JP6118687B2 - 製パン機の運転方法 - Google Patents
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Description
そして、特許文献1に記載の製パン機では、混練工程、発酵工程、焼成工程及び保温工程を行う際に、加熱室内を適切に加熱するために、加熱機構として複数の電熱ヒータを加熱室内に設ける構成とされている。
前記本体内に配設される前記加熱機構が、有底筒状に形成された前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設される側部電熱ヒータ部と、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側の領域内に配設される底部電熱ヒータ部とを備え、
前記パンケース内に収容された前記製パン材料を製パンする製パン処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させる点にある。
従って、製パン処理において、製パン処理に応じた適切な部位への適切な加熱が可能となり、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、例えば、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができ、例えば、製パン材料の均一な発酵や膨張、クラスト(パンケースの内面に接触するパンの耳の部分)の柔らかなパンの提供、省エネの実現等を行うことができる。
尚、パンケースの底壁部とは、有底筒状のパンケースの底部を形成する底壁であり、パンケースの側壁部とは、当該パンケースの底部の外周側に連続して上方に立ち上がる側壁であるが、底壁部と側壁部との接続部分が縦断面視で丸みを帯びた形状に形成されている場合には、当該接続部分は、底壁部の一部を構成するものとする。
又、例えば、発酵処理において底部電熱ヒータ部を加熱作動させ、且つ、焼成処理において側部電熱ヒータを加熱作動させるように構成したり、或いは、混練処理、発酵処理及び焼成処理において側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を加熱作動させ、且つ、保温処理において側部電熱ヒータ部を加熱作動させ、底部電熱ヒータ部を停止又は略停止させるように構成したりすることができる。
従って、製パン処理において、製パン処理に応じた適切な部位への一層適切な加熱が可能となり、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、例えば、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができ、例えば、製パン材料の均一な発酵や膨張、クラストの柔らかなパンの提供、省エネの実現等を行うことができる。
又、焼成処理とは、製パン材料を焼き上げる焼成処理のみを実行するように構成された焼成専用の製パン機にて実行される焼成処理のみならず、パンケース内に配設された混練羽根の回転によりパンケース内の製パン材料を混練する混練工程、製パン材料を発酵させる発酵工程、製パン材料を焼き上げる焼成工程、焼き上げたパンを保温する保温工程等を順次自動的に実行するように構成された製パン機にて実行される焼成工程も含む概念である。
又、焼成処理において、側部電熱ヒータ部と底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させた後、底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させるので、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料をできるだけ均一に膨張するように加熱した後は、パンケース内の底壁部近傍に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該底壁部近傍に位置する製パン材料のクラストが硬くなることを防止できるとともに、パンケース内の側壁部近傍に位置する製パン材料への加熱を継続して、当該側壁部近傍に位置する製パン材料の上方側への膨張を促進することができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
上記特徴構成によれば、混練処理及び発酵処理の少なくとも一方の処理において、側部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、底部電熱ヒータ部を加熱作動させるので、製パン材料が比較的少ない量しか存在しないパンケースの側壁部の加熱は停止又は略停止し、一方で、製パン材料が比較的多く存在するパンケースの底壁部の加熱は継続することができ、製パン材料に対する効率的な加熱を実現することができる。
これにより、側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を適切に加熱作動して、製パン材料を適切に加熱しつつ、省エネを実現することができる。
前記製パン処理において前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、前記パンケース内に収容された前記製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、前記複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる点にある。
尚、複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させるとは、上方側に位置する側部ヒータの加熱量を増加することで、上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる概念を含む。
これらにより、製パン処理において、パンケース内の側壁部近傍及び底壁部近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができる。
前記側部電熱ヒータ部が、平面視で前記パンケースの側壁部の外面に沿う形状に形成されるとともに、前記底部電熱ヒータ部が、平面視で前記パンケース保持部の側壁部の外面に沿う形状に形成されている点にある。
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1〜図4に示すように、第1実施形態に係る製パン機50は、内部に製パン材料(図示せず)を収容する有底筒状のパンケース1と、開口部4を介して内部にパンケース1を収容する有底筒状のケーシングCを備えた本体2と、ケーシングCの開口部4を開閉自在な蓋体3と、ケーシングCと蓋体3とにより形成される加熱室5内を加熱する加熱機構6と、加熱機構6等の運転を制御する制御部7等とを備えて構成されている。
つまり、ケーシングCの底壁部C1には、ケーシングCの底壁部C1から上方に突出して、パンケース1の底壁部1aを加熱室5内に固定した状態で保持する筒状のパンケース保持部18bが設けられている。
つまり、ケーシングCの底壁部C1には、パンケース側従動軸1Bに回転駆動力を伝達する連結具20が設けられていることとなる。
又、蓋体3の上面の後端部には、加熱室5と外部とを連通する蒸気口24が設けられている。
図2〜図4に示すように、加熱機構6は、長尺状で屈曲した環状のシーズヒータからなる側部電熱ヒータ(側部電熱ヒータ部の一例)6Aと、長尺状で屈曲した環状のシーズヒータからなる底部電熱ヒータ(底部電熱ヒータ部の一例)6Bとを備え、加熱室5内に配設されている。尚、本第1実施形態では、側部電熱ヒータ6Aにおける単位時間当たりの加熱量よりも底部電熱ヒータ6Bにおける単位時間当たりの加熱量の方が小さくなるように構成されているが、このような構成に限らず、両者の加熱量を同等にしてもよく、また、前者の加熱量よりも後者の加熱量の方が大きくなるように構成してもよい。
使用者が、蓋体3を開放してパンケース2内に製パン材料を入れたのち、蓋体3により開口部4を閉鎖して、操作部11の自動焼き上げスイッチを押圧することにより、運転開始を指令する。
各工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bの作動は制御部7により制御されるが、制御部7は、温度センサSにて検知された温度が各工程にそれぞれ設定された目標温度となるように、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bへの供給電力の断続及び供給電力量を調整する。つまり、制御部7が、発酵工程及び焼成工程の少なくとも一方の工程において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させるとともに、少なくとも発酵工程及び焼成工程の二つの処理に跨って、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させることとなる。
これらにより、発酵工程や焼成工程において、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
これにより、パンケース1の側壁部1b及び底壁部1aを均一に加熱することができ、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍(特に、底壁部1aの中央部近傍)に位置する製パン材料を、より均一に加熱することができる。
上記第1実施形態では、製パン機50の運転方法として、制御部7が、製パン処理としての混練工程、発酵工程及び焼成工程を順次自動的に実行するように構成され、発酵工程及び焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成について説明したが、製パン機50の運転方法としては、このような構成に限られるものではなく適宜変更することができる。
第2実施形態に係る製パン機50の運転方法では、図5のタイムチャートに示すように、制御部7が、製パン処理としての混練工程、発酵工程、焼成工程を順次自動的に実行するように構成され、焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成となっている。尚、図5では、製パン処理としての混練工程、発酵工程及び焼成工程における、側部電熱ヒータ6Aの加熱量(供給電力量)の時間経過に伴う推移、底部電熱ヒータ6Bの加熱量(供給電力量)の時間経過に伴う推移、電動モータ16の供給電力量(消費電力量)の時間経過に伴う推移を示している。
尚、図5に示す例では、制御部7は、混練工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動しないように制御している。
図5に示す例では、第1発酵工程において、温度センサSにて検知された温度が第1発酵目標温度を超えているため、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力はゼロ(OFF)のままであるが、第2発酵工程において、温度センサSにて検知された温度が第2発酵目標温度よりも低い場合があったため、側部電熱ヒータ6Aへの供給電力の断続(ON−OFF)が行われている。
尚、図5に示す例では、制御部7は、第1発酵工程及び第2発酵工程において夫々所定時間ずつ(10秒程度ずつ)電動モータ16を作動させ、混練羽根1Dを回転させて製パン材料のガス抜きを実行するように制御している。
つまり、制御部7は、焼成工程において、第1焼成工程では側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させた後、第2焼成工程では側部電熱ヒータ6Aを所定の加熱量(所定の供給電力量)で加熱作動させつつ、底部電熱ヒータ6Bの加熱量(供給電力量)を減少させる(ゼロとする)制御を実行する。
尚、図5に示す例では、制御部7は、焼成工程において、電動モータ16の作動を停止させ、混練羽根1Dの回転を停止させるように制御している。
従って、製パン処理において、製パン処理に応じた適切な部位への適切な加熱が可能となり、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料を、できるだけ同時に所望の温度にまで加熱でき、且つ、できるだけ均一に膨張させることができ、製パン材料の均一な発酵や膨張、クラスト(パンケース1の内面に接触するパンの耳の部分)の柔らかなパンの提供、省エネの実現等を行うことができる。
更に、焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを所定の加熱量で加熱作動させた後、底部電熱ヒータ6Bの加熱量を減少させるので、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料をできるだけ均一に膨張するように加熱した後は、パンケース1内の底壁部1a近傍に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該底壁部1a近傍に位置する製パン材料のクラストが硬くなることを防止できるとともに、パンケース1内の側壁部1b近傍に位置する製パン材料への加熱を継続して、当該側壁部1b近傍に位置する製パン材料の上方側への膨張を促進することができる。
従って、パンケース1内に収容された製パン材料を、できるだけ均一に加熱でき、均一に膨張させることができ、しかも、焼き上げられたパンのクラストをできるだけ柔らかくするとともに、省エネも実現することができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
上記第1実施形態では、製パン機50の運転方法として、制御部7が、発酵工程及び焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成について説明し、上記第2実施形態では、製パン機50の運転方法として、制御部7が、発酵工程において、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させ、且つ、焼成工程において、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成について説明したが、製パン機50の運転方法としては、このような構成に限られるものではなく適宜変更することができる。
ここで、製パン処理における混練工程及び発酵工程においては、焼成工程と比較して、パンケース1内の製パン材料の膨張が少ない状態となっており、パンケース1内において側壁部1b近傍に位置する製パン材料よりも底壁部1a近傍に位置する製パン材料の割合の方が多くなる。
従って、混練工程及び発酵工程において、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ、且つ、底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させるので、製パン材料が比較的少ない量しか存在しないパンケース1の側壁部1bの加熱は停止し、一方で、製パン材料が比較的多く存在するパンケース1の底壁部1aの加熱は継続することができ、製パン材料に対する効率的な加熱を実現することができる。
これにより、側部電熱ヒータ6A及び底部電熱ヒータ6Bを適切に加熱作動して、製パン材料を適切に加熱しつつ、省エネを実現することができる。
尚、混練工程及び発酵工程の何れか一方の工程において、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ、且つ、底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させる構成としてもよく、また、発酵工程において、発酵があまり進行しておらず製パン材料の膨張が比較的少ない発酵工程の初期段階である第1発酵工程では、側部電熱ヒータ6Aの加熱作動を停止させ且つ底部電熱ヒータ6Bを加熱作動させ、製パン材料の膨張が比較的大きくなる第2発酵工程では、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させ且つ底部電熱ヒータ6Bの加熱作動を停止又は加熱作動させるように構成することもできる。更に、側部電熱ヒータ6Aを完全に停止させずに、ある程度の加熱量で加熱作動(略停止)させる構成としてもよい。
上記第1〜第3実施形態では、制御部7が、製パン処理として混練工程、発酵工程、焼成工程を順次実行する構成について説明したが、製パン処理として混練工程、発酵工程、焼成工程、保温工程を順次実行する構成とし、これら工程のうち、少なくとも一つの工程において、又は少なくとも二つの工程に跨って、側部電熱ヒータ6Aと底部電熱ヒータ6Bとを加熱作動させる構成としてもよい。
例えば、制御部7が、保温工程において、底部電熱ヒータ6Bの加熱作動を停止させ、且つ、側部電熱ヒータ6Aを加熱作動させるように構成することができる。
これにより、保温工程において、底部電熱ヒータ6Bの加熱作動が停止されるので、パンケース1内の底壁部1a近傍に位置する製パン材料のクラストが必要以上に硬くなることを防止することができ、また、側部電熱ヒータ6Aが加熱作動されるので、パンケース1内の製パン材料の保温を確実に行うことができる。
尚、保温工程において、底部電熱ヒータ6Bを完全に停止させずに、ある程度の加熱量で加熱作動(略停止)させる構成としてもよい。
(A)上記第1〜第4実施形態では、加熱機構6を構成する際に、一つの長尺状のシーズヒータからなる長方形状の側部電熱ヒータ6A(側部電熱ヒータ部の一例)をパンケース1の側壁部1bの外面に沿うように設け、一つの長尺状のシーズヒータからなる円形状の底部電熱ヒータ6B(底部電熱ヒータ部の一例)をパンケース保持部18bの側壁部の外面に沿うように設けた。
しかしながら、側部電熱ヒータ部が、有底筒状に形成されたパンケース1の側壁部1bの外面よりも外側の領域X内に配設され、底部電熱ヒータ部が、パンケース1の側壁部1bの外面よりも内側の領域Y内に配設される構成であれば、加熱機構6の側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部として、その他の構成を採用することができる。
又、例えば、側部電熱ヒータ部を、複数の側部ヒータ(図示せず)により構成することもできる。
この場合、例えば、各側部ヒータを、上述の側部電熱ヒータ6Aと同様の構成のシーズヒータにより構成し、各側部ヒータを、パンケース1の側壁部1bの外面に沿って上下方向で異なった位置に配設した製パン機とすることができる。そして、このような製パン機の運転方法においては、制御部7が、製パン処理において側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、パンケース1内に収容された製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる構成とすることができる。
これにより、パンケース1内の側壁部1b近傍における下方側に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該製パン材料のクラストが硬くなることを防止したり、パンケース1内の側壁部1b近傍における上方側に位置する製パン材料への加熱を増加して、当該製パン材料の上方側への膨張を促進したりすることができる。
尚、複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させるとは、上方側に位置する側部ヒータの加熱量を増加することで、上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる概念を含む。
更に、例えば、底部電熱ヒータ部を、複数の底部ヒータ(図示せず)により構成することもできる。
この場合、例えば、各底部ヒータを、上述の底部電熱ヒータ6Bと同様の構成のシーズヒータにより構成し、各底部ヒータを、パンケース1の底壁部1aの下面に沿って同心円状に異なった位置に配設した製パン機とすることができる。そして、このような製パン機の運転方法においては、制御部7が、製パン処理の焼成工程において底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させる際、複数の底部ヒータの全部を加熱作動させた後、複数の底部ヒータの一部の加熱量を減少させる或いは複数の底部ヒータの全部の加熱量を減少させる構成とすることができる。尚、各底部ヒータの加熱量(単位時間当たりの加熱能力)は、同一であってもよいし、異なるように構成してもよい。
これにより、焼成工程において、側部電熱ヒータ6Aと複数の底部ヒータとを所定の加熱量で加熱作動させた後、複数の底部ヒータの加熱量を減少させるので、パンケース1内の側壁部1b近傍及び底壁部1a近傍に位置する製パン材料をできるだけ均一に膨張するように加熱した後は、パンケース1内の底壁部1a近傍に位置する製パン材料への加熱を抑制して、当該底壁部1a近傍に位置する製パン材料のクラストが硬くなることを防止できるとともに、パンケース1内の側壁部1b近傍に位置する製パン材料への加熱を増加して、当該側壁部1b近傍に位置する製パン材料の上方側への膨張を促進することができる。
従って、パンケース1内に収容された製パン材料を、できるだけ均一に加熱でき、均一に膨張させることができ、しかも、焼き上げられたパンのクラストをできるだけ柔らかくするとともに、省エネも実現することができる。
よって、焼き上がったパンの底部が硬くなったり、パンの大きさが小さくなってしまったりすることを良好に防止して、ふっくらした所望の大きさのパンを得ることができる。
具体的には、側部電熱ヒータ部をケーシングCの周壁部C2の外面側又は内面側に巻きつけたバンドヒータにより構成し、底部電熱ヒータ部をケーシングCの底壁部C1の外面側又は内面側に貼り付けたバンドヒータにより構成することもできる。この場合、パンケース保持部18bを省略し、底壁部C1の中央部に凹部を形成して、当該凹部にパンケース1の底壁部1aにおけるパンケース台1Aを嵌合装着することもでき、底部電熱ヒータ部としてのバンドヒータを当該凹部の周縁部に設ける構成とすることもできる。
又、底部電熱ヒータ部を、パンケース1の底壁部1aを載置するパンケース保持台としての加熱板により構成することもできる。
更に、側部電熱ヒータ部及び底部電熱ヒータ部を、IHコイルにより構成することもできる。
1a 底壁部(パンケース)
1b 側壁部(パンケース)
1B パンケース側従動軸(回転軸)
1D 混練羽根
2 本体
2a 底壁部(本体)
2b 側壁部(本体)
3 蓋体
4 開口部
5 加熱室
6 加熱機構
6a 通電端子位置
6b 通電端子位置
6c 通電端子位置
6d 通電端子位置
6A 側部電熱ヒータ(側部電熱ヒータ部)
6B 底部電熱ヒータ(底部電熱ヒータ部)
18b パンケース保持部
20 連結具
50 製パン機
C ケーシング
C1 底壁部(ケーシング)
C2 側壁部(ケーシング)
Claims (4)
- 内部に製パン材料を収容する有底筒状のパンケースと、開口部を介して内部に前記パンケースを収容する有底筒状のケーシングを備えた本体と、前記ケーシングの開口部を開閉自在な蓋体と、前記パンケースを加熱する加熱機構とを備えた製パン機の運転方法であって、
前記本体内に配設される前記加熱機構が、有底筒状に形成された前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設される側部電熱ヒータ部と、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側の領域内に配設される底部電熱ヒータ部とを備え、
前記パンケース内に収容された前記製パン材料を製パンする製パン処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させ、
前記製パン処理における焼成処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部とを所定の加熱量で加熱作動させた後、前記底部電熱ヒータ部の加熱量を減少させる製パン機の運転方法。 - 内部に製パン材料を収容する有底筒状のパンケースと、開口部を介して内部に前記パンケースを収容する有底筒状のケーシングを備えた本体と、前記ケーシングの開口部を開閉自在な蓋体と、前記パンケースを加熱する加熱機構とを備えた製パン機の運転方法であって、
前記本体内に配設される前記加熱機構が、有底筒状に形成された前記パンケースの側壁部の外面よりも外側の領域内に配設される側部電熱ヒータ部と、前記パンケースの側壁部の外面よりも内側の領域内に配設される底部電熱ヒータ部とを備え、
前記パンケース内に収容された前記製パン材料を製パンする製パン処理において、前記側部電熱ヒータ部と前記底部電熱ヒータ部との両方を加熱作動させ、
前記製パン処理における混練処理及び発酵処理の少なくとも一方の処理において、前記側部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、前記底部電熱ヒータ部を加熱作動させる製パン機の運転方法。 - 前記製パン処理における保温処理において、前記底部電熱ヒータ部の加熱作動を停止又は略停止させ、且つ、前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる請求項1又は2に記載の製パン機の運転方法。
- 前記側部電熱ヒータ部が、前記パンケースの側壁部の外面に沿って上下方向で異なった位置に配設された複数の側部ヒータを備えて構成され、
前記製パン処理において前記側部電熱ヒータ部を加熱作動させる際、前記パンケース内に収容された前記製パン材料の上方向への膨張状態に応じて、前記複数の側部ヒータのうち上方側に位置する側部ヒータの加熱量に対して下方側に位置する側部ヒータの加熱量を相対的に減少させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の製パン機の運転方法。
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