JP2013211336A - 太陽電池用裏面保護シートの製造方法、太陽電池用裏面保護シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用裏面保護シートの製造方法、太陽電池用裏面保護シート及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程を減らすことが可能であり、リードタイムを短縮することがでるため生産性が向上できる裏面保護シートの提供する。
【解決手段】耐加水分解性ポリエステルフィルム1にアンカーコート剤を塗工することでアンカーコート層2を形成し、さらに加熱を行い溶融したポリオレフィン樹脂を塗工することでポリオレフィン樹脂層3を形成する工程を含む、太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電の太陽電池の製造に使用する裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから環境汚染がなくクリーンなエネルギー源として太陽光発電(太陽電池)が注目され、有用なエネルギー資源としての太陽光エネルギー利用の面から鋭意研究され実用化が進んでいる。
太陽電池には様々な発電素子が知られている。その代表的なものとして、単結晶シリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、銅インジウムセレナイド太陽電池素子、および化合物半導体太陽電池素子等が知られている。この中で薄膜結晶太陽電池素子、非晶質シリコン太陽電池素子、および化合物半導体太陽電池素子は、比較的製造コストが低く、面積を容易に拡大できるため、活発に研究開発が行われている。これらの太陽電池素子の中でも、導体金属基板上にシリコンを積層し、更にその上に透明導電層を形成した非晶質シリコン太陽電池素子に代表される薄膜太陽電池素子は軽量であり、また耐衝撃性や柔軟性に富んでいるので、太陽電池における将来の形態として有望視されている。
太陽電池は太陽電池モジュールの集合体であるが、この太陽電池モジュールは、ガラス板/封止材/発電素子/封止材/裏面保護シートを順次積層したものが一般的である。ガラス板は、透明性、耐候性、耐擦傷性に優れることから、太陽光を受ける発電素子の保護材として、現在も一般的に用いられている。しかし、太陽電池モジュールの太陽光を直接受けない側は透明性を必要としないため、コストや安全性、加工性の面から、ガラスを使用しない裏面保護シートが使用されつつある。
そこでポリエステルフィルム等の単層フィルム、ポリエステルフィルム等に金属酸化物若しくは非金属酸化物の蒸着層を設けたもの、またはポリエステルフィルム、フッ素系フィルム、オレフィンフィルム若しくはアルミニウム箔などのフィルムを複数積層した多層構成の裏面保護シートが提案されている(特許文献1)。
そして特許文献2では、例えば、ポリエステルフィルムを用いることで絶縁性、フッ素系フィルムを用いることで耐候性が得られることが開示されている。また、特許文献3では、アルミニウム箔を用いることで水蒸気バリア性が得られることが開示されている。
特開2001−111077号公報 特開2002−134771号公報 特開2008−135656号公報
しかし、これらの裏面保護シートは、各層ないしフィルムの接着にラミネート接着剤を使用して製造されていたが、多様な機能を有する層を積層する場合は層の数が増えるため裏面保護シートを得るための工程が増えるため生産性が低くなる問題があった。
さらに、ラミネート接着剤は硬化の終了まで温度40〜60℃で4〜7日間程度を必要とするため、各層の積層後に裏面保護シートが使用できるまでのリードタイム(lead time)が長く、市場から生産性向上の要望があった。
本発明は、製造工程を減らすことが可能であり、リードタイムを短縮することがでるため生産性が向上できる裏面保護シートの提供を目的とする。
本発明は、耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)にアンカーコート剤を塗工することでアンカーコート層(B)を形成し、さらに加熱を行い溶融したポリオレフィン樹脂を塗工することでポリオレフィン樹脂層(C)を形成する工程を含む、太陽電池用裏面保護シートの製造方法である。
上記構成の本発明の製造方法によれば、太陽電池封止材と接するポリオレフィン樹脂層(C)をフィルムとして準備する必要がなく、製造工程を減らすことが出来る。また、従来のドライラミネートに使用する接着剤と比較して、硬化時間(以下、エージング時間)を大幅に短縮できるためリードタイムの短縮により裏面保護シートの生産性が向上した。
本発明により、製造工程を減らすことが可能で、リードタイムを短縮することが出来るため生産性が向上できる裏面保護シートの製造方法を提供できた。
本発明の製造方法により得られた裏面保護シートの一例の断面図である。 本発明の製造方法により得られた裏面保護シートの一例の断面図である。 従来のドライラミネート法により得られた裏面保護シートの断面図である。 従来のドライラミネート法により得られた裏面保護シートの断面図である。
まず、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、「任意の数A〜任意の数B」の記載は数A及び数Aより大きい範囲であって、数B及び数Bより小さい範囲を意味する。
本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法は、耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)にアンカーコート剤を塗工することでアンカーコート層(B)を形成し、さらに加熱を行い溶融したポリオレフィン樹脂を塗工することでポリオレフィン樹脂層(C)を形成する工程を含むことが好ましい。この製造方法で得られた太陽電池用裏面保護シートを太陽電池の製造に使用する場合は、ポリオレフィン樹脂層(C)が太陽電池の封止材と接するように貼り合せることが好ましい。ポリオレフィン樹脂層(C)は熱可塑性であるため、加熱して軟化したポリオレフィン樹脂層(C)を封止材と圧力を加えて貼りあわせ、室温に冷却することで封止材と接着する。これにより太陽電池用裏面保護シートは太陽電池セルに水等の異物を浸入させない役割を果たすことができる。
また、本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法は、ポリオレフィン樹脂の塗工後に、着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)を貼り合わせることで、ポリオレフィン樹脂層(C)と着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)が接着する工程を含むことが好ましい。得られる太陽電池用裏面保護シートが、着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)を含むことで、着色剤の種類により太陽電池用裏面保護シートに様々な機能が付与できる。
例えば、白色の着色剤を使用する場合、太陽光の反射率が向上し、太陽電池の発電効率が向上できる。また、黒色の着色剤を使用する場合、需要者に与える印象が向上すると言うように太陽電池の意匠性が向上する。
耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)は、ポリエステル樹脂を成形したポリエステルフィルムであり、一般には低オリゴマーポリエステルフィルムとも称される。具体的にはポリエステル樹脂を成形の際、加水分解した成分(環状三量体成分)含有量がポリエステルフィルムの単位重量当たり5000ppm以下であるポリエステルフィルムのことを言う。ここで、ポリエステル樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また本発明に用いる耐加水分解性ポリエステルフィルムの厚みは50μm〜150μmが好ましい。
アンカーコート層(B)は、耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)とポリオレフィン樹脂層(C)との密着性を向上するために使用する。具体的には、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、およびポリカーボネート系樹脂などを含む公知のアンカーコート剤を使用出来る。
このアンカーコート層(B)は、アンカーコート剤を耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)に塗工し、乾燥することで得ることができる。アンカーコート層(B)の厚みは0.5μm〜1μmが好ましい。前記範囲の厚みに設定することにより、アンカーコート剤の硬化を効率的に行う事が出来、リードタイムを短縮することが出来る。また前記塗工は、公知の塗工装置を使用できる。具体的には、例えばグラビアコーターおよびロールコーター等を使用できる。
ポリオレフィン樹脂層(C)は、加熱し、溶融したポリオレフィン樹脂組成物をアンカーコート層(B)上に塗工することで形成できる。
前記塗工に使用する塗工方法は溶融押出成形法(例えばTダイ法、インフレーション法等)、およびカレンダー法等が好ましい。またポリオレフィン樹脂層(C)の厚みは10〜200μmが好ましく、20〜180μmがより好ましい。
本発明においてポリオレフィン樹脂層(C)は、ポリオレフィン樹脂と二酸化チタン粒子(E)を含む混合物から形成することが好ましい。二酸化チタン粒子(E)の存在により、本発明の太陽電池用裏面保護シートの寸法安定性がより向上する。
二酸化チタン粒子(E)は、棒状や針状という形状であることが好ましい。具体的には粒子の平均アスペクト比(以下、単にアスペクト比という)が1.5〜50であることが好ましく、4〜20がより好ましい。アスペクト比が1.5〜50の範囲内にあることで粒子の比表面積が小さくなり、二酸化チタンの表面活性を抑制し易くなる。そのためポリオレフィン樹脂の劣化を抑制し易くなる。さらに二酸化チタン粒子(E)は棒状や針状という形状であるため太陽光を受け続けても二酸化チタン自体が劣化しにくい。そのため太陽電池裏面保護シートを長期間使用した場合のシートの黄変や反射率の低下が小さい。
二酸化チタン粒子(E)は、さらに短軸長さが0.1〜1μmかつ長軸長さが1.5〜5μmであることが好ましく、短軸長さが0.2〜0.5μmかつ長軸長さが2〜4μmがより好ましい。二酸化チタン粒子(E)の短軸長さと長軸長さは、前記アスペクト比のために重要である。短軸長さと長軸長さが前記数値範囲内にあることでカールを低減でき、さらに寸法安定性が向上する。なお、この長軸および短軸長さは例えば走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、製品名S−3000H)などで2000倍〜1万倍へ拡大した画像を使用して50個程度の粒子を外観観察し、それらの平均をとることで得られる。
二酸化チタン粒子(E)の結晶構造は、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)があるが、特に限定されるものではないが、反射率および、耐候性の観点からルチル型の結晶型をもつ二酸化チタンがより好ましい。二酸化チタン粒子(E)の製造方法は塩素法であっても硫酸法であってもよい。
二酸化チタン粒子(E)は、粒子の表面を無機化合物や有機化合物により表面処理されていてもよい。無機化合物で処理することで、耐候性および白色度をより向上できる。また、有機化合物で処理することで、粒子を疎水にし易く、分散性、および樹脂との相溶性をより向上できるため、寸法安定性をより向上できる。なお本発明で表面処理とは、粒子の表面を被覆することをいう。
二酸化チタン粒子(E)の表面処理は、有機化合物での処理の前に、あらかじめ無機化合物により表面処理されていることが好ましい。前記無機化合物はアルミニウムの酸化物、水酸化物、水和酸化物等のアルミニウム化合物であると好ましく、単独あるいは2種以上の組み合わせで使用することができる。無機化合物による表面処理は、例えば二酸化チタンを分散させた水性スラリーにアルミニウム化合物の水溶液を添加し、酸性または塩基性化合物の水溶液を添加して中和反応し、難溶性水和酸化物を二酸化チタン表面上に沈殿させてろ過乾燥する方法がある。
前記有機化合物は特に限定されるものではないが、例えばポリシロキサン系やアルキルシラン系、シランカップリング剤などのオルガノシラン系が挙げられ、特にシランカップリング剤であるとより好ましく、例えばアルコキシシラン類、クロロシラン類、ポリアルコキシアルキルシロキサン類が挙げられ、単独あるいは2種以上の組み合わせで使用することができる。有機化合物による表面処理は、例えばヘンシェルミキサ−、スーパーミキサー等の高せん断力混合機を用いて二酸化チタンと均一に混合することにより、二酸化チタンの表面処理をする方法がある。
二酸化チタン粒子(E)は、二酸化チタン100重量部を無機化合物0.05〜5重量部で表面処理することが好ましい。
また二酸化チタン粒子(E)は、二酸化チタン100重量部を有機化合物0.05〜5重量部で表面処理することが好ましい。または、無機処理した二酸化チタン100重量部を有機化合物0.05〜5重量部で表面処理することが好ましい。
二酸化チタン粒子(E)は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜80重量部使用することが好ましく、10〜40重量部がより好ましい。使用量が1重量部以上になることで寸法安定性がより向上できる。さらに、ポリオレフィン樹脂層(C)の熱伝導率が大きくなる、すなわち成形するときのポリオレフィン樹脂層(C)の温度ムラを抑制できるため、カールを低減しやすくなる。加えて、太陽光の反射率もより向上する。ここでの反射率とは波長が400〜1200nmでの光線反射率であり、この範囲での平均反射率が70%以上であると太陽電池の変換効率が高くなる。一方、使用量が80重量部以下になることで反射率並びに、寸法安定性および成形性をより両立しやすくなる。本発明で反射率は、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製、製品名UV−3150)で測定できる。
ポリオレフィン樹脂を配合することでポリオレフィン樹脂層(C)は、所望の接着性が得られる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびポリプロピレン等が好ましい。
ポリオレフィン樹脂のMFRは封止材との接着性の観点から、2〜14の範囲のものを使用することが好ましい。ここでMFRとはMelt Flow Rateの略であり、樹脂の流動性を表す指標の事である。MFRが低いほど、溶融させたときの樹脂の粘度が高く、MFRが高いほど、溶融させたときの樹脂の粘度は低くなる。
本発明においてポリオレフィン樹脂層(C)は、ポリオレフィン樹脂および二酸化チタン粒子(E)に加えて、さらにタルク、マイカ、モンモリロナイト、セリサイトおよびハイドロタルサイトからなる群から選ばれる1種以上の板状粒子を含む混合物から形成することが好ましい。板状粒子を含有することによって、ポリオレフィン樹脂層(C)に水蒸気バリア性を付与することが出来る。本発明で、水蒸気バリア性は水蒸気透過率測定装置(モコン社製、PERMATRAN−W)で測定できる。
板状粒子は平均粒子径0.5〜10μmが好ましい。本発明で平均粒子径は、例えば走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、製品名S−3000H)などで2000倍〜1万倍へ拡大した画像を使用して50個程度の粒子を外観観察し、それらの平均をとることで得られる粒子径をいう。
前記板状粒子は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、1〜50重量部使用することが好ましく、10〜30重量部がより好ましい。使用量が1重量部以上になることで水蒸気バリア性を付与することが出来る。一方、使用量が50重量部を超えて使用する場合、ポリオレフィン樹脂組成物の成形性が低下し、ポリオレフィン樹脂層(C)全体に占めるポリオレフィン樹脂成分が相対的に低下するため、ポリオレフィン樹脂層(C)の封止材との接着力が低下する。
ポリオレフィン樹脂組成物には、さらに紫外線吸収剤を配合してもよい。当該配合によりポリオレフィン樹脂層(C)の耐候性がより向上する。
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系などが好ましい。
紫外線吸収剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、フェニルサリチレート、およびp−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。紫外線吸収剤は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
紫外線吸収剤は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.1〜3重量部配合することが好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物には、光安定化剤や酸化防止剤を配合してもよい。
光安定化剤は、耐候性をより向上するために配合することができる。また光安定化剤は、紫外線吸収剤と併用することが好ましい。
光安定化剤は、具体的には、例えばコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。光安定化剤は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
光安定化剤は、ポリオレフィン樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.01〜3重量部配合することが好ましい。
酸化防止剤は、高温下での熱安定性を向上するため使用できる。酸化防止剤は、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、および燐酸系などの化合物が好ましい。
酸化防止剤は、具体的には、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
酸化防止剤は、ポリオレフィン樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.05〜3重量部を配合することが好ましい。
着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)は、着色剤とポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
着色剤は、二酸化チタン、カーボンブラック等、一般にフィルムに練りこむ際に使用されるものを好ましく使用することが出来る。
ここで白色に着色する場合は、二酸化チタンを配合することが好ましい。白色に着色することで裏面保護シートに光線反射性を付与し、太陽光を裏面保護シートで反射し、発電素子側に戻すことで太陽電池の出力向上効果が得易くなる。
また黒色に着色する場合は、カーボンブラックを配合することが好ましい。黒色に着色することで太陽電池モジュールをガラス面から見た場合、着色ポリオレフィン樹脂フィルムと発電素子が同系統の色合いになり、意匠性が得やすくなる。
着色剤は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して5〜30重量部配合できる。
ポリオレフィン樹脂は、例えば直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、およびポリプロピレンなどが好ましい。
着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)の製造は、例えば、ポリオレフィン樹脂と着色剤を配合した樹脂組成物を作成する。この樹脂組成物と樹脂を配合して成形機に投入し、シート状に押し出すことで得ることができる。成形機は、T−ダイ押出機、カレンダー成形機などが好ましい。着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)の厚みは、0.01〜0.15mm程度が好ましい。
本発明の裏面保護シートの製造方法を1例を挙げて説明する。まず耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)にアンカーコート剤をグラビアコーター塗布し、乾燥する事でアンカーコート層(B)を形成する。その後、ポリエチレン樹脂、またはポリエチレン樹脂組成物を押し出し機で加熱溶融し、T−ダイ押出機から押し出してアンカーコート層に塗工することで得られるものである。
本発明の太陽電池モジュールは、少なくとも本発明の製造方法で得た太陽電池用裏面保護シートを備えたものである。太陽電池モジュールの太陽電池用裏面保護シート以外の構成は、透明基板、封止材、発電素子が挙げられる。そして太陽光を受光する側から順に透明基板/受光面側封止材/発電素子/非受光面側封止材/太陽電池用裏面保護シートのように積層する。透明基板は、エンボス加工を施した白板強化ガラスが一般的である。また、封止材は、架橋処理したエチレン−酢酸ビニルを使用するのが一般的である。発電素子は単結晶シリコン系、多結晶シリコン系が好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは封止材の配合組成により異なるが、一般的には、上記の各部材を重ね合わせた後、一括して真空ラミネーターで温度150℃、脱気時間5分、プレス圧力1atm、プレス時間15分、アフターキュア150℃−30分で加熱圧着することにより製造できる。その際、本発明の製造方法によって得られた太陽電池用裏面保護シートをポリオレフィン樹脂層(C)または、着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)が非受光面側封止材と接する様に配置することで、非受光面側封止材と太陽電池用裏面保護シートを強力に接着することが出来る。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。部は重量部、%は重量%を意味する。
使用した原料は以下の通りである。
(A)耐加水分解性ポリエステルフィルム
シャインビームQ1215(東洋紡績社製、厚さ50μm)
(B)アンカーコート層
オリバインEL−510(主剤:ポリエステル系)/CAT−RT80(硬化剤: ポリイソシアネート系)(東洋モートン社製、ポリエステルウレタン系樹脂、配合 比5/1)
(E)二酸化チタン粒子
PFR404(石原産業社製、平均短軸長さ0.4μm、平均長軸長さ3.0μm 、平均アスペクト比7.5)
(X)ポリオレフィン樹脂
(X−1):ノバテックLD LF441MD(日本ポリエチレン社製、低密度ポリエチレン)
(X−2):ウルトゼックス15100C(プライムポリマー社製、直鎖状低密度ポリエチレン )
(X−3):プライムポリプロF329RA(プライムポリマー社製、ポリプロピレン)
(Y)板状粒子
(Y−1)タルク LMS−400(富士タルク工業社製、平均粒子径3.7μm)
(Y−2)マイカ SJ−005(ヤマグチマイカ社製、平均粒子径5μm)
(Y−3)モンモリロナイト クニフィルD36(クニミネ工業社製、平均粒子径10μm)
(Y−4)セリサイト FSN(三信鉱工社製、平均粒子径5μm)
(Y−5)ハイドロタルサイト N41SA(戸田工業社製、平均粒子径40nm)
(製造例1)
低密度ポリエチレン樹脂(X−1)100%をポリオレフィン樹脂1とした。
(製造例2)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)100%をポリオレフィン樹脂2とした。
(製造例3)
ポリプロピレン樹脂(X−3)100%をポリオレフィン樹脂3とした。
(製造例4)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部と二酸化チタン粒子(E)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用して二酸化チタンマスターバッチを得た。
得られた二酸化チタンマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物4を得た。
(製造例5)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とタルク(Y−1)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してタルクマスターバッチを得た。
得られたタルクマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物5を得た。
(製造例6)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とマイカ(Y−2)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してマイカマスターバッチを得た。
得られたマイカマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物6を得た。
(製造例7)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とモンモリロナイト(Y−3)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してモンモリロナイトマスターバッチを得た。
得られたモンモリロナイトマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物7を得た。
(製造例8)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とセリサイト(Y−4)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してセリサイトマスターバッチを得た。
得られたセリサイトマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物8を得た。
(製造例9)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とハイドロタルサイト(Y−5)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してハイドロタルサイトマスターバッチを得た。
得られたハイドロタルサイトマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物9を得た。
(製造例10)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部と二酸化チタン粒子(E)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用して二酸化チタンマスターバッチを得た。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とタルク(Y−1)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してタルクマスターバッチを得た。
得られた二酸化チタンマスターバッチとタルクマスターバッチに表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物10を得た。
(製造例11)
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部と二酸化チタン粒子(E)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用して二酸化チタンマスターバッチを得た。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)70重量部とモンモリロナイト(Y−3)30重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用してモンモリロナイトマスターバッチを得た。
得られた二酸化チタンマスターバッチとモンモリロナイトマスターバッチに、表1の配合量となるように直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(X−2)を追加して、調製し、混合物11を得た。
Figure 2013211336
<着色ポリオレフィン樹脂フィルムの作製>
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ネオゼックス0434N)80重量部と二酸化チタン(石原産業社製、PF740)20重量部をスーパーミキサー(三井鉱山社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した。その後、二軸押出機(日本プラコン社製)を使用して二酸化チタンマスターバッチを得た。
得られた二酸化チタンマスターバッチ80重量部と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂20重量部を用いて、着色ポリオレフィン樹脂組成物を調製した。調製後、T−ダイ押出機で200℃にて押出成形し、厚さ80μmの着色ポリオレフィン樹脂フィルム層を作製した。
<太陽電池用裏面保護シートの作成>
(実施例1)
耐加水分解性ポリエステルフィルムの両面にコロナ処理を行った。その一方の面にポリエステルウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン社製、オリバインEL−510/CAT−RT80、配合比5/1)を押出ラミネート機のグラビアコーターユニットを使用して塗工し、乾燥することで乾燥塗工量約0.2g/m2のアンカーコート層を形成した。
上記アンカーコート層に得られたポリオレフィン樹脂1を押出ラミネート機のT−ダイ押出機ユニットを使用して押し出して塗工した。その後、40℃、2日間エージング処理しアンカーコート層を硬化させ、図1に示す構成の太陽電池用裏面保護シート1を得た。
(実施例2〜11)
ポリオレフィン樹脂1に換えて、ポリオレフィン樹脂または混合物の2〜11を使用した以外は、実施例12と同様の方法で太陽電池用裏面保護シート2〜11を得た。
(実施例12)
実施例1と同様に耐加水分解性ポリエステルフィルムにアンカーコート層を形成し、得られたポリオレフィン樹脂組成物10をT−ダイ押出機を使用してアンカーコート層に押し出し、着色ポリオレフィン樹脂フィルムを貼り合わせた。その後、40℃、2日間、エージング処理し、アンカーコート層を硬化させ、図2に示す構成の太陽電池用裏面保護シート12を得た。
(比較例1)
耐加水分解性ポリエステルフィルムの両面にコロナ処理を行った。その一方の面にポリエステルウレタン系接着剤(東洋モートン社製、アドコート502/CAT−10、配合比100/7)をグラビアコーターを使用して塗布し、乾燥することで、乾燥塗工量10±1g/m2の接着剤層を形成した。さらに接着剤層に得られた着色ポリオレフィン樹脂フィルムを貼り合わせた。その後、50℃、4日間、エージング処理し、接着剤層を硬化させ、図3に示す構成の太陽電池用裏面保護シート13を得た。
(比較例2)
耐加水分解性ポリエステルフィルムの両面にコロナ処理を行った。その一方の面にポリエステルウレタン系接着剤(東洋モートン社製、アドコート502/CAT−10、配合比100/7)をグラビアコーターを使用して塗布し、乾燥することで、乾燥塗工量10±1g/m2の接着剤層を形成した。接着剤層にシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂社製、テックバリアーLX、12μm)を貼り合わせ、さらにポリエステルウレタン系接着剤(東洋モートン社製、アドコート502/CAT−10、配合比100/7)をグラビアコーターを使用して塗布し、乾燥することで、乾燥塗工量10±1g/m2の接着剤層を形成した。さらに接着剤層に着色ポリオレフィン樹脂フィルムを貼り合わせ、50℃、4日間、エージング処理し、接着剤層を硬化させ、図4に示す構成の太陽電池用裏面保護シート14を得た。
評価項目と評価方法を以下に示す。
[生産工程数]
ポリオレフィン樹脂組成物から、着色ポリオレフィン樹脂フィルムを作製する工程を1工程と数える。また、フィルム原反をロールから巻きだして、別のロールに巻き取るまでを1工程とし、以下の様に判断した。
○:2工程以下
×:3工程以上
[リードタイム]
アンカーコート剤、及び接着剤を硬化させるのに必要な時間を以下の様に評価した。
○:生産から裏面保護シートが使用可能になるまで2日以内であった。
×:生産から裏面保護シートが使用可能になるまで3日以上かかった。
[寸法変化率]
実施例12〜23および比較例1〜2で得られたシートを、MD方向200mm、TD方向200mmの大きさに切り取り、150℃に設定した恒温槽試験機に無荷重で30分投入した。ここで、シートを成形する時の押出す方向(流れ方向ともいう)をMD方向、流れに対して垂直方向(シート幅方向)をTD方向と定義する。これらシートの加熱前後の寸法を、MD方向、TD方向について測定し、寸法変化率を式(1)により算出した。
式(1):寸法変化率(%)=(加熱前の寸法−加熱後の寸法)×100÷加熱前の寸法
寸法変化率を評価する際は、その値の絶対値を下記の基準で評価した。
○:1%未満
×:1%以上
[カール評価]
実施例および比較例で得られたシートをTD方向200mm、MD方向200mmの大きさに切り取り、水平面上に静置して25℃で24時間静置後、水平面からシート縁までの垂直距離を観察し、その最大値をもってカールを評価した。カールは下記の基準で評価した。
○:5mm未満
×:5mm以上
<接着力測定用サンプルの作成>
得られた太陽電池用裏面保護シートのポリオレフィン樹脂層または着色ポリオレフィン樹脂層と、封止材(エチレン−酢酸ビニル共重合体、厚さ0.45mm)が接するように太陽電池用裏面保護シート/封止材/太陽電池用裏面保護シートを積層した。この積層体を真空ラミネーターを使用して、真空下、温度150℃で5分間脱気した後、プレス圧力1atmで15分間で加熱加圧圧着した。さらに150℃で30分間放置し、巾15mm、長さ100mmの形状に切り取ることで接着力測定用サンプルを得た。
[接着力]
得られた接着力測定用サンプルを引張試験機(島津製作所社製、EZ−Test)で引張速度300mm/minで長さ方向にT字剥離試験を行い、接着力の初期値を測定した。また、接着力測定用サンプルをプレッシャークッカー試験機(温度105℃、相対湿度100%、圧力1kg/cm2の環境下、192時間)で加速試験し、その後、初期値の測定と同様の条件で長さ方向にT字剥離試験を行い、加速試験後の接着力の値とした。
<耐候性評価用サンプルの作成>
太陽電池用裏面保護シートのポリオレフィン樹脂層または着色ポリオレフィン樹脂層と、封止材が接するように白板ガラス、封止材、太陽電池用裏面保護シートの順で積層し、真空ラミネーターによる真空下、温度150℃で5分間脱気した後、プレス圧力1atmで15分間加熱加圧圧着した。さらに150℃で30分間放置し、耐候性評価用サンプルを得た。
[耐候性評価]
耐候性評価として、UV照射前、UV照射後のLab値を測定して評価した。ここで、Lとは明度のことであり、aは緑〜赤、bは青〜黄を表す補色軸のことである。b値を評価することで標準色に対する黄色の度合いを定量化出来る。
上記耐候性評価用サンプルのUV照射前のb値を、色彩色差計(コニカミノルタ社製、CR−400)で白板ガラス面側から測定した。その後、促進耐候試験機(岩崎電器社製アイスーパーUV)を使用して紫外線を照射量100mW/cm2、温度50℃、相対湿度30%の条件で100時間白板ガラス面側に照射した。そのサンプルの白板ガラス面側のb値を測定し、これをUV照射後のb値とした。
Figure 2013211336
表2の結果より、押出ラミネートにより作製した実施例1〜12の太陽電池用裏面保護シートは、ドライラミネートで作製した比較例1および2の太陽電池用裏面保護シートよりも生産性が向上し、かつ、すべての評価項目においてドライラミネートで作製した太陽電池用裏面保護シートと同様の優れた物性が得られている。
1 耐加水分解性ポリエステルフィルム
2 アンカーコート層
3 ポリオレフィン樹脂層
4 着色ポリオレフィン樹脂層
5 接着剤層
6 シリカ蒸着ポリエステルフィルム

Claims (6)

  1. 耐加水分解性ポリエステルフィルム(A)にアンカーコート剤を塗工することでアンカーコート層(B)を形成し、さらに加熱を行い溶融したポリオレフィン樹脂を塗工することでポリオレフィン樹脂層(C)を形成する工程を含む、太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
  2. ポリオレフィン樹脂の塗工後に、着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)を貼り合わせることで、ポリオレフィン樹脂層(C)と着色ポリオレフィン樹脂フィルム(D)が接着する工程を含む、請求項1記載の太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
  3. ポリオレフィン樹脂と、粒子の平均アスペクト比が1.5〜50、かつ平均短軸長さが0.1〜1μm、平均長軸長さが1.5〜5μmである二酸化チタン粒子(E)とを含む混合物を塗工することでポリオレフィン樹脂層(C)を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
  4. 混合物が、さらにタルク、マイカ、モンモリロナイト、セリサイトおよびハイドロタルサイトからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1〜3いずれか記載の太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の製造方法で得られた太陽電池用裏面保護シート。
  6. 請求項5記載の太陽電池用裏面保護シートを備えた太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017125131A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 東洋インキScホールディングス株式会社 アンカーコート剤
WO2018034117A1 (ja) * 2016-08-18 2018-02-22 東レ株式会社 積層体、およびそれを用いた太陽電池裏面保護用シート、太陽電池モジュール

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