駆動軸16a及びプーリ21に亘って巻回されたタイミングベルト22と、軸受部18の後方側に設けられる電源コード収容部23とが設けられている。従って、電動モータ16により、土台側従動軸17及び連結具20が回転駆動されるように構成されている。
図2〜図4に示すように、パンケース1は、平面視において四隅が丸みを帯び前後方向に若干長尺の概ね長方形状(矩形状の一例)で、上部が開口し底壁部1a及び側壁部1bを備えた有底筒状に形成されている。パンケース1は、縦断面視で、底壁部1aと側壁部1bとの接続部が丸みを帯びた形状に形成されているが、当該接続部は底壁部1aの一部を構成するものとして説明する。又、パンケース1の上部の開口の縁部には取手1cが設けられている。パンケース1の底壁部1aの中央部の下面には、パンケース1を載置支持する円筒状のパンケース台1Aが一体的に取り付けられている。パンケース台1Aの外径は、パンケース保持部18bの内径よりも若干小径に構成されている。又、パンケース台1Aには、直径方向で対向する箇所の夫々に、パンケース台1Aの外面から径方向外方側に突出する固定用ピン1Eが突出形成されている。一対の固定用ピン1Eの先端部は、パンケース保持部18bの外径と同程度に突出しており、パンケース保持部18bのL字形状溝18cに挿入できるように構成されている。従って、パンケース1は、パンケース台1Aがパンケース保持部18bに内嵌され、且つ、パンケース台1Aの固定用ピン1Eがパンケース保持部18bのL字形状溝18cに挿入された状態で、ケーシングC内(加熱室5内)に装着される。
つまり、ケーシングCの底壁部C1には、ケーシングCの底壁部C1から上方に突出して、パンケース1の底壁部1aを加熱室5内に固定した状態で保持する筒状のパンケース保持部18bが設けられている。
又、パンケース1の底壁部1aの中央部には、パンケース側従動軸(回転軸の一例)1Bが、上下方向の軸心回りで回転自在に支持された状態で設けられ、パンケース側従動軸1Bにおけるパンケース1の底壁部1aから下方側に突出した突出部には、当該パンケース側従動軸1Bと一体的に回転する円盤状の従動側連結具1Cが固定されている。従動側連結具1Cは、直径方向で対向する箇所の夫々に、断面が概略逆U字形状の棒状体を備え、一対の棒状体がパンケース側従動軸1Bに直交する方向(径方向外方側)に延出するように構成されている。
従って、上述のように、パンケース台1Aがパンケース保持部18bに内嵌され、且つ、パンケース台1Aの固定用ピン1Eがパンケース保持部18bのL字形状溝18cに挿入された状態で、パンケース1がケーシングC内(加熱室5内)に装着されると、従動側連結具1Cの棒状体が連結具20の互いに対向する一対の凹部に嵌まり込むことにより、従動側連結具1Cと連結具20とが伝動連結されるように構成されている。
つまり、ケーシングCの底壁部C1には、パンケース側従動軸1Bに回転駆動力を伝達する連結具20が設けられていることとなる。
更に、図2に示すように、パンケース側従動軸1Bにおけるパンケース1内の底壁部1aから上方側(パンケース1の内部)に突出した部分には、混練羽根1Dが一体的に且つ着脱自在に装着される。混練羽根1Dは、パンケース1内において、パンケース側従動軸1B周りで当該パンケース側従動軸1Bとともに一体的に回転するように構成されている。これにより、パンケース1内の製パン材料を混練することができるように構成されている。
ケーシングCの側壁部C2の後方側(図2の右側)における外壁面には、公知の温度センサSが配設されており、当該側壁部C2の温度を検知して、後述する制御部7に出力可能に構成されている。なお、この温度センサSにより検知された温度は、加熱室5内(パンケース2内)の温度と同視することができる。
図1及び図2に示すように、蓋体3は、縦断面視で概略逆U字形状に形成され、上述のように、本体2の開口の後縁部2Aに設けられたヒンジ機構13により、ケーシングCの左右方向(図2の紙面表裏方向)に沿った揺動軸13a周りに揺動自在に設けられて、その揺動によりケーシングCの開口部4を開閉自在に構成されている。また、蓋体3は、図示しないが、上部に配設される外蓋と、下部に配設される内蓋としての遮熱板を備え、遮熱板によりケーシングCの開口部4を閉塞して、当該遮熱板とケーシングCとにより加熱室5を形成するように構成されている。
又、蓋体3の上面の後端部には、加熱室5と外部とを連通する蒸気口24が設けられている。
図2及び図3に示すように、制御部収容室8は、ケーシングCの側壁部C2の前方側に、遮熱板(図示せず)を介した状態で形成されている。制御部収容室8内の下方側には、加熱機構6や電動モータ16等の作動を制御して、製パン機50の運転を制御する制御部7が配設されている。図示しないが、制御部7は、公知の情報処理手段であるCPUや記憶部等を備えて構成され、また、電源から供給される電力を適切に各機器に供給可能に構成されている。
次に、加熱機構6の構成について説明する。
図2〜図4に示すように、加熱機構6は、長尺状で屈曲した環状のシーズヒータからなる側部電熱ヒータ(側部電熱ヒータ部の一例)6Aと、長尺状で屈曲した環状のシーズヒータからなる底部電熱ヒータ(底部電熱ヒータ部の一例)6Bとを備え、加熱室5内に配設されている。尚、本第1実施形態では、側部電熱ヒータ6Aにおける単位時間当たりの加熱量よりも底部電熱ヒータ6Bにおける単位時間当たりの加熱量の方が小さくなるように構成されているが、このような構成に限らず、両者の加熱量を同等にしてもよく、また、前者の加熱量よりも後者の加熱量の方が大きくなるように構成してもよい。
側部電熱ヒータ6Aは、平面視で、前後方向に若干長尺の概略長方形状(矩形状の一例)に形成され、一対の通電端子位置6a、6bがケーシングCの側壁部C2の角部(前後方向の後方側で且つ左右方向の左側の角部(図3の右上))に位置する状態で、当該側壁部C2の内面に沿うように側部ヒータ支持具25により支持固定されている。
従って、パンケース1がパンケース保持部18bに保持固定されると、側部電熱ヒータ6Aは、平面視で、加熱室5内において、有底筒状に形成されたパンケース1の側壁部1bの外面に沿うとともに、当該側壁部1bの外面よりも外側の領域X内で、且つ、当該外面に対向する位置に配設されることとなる(図2参照)。尚、当該領域Xは、図2では平面状領域のように表現されているが、実際には、パンケース1の側壁部1bの外面よりも外側に位置する環状の空間である。
底部電熱ヒータ6Bは、平面視で、円形状に形成され、一対の通電端子位置6c、6dがケーシングCにおける前方側の側壁部C2の中央部(前後方向の前方側で且つ左右方向の中央部(図3の下側中央部))に位置する状態で、パンケース保持部18bの側壁部の外面に沿うように一対の底部ヒータ支持具26により支持固定されている。
従って、パンケース1がパンケース保持部18bに保持固定されると、底部電熱ヒータ6Bは、平面視で、加熱室5内において、円形状に形成されたパンケース保持部18bの側壁部の外面に沿うとともに、パンケース1の側壁部1bの外面よりも内側で且つ底壁部1aの下面よりも下側の領域Y内で、且つ、当該下面に対向する位置に配設されることとなる(図2参照)。尚、当該領域Yは、図2では平面状領域のように表現されているが、実際には、パンケース保持部18bの側壁部の外面よりも内側に位置する環状の空間である。
又、側部電熱ヒータ6Aの一対の通電端子位置6a、6bと、底部電熱ヒータ6Bの一対の通電端子位置6c、6dとが、平面視で、ケーシングCの側壁部C2の内面に沿って相互に偏倚した位置に配置されることとなる(図3参照)。
次に、上述の構成の製パン機50の運転方法について説明する。
使用者が、蓋体3を開放してパンケース2内に製パン材料を入れたのち、蓋体3により開口部4を閉鎖して、操作部11の自動焼き上げスイッチを押圧することにより、運転開始を指令する。
すると、制御部7は、予め設定された運転状態で、電動モータ16を作動させて混練羽根1Dを回転させることによりパンケース1内の製パン材料を混練する混練工程(混練処理の一例)の後、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させてパンケース1内の製パン材料を発酵させる発酵工程(発酵処理の一例)を少なくとも1回実行し、更に、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させて製パン材料を焼き上げる焼成工程(焼成処理の一例)を順次自動的に実行し、パンを焼き上げる。即ち、制御部7は、パンケース1内に収容された製パン材料を製パンする製パン処理を実行して、製パンを行う。尚、製パン処理には、上述の混練工程、発酵工程及び焼成工程が含まれる。
各工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bの作動は制御部7により制御されるが、制御部7は、温度センサSにて検知された温度が各工程にそれぞれ設定された目標温度となるように、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bへの供給電力の断続及び供給電力量を調整する。つまり、制御部7が、発酵工程及び焼成工程の少なくとも一方の工程において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させるとともに、少なくとも発酵工程及び焼成工程の二つの処理に跨って、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させることとなる。
具体的には、発酵工程では、制御部7は、温度センサSから検出される温度が製パン材料の発酵に適した目標温度となるように、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bの両方に所定の供給電力量(通電率)で通電させ、所定の加熱量で加熱作動させる。又、焼成工程では、制御部7は、温度センサSから検出される温度が製パン材料の焼き上げに適した目標温度となるように、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bの両方に所定の供給電力量(通電率)で通電させ、所定の加熱量で加熱作動させる。
従って、側部電熱ヒータ6Aの輻射熱によりパンケース1の側壁部1bの外面を直接加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ6Bの輻射熱によりパンケース1の底壁部1aの下面を直接加熱することができ、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍(特に、底壁部1aの中央部近傍)に位置する製パン材料を均一に加熱することができる。しかも、側部電熱ヒータ6Aにより加熱室5内の空気を加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ6Bにより加熱室5内の底部近傍の空気も加熱することができ、加熱室5内の底部近傍を含む加熱室5内全体を均一に加熱することができる。
これらにより、発酵工程や焼成工程において、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
又、側部電熱ヒータ6Aの輻射熱によりパンケース1の側壁部1bの外面を確実に直接加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ6Bの輻射熱によりパンケース1の底壁部1aの下面及び熱容量の大きいパンケース保持部18bの側壁部の外面を直接加熱することができる。
これにより、パンケース1の側壁部1b及び底壁部1aを均一に加熱することができ、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍(特に、底壁部1aの中央部近傍)に位置する製パン材料を、より均一に加熱することができる。
更に、平面視で、側部電熱ヒータ6Aにおいて最も高温となる高温部と、底部電熱ヒータ6Bにおいて最も高温となる高温部とを、平面視で、ケーシングCの側壁部C2の内面に沿って相互に偏倚した位置に配置させることができ、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bにより、平面視で、加熱室5内の空気を、より一層均一に加熱することができる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、製パン機50の運転方法として、制御部7が、製パン処理としての混練工程、発酵工程及び焼成工程を順次自動的に実行するように構成され、発酵工程及び焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成について説明したが、製パン機50の運転方法としては、このような構成に限られるものではなく適宜変更することができる。
第2実施形態に係る製パン機50の運転方法では、図5のタイムチャートに示すように、制御部7が、製パン処理としての混練工程、発酵工程、焼成工程を順次自動的に実行するように構成され、焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成となっている。尚、図5では、製パン処理としての混練工程、発酵工程及び焼成工程における、側部電熱ヒータ6Aの加熱量(供給電力量)の時間経過に伴う推移、底部電熱ヒータ6Bの加熱量(供給電力量)の時間経過に伴う推移、電動モータ16の供給電力量(消費電力量)の時間経過に伴う推移を示している。
具体的には、図5に示すように、第2実施形態に係る製パン機50の運転方法では、制御部7は、予め設定された運転状態で、電動モータ16を作動させて混練羽根1Dを回転させることによりパンケース1内の製パン材料を混練する混練工程(混練処理の一例)の後、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させてパンケース1内の製パン材料を発酵させる発酵工程(発酵処理の一例)を実行し、更に、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させて製パン材料を焼き上げる焼成工程(焼成処理の一例)を順次自動的に実行し、パンを焼き上げる。即ち、制御部7は、パンケース1内に収容された製パン材料を製パンする製パン処理(図5では、約230分間)を実行して、製パンを行う。尚、製パン処理には、上述の混練工程、発酵工程及び焼成工程が含まれる。
混練工程は、所定の混練時間(図5では、約32分間)実行されるが、当該混練工程では、制御部7が、電動モータ16を作動させて混練羽根1Dを回転させ製パン材料を混練する第1混練工程(図5では、約12分間)、電動モータ16の作動を停止させて混練羽根1Dの回転を停止するねかし工程(図5では、約10分間)、電動モータ16を作動させて混練羽根1Dを回転させ製パン材料を混練する第2混練工程(図5では、約10分間)を順次実行する。
尚、図5に示す例では、制御部7は、混練工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動しないように制御している。
発酵工程は、所定の発酵時間(図5では、約148分間)実行されるが、当該発酵工程では、制御部7が、温度センサSにて検知された温度が製パン材料の発酵に適した第1発酵目標温度となるように、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続を行う第1発酵工程(図5では、約88分間)、温度センサSにて検知された温度が第1発酵目標温度よりも高く且つ製パン材料の発酵に適した第2発酵目標温度となるように、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続を行う第2発酵工程(図5では、約60分間)を順次実行する。
図5に示す例では、第1発酵工程において、温度センサSにて検知された温度が第1発酵目標温度を超えているため、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力はゼロ(OFF)のままであるが、第2発酵工程において、温度センサSにて検知された温度が第2発酵目標温度よりも低い場合があったため、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続(ON−OFF)が行われている。
尚、図5に示す例では、制御部7は、第1発酵工程及び第2発酵工程において夫々所定時間ずつ(10秒程度ずつ)電動モータ16を作動させ、混練羽根1Dを回転させて製パン材料のガス抜きを実行するように制御している。
焼成工程は、所定の焼成時間(図5では、約50分間)実行されるが、当該焼成工程では、制御部7が、温度センサSにより検知された温度が製パン材料の焼成に適した焼成目標温度となるように、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bへの供給電力の断続を行う第1焼成工程(図5では、約20分間)、底部電熱ヒータ6Bへの電力の供給を停止し且つ側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続を行う第2焼成工程(図5では、約30分間)を順次実行する。
つまり、制御部7は、焼成工程において、第1焼成工程では側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させた後、第2焼成工程では側部電熱ヒータ6Aを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させつつ、底部電熱ヒータ6Bの加熱量(供給電力量)を減少させる(ゼロとする)制御を実行する。
尚、図5に示す例では、制御部7は、焼成工程において、電動モータ16の作動を停止させ、混練羽根1Dの回転を停止させるように制御している。
これにより、パンケース1内に収容された製パン材料を製パンする製パン処理において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させるので、側部電熱ヒータ6Aによりパンケース1の側壁部1bの外面を加熱できることに加えて、底部電熱ヒータ6Bによりパンケース1の底壁部1aの下面を加熱することができ、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍(特に、底壁部1aの中央部近傍)に位置する製パン材料を均一に加熱することができる。
従って、製パン処理において、製パン処理に応じた適切な部位への適切な加熱が可能となり、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができ、製パン材料の均一な発酵や膨張、クラスト(パンケース1の内面に接触するパンの耳の部分)の柔らかなパンの提供、省エネの実現等を行うことができる。
即ち、焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを所定の加熱量で加熱作動させるので、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させて、焼成を行うことができる。
更に、焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを所定の加熱量で加熱作動させた後、底部電熱ヒータ6Bの加熱量を減少させるので、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料をできるだけ均一に膨張するように加熱した後は、パンケース1内の底壁部1a近傍に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該底壁部1a近傍に位置する製パン材料のクラストが硬くなることを防止できるとともに、パンケース1内の側壁部1b近傍に位置する製パン材料への加熱を継続して、当該側壁部1b近傍に位置する製パン材料の上方側への膨張を促進することができる。
従って、パンケース1内に収容された製パン材料を、できるだけ均一に加熱でき、均一に膨張させることができ、しかも、焼き上げられたパンのクラストをできるだけ柔らかくするとともに、省エネも実現することができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、製パン機50の運転方法として、制御部7が、発酵工程及び焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成について説明し、上記第2実施形態では、製パン機50の運転方法として、制御部7が、発酵工程において、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させ、且つ、焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成について説明したが、製パン機50の運転方法としては、このような構成に限られるものではなく適宜変更することができる。
第3実施形態に係る製パン機50の運転方法では、制御部7が、製パン処理としての混練工程、発酵工程、焼成工程を順次自動的に実行するように構成され、混練工程及び発酵工程において、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ、且つ、底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成となっている。この場合、焼成工程では、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bの一方又は両方を加熱作動させる構成としてもよいが、本第3実施形態では、焼成工程の第1焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止し且つ底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させ、第2焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させ且つ底部電熱ヒータ6Bの加熱作動を停止している。
ここで、製パン処理における混練工程及び発酵工程においては、焼成工程と比較して、パンケース1内の製パン材料の膨張が少ない状態となっており、パンケース1内において側壁部1b近傍に位置する製パン材料よりも底壁部1a近傍に位置する製パン材料の割合の方が多くなる。
従って、混練工程及び発酵工程において、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ、且つ、底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させるので、製パン材料が比較的少ない量しか存在しないパンケース1の側壁部1bの加熱は停止し、一方で、製パン材料が比較的多く存在するパンケース1の底壁部1aの加熱は継続することができ、製パン材料に対する効率的な加熱を実現することができる。
これにより、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを適切に加熱作動して、製パン材料を適切に加熱しつつ、省エネを実現することができる。
尚、混練工程及び発酵工程の何れか一方の工程において、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ、且つ、底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成としてもよく、また、発酵工程において、発酵があまり進行しておらず製パン材料の膨張が比較的少ない発酵工程の初期段階である第1発酵工程では、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ且つ底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させ、製パン材料の膨張が比較的大きくなる第2発酵工程では、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させ且つ底部電熱ヒータ6Bの加熱作動を停止又は加熱作動させるように構成することもできる。更に、側部電熱ヒータ6Aを完全に停止させずに、ある程度の加熱量で加熱作動(略停止)させる構成としてもよい。
[第4実施形態]
上記第1〜第3実施形態では、制御部7が、製パン処理として混練工程、発酵工程、焼成工程を順次実行する構成について説明したが、製パン処理として混練工程、発酵工程、焼成工程、保温工程を順次実行する構成とし、これら工程のうち、少なくとも一つの工程において、又は少なくとも二つの工程に跨って、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させる構成としてもよい。
例えば、制御部7が、保温工程において、底部電熱ヒータ6Bの加熱作動を停止させ、且つ、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させるように構成することができる。
これにより、保温工程において、底部電熱ヒータ6Bの加熱作動が停止されるので、パンケース1内の底壁部1a近傍に位置する製パン材料のクラストが必要以上に硬くなることを防止することができ、また、側部電熱ヒータ6Aが加熱作動されるので、パンケース1内の製パン材料の保温を確実に行うことができる。
尚、保温工程において、底部電熱ヒータ6Bを完全に停止させずに、ある程度の加熱量で加熱作動(略停止)させる構成としてもよい。
[別実施形態]
(A)上記第1〜第4実施形態では、加熱機構6を構成する際に、一つの長尺状のシーズヒータからなる長方形状の側部電熱ヒータ6A(側部電熱ヒータ部の一例)をパンケース1の側壁部1bの外面に沿うように設け、一つの長尺状のシーズヒータからなる円形状の底部電熱ヒータ6B(底部電熱ヒータ部の一例)をパンケース保持部18bの側壁部の外面に沿うように設けた。
しかしながら、側部電熱ヒータ部が、有底筒状に形成されたパンケース1の側壁部1bの外面よりも外側の領域X内に配設され、底部電熱ヒータ部が、パンケース1の側壁部1bの外面よりも内側の領域Y内に配設される構成であれば、加熱機構6の側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部として、その他の構成を採用することができる。
(A−1)例えば、側部電熱ヒータ6Aを一つ又は二つ以上設けるとともに、底部電熱ヒータ6Bを一つ又は二つ以上設ける構成としてもよい。又、一つのシーズヒータで、側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を構成してもよい。
又、例えば、側部電熱ヒータ部を、複数の側部ヒータ(図示せず)により構成することもできる。
この場合、例えば、各側部ヒータを、上述の側部電熱ヒータ6Aと同様の構成のシーズヒータにより構成し、各側部ヒータを、パンケース1の側壁部1bの外面に沿って上下方向で異なった位置に配設した製パン機とすることができる。そして、このような製パン機の運転方法においては、制御部7が、製パン処理において側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、パンケース1内に収容された製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる構成とすることができる。
これにより、パンケース1内の側壁部1b近傍における下方側に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該製パン材料のクラストが硬くなることを防止したり、パンケース1内の側壁部1b近傍における上方側に位置する製パン材料への加熱を増加して、当該製パン材料の上方側への膨張を促進したりすることができる。
尚、複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させるとは、上方側に位置する側部ヒータの加熱量を増加することで、上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる概念を含む。
更に、例えば、底部電熱ヒータ部を、複数の底部ヒータ(図示せず)により構成することもできる。
この場合、例えば、各底部ヒータを、上述の底部電熱ヒータ6Bと同様の構成のシーズヒータにより構成し、各底部ヒータを、パンケース1の底壁部1aの下面に沿って同心円状に異なった位置に配設した製パン機とすることができる。そして、このような製パン機の運転方法においては、制御部7が、製パン処理の焼成工程において底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させる際、複数の底部ヒータの全部を加熱作動させた後、複数の底部ヒータの一部の加熱量を減少させる或いは複数の底部ヒータの全部の加熱量を減少させる構成とすることができる。尚、各底部ヒータの加熱量(単位時間当たりの加熱能力)は、同一であってもよいし、異なるように構成してもよい。
これにより、焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aと複数の底部ヒータとを所定の加熱量で加熱作動させた後、複数の底部ヒータの加熱量を減少させるので、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料をできるだけ均一に膨張するように加熱した後は、パンケース1内の底壁部1a近傍に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該底壁部1a近傍に位置する製パン材料のクラストが硬くなることを防止できるとともに、パンケース1内の側壁部1b近傍に位置する製パン材料への加熱を増加して、当該側壁部1b近傍に位置する製パン材料の上方側への膨張を促進することができる。
従って、パンケース1内に収容された製パン材料を、できるだけ均一に加熱でき、均一に膨張させることができ、しかも、焼き上げられたパンのクラストをできるだけ柔らかくするとともに、省エネも実現することができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
(A−2)例えば、側部電熱ヒータ6Aを、平面視で、円形状、正方形状及び多角形状等の環状に構成してもよく、パンケース1の外壁部1bの外面に沿うように構成しなくてもよい。又、底部電熱ヒータ6Bを、平面視で、長方形状、正方形状及び多角形状等の環状に構成してもよく、パンケース保持部18bの外壁部の外面に沿うように構成しなくてもよい。
(A−3)例えば、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを縦断面視で水平に設ける構成に限らず、水平から所定角度傾斜するように設ける構成としてもよい。
(A−4)例えば、側部電熱ヒータ6Aの一対の通電端子位置6a、6bと底部電熱ヒータ6Bの一対の通電端子位置6c、6dとを、ケーシングCの側壁部C2の内面に沿って相互に偏倚した位置に配置せず、同一或いは近傍位置に配置することもできる。
(A−5)例えば、側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を、シーズヒータ以外の加熱手段により構成することもできる。
具体的には、側部電熱ヒータ部をケーシングCの周壁部C2の外面側又は内面側に巻きつけたバンドヒータにより構成し、底部電熱ヒータ部をケーシングCの底壁部C1の外面側又は内面側に貼り付けたバンドヒータにより構成することもできる。この場合、パンケース保持部18bを省略し、底壁部C1の中央部に凹部を形成して、当該凹部にパンケース1の底壁部1aにおけるパンケース台1Aを嵌合装着することもでき、底部電熱ヒータ部としてのバンドヒータを当該凹部の周縁部に設ける構成とすることもできる。
又、底部電熱ヒータ部を、パンケース1の底壁部1aを載置するパンケース保持台としての加熱板により構成することもできる。
更に、側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を、IHコイルにより構成することもできる。
(B)上記第1〜第4実施形態では、パンケース1を平面視で長方形状に形成し、ケーシングCの側壁部C2を平面視で長方形状に形成し、本体2を平面視で長方形状に形成したが、これら形状は適宜変更することができる。例えば、平面視で正方形状や円形状に構成することもできる。
(C)上記第1〜第4実施形態では、パンケース側従動軸1B及び混練羽根1Dをパンケース1に夫々一つずつ設ける構成としたが、複数個設ける構成としてもよい。又、平面視におけるパンケース保持部18bの形状は円形状のみならず、楕円形状、多角形状及び矩形状等に適宜変更することができる。尚、本明細書において、矩形状とは、正方形状や長方形状を含む概念である。
(D)上記第1〜第3実施形態では、製パン処理として混練工程、発酵工程及び焼成工程を実行する構成の製パン機について説明したが、このような構成に限らず、例えば、製パン処理として焼成処理のみを実行する焼成専用の製パン機や製パン処理として発酵処理のみを実行する発酵専用の製パン機であってもよい。
(E)上記第1実施形態では、製パン処理としての発酵工程及び焼成工程の夫々において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを同時に加熱作動させたが、同時加熱に限らず、製パン処理としての発酵工程及び焼成工程の少なくとも一方の工程中において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとの加熱作動時期を相互にずらすように加熱作動させることもできる。
(F)上記第1〜第4実施形態では、製パン処理において各工程から各工程への切り換えの処理や、各工程の終了のための処理を制御部7により行わせるように構成して、制御部7により製パン処理が自動的に実行されるように構成したが、製パン処理を使用者による手動操作により実行するように構成しても良い。
(G)上記第1〜第4実施形態では、制御部7が、製パン処理の各工程において、温度センサSの検出温度が各工程に応じた目標温度になるように側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bの作動を制御する制御形式としてオンオフ制御を用いたが、比例制御、PID制御等、他の制御を用いても良い。
(H)上記第2実施形態では、制御部7は、焼成工程において、第1焼成工程では、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bへの供給電力の断続を行って、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させ、その後、第2焼成工程では、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続を行って、側部電熱ヒータ6Aを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させつつ、底部電熱ヒータ6Bの加熱量(供給電力量)を減少させる(ゼロとする)制御を実行するように構成した。これに対して、例えば、第1焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bへの供給電力の断続を行わずに、一定の最大供給電力量の供給を行って最大加熱量で加熱作動させ、その後、第2焼成工程では、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続(或いは、一定の電力の供給)を行って、側部電熱ヒータ6Aを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させつつ、底部電熱ヒータ6Bへの供給電力の断続は、第1焼成工程における底部電熱ヒータ6Bの最大加熱量(最大供給電力)よりも減少させた状態(ゼロではない状態)で行って、底部電熱ヒータ6Bを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させる制御を実行するように構成することもできる。
なお、上記の各実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以上説明したように、有底筒状のパンケース内に収容された製パン材料を、できるだけ均一に加熱でき、均一に膨張させることができる製パン機の運転方法を提供することができる。また、焼き上げられたパンのクラストをできるだけ柔らかくしたり、省エネを実現したりすることのできる製パン機の運転方法を提供することができる。
1 パンケース
1a 底壁部(パンケース)
1b 側壁部(パンケース)
1B パンケース側従動軸(回転軸)
1D 混練羽根
2 本体
2a 底壁部(本体)
2b 側壁部(本体)
3 蓋体
4 開口部
5 加熱室
6 加熱機構
6a 通電端子位置
6b 通電端子位置
6c 通電端子位置
6d 通電端子位置
6A 側部電熱ヒータ(側部電熱ヒータ部)
6B 底部電熱ヒータ(底部電熱ヒータ部)
18b パンケース保持部
20 連結具
50 製パン機
C ケーシング
C1 底壁部(ケーシング)
C2 側壁部(ケーシング)

Claims (4)

  1. 内部に製パン材料を収容する有底筒状のパンケースと、開口部を介して内部に前記パンケースを収容する有底筒状のケーシングを備えた本体と、前記ケーシングの開口部を開閉自在な蓋体と、前記パンケースを加熱する加熱機構とを備えた製パン機の運転方法であって、
    前記本体内に配設される前記加熱機構が、有底筒状に形成された前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設される側部電熱ヒータ部と、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側の領域内に配設される底部電熱ヒータ部とを備え、
    前記パンケース内に収容された前記製パン材料を製パンする製パン処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させ
    前記製パン処理における焼成処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させた後、前記底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させる製パン機の運転方法。
  2. 内部に製パン材料を収容する有底筒状のパンケースと、開口部を介して内部に前記パンケースを収容する有底筒状のケーシングを備えた本体と、前記ケーシングの開口部を開閉自在な蓋体と、前記パンケースを加熱する加熱機構とを備えた製パン機の運転方法であって、
    前記本体内に配設される前記加熱機構が、有底筒状に形成された前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設される側部電熱ヒータ部と、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側の領域内に配設される底部電熱ヒータ部とを備え、
    前記パンケース内に収容された前記製パン材料を製パンする製パン処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させ
    前記製パン処理における混練処理及び発酵処理の少なくとも一方の処理において、前記側部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、前記底部電熱ヒータ部を加熱作動させる製パン機の運転方法。
  3. 前記製パン処理における保温処理において、前記底部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる請求項1又は2に記載の製パン機の運転方法。
  4. 前記側部電熱ヒータ部が、前記パンケースの側壁部の外面に沿って上下方向で異なった位置に配設された複数の側部ヒータを備えて構成され、
    前記製パン処理において前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、前記パンケース内に収容された前記製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、前記複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる請求項1〜のいずれか1項に記載の製パン機の運転方法。
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