JP6116511B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動変速機の制御装置に関する。
自動変速機は、一般に遊星歯車機構と、クラッチ、ブレーキといった係合機構とを備え、係合機構により動力伝達経路を切り換えることで各変速段を実現している。係合機構としては、油圧式係合機構の他、機械式係合機構の採用も提案されており、特に、ツーウエイクラッチをブレーキとして用いた構成が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2012−154425号公報
ツーウエイクラッチは、これに接続される回転要素を、一方向の回転のみ許容する状態と、双方向の回転を規制する状態とに切り替え可能である。双方向の回転を規制する状態に切り替える際には、ツーウェイクラッチに接続される回転要素がケーシングに固定された状態となることから、この回転要素が回転しているときに切り替えると異音や振動の発生やツーウエイクラッチの破損の要因となる。
そこで、この回転要素が回転しているか否かをセンサで検知し、回転要素の静止を確認した上で、切り替えを行うことが考えられる。しかし、センサが故障している場合には、回転要素の回転又は静止を誤認する場合がある。
本発明の目的は、自動変速機の構成要素の回転数を検知するセンサの故障の有無を判定することにある。
本発明によれば、自動変速機の制御装置であって、前記自動変速機は、トルクコンバータを介して内燃機関の駆動力が入力される入力軸と、複数の回転要素を備える複数の遊星歯車機構と、前記回転要素間、前記入力軸と前記回転要素との間、又は、前記回転要素とケーシングとの間、のいずれかを連結可能な複数の係合機構と、前記入力軸の回転数を検知するセンサと、を備え、前記複数の係合機構は、所定の前記回転要素と前記ケーシングとの間に設けられた機械式係合機構を含み、前記機械式係合機構は、前記所定の回転要素の一方向の回転のみ規制する一方向回転許容状態と、前記所定の回転要素の双方向の回転を規制する回転阻止状態と、に切り替え可能であり、前記制御装置は、変速段を後進段とする場合に、前記入力軸及び前記所定の回転要素の回転数が0となるように前記複数の係合機構のうちの所定の係合機構を制御する準備処理を実行する準備処理手段と、前記準備処理の後、前記機械式係合機構を前記回転阻止状態に切り替える切替処理を実行する切替処理手段と、前記内燃機関の出力トルクを特定する出力トルク特定手段と、前記内燃機関の回転数及び前記トルクコンバータの容量係数に基づくストールトルクを特定するストールトルク特定手段と、前記準備処理が実行された場合における、前記センサの検知結果と、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクと、前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、に基づいて、前記センサが故障か否かを判定する判定手段と、を備える、ことを特徴とする制御装置が提供される。
この構成によれば、前記トルクコンバータの性質を利用して、前記入力軸の回転数を検知する前記センサの故障の有無を判定することができる。
本発明においては、前記判定手段は、前記入力軸の回転数が0とみなせる値を前記センサの検知結果が示す時に前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクよりも、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクが低い場合に、前記センサが故障であると判定してもよく、或いは、前記判定手段は、前記入力軸の回転数が0ではないとみなせる値を前記センサの検知結果が示す時に前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクとが等しいとみなせる場合に、前記センサが故障であると判定してもよい。
これらの構成によれば、トルクコンバータの出力側の回転数が0か否かによる入力側のトルクの性質を利用して前記センサの故障の有無を判定することができる。
また、本発明においては、前記判定手段は、前記センサの検知結果と、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクと、前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、が所定の関係にある状態が一定期間継続した場合に前記センサが故障であると判定し、前記一定期間の間、前記切替処理の実行が規制されてもよい。
この構成によれば、異音や振動の発生や前記機械式係合機構の破損を防止できる。
また、本発明においては、前記切替処理手段は、前記判定手段が前記センサが故障していないと判定した場合は、第1の条件が成立した場合に前記機械式係合機構を前記回転阻止状態に切り替え、前記判定手段が前記センサが故障していると判定した場合は、第2の条件が成立した場合に前記機械式係合機構を前記回転阻止状態に切り替え、前記第1の条件は、前記入力軸の回転数が0とみなせる値を前記センサの検知結果が示すことを少なくとも含み、前記第2の条件は、前記センサの検知結果を含まない条件であってもよい。
この構成によれば、前記センサが故障している場合であっても、後進段へのシフトが可能となる。
また、本発明によれば、トルクコンバータを介して内燃機関の駆動力が入力される入力軸と、前記入力軸の回転数を検知するセンサと、を備える自動変速機の制御装置であって、前記内燃機関の出力トルクを特定する出力トルク特定手段と、前記内燃機関の回転数及び前記トルクコンバータの容量係数に基づくストールトルクを特定するストールトルク特定手段と、前記センサの検知結果と、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクと、前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、に基づいて、前記センサが故障か否かを判定する判定手段と、を備える、ことを特徴とする制御装置が提供される。
この構成によれば、前記トルクコンバータの性質を利用して、前記入力軸の回転数を検知する前記センサの故障の有無を判定することができる。
本発明によれば、自動変速機の構成要素の回転数を検知するセンサの故障の有無を判定することができる。
本発明の一実施形態に係る自動変速機のスケルトン図。 (A)は係合機構の係合表の例を示す図、(B)は遊星歯車機構のギヤレシオを示す図。 図1の自動変速機の速度線図。 (A)は図1の自動変速機の制御装置の例を示すブロック図、(B)は油圧センサの配設例を示す図。 後進段選択時の処理の概要説明図。 (A)はトルクコンバータの性質の説明図、(B)入力回転数とEGトルクとの関係を示す図。 (A)及び(B)は故障判定方法の説明図。 図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 (A)及び(B)は入力回転数センサの検知結果を用いない切替条件例の説明図。 (A)及び(B)は入力回転数センサの検知結果を用いない切替条件例の説明図。 図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 (A)及び(B)は図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。 (A)及び(B)は図4の制御装置の処理例を示すフローチャート。
図1は本発明の一実施形態に係る自動変速機1のスケルトン図である。図1を参照して、自動変速機1は、その変速機ケースを構成するケーシング12内に回転自在に軸支された入力軸10と、ケーシング12に支持された支持部材12aに、入力軸10と同軸回りに回転自在に支持された出力部材11と、を備える。
入力軸10には、内燃機関EG(単にEGと呼ぶ場合がある)からの動力が入力され、該動力により入力軸10は回転する。入力軸10と内燃機関EGとの間には発進デバイスが設けられている。発進デバイスとしては、クラッチタイプの発進デバイス(単板クラッチや多板クラッチ等)や、流体継手タイプの発進デバイス(トルクコンバータ等)を挙げることができるが、本実施形態では、トルクコンバータTCを設けている。したがって、内燃機関EGの駆動力はトルクコンバータTCを介して入力軸10に入力される。
出力部材11は、入力軸10と同心の出力ギヤを備え、入力軸10の回転は以下に述べる変速機構により変速されて出力部材11に伝達される。出力部材11の回転は、例えば、不図示のカウンタ軸、差動歯車装置を介して駆動輪に伝達されることになる。
自動変速機1は変速機構として、遊星歯車機構P1乃至P4と、係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1を備える。本実施形態の場合、遊星歯車機構P1乃至P4はいずれもシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
回転要素は合計で12個設けられている。遊星歯車機構P1乃至P4は、サンギヤS1乃至S4と、リングギヤR1乃至R4と、ピニオンギヤを支持するキャリアCr1乃至Cr4と、を回転要素として備え、入力軸10と同軸上に配設されている。
後述する図3の速度線図におけるギヤレシオに対応する間隔での並び順で順序付けを行うと、遊星歯車機構P1のサンギヤS1、キャリアCr1、リングギヤR1を、この順に、第1の回転要素、第2の回転要素、第3の回転要素、と呼ぶことができる。同様に、遊星歯車機構P2のリングギヤR2、キャリアCr2、サンギヤS2を、この順に、第4の回転要素、第5の回転要素、第6の回転要素、と呼ぶことができる。同様に、遊星歯車機構P3のサンギヤS3、キャリアCr3、リングギヤR3を、この順に、第7の回転要素、第8の回転要素、第9の回転要素、と呼ぶことができる。同様に、遊星歯車機構P4のリングギヤR4、キャリアCr4、サンギヤS4を、この順に、第10の回転要素、第11の回転要素、第12の回転要素、と呼ぶことができる。
係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1は、遊星歯車機構P1乃至P4の所定の回転要素間、入力軸10と所定の回転要素との間、又は、所定の回転要素とケーシング12との間、のいずれかを解除可能に連結する。本実施形態の場合、係合機構C1〜C3はクラッチであり、係合機構B1〜B3及びF1はブレーキである。係合機構C1〜C3及びB1〜B3を係合状態(締結状態)と解除状態とで切り換えることで、また、係合機構F1の状態を切り替えることで、入力軸10から出力部材11への動力伝達経路が切り換えられ、複数の変速段が実現される。
本実施形態の場合、係合機構C1〜C3及びB1〜B3は、いずれも摩擦式の油圧式係合機構を想定している。摩擦式の油圧式係合機構としては、乾式又は湿式の単板クラッチ、乾式又は湿式の多板クラッチ等が挙げられる。
係合機構F1は、所定の回転要素(ここではキャリアCr1、Cr2)とケーシング12との間に設けられ、所定の回転要素(キャリアCr1、Cr2)の一方向の回転のみ規制する一方向回転許容状態と、その双方向の回転を規制する回転阻止状態と、その双方向の回転を許容する双方向回転許容状態と、に切り替え可能な機械式係合機構である。係合機構F1としては、例えば、公知のツーウェイクラッチを採用可能である。公知のツーウェイクラッチとしては、その電磁アクチュエータ或いは油圧供給の制御により、一方向回転許容状態、回転阻止状態、及び、双方向回転許容状態に切り替えることが可能であり、一方向回転許容状態は更に、正方向の回転許容状態と逆方向の回転許容状態とに切り替え可能であるが、本実施形態では一方向回転許容状態は片側の回転方向の許容状態のみ利用する。
次に、各構成間の連結関係について図1を参照して説明する。
遊星歯車機構P3のサンギヤS3は、入力軸10に連結されている。リングギヤR3は遊星歯車機構P2のサンギヤS2に連結されている。キャリアCr3は遊星歯車機構P1のリングギヤR1及び遊星歯車機構P4のキャリアCr4に連結されている。遊星歯車機構P2のキャリアCr2は遊星歯車機構P1のキャリアCr1に連結されている。リングギヤR2は出力部材11に連結されている。
クラッチC1は入力軸10と遊星歯車機構P1のキャリアCr1(及びこれに連結されるキャリアCr2)とを連結及び連結解除する。クラッチC2は、遊星歯車機構P3のリングギヤR3と遊星歯車機構P4のサンギヤS4とを連結及び連結解除する。クラッチC3は入力軸10と遊星歯車機構P4のリングギヤR4とを連結及び連結解除する。
ブレーキB1はケーシング12と遊星歯車機構P1のサンギヤS1とを連結及び連結解除する。ブレーキB2はケーシング12と遊星歯車機構P4のサンギヤS4とを連結及び連結解除する。ブレーキB3はケーシング12と遊星歯車機構P4のリングギヤR4とを連結及び連結解除する。
ブレーキF1はケーシング12と遊星歯車機構P2のキャリアCr2(及びこれに連結されるキャリアCr1)とを連結及び連結解除する。連結解除の場合、ブレーキF1は双方向回転許容状態にある。連結の場合、ブレーキF1は一方向回転許容状態又は回転阻止状態にある。
次に、図2(A)は自動変速機1が備える係合機構の係合表(締結表)、図2(B)は自動変速機1が備える遊星歯車機構のギヤレシオ、図3は自動変速機1の速度線図である。
図2(A)1の係合表の例において、「○」は係合状態(構成間を連結する状態)であることを示し、無印は解除状態であることを示す。ブレーキF1については、「○」は回転阻止状態であることを示し、「△」は一方向回転許容状態であることを示し、無印は双方向回転許容状態であることを示す。回転阻止状態及び一方向回転許容状態は係合状態と呼ぶことにする。「ギヤレシオ」は入力軸10−出力部材11間のギヤレシオを示す。
自動変速機1では、各変速段において係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1のうちの3つを係合状態とすることで、前進10段、後進1段(RVS)の変速段を実現している。
図3の速度線図は、入力軸10への入力に対する各要素の、各変速段における回転速度比を示している。縦軸は速度比を示し、「1」が入力軸10と同回転数であることを示し、「0」は停止状態であることを示す。横軸は遊星歯車機構P1〜P4の回転要素間のギアレシオに基づいている。λはキャリアCrとサンギヤSとのギヤレシオを示している。
<制御装置>
図4は自動変速機1の制御装置100のブロック図である。制御装置100は自動変速機1だけでなく、内燃機関EGやトルクコンバータTCの各制御も行うことが可能であるが、本実施形態の場合、内燃機関EGは制御装置100とは別に設けたエンジンECU200により制御される構成を想定している。制御装置100はエンジンECU200から内燃機関EGの各種情報を受信することができる。
制御装置100は、CPU等の処理部101と、RAM、ROM等の記憶部102と、外部デバイスやエンジンECUと処理部101とをインターフェースするIF部103と、を備える。IF部103は例えば通信インタフェースや入出力インタフェース等から構成される。
処理部101は記憶部102に記憶されたプログラムを実行し、各種のセンサ110の検出結果に基づいて、各種のアクチュエータ120を制御する。
各種のセンサ110には、自動変速機1に設けられる各種のセンサが含まれるが、後述する制御例との関係では、例えば、入力回転数センサ111、SP(シフトポジション)センサ112、油圧センサ113が含まれる。入力回転数センサ111は入力軸10の回転数を検知するセンサである。SPセンサ112は運転者が選択した変速段を検知する。油圧センサ113には、係合機構C1〜C3、B1〜B3の各作動油圧を検知するセンサが含まれる。
各種のアクチュエータ120には、自動変速機1に設けられる各種のアクチュエータが含まれるが、後述する制御例との関係では、係合機構C1〜C3、B1〜B3及びF1の動作状態を切り替える電磁ソレノイド等の電磁アクチュエータが含まれる。
図4(B)は油圧センサ113の配設例を示す。油圧センサ113は、例えば、係合機構C1〜C3、B1〜B3毎に設けられる。これにより各係合機構の作動油圧を検知することができる。各係合機構に対応する油圧センサ113を区別する場合の表記の仕方として、以下の説明では、例えば、係合機構C1の油圧センサ113を示す場合、C1油圧センサ113と示し、また、係合機構B1の油圧センサ113を示す場合、B1油圧センサ113等と示す場合がある。
各係合機構には、作動油を供給する電磁弁LSが割り当てられており、作動油の供給ラインLを電磁弁LSで開放又は遮断することで、係合機構の係合、解放を切り替えることができる。油圧センサ113は電磁弁LSから係合機構に供給される作動油が供給されるように設けられ、油圧センサ113の検知結果は係合機構に供給される作動油の油圧を示すことになる。
<後進段への切替制御>
本実施形態の場合、前進段(例えば1速段)から後進段に切り替える際、図2(A)に示したように、ブレーキF1は回転阻止状態に切り替えられる。この時、異音の発生や振動低減のため、ブレーキF1のケーシング12側と、キャリアCr2側との差回転が0(略0でよい。)であることが好ましい。換言するとキャリアCr1、Cr2の回転数が0であることが好ましい。
そこで、キャリアCr1、Cr2の回転数が0となる係合機構の組み合わせを経由させる。この時、キャリアCr1、Cr2の回転数を直接計測するセンサはないことから、キャリアCr1、Cr2と入力軸10とを連結状態とし、入力回転数センサ111の検知結果等からキャリアCr1、Cr2の回転数が0であることを確認する。その後、ブレーキF1を回転阻止状態に切り替える。
図5は、変速段を前進1速段から後進段に切り替える際の係合機構の係合動作を示す。変速段が前進1速段にある場合、図2(A)に示したようにブレーキB1、B2が係合状態にあり、ブレーキF1は一方向回転許容状態にある。まず、図6の段階1に示すように、ブレーキB1、B2を係合解除状態に制御し、ニュートラル状態とする。ブレーキB1、B2の係合解除が完了すると、次の段階2に移行する。
段階2では、クラッチC1、C3及びブレーキB3を係合する。図3の速度線図から明らかなように、クラッチC3及びブレーキB3を係合することで、入力軸10はケーシング12に固定された状態となる。クラッチC1を係合することでキャリアCr2、Cr4が入力軸10に連結された状態となる。
所定の条件が成立すると、次の段階3に移行する。所定の条件は、キャリアCr1、Cr2の回転数が0であることが確認される条件である。基本的には、入力回転数センサ111の検知結果<規定値(0とみなせる値)で、クラッチC1の係合完了である。クラッチC1の係合完了は、C1油圧センサ113の検知結果により判断してもよいし、クラッチC1用の電磁弁LSに対する制御量が規定値に達した場合に係合が完了したとみなしてもよい。
段階3では、ブレーキF1を一方向回転許容状態から回転阻止状態に切り替える。ブレーキF1のケーシング12側と、キャリアCr2側との差回転が0であるため、異音や振動が発生することを回避できる。ブレーキF1の切り替えが完了すると、段階4に進む。段階4では、クラッチC1、ブレーキB3を解除し、ブレーキB2を係合する。以上により、後進段の組み合わせが成立する(図2(A))。
段階2及び3の処理を準備処理と呼び、段階4の処理をRVSインギア処理と呼ぶ場合がある。制御上、段階1が完了した段階(ニュートラル状態)で変速段の制御状態として準備モードを設定し、準備モードが設定されると準備処理を行う。また、段階3が完了した段階で変速段の制御状態としてRVSインギアモードを設定し、RVSインギアモードが設定されるとRVSインギア処理を行う。このようなモード設定は例えば記憶部102にモード情報の記憶領域を設けて管理する。
<入力回転数センサの故障判定>
入力回転数センサ111が故障している場合、図5の段階2から段階3へ移行させるための判定が正確に行えなくなる。そこで、入力回転数センサ111の故障を判定する。本実施形態ではトルクコンバータTCの性質を利用して入力回転数センサ111の故障を判定する。
トルクコンバータTCが非ロックアップ状態においては下記の運動方程式が成立する。
I・α=T−τ(e)×{NE/1000}2
I:内燃機関EG及びトルクコンバータTCのイナーシャ、α:内燃機関EGの角加速度、T:内燃機関EGの出力トルク、τ(e):トルクコンバータTCの容量係数、e=入力軸10の回転数/内燃機関EGの回転数、NE:内燃機関EGの回転数。
変速段を前進1速段からニュートラルを経由して後進段に切り替える際、内燃機関EGを定速で駆動することを前提とすると、α=0であるので、イナーシャ、フリクションが無視できるとすると、
T=τ(e)×{NE/1000}2
が成立する。
一方、容量係数τ(e)は図6(A)に示す特性を有している。上記のとおり、e=入力軸10の回転数/内燃機関EGの回転数であるので、内燃機関EGの回転数=一定で、入力軸10の回転数が減少すると、図6(A)の破線矢印で示すように、容量係数τ(e)が変化し、入力軸10の回転数=0でτ(0)となる。このときの内燃機関EGのトルクをストールトルクSTと呼び、ST=τ(0)×{NE/1000}2で表すことができる。つまり、ストールトルクSTは、内燃機関EGの回転数及びトルクコンバータTCの容量係数から導かれる。
このようなトルクコンバータTCの性質から、図5に示した手順で変速段を後進段に切り替える際、入力軸10の回転数とエンジンEGのトルク(トルクコンバータTCのポンプトルク)は図6(B)に示す特性を有している。
まず、シフトポジションが前進段からニュートラル(N)を経由して後進段(R)に切り替えられると、変速段の制御状態としてはニュートラル状態の後に準備モードが設定され、準備処理としてまず図5の段階2の処理が行われる。このとき、入力軸10はケーシング12に固定されるので、その回転数は0へ減速される。内燃機関EGが定速駆動されていると、図6(A)で示したように容量係数τ(e)が増加し、したがって、内燃機関EGのトルクが上昇する。入力軸10の回転数が0に維持されると、内燃機関EGのトルクはストールトルクSTで安定する。なお、入力軸の回転がフリーとなるパーキングレンジから後進段に切り替えられる場合も同様である。
準備処理中、入力軸10の回転数と、内燃機関EGのトルクとがこのような関係にあることから、入力回転数センサ111の検知結果が、これに反する結果の場合、入力回転数センサ111の故障と判定することが可能となる。
図7(A)は入力回転数センサ111が故障によって、その検知結果として、回転数=0を出力しつづけている場合を例示している。既に述べたとおり、入力軸10の回転数が0の場合、内燃機関EGのトルクはストールトルクSTであるはずである。図7(A)の例の場合、区間P1において、入力軸10の回転数が0と検知されているのに、内燃機関EGのトルクはストールトルクSTに達していない。したがって、入力回転数センサ111が故障していると判定できる。
図7(B)は入力回転数センサ111が故障によって、その検知結果として、0より大きい値(固定値又は変動値)を出力しつづけている場合を例示している。既に述べたとおり、内燃機関EGのトルクがストールトルクSTである場合、入力軸10の回転数が0のであるはずである。図7(B)の例の場合、区間P2において、内燃機関EGのトルクはストールトルクSTで安定しているのに、入力軸10の回転数の検知結果が0ではない。したがって、入力回転数センサ111が故障していると判定できる。
こうして、トルクコンバータTCの出力側の回転数が0か否かによる入力側のトルクの性質を利用して入力回転数センサ111の故障の有無を判定することができる。
<処理例>
処理部101が実行する処理例について説明する。
<準備処理>
始めに図8を参照して準備処理の例を説明する。本実施形態では、準備処理において入力回転数センサ111の故障を判定し、その判定結果に応じてブレーキF1の切替処理の種類を通常制御と故障時制御とで分岐させる。通常制御と故障時制御とではブレーキF1の回転阻止状態への切替条件が異なる。
S1ではタイマ減算処理を行う。ここでは、後述する各種のタイマを一単位減算する。S2では現在の制御状態が準備モードか否かを判定する。準備モードである場合はS3へ進み、準備モードで無い場合はS8へ進む。
S3では、その後の処理で用いる内燃機関EGの関連値の特定や、センサ値の特定を行う。内燃機関EGの関連値としては、例えば、内燃機関EGの出力トルク、内燃機関EGの回転数、ストールトルクSTが挙げられる。内燃機関EGの出力トルク、内燃機関EGの回転数はエンジンECU200から受信して特定してもよいし、制御装置100側で演算して特定してもよい。制御装置100側で演算する場合、例えば、内燃機関EGの吸気量、回転数の検知結果をこれらのセンサから取得できるように構成して演算することができる。ストールトルクSTも同様である。センサ値としては、例えば、入力回転数センサ111の検知結果の取得や、油圧センサ113の検知結果の取得を挙げることができる。
S4では入力回転数センサ111が故障しているか否かを判定する処理を行う。詳細は後述する。S5ではS4の判定結果が故障か否かを判定する。故障でない場合はS6へ進み、故障である場合はS7へ進む。S6ではブレーキF1の切替処理として通常制御を実行し、S7では故障時制御を実行する。詳細は後述する。
S8では初期設定を行う。ここでは、後述する各種のタイマに対する初期値の設定や、各種設定値の初期化等を行う。以上により一単位の処理が終了する。
<故障判定>
図9はS4の故障判定処理の例を示すフローチャートである。同図は、図7(A)で示した入力回転数センサ111の検知結果が常時0の故障を判定する例を示している。
S11ではブレーキF1が既に回転阻止状態に切り替わっているか否かを判定する。該当する場合はS18へ進み、該当しない場合(これから回転阻止状態に切り替える場合)はS12へ進む。S18では判定タイマに初期値を設定する。判定タイマは図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S12では入力回転数センサ111の検知結果が、入力軸の回転数が0とみなせる値(例えば0に近い所定値未満)を示すか否かを判定する。該当する場合はS13へ進み、該当しない場合はS18へ進む。
S13では内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上か否かを判定する。規定トルクは、内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに到達しているか否かが判定できる値を設定する。内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上の場合、入力回転数センサ111は故障していないと判定し、S17へ進む。S17では入力回転数センサ111は正常であると設定してS18へ進み。
内燃機関EGの出力トルクが規定トルク未満の場合(規定トルクよりも低い場合)、直ちに入力回転数センサ111が故障していると判定することもできる。しかし、内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに到達するのに時間(例えば数秒未満)を要する場合も想定される。そこで、本実施形態では、判定タイマで計時する規定時間中、内燃機関EGの出力トルクが規定トルク未満の状態が継続した場合に確定的に故障と判定する。
S13で内燃機関EGの出力トルクが規定トルク未満の場合、S14へ進む。S14では判定タイマが0か(規定時間が経過したか)を判定する。0の場合はS15へ進み、入力回転数センサ111が確定的に故障であることを設定する。0でない場合は、故障の可能性があるものの、判定中であるとしてS16へ進む。S16では切替規制を設定する。この設定により、ブレーキF1が回転阻止状態に切り替えられることが規制される。これにより異音や振動の発生やブレーキF1の破損を防止できる。以上により、一単位の処理が終了する。
図10はS4の故障判定処理の別例を示すフローチャートである。同図は、図7(B)で示した入力回転数センサ111の検知結果が常時0より大きい値を出力する故障を判定する例を示している。
S21ではブレーキF1が既に回転阻止状態に切り替わっているか否かを判定する。該当する場合はS31へ進み、該当しない場合(これから回転阻止状態に切り替える場合)はS22へ進む。S31ではディレイタイマ及び判定タイマに初期値を設定する。ディレイタイマ及び判定タイマは図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S22では入力回転数センサ111の検知結果が、入力軸の回転数が0とみなせる値(例えば0に近い所定値未満)を示すか否かを判定する。該当する場合はS31へ進み、該当しない場合はS23へ進む。
S23では、図5の段階2の状態が成立したか否かを確認するため、C1油圧センサ113、C3油圧センサ113及びB3油圧センサの各検知結果が、規定油圧(係合状態に相当する油圧)以上に達しているか否かを判定する。該当する場合はS24へ進み、該当しない場合はS31へ進む。
S24ではディレイタイマが0か(規定時間が経過したか)を判定する。該当する場合はS25へ進み、該当しない場合はS30へ進む。ディレイタイマは、図5の段階2の状態が成立してから所定時間の経過を計時するためのタイマであり、図5の段階2の状態が確定的に成立していることを確認するためのタイマである。S30では判定タイマに初期値を設定する。
S25では内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上か否かを判定する。規定トルクは、内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに到達しているか否かが判定できる値を設定する。内燃機関EGの出力トルクが規定トルク未満の場合、入力回転数センサ111は故障していないと判定し、S29へ進む。S29では入力回転数センサ111は正常であると設定して一単位の処理を終了する。
内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上の場合、内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに等しいとみなすことができ、図7(B)の区間P2の状態が発生していることになる。この場合、直ちに入力回転数センサ111が故障していると判定することもできるが、図9の例と同様、判定タイマで計時する規定時間中、内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上の状態が継続した場合に確定的に故障と判定する。
S25で内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上の場合、S26へ進む。S26では判定タイマが0か(規定時間が経過したか)を判定する。0の場合はS27へ進み、入力回転数センサ111が確定的に故障であることを設定する。0でない場合は、故障の可能性があるものの、判定中であるとしてS28へ進む。S28では切替規制を設定する。この設定により、ブレーキF1が回転阻止状態に切り替えられることが規制される。以上により、一単位の処理が終了する。
以上の2例では、図7(A)の故障例の場合と、図7(B)の故障例の場合とを別々に判定するものとしたが、S4の故障判定処理としては、図7(A)の故障例の場合と、図7(B)の故障例の場合との双方を判定可能な内容としてもよい。
<通常制御>
図8のS6の通常制御の例について図11を参照して説明する。入力回転数センサ111の故障が確定的ではないと判定された場合における、ブレーキF1の切り替え処理である。
S41では内燃機関EGのトルク制限を実行する。例えば、内燃機関EGにより油圧式係合機構の油圧を発生させている場合、必要油圧が確保される範囲で出力を減少させるよう、エンジンECU200に指示する。準備処理では内燃機関EGの出力トルクが大きい必要はないので、これを小さくするものである。
S42ではブレーキF1の回転阻止状態への切り替えが完了したか否かを判定する。該当する場合はS47へ進む。S47では制御状態として準備モードの設定を解除し、S48ではRVSインギヤモードを設定する。これにより上述したRVSインギヤ処理が実行されることになる。
S43では、図5の段階2で説明したように、クラッチC1、C3及びブレーキB3を係合する制御を行う。S44では所定の条件が成立したか否かを判定する。ここでの条件は、入力回転数センサ111が示す入力軸10の回転数が0とみなせる値であること、及び、クラッチC1の係合が完了していること(例えば、C1油圧センサ113の検知結果≧規定油圧)等を挙げることができる。所定の条件が成立している場合はS45へ進み、そうでない場合(C1、C3、B3の係合完了待ち)は、一単位の処理を終了する。
S45では、切替規制が設定中であるか否かを判定する。設定中である場合は、入力回転数センサ111の故障の可能性があり、その判定中であるため、一単位の処理を終了する。設定中でない場合はS46へ進む。S46ではブレーキF1を回転阻止状態へ切り替える。その後、一単位の処理を終了する。
このように、入力回転数センサ111が確定的に故障していると判定されていない場合は、入力回転数センサ111の検知結果を含む条件でブレーキF1の切り替えを行っている。
<故障時制御>
<概要>
図8のS7の故障時制御の例について説明する。入力回転数センサ111が故障している場合、後進段への切り替え自体を行わない制御も採用可能であるが、ドライバの利便性に欠ける場合がある。そこで、本実施形態では入力回転数センサ111が故障している場合でも後進段への切り替えを可能とする。故障時制御では、通常制御とは異なり、入力回転数センサ111の検知結果を含まない条件の成立でブレーキF1の切り替え処理を実行する。換言すると、自動変速機1がそもそも入力回転数センサ111自体を備えない構成であっても、この故障時制御と同様の処理を行うことで、同等の制御を行えることになる。
既に述べたとおり、ブレーキF1の切り替え条件は、キャリアCr1、Cr2の回転数が0であることにあり、したがって、入力軸10の回転数が0であることにあった。図12(A)、(B)及び図13は入力軸10の回転数を参照せずに入力軸10、キャリアCr1、Cr2の回転数が0であることを判定する手法例を示している。
図12(A)は、C1油圧センサ113、C3油圧センサ113及びB3油圧センサ113の検知結果を参照する例を示している。図5の段階2が成立している場合、入力軸10、キャリアCr1、Cr2の回転数が0である。クラッチC1、C3及びブレーキB3の係合完了が確認できれば、図5の段階2が成立していることになる。
そこで、C1油圧センサ113、C3油圧センサ113及びB3油圧センサ113の検知結果が、全て、係合状態の油圧に相当する規定値以上である場合、クラッチC1、C3及びブレーキB3の係合が完了しているとみなすことができ、したがって、入力軸10、キャリアCr1、Cr2の回転数が0であるとみなすことができる。
なお、図12(A)の例では、油圧の変動等を考慮し、各油圧が規定値に達している状態が所定時間Tだけ維持されたことを条件として、ブレーキF1の切り替えを行う制御を想定している。これにより、キャリアCr1、Cr2の回転状態の推定精度を高めることができる。
次に、図12(B)は、内燃機関EGの出力トルクに基づく例を示している。既に述べたとおり、入力軸10の回転数が0の場合、内燃機関EGの出力トルクはストールトルクSTに維持される。そこで、内燃機関EGの出力トルクが、ストールトルクSTに達していることを示すことを少なくとも条件として、ブレーキF1の切り替えを行うことができる。
このようにトルクコンバータTCの性質、特に、ストールトルクの性質を利用して、キャリアCr1、Cr2の回転状態を推定し、ブレーキF1の切り替えを可能とすることができる。なお、図12(B)の例では、内燃機関EGの出力トルクの変動等を考慮し、内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに達している状態が所定時間T12だけ維持されたことを条件として、ブレーキF1の切り替えを行う制御を想定している。また、内燃機関EGの回転数の変動も考慮し、内燃機関EGの回転数の変化量(変動量)が所定時間T11の間、所定値以下であることも条件として、ブレーキF1の切り替えを行う制御を想定している。これにより、キャリアCr1、Cr2の回転状態の推定精度を高めることができる。
次に、図13は、内燃機関EGの出力トルクに基づく例を示している。既に述べたとおり、図6(A)に示した容量係数τ(e)の特性から、入力軸10の回転数が0に近づくにつれて内燃機関EGの出力トルクが上昇し、入力軸10の回転数が0になると安定する。したがって、内燃機関EGの出力トルクが、上昇した後、所定時間(例えば同図のT22)、安定した挙動を示す場合、入力軸10、キャリアCr1、Cr2の回転数が0であるとみなすことができ、ブレーキF1の切り替えを行うことができる。
このようにトルクコンバータTCの性質、特に、出力側の回転数が減少した場合のトルクコンバータTCの性質を利用して、キャリアCr1、Cr2の回転状態を推定し、ブレーキF1の切り替えを可能とすることができる。なお、図13の例では、内燃機関EGの回転数の変動も考慮し、内燃機関EGの回転数の変化量(変動量)が所定時間T21の間、所定値以下であることも条件として、ブレーキF1の切り替えを行う制御を想定している。これにより、キャリアCr1、Cr2の回転状態の推定精度を高めることができる。
<処理例>
図12(A)及び(B)、図13に示したブレーキF1の切り替え条件を採用した故障時制御の具体例について説明する。なお、以下の説明では、これら3つの条件のうちの1つの条件のみを採用した例に関するものであるが、3つの条件のうちの2つの条件が成立した場合にブレーキF1の切り替えを行う構成や、3つの条件の全ての条件が成立した場合にブレーキF1の切り替えを行う構成も採用可能である。
図14は図12(A)の切り替え条件を採用した故障時制御の例を示すフローチャートである。
S51では内燃機関EGのトルク制限を実行する。例えば、内燃機関EGにより油圧式係合機構の油圧を発生させている場合、必要油圧が確保される範囲で出力を減少させるよう、エンジンECU200に指示する。準備処理では内燃機関EGの出力トルクが大きい必要はないので、これを小さくするものである。
S52ではブレーキF1の回転阻止状態への切り替えが完了したか否かを判定する。該当する場合はS58へ進む。S58では制御状態として準備モードの設定を解除し、S59ではRVSインギヤモードを設定する。これにより上述したRVSインギヤ処理が実行されることになる。
S53では、図5の段階2で説明したように、クラッチC1、C3及びブレーキB3を係合する制御を行う。S54では所定の条件が成立したか否かを判定する。ここでの条件は、C1油圧センサ113、C3油圧センサ113及びB3油圧センサ113の検知結果が、全て、係合状態の油圧に相当する規定値以上であることを少なくとも含む。入力回転数センサ111の検知結果は条件に含まない。所定の条件が成立している場合はS55へ進み、成立していない場合はS57へ進む。S57では出力タイマを初期値に設定する。出力タイマは図12(A)の所定時間T1を計時するタイマであり、図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S55では出力タイマが0であるか(所定時間T1を経過したか)否かを判定する。該当する場合はS56へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S56ではブレーキF1を回転阻止状態へ切り替える。その後、一単位の処理を終了する。
このように、入力回転数センサ111が確定的に故障していると判定された場合は、入力回転数センサ111の検知結果を含まない条件でブレーキF1の切り替えを行っている。
図15は図12(B)の切り替え条件を採用した故障時制御の例を示すフローチャートである。
S61では内燃機関EGのトルク制限を実行する。例えば、内燃機関EGにより油圧式係合機構の油圧を発生させている場合、必要油圧が確保される範囲で出力を減少させるよう、エンジンECU200に指示する。準備処理では内燃機関EGの出力トルクが大きい必要はないので、これを小さくするものである。
S62ではブレーキF1の回転阻止状態への切り替えが完了したか否かを判定する。該当する場合はS74へ進む。S74では制御状態として準備モードの設定を解除し、S75ではRVSインギヤモードを設定する。これにより上述したRVSインギヤ処理が実行されることになる。
S63では、図5の段階2で説明したように、クラッチC1、C3及びブレーキB3を係合する制御を行う。
S64、S65では内燃機関EGの回転数が安定しているか否かの判断を行う。S64では内燃機関EGの回転数の変動量(例えば過去の回転数の特定結果と今回の回転数の特定結果との差分)が規定値以下であるか否かを判定する。該当する場合はS65へ進み、該当しない場合はS72へ進む。S72では安定判定タイマに初期値を設定する。安定判定タイマは図12(B)の所定時間T12を計時するタイマであり、図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S65では安定判定タイマが0であるか(所定時間T12を経過したか)否かを判定する。該当する場合はS66へ進み、該当しない場合はS67へ進む。S66では内燃機関EGの回転数が安定したことを設定する。
S67では、内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上か否かを判定する。規定トルクは、内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに到達しているか否かが判定できる値を設定する。内燃機関EGの出力トルクが規定トルク以上の場合はS68へ進み、未満の場合はS73へ進む。S73ではトルク判定タイマに初期値を設定する。トルク判定タイマは図12(B)の所定時間T11を計時するタイマであり、図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S68ではトルク判定タイマが0であるか(所定時間T11を経過したか)否かを判定する。該当する場合はS69へ進み、該当しない場合はS70へ進む。S69では内燃機関EGの出力トルクがストールトルクSTに到達して正常であることを設定する。
S70では、S67での内燃機関EGの回転数が安定したことの設定、及び、S69での内燃機関EGの出力トルクが正常であることの設定、の双方の設定が行われているか否かを判定する。該当する場合はS71へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S71ではブレーキF1を回転阻止状態へ切り替える。その後、一単位の処理を終了する。
このように、入力回転数センサ111が確定的に故障していると判定された場合は、入力回転数センサ111の検知結果を含まない条件でブレーキF1の切り替えを行っている。
図16(A)及び(B)並びに図17(A)及び(B)は図13の切り替え条件を採用した故障時制御の例を示すフローチャートである。
S81では内燃機関EGのトルク制限を実行する。例えば、内燃機関EGにより油圧式係合機構の油圧を発生させている場合、必要油圧が確保される範囲で出力を減少させるよう、エンジンECU200に指示する。準備処理では内燃機関EGの出力トルクが大きい必要はないので、これを小さくするものである。
S82ではブレーキF1の回転阻止状態への切り替えが完了したか否かを判定する。該当する場合はS89へ進む。S89では制御状態として準備モードの設定を解除し、S90ではRVSインギヤモードを設定する。これにより上述したRVSインギヤ処理が実行されることになる。
S83では、図5の段階2で説明したように、クラッチC1、C3及びブレーキB3を係合する制御を行う。
S84では回転数安定確認処理を行う。図16(B)は回転数安定確認処理を示している。回転数安定処理は内燃機関EGの回転数が安定しているか否かの判断を行う処理である。S101では内燃機関EGの回転数の変動量(例えば過去の回転数の特定結果と今回の回転数の特定結果との差分)が規定値以下であるか否かを判定する。該当する場合はS102へ進み、該当しない場合はS104へ進む。S104では安定判定タイマに初期値を設定する。安定判定タイマは図13の所定時間T22を計時するタイマであり、図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S102では安定判定タイマが0であるか(所定時間T22を経過したか)否かを判定する。該当する場合はS103へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S103では内燃機関EGの回転数が安定したことを設定する。
図16(A)に戻り、S85ではEGトルク上昇確認処理を行う。図17(A)はEGトルク上昇確認処理を示している。EGトルク上昇確認処理は内燃機関EGの出力トルクが上昇しているか否かの判断を行う処理である。
S111では内燃機関EGの出力トルクの増加量(例えば過去の出力トルクの特定結果と今回の出力トルクの特定結果との差分)を演算する。S112では、S111で演算した増加量が規定トルク以上か否か判定する。規定トルクは、図13に示したトルク上昇を判定できる値を設定する。内燃機関EGの出力トルクの増加量が規定トルク以上の場合はS113へ進み、規定トルク未満の場合は一単位処理を終了する。S113では内燃機関EGの出力トルクが上昇したことを設定する。
図16(A)に戻り、S86ではEGトルク安定確認処理を行う。図17(B)はEGトルク安定確認処理を示している。EGトルク安定確認処理は内燃機関EGの出力トルクが上昇後に安定しているか否かの判断を行う処理である。
S121では、内燃機関EGの出力トルクの変動量(例えば過去の出力トルクの特定結果と今回の出力トルクの特定結果との差分)が規定値以下であるか否かを判定する。該当する場合はS122へ進み、該当しない場合はS124へ進む。S124ではトルク安定タイマに初期値を設定する。トルク安定タイマは図13の所定時間T21を計時するタイマであり、図8のS1で減算され、S8でも初期値が設定され得る。
S122ではトルク安定タイマが0であるか(所定時間T21を経過したか)否かを判定する。該当する場合はS123へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S123では内燃機関EGの出力トルクが安定したことを設定する。
図16(A)に戻り、S87では、S103での内燃機関EGの回転数が安定したことの設定、S113での内燃機関EGの出力トルクが上昇したことの設定、及び、S123での内燃機関EGの出力トルクが安定したことの設定、の全ての設定が行われているか否かを判定する。該当する場合はS88へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S88ではブレーキF1を回転阻止状態へ切り替える。その後、一単位の処理を終了する。
このように、入力回転数センサ111が確定的に故障していると判定された場合は、入力回転数センサ111の検知結果を含まない条件でブレーキF1の切り替えを行っている。
P1〜P4 遊星歯車機構
C1〜C3、B1〜B3、F1 係合機構
TC トルクコンバータ
1 自動変速機
10 入力軸
12 ケーシング
入力回転数センサ111

Claims (6)

  1. 自動変速機の制御装置であって、
    前記自動変速機は、
    トルクコンバータを介して内燃機関の駆動力が入力される入力軸と、
    複数の回転要素を備える複数の遊星歯車機構と、
    前記回転要素間、前記入力軸と前記回転要素との間、又は、前記回転要素とケーシングとの間、のいずれかを連結可能な複数の係合機構と、
    前記入力軸の回転数を検知するセンサと、を備え、
    前記複数の係合機構は、
    所定の前記回転要素と前記ケーシングとの間に設けられた機械式係合機構を含み、
    前記機械式係合機構は、
    前記所定の回転要素の一方向の回転のみ規制する一方向回転許容状態と、前記所定の回転要素の双方向の回転を規制する回転阻止状態と、に切り替え可能であり、
    前記制御装置は、
    変速段を後進段とする場合に、前記入力軸及び前記所定の回転要素の回転数が0となるように前記複数の係合機構のうちの所定の係合機構を制御する準備処理を実行する準備処理手段と、
    前記準備処理の後、前記機械式係合機構を前記回転阻止状態に切り替える切替処理を実行する切替処理手段と、
    前記内燃機関の出力トルクを特定する出力トルク特定手段と、
    前記内燃機関の回転数及び前記トルクコンバータの容量係数に基づくストールトルクを特定するストールトルク特定手段と、
    前記準備処理が実行された場合における、前記センサの検知結果と、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクと、前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、に基づいて、前記センサが故障か否かを判定する判定手段と、を備える、
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記判定手段は、
    前記入力軸の回転数が0とみなせる値を前記センサの検知結果が示す時に前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクよりも、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクが低い場合に、前記センサが故障であると判定する、
    ことを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の制御装置であって、
    前記判定手段は、
    前記入力軸の回転数が0ではないとみなせる値を前記センサの検知結果が示す時に前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクとが等しいとみなせる場合に、前記センサが故障であると判定する、
    ことを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記判定手段は、前記センサの検知結果と、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクと、前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、が所定の関係にある状態が一定期間継続した場合に前記センサが故障であると判定し、
    前記一定期間の間、前記切替処理の実行が規制される、
    ことを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記切替処理手段は、
    前記判定手段が前記センサが故障していないと判定した場合は、第1の条件が成立した場合に前記機械式係合機構を前記回転阻止状態に切り替え、
    前記判定手段が前記センサが故障していると判定した場合は、第2の条件が成立した場合に前記機械式係合機構を前記回転阻止状態に切り替え、
    前記第1の条件は、前記入力軸の回転数が0とみなせる値を前記センサの検知結果が示すことを少なくとも含み、
    前記第2の条件は、前記センサの検知結果を含まない条件である、
    ことを特徴とする制御装置。
  6. トルクコンバータを介して内燃機関の駆動力が入力される入力軸と、
    前記入力軸の回転数を検知するセンサと、
    を備える自動変速機の制御装置であって、
    前記内燃機関の出力トルクを特定する出力トルク特定手段と、
    前記内燃機関の回転数及び前記トルクコンバータの容量係数に基づくストールトルクを特定するストールトルク特定手段と、
    前記センサの検知結果と、前記出力トルク特定手段が特定した出力トルクと、前記ストールトルク特定手段が特定したストールトルクと、に基づいて、前記センサが故障か否かを判定する判定手段と、を備える、
    ことを特徴とする制御装置。
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