JP6114743B2 - 銅高含有酵母抽出物の製造方法、並びに、食品の製造方法、及び野菜の緑色保持復元剤の製造方法 - Google Patents

銅高含有酵母抽出物の製造方法、並びに、食品の製造方法、及び野菜の緑色保持復元剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、天然物由来の銅を高濃度に含有し、水への溶解性に優れ、銅欠乏による貧血、心臓疾患等を改善し得る流動食等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適な銅高含有酵母抽出物及びその製造方法、並びに、該銅高含有酵母抽出物を含む食品、及び野菜の緑色保持復元剤に関する。
銅は、近時の厚生労働省が発表したデータによると成人男性での1日の推定平均必要量としては約0.7mg(成人女性では約0.6mg)とされており、生体内で欠乏すると、貧血や心臓疾患等を引き起こす可能性がある(非特許文献1参照)。このため、銅を効率良く生体内に摂取乃至吸収することができ、銅欠乏による貧血、心臓疾患等を改善し得る流動食、飲料等の安全な食品素材の開発が必要である。
一方、酵母は古くから人類が食品素材として利用しており、例えば、ビール酵母が食物繊維、ビタミンあるいはミネラル分の供給源としても用いられてきた。特に菌体内に銅を取り込ませた酵母(銅含有酵母)又はその抽出物は、銅を補強した安全な食品素材として利用可能であると考えられる。
しかしながら、従来の銅含有酵母においては、酵母臭等の独特の臭い及び酵母味等の独特の味が十分に低減されていないため、食品としての用途においては十分満足いくものではなかった。また、従来の銅含有酵母は、水に可溶でないため、食品に添加した際ににごりや沈殿が生じ、特に清涼飲料水等としての用途には利用できないという問題があった。
上記問題を解決するため、前記銅含有酵母から抽出された銅含有酵母抽出物とすることが考えられる。これまで、銅等のミネラル含有酵母からの抽出には、(1)熱水抽出法、(2)自己消化法、(3)酵素分解法などが用いられてきた(非特許文献2参照)。しかしながら、前記(1)〜(3)の方法には、ミネラルの回収率(銅抽出効率)が低いという問題があった。更に、前記(2)及び(3)の方法には、酵母抽出物に特有の酵母臭及びエキス味が残り、前記(3)の方法には、高コストであり、使用した酵素が抽出物中に残存するという問題があった。
更に、銅等の金属の用途として、植物の緑色の発色を復元する用途が考えられるが、銅が特に緑色の発色を長期に亘り保持できることは知られていなかった。野菜の緑色の保持は、特に食品加工業において、食材及びその加工品の保存可能期間にかかわり、長期に亘る野菜の緑色保持が要求されている。しかしながら、これまでに食品に添加できる安全な金属含有素材は知られておらず、長期に亘る野菜の緑色保持は未だ達成されていない。
このため、酵母臭等の独特の臭い及び酵母味等の独特の味が十分に低減された、安全な食品素材として好適な銅高含有酵母抽出物、及びその効率的な製造方法、並びに、該銅高含有酵母抽出物を用いた流動食、飲料等の食品、及び長期に亘る緑色保持効果を有する野菜の緑色保持復元剤の開発が望まれている。
「日本人の食事摂取基準 2010年版」 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書、第一出版株式会社、p.231−p.233、付録XLIX(2010年) 杉本 洋 「酵母エキス製造法の変遷(I)−国内の特許出願の傾向から−」 New Food Industry 1994, Vol.36, No.10, p.41−48
本発明は、このような要望に応え、現状を打破し、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、天然物由来の銅を高濃度に含有し、水への溶解性に優れ、食品等に添加した際に外観を損なわず、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適であり、しかも添加した食品の風味等を損なうことがない銅高含有酵母抽出物及びその製造方法、並びに、食品、及び長期に亘る緑色保持効果を有する野菜の緑色保持復元剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 銅を含有する酵母を、カルボン酸及びカルボン酸塩の少なくともいずれかを含む溶液に懸濁させ、得られた懸濁液の固体成分と液体成分とを分離する抽出工程を含むことを特徴とする銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<2> カルボン酸が、2価以上のカルボン酸であり、カルボン酸塩が、2価以上のカルボン酸塩である前記<1>に記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<3> カルボン酸が、3価のカルボン酸であり、カルボン酸塩が、3価のカルボン酸塩である前記<1>から<2>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<4> 懸濁液のpHが、2.0〜10.0である前記<1>から<3>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<5> カルボン酸及びカルボン酸塩の総量が、酵母中の銅1モルに対して2モル以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<6> 抽出工程の前に、酵母を60℃〜120℃の熱水に懸濁させ、得られた懸濁液の固体成分と液体成分とを分離する熱水処理工程を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<7> 熱水処理工程において、熱水にリン酸塩を添加する前記<6>に記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法である。
<8> 抽出工程における懸濁液の固体成分と液体成分との分離を濾過により行う前記<1>から<7>のいずれかに記載の亜鉛高含有酵母抽出物の製造方法である。
<9> 熱水処理工程における懸濁液の固体成分と液体成分との分離を濾過により行う前記<6>から<8>のいずれかに記載の亜鉛高含有酵母抽出物の製造方法である。
<10> 酵母菌体由来の銅を0.2質量%以上含有する銅高含有酵母抽出物であって、銅高含有酵母抽出物1gを水100mLに溶解乃至分散させたときの濁度が、波長660nmの吸光度(O.D.660)として、0.1以下であることを特徴とする銅高含有酵母抽出物である。
<11> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の製造方法により製造された前記<10>に記載の銅高含有酵母抽出物である。
<12> 酵母が、食用酵母である前記<10>から<11>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物である。
<13> 食用酵母が、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母及び味噌醤油酵母から選択される少なくとも1種である前記<12>に記載の銅高含有酵母抽出物である。
<14> 食用酵母が、Saccharomyces cerevisiaeである前記<12>に記載の銅高含有酵母抽出物である。
<15> 食品に添加されて用いられる前記<10>から<14>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物である。
<16> 食品が流動食及び清涼飲料水のいずれかである前記<13>に記載の銅高含有酵母抽出物である。
<17> 前記<10>から<16>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物を含むことを特徴とする食品である。
<18> 前記<10>から<14>のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物を含むことを特徴とする野菜の緑色保持復元剤である。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、天然物由来の銅を高濃度に含有し、水への溶解性に優れ、食品等に添加した際に外観を損なわず、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適であり、しかも添加した食品の風味等を損なうことがない銅高含有酵母抽出物及びその製造方法、並びに、食品、及び長期に亘る緑色保持効果を有する野菜の緑色保持復元剤を提供することができる。
図1は、実施例1及び比較例1における純水、塩化ナトリウム、及び各カルボン酸塩による銅溶出率を示すグラフである。 図2は、実施例2における銅溶出率に対するカルボン酸乃至カルボン酸塩の効果を示すグラフである。 図3は、実施例3における銅溶出率に対する懸濁液のpHの影響を示すグラフである。 図4は、実施例4及び比較例2におけるカルボン酸緩衝液の濃度と銅溶出率との関係を示すグラフである。 図5は、実施例5における溶出時間と銅溶出率との関係を示すグラフである。 図6Aは、実施例6−1、比較例3−1、及び比較例3−2における銅高含有酵母抽出物等の水への溶解性を示す写真の一例である。 図6Bは、図6Aの水溶液を3,000rpmで5分間遠心した後の写真である。 図6Cは、実施例6−2、比較例3−3、及び比較例3−4における銅高含有酵母抽出物等のリンゴ果汁溶液への溶解性を示す写真の一例である。 図6Dは、図6Cのリンゴ果汁溶液を3,000rpmで5分間遠心した後の写真である。 図7Aは、実施例8−1の試験結果を示す写真である。 図7Bは、実施例8−2の試験結果を示す写真である。 図7Cは、実施例8−3の試験結果を示す写真である。 図7Dは、実施例8−4の試験結果を示す写真である。 図7Eは、実施例8−5の試験結果を示す写真である。
(銅高含有酵母抽出物の製造方法)
本発明の銅高含有酵母抽出物の製造方法は、抽出工程を含み、更に必要に応じて、熱水処理工程、乾燥工程などのその他の工程を含む。
<抽出工程>
前記抽出工程は、銅を含有する酵母を、カルボン酸及びカルボン酸塩の少なくともいずれかを含む溶液に懸濁させ、得られた懸濁液の固体成分と液体成分とを分離する工程である。前記抽出工程により、銅を高含有する液体成分(抽出物)を得ることができる。
<<酵母>>
前記酵母は、菌体内に銅を含んでいる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記酵母における銅含有量としては、銅高含有酵母抽出物を銅強化食品素材等として用いる場合には多いほど好ましいが、酵母における銅の取込みの限界、及び銅高含有酵母抽出物を効率的に製造する観点からは、乾燥菌体質量当たり0.01質量%〜2質量%が好ましく、0.5質量%〜2質量%がより好ましい。
ここで、前記銅含有量とは、酵母菌体内における銅含有量を指し、例えば、水等で洗浄した菌体であっても、洗浄後においても銅含有量が高く維持されることが好ましい。このような酵母は、洗浄を行っても該銅は除去されず菌体内部に保持されたままであるので、菌体由来の銅であって安全性が高く、酵母特有の臭いや味を低減するための熱水処理(洗浄)を行った場合に、添加した食品の風味等を損なうことがなく、しかも前記銅を高濃度含有しているので、食品素材等として好適である。
なお、前記酵母における銅含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば、原子吸光法により測定することができる。
前記銅を含有する酵母は、培養液に銅を添加して酵母を培養することにより、酵母菌体内に銅を取り込ませて作製してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ミネラル酵母Cu1、イーストミネラル銅(以上、オリエンタル酵母工業株式会社製)などが挙げられる。培養液に添加する銅の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、銅利用率(銅の菌体内取込率)と対糖収率(増殖率)とを良好なレベルで両立させることが好ましい。
なお、添加する銅の種類、培地の種類、培養条件などは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記銅を含有する酵母は、更に、破砕されていてもよい。前記酵母が破砕物である場合でも、銅含有量が多いほど好ましく、破砕物を水等で洗浄した沈殿画分における乾燥菌体質量当たりの銅含有量が、破砕を行う前の菌体における乾燥菌体質量当たりの銅含有量の70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
なお、前記破砕の方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物理的破砕処理であってもよいし、化学的破砕処理であってもよく、具体的には、0.5mm径のビーズをシリンダーに50容量%充填したダイノミルを用いる方法などが好適に挙げられる。
また、前記銅を含有する酵母の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿菌体の態様、粉末の態様などが挙げられる。
前記酵母は、銅以外に、更にその他のミネラル成分を含有していてもよく、該ミネラル成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛等が挙げられる。これらのミネラル成分は、酵母中に、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよく、また、含まれている濃度としては、目的に応じて異なり一概に規定することはできないが、一般に高濃度であるのが好ましい。
前記酵母としては、その抽出物を食品素材等として用いる場合には、食用酵母であることが特に好ましい。
前記食用酵母としては、特に制限はなく、公知のものの中から選択することができ、例えば、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、味噌醤油酵母などが挙げられる。これらの中でも、パン酵母が特に好ましい。
前記食用酵母の菌株としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、トルロプシス(Torulopsis)属、ミコトルラ(Mycotorula)属、トルラスポラ(Torulaspora)属、キャンディダ(Candida)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、ピキア(Pichia)属などが挙げられる。
前記食用酵母の菌株の具体例としては、Saccharomyces cerevisiaeSaccharomyces carlsbergensisSaccharomyces uvarumSaccharomyces rouxiiTorulopsis utilisTorulopsis candidaMycotorula japonicaMycotorula lipolyticaTorulaspora delbrueckiiTorulaspora fermentatiCandida sakeCandida tropicalisCandida utilisHansenula anomalaHansenula suaveolensSaccharomycopsis fibligeraSaccharomyces lipolyticaRhodotorula rubraPichia farinosaなどが挙げられる。
これらの中でも、Saccharomyces cerevisiaeSaccharomyces carlsbergensisが好ましく、Saccharomyces cerevisiaeが特に好ましい。
<<カルボン酸及びカルボン酸塩>>
前記カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1価のカルボン酸でも、2価以上の多価カルボン酸でもよいが、銅の抽出効率(銅溶出率)の観点から、2価以上のカルボン酸が好ましく、3価以上のカルボン酸がより好ましい。
前記1価のカルボン酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ピルビン酸、グルコン酸などが挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、オキサロ酢酸、α−ケトグルタル酸などが挙げられる。
前記3価のカルボン酸としては、例えば、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、オキサロコハク酸などが挙げられる。
これらの中でも、食品添加及び銅溶出率の観点から、クエン酸、コハク酸、酒石酸が好ましく、クエン酸がより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボン酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1価のカルボン酸塩でも、2価以上の多価カルボン酸塩でもよいが、銅の抽出効率の観点から、2価以上のカルボン酸塩が好ましく、銅の抽出効率がよりよい点で、3価以上のカルボン酸塩がより好ましい。これらのカルボン酸塩としては、例えば、上記カルボン酸の具体例の塩などが挙げられる。これらの中でも、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩が好ましく、クエン酸塩がより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボン酸及びカルボン酸塩は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を使用してもよい。
前記カルボン酸又は前記カルボン酸塩の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボン酸及びカルボン酸塩の総量が、酵母中の銅1モルに対して2モル以上であることが好ましく、銅の抽出効率の観点から、10モル以上であることがより好ましい。前記総量が、2モル未満であると、銅の溶出率が悪化することがある。
前記カルボン酸及び前記カルボン酸塩の少なくともいずれかを含む溶液(以下では「カルボン酸緩衝液」ともいう)に用いられる溶媒としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、通常水であり、該水とアルコール等の有機溶媒との混合溶液であってもよい。
前記カルボン酸緩衝液の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、銅の抽出効率の観点から、高いほど好ましく、20ミリモル/L以上が好ましく、50ミリモル/L以上がより好ましく、150ミリモル/L以上が更に好ましい。
前記カルボン酸緩衝液のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5〜9が好ましく、銅の抽出効率の観点から、3.5〜8.5がより好ましい。なお、前記pHは、前記カルボン酸及び前記カルボン酸塩の量比を変更することにより、調整することができる。
前記抽出工程における懸濁液のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.0〜10.0が好ましく、銅の抽出効率の観点から、4.0〜7.0がより好ましい。
前記抽出工程における抽出時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、銅溶出率の観点から、5時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましく、15時間以上が更に好ましい。
前記抽出工程における懸濁液の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出工程における銅溶出率(以下、「抽出率」と称することもある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高いほど好ましく、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、60%以上が特に好ましい。
前記銅溶出率は、下記式により求めることができる。
銅溶出率(%)={抽出物中の銅全量(質量)/抽出に用いた酵母に含まれる銅全量(質量)}×100
<<懸濁>>
前記酵母を前記カルボン酸及びカルボン酸塩の少なくともいずれかを含む溶液(カルボン酸緩衝液)に懸濁させる方法としては、特に制限はなく、公知の攪拌方法や振とう方法を用いることができる。
また、前記抽出工程において、前記懸濁液を更に振とうしてもよい。前記振とうの条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<固体成分と液体成分との分離>>
前記懸濁液の固体成分と液体成分とを分離する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、濾過による分離、遠心による分離などが挙げられる。
前記濾過の方法としては、特に制限はなく、公知の濾過装置を適宜選択して行うことができ、例えば、フィルタープレス、ラインフィルターなどを用いることができる。なお、これらは併用してもよい。
前記遠心分離の方法としては、特に制限はなく、公知の遠心装置を適宜選択して行うことができる。また、前記遠心の条件としても、特に制限はなく、前記懸濁液の量に応じて適宜選択することができ、例えば、前記懸濁液の量が5mLの場合は、3,000rpmで5分間という条件とすることが挙げられる。
前記カルボン酸緩衝液による抽出の痕跡として前記銅含有酵母抽出物中にカルボン酸が残るため、前記カルボン酸緩衝液による抽出が行われたか否かは、前記銅含有酵母抽出物中のカルボン酸を分析して判別することができる。前記分析の方法としては、特に制限はなく、例えば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によってクエン酸等のカルボン酸量を測定することにより行うことができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱水処理工程、乾燥工程、濃縮工程、希釈工程などが挙げられる。これらの中でも、熱水処理工程を含むことが好ましい。
<<熱水処理工程>>
前記熱水処理工程は、前記抽出工程の前に、銅を含有する前記酵母を60℃〜120℃の熱水に懸濁させ、得られた懸濁液の固体成分と液体成分とを分離する工程である。前記抽出工程の前に、前記熱水処理工程を行うことにより、酵母特有の臭い及び味(酵母臭、酵母味)を低減することができ、得られた銅高含有酵母抽出物は、食品等に添加した際に食品等の風味を損なわない点で好ましい。
また、熱水の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高いほど酵母臭及び酵母味の低減効果が高く、80℃〜120℃がより好ましく、95℃〜120℃が更に好ましい。
なお、酵母を懸濁させる方法及び得られた懸濁液の固体成分と液体成分とを分離するする方法としては、特に制限はなく、前述した抽出工程と同様の方法が挙げられる。
前記熱水処理工程においては、酵母特有の臭い及び味を低減させるため、酵母臭や酵母味の抽出(除去)を促進する抽出促進剤を熱水に添加することが好ましい。前記抽出促進剤としては、次の抽出工程における銅の溶出率に悪影響を与えない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボン酸塩以外の塩が挙げられる。これらの中でも、酵母臭を抽出する効果が高く、熱水工程において銅が抽出され難い点で、リン酸塩が好ましい。
前記抽出促進剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥酵母菌体質量当たり、5質量%〜50質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましい。
<<乾燥工程、濃縮工程、希釈工程>>
前記乾燥工程は、前記銅高含有酵母抽出物を乾燥させる工程である。
前記乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレードライヤーL−8(大川原化工機株式会社製)を用いて行うことができる。これにより、銅を高含有した酵母抽出固形物(粉体)を得ることができ、後述する種々の用途に用いることができる。なお、前記固形物とする際には、デキストリン等の賦形剤を適宜含有させてもよい。
前記濃縮工程は、前記銅高含有酵母抽出物を濃縮する工程であり、前記希釈工程は、前記銅高含有酵母抽出物を希釈する工程である。
前記濃縮及び希釈の方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
(銅高含有酵母抽出物)
本発明の銅高含有酵母抽出物は、酵母菌体由来の銅を0.2質量%以上含有する銅高含有酵母抽出物であって、銅高含有酵母抽出物1gを水100mLに溶解乃至分散させたときの濁度が、波長660nmにおける吸光度(O.D.660)として、0.1以下である。
前記銅高含有酵母抽出物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記本発明の銅高含有酵母抽出物の製造方法によって好適に製造することができる。即ち、銅を含有する酵母を、カルボン酸及びカルボン酸塩の少なくともいずれかを含む溶液で抽出して製造することが好ましい。
<銅含有量>
前記銅高含有酵母抽出物における銅含有量としては、銅高含有酵母抽出物を銅強化食品素材等として用いる観点から、多いほど好ましい。本発明において「銅高含有」とは、酵母菌体由来の銅を0.2質量%以上含有することをいい、0.5質量%以上含有することが好ましく、0.8質量%以上含有することがより好ましい。
このように銅を高濃度に含有することにより、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材等として好適に用いることができる。
なお、前記銅含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば、原子吸光法、ICP発光分光分析法などにより測定することができる。
<濁度>
本発明の銅高含有酵母抽出物は、水に対する溶解性が高いため、水溶液とした場合の透明度が高く、銅高含有酵母抽出物1gを水100mLに溶解乃至分散させたときの濁度が、波長660nmにおける吸光度(O.D.660)として、0.1以下であり、0.05以下が好ましく、0.01以下がより好ましい。前記濁度が0.1を超えると、食品等に添加した際ににごりが生じ、変色することがあり、食品等の外観を損ねることがある。また、水に対する溶解性が十分でなく、沈殿することがあるため、特に清涼飲料水等、透明性が必要とされる食品としての用途に用いる際に問題が生じることがある。
ここで、前記銅高含有酵母抽出物の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記抽出工程によって得られた液体(ろ液、上清等の抽出液)であってもよいし、粉末(パウダー)、粒子状、シート状等の固形物であってもよいし、ゲル状、スラリー状等の半固形物であってもよい。ただし、前記濁度を測定する際の「銅高含有酵母抽出物1g」は、乾燥させた固形物であり、前記固形物の水分含有量が7質量%以下であるものを指す。前記乾燥の方法としては、特に制限はなく、上述の方法を用いることができ、その条件等は、特に制限はない。
なお、前記濁度は、分光光度計を使用して、波長660nmにおける吸光度(O.D.660)を測定することができ、前記分光光度計としては、例えば、U−2000型(株式会社日立製作所製)などが挙げられる。
<用途>
本発明の銅高含有酵母抽出物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品に添加されて用いられる食品素材、飼料、餌料等としての用途が好ましく、前記食品素材としての用途が特に好ましい。前記食品素材の中でも、本発明の銅高含有酵母抽出物が溶解性に優れる点で、流動食、清涼飲料水の用途が好ましい。その他の用途としては、食品発酵培地、野菜の緑色保持復元剤としての用途が好ましい。本発明の銅高含有酵母抽出物を用いることにより、銅高含有食品、銅高含有飼料、銅高含有餌料等が得られる。
前記銅高含有酵母抽出物の使用形態としては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができ、乾燥された粉末の状態(例えば、抽出物をスプレードライ等により乾燥したものなど)で使用してもよいし、溶媒に溶解された溶液の状態で使用してもよいし、半固形物の状態(例えば、ゲル状、クリーム状のものなど)で使用してもよい。なお、前記使用形態にするための銅高含有抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の装置等を用い公知の方法に従って行うことができる。
(食品)
本発明の食品は、本発明の銅高含有酵母抽出物を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
ここで、前記食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
前記食品の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、流動食、パン、ビスケット、クラッカー等の製菓、水産加工品、食肉加工品、麺類、味噌等の調味料、加工野菜製品、ジュース等の飲料、アイスクリーム等の氷菓、健康食品等が好ましく、流動食、飲料が特に好ましい。
前記食品中の前記銅高含有酵母抽出物の添加量としては、特に制限はなく、用途、目的等に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、食品を製造するにあたって通常用いられる、補助的原料又は添加物などが挙げられる。
前記補助的原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤などが挙げられる。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(野菜の緑色保持復元剤)
本発明の野菜の緑色保持復元剤は、本発明の銅高含有酵母抽出物を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記緑色保持復元剤の対象となる野菜としては、食用の緑色植物である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑色野菜、茶葉、抹茶等の緑色植物の緑色を保持することができ、また、冷凍乃至冷蔵された緑色野菜、塩漬けされた緑色野菜、市販の漬物等の退色した緑色を復元することができる。
前記野菜の緑色保持復元剤中の前記銅高含有酵母抽出物の添加量としては、特に制限はなく、用途、目的等に応じて適宜選択することができる。
また、前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述した食品における補助的原料又は添加物などが挙げられる。
以下、本発明の実施例等を説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
(実施例1及び比較例1:カルボン酸塩による銅の溶出)
乾物質量5gの銅高含有酵母粉末(ミネラル酵母Cu1、銅含有量:11,200質量ppm、オリエンタル酵母工業株式会社製)に、表1に示す200ミリモル/Lの各カルボン酸ナトリウム水溶液を50mL加えて攪拌し、100mLにメスアップした。なお、前記各カルボン酸塩の量は、抽出される酵母中の銅1モルに対して、11.4モルであった。対照としては、水又は200ミリモル/Lの塩化ナトリウム(食塩)水溶液を用い、以下同様の試験を行った。ここで得られた各懸濁液のpHをpHメーターMP230(METTLER TOREDO社製)で測定した。
前記懸濁液をスターラーによって攪拌しながら、5mLを試験管に取り、沸騰水中で10分間加熱した。この懸濁液を3,000rpmで5分間遠心分離し、上清のみを試験管に採取し、酵母抽出物を得て、その質量を測定した。
前記銅の溶出率は、酵母抽出物中の銅含有量を、ICP発光分光分析装置(Optima2100DV、パーキンエルマー社製)を用いてICP発光分光分析法により測定し、抽出液へ溶出された銅の割合を計算した。結果を表1及び図1に示す。
また、前記抽出物における乾燥粉末の銅含有量(質量%)は、以下のようにして測定した。即ち、銅抽出後の抽出液にデキストリンを添加し、固形物含量を10質量%に調整後、スプレードライヤーL−8(大川原化工機株式会社製)を用いて乾燥させ、ICP発光分光分析装置(Optima2100DV、パーキンエルマー社製)を用いてICP発光分光分析法により銅を定量することにより行った。結果を表1に示す。
表1及び図1の結果から、銅溶出率及び抽出物における銅含有量は、カルボン酸塩を用いることで銅溶出率が高くなり、銅を高含有した抽出物が得られることが分かった。また、その効果は、3価のカルボン酸塩であるクエン酸塩が最も高く、2価のカルボン酸塩であるコハク酸塩、酒石酸塩と続いた。
(実施例2:カルボン酸乃至カルボン酸塩による銅溶出率)
40質量%のクリームになるようミネラル酵母Cu1(オリエンタル酵母工業株式会社製)の粉末を300mLの水に懸濁した。得られたクリームを沸騰水中で10分間加熱した後、洗浄し、沈殿を300mLにメスアップした。得られたクリーム10mLにクエン酸及びクエン酸三ナトリウムの少なくともいずれかを含む下記表2に記載の各水溶液(クエン酸緩衝液)10mLを添加して懸濁させた。なお、前記クエン酸緩衝液の濃度は、全ての液で200ミリモル/Lであり、前記クエン酸緩衝液のpHは、クエン酸とクエン酸三ナトリウムとの量比を適宜変更することにより、調整した。
各クエン酸緩衝液に懸濁させてから2時間後、遠心分離を行い、得られた上清(酵母抽出物)について、実施例1と同様にして、銅溶出率を測定した。また、実施例1と同様にして、抽出物の乾燥粉末を得て抽出物における銅含有量を測定した。結果を下記表2及び図2に示す。
表2及び図2から、抽出溶媒がカルボン酸のみを含む場合でも、カルボン酸塩のみを含む場合でも、また、カルボン酸とカルボン酸塩とを含む場合でも、高い割合で銅の溶出を行うことができた。
(実施例3:銅溶出率に対するpHの影響)
実施例2において、下記表3に記載の各水溶液(クエン酸緩衝液;濃度は300ミリモル/L)を用いた以外は、実施例2と同様にして懸濁液を調製した。なお、前記クエン酸緩衝液のpHは、クエン酸とクエン酸三ナトリウムとの量比を適宜変更することにより、調整した。
各クエン酸緩衝液に懸濁させてから2時間後、遠心分離を行い、得られた上清(酵母抽出物)について、実施例1と同様にして、銅溶出率及び抽出物における乾燥粉末質量当たりの銅含有量を測定した。結果を下記表3及び図3に示す。
表3及び図3から、抽出に用いる溶媒(カルボン酸緩衝液)のpHが高いほど、銅溶出率は高くなる傾向が見られるものの、懸濁液のpHの広い範囲において、50%以上の高い銅溶出率を示し、銅を高含有する酵母抽出物が得られることが分かった。
(実施例4及び比較例2:酵母抽出物中に含まれる銅に対するカルボン酸のモル比と銅溶出率との関係)
原料としてミネラル酵母Cu1(オリエンタル酵母工業株式会社製)を用いてカルボン酸緩衝液濃度と銅の抽出効率との関係を試験した。抽出溶媒に含まれるカルボン酸塩として、クエン酸三ナトリウムを用い、下記表4に示した濃度のクエン酸三ナトリウム水溶液を用意した。
下記表4に示した濃度の各クエン酸三ナトリウム水溶液を用いた以外は、実施例2と同様にして、酵母抽出物を得て銅溶出率を測定し、実施例1と同様にして、抽出物の乾燥粉末を得て乾燥粉末質量当たりの銅含有量を測定した。結果を下記表4及び図4に示す。
表4及び図4から、銅溶出率は、銅とカルボン酸及びその塩とのモル比に依存しており、カルボン酸及びカルボン酸塩の総量が、抽出される酵母中の銅1モルに対して2モル〜25モルである場合に銅溶出率が高く、抽出物(乾燥粉末)中の銅含有量が高いことが分かった。
(実施例5:銅溶出率に対する溶出時間の影響)
40質量%のクリームになるようミネラル酵母Cu1(オリエンタル酵母工業株式会社製)の粉末を300mLの水に懸濁した。得られたクリームを沸騰水中で10分間加熱した後、洗浄し、沈殿を300mLにメスアップした。得られたクリーム10mLに200ミリモル/Lのクエン酸三ナトリウム水溶液10mLを添加して懸濁させた。
懸濁させてから遠心分離(サンプリング)するまでの時間(溶出時間)を1時間、2時間、18時間、21時間及び24時間として、遠心分離を行い、得られた上清(酵母抽出物)について、実施例1と同様にして、銅溶出率を測定し、実施例1と同様にして、抽出物の乾燥粉末を得て抽出物における銅含有量を測定した。結果を下記表5及び図5に示す。
表5及び図5から、溶出時間が長いほど、銅溶出率は高くなり、溶出時間が15時間を超えると、75%程度の銅溶出率が得られることが分かった。
(実施例6及び比較例3:溶解性の評価)
実施例4−6で得られた銅高含有酵母抽出物の含有量が0.5質量%となるようにデキストリンと混合して銅高含有酵母抽出物の粉末を調製した。調製した銅高含有酵母抽出物の粉末1gを水又はリンゴ果汁(10体積%リンゴ果汁入り飲料、アサヒ飲料株式会社製)で100mLにメスアップして、銅酵母抽出物の1%(質量/体積)溶液を作製した。前記溶液の濁度を分光光度計を使用して、波長660nmにおける吸光度(O.D.660)を測定した。前記分光光度計としては、U−2000型(株式会社日立製作所製)を用いた。更に前記溶液を3,000rpmで5分間遠心した後の沈殿の有無を観察した。
また、対照として、従来品の銅高含有酵母抽出物(Soluble Copper Yeast、Grow社製)、及び抽出を行っていないミネラル酵母Cu1(オリエンタル酵母工業株式会社製)も銅含量が同じになるようにして、溶液の濁度を測定し、沈殿の有無の評価を行った。結果を表6及び図6A〜図6Dに示す。
実施例6−1の水溶液の濁度は、比較例3−1の水溶液の濁度に比べ、有意に低い値を示した。また、図6Aから、実施例6の水溶液は、目視でも比較例3−1の水溶液に比べ、有意に清澄性が高かった。更に、図6Bから、水溶液を3,000rpmで5分間遠心したところ、実施例6−1では沈殿物が確認されず、清澄性の高い溶液だったのに対し、比較例3−1では沈殿物が確認された。
この結果は、水の代わりにリンゴ果汁を用いた実施例6−2、比較例3−2及び3−3でも同様であった。
したがって、本発明の銅高含有酵母抽出物は、従来品よりも溶解性が高いため、流動食や飲料等にも添加して使用することができ、また、濁りや変色が生じないため、特に透明度の高い清涼飲料等に添加して使用することもできることが分かった。
(実施例7及び比較例4:臭いと味の評価)
実施例4−6で得られた銅高含有酵母抽出物の含有量が0.5質量%となるようにデキストリンと混合して調製した銅高含有酵母抽出物の粉末、該粉末の1%(質量/体積)水溶液、該粉末を1%(質量/体積)となるようにリンゴ果汁に溶解させた1%溶液、前記粉末を1%(質量/質量)となるように調整粉乳(チルミル、森永乳業株式会社製)14gを水100mLに溶解又は懸濁させた水溶液に溶解させたもの(以下、「ミルク」と称する)、前記粉末を1%(質量/質量)となるように、栄養調整食品(メイバランス(ヨーグルト味)、株式会社明治製)に添加したもの(以下、「流動食」と称する)を用意した。
<評価方法>
上記銅高含有酵母抽出物、1%水溶液、1%溶液(リンゴ果汁)、ミルク、及び流動食について、酵母或いは酵母抽出物に特有の臭い(酵母臭、エキス臭など)及び味(酵母味、エキス味など)を6人の評価者に評価してもらった。
評価は、銅高含有酵母抽出物における各評価項目の評価を3とした場合の各試料の評価を下記基準に従って6人の評価者の数値の平均をとった。なお、対照として、従来品(Soluble Copper Yeast、Grow社製)及び抽出前の銅高含有酵母(ミネラル酵母Cu1(オリエンタル酵母工業株式会社製)を銅含有量が同じになるように添加したものも同様に評価した。結果を表7に示す。
−臭いの評価基準−
5:非常に強い
4:強い
3:同等
2:弱い
1:非常に弱い
−味の評価基準−
5:非常に濃い
4:濃い
3:同等
2:薄い
1:非常に薄い
表7から、実施例7の銅高含有酵母抽出物は、粉末、1%水溶液及び1%溶液(リンゴ果汁)において、比較例4−1(従来品)よりも酵母臭やエキス臭等の臭いが有意に低いと評価された。また、ミルク及び流動食において酵母味及びエキス味ともに有意に低いと評価された。したがって、本発明の銅高含有酵母抽出物は、酵母或いは酵母抽出物に特有の臭い及び味が低減されており、添加した食品の風味を損なわないことが分かった。
(実施例8−1:ピーマンの緑色保持復元効果の評価)
実施例4−6で得られた銅高含有酵母抽出物の含有量が0.5質量%となるようにデキストリンと混合して調製した銅高含有酵母抽出物の粉末を被験物質とした。
市販のピーマンをカットし、醸造酢(株式会社ミツカン製)を1体積%含む水溶液中に投入した後、65℃〜70℃で30分間ボイルし、ピーマンの退色処理を行った。次いで、前記被験物質の濃度が2質量%となるように調製した浸漬液中に前記退色させたピーマンを移し、一晩(16時間)浸漬させた。前記浸漬させたピーマンを取り出し、前記浸漬液を沸騰させた後、前記ピーマンを再度投入した。投入後15分間ボイルした後、ザルで湯切りして流水で冷却した。
前記冷却したピーマンについて温度10℃、光強度800ルクスの条件で光照射試験を実施し、光照射開始時、光照射開始から5日目、及び光照射開始から10日目のピーマンの緑色を観察した。それぞれの時点でのピーマンの状態を図7Aに示し、色差計(コニカミノルタセンシング株式会社製 色彩色差計CR−400)による測定結果を表8に示す。
なお、対照として、退色処理を行わず、かつ、被験物質を添加しなかった場合(以下、「無処理」と称することがある)、前記醸造酢による処理のみ(退色処理のみ)を行った場合(以下、「酢のみ」と称することがある)についても同様に試験を行った。なお、「酢のみ」の場合の観察は、光照射開始時、及び光照射開始から5日目に行った。
なお、色差計の測定において、「L*」は、値が大きいと明るく、小さいと暗い傾向を示す。「a*」は、値が大きいと赤色を示し、小さいと緑色を示す。「b*」は、値が大きいと黄色を示し、小さいと青色を示す。
図7A及び表8の結果から、本発明の銅高含有酵母抽出物を用いた実施例8−1では、光照射開始から10日目でもa*値はほとんど変化せず、即ち、緑色が退色しておらず、優れた緑色保持復元効果を有することが確認できた。一方、無処理の場合は、光照射開始から5日目で、a*値が大きくなっていた。
(実施例8−2:緑茶ペーストの緑色保持復元効果の評価)
実施例8−1において、光照射試験に供する試験体を以下のようにして調製された抹茶ペーストに変更した以外は、実施例8−1と同様にして、光照射試験を行った。結果を図7B、及び表9に示す。
<抹茶ペーストの調製>
市販の抹茶粉末(S−朝比奈4号、株式会社銘葉製)10.4g、被験物質0.8g、クエン酸0.5g及び水88.3mLを混合した後、121℃で60分間加熱殺菌して抹茶ペーストを調製した。
なお、対照として、加熱殺菌処理を行わず、かつ、被験物質を添加しなかった場合(以下、「加熱なし」と称することがある)、加熱殺菌処理を行い、被験物質を添加しなかった場合(以下、「加熱あり」と称することがある)についても同様に試験を行った。
図7B及び表9の結果から、本発明の銅高含有酵母抽出物を用いた実施例8−2では、光照射開始から10日目でもa*値はほとんど変化せず、即ち、緑色が退色しておらず、優れた緑色保持復元効果を有することが確認できた。一方、加熱なしの場合は、光照射開始から5日目で、a*値が大きくなっていた。
(実施例8−3:ブロッコリーの緑色保持復元効果の評価)
実施例4−6で得られた銅高含有酵母抽出物の含有量が0.5質量%となるようにデキストリンと混合して調製したものを被験物質とした。
前記被験物質の濃度が4.0質量%となるように調製した浸漬液中に市販の冷凍ブロッコリー(ブロッコリー、ライフフーズ株式会社製)を投入し、4℃で一晩(16時間)浸漬させた。前記浸漬させたブロッコリーを取り出し、前記浸漬液を沸騰させた後、前記ブロッコリーを再度投入した。投入後15分間ボイルした後、ザルで湯切りして流水で冷却した。
前記冷却したブロッコリーについて温度10℃、光強度800ルクスの条件で光照射試験を実施し、光照射開始時、光照射開始から5日目、及び光照射開始から10日目のブロッコリーの緑色を観察した。それぞれの時点でのピーマンの状態を図7Cに示し、色差計(コニカミノルタセンシング株式会社製 色彩色差計CR−400)による測定結果を表10に示す。
なお、対照として、被験物質を添加しなかった場合(以下、「無添加」と称することがある)についても同様に試験を行った。
図7C及び表10の結果から、本発明の銅高含有酵母抽出物を用いた実施例8−3では、光照射開始から10日目でもa*値はほとんど変化せず、即ち、緑色が退色しておらず、優れた緑色保持復元効果を有することが確認できた。一方、無添加の場合は、光照射開始から5日目で、a*値が大きくなっていた。
(実施例8−4:キヌサヤの緑色保持復元効果の評価)
実施例8−3において、冷凍ブロッコリーを冷凍キヌサヤ(きぬさや、株式会社交洋製)に変更し、浸漬液中の被験物質の含有量を5.0質量%に変更した以外は、実施例8−3と同様にして試験を行い、緑色の保持復元効果を評価した。結果を図7D、及び表11に示す。
図7D及び表11の結果から、本発明の銅高含有酵母抽出物を用いた実施例8−4では、光照射開始から10日目でもa*値はほとんど変化せず、即ち、緑色が退色しておらず、優れた緑色保持復元効果を有することが確認できた。一方、無添加の場合は、光照射開始から5日目で、a*値が大きくなっていた。
(実施例8−5:インゲンの緑色保持復元効果の評価)
実施例8−3において、冷凍ブロッコリーを冷凍インゲン(いんげん、株式会社ニチレイフーズ製)に変更し、浸漬液中の被験物質の含有量を5.0質量%に変更した以外は、実施例8−3と同様にして、試験を行い、緑色の保持復元効果を評価した。結果を図7E、及び表12に示す。
図7E及び表12の結果から、本発明の銅高含有酵母抽出物を用いた実施例8−5では、光照射開始から10日目でもa*値はほとんど変化せず、即ち、緑色が退色しておらず、優れた緑色保持復元効果を有することが確認できた。一方、無添加の場合は、光照射開始から5日目で、a*値が大きくなっていた。
実施例8−1から8−5の結果から、本発明の銅高含有酵母抽出物は、種々の緑色植物に対して緑色保持復元効果を奏することが分かった。
本発明の銅高含有酵母抽出物は、天然物由来の銅を高濃度に含有し、水への溶解性に優れ、しかも添加した食品の風味等を損なうことがないことから、流動食、飲料等の経口経管栄養組成物、食品素材、野菜の緑色保持復元剤等の各種食品添加剤、食品発酵培地などとして好適に用いることができる。
本発明の銅高含有酵母抽出物の製造方法においては、銅を含有する酵母からの銅溶出率が高く、銅高含有酵母抽出物を効率的に製造することができる。

Claims (8)

  1. 銅を含有する酵母を、60℃〜120℃の熱水に懸濁させ、第1の懸濁液を得て、前記第1の懸濁液の固体成分と液体成分とを分離し、固体成分を得る熱水処理工程、及び、前記熱水処理工程で得られた固体成分を、カルボン酸及びカルボン酸塩の少なくともいずれかを含む溶液に懸濁させ、第2の懸濁液を得て、前記第2の懸濁液の固体成分と液体成分とを分離し、銅を含有する液体成分を得る抽出工程を含むことを特徴とする銅高含有酵母抽出物の製造方法。
  2. カルボン酸が、2価以上のカルボン酸であり、カルボン酸塩が、2価以上のカルボン酸塩である請求項1に記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法。
  3. カルボン酸が、3価のカルボン酸であり、カルボン酸塩が、3価のカルボン酸塩である請求項1に記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法。
  4. 前記第2の懸濁液のpHが、2.0〜10.0である請求項1から3のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法。
  5. カルボン酸及びカルボン酸塩の総量が、酵母中の銅1モルに対して2モル以上である請求項1から4のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法。
  6. 銅高含有酵母抽出物が、酵母菌体由来の銅を0.2質量%以上含有し、銅高含有酵母抽出物1gを水100mLに溶解又は分散させたときの濁度が、波長660nmの吸光度(O.D.660)として、0.1以下である請求項1から5のいずれかに記載の銅高含有酵母抽出物の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により得られる銅高含有酵母抽出物を用いることを特徴とする食品の製造方法。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により得られる銅高含有酵母抽出物を用いることを特徴とする野菜の緑色保持復元剤の製造方法。
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