JP6115145B2 - 太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池裏面保護シートに使用する太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物に関する。
近年、環境に対する意識の変化や化石燃料の高騰や枯渇に対する危惧からクリーンで安全なエネルギー源として太陽光を電気エネルギーに変換する太陽光発電が普及しており、政府の補助金助成制度や法律の制定などもあり需要は年々拡大している。
太陽光発電システムをさらに普及させるには、コストの低減が最大の課題となっている。ここ数年、コストは従来に比べ大幅に低減しているものの、現時点での発電コストは他のエネルギーと比較して依然割高である。普及を拡大するためには、太陽電池の変換効率の向上は至上命題となっている。また、太陽電池はその設置費用を回収するのに現時点で15年以上はかかるとされており、変換効率の向上はもちろんのこと、高寿命化に関しても技術開発が求められている。
太陽電池はシリコン系、化合物系、有機物系などの半導体を太陽電池セルとして用いて太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して発電が行われる。現在、太陽電池セルの主流は製造コストが安価で資源量としても非常に豊富なシリコン系の半導体となっている。シリコン系半導体を用いた太陽電池の構成は、一般的に太陽光受光面側から順に、透明ガラス基板、封止材、太陽電池セル、封止材、裏面保護シートの部材で構成される。
裏面保護シートとは、ポリエステルフィルム等の単層フィルムや、ポリエステルフィルム等に金属酸化物や非金属酸化物の蒸着層を設けたものや、ポリエステルフィルムやフッ素系フィルム、アルミニウム箔などのフィルムを積層した多層構成のフィルムが挙げられる。
多層構成の裏面保護シートは、その多層構造により、さまざま性能を付与することができる。例えば、ポリエステルフィルムを用いることで絶縁性を、フッ素系フィルムを用いることで耐候性を、アルミニウム箔を用いることで水蒸気バリア性を付与することができる。どのような裏面保護シートを用いるかは、太陽電池モジュールが用いられる製品・用途によって、適宜選択される。
裏面保護シートにより太陽電池の変換効率の向上するためには、多層構造中に反射層を使用することが知られている(特許文献1参照)。太陽電池に入射した光で、直接太陽電池セルに入射しなかった光は裏面保護シートに到達した後でその反射層により反射することで太陽電池セルへの受光量が向上し太陽電池の変換効率は向上する。
また、ポリエステル樹脂を使用した裏面保護シートは紫外線照射によって、黄変が起こることが知られており、黄変を抑制するためポリエステル系樹脂の重量平均分子量を特定し、二酸化チタンの配合量を特定した太陽電池裏面保護シートが開示されている(特許文献2参照)。
特開2007−208179号公報 特開2011−165698号公報
しかし、従来の太陽電池裏面保護シート(以下、単に裏面保護シートともいう)に用いられているポリエステル樹脂は、長期間使用すると加水分解するため耐久性に問題があった。また、ポリエステル樹脂は紫外線により劣化しやすいことが知られているが、二酸化チタンを配合することでポリエステル樹脂の劣化が促進されてしまう。前記劣化により反射率が低下することで変換効率も低下する問題があった。
本発明は、樹脂組成物を疎水化しポリエステル樹脂の加水分解、および劣化を抑制することで、良好な耐久性、反射率、および変換効率が得られる太陽電池裏面保護シートを成形できる太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明は、アルミ酸化物で形成した無機被覆層と、その表面に有機シラン化合物(D)で形成した有機被覆層を有する、平均一次粒子径0.15〜0.45μmの二酸化チタン(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを含み、
前記無機被覆層は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して0.5〜3重量部であり、前記有機被覆層は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して0.1〜3重量部である、太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物である。
上記構成の本発明によれば、二酸化チタンはアルミ酸化物を使用して形成した無機被覆層と、さらに有機シラン化合物を使用して形成した有機被覆層有することで、ポリエステル樹脂の劣化を抑制できることで黄変が抑制できる。前記劣化の抑制により反射率を長期間維持しやすく、変換効率も低下し難い。さらに、二酸化チタンの表面処理による疎水化により、樹脂組成物が水を取り込みにくくなるためポリエステル樹脂の加水分解が抑制せきるため良好な耐久性が得易くなる。
本発明は、樹脂組成物を疎水化しポリエステル樹脂の加水分解、および劣化を抑制することで、良好な耐久性、反射率、および変換効率が得られる太陽電池裏面保護シートを成形できる太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を提供できた。
図1は太陽電池モジュールの断面図の一例を示す模式図である。 図2は接着力測定方法を説明した側面図である。
まず、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「任意の数A以上、任意の数B以下」及び「任意の数A〜任意の数B」の記載は、数A及び数Aより大きい範囲であって、数B及び数Bより小さい範囲を意味する。
本発明の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物は、アルミ酸化物で形成した無機被覆層と、その表面に有機シラン化合物(D)で形成した有機被覆層を有する、平均一次粒子径0.15〜0.45μmの二酸化チタン(A)と、ポリエステル樹脂(B)とを含む。そして二酸化チタン(A)の前記無機被覆層は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して0.5〜3重量部であり、前記有機被覆層は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して0.1〜3重量部である。この太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を成形して太陽電池裏面保護シートとして使用することができる。また前記太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物の成形シートは、多層構成の太陽電池裏面保護シートに含む耐候層として使用することが好ましい。
本発明において、二酸化チタン(A)は、光を反射し発電素子の受光量を増やすことで変換効率を向上させることができる。二酸化チタン(A)の結晶形態は、ルチル型、アナターゼ型、およびブルカイト型が使用できる。これらの中でもルチル型は、屈折率が高く、光散乱効率が高いため、変換効率への寄与をより高めることができるため好ましい。
二酸化チタン(A)は、アルミ酸化物で形成した無機被覆層を有する。前記無機被覆層により二酸化チタンの触媒活性を失活させることができるため、ポリエステル樹脂の劣化を抑制できる。
本発明ではアルミ酸化物の他にもケイ素酸化物やジルコニウム酸化物で表面被覆されていても良い。
前記アルミ酸化物としては、例えばアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、および硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナ、含水アルミナ等が挙げられる。ケイ素酸化物としては、例えばケイ酸ナトリウムなどの水溶性ケイ酸アルカリ金属塩が挙げられる。ジルコニウム酸化物としては、例えば硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム等が挙げられる。
二酸化チタンに対する無機被覆層の形成方法を説明する。被覆方法は公知の方法を使用できる。例えば、アルミの酸化物で被覆する場合、二酸化チタン粒子を分散させた水性スラリーに、アルミ酸化物の水溶液を添加し、酸性化合物または塩基性化合物の水溶液を用いてpH4〜9に調整することで被覆層を形成できる。その後、必要に応じて濾過、洗浄、乾燥を行っても良い。pHの調整に用いる酸性酸化物としては、硫酸、塩酸等の無機酸、または酢酸、ギ酸等の有機酸を用いることができる。また、塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の公知の化合物を用いることができる。水性スラリー中の二酸化チタン粒子の不揮発分濃度は、50〜800g/Lが好ましく、100〜600g/Lがより好ましい。所定の不揮発分濃度にすることで均一な厚みの被覆層が得やすくなる。
ケイ素酸化物、ジルコニウム酸化物を使用した被覆層の形成は、アルミ酸化物の場合と同様の方法を用いることができる。無機被覆層の形成は、複数の金属酸化物の混合物で被覆することができる。または、単一の金属酸化物ごとにを複数の被覆層を形成することもできるまた、これらの被覆層の順序は、特に制限を受けないが、アルミ酸化物の被覆層が最外層になるように被覆することが、有機被覆層との密着性向上の観点から好ましい。さらに、二酸化チタンの製造工程において、脱水、乾燥、粉砕などの操作が容易となるので好ましい。
本発明でアルミ酸化物は表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して、0.5〜3重量部で被覆することが好ましい。
本発明でケイ素酸化物、ジルコニウム酸化物は表面被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して、0.1〜2.0重量部で被覆することが好ましい。
本発明において二酸化チタン(A)は、無機被覆層の形成後、有機シラン化合物を使用して有機被覆層を形成する。前記有機被覆層により二酸化チタン(A)を疎水化し、樹脂組成物をも疎水化できる。
前記有機シラン化合物は、例えば、オルガノシラン、オルガノシラザンが好ましく、オルガノシランが好ましい。前記オルガノシランは、アルキル基およびアルコキシシリル基を有することがより好ましく、前記アルキル基の炭素数は6〜10がより好ましい。また、前記アルコキシシリル基は反応基を有さないことが好ましい。前記反応基はビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基などが挙げられる。
アルキル基の炭素数が6〜10のオルガノシランで表面被覆層を形成することで接着剤層との接着性と二酸化チタンの疎水化がより向上し、樹脂組成物の生産性もより向上できる。
前記有機シラン化合物は、具体的には、オルガノシランとしてはアミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、およびそれらの加水分解生成物が挙げられる。
前記オルガノシラザンは、例えばヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等が挙げられる。
前記有機シラン化合物は1種または2種以上を使用できる。
前記有機被覆層の形成は、(1)無機被覆層を形成した二酸化チタンを水性スラリーから固液分離、乾燥した後、前記有機シラン化合物と気相中で接触させることにより、有機化合物の被覆層を形成する方法(以下、気相法ともいう)。または(2)二酸化チタンに無機被覆層を形成した後、続けて、当該水性スラリーに前記有機シラン化合物を添加し、攪拌混合することで被覆層を形成する方法(以下、液相法ともいう)が好ましい。
前記気相法は、流体エネルギー粉砕機、衝撃粉砕機等の乾式粉砕機や、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機等を用い、二酸化チタン(A)と有機シラン化合物を攪拌、混合することで実施できる。
本発明で有機シラン化合物は、表面被覆前の二酸化チタン100重量部に対して0.1〜3重量部で被覆することが好ましく、0.3〜2.5重量部がより好ましい。0.1〜3重量部被覆することで、疎水性がより高まり、接着剤層との接着性を向上できる。
本発明において、上記のような被覆層を有する二酸化チタン(A)は、平均一次粒子径が、0.15〜0.45μmであることが好ましい。そして光散乱の観点から、0.15〜0.35μmがより好ましい。平均一次粒子径が0.15μm未満、または0.45μmを超える場合、太陽電池発電素子の分光感度域における光の散乱効率が低下し、変換効率への寄与が低下する恐れがある。なお二酸化チタンの平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡の拡大画像(例えば千倍〜一万倍)から観察できる粒子径(例えば20個〜50個)を平均したものである。
本発明においてポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物は、裏面保護シートの原料比率に沿った配合量で二酸化チタン(A)とポリエステル樹脂(B)を配合することができる。この場合、ポリエステル樹脂(B)100重量部に対して、二酸化チタン(A)を3〜30重量部配合することが好ましく、5〜25重量部がより好ましい。3〜30重量部配合することで、反射効果を得やすくなる。
太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物は、所定の原料の溶融混練によって製造することができる。ここで溶融混練とは、予め原料を一般的な高速せん断型混合機である、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて混合した後に溶融混練することができる。または、予め溶融混練せずに、直接混練機に投入してもよい。または、裏面保護シートに使用できる全ての原料を配合することでも製造できる。
前記溶融混練は、例えば二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機、または二軸混練押出し機等を用いるのが好ましい。
本発明の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物は、二酸化チタン(A)を高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチとして製造することも好ましい。一旦、マスターバッチを製造した後に、裏面保護シートの主要樹脂、例えば、希釈樹脂のポリエチレンテレフタレートにマスターバッチを配合して裏面保護シートを製造すると、二酸化チタン(A)をポリエチレンテレフタレート中に均一分散しやすくなる。具体的には、ポリエステル樹脂(B)100重量部に対して、二酸化チタン(A)を20〜200重量部配合することが好ましく、50〜200重量部がより好ましい。
前記マスターバッチは太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物と同様に製造することができる。
本発明の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物は、必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤等の添加剤を配合することも可能である。
前記紫外線吸収剤は、耐候性を向上させるために用いられる。例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、サリチル酸エステル系化合物などが挙げられる。添加量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、0.01〜3.0重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
前記光安定剤は、紫外線吸収剤と併用し、耐候性をよりするために用いられる。例えば、ヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。添加量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、0.01〜3.0重量部用いるのが好ましい。具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。
前記酸化防止剤は、高温下での安定性を付与するために用いられる。例えばモノフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、高分子型フェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物などが挙げられる。添加量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、0.05〜3.0重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
前記難燃剤は、必要に応じて用いることが出来る。添加量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部用いるのが好ましい。具体例としては、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤、臭素系エポキシ系難燃剤、臭素系エポキシ樹脂難燃剤、臭素系エポキシ・フェノキシ樹脂難燃剤、リン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、赤リン系難燃剤、酸化アンチモン系難燃剤、三酸化アンチモン権難燃剤、水酸化マグネシウム系難燃剤、水酸化アルミニウム系難燃剤、五酸化アンチモン系難燃剤、シリコーン系難燃助剤、ホウ素系難燃剤、錫系難燃剤、ホウ酸亜鉛系難燃剤、錫/亜鉛系難燃剤、ハロゲン系、リン酸エステル系、イントメッセント系等を挙げることができる。
本発明の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物はシート状に成形することが好ましい。前記成形は、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出しシート成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形等)を使用できる。
前記シート成形物は、太陽電池裏面保護シートとして使用することができる。または、太陽電池裏面保護シートに使用する機能層のひとつである耐候層として使用できる。
本発明の太陽電池裏面保護シート(以下、裏面保護シートともいう)は、前記耐候層以外に他の機能層を積層して使用することが好ましい。前記機能層は、例えば、水蒸気バリア層、電気絶縁層、耐薬品層、封止材との接着剤層などが挙げられる。これらの機能層を積層することで裏面保護シートは、外部環境に由来する劣化を抑制できる。
前記裏面保護シートの各機能層の製造方法は、特に制限は無いが、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出しシート成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形等)を使用できる。
本発明の太陽電池裏面保護シートが複数の機能層を使用した積層体である場合の製造方法は、公知の積層方法を使用できる。具体的には、ドライラミネート法、溶融ラミネート法などが好ましい。
前記ドライラミネート法は、あらかじめシート形成した単層の各機能層を、コンマコーターやドライラミネーターを用いて接着剤を塗布し、溶剤を揮散させた後、他方のシートと貼り合わせ、常温もしくは加温下で硬化させて積層させる方法である。
なお、前記接着剤は、封止材との接着剤層としても使用することができる。封止材との接着剤層はあらかじめシート形成した単層の各機能層を、コンマコーターやドライラミネーターを用いて接着剤を塗布し、溶剤を揮散させることで形成することができる。
前記接着剤は、基材に応じて公知のラミネート接着剤が使用される。具体的には、ポリウレタン系樹脂主剤、ポリエステル系樹脂主剤、ポリアクリル系樹脂主剤などの主剤樹脂と、これらに水酸基と反応しうる官能基を有するイソシアネート系硬化剤を組み合わせて使用するのが一般的である。
前述のポリエステル系樹脂主剤としては、カルボン酸成分と水酸基成分とを反応(エステル化反応、エステル交換反応)させたポリエステル樹脂の他、水酸基を有するポリエステル樹脂にさらにイソシアネート化合物を反応させてなるポリエステルポリウレタン樹脂、さらにジアミン成分を反応させてなるポリエステルポリウレタンポリウレア樹脂等の例を挙げることができる。前述のウレタン系樹脂主剤としては、水酸基を有するポリエステル樹脂以外の水酸基成分とイソシアネート化合物を反応させてなるもの等の例を挙げることができる。前述のアクリル系樹脂としては、従来公知の種々のアクリル系モノマーを重合することによって得ることができるもの等の例を挙げることができる。
前述のイソシアネート系硬化剤とは、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する、芳香族ポリイソシアネート、鎖式脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等の例を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1、3−フェニレンジイソシアネート、4、4'−ジフェニルジイソシアネート、1、4−フェニレンジイソシアネート、4、4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、4、4'−トルイジンジイソシアネート、2、4、6−トリイソシアネートトルエン、1、3、5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4、4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4、4'、4"−トリフェニルメタントリイソシアネート等の例を挙げることができる。
鎖式脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1、2−プロピレンジイソシアネート、2、3−ブチレンジイソシアネート、1、3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2、4、4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の例を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1、3−シクロペンタンジイソシアネート、1、3−シクロヘキサンジイソシアネート、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2、4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2、6−シクロヘキサンジイソシアネート、4、4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1、4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の例を挙げることができる。
前記溶融ラミネート法は、単層シート、または上記の共押出成形法のような積層シートの成形の直後に、それらが冷えて固化する前に一層または複数層を基材シートとして、他の層を溶融状態で貼り合わせることで積層体を得る方法である。溶融押出されたシートの貼り合わせ面に基材との接着剤層を使用することや、前記基材シートの貼り合わせ面に予め接着剤を塗布しておくことにより、溶融ラミネート時により高い剥離強度が得られる。さらに接着剤の塗工面にアンカーコート剤を使用することで、接着性および耐熱性がより向上する。
本発明では、太陽電池裏面保護シートを疎水化したことで、前記接着剤のイソシアネート系硬化剤が裏面保護シート中との反応により失活し、接着力が低下することを抑制できた。
本発明の太陽電池モジュールの1例として図1を説明する。図1中の符号11は透明基板、12Aが表面太陽電池封止材、12Bが裏面太陽電池封止材、13が発電素子、14が裏面保護シートである。発電素子13は、表面太陽電池封止材12Aおよび裏面太陽電池封止材12Bに挟持されている。そして、この積層体は、透明基板11および裏面保護シート14に挟持されている。太陽電池モジュールは、発電素子の上下に太陽電池封止材を固定することにより作製することができる。一般的に前記固定は真空ラミネーターを用いて加熱圧着する。このような太陽電池モジュールとしては、例えば、図1の例のように、透明基板/太陽電池封止材/発電素子/太陽電池封止材/裏面保護シートのように発電素子の両側から太陽電池封止材で挟むスーパーストレート構造のものや、透明基板/発電素子/太陽電池封止材/裏面保護シートのように、基板の表面に形成させた発電素子を太陽電池封止材と裏面保護シートで積層されたものが挙げられる。
透明基板11としては、例えば、ガラス板、又は、ポリカーボネート板およびポリアクリレート板などのプラスチック板を用いることができる。透明性、耐候性および強靭性などの観点から、ガラス板、特には、透明性の高い白板ガラスが好ましい。
発電素子13の受光面側および非受光面側にそれぞれ位置する表面太陽電池封止材12Aおよび裏面太陽電池封止材12Bとしては、例えば、エチレン−ビニルアセテート共重合体を、厚さ0.2mm〜1.0mmのシート状に成形したものが主に用いられる。表面太陽電池封止材12Aおよび裏面太陽電池封止材12Bは、架橋剤、架橋補助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
発電素子13としては、例えば、結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、若しくは銅インジウムセレナイドに代表される化合物半導体からなる光電変換層に電極を設けたもの、又は、それらをガラス等の基板上に積層したものが挙げられる。太陽電池モジュールは、発電素子13を1つのみ含んでいてもよく、複数の発電素子13を含んでいてもよい。
次に、本発明を具体的に実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、部は重量部、%は重量%を意味する。本願明細書において実施例9、11、12、ならびに15〜17は参考例である。
実施例および比較例に用いる原料を以下に示す。
<二酸化チタン>
表1に示した被覆層を有する二酸化チタン。
<ポリエステル樹脂>
B−1:ポリエチレンテレフタレート(融点255℃、ユニチカ社製、MA2101)
B−2:ポリブチレンテレフタレート(融点228℃、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュラン5026)
<接着剤>
接着剤1:ポリエステル系接着剤(主剤ダイナレオVA−3020/イソシアネート系硬化剤HD−701、東洋モートン社製、配合比:100/7)
接着剤2:下記の方法で作成したアクリル系接着剤
<アクリル系接着剤合成例>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート28部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が25、000、水酸基価が4.4(mgKOH/g)、酸価が0(mgKOH/g)、ガラス転移温度(Tg)が39℃、不揮発分50%のアクリル樹脂溶液を得た。
別途、MEKオキシムでブロックされた、イソホロンジイソシアネートの三量体と、MEKオキシムでブロックされた、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体を、重量比1:1で混合し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%の樹脂溶液とし、硬化剤溶液を得た。
上記のアクリル樹脂溶液85部、硬化剤溶液15部、その他にエポキシ樹脂溶液15部、ジブチル錫ジラウレート0.25部にて混合し、接着剤2を得た。
なお、数平均分子量、ガラス転移温度、酸価、水酸基価は、下記に記述するようにして測定した。
<数平均分子量(Mn)の測定>
Mnの測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、数平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。
アルミニウムパンに試料約10mgを秤量してDSC装置にセットし(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパンとした。)、300℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg)を算出した(単位:℃)。
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mLとした溶液)を正確に5mL加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
二酸化チタンの無機被覆層および有機被覆層の形成例を以下に示す。なお被覆方法が、下記方法に限定されないのはいうまでもない。
(二酸化チタンの表面処理1)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して1.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−1)を得た。
(二酸化チタンの表面処理2)
アルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対する添加量を表1の処理量に変更した以外は、二酸化チタンの表面処理1と同様の方法を行うことで二酸化チタン(A−2、A−3、A−19)を得た。
(二酸化チタンの表面処理3)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらケイ酸ナトリウムをSiO2換算で二酸化チタンの重量に対して0.5%添加し、次いで硫酸でpHを5に調整することで被覆層を形成した。引き続き撹拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して1.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に調整することで被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で10時間乾燥し、二酸化チタンの重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均一次粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−4)を得た。
(二酸化チタンの表面処理4)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながら硫酸ジルコニウムをZrO2換算で二酸化チタンの重量に対して0.5%添加し、次いで硫酸でpHを5に調整することで被覆層を形成した。引き続き撹拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して1.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に調整することで被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で10時間乾燥し、二酸化チタンの重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均一次粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−5)を得た。
(二酸化チタンの表面処理5)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらケイ酸ナトリウムをSiO2換算で二酸化チタンの重量に対して0.5%添加し、次いで硫酸でpHを5に調整することで被覆層を形成した。引き続き撹拌しながら硫酸ジルコニウムをZrO2換算で二酸化チタンの重量に対して0.5%、アルミン酸ナトリウムをAl23換算で1.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に調整することで被覆層を形成した。その後、濾過、洗浄し、さらに120℃で10時間乾燥し、二酸化チタンの重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.25μmの二酸化チタン(A−6)を得た。
(二酸化チタンの表面処理6)
デシルトリメトキシシランの二酸化チタンの重量に対する添加量を表1の処理量に変更した以外は、二酸化チタンの表面処理1と同様の方法を行うことで二酸化チタン(A−7、A−8、A−23)を得た。
(二酸化チタンの表面処理7)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のドデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−9)を得た。
(二酸化チタンの表面処理8)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のヘキシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−10)を得た。
(二酸化チタンの表面処理9)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のイソブチルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−11)を得た。
(二酸化チタンの表面処理10)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のメチルトリエトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−12)を得た。
(二酸化チタンの表面処理11)
二酸化チタンを表1の平均粒子径に変更した以外は、二酸化チタンの表面処理1と同様の方法を行うことで二酸化チタン(A−13、A−14、A−25、A−26)を得た。
(二酸化チタンの表面処理12)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−15)を得た。
(二酸化チタンの表面処理13)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%の3−アミノプロピルトリエトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−16)を得た。
(二酸化チタンの表面処理14)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%の3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−17)を得た。
(二酸化チタンの表面処理15)
ルチル型二酸化チタン顔料の重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−18)を得た。
(二酸化チタンの表面処理16)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらケイ酸ナトリウムをSiO2換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−20)を得た。
(二酸化チタンの表面処理17)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながら硫酸ジルコニウムをZrO2換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のデシルトリメトキシシランとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−21)を得た。
(二酸化チタンの表面処理18)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−22)を得た。
(二酸化チタンの表面処理19)
ルチル型二酸化チタン顔料を水と混合して、二酸化チタンの重量として300g/Lの水性スラリーを調製した。このスラリーを60℃に保持したまま、攪拌しながらアルミン酸ナトリウムをAl23換算で二酸化チタンの重量に対して2.0%添加し、次いで硫酸でpHを5に中和することで被覆層を形成した。さらに濾別、洗浄し、120℃で10時間乾燥した。その後、二酸化チタンの重量に対して1.5%のトリメチロールエタンとをヘンシェルミキサーにて攪拌混合し、平均粒子径が0.21μmの二酸化チタン(A−24)を得た。
本発明では二酸化チタンの疎水性を示す指標として疎水化度を使用する。前記疎水化度が40%以上であることで、裏面保護シートをより疎水性にでき、さらに接着剤層との接着性もより向上する。なお得られた二酸化チタンの疎水化度は、以下の方法で測定した。二酸化チタン0.2gを容量250mlの三角フラスコ中の水50mlに加えて撹拌する。撹拌しながらメタノールをビュレットから滴下し、二酸化チタンの全量が懸濁されるまで滴定する。その終点は二酸化チタンの全量が液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は終点に達した際のメタノールおよび水の液状混合物中のメタノールの百分率として表わされる。
Figure 0006115145
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−1)100重量部と二酸化チタン(A−1)100重量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃で3分間撹拌した後、二軸押出機(日本プラコン社製)を用いて270℃にて混練することでペレット状の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を得た。
得られた太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物40重量部とポリエチレンテレフタレート樹脂(B−1)60重量部とを単層Tダイフィルム成形機(東洋精機社製)を用いて温度270℃ にて押出し成形をし、図2に示す接着力測定に使用する太陽電池裏面保護シート15A、15B(それぞれ厚さ100μm)を得た。
<実施例2〜19>
太陽電池保護シート用樹脂組成物の原料および配合量を調整して、それぞれ表2に示す配合に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シート15A、15Bを得た。
<実施例20>
ポリブチレンテレフタレート樹脂(B−2)100重量部と二酸化チタン(A−1)100重量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃で3分間撹拌した後、二軸押出機(日本プラコン社製)を用いて270℃にて混練することでペレット状の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を得た。
得られた太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物40重量部とポリブチレンテレフタレート樹脂(B−2)60重量部とを単層Tダイフィルム成形機(東洋精機社製)を用いて温度270℃ にて押出し成形をし、太陽電池裏面保護シート15A、15B(それぞれ厚さ100μm)を得た。
<実施例21>
ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−1)100重量部と二酸化チタン(A−1)25重量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃で3分間撹拌した後、二軸押出機(日本プラコン社製)を用いて270℃にて混練することでペレット状の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を得た。
得られた太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を単層Tダイフィルム成形機(東洋精機社製)を用いて温度270℃ にて押出し成形をし、太陽電池裏面保護シート15A、15B(それぞれ厚さ100μm)を得た。
Figure 0006115145
<比較例1〜9>
太陽電池保護シート用樹脂組成物の原料および配合量を調整して、それぞれ表3に示す配合に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池裏面保護シート15A、15Bを得た。
<比較例10>
太陽電池保護シート用樹脂組成物の原料および配合量を調整して、それぞれ表3に示す配合に変更した以外は実施例15と同様にして太陽電池裏面保護シート15A、15Bを得た。
Figure 0006115145
実施例1〜21および比較例1〜10で得られた裏面保護シート用樹脂組成物および裏面保護シートを以下の基準で評価し、評価結果を表4に示す。
[極限粘度保持率]
ポリエステル樹脂に二酸化チタンなどを加えて溶融混練することで、熱、酸素、水分などによってポリエステルの分子量低下が起こり、極限粘度の低下を招く。極限粘度保持率はポリエステル樹脂が溶融混練前後で維持できている極限粘度を示す指標である。極限粘度保持率を75%以上に保つことで、実用上必要十分な機械的強度を備えるフィルムを生産することができる。
極限粘度保持率は裏面保護シート用樹脂組成物をフェノール:テトラクロロエタン=1:1の混合溶媒中、30℃で測定した溶液粘度から、極限粘度を算出した。測定は毛細管式自動粘度測定装置(柴山科学器械製作所製)を用い、JIS K7367−1に準拠して行った。評価は樹脂組成物に用いたポリエステル樹脂の極限粘度を100として、樹脂組成物の極限粘度に対するポリエステル樹脂の極限粘度を極限粘度保持率とした。
[樹脂組成物の加水分解性評価]
加水分解性評価として、樹脂組成物の末端カルボキシル基増加濃度を評価した。なお、末端カルボキシル基増加濃度はポリエステル樹脂の加水分解の度合いを示す指標である。末端カルボキシル基増加濃度を30以下に保つことで、エステル結合の加水分解が生じにくくなる。
末端カルボキシル基増加濃度は裏面保護シート用樹脂組成物をo−クレゾール:クロロホルム=7:3の混合溶媒に溶解し、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液を用い、電位差滴定法で測定した。評価は樹脂組成物に用いたポリエステル樹脂の末端カルボキシル基濃度との差を末端カルボキシル基増加濃度とした。
[耐光性]
アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製)に太陽電池裏面保護シート15Aを静置し、温度60℃、湿度50%RHの雰囲気で照射強度100mW/cm2で12時間紫外線照射を行った。その後、裏面保護シートの黄色度(YI値)を分光測色計(倉敷紡績社製)を用いて測定した。なお黄色度は紫外線による劣化度合いを示しており、値が低いほど好ましい。
[裏面保護シートの加水分解性評価]
太陽電池裏面保護シート15Aを85℃、湿度85%RHの環境下で500時間静置した。その後、太陽電池裏面保護シート15Aをo−クレゾール:クロロホルム=7:3の混合溶媒に溶解し、0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液を用い、電位差滴定法で測定した。評価は耐湿熱性試験前後の末端カルボキシル基濃度の差を裏面保護シートの末端カルボキシル基増加濃度とした。
[接着剤1との接着力評価]
(初期の接着力評価)
図2の試料を以下の方法で作成した。得られた裏面保護シート15Aの表面にコロナ処理し、次いで、接着剤1をグラビアコーターを使用して乾燥厚みが10μmになるように塗布し、溶剤を乾燥させて接着剤層を設けた。上記接着剤層16に、表面をコロナ処理した裏面保護シート15Bを重ね合わせた。その後、50℃で4日間、エージング処理し、上記接着剤層を硬化させ、図2に示す接着力評価サンプル1を得た。上記サンプルを200mm×15mmの大きさに切断し、23℃、湿度50%RHの環境下で6時間静置後、ASTM−D1876−61の試験法に準拠し、引張り試験機を用いて、23℃、湿度50%RHの環境下で、剥離速度300mm/minでT型剥離試験を行った。
(耐湿熱試験後の接着力評価)
接着力評価サンプル1を200mm×15mmの大きさに切断し、85℃、湿度85%RHの環境下で500時間静置した。その後、23℃、湿度50%RHの環境下で6時間静置後、ASTM−D1876−61の試験法に準拠し、引張り試験機を用いて、23℃、湿度50%RHの環境下で、剥離速度300mm/minでT型剥離試験を行った。
接着力評価は下記の基準で行った。
◎:5N/15mm以上であり、実用上優れる。
○:4〜5N/15mm未満であり、実用上問題なし。
△:2〜4N/15mm未満であり、実用範囲内
×:2N/15mm未満であり、実用不可である。
[接着剤2との接着力評価]
(初期の接着力評価)
図2の試料を以下の方法で作成した。得られた裏面保護シート15Aの表面にコロナ処理し、次いで、接着剤2をグラビアコーターを使用して乾燥厚みが10μmになるように塗布し、溶剤を乾燥させて接着剤層を設けた。上記接着剤層16に、表面をコロナ処理した裏面保護シート15Bを重ね合わせた。その後、この積層体を真空ラミネーターによる真空下で、150℃で20分間加熱圧着し、図2に示す接着力評価サンプル2を得た。上記サンプルを200mm×15mmの大きさに切断し、23℃、湿度50%RHの環境下で6時間静置後、ASTM−D1876−61の試験法に準拠し、引張り試験機を用いて、23℃、湿度50%RHの環境下で、剥離速度300mm/minでT型剥離試験を行った。
(耐湿熱試験後の接着力評価)
接着力評価サンプル2を200mm×15mmの大きさに切断し、85℃、湿度85%RHの環境下で500時間静置した。その後、23℃、湿度50%RHの環境下で6時間静置後、ASTM−D1876−61の試験法に準拠し、引張り試験機を用いて、23℃、湿度50%RHの環境下で、剥離速度300mm/minでT型剥離試験を行った。
接着力評価は下記の基準で行った。
◎:5N/15mm以上であり、実用上優れる。
○:4〜5N/15mm未満であり、実用上問題なし。
△:2〜4N/15mm未満であり、実用範囲内
×:2N/15mm未満であり、実用不可である。
[反射率]
裏面保護シート15Aの反射率を紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定した。反射率は白色標準板に対しての分光反射率を測定したものである。
反射率の判定は下記の基準で行った。
○:550nmの反射率が85%以上で実用可能。
×:550nmの反射率が85%未満で実用不可。
Figure 0006115145
表4の結果より、実施例1〜19は、全ての評価項目において比較例を上回る優れた耐久性が得られた。特に特定の二酸化チタンに表面処理を施すことで、一般的な二酸化チタンを用いた場合よりも、経時での接着剤層との接着力を保持できた。
11 透明基板
12A 表面太陽電池封止材
12B 裏面太陽電池封止材
13 発電素子
14 太陽電池裏面保護シート
15A 太陽電池裏面保護シート
15B 太陽電池裏面保護シート
16 接着剤層

Claims (6)

  1. アルミ酸化物で形成した無機被覆層と、その表面に炭素数6〜10のアルキル基およびアルコキシシリル基を含む有機シラン化合物(D)で形成した有機被覆層を有する、平均一次粒子径0.15〜0.45μmの二酸化チタン(A)と、
    ポリエステル樹脂(B)とを含み、
    前記無機被覆層は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して0.5〜3重量部であり、前記有機被覆層は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して0.1〜3重量部である、太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物。
  2. 前記無機被覆層が、さらに、ケイ素酸化物およびジルコニウム酸化物の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1記載の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の太陽電池裏面保護シート用樹脂組成物を成形してなる層を含む太陽電池裏面保護シート。
  4. ポリエステル樹脂(B)100重量部と、平均一次粒子径0.15〜0.45μmの二酸化チタン(A)50〜200重量部とを含み、
    前記二酸化チタン(A)は、被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して、アルミ酸化物を1〜3重量部で形成してなる無機被覆層と、その表面に被覆する前の二酸化チタン100重量部に対して、炭素数6〜10のアルキル基およびアルコキシシリル基を含む有機シラン化合物(D)0.1〜3重量部で形成してなる有機被覆層を有する太陽電池裏面保護シート用マスターバッチ。
  5. 希釈用ポリエステル樹脂と、請求項記載の太陽電池裏面保護シート用マスターバッチとを含む層を含む太陽電池裏面保護シート。
  6. 少なくとも、請求項または記載の太陽電池裏面保護シートを備えた太陽電池モジュール。
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